(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/0965 20060101AFI20240312BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240312BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G08G1/0965
G08G1/09 H
H04M1/00 U
(21)【出願番号】P 2019157062
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 剛
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-091058(JP,A)
【文献】特開2016-082409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/0965
G08G 1/09
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信する通信情報受信部と、
前記通信情報を用いて前記通信車両を特定する通信車両特定部と、
特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボル
と前記自車両の特徴を視覚的に表す画像である第2のシンボルとを取得するシンボル取得部と、
前記自車両の位置情報を取得する自車両位置取得部と、
前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボル
及び前記第2のシンボルの表示サイズを決定する表示サイズ決定部と、
決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボル
及び前記第2のシンボルを表示装置の画面に表示させる表示制御部と、
を有する通信装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記画面における前記第1のシンボルと前記第2のシンボルとの間隔が前記距離に応じた間隔となるように、前記第1のシンボル及び前記第2のシンボルを前記画面に表示させる、
請求項
1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記画面において、前記第2のシンボルに対して、前記自車両に対する前記通信車両の存在方向に対応する位置に、前記第1のシンボルを表示させる、
請求項
1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信する通信情報受信部と、
前記通信情報を用いて前記通信車両を特定する通信車両特定部と、
特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボルを取得するシンボル取得部と、
前記自車両の位置情報を取得する自車両位置取得部と、
前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボルの表示サイズを決定する表示サイズ決定部と、
決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボルを表示装置の画面に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記画面において、前記第1のシンボルの近傍に吹き出しを表示させ、前記吹き出しの中に前記通信内容を表示させるものであって、前記通信車両が複数である場合、
複数の前記通信車両それぞれと前記自車両との間の距離に応じた順で、複数の前記通信車両それぞれに関する前記通信内容を順次表示させる、
通信装置。
【請求項5】
前記通信車両特定部は、前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって、前記自車両に対する前記通信車両の存在方向を特定し、
前記表示制御部は、前記通信車両の存在方向が視覚的に知覚可能となるように、前記第1のシンボルを表示させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記画面における、前記通信車両の存在方向に対応する位置に、前記第1のシンボルを表示させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記画面に表示された前記第1のシンボルがタッチされた場合に、前記通信車両との通信を可能とする通信処理部
をさらに有する請求項1から
6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信し、
前記通信情報を用いて前記通信車両を特定し、
特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボル
と前記自車両の特徴を視覚的に表す画像である第2のシンボルとを取得し、
前記自車両の位置情報を取得し、
前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボル
及び前記第2のシンボルの表示サイズを決定し、
決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボル
及び前記第2のシンボルを表示装置の画面に表示させる、
通信方法。
【請求項9】
自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信するステップと、
前記通信情報を用いて前記通信車両を特定するステップと、
特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボル
と前記自車両の特徴を視覚的に表す画像である第2のシンボルとを取得するステップと、
前記自車両の位置情報を取得するステップと、
前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボル
及び前記第2のシンボルの表示サイズを決定するステップと、
決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボル
及び前記第2のシンボルを表示装置の画面に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法及びプログラムに関し、特に、車両間通信を行うことが可能な通信装置、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両間の近距離無線通信によって通話しようとする相手を容易に指定することができる無線通信装置を開示する。特許文献1にかかる無線通信装置において、自己の無線通信部は、他の無線通信部と通信して、他の無線通信部の位置情報と他の無線通信部に関する所定の情報とを受信する。画像処理部は、自己の無線通信部が受信した所定の情報を画像化して画像情報を生成する。そして、画像処理部は、自己の位置情報と自己の無線通信部が受信した他の無線通信部の位置情報に基づいて、画像情報を表示部上に表示する位置を決定し、決定した表示部上の位置に画像情報を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1にかかる技術においては、他の無線通信部つまり他車の位置情報に基づいて、他車の画像を表示部上に表示する位置を決定する。一方、より適切な車両間通信を実現するためには、どの車両から通信情報を受信したかを、運転者等のユーザがより容易に認識することが求められる。
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、自車両の周囲のどの車両から通信情報を受信したかをユーザに視覚的に容易に把握させることが可能な通信装置、通信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる通信装置は、自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信する通信情報受信部と、前記通信情報を用いて前記通信車両を特定する通信車両特定部と、特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボルを取得するシンボル取得部と、前記自車両の位置情報を取得する自車両位置取得部と、前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボルの表示サイズを決定する表示サイズ決定部と、決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボルを表示装置の画面に表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
