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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/04 20220101AFI20240312BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240312BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240312BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H04L51/04
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 336
H04N1/00 127B
B41J29/42 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019236803
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021105839
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】岡林 良典
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0265438(US,A1)
【文献】特開2019-212183(JP,A)
【文献】特開2019-185567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置及び情報処理装置を備え、前記画像形成装置及び前記情報処理装置がデータ通信を行う通信システムであって、
前記情報処理装置は、
表示部と、
ユーザーにより操作される操作部と、
データ通信を行う第1通信部と、
チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築し、前記画像形成装置をチャットメンバーに含むチャット画面を前記表示部に表示させる第1構築部と、
前記操作部の操作により前記チャット画面にメッセージ情報が入力されると、当該入力されたメッセージ情報を、前記第1通信部からネットワークを通じて前記画像形成装置に向けて送信させる第1制御部と、を備え、
前記画像形成装置は、
表示部と、
データ通信を行う第2通信部と、
チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築する第2構築部と、
ユーザーノート記憶領域を有する記憶部と、
前記情報処理装置からの前記メッセージ情報を前記第2通信部が受信すると、当該メッセージ情報を前記ユーザーノート記憶領域に記憶させる記憶制御部と、
前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる第2制御部と、を備え
前記画像形成装置は、前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれるユーザーを特定する特定部を、更に備え、
前記記憶制御部は、前記情報処理装置からの前記メッセージ情報と前記特定部が特定したユーザーとを対応付けて前記ユーザーノート記憶領域に記憶させ、
前記第2制御部は、前記画像形成装置にログインしたユーザーが、前記特定部が特定したユーザーと一致する場合に、前記特定部が特定したユーザーと対応付けて前記ユーザーノート記憶領域に記憶した前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる通信システム。
【請求項2】
前記記憶制御部は、前記第2制御部が前記メッセージ情報を前記表示部に表示させると、前記特定部が特定したユーザーが前記メッセージ情報を既読したことを示す既読情報を前記記憶部に記憶させ、
前記第2制御部は、前記記憶部に前記既読情報が記憶されている場合には、前記画像形成装置にログインしたユーザーが、前記特定部が特定したユーザーと一致したとしても、当該メッセージ情報を前記表示部に表示させない請求項に記載の通信システム。
【請求項3】
前記記憶制御部は、前記第2制御部が前記メッセージ情報を前記表示部に表示させた後、前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報及び前記既読情報を削除する請求項に記載の通信システム。
【請求項4】
画像形成装置及び情報処理装置を備え、前記画像形成装置及び前記情報処理装置がデータ通信を行う通信システムであって、
前記情報処理装置は、
表示部と、
ユーザーにより操作される操作部と、
データ通信を行う第1通信部と、
チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築し、前記画像形成装置をチャットメンバーに含むチャット画面を前記表示部に表示させる第1構築部と、
前記操作部の操作により前記チャット画面にメッセージ情報が入力されると、当該入力されたメッセージ情報を、前記第1通信部からネットワークを通じて前記画像形成装置に向けて送信させる第1制御部と、を備え、
前記画像形成装置は、
表示部と、
データ通信を行う第2通信部と、
チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築する第2構築部と、
ユーザーノート記憶領域を有する記憶部と、
前記情報処理装置からの前記メッセージ情報を前記第2通信部が受信すると、当該メッセージ情報を前記ユーザーノート記憶領域に記憶させる記憶制御部と、
前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる第2制御部と、を備え、
前記画像形成装置は、前記第2構築部が構築したチャットが、前記情報処理装置と当該画像形成装置との1対1のチャットを示す1対1チャットであるか、前記情報処理装置と当該画像形成装置とその他の情報処理装置とによるチャットを示すグループチャットであるかを判別する判別部を、更に備え、
前記第2制御部は、前記判別部がグループチャットであると判別し、かつ、前記画像形成装置にログインしたユーザーが、前記グループチャットのユーザーと一致する場合に、前記ユーザーノート記憶領域に記憶されている前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる通信システム。
【請求項5】
前記記憶制御部は、前記第2制御部が前記メッセージ情報を前記表示部に表示させると、前記グループチャットのユーザーであって前記画像形成装置にログインしたユーザーが前記メッセージ情報を既読したことを示す既読ユーザー情報を前記記憶部に記憶させ、
前記第2制御部は、前記画像形成装置にログインしたユーザーが、前記記憶部に記憶されている前記既読ユーザー情報が示すユーザーと一致する場合には、当該メッセージ情報を前記表示部に表示させない請求項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記記憶制御部は、前記第2制御部が前記メッセージ情報を前記表示部に表示させた後、前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報及び前記既読ユーザー情報を削除する請求項に記載の通信システム。
【請求項7】
画像形成装置及び情報処理装置を備え、前記画像形成装置及び前記情報処理装置がデータ通信を行う通信システムであって、
