(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】シート綴じ装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20240312BHJP
B65H 31/34 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
B65H31/34
(21)【出願番号】P 2019211439
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】頴川 圭介
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-216227(JP,A)
【文献】特開平02-086552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0029875(US,A1)
【文献】特開2017-135674(JP,A)
【文献】特開昭63-231988(JP,A)
【文献】特開2019-167237(JP,A)
【文献】特開2002-020025(JP,A)
【文献】特開平8-301504(JP,A)
【文献】特開2016-222450(JP,A)
【文献】特開2008-297107(JP,A)
【文献】特開2016-20277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/04
B65H 31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚ずつ送り出される複数のシートで構成されるシート束を積載する処理トレイと、
第1厚み以下の前記シート束に針を用いないで綴じる第1綴じ処理を施すことが可能な第1綴じ装置と、
前記第1厚みを超える第2厚み以下の前記シート束に針を用いて綴じる第2綴じ処理を施すことが可能な第2綴じ装置と、
前記処理トレイの後端に隣接して設けられ、前記処理トレイ上の前記シートの後端を支える端支持部と、
前記処理トレイ上の前記シートの上面に接しつつ回転することにより前記シートを前記端支持部へ向けて付勢する整合部材と、
前記シート束における前記整合部材と前記端支持部との間の既定部分の厚みが前記第1厚みを超えた第1状態を検出する
厚み検出部と、
前記シート束のシート枚数をカウントする枚数計数部と、
前記枚数計数部によりカウントされる前記シート枚数が指定枚数に達したときに、
前記厚み検出部により前記第1状態が検出されていない場合に前記第1綴じ装置に前記第1綴じ処理を実行させ、前記第1状態が検出されている場合に前記第2綴じ装置に前記第2綴じ処理を実行させる綴じ制御部と、を備え
、
前記厚み検出部は、
前記シート束における前記既定部分の上面に接し、前記シート束の厚みに応じて揺動する揺動部材と、
前記揺動部材の揺動に応じて変位する前記揺動部材の一部である被検出部を第1の位置で検出する第1物体センサーと、
前記シート枚数が基準枚数を超えて増加している状況下で前記第1物体センサーが前記被検出部を検出したときに前記第1状態が検出されたと判定する厚み判定部と、を備える、シート綴じ装置。
【請求項2】
前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置を移動させることにより、前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置を前記第1綴じ処理の実行が可能な第1待機状態および前記第2綴じ処理の実行が可能な第2待機状態の一方に選択的に移行させる切替機構をさらに備え、
前記綴じ制御部は、前記切替機構を制御することにより、1枚目の前記シートが前記処理トレイへ送り出されるまでに前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置を前記第1待機状態へ移行させ、前記枚数計数部によりカウントされる前記シート枚数が前記指定枚数に達する前に前記第1状態が検出されたときに、前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置を前記第2待機状態へ移行させる、請求項1に記載のシート綴じ装置。
【請求項3】
前記綴じ制御部は、
前記第1状態が検出されていない場合に前記第1綴じ装置に前記第1綴じ処理を実行させ、
前記第1状態が検出されている場合に、予め定められた確認通知を出力し、前記確認通知に対する認容指示が入力された場合に前記第2綴じ装置に前記第2綴じ処理を実行させ、前記認容指示が入力されない場合に前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置のいずれも動作させない、請求項1
または請求項2に記載のシート綴じ装置。
【請求項4】
前記厚み検出部は、前記被検出部を第2の位置で検出する第2物体センサーをさらに備え、
前記厚み判定部は、前記第1状態が検出された後に、前記シート枚数が増加している状況下で前記第1物体センサーが前記被検出部を検出しなくなり、前記第1物体センサーが前記被検出部を検出しなくなった後に前記第2物体センサーが前記被検出部を検出したときに第2状態が検出されたと判定し、
前記第2状態は、前記シート束の厚みが前記第1厚みよりも大きく前記第2厚みを超えた状態であり、
前記綴じ制御部は、
前記第1状態および前記第2状態が検出されていない場合に前記第1綴じ装置に前記第1綴じ処理を実行させ、
前記第1状態が検出されており前記第2状態が検出されていない場合に前記第2綴じ装置に前記第2綴じ処理を実行させ、