また、本発明にかかる通信方法は、自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信し、前記通信情報を用いて前記通信車両を特定し、特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボルを取得し、前記自車両の位置情報を取得し、前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボルの表示サイズを決定し、決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボルを表示装置の画面に表示させる。
【0008】
また、本発明にかかるプログラムは、自車両の周囲に存在し通信を行っている車両である通信車両から、少なくとも前記通信車両の位置情報及び通信内容を含む通信情報を受信するステップと、前記通信情報を用いて前記通信車両を特定するステップと、特定された前記通信車両の特徴を視覚的に表す画像である第1のシンボルを取得するステップと、前記自車両の位置情報を取得するステップと、前記通信車両の位置情報及び前記自車両の位置情報によって得られる前記通信車両と前記自車両との間の距離に応じて、前記第1のシンボルの表示サイズを決定するステップと、決定された前記表示サイズで、前記第1のシンボルを表示装置の画面に表示させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自車両の周囲のどの車両から通信情報を受信したかをユーザに視覚的に容易に把握させることが可能な通信装置、通信方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施の形態1にかかる車両の内部を示す図である。
【
図3】実施の形態1にかかる通信装置及び通信装置を有する通信システムの構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1にかかる通信情報を例示する図である。
【
図5】実施の形態1にかかる通信方法を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図7】実施の形態1にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図8】実施の形態1にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図10】実施の形態2にかかる通信方法を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態2にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図12】実施の形態2にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図13】実施の形態3にかかる通信装置及び通信装置を有する通信システムの構成を示す図である。
【
図14】実施の形態3にかかる通信方法を示すフローチャートである。
【
図15】実施の形態3にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【
図16】実施の形態3にかかる通信装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、実質的に同じ構成要素には、同じ符号が付される。
【0012】
図1は、実施の形態1にかかる車両1を示す図である。
図1においては、車両1が、1つ以上のカメラ2と、通信装置100とを有する例が示されている。カメラ2は、2つ以上設けられていてもよい。そして、複数のカメラ2が、それぞれ、車両1の前後及び左右を撮影してもよい。カメラ2は、例えば可視光カメラである。また、カメラ2は、ドライブレコーダーで用いられるカメラであってもよい。なお、実施の形態1においては、カメラ2は、必ずしも必要ではない。また、以下の説明では、通信装置100が車両1に搭載されている例を示しているが、本実施の形態にかかる通信装置100は、車両1に搭載されている必要はない。例えば、通信装置100は、運転者が所有しているスマートフォン等の情報端末に搭載されてもよい。
【0013】
通信装置100は、車両1の任意の位置に設置され得る。通信装置100は、車両1が備えるCAN(Control Area Network)及びGPS(Global Positioning System)受信機等の位置検出デバイスなどに接続され得る。通信装置100は、車両1の周囲で通信を行っている車両である通信車両から受信した通信情報を用いて、通信車両の特徴を視覚的に表す画像である通信車両シンボル(第1のシンボル)を、表示装置の画面に表示させる。詳しくは後述する。通信車両シンボルは、例えば、通信車両の車種に対応する形状で形成され、通信車両の色に対応した色で着色されたアイコンであってもよい。あるいは、通信車両シンボルは、例えば、通信車両の外観の画像のサムネイル画像であってもよい。サムネイル画像は、例えば、自車両の正面の画像又は俯瞰画像であってもよい。
【0014】
なお、以後、車両1を「自車両」と称することがある。また、以下、用語「画像」は、情報処理における処理対象としての、「画像を示す画像データ」も意味する。用語「画像」は、静止画像に限定されず、動画像を含む。また、用語「音声」は、情報処理における処理対象としての、「音声を示す音声データ」も意味する。
【0015】
図2は、実施の形態1にかかる車両1の内部を示す図である。
図2は、車両1の内部の運転室を運転席から車両1の前方向に見た図である。車両1は、ステアリングホイール10、ダッシュボード12、ウィンドシールド14、センターコンソール16、車両の走行速度及びエンジン回転数などを表示するクラスターパネル18などを有する。また、センターコンソール16には、ナビゲーション画面などを表示するセンター表示部20が設けられていてもよい。車両1には、クラスターパネル18の上部に、ヘッドアップディスプレイにより画像が表示されるヘッドアップディスプレイ表示部22が設けられていてもよい。ヘッドアップディスプレイがコンバイナ型である場合、ヘッドアップディスプレイ表示部22はコンバイナである。また、ヘッドアップディスプレイがウィンドシールド14に虚像を表示する場合、ヘッドアップディスプレイ表示部22は、ウィンドシールド14において虚像が提示される領域である。また、車両1は、リヤビューモニタ24を有してもよい。リヤビューモニタ24は、一般的な車両における後方確認用のリヤビューミラーと同様の位置、すなわち、ウィンドシールド14の上部中央付近に配置されている。
【0016】
図3は、実施の形態1にかかる通信装置100及び通信装置100を有する通信システム50の構成を示す図である。実施の形態1にかかる通信システム50は、カメラ2と、位置検出装置4と、表示装置6と、マイク7と、スピーカ8と、通信装置100とを有する。通信装置100は、カメラ2、位置検出装置4、表示装置6、マイク7及びスピーカ8と、通信可能に接続されている。なお、通信装置100は、カメラ2、位置検出装置4、表示装置6、マイク7及びスピーカ8の少なくとも1つを有してもよい。また、通信システム50の少なくとも1つの構成要素又は全ての構成要素は、車両1に組み込まれていてもよいし、車両1から取り外して携帯可能であってもよい。このことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0017】