前記情報処理装置は、
表示部と、
ユーザーにより操作される操作部と、
データ通信を行う第1通信部と、
チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築し、前記画像形成装置をチャットメンバーに含むチャット画面を前記表示部に表示させる第1構築部と、
前記操作部の操作により前記チャット画面にメッセージ情報が入力されると、当該入力されたメッセージ情報を、前記第1通信部からネットワークを通じて前記画像形成装置に向けて送信させる第1制御部と、を備え、
前記画像形成装置は、
表示部と、
データ通信を行う第2通信部と、
チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築する第2構築部と、
ユーザーノート記憶領域を有する記憶部と、
前記情報処理装置からの前記メッセージ情報を前記第2通信部が受信すると、当該メッセージ情報を前記ユーザーノート記憶領域に記憶させる記憶制御部と、
前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる第2制御部と、を備え、
前記画像形成装置は、前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれるユーザーを特定する特定部と、
前記第2構築部が構築したチャットが、前記情報処理装置と当該画像形成装置との1対1のチャットを示す1対1チャットであるか、前記情報処理装置と当該画像形成装置とその他の情報処理装置とによるチャットを示すグループチャットであるかを判別する判別部とを、更に備え、
前記第2制御部は、前記判別部が1対1であると判別し、かつ、前記特定部がユーザーを特定できなかった場合、前記画像形成装置にログインしたユーザー全員に、前記ユーザーノート記憶領域に記憶されている前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる通信システム。
【請求項8】
前記情報処理装置の前記第1制御部は、前記操作部の操作により前記チャット画面に、前記画像形成装置への指示であることを示す特殊文字と、当該特殊文字に続いて指示内容を示す指示文字列と、当該指示文字列に続いてメッセージ情報とを含む指示メッセージが入力されると、当該入力された指示メッセージを、前記第1通信部から前記ネットワークを通じて前記画像形成装置に向けて送信させ、
前記画像形成装置の前記特定部は、前記第2通信部が受信した前記メッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれる前記特殊文字と前記指示文字列と前記メッセージ情報とを特定し、
前記記憶部は、予め定められた複数の指示用語と当該指示用語が示す指示内容とが対応付けて記憶されており、
前記記憶制御部は、前記特定部が特定した前記指示文字列が、前記記憶部に記憶された前記複数の指示用語の何れか一つに一致するかあるいは含むと判定した場合に、当該一致するあるいは含む指示用語に対応した前記指示内容で前記メッセージ情報についての記憶に関する処理を行う請求項1又は請求項7に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び情報処理装置がネットワークを通じてデータ通信を行う通信システムに関し、特にチャット機能とユーザーノート機能とを連動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の機器管理システムは、保守サービス提供者側のリモートメンテナンスサーバーと顧客側の画像形成装置とがネットワークを介して接続され、リモートメンテナンスサーバーからのメンテナンス通知を、画像形成装置が有するユーザーノート機能(あるいは、デジタルノート機能とも呼ばれる)を利用して、当該画像形成装置の操作パネルの表示画面に表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-235482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の機器管理システムは、画像形成装置のユーザーノート機能を、リモートメンテナンスサーバーからのメッセージを表示するために使用しているだけであり、画像形成装置を利用するユーザーの情報処理装置からのメッセージを、当該画像形成装置のユーザーノート機能を利用して表示させることはできない。すなわち、ユーザーノート機能をユーザーの情報伝達ツールとして活用することができない。
【0005】
また、チャット機能とユーザーノート機能とを連動させることができれば、情報伝達性及び操作性をより一層向上させることができるが、特許文献1には、そのようなチャット機能とユーザーノート機能とを連動させる技術の記載がない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、チャット機能とユーザーノート機能とを連動させることを可能にし、ユーザーノート機能をユーザーの情報伝達ツールとして活用することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面にかかる通信システムは、画像形成装置及び情報処理装置を備え、前記画像形成装置及び前記情報処理装置がデータ通信を行う通信システムであって、前記情報処理装置は、表示部と、ユーザーにより操作される操作部と、データ通信を行う第1通信部と、チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築し、前記画像形成装置をチャットメンバーに含むチャット画面を前記表示部に表示させる第1構築部と、前記操作部の操作により前記チャット画面にメッセージ情報が入力されると、当該入力されたメッセージ情報を、前記第1通信部から前記ネットワークを通じて前記画像形成装置に向けて送信させる第1制御部と、を備え、前記画像形成装置は、表示部と、データ通信を行う第2通信部と、チャットツールの起動により、チャットが可能な状態を構築する第2構築部と、ユーザーノート記憶領域を有する記憶部と、前記情報処理装置からの前記メッセージ情報を前記第2通信部が受信すると、当該メッセージ情報を前記ユーザーノート記憶領域に記憶させる記憶制御部と、前記ユーザーノート記憶領域に記憶された前記メッセージ情報を前記表示部に表示させる第2制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チャット機能とユーザーノート機能とを連動させることができ、ユーザーノート機能をユーザーの情報伝達ツールとして活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態の通信システムにおける画像形成装置及び情報処理装置の外観を示す斜視図である。
図2】第1実施形態の通信システムにおける画像形成装置の構成及び情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の通信システムにおけるチャット機能を利用した処理を示すフローチャートである。
図4】画像形成装置の操作部及び表示部を示す平面図である。
図5】第1実施形態の通信システムにおけるメッセージ情報のユーザーノート表示の一例を示す図である。
図6】第1実施形態の通信システムにおけるメッセージ情報処理を示すフローチャートである。
図7】ユーザーノート記憶領域に記憶された各データの一例を示す図である。