前記第2状態が検出されている場合に前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置のいずれも動作させない、請求項1
または請求項2に記載のシート綴じ装置。
【請求項5】
前記綴じ制御部は、
前記第1状態および前記第2状態が検出されていない場合に前記第1綴じ装置に前記第1綴じ処理を実行させ、
前記第1状態が検出されており前記第2状態が検出されていない場合に、予め定められた確認通知を出力し、前記確認通知に対する認容指示が入力された場合に前記第2綴じ装置に前記第2綴じ処理を実行させ、前記認容指示が入力されない場合に前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置のいずれも動作させず、
前記第2状態が検出されている場合に前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置のいずれも動作させない、
請求項4に記載のシート綴じ装置。
【請求項6】
シートに画像を形成するプリント処理を実行するプリント装置と、
画像形成後の前記シートに対して処理を施す請求項1から
請求項5のいずれか1項に記載のシート綴じ装置と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種類の綴じ処理が可能なシート綴じ装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置が、画像形成後のシートに対して針を用いない綴じ処理と針を用いる綴じ処理とを選択的に実行可能なシート綴じ装置を備える場合がある。一般に、針綴じ処理は、針無し綴じ処理に比べてより多数のシートを綴じることができる。
【0003】
但し、前記針無し綴じ処理および前記針綴じ処理それぞれに対応するシートの上限枚数は、処理対象のシートの1枚ごとの厚みに応じて変動する。
【0004】
そこで、前記針無し綴じ処理の上限枚数がシートの種類ごとに設定され、処理対象シートの種類および枚数に応じて、前記針無し綴じ処理を実行するか否かを制御することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザーが、前記針無し綴じ処理が優先的に実行され、前記針無し綴じ処理が不可能な場合にのみ前記針綴じ処理が実行されることを望む場合がある。
【0007】
また、綴じ処理の上限枚数をシートの種類ごとに設定し、さらに、処理対象となり得る全てのシートの種類を設定することは、ユーザーにとって煩雑な作業である。
【0008】
本発明の目的は、ユーザーの煩雑な作業を要することなく針無し綴じ処理を針綴じ処理よりも優先的に実行可能なシート綴じ装置およびそれを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係るシート綴じ装置は、処理トレイと、第1綴じ装置と、第2綴じ装置と、第1厚み検出部と、枚数計数部と、綴じ制御部と、を備える。前記処理トレイは、1枚ずつ送り出される複数のシートで構成されるシート束を積載する。前記第1綴じ装置は、第1厚み以下の前記シート束に針を用いないで綴じる第1綴じ処理を施すことが可能である。前記第2綴じ装置は、前記第1厚みを超える第2厚み以下の前記シート束に針を用いて綴じる第2綴じ処理を施すことが可能である。前記第1厚み検出部は、前記シート束の厚みが前記第1厚みを超えた第1状態を検出する。前記枚数計数部は、前記シート束のシート枚数をカウントする。前記綴じ制御部は、前記枚数計数部によりカウントされる前記シート枚数が指定枚数に達したときに、前記第1厚み検出部により前記第1状態が検出されていない場合に前記第1綴じ装置に前記第1綴じ処理を実行させ、前記第1状態が検出されている場合に前記第2綴じ装置に前記第2綴じ処理を実行させる。
【0010】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成するプリント処理を実行するプリント装置と、画像形成後の前記シートに対して処理を施す前記シート綴じ装置と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザーの煩雑な作業を要することなく針無し綴じ処理を針綴じ処理よりも優先的に実行可能なシート綴じ装置およびそれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシート綴じ装置を備える画像形成装置の構成図である。
【
図2】
図2は、画像形成装置における制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るシート綴じ装置の構成図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るシート綴じ装置における揺動部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るシート綴じ装置における第1厚みオーバー状態を検出中の厚みセンサーを示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るシート綴じ装置における第2厚みオーバー状態を検出中の厚みセンサーを示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るシート綴じ装置における針無し綴じ優先モードが設定されているときのシート綴じ制御の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
