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特許7451867ライダーシステムにおける複数の開口部からのコヒーレント検出を管理する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ライダーシステムにおける複数の開口部からのコヒーレント検出を管理する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/34 20200101AFI20240312BHJP
   G01S 17/42 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G01S17/34
G01S17/42
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2021563319
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2020061330
(87)【国際公開番号】W WO2020216842
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】62/839,114
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521464400
【氏名又は名称】モウロ ラブス、エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルガッロ バルバス、エドアルド
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0364336(US,A1)
【文献】特開2009-281775(JP,A)
【文献】国際公開第2018/083749(WO,A1)
【文献】特開昭62-298789(JP,A)
【文献】特開2018-200273(JP,A)
【文献】特開2013-098835(JP,A)
【文献】特開2009-290294(JP,A)
【文献】特開2018-179658(JP,A)
【文献】特表2001-521161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - G01S 7/51
G01S 13/00 - G01S 13/95
G01S 17/00 - G01S 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライダーシステムにおける複数の開口部からのコヒーレント検出を管理する装置であって、前記装置は、
視野を照らす変調された照明光波を提供する第1の光源またはポートと、
前記変調された照明光波に対して定義された位相関係を有する参照光波を提供する第2の光源またはポートと、
1または複数の次元にわたって配置された複数の開口部を含み、視野の少なくとも一部に寄与を含む光波面を受け取るように構成された開口部アレイであって、
2つ以上の前記開口部のそれぞれは、前記受け取った光波面のそれぞれの部分を受け取るように構成され、前記開口部アレイ内の少なくとも2つの隣接しない開口部は、前記視野の同じ部分からの寄与を含む前記受け取った光波面のそれぞれの部分を受け取るように構成され、
2つ以上の前記開口部のそれぞれは、前記受け取った光波面のそれぞれの部分をそれぞれの局部発振器の光波とコヒーレントに干渉させるそれぞれの光混合器に連結されており、それぞれの局部発振器の光波は、それぞれの前記開口部について、(i)前記第2の光源またはポートとそれぞれの前記光混合器との間、および(ii)それぞれの前記開口部とそれぞれの前記光混合器との間のそれぞれの群遅延の差が実質的に等しくなるように、前記参照光波から導出される、開口部アレイと、
前記2つ以上の開口部のうちのそれぞれの開口部とそれぞれの前記光混合器との間の伝播距離を調整して前記それぞれの群遅延の差が実質的に一定に保持されるように構成された1または複数の補償素子と、
前記光混合器の出力から検出された電気信号を処理するように構成された処理モジュールであって、前記処理は
複数の前記光混合器の各光混合器について、前記光混合器の少なくとも1つの出力から検出された少なくとも1つの電気信号から、位相または振幅情報の少なくとも一方の情報を判断する段階と、
複数の前記光混合器のうち少なくとも2つの前記光混合器から導出される位相または振幅情報に基づいて、前記視野の第1のサブセットに関連する第1の方向に基づく情報を判断する段階と、
前記第1の方向に基づく情報から第1の距離情報を判断する段階と、
複数の前記光混合器のうち少なくとも2つの前記光混合器から導出される位相または振幅情報に基づいて、前記視野の第2のサブセットに関連する第2の方向に基づく情報を判断する段階と、
前記第2の方向に基づく情報から第2の距離情報を判断する段階とを含む
処理モジュールと
を備える、装置。
【請求項2】
前記変調された照明光波は、周波数変調連続波(FMCW)照明光波を提供するために調整可能な周波数にピークを含む周波数スペクトルを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記変調された照明光波はパルス信号である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記変調された照明光波は、2つの波長の光が交互に現れることで形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記変調された照明光波は、異なる周波数帯域をカバーするスペクトルを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
(i)前記第2の光源またはポートとそれぞれの前記光混合器との間、および(ii)それぞれの前記開口部とそれぞれの前記光混合器との間の、それぞれの前記群遅延の差は、10cm未満の光路長差に相当する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
(i)前記第2の光源またはポートとそれぞれの前記光混合器との間、および(ii)それぞれの前記開口部とそれぞれの前記光混合器との間の、それぞれの前記群遅延の差が、1cm未満の光路長差に相当する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の方向に基づく情報および前記第2の方向に基づく情報をさらに処理して、前記視野の前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットからそれぞれ来る光の第1の強度および第2の強度をそれぞれ測定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の方向に基づく情報および前記第2の方向に基づく情報をさらに処理して、前記視野の前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットからそれぞれ来る光を反射する複数の物体の相対速度をそれぞれ測定する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の方向に基づく情報の少なくとも一部と前記第2の方向に基づく情報の少なくとも一部とが並行して判断される、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