IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-リレー 図1
  • 特許-リレー 図2
  • 特許-リレー 図3
  • 特許-リレー 図4
  • 特許-リレー 図5
  • 特許-リレー 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/02 20060101AFI20240312BHJP
   H01H 50/14 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01H50/02 B
H01H50/14 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019169239
(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公開番号】P2021048027
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】針持 裕之
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
(72)【発明者】
【氏名】筒井 和広
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-208823(JP,A)
【文献】特開2002-042626(JP,A)
【文献】特開2018-116766(JP,A)
【文献】特開2015-176728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に貫通する第1貫通孔を含む第1取付部と、前記第1方向に貫通する第2貫通孔を含み前記第1取付部から前記第1方向と直交する第2方向の一方側に離れて且つ前記第1取付部に対して前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の一方側にずらして配置される第2取付部と、を含むハウジングと、
前記第1方向に沿って第1ねじ挿入孔が設けられ前記第1取付部よりも前記第3方向の一方側で前記ハウジングから外部に露出する第1締結部を含む第1固定端子と、
前記第1方向に沿って第2ねじ挿入孔が設けられ前記第2取付部よりも前記第3方向の他方側で前記ハウジングから外部に露出するとともに前記第1締結部に対して前記第3方向の他方側にずらして配置される第2締結部を含む第2固定端子と、
前記ハウジング内で前記第2方向に延び、前記第1固定端子及び前記第2固定端子に接触可能な可動接触片と、
を備え、
前記ハウジングは、前記第2方向の他方側に配置される第1側部と、前記第2方向の一方側に配置される第2側部と、前記第3方向の一方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第3側部と、前記第3方向の他方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第4側部と、を含み、
前記第1締結部は、前記第1方向における前記第1締結部の高さ位置において、前記第1締結部と同じ高さ位置における前記第1側部と前記第3側部の境界よりも前記第3方向の一方側に突出しないように配置され、
前記第2締結部は、前記第1方向における前記第2締結部の高さ位置において、前記第2締結部と同じ高さ位置における前記第2側部と前記第4側部の境界よりも前記第3方向の他方側に突出しないように配置されている、
前記第1ねじ挿入孔と前記第2ねじ挿入孔を結ぶ仮想線は、前記第1方向から見たときに前記可動接触片に対して傾斜している、
リレー。
【請求項2】
第1方向に貫通する第1貫通孔を含む第1取付部と、前記第1方向に貫通する第2貫通孔を含み前記第1取付部から前記第1方向と直交する第2方向の一方側に離れて且つ前記第1取付部に対して前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の一方側にずらして配置される第2取付部と、を含むハウジングと、
前記第1方向に沿って第1ねじ挿入孔が設けられ前記第1取付部よりも前記第3方向の一方側で前記ハウジングから外部に露出する第1締結部を含む第1固定端子と、
前記第1方向に沿って第2ねじ挿入孔が設けられ前記第2取付部よりも前記第3方向の他方側で前記ハウジングから外部に露出するとともに前記第1締結部に対して前記第3方向の他方側にずらして配置される第2締結部を含む第2固定端子と、
