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特許7451917情報提供装置、情報提供方法及びプログラム
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  • 特許-情報提供装置、情報提供方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/95 20190101AFI20240312BHJP
【FI】
G06F16/95
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019175821
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021051691
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】藤島 もゑ
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 智
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 知恵子
(72)【発明者】
【氏名】駒▲崎▼ 掲
(72)【発明者】
【氏名】田所 一美
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-234317(JP,A)
【文献】特開2015-005091(JP,A)
【文献】特開2012-160206(JP,A)
【文献】特開2009-026108(JP,A)
【文献】特開2007-233438(JP,A)
【文献】特開2015-170177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたキーワードを特定し、前記キーワードを検索語に設定する検索語設定部と、
外部のネットワークから前記検索語が含まれる情報を取得し、前記検索語が含まれる情報から前記検索語とは異なる複数のキーワードを特徴語として抽出する特徴語抽出部と、
複数の前記特徴語の出現情報に基づいて、複数の前記特徴語の中からユーザに提示する出力対象となる提示語を選択する提示語選択部と、を備え、
前記出現情報は、前記特徴語と前記検索語との関連度であり、
前記提示語選択部は、複数の前記特徴語の中で前記検索語との前記関連度が低い特徴語を提示語として選択する
情報提供装置。
【請求項2】
前記提示語選択部は、前記出現情報として、さらに前記特徴語に紐付けられた時間に基づいて提示語を選択する請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記ユーザの属性情報を予め登録し、前記特徴語抽出部は、外部のネットワークから前記検索語が含まれ且つ前記ユーザの属性と異なる属性に基づいた情報を取得する請求項1又は請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記特徴語抽出部は、前記検索語設定部から前記検索語が入力された時刻をt、所定時間をΔt1、Δt1´とし、時刻t-Δt1から時刻t+Δt1´までに前記ネットワーク上に出現した情報から前記特徴語を抽出する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記特徴語抽出部は、抽出された前記特徴語が所定数に満たない場合には、追加時間をΔt2、Δt2´とし、抽出時間を時刻t-Δt1-Δt2から時刻t+Δt1´+Δt2´に拡大し、拡大した前記抽出時間内に前記ネットワーク上に出現した情報から前記特徴語を抽出する請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記検索語設定部に前記キーワードを入力する入力装置と、
前記提示語選択部により選択された前記提示語を出力する出力装置と、
をさらに備え、
前記出力装置は、前記提示語選択部により選択された複数の前記提示語をつなげた文章として出力する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記検索語設定部に前記キーワードを入力する入力装置と、
前記提示語選択部により選択された前記提示語を出力する出力装置と、
をさらに備え、
前記入力装置は、音声を検出し、
前記検索語設定部は、前記音声から前記キーワードを特定し、
前記入力装置において、音声が検出されている間は、前記提示語を蓄積し、
前記入力装置において、音声が検出されなくなったタイミングで前記出力装置から前記提示語の音声を出力する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報提供方法であって、
キーワードを検出するステップと、
前記キーワードを検索語に設定するステップと、
外部のネットワークから前記検索語が含まれる情報を取得し、前記検索語が含まれる情報から前記検索語とは異なる複数のキーワードを特徴語として抽出するステップと、