記照明光波は、前記視野全体を同時に照明するために提供される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記照明光波は、前記視野の異なる部分を経時的にスキャンするために提供される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記開口部アレイの1または複数の前記開口部が、前記照明光波の少なくとも一部を放射するために使用される、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記開口部アレイに含まれていない少なくとも1つの照明開口部をさらに備え、前記照明開口部は、前記照明光波の少なくとも一部を放射するように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記開口部アレイは、規則的に間隔をあけた長方形のグリッドに配置されたその開口部を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記開口部アレイは、規則的に間隔をあけたポーラグリッドに配置されたその開口部を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記開口部アレイは、ミルズクロス構成で配置されたその開口部を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記開口部アレイは、擬似ランダムな構成で配置されたその開口部を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記開口部アレイは、イメージングセンサの画素によって定義されている、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
それぞれの前記光混合器は、前記参照光波の90°シフトしたレプリカを使用することにより、同相/直交位相(I-Q)検出を提供するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
それぞれの前記光混合器は、多モード干渉連結器における前記参照光波との干渉を利用して、同相/直交位相(I-Q)検出を提供するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記光混合器は、部分透過層、方向性連結器、エバネッセント連結器、多モード干渉連結器、またはグレーティング連結器の少なくとも1つ通して実装されている、請求項1から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記処理モジュールは、前記変調された照明光波の変調パターンに少なくとも部分的に基づいて推定された、前記開口部アレイ内の開口部間の相対位相の誤差を補償するように構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記処理モジュールは、予め決められた波面で得られた較正データに少なくとも部分的に基づいて推定された、前記開口部アレイ内の開口部間の相対位相の誤差を補償するように構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記処理モジュールは、前記装置内および/または前記装置の環境内の温度および/または温度勾配を測定するセンサを用いて推定された、前記開口部アレイ内の開口部間の相対位相の誤差を補償するように構成される、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記処理モジュールは、アナログからデジタルへの変換コンポーネントを含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記処理モジュールは、データシリアライザを備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記処理モジュールは、光ファイバリンクを介したデータ出力のための電気光学トランスデューサを備える、請求項1から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の光源またはポートおよび前記第2の光源またはポートは、単一の共通光源から光を提供する、請求項1から28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記第2の光源またはポートは、前記第1の光源またはポートに提供される光の位相変調によって光を提供する、請求項1から29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の光源またはポートは、光拡散素子を介して前記視野を照明する、請求項1から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
複数の開口部からのコヒーレント検出を管理する方法であって、
第1の光源またはポートから、視野を照らす変調された照明光波を提供する段階と、
第2の光源またはポートから、前記変調された照明光波と定義された位相関係を有する参照光波を提供する段階と、
1または複数の次元にわたって配置された複数の開口部を含む開口部アレイで、前記視野の少なくとも一部にわたる寄与を含む光波面を受け取る段階であって、
2つ以上の前記開口部のそれぞれは、前記受け取った光波面のそれぞれの部分を受け取るように構成され、前記開口部アレイ内の少なくとも2つの隣接しない開口部は、前記視野の同じ部分からの寄与を含む前記受け取った光波面のそれぞれの部分を受け取るように構成され、
2つ以上の前記開口部のそれぞれは、前記受け取った光波面のそれぞれの部分をそれぞれの局部発振器の光波とコヒーレントに干渉させるそれぞれの光混合器に連結されており、それぞれの局部発振器の光波は、それぞれの前記開口部について、(i)前記第2の光源またはポートとそれぞれの前記光混合器との間、および(ii)それぞれの前記開口部とそれぞれの前記光混合器との間のそれぞれの群遅延の差が実質的に等しくなるように、前記参照光波から導出され
前記2つ以上の開口部のうちのそれぞれの開口部とそれぞれの前記光混合器との間の伝播距離を調整して前記それぞれの群遅延の差を実質的に一定に保持するように構成された1または複数の補償素子が導入される、受け取る段階と、
処理モジュールにおいて、前記光混合器の出力から検出された電気信号を処理する段階であって、前記処理は
複数の前記光混合器の各光混合器について、前記光混合器の少なくとも1つの出力から検出された少なくとも1つの電気信号から、位相または振幅情報の少なくとも一方の情報を判断する段階と、
複数の前記光混合器のうち少なくとも2つの前記光混合器から導出される位相または振幅情報に基づいて、前記視野の第1のサブセットに関連する第1の方向に基づく情報を判断する段階と、
前記第1の方向に基づく情報から第1の距離情報を判断する段階と、
複数の前記光混合器のうち少なくとも2つの前記光混合器から導出される位相または振幅情報に基づいて、前記視野の第2のサブセットに関連する第2の方向に基づく情報を判断する段階と、
前記第2の方向に基づく情報から第2の距離情報を判断する段階とを含む、処理する段階と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[本発明の目的]