を備え、
前記ハウジングは、前記第2方向の他方側に配置される第1側部と、前記第2方向の一方側に配置される第2側部と、前記第3方向の一方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第3側部と、前記第3方向の他方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第4側部と、を含み、
前記第1締結部は、前記第1方向における前記第1締結部の高さ位置において、前記第1締結部と同じ高さ位置における前記第1側部と前記第3側部の境界よりも前記第3方向の一方側に突出しないように配置され、
前記第2締結部は、前記第1方向における前記第2締結部の高さ位置において、前記第2締結部と同じ高さ位置における前記第2側部と前記第4側部の境界よりも前記第3方向の他方側に突出しないように配置されており、
前記第1固定端子及び前記第2固定端子は、板状の端子であり、
前記第1締結部は、前記第1側部から突出し、
前記第2締結部は、前記第2側部から突出する、
レー。
【請求項3】
第1方向に貫通する第1貫通孔を含む第1取付部と、前記第1方向に貫通する第2貫通孔を含み前記第1取付部から前記第1方向と直交する第2方向の一方側に離れて且つ前記第1取付部に対して前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の一方側にずらして配置される第2取付部と、を含むハウジングと、
前記第1方向に沿って第1ねじ挿入孔が設けられ前記第1取付部よりも前記第3方向の一方側で前記ハウジングから外部に露出する第1締結部を含む第1固定端子と、
前記第1方向に沿って第2ねじ挿入孔が設けられ前記第2取付部よりも前記第3方向の他方側で前記ハウジングから外部に露出するとともに前記第1締結部に対して前記第3方向の他方側にずらして配置される第2締結部を含む第2固定端子と、
を備え、
前記ハウジングは、前記第2方向の他方側に配置される第1側部と、前記第2方向の一方側に配置される第2側部と、前記第3方向の一方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第3側部と、前記第3方向の他方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第4側部と、を含み、
前記第1締結部は、前記第1方向における前記第1締結部の高さ位置において、前記第1締結部と同じ高さ位置における前記第1側部と前記第3側部の境界よりも前記第3方向の一方側に突出しないように配置され、
前記第2締結部は、前記第1方向における前記第2締結部の高さ位置において、前記第2締結部と同じ高さ位置における前記第2側部と前記第4側部の境界よりも前記第3方向の他方側に突出しないように配置されており、
前記ハウジングの前記第2方向の一方側に露出して配置され、前記第1方向から見たとき、前記第2取付部と前記第2締結部の間から視認可能なコネクタ接続部をさらに備えた、
レー。
【請求項4】
第1方向に貫通する第1貫通孔を含む第1取付部と、前記第1方向に貫通する第2貫通孔を含み前記第1取付部から前記第1方向と直交する第2方向の一方側に離れて且つ前記第1取付部に対して前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の一方側にずらして配置される第2取付部と、を含むハウジングと、
前記第1方向に沿って第1ねじ挿入孔が設けられ前記第1取付部よりも前記第3方向の一方側で前記ハウジングから外部に露出する第1締結部を含む第1固定端子と、
前記第1方向に沿って第2ねじ挿入孔が設けられ前記第2取付部よりも前記第3方向の他方側で前記ハウジングから外部に露出するとともに前記第1締結部に対して前記第3方向の他方側にずらして配置される第2締結部を含む第2固定端子と、
を備え、
前記ハウジングは、前記第2方向の他方側に配置される第1側部と、前記第2方向の一方側に配置される第2側部と、前記第3方向の一方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第3側部と、前記第3方向の他方側で前記第1側部及び前記第2側部に接続される第4側部と、を含み、