位置検出装置4は、車両1の位置を検出する。車両1の位置は、例えば緯度及び経度で表され得る。位置検出装置4は、例えばGPS受信機等の位置検出デバイスである。なお、位置検出装置4は、GPS受信機以外の任意の衛星測位システムであってもよい。また、位置検出装置4は、加速度センサ、ジャイロ、車両1のタイヤの回転数を検出するセンサや、これらのセンサからの信号を処理して車両1の位置の検出精度を高める位置検出補助処理部(不図示)等を含んでもよい。
【0018】
表示装置6は、例えばディスプレイ等である。表示装置6は、好ましくは、タッチパネルである。表示装置6は、通信装置100の制御により画像を表示する。本実施の形態においては、表示装置6は、通信車両との通信に使用され得る。表示装置6は、例えば、リヤビューモニタ24、クラスターパネル18、センター表示部20又はヘッドアップディスプレイ表示部22によって実現され得る。また、表示装置6は、通信装置100と通信可能なスマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末装置の表示部によって実現されてもよい。また、通信装置100は、例えばセンターコンソール16等に内蔵されたコンピュータ装置であってもよいし、上述した携帯端末装置であってもよい。また、通信装置100が車両1に搭載される場合、表示装置6は、車両1の内部に、車両の運転者が運転中に視認できる位置に設けられる。この場合、表示装置6は、後述するインタフェース部108によって実現されてもよい。
【0019】
マイク7は、通信装置100の制御により、運転者等のユーザの音声を集音する。スピーカ8は、通信装置100の制御により音声を出力する。マイク7及びスピーカ8は、通信車両との通信に使用され得る。なお、マイク7及びスピーカ8は、表示装置6に組み込まれていてもよい。また、マイク7及びスピーカ8が通信装置100に組み込まれている場合、マイク7及びスピーカ8は、後述するインタフェース部108によって実現されてもよい。
【0020】
通信装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。つまり、通信装置100は、コンピュータとしての機能を有する。
【0021】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によってまたは制御部102の機能として実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。
【0022】
通信部106は、通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信システム50における通信装置100以外の装置と通信を行うために必要な処理を行う。さらに、本実施の形態においては、通信部106は、通信車両と車両間通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、例えば通信車両と近距離無線通信を行う。なお、車両間通信の規格は任意である。車両間通信の規格は、例えば、日本で採用されているDSRC(Dedicated Short Range Communications)、又は、欧米で採用されているIEEE802.11pであってよい。また、車両間通信は、その他のP2P(ピア・ツー・ピア)通信と称されている任意の通信であってもよい。例えば、Wi-Fiダイレクトと称されている通信であってもよいし、ブルートゥース(登録商標)を用いた通信であってもよい。通信部106は、自車両の周囲の1つの他車両と1対1で通信を行ってもよい。あるいは、通信部106は、ブロードキャスト通信等によって、自車両の周囲の複数の他車両と通信を行ってもよい。
【0023】
インタフェース部108(IF;Interface)は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。
【0024】
また、通信装置100は、通信情報受信部110、自車両位置取得部112、通信車両特定部120、画像取得部122、シンボル取得部130、表示サイズ決定部140、表示制御部150及び通信処理部160を有する。これらの構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、これらの構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、これらの構成要素を実現するようにしてもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0025】
また、これらの構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、これらの構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0026】
通信情報受信部110は、自車両の周囲の通信車両によって送信された通信情報を、通信部106を介して受信する。通信情報については
図4を用いて後述する。なお、通信車両は、例えばブロードバンド送信によって、通信情報を送信してもよい。また、通信情報受信部110が通信情報を受信した場合、通信装置100は、スピーカ8を制御して、通信情報を受信したことを通知する音声を発生させてもよい。
【0027】
図4は、実施の形態1にかかる通信情報を例示する図である。通信情報は、通信内容を示す通信内容情報と、位置情報とを含む。位置情報は、通信情報を送信した通信車両の位置、具体的には、緯度および経度を示す情報である。位置情報は、通信車両に搭載されたGPS受信機等によって取得され得る。また、位置情報は、通信車両の進行方向を含んでもよい。
【0028】
通信内容は、通信車両の運転者等が周囲の車両とコミュニケーションを行うためのコンテンツである。通信内容は、例えば、通信車両の運転者等によって入力又は選択されたテキストメッセージであってもよい。この場合、通信車両の運転者等は、通信車両に搭載されたタッチパネルに通信内容であるテキストを入力してもよいし、タッチパネルに表示された選択肢を選択してもよい。また、テキストメッセージは、通信車両の運転者等の発話から音声認識によって生成されてもよい。あるいは、通信内容は、通信車両の運転者等の発話を示す音声データであってもよい。この場合、音声データは、通信車両に搭載されたマイクによって集音され、生成され得る。あるいは、通信内容は、通信車両の運転者等によって入力又は選択されたアイコンや絵文字、写真画像などのシンボル画像であってもよい。
【0029】
また、通信情報は、通信情報を送信した通信車両に関する車両情報を含んでもよい。車両情報は、通信車両の車種を示す車種情報と、通信車両の塗装色を示す色情報と、車両IDと、シンボル情報とを含み得る。車種情報は、通信車両の車名(型式)を示してもよいし、通信車両のモデル名(セダン、ワゴン、ミニバン、スポーツタイプ、トラック等)を示してもよい。車両IDは、車両を識別するための識別情報であって、例えば自動車登録番号又は車両番号(所謂ナンバープレートの番号)であってもよい。シンボル情報は、通信車両シンボルを示す情報である。シンボル情報が示す通信車両シンボルは、例えば、通信車両の車種に対応する形状、及び通信車両の色に対応した色のアイコンであってもよい。あるいは、シンボル情報が示す通信車両シンボルは、通信車両の外観の画像のサムネイル画像であってもよい。
【0030】
自車両位置取得部112(
図3)は、位置検出装置4から、自車両の位置情報を取得する。通信車両特定部120は、通信情報を用いて、通信情報を送信した通信車両を特定する。具体的には、通信車両特定部120は、通信情報に含まれる通信車両の位置情報から、自車両に対する通信車両の位置を特定してもよい。また、通信車両特定部120は、自車両の位置情報及び通信車両の位置情報を用いて、自車両と通信車両との間の距離である車両間距離を特定してもよい。また、通信車両特定部120は、自車両の進行方向、自車両の位置情報及び通信車両の位置情報を用いて、自車両に対する通信車両の存在方向を特定してもよい。なお、車両間距離及び通信車両の存在方向は、自車両の位置情報及び通信車両の位置情報を用いて、幾何学的手法によって算出され得る。
【0031】