本開示は、光検出および測距(ライダー)装置およびそれを用いた検出方法などの光信号検出システムおよび方法に関し、より詳細には、ライダーシステムにおける複数の開口部からのコヒーレント検出を管理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプのライダーシステムでは、様々な種類の操作のためのシーン再構成技術が運用されている。いくつかのシステムでは、フォーカルプレーンアレイがイメージングで使用されており、視野の異なる部分がアレイの異なる各素子でイメージングされる。いくつかのシステムでは、異なる素子からの光信号を混合して所定の方向を選択し、素子間の可変の物理的な位相シフトによって調整可能なコヒーレント検出が使用されるが、このようなコヒーレント検出からの振幅および位相情報の使用は、様々な方法で制限される場合がある。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、一般に、装置は、視野を照明する変調された照明光波を提供する第1の光源またはポートと、変調された照明光波に対して定義された位相関係を有する参照光波を提供する第2の光源またはポートと、1または複数の次元にわたって配置された複数の開口部を含み、視野の少なくとも一部にわたって寄与を含む光波面を受け取るように構成された開口部アレイとを含み、以下2つ以上の開口部のそれぞれが、受信した光波面のそれぞれの部分を受信するように構成されており、開口部アレイ内の少なくとも2つの隣接しない開口部が、視野の同じ部分からの寄与を含む受信した光波面のそれぞれの部分を受信するように構成されており、2つ以上の開口部のそれぞれが、受信した光波面のそれぞれの部分をそれぞれの局部発振器光波でコヒーレントに干渉させるそれぞれの光混合器に連結され、それぞれの局部発振器光波は、それぞれの開口部において、(i)第2の光源またはポートとそれぞれの光混合器との間の群遅延のそれぞれの差、および(ii)それぞれの開口部とそれぞれの光混合器との間の群遅延のそれぞれの差が実質的に等しくなるように、参照光波から導出されている。
【0004】
また、本発明の装置は、光混合器の出力から検出された電気信号を処理するように構成された処理モジュールを備え、その処理は、複数の光混合器の各光混合器について、その光混合器の少なくとも1つの出力から検出された少なくとも1つの電気信号から、位相または振幅情報の少なくとも1つを判断する段階と、複数の光混合器のうちの少なくとも2つの光混合器から得られた位相または振幅情報に基づいて、視野の第1のサブセットに関連付けられた第1の方向に基づく情報を判断する段階と、第1の方向に基づく情報から第1の距離情報を判断し、複数の光混合器のうち少なくとも2つの光混合器から導出された位相または振幅情報に基づいて、視野の第2のサブセットに関連付けられた第2の方向に基づく情報を判断し、第2の方向に基づく情報から第2の距離情報を判断する段階と、を含む。
【0005】
もう一つの態様では、一般に、複数の開口部からのコヒーレント検出を管理する方法は、第1の光源またはポートから、視野を照明する変調された照明光波を提供する段階と、第2の光源またはポートから、変調された照明光波に対して定義された位相関係を有する参照光波を提供する段階と、1または複数の次元にわたって配置された複数の開口部を含む開口部アレイで、視野の少なくとも一部にわたる寄与を含む光波面を受信する段階と、を含み、ここで2つ以上の開口部のそれぞれが、受信した光波面のそれぞれの部分を受信するように構成されており、開口部アレイ内の少なくとも2つの隣接しない開口部が、視野の同じ部分からの寄与を含む受信した光波面のそれぞれの部分を受信する、2つ以上の開口部のそれぞれが、受信した光波面のそれぞれの部分をそれぞれの局部発振器の光波でコヒーレントに干渉させるそれぞれの光混合器に連結されている。
【0006】
それぞれの局部発振器光波は、それぞれの開口部において、(i)第2の光源またはポートとそれぞれの光混合器との間、および(ii)それぞれの開口部とそれぞれの光混合器との間の、それぞれの群遅延の差が実質的に等しくなるように、参照光波から導出される。
【0007】
また、本発明の方法は、処理モジュールにおいて、光混合器の出力から検出された電気信号を処理する段階を備え、その処理は、複数の光混合器の各光混合器について、その光混合器の少なくとも1つの出力から検出された少なくとも1つの電気信号から、位相または振幅情報の少なくとも1つを判断する段階と、複数の光混合器のうちの少なくとも2つの光混合器から得られた位相または振幅情報に基づいて、視野の第1のサブセットに関連付けられた第1の方向に基づく情報を判断する段階と、第1の方向に基づく情報から第1の距離情報を判断し、複数の光混合器のうち少なくとも2つの光混合器から導出された位相または振幅情報に基づいて、視野の第2のサブセットに関連付けられた第2の方向に基づく情報を判断し、第2の方向に基づく情報から第2の距離情報を判断する段階と、を含む。
【0008】
もう一つの態様で、一般に、装置は、視野を照らす変調された照明光波を提供する第1の光源またはポートと、上記変調された照明光波に対して定義された位相関係を持つ参照光波を提供する第2の光源またはポートと、1または複数の次元にわたって配置された少なくとも40個の開口部を備え、視野の少なくとも一部にわたる寄与を含む光波面を受け取る、開口部アレイであって、2つ以上の上記開口部のそれぞれは、上記受信した光波面のそれぞれの部分を受信し、上記開口部アレイ内の少なくとも2つの隣接しない上記開口部は、視野の同じ部分からの寄与を含む上記受信した光波面のそれぞれの部分を受信し、2つ以上の上記開口部のそれぞれは、上記受信した光波面のそれぞれの部分をそれぞれの局部発振器の光波とコヒーレントに干渉させるそれぞれの光混合器に連結されており、それぞれの局部発振器の光波は、それぞれの上記開口部について、(i)第2の光源またはポートとそれぞれの上記光混合器との間、および(ii)それぞれの上記開口部とそれぞれの上記光混合器との間のそれぞれの群遅延の差が実質的に等しくなるように、上記参照光波から導出される、開口部アレイと、上記光混合器の出力から検出された電気信号を処理する処理モジュールであって、上記処理は複数の上記光混合器の各光混合器について、上記光混合器の少なくとも1つの出力から検出された少なくとも1つの電気信号から、位相または振幅の少なくとも一方の情報を判断する段階と、複数の上記光混合器のうち少なくとも2つの上記光混合器から得られる位相または振幅情報に基づいて、視野の第1のサブセットに関連する第1の方向に基づく情報を判断する段階と、上記第1の方向に基づく情報から第1の距離情報を判断する段階と、複数の上記光混合器のうち少なくとも2つの上記光混合器から得られる位相または振幅情報に基づいて、視野の第2のサブセットに関連する第2の方向に基づく情報を判断する段階と、第2の方向に基づく情報から第2の距離情報を判断する段階とを含む処理モジュールとを備える。
【0009】
態様は、以下の特徴の1または複数を含むことができる。
【0010】
変調された照明光波は、周波数変調連続波(FMCW)照明光波を提供するために調整可能な周波数にピークを含む周波数スペクトルを有する。
【0011】
変調された照明光波はパルス信号である。
【0012】
変調された照明光波は、2つの波長の光が交互に現れることで形成される。
【0013】
変調された照明光波は、異なる周波数帯域をカバーするスペクトルを有する。
【0014】