前記第1締結部は、前記第1方向における前記第1締結部の高さ位置において、前記第1締結部と同じ高さ位置における前記第1側部と前記第3側部の境界よりも前記第3方向の一方側に突出しないように配置され、
前記第2締結部は、前記第1方向における前記第2締結部の高さ位置において、前記第2締結部と同じ高さ位置における前記第2側部と前記第4側部の境界よりも前記第3方向の他方側に突出しないように配置されており、
前記ハウジングの前記第2方向の他方側に露出して配置され、前記第1方向から見たとき、前記第1取付部と前記第1締結部の間から視認可能なコネクタ接続部をさらに備えた、
レー。
【請求項5】
前記第1ねじ挿入孔と前記第2ねじ挿入孔を結ぶ仮想線は、前記第1方向から見たときに前記第3側部及び前記第4側部に対して傾斜している、
請求項からのいずれか1項に記載のリレー。
【請求項6】
前記第1締結部は、前記第3側部よりも前記第3方向の他方側に配置され、
前記第2締結部は、前記第4側部よりも前記第3方向の一方側に配置されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気回路を開閉するリレーが知られている。リレーは、外部端子に接続される固定端子を備えている。固定端子は、ハウジングから外部に突出して配置されている。ハウジングには、ねじなどの固定部材によって他の部材に固定される取付部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-201286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、リレーの小型化が要求されている。例えば、特許文献1のリレーでは、工具クリアランスを確保するために、取付部がハウジングから突出して形成されている。このため、取付部が突出する方向において、リレーが大型化してしまう。
【0005】
本発明の課題は、リレーの取付部を他の部材に固定するときの工具クリアランスを確保しつつ、小型化が可能なリレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るリレーは、ハウジングと、第1固定端子と、第2固定端子と、を含む。ハウジングは、第1取付部と、第2取付部と、を含む。第1取付部は、第1方向に貫通する第1貫通孔を含む。第2取付部は、第1方向に貫通する第2貫通孔を含む。第2取付部は、第1取付部から第1方向と直交する第2方向の一方側に離れて且つ第1取付部に対して第1方向および第2方向に直交する第3方向の一方側にずらして配置される。第1固定端子は、第1締結部を含む。第1締結部は、第1方向に沿って第1ねじ挿入孔が設けられ第1取付部よりも第3方向の一方側でハウジングから外部に露出する。第2固定端子は、第2締結部を含む。第2締結部は、第1方向に沿って第2ねじ挿入孔が設けられ第2取付部よりも第3方向の他方側でハウジングから外部に露出する。第2締結部は、第1締結部に対して第3方向の他方側にずらして配置される。ハウジングは、第2方向の他方側に配置される第1側部と、第2方向の一方側に配置される第2側部と、第3方向の一方側で第1側部及び第2側部に接続される第3側部と、第3方向の他方側で第1側部及び第2側部に接続される第4側部と、を含む。第1締結部は、第1方向における第1締結部の高さ位置において、第1締結部と同じ高さ位置における第1側部と第3側部の境界よりも第3方向の一方側に突出しないように配置される。第2締結部は、第1方向における第2締結部の高さ位置において、第2締結部と同じ高さ位置における第2側部と第4側部の境界よりも第3方向の他方側に突出しないように配置される。
【0007】
このリレーでは、第2締結部が第2取付部よりも第3方向の他方側で第1締結部に対して第3方向の他方側にずらして配置される。すなわち、第1締結部と第2締結部とが第2方向に千鳥状に配置される。これにより、第1締結部と第2締結部とを第2方向に並べて配置した場合に比べて、第1取付部を第3方向の一方側、第2取付部を第3方向の他方側に配置しても、第1取付部及び第2取付部を他の部材に固定するときの工具クリアランスを確保することができる。その結果、第1方向においてハウジングを小型化することが可能になる。また、例えば、第1固定端子及び第2固体端子が板状の端子の場合において、通電容量を向上させるために第1固定端子及び第2固定端子の幅を第3方向に広げた場合でも、工具クリアランスを確保しつつ、第3方向においてハウジングを小型化することが可能になる。