画像取得部122は、カメラ2から、自車両の周囲の画像を取得する。なお、画像取得部122は、少なくとも、通信車両特定部120によって特定された通信車両の位置を撮影可能な方向の画像を取得し得る。つまり、複数のカメラ2が車両1に搭載されている場合、画像取得部122は、特定された通信車両の位置を撮影可能なカメラ2から、画像を取得する。
【0032】
シンボル取得部130は、通信車両シンボルを取得する。具体的には、通信車両から受信された通信情報に車種情報及び色情報が含まれている場合、シンボル取得部130は、車種情報及び色情報を用いて、通信車両の車種に対応する形状で形成され通信車両の色に対応した色で着色されたアイコンを生成してもよい。また、通信車両から受信された通信情報にシンボル情報が含まれている場合、シンボル取得部130は、通信情報からシンボル情報を抽出してもよい。また、シンボル取得部130は、通信車両から受信された通信情報に対応するシンボルを示すシンボル情報を、図示しないデータベースから取得してもよく、ネットワークを介してサーバから取得してもよい。
【0033】
また、シンボル取得部130は、画像取得部122によって取得された画像から、通信車両シンボルであるサムネイル画像を生成してもよい。具体的には、シンボル取得部130は、通信車両特定部120によって特定された通信車両の位置及び方向から、画像における通信車両を検出する。そして、通信車両の画像を抽出して、サムネイル画像を生成する。ここで、カメラ2の撮影方向、画角及び倍率等が既知であることから、幾何学的手法により、通信車両の位置及び方向から画像における通信車両を検出することは可能である。例えば、通信車両特定部120が特定した自車両に対する通信車両の存在方向および自車両と通信車両との間の距離である車両間距離と、画像取得部122が取得した画像から算出される通信車両の位置及び方向との合致を判断することができる。なお、画像取得部122によって取得された画像は、シンボル取得部130がサムネイル画像を生成するために使用されるので、シンボル取得部130が画像からサムネイル画像を生成しない場合、画像取得部122は必須の構成ではない。
【0034】
表示サイズ決定部140は、通信車両特定部120によって得られた車両間距離に応じて、通信車両シンボルの表示サイズを決定する。具体的には、表示サイズ決定部140は、車両間距離が長ければ、通信車両シンボルの表示サイズが小さくなるように、表示サイズを決定する。一方、表示サイズ決定部140は、車両間距離が短ければ、通信車両シンボルの表示サイズが大きくなるように、表示サイズを決定する。
【0035】
なお、表示サイズは、例えば、通信車両シンボルを表す画像の縦横の画素数で定義されてもよいし、インチ数等の寸法で定義されてもよい。また、表示サイズについては、表示装置6の画面サイズに対する相対的なサイズに決定され得る。したがって、車両間距離が同じであっても、画面サイズが小さい場合よりも画面サイズが大きい場合の方が、表示サイズは大きくなり得る。例えば、車両間距離をL、画面サイズをDとすると、通信車両シンボルの表示サイズSは、
S=a×D/L ・・・(1)
で表され得る。なお、aは比例定数である。
【0036】
また、シンボル取得部130によって取得される通信車両シンボルのサイズsが通信車両の車体寸法等に応じて決定されていてもよい。この場合、表示サイズ決定部140は、実際に表示される通信車両シンボルの表示倍率を決定してもよい。つまり、表示サイズ決定部140は、上記式1のSをS=b×sで表した場合の、表示倍率bを決定してもよい。
【0037】
表示制御部150は、表示サイズ決定部140によって決定された表示サイズで、通信車両シンボルを表示装置6の画面に表示させる。具体的には、表示制御部150は、表示装置6の画面に表示させる表示画像を生成する。ここで、生成される表示画像は、通信車両シンボルを含む。そして、表示画像において、通信車両シンボルの大きさは、決定された表示サイズとなっている。
【0038】
さらに、表示制御部150は、通信車両特定部120によって特定された通信車両の存在方向が視覚的に知覚可能となるように、通信車両シンボルを表示させてもよい。具体的には、表示制御部150は、通信車両の存在方向に対応する位置に通信車両シンボルが表示されるような、表示画像を生成する。これにより、表示制御部150は、表示装置6の画面における、通信車両の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボルを表示させる。
【0039】
ここで、画面における上方向の位置が、自車両の前方に対応付けられていてもよい。また、画面における下方向の位置が、自車両の後方に対応付けられていてもよい。また、画面における右方向の位置が、自車両の右方向に対応付けられていてもよい。また、画面における左方向の位置が、自車両の左方向に対応付けられていてもよい。
【0040】
例えば、通信車両の存在方向が自車両の正面の方向、つまり進行方向に沿った方向である場合、表示制御部150は、画面の中央上に、通信車両シンボルを表示させてもよい。また、通信車両の存在方向が自車両の右前方、つまり進行方向に対して右方向である場合、表示制御部150は、画面の右上に、通信車両シンボルを表示させてもよい。また、通信車両の存在方向が自車両の後方、つまり進行方向とは反対方向である場合、表示制御部150は、画面の中央下に、通信車両シンボルを表示させてもよい。
【0041】
なお、通信車両の存在方向を視覚的に知覚可能となるように通信車両シンボルを表示させる方法は、通信車両シンボルの表示位置を通信車両の存在方向に対応する位置とする方法に限られない。例えば、表示制御部150は、通信車両シンボルの近傍に、通信車両の存在方向に対応する向きの矢印を表示させてもよい。つまり、表示制御部150は、矢印を用いて通信車両の存在方向を表す表示画像を生成してもよい。
【0042】
例えば、通信車両の存在方向が自車両の正面の方向である場合、表示制御部150は、通信車両シンボルを画面の中央に表示させ、上を向いた矢印を、通信車両シンボルの近傍(例えば上)に表示させてもよい。また、通信車両の存在方向が自車両の右前方である場合、表示制御部150は、通信車両シンボルを画面の中央に表示させ、右上を向いた矢印を、通信車両シンボルの近傍(例えば右上)に表示させてもよい。また、通信車両の存在方向が自車両の後方である場合、表示制御部150は、通信車両シンボルを画面の中央に表示させ、下を向いた矢印を、通信車両シンボルの近傍(例えば下)に表示させてもよい。なお、矢印を用いて通信車両の存在方向を表す場合であっても、通信車両シンボルの表示位置を通信車両の存在方向に対応する位置としてもよい。
【0043】
さらに、表示制御部150は、表示装置6の画面において、通信車両シンボルの近傍に通信内容を表示させてもよい。この場合、表示制御部150は、画面において、通信車両シンボルの近傍に吹き出しを表示させ、吹き出しの中に通信内容を表示させてもよい。つまり、表示制御部150は、通信車両シンボルの近傍に吹き出しを表示させ、吹き出しの中に通信内容を表示させた表示画像を生成してもよい。例えば、通信内容が「お先にどうぞ」である場合、表示制御部150は、通信車両シンボルの近傍に「お先にどうぞ」と表示された吹き出しを表示させてもよい。なお、例えば音声で通信車両の通信車両を出力する場合、表示制御部150は、通信車両シンボルがタッチされたときに、タッチされた通信車両シンボルに対応する通信車両の通信内容を音声で出力させるようにしてもよい。通信内容がシンボル画像である場合、表示制御部150は、通信車両シンボルの近傍に受信したシンボル画像を表示させてもよい。
【0044】
通信処理部160は、所定の場合に、通信車両との通信を可能とする処理を行う。具体的には、通信処理部160は、表示装置6の画面上で通信車両シンボルがタッチされた場合に、タッチされた通信車両シンボルに対応する通信車両との通信を開始する。そして、通信処理部160は、通信部106を制御して、通信車両との無線通信路を確立する。通信処理部160は、通信部106及び確立された無線通信路を介して、自車両の通信情報を、通信車両に送信する。この場合、通信処理部160は、
図4に例示した通信情報を、通信車両に送信してもよい。つまり、通信処理部160は、自車両を示すシンボルである自車両シンボルを、通信車両に送信してもよい。通信処理部160は、例えば、表示装置6の画面上に通信車両シンボルがひとつしか表示されていない場合、通信車両シンボルがタッチされていなくても、通信車両シンボルに対応する通信車両との通信を開始してもよい。