図8】画像形成装置におけるログイン後ユーザーノート表示処理を示すフローチャートである。
図9】(A)は画像形成装置の表示部に表示されるログイン画面の一例を示す図、(B)はユーザー認証テーブルの一例を示す図である。
図10】(A)はグループチャット画面でメッセージ情報を送信した例を示す図、(B)は1対1チャット画面でメッセージ情報を送信した例を示す図である。
図11】(A)及び(B)はそれぞれ、ユーザーノート記憶領域に記憶された各データの一例を示す図である。
図12】送信者がメッセージ情報の送信後にチャット画面において当該メッセージ情報を削除指示する場合の一例を示す図である。
図13】送信者がメッセージ情報の送信後にチャット画面において当該メッセージ情報を変更指示する場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態にかかる通信システムについて図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態の通信システムにおける画像形成装置及び情報処理装置の外観を示す斜視図である。図2は、第1実施形態の通信システムにおける画像形成装置の構成及び情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
第1実施形態の通信システム1は、画像形成装置10及び情報処理装置30を備え、画像形成装置10及び情報処理装置30がチャットツールを利用してデータ通信を行うシステムである。
【0013】
情報処理装置30は、パーソナルコンピューターなどであって、制御ユニット31と、表示部32と、操作部33と、通信部(第1通信部)35とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信を可能とされている。
【0014】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)などの表示装置である。
【0015】
操作部33は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力装置である。
【0016】
通信部35は、通信モジュールを備える通信インターフェイスであり、LANや公衆回線などからなるネットワークNを通じて、データ通信を行う。
【0017】
記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
【0018】
制御ユニット31は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU、ASICである。この制御ユニット31は、上記記憶部34に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーに実行されることにより、制御部41(第1制御部)と、チャット構築部42(第1構築部)として機能する。なお、制御ユニット31の上記の各構成要素は、前述の制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0019】
制御部41は、情報処理装置30の全体的な動作制御を司る。
【0020】
制御部41は、操作部33の操作に基づき、ユーザーにより入力されたユーザー操作を特定する。そして、制御部41は、特定したユーザー操作を受け付ける。
【0021】
制御部41は、表示部32を制御して、表示部32の画面に各種のウィンドウ、情報処理に必要な設定項目、テキストなどを表示する。
【0022】
制御部41は、通信部35の通信動作を制御する機能を有する。例えば、通信部35は、制御部41による制御のもと、LANを通じて画像形成装置10との間でデータを送受する。
【0023】
制御部41は、ユーザーによる「チャット」の起動操作を操作部33が受け付けると、チャット構築部42にチャットツールの起動を指示する。
【0024】
チャット構築部42は、チャットツールの起動、つまり、チャットアプリケーションプログラムを実行することにより、チャットによるIP通信機能を構築する。これにより、チャットが可能な状態が構築される。チャット構築部42は、後述する図5に示すように、画像形成装置10をチャットメンバーに含むチャット画面を表示部32に表示させる。なお、記憶部34には、上記チャットアプリケーションプログラムがインストールされている。制御部41は、通信部35が、チャットによるIP通信機能に基づき、通信相手の端末装置(ここでは主に画像形成装置10)との間でデータを送受する。
【0025】
制御部41は、操作部33の操作によりチャット画面にメッセージ情報が入力されると、当該メッセージ情報を、通信部35からネットワークNを通じて画像形成装置10に向けて送信させる。
【0026】
一方、画像形成装置10は、制御ユニット11と、表示部12と、操作部14と、タッチパネル15と、通信部(第2通信部)16と、画像読取部17と、画像形成部18と、記憶部19とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信を可能とされている。
【0027】
画像読取部17は、原稿を光学的に読み取るスキャナーを有し、この原稿の画像を示す画像データを生成する。
【0028】
画像形成部18は、感光体ドラムの表面を均一帯電させ、感光体ドラムの表面を露光して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光体ドラムの表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラムの表面のトナー像(画像)を記録紙(記録媒体)に転写して定着させる。例えば、画像形成部18は、制御部21の制御の下、通信部16が情報処理装置30から受信した印刷データが示す画像を記録紙に印刷したり、画像読取部17で生成された画像データによって示される画像を記録紙に印刷したりすることが可能である。
【0029】
表示部12は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置である。
【0030】
表示部12の画面には、タッチパネル15が配置されている。タッチパネル15は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル15に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット11の後述する制御部21などに出力する。従って、タッチパネル15は、表示部12の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
【0031】
操作部14は、表示部12の画面に表示されるソフトキーと、表示部12の画面の左右箇所に配置されたハードキーとを備えている。前記ハードキーとしては、例えば、メニューを呼び出すメニューキー、メニューを構成するGUIにおけるフォーカスを移動させる矢印キー、メニューを構成するGUIに対して確定操作を行う決定キー、スタートキーなどがある。
【0032】
通信部16は、通信モジュールを備える通信インターフェイスであり、LANや公衆回線などからなるネットワークNを通じて、データ通信を行う。
【0033】
記憶部19は、HDDなどの大容量の記憶装置である。また、記憶部19は、後述する図7に示すように、情報処理装置30から受信したメッセージ情報を、ユーザーノート表示のための情報として記憶するユーザーノート記憶領域を有する。
