(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】振動デバイス、電子機器および移動体
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20240312BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240312BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H01L27/04 H
(21)【出願番号】P 2019211164
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】水垣 浩一
【審査官】石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-193052(JP,A)
【文献】特開2009-071151(JP,A)
【文献】特開2014-158157(JP,A)
【文献】特開2017-139717(JP,A)
【文献】特開2006-054269(JP,A)
【文献】特開2016-025452(JP,A)
【文献】特開2016-025199(JP,A)
【文献】特開2015-090973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/30- 5/42
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に配置されている振動片と、
前記第1面に配置され、少なくとも一つのデジタル回路を含む第1回路ブロックと、
前記第1面に配置され、少なくとも一つのアナログ回路を含む第2回路ブロックと、
前記第1面に配置され、少なくとも一つの前記デジタル回路を含む第3回路ブロックと、
前記第2面に配置されている電源端子と、
前記第2面に配置され、前記電源端子に接続されている電源配線と、
前記基板を貫通し、前記電源配線と第1接続部分において接続され、前記電源配線と前記第1回路ブロックとを電気的に接続する第1貫通電極と、
前記基板を貫通し、前記電源配線と第2接続部分において接続され、前記電源配線と前記第2回路ブロックとを電気的に接続する第2貫通電極と、
前記基板を貫通し、前記電源配線と第3接続部分において接続され、前記電源配線と前記第3回路ブロックとを電気的に接続する第3貫通電極と、を含み、
平面視で、
前記第2回路ブロックは、前記第1回路ブロックと前記第3回路ブロックとの間に配置されており、
前記第1回路ブロックは、前記第1貫通電極と重なっており、
前記第2回路ブロックは、前記第2貫通電極と重なっており、
前記第3回路ブロックは、前記第3貫通電極と重なっており、
前記第1貫通電極の電気抵抗をR1、前記第2貫通電極の電気抵抗をR2、前記第3貫通電極の電気抵抗をR3、前記電源配線の前記第1接続部分と前記第2接続部分との間の電気抵抗をR4、前記電源配線の前記第2接続部分と前記第3接続部分との間の電気抵抗をR5としたとき、
R1>R4、かつ、R2>R4の関係、および
R2>R5、かつ、R3>R5
の関係を満たすことを特徴とする振動デバイス。
【請求項2】
前記電源配線の構成材料は、金属材料であり、
前記第1貫通電極および前記第2貫通電極の構成材料は、導電性のポリシリコンである請求項1に記載の振動デバイス。
【請求項3】
前記アナログ回路は、定電圧生成回路、発振回路、制御電圧生成回路および位相同期回路を含む請求項1または2に記載の振動デバイス。
【請求項4】
前記デジタル回路は、論理回路、記憶回路および出力バッファー回路を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動デバイス。
【請求項5】
請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の振動デバイスと、
前記振動デバイスから出力される信号に基づいて動作する演算処理回路と、を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の振動デバイスと、
前記振動デバイスから出力される信号に基づいて動作する演算処理回路と、を備えていることを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動デバイス、電子機器および移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている集積回路構造は、半導体基板と、半導体基板の前面上に配置されているトランジスター等の各種回路素子と、半導体基板を貫通している複数のスルーシリコンビアと、半導体基板の背面上に配置され、複数のスルーシリコンビアを並列に電気接続しているグランド用の再分配線と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の集積回路構造では、あるスルーシリコンビアが接続されている第1回路ブロックにおいて生じたノイズが、再分配線を介して他のスルーシリコンビアが接続されている第2回路ブロックに伝達されるおそれがある。特に、第2回路ブロックにノイズの影響を受け易いアナログ回路を含む発振回路が形成されている場合、このノイズによって発振回路の位相ノイズが増大するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本適用例に係る振動デバイスは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に配置されている振動片と、
前記第1面に配置されている第1回路ブロックと、
前記第1面に配置され、アナログ回路を含む第2回路ブロックと、