【0045】
そして、通信処理部160は、無線通信路及び通信部106を介して、通信車両から、通信情報を受信する。なお、無線通信が確立された後で送受信される通信情報は、位置情報を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
【0046】
例えば、通信処理部160は、運転者等によって表示装置6のタッチパネルに入力されたテキストデータを通信内容として送信してもよい。あるいは、通信処理部160は、タッチパネルに表示されたテキストデータやシンボル画像などの選択肢のうち運転者等によって選択されたものを、通信内容として送信してもよい。つまり、表示装置6の画面を操作することで、通信内容が入力されてもよい。
【0047】
また、通信処理部160は、運転者等が発してマイク7によって集音された発話を示す情報を、通信内容として通信車両に送信してもよい。この場合、通信処理部160は、発話を音声認識によってテキストデータに変換して通信車両に送信してもよい。また、通信処理部160は、通信車両から送信された通信内容を、表示装置6又はスピーカ8に出力してもよい。
【0048】
なお、通信車両との通信は、自車両の運転操作の妨げとならないようになされ得る。そして、自車両の運転状況によって、通信車両の通信内容の出力方法及び自車両の通信内容の入力方法を切り替えてもよい。例えば、通信処理部160は、自車両が走行中である場合は、通信内容の入出力方法として、音声入力及び音声出力のみ可能としてもよい。一方、自車両が停止中である場合は、通信内容の入出力方法として、音声入力及び音声出力だけでなく、表示装置6のタッチパネルの使用を可能としてもよい。
【0049】
図5は、実施の形態1にかかる通信方法を示すフローチャートである。通信情報受信部110は、自車両の周囲に存在し通信を行っている通信車両から通信情報を受信する(ステップS102)。通信車両特定部120は、通信情報を用いて、通信情報を送信した通信車両を特定する(ステップS104)。なお、上述したように、通信車両特定部120は、車両間距離を特定してもよい。また、通信車両特定部120は、通信車両の存在方向を特定してもよい。
【0050】
シンボル取得部130は、上述した方法により、通信車両シンボルを取得する(ステップS106)。表示サイズ決定部140は、上述した方法により、車両間距離に応じて、S106の処理で取得された通信車両シンボルの表示サイズを決定する(ステップS108)。なお、車両間距離は、表示サイズ決定部140によって算出されてもよい。
【0051】
表示制御部150は、S108の処理で決定された表示サイズで、表示装置6の画面に通信車両シンボルを表示させる(ステップS110)。なお、自車両の周囲に通信を行っている通信車両が複数存在する場合、表示制御部150は、複数の通信車両シンボルを、表示装置6の画面に表示させてもよい。また、通信車両特定部120によって通信車両の存在方向が特定された場合は、上述したように、表示制御部150は、通信車両の存在方向が視覚的に知覚可能となるように、通信車両シンボルを表示させてもよい。例えば、表示制御部150は、表示装置6の画面における、通信車両の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボルを表示させてもよい。
【0052】
さらに、表示制御部150は、上述したように、通信車両シンボルの近傍に、その通信車両シンボルに対応する通信車両の通信内容が示された吹き出しやシンボル画像を表示させてもよい。これにより、運転者等は、通信車両の通信内容を視覚的に認識することが可能となる。特に、通信車両シンボルが複数表示されている場合に、通信車両ごとに通信内容を容易に認識することができる。また、この場合、複数の音声が重なってしまって、それぞれの音声の意味を理解することができない可能性がある。さらに、この場合、たとえそれぞれの音声の意味が理解できたとしても、どの音声がどの通信車両からの通信内容に対応するかを理解するのは、容易ではないおそれがある。一方、本実施の形態のように、通信車両シンボルの近傍に、その通信車両シンボルに対応する通信車両の通信内容が示された吹き出しを表示させることで、音声で通信内容を出力する場合の問題点を解決できる。また、通信車両シンボルが複数表示される場合には、通信内容が示された吹き出し等の表示が重なってしまい、視認しづらくなる可能性がある。このような問題を解決するため、通信車両シンボルに対応する通信車両の通信内容を、同時に表示するのではなく、順次表示してもよい。その場合、表示順は、例えば受信タイミングが早い順に表示することが好ましいが、自車両に近い通信車両の通信内容を優先して表示するなど、様々な形態があってよい。また通信車両シンボルに対応する通信車両の通信内容を表示している際に、通信車両シンボルまたはシンボル画像を、どの車両からの通信内容を表示しているかをより把握しやすい表示形態としてもよい。例えば、表示制御部150は、表示されている通信内容に対応する通信車両シンボルの全部、又はエッジ等の一部を、点滅表示させてもよい。あるいは、表示制御部150は、シンボル画像の全部、又はエッジ等の一部を、点滅表示させてもよい。あるいは、表示制御部150は、表示されている通信内容に対応する通信車両シンボル以外の通信車両シンボルを、その表示輝度を落としたグレーアウト表示としてもよい。
【0053】
表示制御部150は、表示装置6の画面に表示された通信車両シンボルがタッチされたか否かを判定する(ステップS112)。通信車両シンボルがタッチされた場合(S112のYES)、通信処理部160は、タッチされた通信車両シンボルに対応する通信車両との通信を可能にするための処理を行う(ステップS114)。このように、通信車両シンボルがタッチされたときに通信車両との通信を可能とすることで、運転者等が通信を行いたい通信車両を指定することができる。言い換えると、運転者等が通信を行いたくない通信車両と通信を行うことを防止することができる。
【0054】
図6~
図9は、実施の形態1にかかる通信装置100の動作を説明するための図である。
図6は、実施の形態1にかかる通信装置100が搭載された自車両90が通信車両92から通信情報を受信した状態の第1の例を示す図である。なお、自車両90は、
図1に示した車両1に対応する。
図6の例では、左側通行の往復2車線の道路の片方の車線を自車両90が走行し、その対向車線を通信車両92が走行している。そして、自車両90が通信車両92の手前で右折しようとしている。
【0055】
図6の例では、通信車両92は、通信車両92の位置情報及び通信内容「お先にどうぞ」を含む通信情報を送信している。また、自車両90と通信車両92との間の車両間距離は、L1(m)であるとする。また、通信車両92は、自車両90の進行方向に対して右前方に存在している。
【0056】
図7は、
図6に示した第1の例について、実施の形態1にかかる通信装置100によって表示される表示画像を例示する図である。通信車両特定部120は、自車両90の位置情報及び通信車両92の位置情報を用いて、自車両90に対する通信車両92の位置を特定する。シンボル取得部130は、通信車両92の特徴を視覚的に表す通信車両シンボル92Imを取得する。表示サイズ決定部140は、自車両90と通信車両92との間の距離L1に応じて、通信車両シンボル92Imの表示サイズS1を決定する。なお、通信車両シンボル92Imの表示サイズS1は、車両間距離L1と、画面6aの画面サイズDとに応じて決定され得る。なお、
図7の例では、表示サイズSを通信車両シンボル92Imの横方向の大きさで定義し、画面サイズDを画面6aの横方向の大きさで定義しているが、これに限られない。表示サイズSを通信車両シンボル92Imの縦方向又は対角線方向の大きさで定義してもよい。同様に、画面サイズDを画面6aの縦方向又は対角線方向の大きさで定義してもよい。このことは、他の図で示す例でも同様である。
【0057】