[画像形成装置100の構成]
図1に示されるように、実施形態に係るシート綴じ装置3は、画像形成装置100の一部を構成している。画像形成装置100は、本体ユニット1および後処理ユニット2を備える。後処理ユニット2は、本体ユニット1に連結されている。
【0015】
本体ユニット1は、本体筐体10内に設けられたシート供給部11、一次シート搬送装置12、一次搬送路13およびプリント装置14を備える。さらに、本体ユニット1は、制御装置8、操作装置801および表示装置802なども備える。
【0016】
操作装置801は、ユーザーの操作を受け付ける装置である。例えば、操作装置801は、タッチパネルおよび操作ボタンの一方または両方を含む。
【0017】
表示装置802は、操作装置801への操作に関するメニュー画面、または、その他の情報を表示する。
【0018】
一次シート搬送装置12は、シート供給部11に収容されたシート9を1枚ずつ一次搬送路13に沿って搬送する。プリント装置14は、一次搬送路13に沿って搬送されるシート9に対してプリント処理を実行する。
【0019】
前記プリント処理は、シート9に画像を形成する処理である。例えば、プリント装置14は、インクジェット方式の前記プリント処理を実行する。なお、プリント装置14が、電子写真方式またはその他の方式の前記プリント処理を実行する装置であってもよい。
【0020】
一次シート搬送装置12は、画像が形成されたシート9を、一次搬送路13の出口から後処理ユニット2へ向けて搬送する。
【0021】
後処理ユニット2は、後処理筐体20内に設けられた二次搬送路21、二次シート搬送装置22およびシート綴じ装置3などを備える。さらに、後処理ユニット2は、後処理筐体20の外側に設けられた排出トレイ23も備える。
【0022】
本体ユニット1から後処理ユニット2へ送り出されたシート9は、二次搬送路21へ搬入される。二次シート搬送装置22は、画像が形成されたシート9を二次搬送路21に沿って搬送する複数組の搬送ローラー対221を備える。
【0023】
さらに、二次シート搬送装置22は、画像が形成されたシート9を1枚ずつシート綴じ装置3へ送り出す送出ローラー対222も備える。
【0024】
図1に示される例では、後処理ユニット2は、後処理筐体20内に設けられたシート折り装置4も備える。シート折り装置4は、本体ユニット1から二次搬送路21を経由して搬送されてくるシート9に折加工を施す。
【0025】
シート綴じ装置3は、プリント装置14により画像が形成された複数のシート9に第1綴じ処理または第2綴じ処理を施す。前記第1綴じ処理は、針を用いずに複数のシート9を綴じる針無し綴じ処理である。前記第2綴じ処理は、針を用いて複数のシート9を綴じる針綴じ処理である。シート綴じ装置3の詳細については後述する。
【0026】
制御装置8は、本体ユニット1および後処理ユニット2が有する機器を制御する。
図2に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81と、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83および信号インターフェイス84などの周辺機器とを備える。
【0027】
CPU81は、コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。RAM82は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM82は、CPU81が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU81が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0028】
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置83は、前記コンピュータープログラムおよび各種のデータの記憶および更新が可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置83として採用される。
【0029】
信号インターフェイス84は、画像形成装置100が備える各種のセンサーが出力する信号をデジタルデータへ変換し、変換後のデジタルデータをCPU81へ伝送する。さらに、信号インターフェイス84は、CPU81が出力する制御指令を制御信号へ変換し、前記制御信号を制御対象の機器へ伝送する。
【0030】
制御装置8のCPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部8a、プリント制御部8bおよび綴じ制御部8cなどを含む。
【0031】
主制御部8aは、操作装置801に対する操作に応じて各種の処理を開始させる開始制御、および、表示装置802の制御などを実行する。
【0032】
プリント制御部8bは、プリント装置14を制御する。例えば、プリント制御部8bは、プリント装置14に複数部数プリント処理を実行させる。
【0033】
前記複数部数プリント処理は、プリント対象データにおける複数のページ画像の前記プリント処理を予め設定されるプリント部数と等しい回数だけ繰り返す処理である。
【0034】
綴じ制御部8cは、シート綴じ装置3が備える機器を制御する。本実施形態において、綴じ制御部8cは、シート綴じ装置3の一部を構成している。
【0035】
例えば、綴じ制御部8cは、前記第1綴じ処理および前記第2綴じ処理のうち予め指定された一方の処理をシート綴じ装置3に実行させる。
【0036】