【0034】
制御ユニット11は、プロセッサー、RAM、及びROMなどから構成される。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、ASICである。この制御ユニット11は、上記記憶部19に記憶された制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部21(第2制御部)と、チャット構築部22(第2構築部)と、記憶制御部23と、判別部24と、特定部25として機能する。なお、制御ユニット11の上記の各構成は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0035】
制御部21は、画像形成装置10の全体的な動作制御を司る。
【0036】
制御部21は、タッチパネル15から出力される検知信号に基づき、タッチパネル15に対するユーザー操作を受け付ける。すなわち、制御部21は、表示部12の画面に表示されたソフトキーに対するユーザー操作を受け付ける。また、制御部21は、操作部14のハードキーに対するユーザー操作を受け付ける。
【0037】
制御部21は、表示部12を制御して、画像形成処理に必要な設定項目の入力画面、あるいは情報の入力画面などを表示する。
【0038】
制御部21は、通信部16による通信動作を制御する。例えば、通信部16は、制御部21による制御のもと、LANを通じて情報処理装置30との間でデータを送受する。
【0039】
また、チャット構築部22は、チャットツールの起動、つまり、チャットアプリケーションプログラムを実行することにより、チャットによるIP通信機能を構築する。これにより、チャットが可能な状態が構築される。チャット構築部22は、表示部12にチャット画面を表示させないようにしているが、図示しない表示指示ボタンの押下により、チャット画面を表示させるようにしてもよい。なお、記憶部19には、上記チャットアプリケーションプログラムがインストールされている。制御部21は、通信部16が、チャットによるIP通信機能に基づき、通信相手の端末装置(例えば情報処理装置30)との間でデータを送受する。
【0040】
記憶制御部23は、情報処理装置30からのメッセージ情報を通信部16が受信すると、当該メッセージ情報を記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶させる。
【0041】
制御部21は、記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報を表示部12に表示させる。
【0042】
特定部25は、記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれるユーザーを特定する。メッセージ情報は、漢字、ひらがな、カタカナ、英文字、アラビア数字などのテキスト情報である。例えば、記憶部19には、メッセージ情報に含まれるユーザーを特定するための識別文字が予め記憶されている。この識別文字としては、「さん」、「様」、「殿」、「さま」「くん」、「ちゃん」などの敬称、「係長」、「課長」、「部長」などの役職名、「Mr.」、「Mr」、「Ms.」、「Mrs.」などの英字敬称がある。特定部25は、メッセージ情報に識別文字が含まれているか否かを検索し、メッセージ情報中に識別文字が見つかった場合には、当該識別文字の前又は後の文言をユーザー名であると特定する。また、特定部25は、メッセージ情報に使用されている言語が、漢字、ひらがな、カタカナを主とするものであれば、識別文字を検索し、当該識別文字が見つかった場合には、当該識別文字の前の文言をユーザー名であると特定する。また、特定部25は、メッセージ情報に使用されている言語が、アルファベット文字を主とするものであれば、識別文字を検索し、当該識別文字が見つかった場合には、当該識別文字の後の文言をユーザー名であると特定する。例えば、特定部25は、メッセージ情報について日本語のパターンマッチングを行い、日本語の認識率を算出し、続いて、メッセージ情報について英語のパターンマッチングを行い、英語の認識率を算出し、両方の認識率のうちの高い方の言語であると特定する。なお、特定部25は、既知の言語種別判定プログラムを用いて、言語を特定してもよい。また、特定部25は、既知の氏名判定プログラムを用いてユーザー名を特定するようにしてもよい。
【0043】
記憶制御部23は、情報処理装置30からのメッセージ情報と特定部25が特定したユーザーとを対応付けて記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶させる。そして、制御部21は、画像形成装置10にログインしたユーザーが、特定部25が特定したユーザーと一致する場合に、特定部25が特定したユーザーと対応付けてユーザーノート記憶領域に記憶したメッセージ情報を表示部12に表示させる。
【0044】
記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させると、特定部25が特定したユーザーがメッセージ情報を既読したことを示す既読情報(後述する既読フラグがオンに設定)を記憶部19に記憶させる。そして、制御部21は、記憶部19に既読情報が記憶されている場合(後述する既読フラグがオンに設定されている場合)には、画像形成装置10にログインしたユーザーが、特定部25が特定したユーザーと一致したとしても、メッセージ情報を表示部12に表示させない。
【0045】
記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させた後、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報及び既読情報を削除する。
【0046】
判別部24は、チャット構築部22が構築したチャットが、情報処理装置30と当該画像形成装置10との1対1のチャットを示す1対1チャットであるか、情報処理装置30と当該画像形成装置10とその他の情報処理装置30とによるチャットを示すグループチャットであるかを判別する。
【0047】
例えば、図5に示すチャット画面の上端側スペースには、チャットを構成するメンバーを示すチャットメンバー表示がされている。図5の上端側スペースには、通信相手が「1F西の複合機」であり、発信者が「○○」というユーザーであることが表示されている。図1及び図2に示す画像形成装置10は、「1F西の複合機」という名称に設定された複合機のことである。図1及び図2に示す情報処理装置30は、ユーザー名が「○○」であるユーザーが使用するパーソナルコンピューターのことである。なお、情報処理装置30及び画像形成装置10を示す各アイコンで表示するようにしてもよい。判別部24は、チャット画面に表示されるチャットメンバーの対応関係に基づいて、1対1チャット又はグループチャットを判別する。具体的には、判別部24は、チャット画面の上端側スペースにおいて、通信相手が1名で、発信者が1名であれば、1対1チャットと判別し、通信相手が2名以上で、発信者が1名であれば、グループチャットと判別する。
【0048】
制御部21は、判別部24がグループチャットであると判別し、かつ、画像形成装置10にログインしたユーザーが、グループチャットのユーザーと一致する場合に、ユーザーノート記憶領域に記憶されているメッセージ情報を表示部12に表示させる。
【0049】