(1)上記第2の光源またはポートとそれぞれの上記光混合器との間、および(2)それぞれの上記開口部とそれぞれの上記光混合器との間の、それぞれの上記群遅延の差は、10cm未満、またはの1cm未満光路長差に相当する。
【0015】
上記第1および第2の方向に基づく情報をさらに処理して、上記視野の第1および第2のサブセットから来る光の第1および第2の強度をそれぞれ測定する。
【0016】
上記第1および第2の方向に基づく情報をさらに処理して、上記視野の第1および第2のサブセットから来る光を反射する物体の相対速度をそれぞれ測定する。
【0017】
上記第1の方向に基づく情報の少なくとも一部と上記第2の方向に基づく情報の少なくとも一部とが並行して判断される。
【0018】
上記照明光波は、上記全視野を同時に照明するように設けられている。
【0019】
上記照明光波は、上記視野の異なる部分を経時的にスキャンするように設けられている。
【0020】
上記開口部アレイの1または複数の上記開口部が、上記照明光波の少なくとも一部を出射するために使用される。
【0021】
上記装置は、上記開口部アレイに含まれていない少なくとも1つの照明開口部をさらに備え、上記照明開口部は、上記照明光波の少なくとも一部を放射する。
【0022】
上記開口部アレイは、上記開口部が規則的に間隔をあけた長方形のグリッドに配置されている。
【0023】
上記開口部アレイは、上記開口部が規則的に間隔をあけたポーラグリッドに配置されている。
【0024】
上記開口部アレイは、上記開口部がミルズクロス構成で配置されている。
【0025】
上記開口部アレイは、上記開口部が擬似的にランダムな構成で配置されている。
【0026】
上記開口部アレイは、イメージングセンサの画素によって定義されている。
【0027】
それぞれの上記混合器は、参照光波の90°シフトしたレプリカを使用することにより、同相/直交位相(I-Q)検出を行う。
【0028】
それぞれの上記混合器は、多モード干渉連結器における上記参照光波との干渉を利用して、同相/直交位相(I-Q)検出を行う。
【0029】
上記混合器は、部分透過層、方向性連結器、エバネッセント連結器、多モード干渉連結器、またはグレーティング連結器の少なくとも1つを介して実装されている。
【0030】
上記処理モジュールは、上記変調された照明光波の変調パターンに少なくとも部分的に基づいて推定された、上記開口部アレイ内の開口部間の相対位相の誤差を補償する。
【0031】
上記処理モジュールは、予め決められた波面で得られた較正データに少なくとも部分的に基づいて推定された、上記開口部アレイ内の開口部間の相対位相の誤差を補償する。
【0032】
上記処理モジュールは、上記装置内および/または環境内の温度および/または温度勾配を測定するセンサを用いて推定された、上記開口部アレイ内の上記開口部間の相対位相の誤差を補償する。
【0033】
上記処理モジュールは、アナログからデジタルへの変換コンポーネントを含む。
【0034】
上記処理モジュールは、データシリアライザを備える。
【0035】
上記処理モジュールは、光ファイバリンクを介してデータ出力のための電気光学トランスデューサを備える。上記第1の光源またはポートと上記第2の光源またはポートは、単一の共通光源から光を提供する。
【0036】
上記第2の光源またはポートは、上記第1の光源またはポートに提供される光の位相変調によって光を提供する。
【0037】
上記第1の光源またはポートは、光拡散素子を介して上記視野を照明する。
【0038】
態様、1または複数の以下の利点を有することができる。
【0039】
複数の開口部に対するコヒーレント検出は、開口部間の相対位相情報を保持する方法で単一の局部発振器を使用することができ、物理的なビームステアリングを必要とせずに、単一の取得のデジタル後処理によって視野内の任意の方向を選択することがある。
【0040】
所望の波面またはビーム方向の再構成は、デジタル後処理などの後処理で行うことがある。
【0041】
アレイ内の各開口部からの振幅と相対位相情報をデジタルで記録および格納し、それらを組み合わせることで、仮想的なビームステアリング効果および画像スキャン効果を得ることができる。
【0042】
ヘテロダイン検出は、複数の開口部間の位相情報を抽出し、その情報を複素数領域で処理することで、異なる視聴方向を分離することに使用されることができる。視野の異なる部分の複数の寄与の距離と強度が各方向について解決され、このようにして、視野内のボリュームに関する断層情報が再構成されることがある。
【0043】
記載されている技術は、集積光学系の実施例と互換性がある。
【0044】
補償可能な位相誤差を最小化して推定する技術を用いることで、システムの良好な性能を促進することができる。
【0045】
全視野を同時にイメージングすることができるため、広視野での照射が可能となり、目の安全性限界の範囲内でより高い照度を得ることができる。
【0046】
その結果、許容可能なより高い照明出力により、より高速なイメージング、より長い範囲、および/またはより高い解像度のイメージングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本説明を補完し、本発明の特徴をよりよく理解するために、本発明の実用的な実施形態の好ましい例に従って、一連の図面を本説明の一体化な部分として添付し、例示的かつ非限定的に以下の内容を表現している。
【0048】
図1A】それぞれ平衡検出と不平衡検出を用いて局部発振器に干渉を発生させるコヒーレント検出方式の例を示す概略図である。
図1B】それぞれ平衡検出と不平衡検出を用いて局部発振器に干渉を発生させるコヒーレント検出方式の例を示す概略図である。
【0049】
図2A】局部発振器に2つの入射フィールドを混入させたコヒーレント検出方式の例を示す概略図である。
図2B】局部発振器に2つの入射フィールドを混入させたコヒーレント検出方式の例を示す概略図である。
【0050】
図3】受信サブシステムの一例を示す概略図である。
【0051】
図4】受信サブシステムの一例を示す概略図である。
【0052】
図5】各混合器にアームの長さが均等化された局部発振器を分布した受信サブシステムの一例を示す概略図である。
【0053】
図6】各混合器へのアームの長さが均等化された局部発振器を円形に分布し、開口部の分布が2つの同心円を定義したマスクレイアウトの説明図である。
【0054】
図7】長さが同じで、水平方向のシフトが異なる2つの導波管セグメントの説明図である。
【0055】
図8】ライダーシステムの一例の光学構成を示す概略図である。
【0056】
図9A】開口部を平面状に配置した場合の、球面上の放射パターンの角度分布を示す3次元プロットである。
図9B】開口部を平面状に配置した場合の、球面上の放射パターンの角度分布を示す3次元プロットである。 [本発明の好ましい実施形態]
【0057】
ライダーシステム(またはLiDARシステム)の様々な例は、受信サブシステムの受信導波管に連結された検出アレイの個々の収集開口部の既知の空間分布から形成された合成開口部に基づいて実装することができる。
【0058】
各電磁波がそれぞれの受信導波管に連結された後、各開口部で収集された電磁波のフィールド(または「収集フィールド」)は、開口部の入力における収集フィールドの位相情報を推測し、開口部間の相対位相差を測定することができるような方法で、局部発振器(LO)フィールドと混合される。
【0059】