前記第2綴じ処理は、前記第1綴じ処理に比べてより多数のシート9を綴じることができる。但し、前記第1綴じ処理および前記第2綴じ処理それぞれに対応するシート9の上限枚数は、処理対象のシート9の1枚ごとの厚みに応じて変動する。
【0037】
ところで、ユーザーが、前記第1綴じ処理が優先的に実行され、前記第2綴じ処理が不可能な場合にのみ前記第2綴じ処理が実行されることを望む場合がある。
【0038】
また、綴じ処理の上限枚数をシート9の種類ごとに設定し、さらに、処理対象となり得る全てのシート9の種類を設定することは、ユーザーにとって煩雑な作業である。
【0039】
シート綴じ装置3は、ユーザーの煩雑な作業を要することなく、針を用いない前記第1綴じ処理を、針を用いる前記第2綴じ処理よりも優先的に実行可能な構成を備える。
【0040】
[シート綴じ装置3の構成]
図3に示されるように、シート綴じ装置3は、処理トレイ31、端支持部32、第1綴じ装置33a、第2綴じ装置33b、綴じ状態切替機構33c、整合回転機構34、シート排出機構35および厚みセンサー30を備える。
【0041】
処理トレイ31は、傾斜して配置され、送出ローラー対222によって上方から1枚ずつ送り出される複数のシート9を積載する。以下の説明において、処理トレイ31上に積載された複数のシート9のことを積載シート9Aと称する(
図3,5,6参照)。なお、積載シート9Aは、1枚ずつ送り出される複数のシート9で構成されるシート束である。
【0042】
端支持部32は、処理トレイ31における一端寄りの部分に起立して設けられている。端支持部32は、処理トレイ31上のシート9の後端を支える。
【0043】
整合回転機構34は、整合部材341および可動支持機構342を備える。可動支持機構342は、整合部材341を処理トレイ31上のシート9の上面に接する接触位置とシート9から離れた待避位置との間で変位可能に支持する。
【0044】
整合回転機構34は、1枚のシート9が上方から処理トレイ31上へ送り出されるごとに、整合部材341を前記待避位置から前記接触位置へ変位させ、さらに前記接触位置から前記待避位置へ変位させる。
【0045】
整合部材341は、前記接触位置において処理トレイ31上のシート9の上面に接しつつ回転することにより、シート9を端支持部32へ向けて付勢する。例えば、整合部材341は、表層にシート9に対する摩擦係数の大きなゴム層などの弾性層が形成されたローラーである。
【0046】
整合部材341が処理トレイ31上のシート9を端支持部32へ向けて付勢することにより、積載シート9Aにおける各シート9の後端が端支持部32の位置に揃う。
【0047】
なお、整合部材341が、回転駆動される回転軸から張り出した板状の弾性部材であることも考えられる。この場合、整合部材341は、1回転するごとにシート9の上面に対して斜め下方へ払うように接触する。これにより、整合部材341は、1回転するごとにシート9を端支持部32へ向けて付勢する。
【0048】
第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bは、処理トレイ31における端支持部32側の端寄りの位置に配置されている。
【0049】
第1綴じ装置33aは、積載シート9Aの下側縁部に、針を用いない前記第1綴じ処理を施す。第2綴じ装置33bは、積載シート9Aの下側縁部に、針を用いる前記第2綴じ処理を施す。
【0050】
第2綴じ装置33bは、前記第2綴じ処理において、前記第1綴じ処理よりも厚みの大きな積載シート9Aを綴じることが可能である。即ち、前記第2綴じ処理が可能な積載シート9Aの上限厚みは、前記第1綴じ処理が可能な積載シート9Aの上限厚みよりも大きい。
【0051】
綴じ状態切替機構33cは、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを移動させることにより、第1綴じ装置33aおよび前記第2綴じ装置33bを第1待機状態および第2待機状態の一方に選択的に移行させる。
【0052】
前記第1待機状態は、第1綴じ装置33aによる前記第1綴じ処理の実行が可能な状態である。前記第2待機状態は、第2綴じ装置33bによる前記第2綴じ処理の実行が可能な状態である。
【0053】
綴じ状態切替機構33cは、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bのうちの一方の対象綴じ装置を作動位置へ移動させるとともに他方を前記対象綴じ装置と干渉しない位置へ移動させる。第1綴じ装置33aが前記対象綴じ装置である状態が前記第1待機状態であり、第2綴じ装置33bが前記対象綴じ装置である状態が前記第2待機状態である。
【0054】
例えば、第1綴じ装置33aは、積載シート9Aのコーナー部に対応する第1作動位置と積載シート9Aの縁から離れた待避位置との間で移動可能に支持されている。
【0055】
一方、第2綴じ装置33bは、処理トレイ31の幅方向に沿って第2作動位置および第3作動位置を経由する直線経路に沿って移動可能であるとともに、前記直線経路の端部において所定角度回転だけ回転することにより積載シート9Aの前記コーナー部に対応する前記第1作動位置へも移動可能に支持されている。
【0056】
綴じ状態切替機構33cは、第2綴じ装置33bを前記第1作動位置または前記第2作動位置へ移動させ、さらに第1綴じ装置33aを前記第3作動位置へ移動させることにより、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを前記第1待機状態へ移行させる。
【0057】