記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させると、グループチャットのユーザーであって画像形成装置10にログインしたユーザーがメッセージ情報を既読したことを示す既読ユーザー情報を記憶部19に記憶させる。そして、制御部21は、画像形成装置10にログインしたユーザーが、記憶部19に記憶されている既読ユーザー情報が示すユーザーと一致する場合には、当該メッセージ情報を表示部12に表示させない。
【0050】
記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させた後、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報及び既読ユーザー情報を削除する。
【0051】
また、制御部21は、判別部24が1対1であると判別し、かつ、特定部25がユーザーを特定できなかった場合、画像形成装置10にログインしたユーザー全員に、ユーザーノート記憶領域に記憶されているメッセージ情報を表示部12に表示させる。
【0052】
ここで、画像形成装置10及び情報処理装置30では、P2P技術を利用したインターネット電話サービス、又はソーシャルネットワークサービス等の技術を用いた通信機能を用いて、情報処理装置30から画像形成装置10にメッセージ情報を送信する。本実施形態では、当該通信機能をIP通信機能と称する。例えば、IP通信機能としては、既知のスカイプ(Skype:登録商標)が適用される。このスカイプでは、画像形成装置10及び情報処理装置30について、各装置を識別するための装置識別情報(IDやパスワードなど)がそれぞれ登録されており、画像形成装置10及び複数の情報処理装置30において当該スカイプが起動された複数の装置間でチャット、通話、画像データの送受などを行うことができる。
【0053】
次に、第1実施形態の通信システム1におけるチャット機能を利用した処理について、図3図5を用いて説明する。図3は、第1実施形態の通信システムにおけるチャット機能を利用した処理を示すフローチャートである。図4は、画像形成装置の操作部及び表示部を示す平面図である。図5は、第1実施形態の通信システムにおけるメッセージ情報のユーザーノート表示の一例を示す図である。
【0054】
まず、画像形成装置10のチャット構築部22は、チャットツールの起動により、チャットによるIP通信機能を構築する(S21)。
【0055】
具体的には、制御部21は、図4に示すメニュー画面G1を表示部12に予め表示させている。メニュー画面G1には、画像形成装置10の各機能にそれぞれ対応付けられた複数のタッチキー61a~61h等を有する。この状態で、ユーザーがチャットに対応するタッチキー61hをタッチ操作すると、タッチパネル15によりタッチキー61hに対するタッチ操作が検出されて、このタッチ操作が制御部21で受け付けられる。制御部21は、チャット構築部22にチャットツールの起動を指示し、チャット構築部22がチャットによるIP通信機能を構築する(S21)。
【0056】
情報処理装置30は、ユーザーによる「チャット」の起動操作を操作部33がそれぞれ受け付けているとする。このため、制御部41は、上記起動操作に基づいて、チャット構築部42にチャットツールの起動を指示する。チャット構築部42は、制御部41の指示に基づき、チャットによるIP通信機能を構築し、表示部32に、図5に示すチャット画面を表示させる(S11)。
【0057】
情報処理装置30において、ユーザーの操作により、図5に示す表示部32のチャット画面にメッセージ情報m11が入力されると(S12)、情報処理装置30の制御部41は、当該メッセージ情報m11を、通信部35からネットワークNを通じて画像形成装置10に向けて送信させる。メッセージ情報m11は、図5に示すように、「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のテキスト情報であったとする。
【0058】
画像形成装置10の通信部16は、情報処理装置30からのメッセージ情報を受信すると、メッセージ情報処理を実行する(S22)。なお、画像形成装置10では、前述したように、表示部12にチャット画面を表示させないようにしているが、図示しない表示指示ボタンの押下により、表示部12にチャット画面を表示させた場合には、メッセージ情報m11が入力された表示が、当該チャット機能により連動して表示される。
【0059】
ここで、図6図7を用いて、メッセージ情報処理について説明する。図6は、第1実施形態の通信システムにおけるメッセージ情報処理を示すフローチャートである。図7は、ユーザーノート記憶領域に記憶された各データの一例を示す図である。
【0060】
画像形成装置10の記憶制御部23は、通信部16が情報処理装置30からのメッセージ情報を受信すると(S221でYES)、メッセージ情報m11及びチャット種別を記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶させる(S222)。記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図7に示す例えば「AD0001」の記憶アドレスのメッセージ情報記憶エリアに、「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のメッセージ情報m11を記憶させる。
【0061】
判別部24は、図5に示すチャット画面の上端側スペースにおいて、通信相手が1名で、発信者が1名であるため、1対1チャットと判別する。記憶制御部23は、例えば「AD0001」の記憶アドレスのチャット種別記憶エリアに、チャット種別として、判別部24が判別した1対1チャットを記憶させると共に、チャットメンバーとして、発信者である「○○」のユーザー名とを記憶させる(S222)。
【0062】
特定部25は、記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報m11を解析し、当該メッセージ情報m11に含まれるユーザーを特定する(S223)。具体的には、特定部25は、「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」とのメッセージ情報m11に使用されている言語が、漢字、ひらがな、カタカナを主とするものであると判定し、メッセージ情報m11の中に識別文字(例えば、「さん」)が含まれているか否かを検索する。このメッセージ情報m11には、「さん」が含まれているので、特定部25は、メッセージ情報m11の中に識別文字(例えば、「さん」)を検出し、当該識別文字(例えば、「さん」)の前の文言である「△△」のユーザー名をユーザーとして特定する。
【0063】
記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図7に示す例えば「AD0001」の記憶アドレスの特定されたユーザー情報記憶エリアに、特定部25によるメッセージ情報m11の解析結果、つまり、ユーザー名である「△△」を、記憶する(S224)。
【0064】