複数の前記特徴語の出現情報に基づいて、複数の前記特徴語の中から出力対象となる提示語を選択するステップと、を含み、
前記出現情報は、前記特徴語と前記検索語との関連度であり、
前記提示語を選択するステップは、複数の前記特徴語の中で前記検索語との前記関連度が低い特徴語を提示語として選択する
情報提供方法。
【請求項9】
キーワードを検出するステップと、
前記キーワードを検索語に設定するステップと、
外部のネットワークから前記検索語が含まれる情報を取得し、前記検索語が含まれる情報から前記検索語とは異なる複数のキーワードを特徴語として抽出するステップと、
複数の前記特徴語の出現情報に基づいて、複数の前記特徴語の中から出力対象となる提示語を選択するステップと、をコンピュータに実行させ、
前記出現情報は、前記特徴語と前記検索語との関連度であり、
前記提示語を選択するステップは、複数の前記特徴語の中で前記検索語との前記関連度が低い特徴語を提示語として選択する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議では、参加メンバーがディスカッションを行い、相手の発言に基づいて新しい発想や、アイデアの特定を行う。これらの会議の補助等のため、あるキーワードから新しいキーワードを提示する技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、会議の議題に関連する情報を検索し、議事録の出現頻度が高いキーワードなどの1つ以上のキーワードを設定し、書籍情報、SNS情報、テレビ番組情報からキーワードに近い内容のコンテンツを検索する会議システムが記載されている。また、特許文献2には、複数の文書群から、キーワードに関連する文書群を抽出し、キーワードを含む複数の文書群を関連投稿文として収集し、関連投稿文から共起頻度の高い語をクエリ(新たな検索語)とする検索装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-32741号公報
【文献】特開2014-85694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、新しい発想や「気づき」を生むためには、検索キーワードと関連性の高いコンテンツや文章を提示するだけでは不十分な場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、アイデア発想のきっかけとなる可能性がある新たなキーワードを効率よく提示できる情報提供装置、情報提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、入力されたキーワードを特定し、前記キーワードを検索語に設定する検索語設定部と、外部のネットワークから前記検索語が含まれる情報を取得し、前記検索語が含まれる情報から前記検索語とは異なる複数のキーワードを特徴語として抽出する特徴語抽出部と、複数の前記特徴語の出現情報に基づいて、複数の前記特徴語の中から出力対象となる提示語を選択する提示語選択部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る情報提供方法は、キーワードを検出するステップと、前記キーワードを検索語に設定するステップと、外部のネットワークから前記検索語が含まれる情報を取得し、前記検索語が含まれる情報から前記検索語とは異なる複数のキーワードを特徴語として抽出するステップと、複数の前記特徴語の出現情報に基づいて、複数の前記特徴語の中から出力対象となる提示語を選択するステップと、を含む。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、キーワードを検出するステップと、前記キーワードを検索語に設定するステップと、外部のネットワークから前記検索語が含まれる情報を取得し、前記検索語が含まれる情報から前記検索語とは異なる複数のキーワードを特徴語として抽出するステップと、複数の前記特徴語の出現情報に基づいて、複数の前記特徴語の中から出力対象となる提示語を選択するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アイデア発想のきっかけとなる可能性がある新たなキーワードを効率よく提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る情報提供装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る情報提供装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、検索語設定部の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、特徴語抽出部の動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、提示語選択部の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、検索語の設定に関する概念図である。