一方、綴じ状態切替機構33cは、第1綴じ装置33aを前記退避位置へ移動させ、さらに第2綴じ装置33bを前記第1作動位置、前記第2作動位置または前記第3作動位置へ移動させることにより、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを前記第2待機状態へ移行させる。
【0058】
前記第2待機状態における第2綴じ装置33bの移動先は、前記第1作動位置、前記第2作動位置または前記第3作動位置の中から予め指定される。
【0059】
シート排出機構35は、積載シート9Aを排出トレイ23上へ排出するシート排出処理を実行する。通常、シート排出機構35は、前記第1綴じ処理または前記第2綴じ処理が施された積載シート9Aを排出トレイ23上へ排出する。なお、シート排出機構35は、前記第1綴じ処理および前記第2綴じ処理のいずれも施されていない積載シート9Aを排出トレイ23上へ排出することも可能である。
【0060】
図3に示される例では、シート排出機構35は、上排出ローラー351、下排出ローラー352および可動支持機構353を備える。下排出ローラー352は、処理トレイ31に対し斜め上方の延長線上に配置されている。
【0061】
可動支持機構353は、上排出ローラー351を下排出ローラー352に対して離接可能に支持する。可動支持機構353は、初期状態において上排出ローラー351を積載シート9Aから離れた離隔位置に保持する。
【0062】
さらに、可動支持機構353は、積載シート9Aを排出トレイ23上へ排出するときに、上排出ローラー351を前記離隔位置から排出位置へ変位させる。前記排出位置は、下排出ローラー352との間に積載シート9Aを挟み込む上排出ローラー351の位置である。
【0063】
上排出ローラー351が前記排出位置で回転することにより、上排出ローラー351および下排出ローラー352が、積載シート9Aを処理トレイ31から排出トレイ23へ排出する。
【0064】
綴じ制御部8cは、積載シート9Aの枚数が指定枚数に達したときに、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bの一方に、前記第1綴じ処理および前記第2綴じ処理の一方を実行させる。さらに、綴じ制御部8cは、シート排出機構35に前記シート排出処理を実行させる。
【0065】
例えば、プリント制御部8bが、前記プリント対象データにおける前記ページ画像の数を前記指定枚数として設定する。また、枚数計数部8eが、積載シート9Aのシート枚数をカウントする。プリント制御部8bは、操作装置801に対して予め定められた綴じ処理実行操作が行われたときの積載シート9Aのカウント枚数を、前記指定枚数として設定する。
【0066】
後述する針無し綴じ優先モードがシート綴じ装置3の動作モードとして設定されていない場合、綴じ制御部8cは、枚数計数部8eによりカウントされる積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したときに、前記第1綴じ処理および前記前記第2綴じ処理のうち予め選択される一方を第1綴じ装置33aまたは第2綴じ装置33bに実行させた上で、シート排出機構35に前記シート排出処理を実行させる。
【0067】
厚みセンサー30は、第1厚みオーバー状態および第2厚みオーバー状態を検出する。前記第1厚みオーバー状態は、積載シート9Aにおける既定部分の厚みが第1上限厚みを超えた状態である。前記第2厚みオーバー状態は、積載シート9Aにおける前記既定部分の厚みが前記第1上限厚みよりも大きな第2上限厚みを超えた状態である。
【0068】
前記第1上限厚みは、第1綴じ装置33aによる前記第1綴じ処理が可能な積載シート9Aの最大厚みである。前記第2上限厚みは、第2綴じ装置33bによる前記第2綴じ処理が可能な積載シート9Aの最大厚みである。
【0069】
即ち、第1綴じ装置33aは、前記第1上限厚み以下の積載シート9Aに前記第1綴じ処理を施すことが可能である。また、第2綴じ装置33bは、前記第2上限厚み以下の積載シート9Aに前記第2綴じ処理を施すことが可能である。前記既定部分は、積載シート9Aにおける整合部材341と端支持部32との間の部分である。なお、前記第1上限厚みは前記第1綴じ処理に対応する第1厚みに相当し、前記第2上限厚みは前記第2綴じ処理に対応する第2厚みに相当する。
【0070】
厚みセンサー30は、揺動部材36および物体センサー37を備える。揺動部材36は、処理トレイ31の上方において揺動自在に支持されている。
【0071】
図4に示されるように、揺動部材36は、軸部361、アーム部362、被検出部363およびバランサー365を有する。
【0072】
軸部361は、後処理ユニット2のフレームによって回転自在に支持されている。これにより、揺動部材36は、軸部361を中心に揺動自在である。
【0073】
アーム部362は、軸部361から下方へ延びて形成されている。アーム部362は、その先端部が積載シート9Aの上面における整合部材341と端支持部32との間の部分に接することにより、積載シート9Aの厚みに応じて上下に揺動する。
【0074】
被検出部363は、軸部361から延びて形成されている。被検出部363は、アーム部362の揺動に連動して変位する。
【0075】
第1物体センサー37aおよび第2物体センサー37bは、被検出部363の変位範囲の一部において被検出部363を検出する。本実施形態において、7第1物体センサー37aおよび第2物体センサー37bは、それぞれ透過型のフォトセンサーである。
【0076】
なお、第1物体センサー37aおよび第2物体センサー37bが、反射型のフォトセンサー、または、接触式のマイクロスイッチなどであってもよい。