前記第2面に配置されている電源端子と、
前記第2面に配置され、前記電源端子に接続されている電源配線と、
前記基板を貫通し、前記電源配線と前記第1回路ブロックとを電気的に接続する第1貫通電極と、
前記基板を貫通し、前記電源配線と前記第2回路ブロックとを前記第1貫通電極と並列に電気的に接続する第2貫通電極と、を含み、
前記第1貫通電極の電気抵抗をR1、前記第2貫通電極の電気抵抗をR2、前記電源配線の前記第1貫通電極と前記第2貫通電電極とを接続する区間の電気抵抗をR4としたとき、
R1>R4、かつ、R2>R4の関係である。
【0006】
本適用例に係る振動デバイスでは、前記電源配線の構成材料は、金属材料であり、
前記第1貫通電極および前記第2貫通電極の構成材料は、導電性のポリシリコンであることが好ましい。
【0007】
本適用例に係る振動デバイスでは、前記第2回路ブロックは、前記アナログ回路として、定電圧生成回路、発振回路、制御電圧生成回路および位相同期回路の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0008】
本適用例に係る振動デバイスでは、前記第1回路ブロックは、論理回路、記憶回路および出力バッファー回路の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0009】
本適用例に係る電子機器は、上述の振動デバイスと、
前記振動デバイスから出力される信号に基づいて動作する演算処理回路と、を備えている。
【0010】
本適用例に係る移動体は、上述の振動デバイスと、
前記振動デバイスから出力される信号に基づいて動作する演算処理回路と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図である。
【
図7】端子と集積回路とを接続する経路の等価回路図である。
【
図8】
図1の振動デバイスが有する振動片を示す平面図である。
【
図9】第2実施形態のスマートフォンを示す斜視図である。
【
図10】第3実施形態の自動車を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本適用例に係る振動デバイス、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図である。
図2は、基板の上面図である。
図3は、集積回路の構成を示すブロック図である。
図4は、基板の下面図である。
図5は、
図4中のA-A線断面図である。
図6は、
図4中のB-B線断面図である。
図7は、端子と集積回路とを接続する経路の等価回路図である。
図8は、
図1の振動デバイスが有する振動片を示す平面図である。
【0014】
なお、説明の便宜上、
図1、
図2、
図4、
図5、
図6および
図8には、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸として図示している。また、Z軸の矢印が向く側を「上」とも言い、その反対側を「下」とも言う。また、Z軸に沿って見た平面視を、単に「平面視」とも言う。
【0015】
図1に示す振動デバイス1は、発振器であり、特にVCXO(電圧制御水晶発振器)である。ただし、振動デバイス1としては、特に限定されず、例えば、OCXO(恒温槽型水晶発振器)、TCXO(温度補償型水晶発振器)等、VCXO以外の発振器であってもよいし、発振器以外のデバイスであってもよい。このような振動デバイス1は、パッケージ3と、パッケージ3に収納されている振動片4と、を有する。
【0016】
パッケージ3は、半導体基板としての基板5と、リッド6と、を有する。基板5は、シリコン基板である。ただし、基板5としては、特に限定されず、シリコン以外の半導体基板、例えば、Ge、GaP、GaAs、InP等の半導体基板を用いてもよい。
【0017】
また、基板5は、板状をなし、表裏関係にある第1面としての上面5aおよび第2面としての下面5bを有する。上面5aおよび下面5bの表面は、絶縁膜50で覆われている。また、基板5の上面5a側には、振動片4が配置されている。そして、上面5aには振動片4と電気的に接続されている集積回路7が形成されている。集積回路7は、リン(P)、ボロン(B)等の不純物をドープすることにより基板5の上面側に形成されているトランジスター等の図示しない複数の能動素子と、基板5の上面5aに配置され、能動素子同士を電気的に接続する配線701を備える配線層70と、により形成されている。なお、本明細書において、「面側に配置」「面側に位置」等という場合は、配置される物が直接面に接していてもよく、物と面との間に他の物が配置されていてもよい。
【0018】
また、
図1および
図2に示すように、集積回路7は、デジタル回路DCを含む第1回路ブロックCB1と、アナログ回路ACを含む第2回路ブロックCB2と、デジタル回路DCを含む第3回路ブロックCB3と、を有する。また、これら第1、第2、第3回路ブロックCB1、CB2、CB3は、Z軸方向からの平面視で互いに重ならないように離間して配置されている。特に、本実施形態では、第1、第2、第3回路ブロックCB1、CB2、CB3は、X軸方向に並んで配置されている。つまり、第1回路ブロックCB1と第3回路ブロックCB3との間に挟まれるように第2回路ブロックCB2が配置されている。なお、集積回路7としては、第1回路ブロックCB1と第2回路ブロックCB2とを有していれば、特に限定されず、例えば、第3回路ブロックCB3を省略してもよいし、さらに1つ以上の回路ブロックを有していてもよい。また、第1、第2、第3回路ブロックCB1、CB2、CB3の配置としては、後述する電源配線の配置が可能な限り、特に限定されない。
【0019】
また、振動デバイス1は、