図7図7は、SNS画面の一例を示すイメージ図である。
図8図8は、提示語の選択に関する概念図である。
図9図9は、出力画面の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。
【0013】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る情報提供装置1の構成の一例を示すブロック図である。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。以下の説明において、重複する説明は省略することがある。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る情報提供装置1は、例えばパソコン(PC)等の電子計算機や、スマートフォンやタブレット等の電子機器等であり、処理装置2と、入力装置3と、記憶装置4と、出力装置5と、通信部6と、を備える。処理装置2、入力装置3、記憶装置4、出力装置5、通信部6の各々は、情報提供装置1として、タブレット等のように1つの筐体に内蔵されていてもよいし、PCのように、入力装置3と、出力装置5と、その他の機器と、が別体であってもよい。また、処理装置2と、入力装置3、記憶装置4、出力装置5、通信部6との間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0015】
まず、入力装置3、出力装置5、通信部6について、説明する。入力装置3は、ユーザの入力を検出する機器である。本実施形態の入力装置3は、ユーザが発生した言葉を検出するマイクである。なお、入力装置3は、ユーザが入力する言葉を検出できればよく、マイクに限定されず、キーボード、マウス、タッチパネル等、文字入力を検出してもよい。出力装置5は、各種の情報を出力する。出力装置5は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等を含むディスプレイである。出力装置5は、音声を出力するスピーカでもよく、印刷物を出力するプリンタでもよい。通信部6は、外部のネットワークNWと通信を行い、データの授受を行う。通信部6は、ネットワークNWを介して、ウェブサイトの情報を取得する。本実施形態の通信部6は、各種SNS(Social Networking Service)で文字情報を取得する。なお、文字情報を取得する対象は、SNSに限定されない。
【0016】
処理装置2は、入力装置3で検出したユーザの入力に基づいて、複数の提示語を決定し、決定した提示語を出力装置5から出力させる処理を実行する。処理装置2は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、マイクロコントローラ、又はASIC(application specific integrated circuit)やFPGA(field-programmable gate array)等の集積回路等である。処理装置2は、入力装置3からの入力データを処理して、中間データや処理結果を記憶装置4に記憶し、処理結果を出力装置5に出力する。処理装置2は、検索語設定部21と、特徴語抽出部22と、提示語選択部23と、を有する。
【0017】
検索語設定部21は、入力装置3で検出した情報から単語、文章を抽出し、抽出結果から第1のキーワードとなる検索語を設定する。特徴語抽出部22は、検索語に基づいて、ネットワークNW上の情報を取得し、第2のキーワードとなる複数の特徴語を抽出する。提示語選択部23は、複数の特徴語から第3のキーワードとなる提示語を選択し、選択した提示語を出力装置5に出力する。また、提示語選択部23は、提示語の出力方法も決定する。
【0018】
記憶装置4は、各種の情報を記憶する。記憶装置4は、処理装置2が実行するための処理プログラム40、処理装置2で実行する処理を判断する特徴語テーブル41と、を記憶する。記憶装置4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。処理プログラム40は、検索語設定部21と、特徴語抽出部22と、提示語選択部23と、で各種処理を実行させるプログラムである。特徴語テーブル41は、特徴語抽出部22で特徴語を抽出する処理の基準となる情報や、提示語選択部23で選択する処理の基準となる情報等を含むテーブルである。特徴語テーブル41は、単語とその単語の頻出度や、単語の関連性の情報を含む。特徴語テーブル41は、処理装置2で実行した処理の履歴も含む。
【0019】