表示制御部150は、表示サイズ決定部140によって決定された表示サイズS1で、通信車両シンボル92Imを画面6aに表示させる。さらに、表示制御部150は、画面6aの、通信車両特定部120によって特定された通信車両92の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボル92Imを表示させる。
図6の例では、通信車両92は自車両90の右前方に存在するので、通信車両シンボル92Imは、画面6aの右上に表示される。さらに、表示制御部150は、通信車両シンボル92Imの近傍に、通信内容「お先にどうぞ」を内部に示した吹き出し72Imを表示させる。
【0058】
図8は、実施の形態1にかかる通信装置100が搭載された自車両90が通信車両94から通信情報を受信した状態の第2の例を示す図である。
図8には、左側通行の往復2車線の道路の片方の車線を自車両90が走行し、その対向車線を通信車両94が走行している。そして、自車両90が通信車両92の手前で右折しようとしている。
【0059】
図8の例では、通信車両94は、通信車両92の位置情報及び通信内容「お先にどうぞ」を含む通信情報を送信している。また、自車両90と通信車両94との間の車両間距離は、L2(m)であるとする。ここで、L2>L1である。つまり、自車両90と通信車両94の間の距離は、自車両90と通信車両92の間の距離よりも長いとする。また、通信車両92は、自車両90の進行方向に対して、右前方に存在している。
【0060】
図9は、
図8に示した第2の例について、実施の形態1にかかる通信装置100によって表示される表示画像を例示する図である。通信車両特定部120は、自車両90の位置情報及び通信車両94の位置情報を用いて、自車両90に対する通信車両94の位置を特定する。シンボル取得部130は、通信車両94の特徴を視覚的に表す通信車両シンボル94Imを取得する。表示サイズ決定部140は、自車両90と通信車両94との間の距離L2に応じて、通信車両シンボル94Imの表示サイズS2を決定する。なお、通信車両シンボル94Imの表示サイズS2は、車両間距離L2と、画面6aの画面サイズDとに応じて決定され得る。
【0061】
表示制御部150は、表示サイズ決定部140によって決定された表示サイズで、通信車両シンボル94Imを画面6aに表示させる。さらに、表示制御部150は、画面6aの、通信車両特定部120によって特定された通信車両94の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボル94Imを表示させる。
図8の例では、通信車両94は自車両90の右前方に存在するので、通信車両シンボル94Imは、画面6aの右上に表示される。さらに、表示制御部150は、通信車両シンボル94Imの近傍に、通信内容「お先にどうぞ」を内部に示した吹き出し74Imを表示させる。
【0062】
ここで、
図7及び
図9に例示するように、表示制御部150は、車両間距離の長い通信車両94に対応する通信車両シンボル94Imが、車両間距離の短い通信車両94に対応する通信車両シンボル92Imよりも小さく表示されるように、表示画像を生成する。つまり、表示制御部150は、L1<L2であるときにS1>S2となるように、通信車両シンボルを表示させる。このように、車両間距離が長いほど通信車両シンボルの表示サイズを小さくし、車両間距離が短いほど通信車両シンボルの表示サイズを大きくすることで、運転者等は、通信情報を送信した通信車両までの距離を、視覚により直感的に把握することができる。これにより、運転者等は、自車両90の周囲のどの車両が通信情報を送信したかを、直感的に把握することができる。
【0063】
具体的には、
図7に例示した画面6aでは、通信車両シンボル92Imが比較的大きく表示されているので、運転者等は、比較的近い車両つまり通信車両92から通信情報が送信されたと把握できる。一方、
図9に例示した画面6aでは、通信車両シンボル94Imが比較的小さく表示されているので、運転者等は、比較的遠い車両つまり通信車両94から通信情報が送信されたと把握できる。したがって、実施の形態1にかかる通信装置100は、自車両の周囲のどの車両から通信情報を受信したかを、ユーザに視覚的に容易に把握させることができる。
【0064】
また、表示制御部150は、通信車両の存在方向が視覚的に知覚可能となるように、通信車両シンボルを表示させる。具体的には、
図7及び
図9に例示するように、表示制御部150は、通信車両シンボル92Im及び通信車両シンボル94Imを、画面6aの右上に表示させている。これにより、運転者等は、通信車両92及び通信車両94が自車両90の右前方に存在することを、直感的に把握することができる。なお、上述したように、表示制御部150は、通信車両シンボルの近傍に、通信車両の存在方向を示す矢印を表示させてもよい。このような方法でも、運転者等は、通信車両92及び通信車両94が自車両90の右前方に存在することを、直感的に把握することができる。また、表示制御部150は、自車両90と通信車両92との間の車両間距離L1および自車両90と通信車両94との間の車両間距離L2の距離差に基づいて、通信車両シンボル92Im及び通信車両シンボル94Imの表示位置を変更してもよい。具体的には、通信車両シンボル94Imの表示位置を、通信車両シンボル92Imと比較してさらに上に表示することで、通信車両94が通信車両92よりも遠い位置に存在することが、視覚的に容易に把握できる。
【0065】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、通信車両シンボルだけでなく、自車両の特徴を視覚的に表す画像である自車両シンボル(第2のシンボル)が表示される点で、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態2にかかる車両1のハードウェア構成及び通信装置100の構成については、実施の形態1にかかるものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0066】
なお、通信装置100は、自車両シンボルを、シンボル取得部130により取得する。シンボル取得部130は、自車両シンボルを記憶部104に予め記憶しておいてもよい。また、通信装置100は、自車両シンボルを図示しないデータベースから取得してもよく、ネットワークを介してサーバから取得してもよい。自車両シンボルは、例えば、自車両の車種に対応する形状で形成され、自車両の色に対応した色で着色されたアイコンであってもよい。あるいは、自車両シンボルは、例えば、自車両の外観の画像のサムネイル画像であってもよい。サムネイル画像は、自車両の正面の画像又は俯瞰画像であってもよい。なお、通信車両シンボルが俯瞰画像である場合、自車両シンボルも俯瞰画像であることが好ましい。
【0067】
図10は、実施の形態2にかかる通信方法を示すフローチャートである。なお、S202~S208の処理は、それぞれ、
図5に示したS102~S108の処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。また、S212~S214の処理は、それぞれ、
図5に示したS112~S114の処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0068】
表示サイズ決定部140は、車両間距離に応じて、自車両シンボルの表示サイズS’を決定する(ステップS209)。なお、自車両シンボルの表示サイズの決定方法は、上述した通信車両シンボルの表示サイズSの決定方法と実質的に同様であってもよい。つまり、表示サイズ決定部140は、車両間距離Lが長ければ、自車両シンボルの表示サイズS’が小さくなるように、表示サイズS’を決定する。一方、表示サイズ決定部140は、車両間距離Lが短ければ、自車両シンボルの表示サイズS’が大きくなるように、表示サイズS’を決定する。また、自車両シンボルの表示サイズは固定とされてもよい。
【0069】
表示制御部150は、表示装置6の画面に、S208の処理で決定された表示サイズで通信車両シンボルを表示させ、S209の処理で決定された表示サイズで自車両シンボルを表示させる(ステップS210)。つまり、車両間距離が長い場合、表示制御部150は、比較的小さい表示サイズの通信車両シンボル及び自車両シンボルを、画面に表示させる。一方、車両間距離が短い場合、表示制御部150は、比較的大きい表示サイズの通信車両シンボル及び自車両シンボルを、画面に表示させる。