図3に示すように、アナログ回路ACとして、定電圧生成回路7A、制御電圧生成回路7B、発振回路7Cおよび位相同期回路7D(PLL回路)を有しており、これら回路7A、7B、7C、7Dのうちの少なくとも1つが第2回路ブロックCB2に配置されている。すなわち、第2回路ブロックCB2には、回路7A、7B、7C、7Dの全部が配置されていてもよいし、一部が配置されていてもよい。また、振動デバイス1は、デジタル回路DCとして、制御回路であるロジック回路7E、記憶回路7Fおよび出力バッファー回路7Gを有しており、これら回路7E、7F、7Gのうちの少なくとも1つが第1回路ブロックCB1に配置され、少なくとも1つが第3回路ブロックCB3に配置されている。なお、回路7E、7F、7Gの全部が第1回路ブロックCB1に配置されていてもよい。
【0020】
ここで、各回路7A~7Gの機能について簡単に説明する。定電圧生成回路7Aは、集積回路7で用いられる基準電圧を生成する回路である。発振回路7Cは、振動片4を発振させて、基準周波数信号を出力する回路である。制御電圧生成回路7Bは、外部制御電圧を生成し、この外部制御電圧によって発振回路7Cから出力される基準周波数を変化させるための回路である。位相同期回路7Dは、発振回路7Cから出力される基準周波数信号との位相誤差を検出し、その位相誤差がなくなるように閉回路を構成することで出力信号の周波数を一定とする回路である。出力バッファー回路7Gは、位相同期回路7Dから出力された周波数信号を外部に出力するための回路である。ロジック回路7Eは、制御回路であり、振動デバイス1全体の制御を行う回路である。記憶回路7Fは、各種データを記憶するための回路である。
【0021】
また、
図4に示すように、基板5の下面5bには4つの端子76が配置されている。これら4つの端子76は、それぞれ、集積回路7との電気的な接続を図るための接続端子として機能する。4つの端子76のうちの1つは、電源端子としての電源電圧端子761であり、電源電圧端子761を介して集積回路7に電源電圧VDDが供給される。また、4つの端子76のうちの1つは、電源端子としてのグランド端子762であり、グランド端子762を介して集積回路7がグランドGNDに接続される。また、基板5の下面5bには2つの配線77が配置されている。これら2つの配線77のうちの一方は、電源配線としての電源電圧配線771であり、電源電圧端子761と電気的に接続されている。また、2つの配線77のうちの他方は、電源配線としてのグランド配線772であり、グランド端子762と電気的に接続されている。なお、端子76や配線77の数としては、特に限定されず、集積回路7の構成に応じて適宜設定することができる。
【0022】
各端子76および各配線77の構成材料は、金属材料である。各端子76および各配線77を金属材料で構成することにより、各端子76および各配線77の形成が容易となる。なお、金属材料としては、特に限定されず、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、タングステン(W)等の各種金属、または、これらのうちの少なくとも1種を含む合金または金属間化合物等が挙げられる。ただし、各端子76および各配線77の構成材料は、特に限定されず、金属材料以外の導電性材料、例えば、導電性シリコンを用いてもよい。
【0023】
また、
図5および
図6に示すように、基板5には、基板5を厚さ方向すなわちZ軸方向に貫通する6つの貫通電極78が配置されている。各貫通電極78は、例えば、基板5を厚さ方向に貫通する貫通孔78Aと、貫通孔78Aの内壁に配置されている絶縁膜50と、貫通孔78A内に充填されている導電性材料78Bと、で構成されている。導電性材料78Bの構成材料は、シリコン、特に、本実施形態では導電性のポリシリコンである。導電性のポリシリコンとは、例えば、リン(P)、ボロン(B)、砒素(As)等の不純物をドープして導電性を付与したポリシリコンのことを言う。
【0024】
このように、導電性材料78Bをポリシリコンとすることにより、例えば、導電性材料78Bとして金属材料を用いた場合と比べて、貫通電極78の電気抵抗を高くすることができる。また、振動デバイス1の製造工程において加わる熱に対して十分な耐性を有する貫通電極78となる。そのため、貫通電極78を原因とする電気不良が生じ難くなる。また、基板5との線膨張係数差を小さくすることもできる。そのため、熱応力が生じ難く、優れた発振特性を有する振動デバイス1となる。ただし、導電性材料78Bとしては、特に限定されず、例えば、タングステン(W)等の耐熱性に優れる金属材料を用いることもできる。
【0025】
また、6つの貫通電極78のうちの1つは、第1貫通電極としての第1電源電圧用貫通電極781である。第1電源電圧用貫通電極781は、Z軸方向からの平面視で第1回路ブロックCB1と重なって配置され、電源電圧配線771と第1回路ブロックCB1とを電気的に接続している。そのため、電源電圧端子761に印加された電源電圧は、電源電圧配線771および第1電源電圧用貫通電極781を介して第1回路ブロックCB1に供給される。
【0026】
また、6つの貫通電極78のうちの1つは、第2貫通電極としての第2電源電圧用貫通電極782である。第2電源電圧用貫通電極782は、Z軸方向からの平面視で第2回路ブロックCB2と重なって配置され、電源電圧配線771と第2回路ブロックCB2とを電気的に接続している。そのため、電源電圧端子761に印加された電源電圧は、電源電圧配線771および第2電源電圧用貫通電極782を介して第2回路ブロックCB2に供給される。
【0027】