次に、図2から図5を用いて、本実施形態に係る情報提供装置1の動作の詳細について説明する。図2は、本実施形態に係る情報提供装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図3は、検索語設定部21の動作の一例を示すフローチャートである。図4は、特徴語抽出部22の動作の一例を示すフローチャートである。図5は、提示語選択部23の動作の一例を示すフローチャートである。図2は、情報提供装置1の全体の処理を示している。図3から図5は、各部での処理の一例を示している。また、本実施形態では、SNSから情報を取得する場合として説明する。
【0020】
情報提供装置1は、周囲の会話等の音声を入力装置3により取得し、取得した音声データを処理装置2に入力する(ステップS101)。検索語設定部21は、入力装置3から処理装置2に入力された音声データから第1のキーワードを設定する(ステップS102)。第1のキーワードが検索語となる。
【0021】
図3を用いて、ステップS102の検索語設定部21の動作について説明する。検索語設定部21は、入力装置3から音声データが入力され(ステップS201)、入力された音声データに対して音声認識処理を実行する(ステップS202)。検索語設定部21は、音声認識処理で音声データをテキストデータに変換する。検索語設定部21は、変換したテキストデータに対してテキストマイニングを行う(ステップS203)。テキストマイニングの方法は特に限定されない。検索語設定部21は、テキストマインングで、テキストデータから複数の単語を取得する。検索語設定部21は、テキストマイニングで取得した複数の単語から、第1のキーワードを選択し(ステップS204)、選択した第1のキーワードを検索語として特徴語抽出部22に出力する(ステップS205)。なお、本実施形態では、テキストマイニングで取得した複数の単語から、第1のキーワードを選択したが、テキストマイニングで取得した複数の単語を全て第1のキーワードとしてもよい。つまり、ステップS204の選択処理を行わなくてもよい。また、テキストマイニングで取得した複数の単語から第1のキーワードを選択する処理としては、種々の処理を採用することができる。例えば、テキストマイニングで特定された重要度、関連度に基づいて、重要度、関連度の高い単語を第1のキーワードとしてもよい。
【0022】
次に、情報提供装置1は、第1のキーワードを検索語設定部21で設定した後、特徴語抽出部22で、第2のキーワードを抽出する(ステップS103)。具体的には、特徴語抽出部22は、第1のキーワードを検索語としてネットワークNW上の情報を検索し、検索結果の中から第1のキーワードとは異なる複数の単語を第2のキーワードとして抽出する。第2のキーワードは、特徴語となる。
【0023】
図4を用いて、ステップS103の特徴語抽出部22の処理について説明する。特徴語抽出部22は、検索語設定部21から第1のキーワードを取得する(ステップS301)。特徴語抽出部22は、第1のキーワードを基に、通信部6を用いてネットワークNW上の情報を検索して、第1のキーワードが含まれるSNSの投稿を抽出する(ステップS302)。特徴語抽出部22は、第1のキーワードが含まれるSNSの投稿に対してテキストマイニングを行う(ステップS303)。具体的には、特徴語抽出部22は、第1のキーワードとは異なる複数の単語を第2のキーワードを抽出する。また、特徴語抽出部22は、抽出した第2のキーワードの出現情報(出現回数、出現頻度等)を取得する。特徴語抽出部22は、第2のキーワードとその出現情報を関連付けて記憶装置4の特徴語テーブル41に保存する(ステップS304)。
【0024】
次に、情報提供装置1は、特徴語抽出部22で第2のキーワードを抽出した後、提示語選択部23により、第2のキーワードの中から第3のキーワードを選択する(ステップS104)。第3のキーワードは、出力装置5に出力される提示語となる。
【0025】
図5を用いて、ステップS104の提示語選択部23の処理について説明する。提示語選択部23は、記憶装置4から複数の第2のキーワードと出現情報とを取得する(ステップS401)。なお、提示語選択部23は、特徴語抽出部22から複数の第2のキーワードと出現情報とを取得してもよい。次に、提示語選択部23は、出現情報を基に複数の第2のキーワードをソートする(ステップS402)。つまり、提示語選択部23は、複数の第2のキーワードを出現情報に含まれるパラメータに基づいて、順位付けする。提示語選択部23は、ソートした複数の第2のキーワードの中から第3のキーワードを選択する(ステップS403)。例えば、提示語選択部23は、ソートされた第2のキーワードのうち、出現回数上位(上位5位以内等)のものを第3のキーワードとして選択する。なお、ソートは「昇順」と「降順」のいずれでもよい。
【0026】
情報提供装置1は、提示語選択部23で選択した第3のキーワードを提示語として出力装置5から出力する(ステップS105)。
【0027】
次に、図6から図9を用いて、処理装置2の各部の処理の一例を説明する。図6は、検索語の設定に関する概念図である。図7は、SNS画面の一例を示すイメージ図である。図8は、提示語の選択に関する概念図である。図9は、出力画面の一例を示すイメージ図である。