【0008】
また、第1締結部に近接する第1側部と第3側部の境界周辺のスペースが第1締結部に干渉されにくくなるので、第1側部と第3側部の境界周辺のスペースを有効に活用することできる。同様に、第2締結部に近接する第2側部と第4側部の境界周辺のスペースが第締結部に干渉されにくくなるので、第2側部と第4側部の境界周辺のスペースを有効に活用することができる。
【0009】
第1締結部は、第3側部よりも第3方向の他方側に配置されてもよい。第2締結部は、第4側部よりも第3方向の一方側に配置されてもよい。この場合においても、第1側部と第3側部の境界周辺のスペース及び第2側部と第4側部の境界周辺のスペースを有効に活用することができる。
【0010】
第1締結部は、第1側部から突出してもよい。第2締結部は、第2側部から突出してもよい。この場合は、板状の固定端子を用いた場合において、工具クリアランスを確保しつつ、第3方向においてハウジングを小型化することが可能になる。
【0011】
第1ねじ挿入孔と第2ねじ挿入孔を結ぶ仮想線は、第1方向から見たときに第3側部及び第4側部に対して傾斜していてもよい。この場合においても、工具クリアランスを確保しつつ、第1方向においてハウジングを小型化することが可能になる。
【0012】
リレーは、ハウジング内で第2方向に延び、第1固定端子及び第2固定端子に接触可能な可動接触片をさらに含んでもよい。第1ねじ挿入孔と前記第2ねじ挿入孔を結ぶ仮想線は、第1方向から見たときに第3側部及び第4側部に対して傾斜していてもよい。この場合においても、工具クリアランスを確保しつつ、第3方向においてハウジングを小型化することが可能になる。
【0013】
リレーは、前記ハウジングの第2方向の一方側または他方側に露出して配置されるコネクタ接続部を含んでもよい。コネクタ接続部は、第1方向から見たとき、第1取付部と第1締結部の間から、若しくは第2取付部と第2締結部の間から視認可能であってもよい。この場合は、第1方向からコネクタを視認可能なリレーにおいて、工具クリアランスを確保しつつ、第3方向においてハウジングを小型化することが可能になる。
【0014】
本発明によれば、リレーの取付部を他の部材に固定するときの工具クリアランスを確保しつつ、小型化が可能なリレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】リレーの斜視図である。
図2】リレーを上方から見た図である。
図3図2のIII-III線断面図である。
図4】変形例に係るリレーの斜視図である。
図5】変形例に係るリレーを上方から見た図である。
図6】他の実施形態に係るリレーを上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一態様に係るリレー100の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照するときにおいて、図3における上側を上(Z1)、下側を下(Z2)、左側を左(X1)、右側を右(X2)として説明する。また、図3の紙面の手前側を前(Y1)、紙面の奥側を後(Y2)として説明する。上下方向Zは、左右方向Xと直交する。前後方向Yは、上下方向Z及び左右方向Xと直交する。上下方向Zは、第1方向の一例である。左右方向Xは、第2方向の一例である。前後方向Yは、第3方向の一例である。
【0017】
また、左右方向Xの一方側を右側(X1側)、他方側を左側(X2側)として説明する。前後方向Yの一方側を前側(Y1側)、他方側を後側(Y2側)として説明する。なお、これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、リレー100の配置方向を限定するものではない。
【0018】
リレー100は、ハウジング2と、接点装置3と、駆動装置4と、コネクタ接続部5を備えている。
【0019】
ハウジング2は、略四角形の箱型であり、絶縁性を有する材料で形成されている。ハウジング2の内部には、接点装置3及び駆動装置4が収容されている。
【0020】
ハウジング2は、上部2aと、下部2bと、第1~第4側部2c~2fと、第1取付部21、第2取付部22と、を含む。
【0021】
上部2a及び下部2bは、矩形状であり、左右方向X及び前後方向Yに沿って延びている。第1側部2c及び第2側部2dは、前後方向Y及び上下方向Zに沿って延び、上部2aと下部2bとを接続する。第1側部2cは、左右方向Xの左側(X2側)に配置される。第2側部2dは、左右方向Xの右側(X1側)に配置される。第2側部2dは、第1側部2cと左右方向Xに対向して配置される。