【0070】
このとき、表示制御部150は、画面における通信車両シンボルと自車両シンボルとの間隔L’が車両間距離Lに応じた間隔となるように、通信車両シンボル及び自車両シンボルを表示装置6の画面に表示させてもよい。つまり、車両間距離が長い場合、表示制御部150は、通信車両シンボルと自車両シンボルとの間隔が長くなるように、通信車両シンボル及び自車両シンボルを表示装置6の画面に表示させてもよい。一方、車両間距離が短い場合、表示制御部150は、通信車両シンボルと自車両シンボルとの間隔が短くなるように、通信車両シンボル及び自車両シンボルを表示装置6の画面に表示させてもよい。
【0071】
また、表示制御部150は、画面において、自車両シンボルに対して、自車両に対する通信車両の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボルを表示させてもよい。例えば、自車両に対して右前方に通信車両が存在する場合、表示制御部150は、自車両シンボルに対して右上に通信車両シンボルを表示させてもよい。また、自車両に対して正面に通信車両が存在する場合、表示制御部150は、自車両シンボルに対して中央上方向に通信車両シンボルを表示させてもよい。また、自車両に対して後方に通信車両が存在する場合、表示制御部150は、自車両シンボルに対して中央下方向に通信車両シンボルを表示させてもよい。なお、この場合、画面における自車両シンボルの表示位置は任意であり得る。
【0072】
図11~
図12は、実施の形態2にかかる通信装置100の動作を説明するための図である。
図11は、
図6に示した第1の例について、実施の形態2にかかる通信装置100によって表示される表示画像を例示する図である。上述したように、表示制御部150は、車両間距離L1に応じて決定された表示サイズS1で、通信車両シンボル92Imを画面6aに表示させる。また、表示制御部150は、車両間距離L1に応じて決定された表示サイズS1’で、自車両シンボル90Imを画面6aに表示させる。
【0073】
さらに、表示制御部150は、画面6aにおいて、自車両シンボル90Imに対して、自車両90に対する通信車両92の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボル92Imを表示させる。
図6の例では、通信車両92は自車両90の右前方に存在するので、通信車両シンボル92Imは、画面6aにおいて自車両シンボル90Imの右上に表示される。さらに、表示制御部150は、通信車両シンボル92Imの近傍に、通信内容「お先にどうぞ」を内部に示した吹き出し72Imを表示させる。さらに、表示制御部150は、通信車両シンボル92Imと自車両シンボル90Imとの間隔L1’が車両間距離L1に応じた間隔となるように、通信車両シンボル92Im及び自車両シンボル90Imを画面6aに表示させる。
【0074】
図12は、
図8に示した第2の例について、実施の形態2にかかる通信装置100によって表示される表示画像を例示する図である。上述したように、表示制御部150は、車両間距離L2に応じて決定された表示サイズS2で、通信車両シンボル94Imを画面6aに表示させる。また、表示制御部150は、車両間距離L2に応じて決定された表示サイズS2’で、自車両シンボル90Imを画面6aに表示させる。
【0075】
さらに、表示制御部150は、画面6aにおいて、自車両シンボル90Imに対して、自車両90に対する通信車両94の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボル94Imを表示させる。
図8の例では、通信車両94は自車両90の右前方に存在するので、通信車両シンボル94Imは、画面6aにおいて自車両シンボル90Imの右上に表示される。さらに、表示制御部150は、通信車両シンボル94Imの近傍に、通信内容「お先にどうぞ」を内部に示した吹き出し74Imを表示させる。さらに、表示制御部150は、通信車両シンボル94Imと自車両シンボル90Imとの間隔L2’が車両間距離L2に応じた間隔となるように、通信車両シンボル94Im及び自車両シンボル90Imを画面6aに表示させる。
【0076】
ここで、
図11及び
図12に例示するように、実施の形態2にかかる表示制御部150は、通信車両シンボルとともに自車両シンボルを、画面6aに表示させる。このとき、表示制御部150は、車両間距離が長い場合に、車両間距離が短い場合と比較して小さい通信車両シンボル及び自車両シンボルを、画面6aに表示させる。つまり、表示制御部150は、L1<L2であるときにS1>S2及びS1’>S2’となるように、通信車両シンボル及び自車両シンボルを、画面6aに表示させる。このように、車両間距離が長いほど通信車両シンボル及び自車両シンボルの表示サイズを小さくすることで、運転者等は、実施の形態1と比較して、通信情報を送信した通信車両までの距離を、視覚により、より直感的に把握することができる。これにより、運転者等は、自車両90の周囲のどの車両が通信情報を送信したかを、より直感的に把握することができる。言い換えると、運転者等は、通信情報を送信したか通信車両がどこに存在するかを、より直感的に把握することができる。また上述したように、自車両シンボルの表示サイズが固定されている場合は、車両間距離が長いほど通信車両シンボルの表示サイズを小さくし、通信車両シンボルの表示位置を自車両シンボルから遠くするようにしてもよい。これにより、運転者等は、通信情報を送信した通信車両がどこに存在するかを、より直感的に把握することができる。
【0077】
具体的には、
図11に例示した画面6aでは、通信車両シンボル92Im及び自車両シンボル90Imが比較的大きく表示されているので、運転者等は、自車両90から比較的近い通信車両92から通信情報が送信されたと把握できる。一方、
図12に例示した画面6aでは、通信車両シンボル94Im及び自車両シンボル90Imが比較的小さく表示されているので、運転者等は、自車両90から比較的遠い通信車両94から通信情報が送信されたと把握できる。したがって、実施の形態1と比較して、実施の形態2にかかる通信装置100は、自車両の周囲のどの車両から通信情報を受信したかを、ユーザに視覚的により容易に把握させることができる。
【0078】
また、
図11及び
図12に例示するように、実施の形態2にかかる表示制御部150は、画面6aにおける通信車両シンボルと自車両シンボルとの間隔L’が車両間距離Lに応じた間隔となるように、表示画像を生成する。つまり、表示制御部150は、画面6aにおいて、車両間距離Lが長いほど通信車両シンボルと自車両シンボルとの間隔L’が長くなるように、通信車両シンボル及び自車両シンボルを画面6aに表示させる。これにより、運転者等は、通信車両と自車両との距離感を、より容易に認識することができる。したがって、自車両の周囲のどの車両から通信情報を受信したかを、ユーザに視覚的にさらに容易に把握させることができる。
【0079】
また、
図11及び
図12に例示するように、実施の形態2にかかる表示制御部150は、画面6aにおいて、自車両シンボル90Imに対して、自車両90に対する通信車両の存在方向に対応する位置に、通信車両シンボルを表示させる。これにより、運転者等は、自車両90に対する通信車両の存在方向を、より直感的に把握することができる。したがって、自車両の周囲のどの車両から通信情報を受信したかを、ユーザに視覚的にさらに容易に把握させることができる。
【0080】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、通信車両シンボルが地図に重畳されて表示される点で、他の実施の形態と異なる。なお、実施の形態3にかかる車両1のハードウェア構成については、実施の形態1にかかるものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0081】
図13は、実施の形態3にかかる通信装置100及び通信装置100を有する通信システム50の構成を示す図である。実施の形態3にかかる通信システム50は、カメラ2と、位置検出装置4と、表示装置6と、マイク7と、スピーカ8と、地図記憶部9と、通信装置100とを有する。通信装置100は、カメラ2、位置検出装置4、表示装置6、マイク7、スピーカ8及び地図記憶部9と、通信可能に接続されている。なお、通信装置100は、カメラ2、位置検出装置4、表示装置6、マイク7、スピーカ8及び地図記憶部9の少なくとも1つを有してもよい。