【0028】
検索語設定部21は、入力装置3で「おすすめの映画ってなにかある?」という音声を検出した場合、音声認識で「おすすめの映画ってなにかある?」というテキスト102を検出する。検索語設定部21は、テキストマイニングを行うことで、単語104、単語106、単語108等を抽出する。単語104は、テキスト102から1つの単語の「映画」を抽出した場合である。単語106は、テキスト102から複数の単語の「おすすめ」「映画」を抽出した場合である。単語108は、テキスト102から複数の単語を組み合わせた1つの単語、「おすすめ映画」を抽出した場合である。本実施形態の検索語設定部21は、単語108の「おすすめ映画」を第1のキーワードとして抽出する。
【0029】
次に、特徴語抽出部22は、第1のキーワードに基づいて特徴語を抽出する。特徴語抽出部22は、「おすすめ映画」を検索語としてSNSを検索し、図7に示す検索語を含む投稿を含むユニット120を抽出する。ユニット120は、第1のキーワードである「おすすめ映画」が含まれる投稿122、124、126、128を含む。なお、ユニット120には、第1のキーワードを含まない投稿を含んでもよい。後述するが、特徴語抽出部22は、第1のキーワードを含むユニット120が連続した投稿である場合、設定した条件を満たす投稿を抽出する。特徴語抽出部22は、抽出したユニット120に含まれる投稿122、124、126、128のテキストに対してテキストマイニングを行い、第1のキーワード以外の単語を第2のキーワードとして抽出する。また、特徴語抽出部22は、検索対象から複数の投稿を抽出して、抽出したテキストから第1のキーワード以外の単語を抽出する。特徴語抽出部22は、抽出した第2のキーワードと出現回数を抽出し、特徴語テーブル41に記憶させる。これにより、特徴語抽出部22は、図8に示すデータ140を特徴語テーブル41に記憶させることができる。図8に示すデータ140は、図7のユニット120の他に、1つ以上の他のユニット(キーワード「超絶おすすめ」、「バンド」、「オムニバス音源」、「カッコ」等が含まれる)を検索して抽出した結果である。本実施形態では、データ140は、タイトルA、タイトルB、超絶おすすめ、バンド、オムニバス音源、カッコ等を特徴語として抽出し、それぞれの出現回数を対応付けている。
【0030】
次に、提示語選択部23は、複数の第2のキーワードの中から第3のキーワードを選択する。図8に示す例では、提示語選択部23は、データ140に対して、出現回数に基づいて、ソート処理を行い、データ150を作成する。データ150は、データ140のうち、出現回数が所定回数以上の特徴語を抽出したデータである。出現回数が同じ場合は、例えば五十音順に並べる。提示語選択部23は、データ150のうち、例えば上位3つの特徴語152を提示語として選択する。本実施形態では、上位3つの特徴語152は「超絶おすすめ」、「カッコ」、「オムニバス音源」であるため、これらを提示語として選択する。なお、「オムニバス音源」と「タイトルA」はいずれも出現回数が10回であるが、五十音順では「オムニバス音源」が先であるため、ここでは「オムニバス音源」の方を選択する。無論、出現回数が同じ場合は全て提示語として選択するようにしてもよいが、出現回数が同じ特徴語が多数存在する可能性もあるため、ここでは「上位3位以内」ではなく、「上位3つ」の特徴語のみを選択している。
【0031】
なお、本実施形態では、出現情報として、出現回数を用いたがこれに限定されない。出現情報は、特徴語抽出部22がネットワークを介して取得した情報の単語に対して対応付けできる情報であればよく、例えば出現頻度(所定時間内の出現回数)、引用回数(閲覧数、反応の多さ)等を用いることができる。また、第2のキーワードの出現情報は、第1のキーワードとの関連度を表すパラメータとしても使用することができる。また、特徴語抽出部22は、抽出された第2のキーワードについて、記憶装置4の特徴語テーブル41に蓄積された第2のキーワードや既存の辞書データと相対比較(同義語、類似語等を判断)することで、第1のキーワードとの関連度を設定してもよい。
【0032】
提示語選択部23は、種々の基準に従って出現情報を選択することができる。例えば、提示語選択部23は、関連度が高いキーワード、出現頻度等が高いキーワードを、提示語として選択する基準としてもよく、関連度が低いキーワード、出現頻度等が低いキーワードを、提示語として選択する基準としてもよい。このように基準を調整することで、入力された情報に沿った提示語を選択することも、入力された情報に対して突飛となる提示語を選択することもできる。これにより、情報提供装置1の提示語に、情報提供装置1ごとに異なる種々の特徴(個性)を持たせることができる。特徴は、例えば「情報提供(装置)の特性」、「情報提供のタイプ」等である。また、提示語選択部23は、対義語や反対語等をキーワードとして選択しても、特徴語に紐付けられた時間(例えば投稿時間等)に基づいて抽出したキーワードを選択するようにしてもよい。