【0022】
第3側部2e及び第4側部2fは、左右方向X及び上下方向Zに沿って延び、上部2aと下部2bとを接続する。第3側部2eは、前後方向Yの一方側(Y1側)に配置され、第1側部2c及び第2側部2dに接続される。第4側部2fは、前後方向の他方側(Y2側)に配置され、第1側部2c及び第2側部2dに接続される。第4側部2fは、第3側部2eと前後方向Yに対向して配置される。
【0023】
第1取付部21及び第2取付部22は、ねじなどの固定部材によってリレー100を他の部材に固定するために設けられている。第1取付部21は、第1側部2cの後方側の下部から左側に突出して設けられている。第1取付部21は、第1貫通孔21aを含む。第1貫通孔21aは、上下方向Zに貫通する孔である。第1貫通孔21aには、例えばカラー部材が圧入されており、ねじなどの固定部材が挿入されて、第1取付部21が他の部材に固定される。
【0024】
第2取付部22は、第1取付部21に対して左右方向Xに間隔を隔てて配置されている。本実施形態では、第2取付部22は、第1取付部21から右側(X1側)に離れて配置されている。第2取付部22は、第1取付部21に対して前側(Y1側)にずらして配置されている。本実施形態では、第2取付部22は、第2側部2dの前方側の下部から右側に突出して設けられている。
【0025】
第2取付部22は、第2貫通孔22aを含む。第2貫通孔22aは、上下方向Zに貫通する孔である。第2貫通孔22aには、例えばカラー部材が圧入されており、ねじなどの固定部材が挿入されて、第2取付部22が他の部材に固定される。
【0026】
接点装置3は、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片10と、可動機構11と、を含む。
【0027】
第1固定端子6及び第2固定端子7は、板状の端子であり、左右方向Xに延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、ハウジング2の内部と外部とに亘って延びている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、左右方向Xに互いに間隔を隔てて配置されている。第1固定端子6及び第2固定端子7は、導電性を有する材料で形成されている。
【0028】
第1固定端子6は、第1固定接点6aと、第1締結部6bと、を含む。第1固定接点6aは、ハウジング2内に配置されている。第1固定接点6aは、第1固定端子6と別体である。なお、第1固定接点6aは、第1固定端子6と一体であってもよい。
【0029】
第1締結部6bは、バスバーなどの図示しない外部端子にねじ締結により接続される。第1締結部6bは、ハウジング2から外部に突出している。第1締結部6bは、第1取付部21よりも前側(Y1側)でハウジング2から外部に露出する。本実施形態における第1締結部6bは、ハウジング2の第1側部2cの上部付近から左方に突出している。第1締結部6bは、上下方向Zから見たとき、第1貫通孔21aと前後方向Yに間隔を隔てて配置されている。第1締結部6bは、第1ねじ挿入孔6cを含む。第1ねじ挿入孔6cは、上下方向Zに貫通する孔である。
【0030】
第1締結部6bは、上下方向Zにおける第1締結部6bの高さ位置において、第1締結部6bと同じ高さにおける第1側部2cと第3側部2eの境界B1よりも前側(Y1側)に突出しないように配置される。本実施形態では、第1締結部6bの全体が第1側部2cと第3側部2eの境界B1よりも後側(Y2側)に配置されている。第1締結部6bは、第3側部2eよりも後側に配置されている。第1締結部6bの前端は、第3側部2eよりも後側に位置する。
【0031】
第1締結部6bの下方には、ハウジング2に設けられた第1ねじ受け部材23が配置されている。第1ねじ受け部材23は、第1締結部6bの下方で第1締結部6bに隣接して配置されている。第1ねじ受け部材23の内部には、ねじなどの固定部材に螺合する図示しない雌ねじ部材が配置されている。
【0032】
第2固定端子7は、第2固定接点7aと、第2締結部7bと、を含む。第2固定接点7aは、ハウジング2内に配置されている。第2固定接点7aは、第2固定端子7と別体である。なお、第2固定接点7aは、第2固定端子7と一体であってもよい。