これは、例えば90°位相シフトした2つの局部発振器を用いた同相/直交位相(IQ)光復調器を導入することができる。代替的に、局部発振器を、開口部で収集フィールドの周波数に対して周波数シフトさせることで、開口部で収集フィールド間の相対位相差を、周波数シフトによるキャリア周波数に対して測定することができる。
【0060】
図1Aおよび図1Bには、検出オプションの例が示されている。図1Aでは、コヒーレント検出器(または「混合器」)(100A)は、LOソース(104)からの局部発振器(LO)と入力開口部(101)での収集フィールドとのヘテロダイン混合を生成するために使用される2×2連結器(102)(例えば、マルチモード干渉(MMI)連結器)を備えている。2つの検出器(106A)および(106B)(例えば、フォトダイオードなどの光検出器)を使用して、検出された光干渉信号の180°シフトバージョンを生成し、平衡検出を使用して合計され、差動モード信号を表す電流が得られる光電流を得る。これにより、ノイズおよび干渉を増加させられる信号のコモンモード素子を抑制できるという利点がある。
【0061】
代替的に、図1Bでは、コヒーレント検出器(100B)は、単一の検出器(106C)(例えば、フォトダイオードなどの光検出器)を備えており、これは、コモンモード抑制効果を失うというトレードオフを伴って、より大きなシンプルさを提供し得る。平衡検出方式の代わりに、この不平衡検出方式の潜在的な欠点は、局部発振器のフィールドと収集フィールドとが同じ周波数である場合、信号の振幅とそれらの間の位相シフトとに依存する検出器(106C)上の干渉のDC成分が、主に局部発振器の振幅に依存する不平衡検出の非干渉DC成分と混合されることである。例えば、LOの周波数変調によって両者の間に周波数シフトが生じれば、収集フィールドの位相と振幅との両方を解像することができるだろう。
【0062】
任意の所定の実施例において、定義された連結器(102)は、MMI、エバネッセント連結器、または他の形態の適切な連結器とすることができる。システムの感度向上および有効範囲拡大のためには、これらのデバイスの過剰損失を低減するべきである。収集開口部と検出器との間にあるデバイスの数を減らすことで、例えばフェーズドアレイで一般に使用される長いバイナリーツリーに対して、デバイスの過剰損失の影響を減らすことができる。
【0063】
使用される電磁波のピーク波長は、本明細書では単に「光」とも呼ばれる光波長の特定の範囲(例えば、約100nmから約1mmの間、またはその一部の範囲)に該当する場合がある。
【0064】
光検出器は、応用に応じて適切なPINフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、および他の感光デバイスを用いて実装することができる。特に、光検出器は、ライダーシステムで使用される光の波長に少なくとも感度があり、対象信号を読み取ることができる十分な帯域幅を持つ。これらの光検出器の暗電流と量子効率は、システムの感度および範囲を最大化するために最適化することができる。
【0065】
図2Aを参照すると、コヒーレント検出器(200)の代替的な実装では、2×2連結器(202A)がLO光源(204)からLO光波を受信し、互いに対して90°シフトした2つのバージョンの局部発振器を作成する。これらのシフトされたLOは、それぞれの2×2連結器(202C)、(202D)において、IQ復調を得るために、入力開口部(201)からの入射フィールドを2つの出力に分割し、上記2つの出力の間に位相シフトを生成しない1×2スプリッタ(202B)で生成された入射フィールドの2つのレプリカと、それぞれ混合される。連結器(202A)、(202B)、(202C)、(202D)は、例えば、MMI連結器とすることができる。この場合、4つの検出器(206A)、(206B)、(206C)、(206D)(例えば、フォトダイオードなどの光検出器)を用いて、IチャネルとQチャネルのそれぞれを平衡検出する。
【0066】
この構造では、周波数シフトしたキャリアを必要とせずに位相を回復することができる。また、単一混合器方式のような不平衡検出も可能であるが、同様の制限がある。図2Bは、2つの別々の2×2連結器(202C)および(202D)の代わりに2×4連結器(212)が使用されている、コヒーレント検出器(210)の別の代替的な実装を示している。本実施例では、2×4連結器(212)はMMI連結器であり、MMI連結器は、入力開口部(201)からの入射フィールドとLOソース(204)からのLOを、4つの検出器(206A)、(206B)、(206C)、(206D)で適切な位相シフトで混合する。
【0067】
複数の収集開口部を含む検出アレイの合成開口部でカバーされる視野をスキャンし、視野内で光を反射する物体の表現(例えば、3Dクラウドマップ)を回復するために、各収集開口部での位相のデジタル化されたバージョンが連結される。この組み合わせにより、視野内の所望の方向に対応する仮想波面が効果的に定義される。これは数値計算なので、複素数領域で行われる位相シフトの調整により、ライダーシステムの視野内で可能なすべての受信方向に対して同時に行うことができる。これは複素数行列乗算に相当し、例えばコンピュータのCPUを使った逐次計算で行うことが可能であり、または、例えばFPGA/GPUハードウェアを使った並列計算で行うことが可能である。これらの様々なまたはいずれの計算モジュールは、逐次計算、並列計算、または逐次計算と並列計算との組み合わせで使用することができる。
【0068】
理論に縛られることなく、いくつかの計算を行うために使用できるいくつかの方程式の定式化の例として、視野内の所望の方向(θj,φj)について、アレイ上の座標(xi,yi,0)の特定の開口部に適用する位相シフトで、局部発振器基準に対する位相誤差ξ_iは、次のように表すことができる。
【数1】
アレイのすべての開口部における複素数振幅の行列をAとすると、計算モジュールは以下のように視野を再構成することができる。
【数2】
また、一様変換行列は次のように表すことができる。
【数3】
【0069】
他の変換行列も可能で、一連の振幅係数を導入してアレイの等価放射パターンを先細りにすることができる。規則的な間隔を持つ線形アレイでは、アレイ中心からのフィールド強度が三角形状および二項形状などの特徴的な設計がある。これらの設計では、主放射ローブが広くなる代わりに、副ローブが抑制される。代替的な設計として、Chebychev多項式に基づいて、DolphまたはTaylorの変換を行ってよく、メインローブの幅を最小化しつつ、副ローブの上限を設定することができる。
【0070】
収集開口部の空間分布は、アンテナのフェーズドアレイ設計と同様のサンプリング問題である。所望するアンテナパターンおよびローブプロファイルに依存して異なる構成が可能である。収集開口部のアレイの例示的な配置は、円形アレイ、矩形グリッドなどの配置を含むことができ、これらは、アンテナのアレイを使用するシステム(例えば、RADARシステム)に類似して、使用することができる。いくつかの実施例では、開口部の数は、重要なシーンの高解像度イメージング、および、長距離イメージング(例えば300m超)のための十分な光収集を可能にするのに十分多い。
【0071】