【0077】
第1物体センサー37aは、被検出部363の変位範囲の第1の位置において被検出部363を検出することにより、アーム部362の先端部が前記第1上限厚みに対応する高さを超える位置へ変位したことを検出する。第1物体センサー37aが被検出部363を検出する状態が、前記第1厚みオーバー状態である。
図5は、前記第1厚みオーバー状態を検出しているときの厚みセンサー30を示す。
【0078】
一方、第2物体センサー37bは、被検出部363の変位範囲の第2位置において被検出部363を検出することにより、アーム部362の先端部が前記第2上限厚みに対応する高さを超える位置へ変位したことを検出する。第2物体センサー37bが被検出部363を検出する状態が、前記第2厚みオーバー状態である。
図6は、前記第2厚みオーバー状態を検出しているときの厚みセンサー30を示す。
【0079】
本実施形態において、制御装置8のCPU81は、前記複数の処理モジュールの1つとして厚み判定部8dをさらに含む。厚み判定部8dは、物体センサー37による物体の検出結果に基づいて、物体センサー37による積載シート9Aの前記既定部分の厚みの検出状態を判定する。なお、厚み判定部8dも、シート綴じ装置3の一部を構成している。
【0080】
具体的には、厚み判定部8dは、まず、第1物体センサー37aおよび第2物体センサー37bが物体を検出していない場合に、厚みセンサー30が基準状態を検出していると判定する。前記基準状態は、アーム部362の先端部が前記第1上限高さおよび前記第2上限高さよりも低い位置に存在する状態である。
【0081】
さらに、厚み判定部8dは、積載シート9Aの枚数が予め定められた基準枚数を超えて増加している状況下で、第1物体センサー37aが物体を検出したときに、厚みセンサー30が前記第1厚みオーバー状態を検出したと判定する。
【0082】
さらに、厚み判定部8dは、前記第1厚みオーバー状態が検出された後、積載シート9Aの枚数がさらに増加している状況下で、第1物体センサー37aが物体を検出しなくなり、その後に第2物体センサー37bが物体を検出したときに、厚みセンサー30が前記第2厚みオーバー状態を検出したと判定する。
【0083】
なお、厚み判定部8dは、厚みセンサー30が前記第2厚みオーバー状態を検出していると判定する場合に、物体センサー37が前記第1厚みオーバー状態も併せて検出していると判定する。
【0084】
一方、厚み判定部8dは、シート排出機構35による前記シート排出処理が実行されたことにより、第1物体センサー37aおよび第2物体センサー37bが物体を検出しない状態となっている場合に、厚みセンサー30が前記基準状態を検出したと判定する。
【0085】
また、厚み判定部8dは、物体センサー37の検出結果が上記以外の変化を示す場合に、厚みセンサー30がエラー状態であると判定する。
【0086】
なお、厚みセンサー30および厚み判定部8dは、前記第1厚みオーバー状態を検出する第1厚み検出部および前記第2厚みオーバー状態を検出する第2厚み検出部の一例である。
【0087】
一般に、シート9における前記ステープル処理が施される縁部は、余白部または比較的少ないインク量で画像が形成された部分である場合が多い。また、シート9が湾曲している場合もある。そのため、積載シート9Aにおける前記縁部から離れた部分の厚みの状態が検出される場合、前記第1綴じ処理または前記第2綴じ処理が施される部分の厚みの状態と検出結果とが異なる誤検出が生じるおそれがある。
【0088】
一方、厚みセンサー30において、アーム部362の先端部は、積載シート9Aにおける前記第1綴じ処理または前記第2綴じ処理が施される縁部の近傍に接触する。そのため、前記誤検出が生じる可能性が低い。
【0089】
本実施形態において、綴じ制御部8cは、予め前記針無し綴じ優先モードがシート綴じ装置3の動作モードとして設定されている場合に、例えば
図7に示される手順でシート綴じ制御を実行する。
【0090】
前記針無し綴じ優先モードは、前記第1綴じ処理が優先的に実行され、前記第1綴じ処理が不可能な場合に前記第2綴じ処理が実行される動作モードである。
【0091】
[針無し綴じ優先モードにおけるシート綴じ制御]
以下、
図7に示されるフローチャートを参照しつつ、前記針無し綴じ優先モードが設定されている場合に実行される前記シート綴じ制御の手順の一例について説明する。
【0092】
綴じ制御部8cは、前記針無し綴じ優先モードが設定されている状況下で前記プリント処理が開始されたときに、
図7に示される前記シート綴じ制御を開始する。
【0093】
以下の説明において、S1,S2,…は、前記シート綴じ制御における複数の工程の識別符号を表す。
【0094】
<工程S1>
前記シート綴じ制御において、まず、綴じ制御部8cは、綴じ状態切替機構33cを制御することにより、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを前記第1待機状態へ移行させる。これにより、第1綴じ装置33aは、前記第1綴じ処理を速やかに実行することができる。その後、綴じ制御部8cは、処理を工程S2へ移行させる。
【0095】
<工程S2>
工程S2において、綴じ制御部8cは、新たなシート9が処理トレイ31上へ送り出されたか否かを判定する。そして、綴じ制御部8cは、新たなシート9が処理トレイ31上へ送り出されたと判定したときに処理を工程S3へ移行させる。
【0096】
例えば、綴じ制御部8cは、一次搬送路13または二次搬送路21においてシート9を検出するセンサーがシート9を検出した時点から予め定められた時間が経過したときに、新たなシート9が処理トレイ31上へ送り出されたと判定する。