【0033】
第2締結部7bは、バスバーなどの図示しない外部端子にねじ締結により接続される。第2締結部7bは、ハウジング2から外部に突出している。第2締結部7bは、第2取付部22よりも後側(Y2側)でハウジング2から外部に露出する。第2締結部7bは、第1締結部6bに対して後側(Y2側)にずらして配置されている。本実施形態における第2締結部7bは、ハウジング2の第2側部2dの上部付近から右方に突出する。第2締結部7bは、第2取付部22よりも後側でハウジング2から外部に露出し、第1締結部6bに対して後側にずらして配置されている。第2締結部7bは、上下方向Zから見たとき、第2貫通孔22aと前後方向Yに間隔を隔てて配置されている。第2締結部7bは、第2ねじ挿入孔7cを含む。第2ねじ挿入孔7cは、上下方向Zに貫通する孔である。
【0034】
第2締結部7bは、上下方向Zにおける第2締結部7bの高さ位置において、第2締結部7bと同じ高さにおける第2側部2dと第4側部2fの境界B2よりも後側(Y2側)に突出しないように配置される。本実施形態では、 第2締結部7bの全体が第2側部2dと第4側部2fの境界B2よりも前側(Y1側)に配置されている。第2締結部7bは、第2側部2dよりも前側(Y1側)に配置されている。第2締結部7bの後端は、第4側部2fよりも前側に位置する。
【0035】
第2締結部7bの下方には、ハウジング2に設けられた第2ねじ受け部材24が配置されている。第2ねじ受け部材24は、第2締結部7bの下方で第2締結部7bに隣接して配置されている。第2ねじ受け部材24の内部には、ねじなどの固定部材に螺合する図示しない雌ねじ部材が配置されている。
【0036】
ここで、図2に示すように、第1ねじ挿入孔6cと第2ねじ挿入孔7cを結ぶ仮想線Lは、上下方向Zから見たとき第3側部2e及び第4側部2fに対して傾斜している。すなわち、仮想線Lは、上下方向Zから見たとき、第3側部2e及び第4側部2fに対して交差する方向に延びている。また、仮想線Lは、上下方向Zから見たとき、可動接触片10に対して傾斜している。
【0037】
可動接触片10は、一方向に長い板状部材であり、ハウジング2内で左右方向Xに延びている。可動接触片10は、導電性を有する材料で形成されている。可動接触片10は、接触方向と開離方向とに移動可能である。接触方向は、可動接触片10が第1固定接点6a及び第2固定接点7aに近づく方向(図3における上方)である。開離方向は、可動接触片10が第1固定接点6a及び第2固定接点7aから離れる方向(図3における下方)である。したがって、接触方向及び開離方向は、上下方向Zに対して平行である。
【0038】
可動接触片10は、可動接点10aと、可動接点10bと、を含む。可動接点10aは、第1固定接点6aと対向する位置に配置されている。可動接点10bは、第2固定接点7aと対向する位置に配置されている。可動接点10a,10bは、可動接触片10と別体である。なお、可動接点10a,10bは、可動接触片10と一体であってもよい。
【0039】
可動機構11は、駆動軸12と、接点バネ13と、を含む。駆動軸12は、上下方向Zに延びており、可動接触片10を上下方向Zに貫通している。駆動軸12は、接触方向と開離方向とに移動可能に設けられる。接点バネ13は、可動接触片10を接触方向に付勢する。
【0040】
駆動装置4は、電磁力によって可動機構11を接触方向と開離方向とに移動させる。駆動装置4は、コイル31と、可動鉄心32と、固定鉄心33と、ヨーク34と、復帰バネ35と、を含む。
【0041】
コイル31は、電圧が印加されて励磁されると、可動鉄心32を接触方向に移動させる電磁力を発生させる。可動鉄心32は、駆動軸12に一体移動可能に連結されている。固定鉄心33は、可動鉄心32と対向する位置に配置されている。ヨーク34は、コイル31を囲むように配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心32と固定鉄心33の間に配置されている。復帰バネ35は、可動鉄心32を開離方向に付勢する。
【0042】
コネクタ接続部5は、コイル31に駆動電源を供給するために設けられており、駆動装置4に接続されている。コネクタ接続部5は、ハウジング2の右側(X1側)又は左側(X2側)に露出して配置され、上下方向Zから見たとき、第1取付部21と第1締結部6bの間から、若しくは第2取付部22と第2締結部7bの間から視認可能に配置される。本実施形態では、コネクタ接続部5は、ハウジング2の右側(X1側)に露出して配置されている。コネクタ接続部5は、ハウジング2の第2側部2dの中央付近から外部に突出している。コネクタ接続部5は、図2に示すように、上下方向Zから見たとき、第2取付部22と第2締結部7bの間から視認可能である。