また、6つの貫通電極78のうちの1つは、第3貫通電極としての第3電源電圧用貫通電極783である。第3電源電圧用貫通電極783は、Z軸方向からの平面視で第3回路ブロックCB3と重なって配置され、電源電圧配線771と第3回路ブロックCB3とを電気的に接続している。そのため、電源電圧端子761に印加された電源電圧は、電源電圧配線771および第3電源電圧用貫通電極783を介して第3回路ブロックCB3に供給される。
【0028】
また、6つの貫通電極78のうちの1つは、第1貫通電極としての第1グランド用貫通電極784である。第1グランド用貫通電極784は、Z軸方向からの平面視で第1回路ブロックCB1と重なって配置され、グランド配線772と第1回路ブロックCB1とを電気的に接続している。そのため、第1回路ブロックCB1は、第1グランド用貫通電極784、グランド配線772およびグランド端子762を介してグランドに接続される。
【0029】
また、6つの貫通電極78のうちの1つは、第2貫通電極としての第2グランド用貫通電極785である。第2グランド用貫通電極785は、Z軸方向からの平面視で第2回路ブロックCB2と重なって配置され、グランド配線772と第2回路ブロックCB2とを電気的に接続している。そのため、第2回路ブロックCB2は、第2グランド用貫通電極785、グランド配線772およびグランド端子762を介してグランドに接続される。
【0030】
また、6つの貫通電極78のうちの1つは、第3貫通電極としての第3グランド用貫通電極786である。第3グランド用貫通電極786は、Z軸方向からの平面視で第3回路ブロックCB3と重なって配置され、グランド配線772と第3回路ブロックCB3とを電気的に接続している。そのため、第3回路ブロックCB3は、第3グランド用貫通電極786、グランド配線772およびグランド端子762を介してグランドに接続される。
【0031】
これら6つの貫通電極78のうち、第1電源電圧用貫通電極781、第2電源電圧用貫通電極782および第3電源電圧用貫通電極783は、X軸方向に並んで配置されており、それぞれ、Z軸方向からの平面視で、長手方向がX軸に沿っている。また、第1グランド用貫通電極784、第2グランド用貫通電極785および第3グランド用貫通電極786は、X軸方向に並んで配置されており、それぞれ、Z軸方向からの平面視で、X軸方向に延在する長手形状となっている。このように、各貫通電極78の平面視形状が長手方向を有することにより、急激な電流変化を抑制することができる。そのため、電流変化による電圧変化を抑制することができ、集積回路7をより安定して駆動させることができる。ただし、各貫通電極78の配置や形状としては、特に限定されない。
【0032】
ここで、
図7に示すように、第1電源電圧用貫通電極781の電気抵抗(Ω)をR1
D(R1)、第2電源電圧用貫通電極782の電気抵抗(Ω)をR2
D(R2)、電源電圧配線771の第1電源電圧用貫通電極781と第2電源電圧用貫通電極782とを接続する区間E1の電気抵抗(Ω)をR4
D(R4)としたとき、振動デバイス1は、R1
D>R4
D、かつ、R2
D>R4
Dの関係を満たしている。なお、R1
Dは、第1電源電圧用貫通電極781の上端と下端との間の電気抵抗であり、R2
Dは、第2電源電圧用貫通電極782の上端と下端との間の電気抵抗である。また、R4
Dは、電源電圧配線771と第1電源電圧用貫通電極781との接続部分の中心O1
Dと、電源電圧配線771と第2電源電圧用貫通電極782との接続部分の中心O2
Dと、の間の電気抵抗である。
【0033】
このように、第1電源電圧用貫通電極781および第2電源電圧用貫通電極782の電気抵抗R1D、R2Dを区間E1の電気抵抗R4Dに対して大きくすることにより、第1回路ブロックCB1で生じるノイズ、例えば、電圧の揺らぎが、第1電源電圧用貫通電極781、区間E1および第2電源電圧用貫通電極782を介して第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。そのため、第2回路ブロックCB2に配置されているアナログ回路ACが第1回路ブロックCB1で生じるノイズの影響を受け難くなる。したがって、発振回路7Cの位相ノイズを十分に小さく抑えることができる。その結果、優れた周波数精度を有する振動デバイス1となる。
【0034】
前述したように、第1、第2電源電圧用貫通電極781、782は、導電性のポリシリコンで構成され、電源電圧配線771は、金属材料で構成されている。そのため、R1D>R4D、かつ、R2D>R4Dの関係を容易に満たすことができる。
【0035】
なお、R1D>R4Dであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R1D/R4D≦100であるのが好ましく、30≦R1D/R4D≦100であるのがより好ましく、50≦R1D/R4D≦100であるのがさらに好ましい。同様に、R2D>R4Dであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R2D/R4D≦100であるのが好ましく、30≦R2D/R4D≦100であるのがより好ましく、50≦R2D/R4D≦100であるのがさらに好ましい。これにより、R1D、R2Dが過度に大きくなることを抑制しつつ、R1D、R2DをR4Dに対して十分に大きくすることができる。そのため、上述の効果がより顕著となる。なお、R1D、R2Dは、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
また、
図7に示すように、第3電源電圧用貫通電極783の電気抵抗(Ω)をR3
D(R3)、電源電圧配線771の第2電源電圧用貫通電極782と第3電源電圧用貫通電極783とを接続する区間E2の電気抵抗(Ω)をR5
D(R5)としたとき、振動デバイス1は、R2
D>R5
D、かつ、R3
D>R5
Dの関係を満たしている。なお、R3