【0033】
情報提供装置1は、第3のキーワードである提示語を選択したら、出力装置5から提示語を出力する。情報提供装置1は、図9に示すように、画面160のウインドウ162の表示欄164に提示語170a、170b、170cを表示させる。本実施形態では、提示語170a、170b、170cは、提示語として選択された「超絶おすすめ」、「カッコ」、「オムニバス音源」である。出力装置5は、提示語170a、170b、170cの表示位置を移動させ、かつ、文字の濃淡を変化させることで、各提示語は表示された後、徐々に消えるように、表示する。なお、出力装置5の表示方法は、画面160に限定されず、ワードクラウド、マインドマップ、又はマンダラチャート等の形式で表示するようにしてもよい。また、情報提供装置1は、出力装置5に複数の第3のキーワードをつなげた文章を表示するようにしてもよい。また、情報提供装置1は、出力装置5での表示方法(表示態様)を第3のキーワードの特徴に応じて変更させることが好ましい。第3のキーワードの特徴としては、例えば出現回数が多い、引用回数が多い、ユニークである等が挙げられる。表示方法の変更としては、例えば文字の色、大きさ、表示時間、フキダシの形態等の変更が挙げられる。
【0034】
また、情報提供装置1は、出力装置5により第3のキーワードを音声出力するようにしてもよい。この場合、処理装置2は、出力装置5から音声を発するタイミングを制御する。例えば、処理装置2は、周囲が会話中で音声入力が継続している間は第3のキーワードを蓄積しておき、周囲が静かになり音声入力が途切れたタイミングで出力装置5から第3のキーワードを音声出力する。
【0035】
以上のように、情報提供装置1は、音声入力から抽出した単語を検索語(第1のキーワード)とする。また、情報提供装置1は、第1のキーワードが含まれるSNSの投稿の中から抽出した第1のキーワードとは異なる複数の単語を特徴語(第2のキーワード)とする。また、情報提供装置1は、複数の第2のキーワードの中から選択された単語を提示語(第3のキーワード)とする。情報提供装置1は、第1のキーワードに基づいて、検索を行い、第2のキーワードを抽出し、さらに第2のキーワードの出現情報に基づいて、第3のキーワードを選択することで、アイデア発想のきっかけとなる新たなキーワードを提示することができる。つまり、単純に検索語に関連するキーワードを抽出せずに、抽出したキーワードを種々の基準で選択することで、目的に沿ったアイデア発想のきっかけとなる新たなキーワードを提示することができる。
【0036】
また、情報提供装置1は、会話を楽しむアプリケーションソフトウェアとしての利用も可能である。例えば、ユーザは、情報提供装置1と会話する形で第1のキーワードを情報提供装置1に音声入力する。情報提供装置1は、ユーザから音声入力された第1のキーワードに対し、第2のキーワードを検索し、第3のキーワードを音声出力する。ユーザは、情報提供装置1から音声出力された第3のキーワードに対して返答する形で、新たな第1のキーワードを情報提供装置1に音声入力する。これを繰り返すことで、ユーザと情報提供装置1との双方から新たなキーワードが次々と出現することになる。情報提供装置1は、出現情報に基づいて第3のキーワードを選択することで、関連度の低いキーワードを提示語とする場合も生じる。これにより、話題に変化を生じさせることができ、ユーザが退屈をしない会話が可能となる。
【0037】
ここで、情報提供装置1は、特徴語抽出部22が第1のキーワードを基にネットワークNW上の情報を検索する場合、第1のキーワードの入力前後の所定時間内のSNSの投稿を検索することが好ましい。もしくは、検索する対象となる投稿時期(例えば、10年前)を設定して検索する。なお、特徴語抽出部22は、上記所定時間検索した結果から抽出された第2のキーワードの数が所定数に満たない場合には、検索時間を増やすようにしてもよい。また、上記所定時間検索した結果から抽出された第2のキーワードの数が所定数に満たない場合、第1のキーワードを追加又は変更するようにしてもよい。これにより、検索対象を絞ることができ、より目的に沿った抽出語を抽出することができる。
【0038】
より具体的には、特徴語抽出部22は、検索語設定部21から第1のキーワードが入力された時刻をt、所定時間をΔt1、Δt1´とし、時刻t-Δt1から時刻t+Δt1´までに出現したSNSの投稿から第2のキーワードを抽出する。Δt1とΔt1´は、異なる時間でも同一の時間でもよい。Δt1とΔt1´は、いずれか一方または両方が0であってもよい。特徴語抽出部22は、Δt1とΔt1´を、0より大きい値とすることで、検索対象の投稿を増加させることができる。また、特徴語抽出部22は、Δt1とΔt1´を0とした場合、再度抽出を行った時点を基準として抽出を行うことができるため、異なる抽出結果を取得することができる。特徴語抽出部22は、抽出したキーワードが所定数(例えば5語)に満たない場合には、追加時間をΔt2、Δt2´とし、抽出時間を時刻t-Δt1-Δt2から時刻t+Δt1´+Δt2´に拡大し、拡大した抽出時間内に出現したSNSの投稿から第2のキーワードを抽出する。Δt2とΔt2´は、異なる時間でも同一の時間でもよい。Δt2とΔt2´は、いずれか一方または両方が0であってもよい。これにより、検索対象を絞ることができ、より目的に沿った抽出語を抽出することができる。また、特徴語抽出部22は、Δt2とΔt2´を、0より大きい値とすることで、検索対象の投稿を増加させることができる。また、特徴語抽出部22は、Δt2とΔt2´を0とした場合、再度抽出を行った時点を基準として抽出を行うことができるため、異なる抽出結果を取得することができる。