【0097】
<工程S3>
工程S3において、綴じ制御部8cは、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したか否かを判定する。そして、綴じ制御部8cは、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したと判定する場合に処理を工程S6へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S4へ移行させる。
【0098】
<工程S4>
工程S4において、綴じ制御部8cは、厚みセンサー30および厚み判定部8dにより前記第1厚みオーバー状態が検出されている場合に、処理を工程S5へ移行させ、そうでない場合に、工程S7をスキップして工程S2からの処理を繰り返す。
【0099】
<工程S5>
工程S5において、綴じ制御部8cは、綴じ状態切替機構33cを制御することにより、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを前記第2待機状態へ移行させる。これにより、第2綴じ装置33bは、前記第2綴じ処理を速やかに実行することができる。その後、綴じ制御部8cは、処理を工程S1へ移行させる。
【0100】
以上に示されるように、綴じ制御部8cは、綴じ状態切替機構33cを制御することにより、1枚目のシート9が処理トレイ31へ送り出されるまでに第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを前記第1待機状態へ移行させる(工程S1)。
【0101】
さらに、綴じ制御部8cは、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達する前に前記第1厚みオーバー状態が検出されたときに、綴じ状態切替機構33cを制御することにより、前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置を前記第2待機状態へ移行させる(工程S5)。
【0102】
<工程S6>
工程S6において、綴じ制御部8cは、厚みセンサー30および厚み判定部8dにより前記第1厚みオーバー状態が検出されている場合に、処理を工程S7へ移行させ、そうでない場合に、処理を工程S8へ移行させる。
【0103】
<工程S7>
工程S7において、綴じ制御部8cは、厚みセンサー30および厚み判定部8dにより前記第2厚みオーバー状態が検出されている場合に、処理を工程S12へ移行させ、そうでない場合に、処理を工程S9へ移行させる。
【0104】
<工程S8>
工程S8において、綴じ制御部8cは、第1綴じ装置33aに前記第1綴じ処理を実行させ、続いて処理を工程S12へ移行させる。
【0105】
なお、工程S1の処理が先に実行されていることにより、工程S8において、前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置が既に前記第1待機状態である。そのため、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したときに、工程S8において前記第1綴じ処理が速やかに実行される。
【0106】
<工程S9>
工程S9において、綴じ制御部8cは、前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置が前記第1待機状態である場合に、処理を工程S10へ移行させ、そうでない場合に、工程S10をスキップして処理を工程S11へ移行させる。
【0107】
<工程S10>
工程S10において、綴じ制御部8cは、綴じ制御部8cは、綴じ状態切替機構33cを制御することにより、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bを前記第2待機状態へ移行させる。続いて、綴じ制御部8cは、処理を工程S11へ移行させる。
【0108】
<工程S11>
工程S11において、綴じ制御部8cは、第2綴じ装置33bに前記第2綴じ処理を実行させ、続いて処理を工程S12へ移行させる。
【0109】
なお、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達する前に前記第1厚みオーバー状態が検出された場合、工程S9において、前記第1綴じ装置および前記第2綴じ装置は、工程S5の処理によって既に前記第2待機状態へ移行している。この場合、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したときに、工程S10がスキップされ、工程S11において速やかに前記第2綴じ処理が実行される。
【0110】
<工程S12>
工程S12において、綴じ制御部8cは、シート排出機構35に前記シート排出処理を実行させる。その後、綴じ制御部8cは、処理を工程S13へ移行させる。
【0111】
<工程S13>
工程S13において、綴じ制御部8cは、前記プリント処理が終了している場合に前記綴じ制御を終了させ、そうでない場合に工程S1からの処理を繰り返す。
【0112】
前記綴じ制御において、工程S6~S11の処理は、綴じ選択制御の一例である。前記綴じ選択制御は、積載シート9Aにおける前記既定部分の厚みの検出状態に応じて、前記第1綴じ処理および前記第2綴じ処理のうちから採用する処理を選択し、選択した処理を第1綴じ装置33aまたは第2綴じ装置33bに実行させる制御を含む。
【0113】