Dは、第3電源電圧用貫通電極783の上端と下端との間の電気抵抗である。また、R5
Dは、電源電圧配線771と第2電源電圧用貫通電極782との接続部分の中心O2
Dと、電源電圧配線771と第3電源電圧用貫通電極783との接続部分の中心O3
Dと、の間の電気抵抗である。
【0037】
このように、第2電源電圧用貫通電極782および第3電源電圧用貫通電極783の電気抵抗R2D、R3Dを区間E2の電気抵抗R5Dに対して大きくすることにより、前述したのと同様に、第3回路ブロックCB3で生じるノイズが第3電源電圧用貫通電極783、区間E2および第2電源電圧用貫通電極782を介して第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。そのため、第2回路ブロックCB2に配置されているアナログ回路ACが第3回路ブロックCB3で生じるノイズの影響を受け難くなる。したがって、発振回路7Cの位相ノイズを十分に小さく抑えることができる。また、発振回路7Cの波数分解能を高くすることができる。その結果、優れた周波数精度を有する振動デバイス1となる。
【0038】
前述したように、第2、第3電源電圧用貫通電極782、783は、導電性のポリシリコンで構成され、電源電圧配線771は、金属材料で構成されている。そのため、R2D>R5D、かつ、R3D>R5Dの関係を容易に満たすことができる。
【0039】
なお、R2D>R5Dであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R2D/R5D≦100であるのが好ましく、30≦R2D/R5D≦100であるのがより好ましく、50≦R2D/R5D≦100であるのがさらに好ましい。同様に、R3D>R5Dであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R3D/R5D≦100であるのが好ましく、30≦R3D/R5D≦100であるのがより好ましく、50≦R3D/R5D≦100であるのがさらに好ましい。これにより、R2D、R3Dが過度に大きくなることを抑制しつつ、R2D、R3DをR5Dに対して十分に大きくすることができる。そのため、上述の効果がより顕著となる。なお、R2D、R3Dは、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0040】
また、
図7に示すように、第1グランド用貫通電極784の電気抵抗(Ω)をR1
G(R1)、第2グランド用貫通電極785の電気抵抗(Ω)をR2
G(R2)、グランド配線772の第1グランド用貫通電極784と第2グランド用貫通電極785とを接続する区間E3の電気抵抗(Ω)をR4
G(R4)としたとき、振動デバイス1は、R1
G>R4
G、かつ、R2
G>R4
Gの関係を満たしている。なお、R1
Gは、第1グランド用貫通電極784の上端と下端との間の電気抵抗であり、R2
Gは、第2グランド用貫通電極785の上端と下端との間の電気抵抗である。また、R4
Gは、グランド配線772と第1グランド用貫通電極784との接続部分の中心O1
Gと、グランド配線772と第2グランド用貫通電極785との接続部分の中心O2
Gと、の間の電気抵抗である。
【0041】
このように、第1グランド用貫通電極784および第2グランド用貫通電極785の電気抵抗R1G、R2Gを区間E3の電気抵抗R4Gに対して大きくすることにより、第1回路ブロックCB1で生じるノイズが、第1グランド用貫通電極784、区間E3および第2グランド用貫通電極785を介して第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。そのため、第2回路ブロックCB2に配置されているアナログ回路ACが第1回路ブロックCB1で生じるノイズの影響を受け難くなる。したがって、発振回路7Cの位相ノイズを十分に小さく抑えることができる。また、発振回路7Cの波数分解能を高くすることができる。その結果、優れた周波数精度を有する振動デバイス1となる。
【0042】
前述したように、第1、第2グランド用貫通電極784、785は、導電性のポリシリコンで構成され、グランド配線772は、金属材料で構成されている。そのため、R1G>R4G、かつ、R2G>R4Gの関係を容易に満たすことができる。
【0043】
なお、R1G>R4Gであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R1G/R4G≦100であるのが好ましく、30≦R1G/R4G≦100であるのがより好ましく、50≦R1G/R4G≦100であるのがさらに好ましい。同様に、R2G>R4Gであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R2G/R4G≦100であるのが好ましく、30≦R2G/R4G≦100であるのがより好ましく、50≦R2G/R4G≦100であるのがさらに好ましい。これにより、R1G、R2Gが過度に大きくなることを抑制しつつ、R1G、R2GをR4Gに対して十分に大きくすることができる。そのため、上述の効果がより顕著となる。なお、R1G、R2Gは、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0044】
また、
図7に示すように、第3グランド用貫通電極786の電気抵抗(Ω)をR3
G(R3)、グランド配線772の第2グランド用貫通電極785と第3グランド用貫通電極786とを接続する区間E4の電気抵抗(Ω)をR5
G(R5)としたとき、振動デバイス1は、R2
G>R5
G、かつ、R3
G>R5
Gの関係を満たしている。なお、R3
Gは、第3グランド用貫通電極786の上端と下端との間の電気抵抗である。また、R5