いくつかの実施例では、開口部は、参照により本明細書に組み込まれる2019年5月3日に出願された米国仮出願特許第62/842,924号に詳細に記載されているように、磁力の印加によって自己組織化することができる非平面的な形成のサブユニット上に配置することができる。例えば、平面基板上に複数のサブユニットが作製され、各サブユニットは、1または複数のサブユニットに入射する光波面の少なくとも一部を受光するように構成された光検出構造と、少なくとも1つの隣接するサブユニットとの境界付近にあるヒンジの少なくとも一部を形成する材料とを備えている。基板の少なくとも一部は、少なくとも3つの異なるサブユニットの組のそれぞれの境界線上で除去され、材料から形成されたヒンジの1つによって拘束された各組のサブユニット間の相対的な動きを可能にする。1または複数のアクチュエータは、複数のサブユニットの接続されたネットワークを非平面的な形成に折り畳むために力を加えるように構成されている。
【0072】
ライダーシステムのコンポーネントを含むデバイスが集積光学系を使用して実装される場合、例えば、導波管と開口部の配置は、ウェハの表面の平面内で行われてよく、導波管の端の光学素子は、光放射をオフプレーン(例えば、ウェハの表面に垂直)に偏向するために使用されてもよい。このような光学素子は、グレーティング連結器、エッチングされた45°ミラー、3Dプリントされたマイクロミラー、または外部マイクロミラーなどを含み得る。さらに、参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2017/0350965A1号に記載されているように、設計の視野を適応させるために、マイクロレンズなどの回折素子を設計に導入してもよい。これらのマイクロレンズは、グレースケールリソグラフィー、レジストリフロー、インプリント成形、または3Dプリント技術などの方法を利用して製造することができる。
【0073】
集積光学系の実施例では、フォトダイオードと電子増幅器(例えば、トランスインピーダンス増幅器(TIA))を同じ基板上に製造することができ、システムコストを最小限に抑え、デバイスのフットプリントを縮小することができる。これは、CMOS互換技術を適用することで可能になる。エレクトロニクスは、CMOSプロセスを用いて製造することができ、導波管は、エレクトロニクス層の上に、例えば、シリコン、シリカ、窒化シリコン、または酸窒化シリコンなどを用いて製造することができる。光検出器は、例えば、より長波長の場合はシリコンウェハ上に成長させたゲルマニウムを使用して、または波長が許せばCMOSプラットフォーム上のシリコン検出器を使用して製造することができる。
【0074】
ライダーシステムのいくつかの実施例のためのエレクトロニクスは、デバイス内の検出器または検出器組のそれぞれに適切なトランスインピーダンスゲインを提供するように構成された1または複数の増幅段を含むことができる。増幅された信号は、デジタル化され、(例えば、上記の方程式に従って)デジタル処理されて、視野上の所望の観察方向のそれぞれに対応する独立したデータストリームを生成することができる。次いで、これらのデータストリームは、他のいくつかのライダーシステムで使用されている深度抽出(または範囲抽出)アルゴリズムを使用して、深度情報(範囲情報とも呼ばれる)を抽出するために処理されてよい。チャープまたは周波数変調連続波(FMCW)システムでは、深度は局部発振器と受信光の周波数との間の瞬間的な周波数差で符号化される。他の方式では、2つの波長の間に切り替える際の位相差、またはヘテロダイン検出を用いたパルス方式の時間測定が適用されることもある。
【0075】
デジタル処理エレクトロニクスは、光学デバイスと同一の基板上に作ることも可能であり、またはASICチップのような別の専用デバイスに実装することもできる。この目的のために、FPGA、DSP、或いはCPUまたはGPU上で動作するソフトウェアの実装など、既製のコンポーネントを使用することもできる。図3は、受信サブシステムにおいて、同じデバイス上に統合され得るか、さもなければ組み合わせられ得るIQ検出器(302A)~(302B)のアレイ(開口部アレイにおけるそれぞれの開口部のために)に連結されるデジタル信号処理(DSP)モジュール300の例を示している。IQ検出器(302A)は、インフェイズ(I)成分用の一組のフォトダイオード(304A)と、直交(Q)成分用の一組のフォトダイオード(304B)とを含む。フォトダイオード(304A)および(304B)からの信号は、それぞれのTIA(306A)および(306B)で増幅され、それぞれのDAC(308A)および(308B)でデジタル領域に変換される。同様に、IQ検出器(302B)は、I成分用の一組のフォトダイオード(304C)と、Q成分用の一組のフォトダイオード(304D)とを含む。フォトダイオード(304C)および(304D)からの信号は、それぞれのTIA(306C)および(306D)で増幅され、それぞれのDAC(308C)および(308D)でデジタル領域に変換される。
【0076】
複数の収集開口部のチャネル数、特定のシーンの視野上のスキャン範囲、および/またはシーン取得率から得られるデータスループットは大きくなり得る。いくつかの応用においては、上記デバイスの実装に使用されているのと同じフォトニクスプラットフォームを使用して、情報を符号化し、光学的にシステムの残りの部分に送信することができる。
【0077】
これは、例えば、PINデバイスのキャリア注入に基づく高速変調器、またはその他の電気光学効果によって行うことができる。図4は、IQ検出器(402A)~(402B)(開口部アレイのそれぞれの開口部用)のアレイからのデータが、シリアル化された出力が外部光源(408)からの光キャリア上で変調器(406)によって振幅変調される前に、デジタル信号をオンチップでシリアル化するシリアル化器(404)に連結される受信サブシステムの一例を示したものである。その後、直接検出の光-電気変換器(410)とデシリアライザ(412)がデジタル信号をDSPモジュール(414)に提供することができる。
【0078】
このオンチップ光通信チャネルは、両伝搬方向を分離するアイソレータ/連結器による波長分割多重を用いて、または、他の技術のうちとりわけ時間多重を用いて、局部発振器をデバイスに提供するために用いられる同じ光路上で、多重化することができる。代替的に、符号化された光情報のために別の物理的な経路を使用してもよく、当該経路は、出射光および収集光、ならびに局部発振器光を提供するレーザに使用されるシングルモード光ファイバとは異なる種類の光ファイバであってよい。例えば、この符号化された光情報の別経路は、マルチモードの光ファイバであってもよい。この光ファイバによるデータ通信により、検知素子とのインターフェースを、数本の電源/制御用電気信号と1本または2本の光ファイバだけに簡素化することができる。
【0079】
導波管の配置は、デバイスの性能を向上させるように構成されてよい。フォトニック集積回路(PIC)における集積光学系は、最新のリソグラフィーで達成可能な精度、すなわち、100nmより大幅に上回るスケールで実現できるという利点を有する。このデバイスのいくつかの実施例では、フォトニック集積回路の集積光学系の代わりに、または集積光学系に加えて、バルク光学系および/またはファイバ光学系を使用して組み立てることが可能である。しかし、ライダーシステムの主要な光学部品のすべてをPICに統合したいくつかの実装では、そのような実装によって可能になる寸法と公差によって、より安定したシステムが促進され、情報の回復がより容易になる可能性がある。
【0080】