【0039】
情報提供装置1は、提示語選択部23で検出する第2のキーワードの出現情報を、例えば出現回数、引用回数などの複数のパラメータを演算して算出するスコアとしてもよい。例えば、出現回数×引用回数で算出してもよい。
【0040】
情報提供装置1は、特徴語抽出部22でSNSの投稿を検索する場合、文章に含まれている顔文字や絵文字等から、投稿者の投稿時の感情や気分(ポジティブ/ネガティブ)を判断し、判断した結果を抽出した情報に加えてもよい。これにより、顔文字や絵文字から取得できる情報を特徴語とすること出現情報に含める情報とすることができる。
【0041】
情報提供装置1は、検索語設定部21及び特徴語抽出部22の処理としてテキストマイニングを行っているが、テキストマイニングにディープラーニング(深層学習)等の機械学習を組み合わせてもよい。これにより、検索語設定部21及び特徴語抽出部22は、断片的なキーワードから1つの単語を予測すること、キーワードと関連用語との複数の単語を抽出すること、キーワードを基に1つのフレーズを抽出することも可能となる。さらに、特徴語抽出部22は、第1のキーワードを基に、予測された単語やその関連用語、フレーズ等を第2のキーワードに含めるようにしてもよい。
【0042】
また、特徴語抽出部22は、テキストマイニングの代わりに、第1のキーワードを基にウェブページを対象にしたウェブマイニングを行って、第1のキーワードとは異なる複数の第2のキーワードとその出現情報を取得してもよい。
【0043】
また、特徴語抽出部22は、第2のキーワードや第3のキーワードを、新たな第1のキーワードとしてSNSの投稿を再検索するようにしてもよい。例えば、特徴語抽出部22は、第2のキーワードや第3のキーワードを、新たな第1のキーワードとしてSNSの投稿を検索する動作を所定回数(例えば5回)繰り返し実行するようにしてもよい。この間に得られた第3のキーワードは出力装置5に逐次表示されるようにしてもよい。これにより、最初の第1のキーワードだけではなく、第2のキーワードや第3のキーワードから派生した新たなキーワードが得られるため、アイデア発想のきっかけとなるキーワードの幅をさらに広げることができる。
【0044】
また、情報提供装置1は、会議の出席者等の音声入力するユーザの属性情報を予め登録(記憶)しておき、第2キーワードの検索の際に、ユーザの属性情報に基づいて、会議の出席者とは異なる属性を持つSNSの投稿を検索するようにしてもよい。例えば、会議の出席者が男性中心であったり、若年者中心であったりする場合には、反対に、女性の投稿や、年配者の投稿等から第2キーワードを抽出することができる。これにより、会議の出席者とは異なる視点から得られた新たなキーワードを提示できる。
【0045】
また、出力装置5は、リプレイ機能により、結果の履歴を表示することも可能である。このとき、提示語選択部23は、記憶装置4の特徴語テーブル41に保存された複数の第2のキーワードの中から、第3のキーワードを選択して出力装置5に出力する。出力装置5は、リプレイ機能を実行するためのボタンスイッチを備える。もしくは、出力装置5がタッチパネル式のディスプレイである場合には、リプレイ機能を実行するためのボタンを画面に表示する。これにより、出力装置5に表示された第3のキーワードを見逃してしまった場合や、もう一度第3のキーワードを見たい場合に、第3のキーワードを出力装置5に再度表示することができる。
【0046】
なお、本発明の実施形態に係る情報提供装置1において、入力装置3と出力装置5は必須の構成要件ではない。例えば、情報提供装置1がサーバ(server)である場合、通信部6によりネットワークNWを介して、1または複数の外部端末から第1のキーワードを含む情報を入力として受け取り、当該外部端末に対して第3のキーワードを出力として返す構成にしてもよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 情報提供装置
2 処理装置
3 入力装置
4 記憶装置
5 出力装置
6 通信部
21 検索語設定部
22 特徴語抽出部
23 提示語選択部
40 処理プログラム
41 特徴語テーブル
NW ネットワーク
図1
図2
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図9