即ち、綴じ制御部8cは、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したときに、工程S6~S11において前記綴じ選択制御を実行した上で、工程S12においてシート排出機構35に前記シート排出処理を実行させる。
【0114】
また、綴じ制御部8cは、工程S6~S11の前記綴じ選択制御において、前記第1厚みオーバー状態が検出されていない場合に第1綴じ装置33aに前記第1綴じ処理を実行させ(工程S8)、前記第1厚みオーバー状態が検出されている場合に第2綴じ装置33bに前記第2綴じ処理を実行させる(工程S11)。
【0115】
より具体的には、綴じ制御部8cは、工程S6~S11の前記綴じ選択制御において、以下に示される第1状況、第2状況および第3状況を区別して処理を実行する。
【0116】
前記第1状況は、前記第1厚みオーバー状態および前記第2厚みオーバー状態が検出されていない状況である。綴じ制御部8cは、前記第1状況において、第1綴じ装置33aに前記第1綴じ処理を実行させる(工程S8)。
【0117】
前記第2状況は、前記第1厚みオーバー状態が検出されており、前記第2厚みオーバー状態が検出されていない状況である。綴じ制御部8cは、前記第2状況において、第2綴じ装置33bに前記第2綴じ処理を実行させる(工程S11)。
【0118】
前記第3状況は、前記第2厚みオーバー状態が検出されている状況である。綴じ制御部8cは、前記第3状況において、第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bのいずれも動作させない(工程S7のYes)。
【0119】
シート綴じ装置3が採用される場合、前記第1綴じ処理の上限枚数をシート9の種類ごとに設定する作業、および、処理対象となり得る全てのシート9の種類を設定する作業、などの煩雑な作業は不要である。
【0120】
従って、シート綴じ装置3は、
図7に示される前記綴じ制御を実行することにより、ユーザーの煩雑な作業を要することなく前記針無し綴じ処理を前記針綴じ処理よりも優先的に実行可能である。
【0121】
[第1応用例]
シート綴じ装置3の第1応用例において、綴じ制御部8cが、
図7の工程S11の処理の前に、以下に示される確認処理を実行することが考えられる。前記確認処理は、積載シート9Aの枚数が前記指定枚数に達したときに、前記第1厚みオーバー状態が検出されている場合に実行される。
【0122】
前記確認処理は、予め定められた確認通知を出力し、前記確認通知に対する認容指示が入力されるか否かを判定する処理である。例えば、綴じ制御部8cは、表示装置802を通じて前記確認通知を出力し、操作装置801を通じて前記認容指示の入力状況を判定する。
【0123】
本応用例における綴じ制御部8cは、前記綴じ選択制御において、前記第1厚みオーバー状態が検出されていない場合に第1綴じ装置33aに前記第1綴じ処理を実行させる(工程S8)。このことは、前述した通りである。
【0124】
また、本応用例における綴じ制御部8cは、前記綴じ選択制御における工程S11の処理の前に、前記確認通知を出力し、前記確認通知に対する前記認容指示が入力された場合に第2綴じ装置33bに前記第2綴じ処理を実行させ(工程S10)、前記認容指示が入力されない場合に工程S11をスキップして処理を工程S12へ移行させる。
【0125】
即ち、本応用例において、綴じ制御部8cは、前記認容指示が入力されない場合に第1綴じ装置33aおよび第2綴じ装置33bのいずれも動作させない。
【0126】
本応用例が採用される場合、シート綴じ装置3が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0127】
[第2応用例]
厚みセンサー30が、処理トレイ31の幅方向に沿って対抗する発光部と受光部とを備える透過型のフォトセンサーであってもよい。この場合、揺動部材36は省略される。
【0128】
本応用例において、例えば、第1フォトセンサーの前記発光部および前記受光部が、処理トレイ31の上面に対し前記第1上限厚みに相当する距離を隔てた位置のシート9を検出する。
【0129】
さらに、本応用例において、第2フォトセンサーの前記発光部および前記受光部が、処理トレイ31の上面に対し前記第2上限厚みに相当する距離を隔てた位置のシート9を検出する。
【符号の説明】
【0130】
1 :本体ユニット
2 :後処理ユニット
3 :シート綴じ装置
4 :シート折り装置
8 :制御装置
8a :主制御部
8b :プリント制御部
8c :綴じ制御部
8d :厚み判定部
8e :枚数計数部
9 :シート
9A :積載シート
10 :本体筐体
11 :シート供給部
12 :一次シート搬送装置
13 :一次搬送路
14 :プリント装置
20 :後処理筐体
21 :二次搬送路
22 :二次シート搬送装置
23 :排出トレイ
30 :厚みセンサー
31 :処理トレイ
32 :端支持部
33a :第1綴じ装置
33b :第2綴じ装置
33c :状態切替機構
34 :整合回転機構
35 :シート排出機構
36 :揺動部材
37a :第1物体センサー
37b :第2物体センサー
81 :CPU
82 :RAM
83 :二次記憶装置
84 :信号インターフェイス
100 :画像形成装置
221 :搬送ローラー対
222 :送出ローラー対
341 :整合部材
342 :可動支持機構
351 :上排出ローラー
352 :下排出ローラー
353 :可動支持機構
361 :軸部
362 :アーム部
363 :被検出部
365 :バランサー
801 :操作装置
802 :表示装置