もう1つの可能な実装例は、適切な解像度と十分な導波管品質を持つ3Dプリント技術を用いて分布ネットワークを製作することである。このようなシステムを実装するためには、ベンドを実装するための十分な屈折率コントラストおよび低損失が要因となる場合がある。混合機能を提供するために使用される連結器は、平面のような構造、またはフォトニックランタンのような真の3Dコンポーネントを使って製作することができる。3Dプリントされた導波管は、混合後に適切な検出器アレイに向けられてよい。
【0081】
FMCWシステムの場合、いくつかの実施例では、第1に、各開口部とそれぞれの混合器入力とを接続する各光路と、第2に、局部発振器の共通入力と干渉を発生させる連結器とを接続する光路との間の経路長差は、アレイ内のすべてのチャネルで実質的に等しくなる。これにより、FMCWシステムに特徴的な波数チャープの際に両者の間に見られる位相シフトを最小化することができ、上記の変換行列の較正およびデジタル補償の必要性を減らすことができる。同様に、特に局部発振器の波長に影響を与える他のソース変調方式では、適切な方向回復を妨げる開口部間の相対位相測定に変調依存の位相誤差を導入しないように、経路長差を最小化することができる。
【0082】
また、アームの長さを均一化することで、温度感受性を高めることに役立つ。この例のシステムを実装するために使用できるいくつかの材料の中には、単結晶シリコンのように、中程度から高程度の熱光学効果を持つものがある。局部発振器の入力から各混合器までにいたる長さ、または開口部から混合器までにいたる長さが異なる場合、温度変化によってアレイの位相シフトが制御できなくなり、結果として、較正ができなくなる可能性がある。1.3μmでの熱光学係数が2.4×10-4のシリコンの場合、アレイで許容される最大位相誤差がλ/100であると仮定すると、波長1.3μmでの最大許容経路長差は、許容温度変化として1Kあたり54μm以下と選択することができる。また、チップに熱を加えず、-20~80℃の温度範囲で動作させる必要がある場合は、最大許容経路長差を0.54μm以下と選択することができる。
【0083】
デバイスが、熱を放出するエレクトロニクスまたは電気光学コンポーネントと共に梱包または製造されている場合は、構造内の熱勾配を減らすためにさらに注意を払う必要がある。代替的に、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸窒化シリコンなどの熱光学係数の低い材料を、すべての導波管または光回路の一部に使用することもできる。さらに、本機の作製に使用した基板に1または複数の温度センサを搭載することで、位相誤差を推定することができ、後処理で位相誤差を補償することができる。
【0084】
全発振器の総経路長の均一化は、特にバイナリースプリットツリーなどによって実現することができる。この方式の一例は、IQコヒーレント検出器(例えば、上述のコヒーレント検出器200)に連結されたN個の開口部(例えば、この例ではN=8)の小型線形アレイを含む受信サブシステム(500)の一例を図5に示す。その2つの出力の間に位相シフトを誘発しない種類の1×2スプリッタ(502)があり、ツリーが各段階で対称になるように構成できることを考えると、一般入力(504)と各IQコヒーレント検出器の入力との間のLOの位相および群遅延は、実質的に同じになるように構成できる。開口部から混合器までの距離を一定に保持して、すべての開口部で位相遅延が同じになるようにしてもよい。
【0085】
開口部のアレイ内に開口部を直線的に配置する代わりに、開口部の配置の幾何学的形状を2次元または3次元の配列に分散させることができる。例えば、幾何学的円形の形状の場合、図6に示す例示的なマスクレイアウト(600)の例のように、各スプリッタ後の角度スパンとセグメント長とが実質的に等しくなるように配置することができる。
【0086】
図示のレイアウトでは、開口部は2つの同心円に沿って配置されており、開口部から混合器までの距離は一定に保持されている。これは、典型的に個々の導波管よりも幅の広い混合器を交互に配置できるという利点がある。このインターリーブにより、リングの開口部密度を高めることができる。しかし、対称性がないため、デバイスへの局部発振器の入力と、異なる混合器の入力との間の経路長を調節することができる。そのため、図7に示すように、ウェハ上の物理的な距離の変化を調節しつつ、総光遅延を一定に保持する補償素子を導入することが可能である。導波管セグメント(700A)と導波管セグメント(700B)は、水平方向(例えば、アレイの平面内)において、それらの端点間の距離が異なるが、それらの端点間の導波管セグメントを介した伝搬距離は同じである。
【0087】
本明細書に記載されている検出アレイおよび処理技術を使用する受信サブシステムを組み込んだライダーシステムの発光サブシステムは、照明ビームが対象シーンの領域をカバーするように、様々な形態のいずれかを取ることができる。例えば、単一の導波管または開口部を単独で使用したり、ビーム形成光学系と組み合わせたりすることで、放射されたビームで視野を完全にカバーする照明パターンを製作することができる。この場合、受信サブシステムは、所望の解像度で視野(FOV)を解像する役割を担っている。
【0088】
図8は、発光サブシステム(または「発信機」)と受信サブシステム(または「受信機」)を含むライダーシステム(800)の発信機と受信機の光学構成の一例を示し、発信機が完全なFOV(802)をカバーし、アレイ解像度(804)を条件としてFOV(802)内の特定の方向を選択するのは受信機内の信号処理であることを示している。この例では、レーザ源(806)が局部発振器(808)として光を提供し、FOV(802)を照らすライダー発信機(810)に光を提供する。パラレルコヒーレント受信機(812)は、複数の開口部のアレイ上で光波面を受信する。各開口部は、受信した光波面の各部分を受け取るように構成されている。また、異なる開口部(異なる隣接しない開口部を含む)は、受信した光波面の各部分を受け取るように構成されており、光波面のこれらの部分のそれぞれは、視野の同じ部分からの寄与を含む。
【0089】
代替的に、フェーズドアレイを用いて、励起ビームを誘導し、視野をスキャンしてよい。このようなフェーズドアレイの設計には、様々な技術および分布方式のいずれかを応用してよい。図9Aおよび図9Bは、矩形グリッド(図9A)および円形アレイ(図9B)の球状放射パターンを示しており、最大ビーム強度はスケールの最大値を定義し、対象物体への伝搬方向を指している。図9Aは、40×40の矩形グリッドを3.8λの間隔で配置した場合の球面放射パターン(900)を示し、図9Bは、600個の要素を持つ円形アレイを1.6λの間隔で配置した場合の球面放射パターン(902)を示している。各放射パターンの下には、陰影の強さと相対的な放射強度(単位:dB)の対応を示す凡例が示されている。これらの例では、開口部のアンテナ機能は考慮されていない。
【0090】
さらなる選択肢として、MEMSデバイスまたは他の電気機械デバイスを使用して、発信機のスキャン機能を提供してよい。このような場合、励起スキャナおよび収集アレイの重複による角度方向の選択は、アンチエイリアシング抑制方式(例えば、発光アレイおよび収集アレイのエイリアシングレプリカのバーニア分布、またはエイリアシング角周期よりも小さい励起のFOVの使用による空間フィルタリング)の基礎となり得る。
【0091】
より大きな視野の異なるサブセット上をスキャンするように励起ビームを操縦する場合、視野上の異なる視聴方向に対応するデータストリームなど、方向に基づく情報を判断するために使用される計算は、各サブセット上をスキャンするために使用することができる。また、あるサブセットの受信データを収集する際には、視野の異なるサブセットに対して異なるパラメータ(例えば、積分時間)を使用することができる。