Gは、グランド配線772と第2グランド用貫通電極785との接続部分の中心O2
Gと、グランド配線772と第3グランド用貫通電極786との接続部分の中心O3
Gと、の間の電気抵抗である。
【0045】
このように、第2グランド用貫通電極785および第3グランド用貫通電極786の電気抵抗R2G、R3Gを区間E4の電気抵抗R5Gに対して大きくすることにより、前述したのと同様に、第3回路ブロックCB3で生じるノイズが第3グランド用貫通電極786、区間E4および第2グランド用貫通電極785を介して第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。そのため、第2回路ブロックCB2に配置されているアナログ回路ACが第3回路ブロックCB3で生じるノイズの影響を受け難くなる。したがって、発振回路7Cの位相ノイズを十分に小さく抑えることができる。また、発振回路7Cの波数分解能を高くすることができる。その結果、優れた周波数精度を有する振動デバイス1となる。
【0046】
前述したように、第2、第3グランド用貫通電極785、786は、導電性のポリシリコンで構成され、グランド配線772は、金属材料で構成されている。そのため、R2G>R5G、かつ、R3G>R5Gの関係を容易に満たすことができる。
【0047】
なお、R2G>R5Gであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R2G/R5G≦100であるのが好ましく、30≦R2G/R5G≦100であるのがより好ましく、50≦R2G/R5G≦100であるのがさらに好ましい。同様に、R3G>R5Gであれば、特に限定されないが、例えば、10≦R3G/R5G≦100であるのが好ましく、30≦R3G/R5G≦100であるのがより好ましく、50≦R3G/R5G≦100であるのがさらに好ましい。これにより、R2G、R3Gが過度に大きくなることを抑制しつつ、R2G、R3GをR5Gに対して十分に大きくすることができる。そのため、上述の効果がより顕著となる。なお、R2G、R3Gは、互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0048】
図1に示すように、リッド6は、基板5と同様、シリコン基板である。これにより、基板5とリッド6との線膨張係数が等しくなり、熱膨張に起因する熱応力の発生が抑えられ、優れた振動特性を有する振動デバイス1となる。また、パッケージ3を半導体プロセスによって形成することができるため、振動デバイス1を精度よく製造することができると共に、その小型化を図ることができる。ただし、リッド6としては、特に限定されず、シリコン以外の半導体基板、例えば、Ge、GaP、GaAs、InP等の半導体基板を用いてもよい。
【0049】
リッド6は、その下面に開口し、内部に振動片4を収納している有底の凹部61を有する。そして、リッド6は、その下面において接合部材8を介して基板5の上面5aに接合されている。これにより、リッド6と基板5との間に振動片4を収納する収納空間S1が形成される。収納空間S1は、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、断熱性が高まると共に粘性抵抗が減り、振動片4の発振特性が向上する。ただし、収納空間S1の雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素またはAr等の不活性ガスを封入した雰囲気であってもよく、減圧状態でなく大気圧状態または加圧状態となっていてもよい。
【0050】
振動片4は、
図8に示すように、振動基板41と、振動基板41の表面に配置された電極と、を有する。振動基板41は、厚みすべり振動モードを有し、本実施形態ではATカット水晶基板から形成されている。ATカット水晶基板は、三次の周波数温度特性を有しているため、優れた温度特性を有する振動片4となる。また、電極は、振動基板41の上面に配置された励振電極421と、下面に励振電極421と対向して配置された励振電極422と、を有する。また、電極は、振動基板41の下面に配置された一対の端子423、424と、端子423と励振電極421とを電気的に接続する配線425と、端子424と励振電極422とを電気的に接続する配線426と、を有する。
【0051】
なお、振動片4の構成は、上述の構成に限定されない。例えば、振動片4は、励振電極421、422に挟まれた振動領域がその周囲から突出したメサ型となっていてもよいし、逆に、振動領域がその周囲から凹没した逆メサ型となっていてもよい。また、振動基板41の周囲を研削するベベル加工や、上面および下面を凸曲面とするコンベックス加工が施されていてもよい。
【0052】
また、振動片4としては、厚みすべり振動モードで振動するものに限定されず、例えば、複数の振動腕が面内方向に屈曲振動する振動片であってもよい。つまり、振動基板41は、ATカット水晶基板から形成されたものに限定されず、ATカット水晶基板以外の水晶基板、例えば、Xカット水晶基板、Yカット水晶基板、Zカット水晶基板、BTカット水晶基板、SCカット水晶基板、STカット水晶基板等から形成されていてもよい。また、本実施形態では、振動基板41が水晶で構成されているが、これに限定されず、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四ホウ酸リチウム、ランガサイト、ニオブ酸カリウム、リン酸ガリウム等の圧電単結晶体により構成されていてもよいし、これら以外の圧電単結晶体で構成されていてもよい。更にまた、振動片4は、圧電駆動型の振動片に限らず、静電気力を用いた静電駆動型の振動片であってもよい。
【0053】