また、記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図7に示す例えば「AD0001」の記憶アドレスの対象ユーザー情報記憶エリアに、特定部25がメッセージ情報m11から特定したユーザーを示す「△△」を記憶する(S225)。ここで言う「対象ユーザー」とはユーザーノート表示を見せるべきユーザーのことである。なおここでは、記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図7に示す例えば「AD0001」の記憶アドレスにおける対象ユーザー毎の既読フラグをオフに設定する。ここでは、対象ユーザーに対してユーザーノート表示を見せていないため、「オフ」に設定されている。
【0065】
制御部21は、S225のあと、メッセージ情報処理を終了させる。図3に戻って、画像形成装置10の制御部21は、チャット終了か否かを判定し(S23)、例えば、ユーザーが画像形成装置10に対してチャット終了の操作を行った場合(S23でYES)、チャットを終了させ、本処理を終了させる。一方、チャット終了の操作がない場合(S23でNO)には、チャットが継続される。
【0066】
次に、図8を用いて、画像形成装置10におけるログイン後ユーザーノート表示処理について説明する。図8は、画像形成装置におけるログイン後ユーザーノート表示処理を示すフローチャートである。
【0067】
画像形成装置10の制御部21は、ログインの有無を判定する(S31)。具体的には、制御部21は、ユーザーが表示部12の画面に触れたことに基づくタッチパネル15から出力される検知信号が入力された場合、又は、操作部14の何れかのハードキーを押下した押下信号が入力された場合には、図9(A)に示すような画像形成装置10にログイン画面G2を表示部12に表示させる。図9(A)は、画像形成装置の表示部に表示されるログイン画面の一例を示す図である。
【0068】
このログイン画面G2には、ユーザーの識別情報であるID及びパスワードを入力するための2つの入力欄71、72、OKキー73、及びキャンセルキー74が表示されている。ユーザーが、操作部14を操作して、ユーザーのID及びパスワードをそれぞれの入力欄71、72に入力し、OKキー73をタッチ操作すると、制御部21は、ユーザーのID及びパスワードを受け付ける。なお、記憶部19には、図9(B)に示すように、ユーザーのIDとパスワードとユーザー名とを対応付けたユーザー認証テーブルが予め登録されている。図9(B)は、ユーザー認証テーブルの一例を示す図である。
【0069】
制御部21は、入力されたユーザーのID及びパスワードが、図9(B)に示すユーザー認証テーブルにおけるユーザーのID及びパスワードに一致するか否かを認証し、認証が成立すれば(S31でYES)、ユーザーによる画像形成装置10の機能へのログインを認める。ここでは、図9(B)に示すユーザー名が「△△ 次郎」であるユーザーがログインし、ユーザー認証が成立したとする(S31でYES)。
【0070】
そして、記憶制御部23は、ユーザー認証が成立した場合(S31でYES)ユーザーノートの有無を判定する(S32)。具体的には、記憶制御部23は、図7に示すユーザーノート記憶領域にメッセージ情報が記憶されている場合、ユーザーノートが有ると判定する(S32でYES)。ここでは、図7に示すユーザーノート記憶領域に、「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のメッセージ情報m11が記憶されているので、記憶制御部23は、ユーザーノートが有ると判定する(S32でYES)。なお、図7に示すユーザーノート記憶領域に、メッセージ情報が記憶されていない場合には、記憶制御部23は、ユーザーノートが無いと判定する(S32でNO)。
【0071】
続いて、制御部21は、対象ユーザーによるログインか否かを判定する(S33)。具体的には、制御部21は、図7に示すユーザーノート記憶領域に記憶されている対象ユーザーと、図9に示すユーザー認証テーブルで特定された今回ログインしたユーザーとが一致する場合には、対象ユーザーによるログインであると判定し(S33でYES)、不一致であれば、対象ユーザーによるログインではないと判定する(S33でNO)。
【0072】
記憶制御部23は、制御部21が対象ユーザーによるログインであると判定した場合(S33でYES)、ユーザーノートを既読済みであるか否かを判定する(S34)。具体的には、記憶制御部23は、既読フラグがオンであれば、ユーザーノートを既読済みであると判定し(S34でYES)、既読フラグがオフであれば、ユーザーノートを未読であると判定する(S34でNO)。ここでは、図7に示すユーザーノート記憶領域における「AD0001」の記憶アドレスに記憶された「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のメッセージ情報に対応する既読フラグがオフであるため、記憶制御部23は、未読であると判定する(S34でNO)。すなわち、画像形成装置10の表示部12は、「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のユーザーノート表示を行っていない。
【0073】
制御部21は、記憶制御部23が未読であると判定した場合(S34でNO)、メッセージ情報によるユーザーノート表示を表示部12に実行させる(S35)。図5に示すように、制御部21は、「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のメッセージ情報によるユーザーノート表示U1を、表示部12に表示させる。
【0074】
そして、記憶制御部23は、対象ユーザーの既読フラグをオンに設定する(S36)。記憶制御部23は、図7に示すユーザーノート記憶領域における「AD0001」の記憶アドレスに記憶された「△△さん、あの文書をスキャンしておいて」のメッセージ情報に対応する既読フラグをオンに設定する。
【0075】
そして、記憶制御部23は、全対象ユーザーが既読であるか否かを判定する(S37)。ここでは、図7に示すユーザーノート記憶領域における「AD0001」の記憶アドレスに記憶された対象ユーザーが「△△」のみであり、「△△」の既読フラグがオンに設定されているので、全対象ユーザーが既読であると判定する(S37でYES)。一方、記憶制御部23は、対象ユーザーが1名であり、当該1名の既読フラグがオフである場合、又は、対象ユーザーが複数名であり、そのうちの少なくとも1名の既読フラグがオフである場合、全対象ユーザーが既読でないと判定する(S37でNO)。
【0076】
続いて、記憶制御部23は、図7に示すユーザーノート記憶領域から、ユーザーノート表示させたメッセージ情報を削除する(S38)。ここでは、図7に示すユーザーノート記憶領域における「AD0001」の記憶アドレスにおける全記憶内容(メッセージ情報、チャット種別、特定されたユーザー、対象ユーザー及び既読フラグ)を削除する。
【0077】
制御部21は、S38のあと、S32でNOの場合、S33でNOの場合、S34でYESの場合、あるいは、S37でNOの場合、ユーザー認証後の入力画面(例えば、図4に示すメニュー画面G1、認証後ユーザーの専用操作画面など)を表示させる(S39)。
【0078】
そして、制御部21は、ユーザー認証後の入力画面(例えば、図4に示すメニュー画面G1、認証後ユーザーの専用操作画面など)に対して、ユーザーが操作指示をした処理(コピー、スキャン、FAXなどの各種処理)を実行させる(S40)。
【0079】
制御部21は、ユーザー操作終了か否かを判定する(S41)。例えば、制御部21は、ユーザーがログオフ操作した場合、予め定められた期間操作がされなかった場合、操作終了と判定し(S41でYES)、本処理を終了させる。一方、制御部21は、操作がされていない期間が上記予め定められた期間に達しておらず、かつ、ユーザーがログオフ操作していない場合(S41でNO)、上記予め定められた期間の経過まで待機する。