【0043】
上記構成のリレー100では、第2締結部7bが第2取付部22よりも後側(Y2側)で第1締結部6bに対して後側(Y2側)にずらして配置される。すなわち、第1締結部6bと第2締結部7bとが左右方向Xに千鳥状に配置される。これにより、第1締結部6bと第2締結部7bとを左右方向Xに並べて配置した場合に比べて、第1取付部21を前側(Y1側)、第2取付部22を後側(Y2側)に配置しても、第1取付部21及び第2取付部22を他の部材に固定するときの工具クリアランスを確保することができる。その結果、前後方向Yにおいてハウジング2を小型化することが可能になる。
【0044】
また、リレー100の通電容量を向上させるために、第1固定端子6及び第2固定端子7の幅を前後方向Yに広げた場合でも、工具クリアランスを確保しつつ、前後方向においてハウジング2を小型化することが可能になる。
【0045】
また、第1締結部6bが第3側部2eよりも後側(Y2側)に配置されているので、例えば、第1締結部6bが第3側部2eよりも前側(Y1側)に突出している場合に比べて、境界B1周辺のスペースを有効に活用することができる。同様に、第2締結部7bが第4側部2fよりも前側(Y1側)に配置されているので、境界B2周辺のスペースを有効に活用することができる。
【0046】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0047】
前記実施形態では、第1固定端子6及び第2固定端子7が板状の端子で構成されていたが、図4及び図5に示すように第1固定端子6及び第2固定端子7を、例えば、円柱状の端子で構成してもよい。第1固定端子6及び第2固定端子7は、ハウジング2の上部2aから外部に突出する。第1取付部21及び第2取付部22は、上下方向Zから見たとき、少なくとも一部が第1固定端子6と前後方向Yに重なり、少なくとも一部が第2固定端子7と左右方向Xに重なる。第1取付部21は、第1側部2cと第4側部2fとの境界付近において、上部2aから下部2bに向かって凹んで形成された凹部2gの底部に設けられている。同様に、第2取付部22は、第2側部2dと第3側部2eとの境界付近において、上部2aから下部2bに向かって凹んで形成された凹部2hの底部に設けられている。
【0048】
前記実施形態では、第1側部2c及び第2側部2dが前後方向Y及び上下方向Zに沿って延び、第3側部2e及び第4側部2fが左右方向X及び上下方向Zに沿って延びていたが、第1~第4側部2c~2fの形状は前記実施形態に限定されるものではない。第1~第4側部2c~2fは、円弧状に湾曲していてもよいし、所定方向に傾斜していてもよい。
【0049】
コネクタ接続部5は、前記実施形態に限定されるものではない。駆動装置4とコネクタ接続部5とがハーネスを介して接続されていてもよい。また、コネクタ接続部5の配置は、前記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
前記実施形態では、前後方向の一方側を前側(Y1側)、他方側を後側(Y2側)、左右方向Xの一方側を右側(X2側)、他方側を左側(X1側)として説明したが、前後方向Yの一方側を後側(Y1側)、他方側を前側(Y2側)、左右方向Xの一方側を左側(X2側)、他方側を右側(X1側)としてもよい。その場合のリレー100の構成は、図6に示すように、図2に示すリレー100の構成を前後方向Y及び左右方向Xに反転させた構成となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、リレーの取付部を他の部材に固定するときの工具クリアランスを確保しつつ、小型化が可能なリレーを提供することができる。
【符号の説明】
【0052】
2 ハウジング
2c~2f 第1~第4側部
5 コネクタ接続部
6 第1固定端子
6b 第1締結部
6c 第1ねじ挿入孔
7 第2固定端子
7b 第2締結部
7c 第2ねじ挿入孔
10 可動接触片
21 第1取付部
21a 第1貫通孔
22 第2取付部
22a 第2貫通孔
100 リレー
図1
図2
図3
図4
図5
図6