このような構成の振動片4は、導電性の接合部材B1、B2によって基板5の上面5a側に支持されている。具体的には、振動片4は、集積回路7の配線層70の上面側に接合部材B1、B2を介して片持ち支持されている。また、配線層70の上面には、配線701を介して集積回路7と電気的に接続されている端子791、792が配置されており、接合部材B1によって端子423と端子791とが電気的に接続され、接合部材B2によって端子424と端子792とが電気的に接続されている。これにより、振動片4と集積回路7とが電気的に接続される。
【0054】
接合部材B1、B2としては、導電性と接合性とを兼ね備えていれば、特に限定されず、例えば、金バンプ、銀バンプ、銅バンプ、はんだバンプ等の各種金属バンプ、ポリイミド系、エポキシ系、シリコーン系、アクリル系の各種接着剤に銀フィラー等の導電性フィラーを分散させた導電性接着剤等を用いることができる。接合部材B1、B2として前者の金属バンプを用いると、接合部材B1、B2からのガスの発生を抑制でき、収納空間S1の環境変化、特に圧力の上昇を抑制することができる。一方、接合部材B1、B2として後者の導電性接着剤を用いると、接合部材B1、B2が金属バンプに比べて柔らかくなり、振動片4に応力が伝わり難くなる。
【0055】
以上、振動デバイス1について説明した。このような振動デバイス1は、前述したように、第1面である上面5aと、上面5aとは反対側の第2面である下面5bと、を有する基板5と、基板5の上面5a側に配置されている振動片4と、上面5aに配置されている第1回路ブロックCB1と、上面5aに配置され、アナログ回路ACを含む第2回路ブロックCB2と、下面5bに配置されている電源端子としての電源電圧端子761と、下面5bに配置され、電源電圧端子761に接続されている電源配線としての電源電圧配線771と、基板5を貫通し、電源電圧配線771と第1回路ブロックCB1とを電気的に接続する第1貫通電極としての第1電源電圧用貫通電極781と、基板5を貫通し、電源電圧配線771と第2回路ブロックCB2とを第1電源電圧用貫通電極781と並列に電気的に接続する第2貫通電極としての第2電源電圧用貫通電極782と、を含む。そして、第1電源電圧用貫通電極781の電気抵抗をR1D、第2電源電圧用貫通電極782の電気抵抗をR2D、電源電圧配線771の第1電源電圧用貫通電極781と第2電源電圧用貫通電極782とを接続する区間E1の電気抵抗をR4Dとしたとき、R1D>R4D、かつ、R2D>R4Dの関係である。
【0056】
これにより、第1回路ブロックCB1で生じるノイズ、例えば、電圧の揺らぎが、第1電源電圧用貫通電極781、区間E1および第2電源電圧用貫通電極782を介して第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。そのため、第2回路ブロックCB2に配置されているアナログ回路ACが第1回路ブロックCB1で生じるノイズの影響を受け難くなる。したがって、発振回路7Cの位相ノイズを十分に小さく抑えることができる。また、発振回路7Cの波数分解能を高くすることができる。その結果、優れた周波数精度を有する振動デバイス1となる。
【0057】
また、振動デバイス1は、前述したように、下面5bに配置されている電源端子としてのグランド端子762と、下面5bに配置され、グランド端子762に接続されている電源配線としてのグランド配線772と、基板5を貫通し、グランド配線772と第1回路ブロックCB1とを電気的に接続する第1貫通電極としての第1グランド用貫通電極784と、基板5を貫通し、グランド配線772と第2回路ブロックCB2とを第1グランド用貫通電極784と並列に電気的に接続する第2貫通電極としての第2グランド用貫通電極785と、を含む。そして、第1グランド用貫通電極784の電気抵抗をR1G、第2グランド用貫通電極785の電気抵抗をR2G、グランド配線772の第1グランド用貫通電極784と第2グランド用貫通電極785とを接続する区間E3の電気抵抗をR4Gとしたとき、R1G>R4G、かつ、R2G>R4Gの関係である。
【0058】
これにより、第1回路ブロックCB1で生じるノイズ、例えば、電圧の揺らぎが、第1グランド用貫通電極784、区間E3および第2グランド用貫通電極785を介して第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。そのため、第2回路ブロックCB2に配置されているアナログ回路ACが第1回路ブロックCB1で生じるノイズの影響を受け難くなる。したがって、発振回路7Cの位相ノイズを十分に小さく抑えることができる。また、発振回路7Cの波数分解能を高くすることができる。その結果、優れた周波数精度を有する振動デバイス1となる。
【0059】
なお、R1D>R4D、かつ、R2D>R4Dの関係およびR1G>R4G、かつ、R2G>R4Gの関係のうち、片方だけを満たしていてもよい。ただし、本実施形態のように、両方満足することにより、ノイズの影響を一層低減できる。
【0060】
また、前述したように、電源電圧配線771の構成材料は、金属材料であり、第1電源電圧用貫通電極781および第2電源電圧用貫通電極782の構成材料は、導電性のポリシリコンである。これにより、R1D>R4D、かつ、R2D>R4Dの関係を容易に実現することができる。同様に、グランド配線772の構成材料は、金属材料であり、第1グランド用貫通電極784および第2グランド用貫通電極785の構成材料は、導電性のポリシリコンである。これにより、R1G>R4G、かつ、R2G>R4Gの関係を容易に実現することができる。
【0061】
また、前述したように、第2回路ブロックCB2は、アナログ回路ACとして、定電圧生成回路7A、発振回路7C、制御電圧生成回路7Bおよび位相同期回路7Dの少なくとも1つを含む。これにより、これら回路7A~7Dの少なくとも1つの回路がノイズの影響を受け難くなる。