【0080】
上記第1実施形態の通信システム1によれば、情報処理装置30におけるチャット画面に、操作部33の操作によりメッセージ情報を入力するだけで、画像形成装置10の記憶制御部23が、情報処理装置10からのメッセージ情報を記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶させ、画像形成装置10の制御部21が、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報をユーザーノート表示として表示部12に表示させるので、チャット機能とユーザーノート機能とを連動させることができる。また、画像形成装置10に出向いて利用するユーザーに対して、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報を当該画像形成装置10の表示部12に表示させて知らせることができ、ユーザーノート機能をユーザーの情報伝達ツールとして活用することができる。
【0081】
また、画像形成装置10の特定部25は、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれるユーザーを特定する。記憶制御部23は、情報処理装置30からのメッセージ情報と特定部25が特定したユーザーとを対応付けてユーザーノート記憶領域に記憶させる。制御部21は、画像形成装置10にログインしたユーザーが、特定部25が特定したユーザーと一致する場合に、特定部25が特定したユーザーと対応付けてユーザーノート記憶領域に記憶したメッセージ情報を表示部12に表示させる。これにより、メッセージ情報が特定のユーザー向けである場合に、当該特定のユーザーが画像形成装置10にログインした際にのみ、メッセージ情報を表示させることができ、当該特定のユーザー以外のユーザーが画像形成装置10にログインした際には、メッセージ情報を表示させない。したがって、チャット操作のみで、連絡事項を伝えたい人(つまり、特定のユーザー)に確実にメッセージ情報を届けることができる。このため、特定のユーザーに対してメールその他の通信方法で連絡する必要がないことから、情報伝達コストを低減することができる。また、チャット操作のみで、画像形成装置10の表示部12にメッセージ情報を表示させることができるので、ユーザーノート機能に関する操作をユーザーが覚えるコストを削減でき、画像形成装置10の操作性を向上させることができる。
【0082】
また、記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させると、特定部25が特定したユーザーがメッセージ情報を既読したことを示す既読情報(既読フラグがオンに設定)を記憶部19に記憶させる。制御部21は、記憶部19に既読情報が記憶されている場合(既読フラグがオンに設定されている場合)には、画像形成装置10にログインしたユーザーが、特定部25が特定したユーザーと一致したとしても、当該メッセージ情報を表示部12に表示させない。すなわち、メッセージ情報を既読した特定のユーザーが再び画像形成装置10にログインした場合には、既読のメッセージ情報が表示されない。これにより、既読のメッセージ情報が特定のユーザーに無駄に伝達されることを防止でき、既読のメッセージ情報が繰り返されることに起因するユーザーの誤操作を防止できる。
【0083】
また、記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させた後、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報及び既読情報を削除する。これにより、ユーザーが削除操作を行う必要が無く、ユーザーノート記憶領域から既読のメッセージ情報及び既読情報を適切に削除することができ、ユーザーノート記憶領域の記憶容量が増大することを低減できる。また、既読のメッセージ情報が特定のユーザーに無駄に伝達されることを防止でき、既読のメッセージ情報が繰り返されることに起因するユーザーの誤操作を防止できる。
【0084】
なおここで、情報処理装置30のチャット画面において、図10(A)に示すメッセージ情報m12が入力された場合について説明する。図10(A)は、グループチャット画面でメッセージ情報を送信した例を示す図である。図11(A)は、ユーザーノート記憶領域に記憶された各データの一例を示す図である。
【0085】
例えば、図10(A)では、画像形成装置10の記憶制御部23は、通信部16が情報処理装置30からのメッセージ情報m12を受信すると(S221でYES)、メッセージ情報m12及びチャット種別を記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶させる(S222)。記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(A)に示す例えば「AD0002」の記憶アドレスのメッセージ情報記憶エリアに、「9月10日AM10時~、会議室102、グループ会議」のメッセージ情報m12を記憶させる。
【0086】
例えば、図10(A)に示すチャット画面の上端側スペースには、通信相手が「1F西の複合機」、「△△」及び「××」の3名であり、発信者が「○○」というユーザーであることが表示されている。判別部24は、図10(A)に示すチャット画面の上端側スペースにおいて、通信相手が2名以上で、発信者が1名であるため、グループチャットと判別する。記憶制御部23は、例えば「AD0002」の記憶アドレスのチャット種別記憶エリアに、チャット種別として、判別部24が判別したグループチャットを記憶させると共に、チャットメンバーとして、発信者である「○○」のユーザー名と、「△△」及び「××」のユーザー名とを記憶させる(S222)。
【0087】
特定部25は、記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報m12を解析し、当該メッセージ情報m12に含まれるユーザーを特定する(S223)。ここでは、特定部25は、「9月10日AM10時~、会議室102、グループ会議」とのメッセージ情報m12に使用されている言語が、漢字、ひらがな、カタカナを主とするものであると判定し、メッセージ情報m12の中に識別文字(例えば、「さん」、「様」などの敬称)が含まれているか否かを検索する。このメッセージ情報m12には、識別文字が含まれていないので、メッセージ情報m12の中に識別文字が検出されない。
【0088】
記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(A)に示す例えば「AD0002」の記憶アドレスの特定されたユーザー情報記憶エリアに、特定部25によるメッセージ情報m12の解析結果、つまり、特定部25がメッセージ情報m12の中にユーザーを特定できなかったことを示す特定不可と記憶する(S224)。
【0089】