【0082】
地図記憶部9は、地図を示す地図情報を記憶する装置である。地図記憶部9は、例えばカーナビゲーションシステムで実現されてもよい。地図情報が示す地図は、車両1の現在位置、及び、車両の現在位置の周辺を示す周辺情報を少なくとも含む。
【0083】
通信装置100は、通信情報受信部110、自車両位置取得部112、通信車両特定部120、画像取得部122、シンボル取得部130、表示サイズ決定部140、表示制御部350及び通信処理部160を有する。なお、表示制御部350以外の構成要素の動作については、上述した実施の形態のものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0084】
表示制御部350は、車両1の現在位置に対応する地図を表示装置6の画面に表示させる。そして、表示制御部350は、地図上の、通信車両の存在位置に対応する位置に、通信車両シンボルを表示させる。さらに、表示制御部350は、地図上の、車両1の現在位置に対応する位置に、自車両シンボルを表示させてもよい。表示制御部350のその他の動作については、上述した表示制御部150の動作と実質的に同様である。なお、実施の形態3においては、地図の縮尺に応じて、表示サイズが決定されてもよい。
【0085】
図14は、実施の形態3にかかる通信方法を示すフローチャートである。なお、S302~S308の処理は、それぞれ、
図5に示したS102~S108の処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。また、S309の処理は、
図10に示したS209の処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。また、S312~S314の処理は、それぞれ、
図5に示したS112~S114の処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0086】
表示制御部350は、通信車両シンボル及び自車両シンボルを、地図上に表示させる(ステップS310)。このとき、上述した実施の形態と同様に、表示制御部350は、S308の処理で決定された表示サイズで通信車両シンボルを表示させ、S309の処理で決定された表示サイズで自車両シンボルを表示させる。
【0087】
図15~
図16は、実施の形態3にかかる通信装置100の動作を説明するための図である。
図15は、
図6に示した第1の例について、実施の形態3にかかる通信装置100によって表示される表示画像を例示する図である。
図15には、画面6aが俯瞰地図つまり3次元地図である地
図80Imを表示している例が示されている。
【0088】
表示制御部350は、車両間距離L1に応じて決定された表示サイズS1で、通信車両シンボル92Imを画面6aに表示された地
図80Im上に表示させる。また、表示制御部350は、車両間距離L1に応じて決定された表示サイズS1’で、自車両シンボル90Imを画面6aに表示させる。このとき、自車両90は通信車両92よりも手前に存在するので、自車両シンボル90Imの表示サイズS1’が通信車両シンボル92Imの表示サイズS1よりも大きくなるようにしてもよい。
【0089】
図16は、
図8に示した第2の例について、実施の形態3にかかる通信装置100によって表示される表示画像を例示する図である。表示制御部350は、車両間距離L2に応じて決定された表示サイズS2で、通信車両シンボル94Imを画面6aに表示された地図上に表示させる。また、表示制御部150は、車両間距離L2に応じて決定された表示サイズS2’で、自車両シンボル90Imを画面6aに表示された地
図80Im上に表示させる。このとき、自車両90は通信車両94よりも手前に存在するので、自車両シンボル90Imの表示サイズS2’が通信車両シンボル94Imの表示サイズS2よりも大きくなるようにしてもよい。
【0090】
ここで、
図15及び
図16に例示するように、上述した実施の形態と同様に、実施の形態3にかかる表示制御部350は、通信車両シンボルとともに自車両シンボルを、画面6aに表示させる。このとき、表示制御部150は、車両間距離が長い場合に、車両間距離が短い場合と比較して小さい通信車両シンボル及び自車両シンボルを、画面6aに表示させる。つまり、表示制御部350は、L1<L2であるときにS1>S2及びS1’>S2’となるように、通信車両シンボル及び自車両シンボルを、画面6aに表示させる。さらに、実施の形態3にかかる表示制御部350は、地
図80Im上に通信車両シンボル及び自車両シンボルを表示させる。これにより、上述した実施の形態と比較して、運転者等は、自車両90の周囲のどの車両が通信情報を送信したかを、さらに直感的に把握することができる。言い換えると、運転者等は、通信情報を送信したか通信車両がどこに存在するかを、さらに直感的に把握することができる。
【0091】
また、地図上に通信車両シンボルを表示させるようにすることで、建物等の障害物の向こうに存在するため自車両からは視認することが困難な通信車両についても、運転者等が把握することができる。すなわち、自車両から視認することが困難な位置であっても、地図上であれば、運転者等は、その位置を把握できる。したがって、建物等により死角となった通信車両から通信情報を受信した場合であっても、運転者等は、送信した通信車両の位置を把握することができる。
【0092】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおける各処理の順序は、適宜、変更可能である。また、上述したフローチャートにおける各処理のうちの1つ以上は、省略され得る。例えば、
図5のフローチャートにおいて、S112及びS114の処理はなくてもよい。このことは、
図14及び
図16のフローチャートについても同様である。
【0093】
また、上述した実施の形態にかかる通信装置100は、通信車両の位置情報を含む通信情報を用いて通信車両を特定するとしたが、このような構成に限られない。通信車両を特定するのに、位置情報を用いる必要はない。この場合、通信車両から送信される通信情報には、通信車両の位置情報が含まれなくてもよい。
【0094】
例えば、通信情報には、通信車両の車両IDが含まれるとする。この場合、通信車両特定部120は、例えばOCR(Optical Character Recognition)技術を用いて、カメラ2を用いて撮影された画像から車両IDに対応するナンバープレートを検出する。これにより、通信車両特定部120は、画像から通信車両を検出できる。したがって、通信車両特定部120は、自車両に対する通信車両の存在方向を特定できる。さらに、通信システム50がLiDAR(Light Detection and Ranging)等の距離センサを有する場合、通信車両特定部120は、この距離センサを用いて、車両間距離を特定できる。したがって、通信車両から送信される通信情報に通信車両の位置情報が含まれていない場合であっても、車両間距離に応じて通信車両シンボルの表示サイズを決定し、決定された表示サイズで、通信車両シンボルを表示させることができる。
【0095】
また、上述した実施の形態にかかる通信装置100は、通信車両と直接通信を行うものとしたが、本実施の形態にかかる通信装置100は、このような車両間通信を行う構成にかぎられない。通信装置100は、図示しない路側装置を介して通信車両と通信を行ってもよく、サーバを介して通信車両と通信を行ってもよい。
【0096】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0097】
1 車両
2 カメラ
4 位置検出装置
6 表示装置
6a 画面
7 マイク
8 スピーカ
9 地図記憶部
50 通信システム
100 通信装置
110 通信情報受信部
112 自車両位置取得部
120 通信車両特定部
122 画像取得部
130 シンボル取得部
140 表示サイズ決定部
150 表示制御部
160 通信処理部
350 表示制御部