【0062】
また、前述したように、第1回路ブロックCB1は、論理回路であるロジック回路7E、記憶回路7Fおよび出力バッファー回路7Gの少なくとも1つを含む。これにより、これら回路7E~7Gの少なくとも1つの回路で生じるノイズが第2回路ブロックCB2に伝達され難くなる。
【0063】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態のスマートフォンを示す斜視図である。
【0064】
図9に示すスマートフォン1200は、本発明の電子機器を適用したものである。スマートフォン1200には、発振器として用いられる振動デバイス1と、振動デバイス1から出力される信号に基づいて動作する演算処理回路1210と、を有する。演算処理回路1210は、例えば、画面1208から入力された入力信号に基づいて、表示画面を変化させたり、特定のアプリケーションを立ち上げたり、警告音や効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させたりすることができる。
【0065】
このように、電子機器としてのスマートフォン1200は、振動デバイス1と、振動デバイス1から出力される信号に基づいて動作する演算処理回路1210と、を備える。そのため、前述した振動デバイス1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
【0066】
なお、振動デバイス1を備える電子機器は、前述したスマートフォン1200の他にも、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチールカメラ、タブレット端末、時計、スマートウォッチ、インクジェットプリンター、テレビ、スマートグラス、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ドライブレコーダー、ページャー、電子手帳、電子辞書、電子翻訳機、電卓、電子ゲーム機器、玩具、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(Point of Sales)端末、医療機器、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、車両、鉄道車輌、航空機、ヘリコプター、船舶等の各種計器類、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等に適用することができる。
【0067】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の自動車を示す斜視図である。
【0068】
図10に示す移動体としての自動車1500は、エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステム等のシステム1502を含んでいる。また、自動車1500には、発振器として用いられる振動デバイス1と、振動デバイス1から出力される信号に基づいて動作し、システム1502を制御する演算処理回路1510と、を有する。
【0069】
このように、移動体としての自動車1500は、振動デバイス1と、振動デバイス1から出力される信号に基づいて動作する演算処理回路1510と、を備える。そのため、前述した振動デバイス1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
【0070】
なお、振動デバイス1を備える移動体は、自動車1500の他、例えば、ロボット、ドローン、二輪車、航空機、船舶、電車、ロケット、宇宙船等であってもよい。
【0071】
以上、本適用例の振動デバイス、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本適用例は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本適用例に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本適用例は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…振動デバイス、3…パッケージ、4…振動片、41…振動基板、421、422…励振電極、423、424…端子、425、426…配線、5…基板、5a…上面、5b…下面、50…絶縁膜、6…リッド、61…凹部、7…集積回路、7A…定電圧生成回路、7B…制御電圧生成回路、7C…発振回路、7D…位相同期回路、7E…ロジック回路、7F…記憶回路、7G…出力バッファー回路、70…配線層、701…配線、76…端子、761…電源電圧端子、762…グランド端子、77…配線、771…電源電圧配線、772…グランド配線、78…貫通電極、78A…貫通孔、78B…導電性材料、781…第1電源電圧用貫通電極、782…第2電源電圧用貫通電極、783…第3電源電圧用貫通電極、784…第1グランド用貫通電極、785…第2グランド用貫通電極、786…第3グランド用貫通電極、791、792…端子、8…接合部材、1200…スマートフォン、1208…画面、1210…演算処理回路、1500…自動車、1502…システム、1510…演算処理回路、AC…アナログ回路、B1、B2…接合部材、CB1…第1回路ブロック、CB2…第2回路ブロック、CB3…第3回路ブロック、DC…デジタル回路、E1、E2、E3、E4…区間、O1D、O1G、O2D、O2G、O3D、O3G…中心、R1D、R1G、R2D、R2G、R3D、R3G、R4D、R4G、R5D、R5G…電気抵抗、S1…収納空間