【0092】
本明細書に記載されている技術は、様々な潜在的な技術的問題に対処することができ、そのうちのいくつかは高速長距離ライダー検出を確実にすることに関連している。これは、自律走行車の安全性向上、および航続距離の延長が有効な航空宇宙などの用途に役立つ可能性がある。
【0093】
既存のシステムの範囲制限は、所定の波長で使用可能な最大出力と、所定の検出器技術で達成可能な感度とに関連している。シーンを照らすために使用される最大のビームパワーは、機器の実用上の考慮事項および目の露出に対する安全性限界によって制限されることがある。この制限は波長によって異なり、光の波長が短いほど目での吸収率が低くなるため、より厳しい制限となる。波長がより長いほうが本質的により安全なのである。さらに、目の安全性の計算には、ビームの物理的特性が関係している。ライダーで使用されるようなコリメートビームの最大出力は、ビームの直径およびビームの目の瞳孔との交差の可能性に依存する。いずれにしても、所定の波長と光学設計の選択に対して、安全に使用できる最大出力がある。本明細書では、シーンイメージング機能を受信機アレイに移すことで、全視野と同じ広さの照明ビームを使用することができ、その大きな発散により、より強力で本質的に安全な照明ビームを使用することができることを示している。
【0094】
感度については、飛行時間システムとヘテロダイン型またはCW型システムなど、異なるシステムによって異なる感度の問題が生じる。飛行時間システムでは、非常に微弱な信号でも電子ノイズがショットノイズを上回りやすいため、ヘテロダインシステムに対して感度が劣ることがある。ヘテロダインシステムでは、視野内で検出された反射光と参照信号との干渉により、第1のレベルの光学的「利得」が得られる。
【0095】
単一光子アバランシェダイオード(SPAD)に基づく検出器アレイの開発は、強度に基づくシステムの感度を向上させる可能性があるが、デバイスの非理想性によって改善が制限され、他の設計上の妥協点が生じる可能性がある。フォトダイオードアレイは、集積度の高さとコストの低さから、通常はシリコンで作られている。このため、実際には、飛行時間ライダーシステムの動作範囲は、シリコンのバンドギャップで電子と正孔のペアを生成するための最小エネルギーである1μm未満の波長に制限される。これは、許容光量の観点からは最適ではない可能性がある。
【0096】
ヘテロダインシステムのさらなる潜在的な利点は、同じFOVを見る複数のデバイス間のクロストークに対する本質的な保護を提供することである。飛行時間システムでは、異なる発信機からのパルスを識別できない場合がある。しかし、ヘテロダインシステムでは、局部発振器を使用して反射信号に干渉を与えるため、独立した発信機は一般的に互いにインコヒーレントになる。
【0097】
FMCWシステムの潜在的な問題は、各ビームの立体角がLIDARの解像度を判断するため、一般的にエテンデュー(AΩ)が限られていることである。これにより、システムの反射光子収集能力が制限される。本明細書では、この制限をどのように解決するかを示し、システムのエテンデューと光スループットを向上させながら、イメージング機能を検出器アレイに移行し、静的なシングルビーム照明を可能にしている。回転スキャナのビーム数を複製することで、スキャン速度を向上させることができるが、複雑でコストがかかる可能性がある。
【0098】
記述された特徴は、以下の2つのメカニズムを含む異なるメカニズムによってライダーシステムの性能を向上させることができる。
1.位相シフトアンテナアレイの相互損失によって輝度を制限することなく、収集開口部の数を増やすことができる。信号が大きいほど、より長い範囲をカバーでき、より高速なスキャンが可能になる。
2.各開口部での複素数フィールドを一度に測定し、数学的変換をして視野を再構成する。これにより、アレイの可動式放射パターンを生成するために、各開口部の位相をスキャンする必要がなくなる。
【0099】
これらの利点の一部を高めるために、FMCW検出方式を使用することができる。これは、ヘテロダイン型利得を使用して電気的ノイズのレベルよりも信号を増加させることができ、良好な軸方向の解像度と範囲を達成することができるからである。また、2波長ライダーのような他のヘテロダイン型方式も、システムの一部の実施例に適用可能である。
【0100】
射程距離と速度の問題は、発信機の出力光量を増やすことで同時に解決できる。しかし、コリメートビームに投入できるレーザ出力には、安全性限界がある。この安全出力の閾値が、システムによっては性能に制限することがある。
【0101】
アレイから収集したデータを数学的変換することでスキャンを減少する代わりに、位相シフタを使って実際にビームを操縦することが可能である。しかし、これらの位相シフタは、製造公差により較正が必要な場合がある。また、受信信号のカスケード混合により、受信時の集光効率が低下し、位相シフタのための作動機構によっては、結果として得られるビームステアリングが遅すぎる応用もある。
【0102】
記載される技術の潜在的な利点は、アレイから得られるエタンデュー(AΩ)の増加である。単一の収集開口部では、このエテンデューは最小で、基本的には波長AΩ~2によって定義される。このため、一般的な照明環境では,後方散乱光を収集するための開口部の能力が制限される。複数の導波管を一般的なフェーズドアレイ構造で組み合わせた場合、単一の導波管の場合と基本的に同じエテンデューと輝度が得られる。
【0103】
これは、異なる開口部からの光が一緒に連結される際に生じる連結器の相互損失によるものである。しかし、記載される技術では、各開口部で集められた光が局部発振器と混合され、本質的な損失なしに検出される。すべての開口部から集められたすべての光子が干渉するため、システムの信号対ノイズ比は、一様に照明されたシーンでは係数Nで増加する。これにより、システムはより高速にスキャンすることができるが、検出と呼べる十分なレベルの光子量に達するまでの待ち時間が短くなる。
【0104】
いくつかの実装では、開口部間の位相誤差および群遅延誤差の存在が問題となる可能性がある。この問題は、設計時に高解像度リソグラフィーの機能を利用してLO経路間の幾何学的な差異を低減することができる。また、群および位相の屈折率に影響を与える外部パラメータを考慮して、対応する導波管を比較的短くし、および/または互いに接近して対称性を持たせることで、差分誤差を最小限に抑えることができる。
【0105】
また、よく知られた励起光(コリメートビームなど)を用いてデバイスの較正を行い、それを補償行列として格納し、上で定義した幾何学的変換行列と掛け合わせることも可能である。
【0106】
記載される技術のいくつかの実施例では、所望の深度のスキャン範囲全体で干渉を確保するために十分なコヒーレンス長を持つコヒーレント光源を使用している。
【0107】
本開示は、特定の実施形態に関連して説明したが、本開示は、開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付の請求項の範囲内に含まれる様々な変更および同等の配置をカバーすることを意図しており、この範囲は、法律で認められているすべてのそのような変更および同等の構造を包含するように、最も広い解釈を与えるものであることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B