また、記憶制御部23は、特定部25がメッセージ情報m12の中にユーザーを特定できなかったため、判別部24が図10(A)に示すチャット画面の上端側スペースにおいて判別したユーザー名(ここでは、「○○」、「△△」及び「××」のユーザー名)を、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(A)に示す例えば「AD0002」の記憶アドレスの対象ユーザー情報記憶エリアに記憶する(S225)。記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(A)に示す例えば「AD0002」の記憶アドレスにおける対象ユーザー毎の既読フラグをオフに設定する。ここでは、全対象ユーザーに対してユーザーノート表示を見せていないため、「オフ」に設定されている。
【0090】
そして、「○○」、「△△」及び「××」のユーザーのうち、例えば「△△」のユーザーが画像形成装置10に出向いてログインすると(S31でYES)、記憶制御部23は、ユーザーノートが有ると判定し(S32でYES)、「△△」のユーザーの既読フラグがオフであると判定する(S34でNO)。そして、制御部21は、図10(A)に示すように、制御部21は、「9月10日AM10時~、会議室102、グループ会議」のメッセージ情報によるユーザーノート表示U2を、表示部12に表示させる(S35)。「△△」のユーザーは、ユーザーノート表示U2を見ることで、メッセージ情報の内容を把握する。そして、記憶制御部23は、対象ユーザーである「△△」のユーザーの既読フラグをオンに設定する(S36)。これにより、「△△」のユーザーが再びログインしても、制御部21は、ユーザーノート表示U2を、表示部12に表示させない(S34でYES)。また、「○○」及び「××」のユーザーについても上記と同様に最初のログイン後に限り、制御部21は、図10(A)に示すユーザーノート表示U2を、表示部12に表示させる(S35)。
【0091】
また、判別部24は、第2構築部が構築したチャットが、情報処理装置30と画像形成装置10との1対1のチャットを示す1対1チャットであるか、情報処理装置30と画像形成装置10とその他の情報処理装置30とによるチャットを示すグループチャットであるかを判別する。制御部21は、判別部24がグループチャットであると判別し、かつ、画像形成装置10にログインしたユーザーが、当該グループチャットのユーザーと一致する場合に、ユーザーノート記憶領域に記憶されているメッセージ情報を表示部12に表示させる。これにより、メッセージ情報がグループチャットのユーザー向けである場合に、当該グループチャットのユーザーが画像形成装置10にログインした際にのみ、メッセージ情報を表示させることができ、当該グループチャットのユーザー以外のユーザーが画像形成装置10にログインした際には、メッセージ情報を表示させない。したがって、チャット操作のみで、連絡事項を伝えたいグループの人(つまり、グループチャットのユーザー)に確実にメッセージ情報を届けることができる。このため、グループチャットのユーザーに対してメールその他の通信方法で連絡する必要がないことから、情報伝達コストを低減することができる。また、チャット操作のみで、画像形成装置10の表示部12にメッセージ情報を表示させることができるので、ユーザーノート機能に関する操作をユーザーが覚えるコストを削減でき、画像形成装置10の操作性を向上させることができる。
【0092】
また、記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させると、グループチャットのユーザーであって画像形成装置10にログインしたユーザーがメッセージ情報を既読したことを示す既読ユーザー情報を記憶部19に記憶させる。制御部21は、画像形成装置10にログインしたユーザーが、記憶部19に記憶されている既読ユーザー情報が示すユーザーと一致する場合には、当該メッセージ情報を表示部12に表示させない。すなわち、グループチャットのユーザーのうちでメッセージ情報を既読したユーザーが再び画像形成装置10にログインした場合には、既読のメッセージ情報が表示されない。これにより、既読のメッセージ情報が特定のユーザーに無駄に伝達されることを防止でき、既読のメッセージ情報が繰り返されることに起因するユーザーの誤操作を防止できる。
【0093】
また、記憶制御部23は、制御部21がメッセージ情報を表示部12に表示させた後、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報及び既読ユーザー情報を削除する。これにより、ユーザーが削除操作を行う必要が無く、ユーザーノート記憶領域から既読のメッセージ情報及び既読ユーザー情報を適切に削除することができ、ユーザーノート記憶領域の記憶容量が増大することを低減できる。また、既読のメッセージ情報が特定のユーザーに無駄に伝達されることを防止でき、既読のメッセージ情報が繰り返されることに起因するユーザーの誤操作を防止できる。
【0094】
次に、情報処理装置30のチャット画面において、図10(B)に示すメッセージ情報m13が入力された場合について説明する。図10(B)は、1対1チャット画面でメッセージ情報を送信した例を示す図である。図11(B)は、ユーザーノート記憶領域に記憶された各データの一例を示す図である。
【0095】
例えば、図10(B)では、画像形成装置10の記憶制御部23は、通信部16が情報処理装置30からのメッセージ情報m13を受信すると(S221でYES)、メッセージ情報m13及びチャット種別を記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶させる(S222)。記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(B)に示す例えば「AD0003」の記憶アドレスのメッセージ情報記憶エリアに、「メンテナンスのため使用不可 10月11日PM6時~7時」のメッセージ情報m13を記憶させる。
【0096】
例えば、図10(B)に示すチャット画面の上端側スペースには、通信相手が「1F西の複合機」であり、発信者が「○○」というユーザーであることが表示されている。判別部24は、図10(B)に示すチャット画面の上端側スペースにおいて、通信相手が1名で、発信者が1名であるため、1対1チャットと判別する。記憶制御部23は、例えば「AD0003」の記憶アドレスのチャット種別記憶エリアに、チャット種別として、判別部24が判別した1対1チャットを記憶させると共に、チャットメンバーとして、発信者である「○○」のユーザー名を記憶させる(S222)。
【0097】
特定部25は、記憶部19のユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報m13を解析し、当該メッセージ情報m13に含まれるユーザーを特定する(S223)。ここでは、特定部25は、「メンテナンスのため使用不可 10月11日PM6時~7時」とのメッセージ情報m13に使用されている言語が、漢字、ひらがな、カタカナを主とするものであると判定し、メッセージ情報m13の中に識別文字(例えば、「さん」、「様」などの敬称)が含まれているか否かを検索する。このメッセージ情報m13には、識別文字が含まれていないので、メッセージ情報m13の中に識別文字が検出されない。
【0098】
記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(B)に示す例えば「AD0003」の記憶アドレスの特定されたユーザー情報記憶エリアに、特定部25によるメッセージ情報m13の解析結果、つまり、特定部25がメッセージ情報m13の中にユーザーを特定できなかったことを示す特定不可と記憶する(S224)。
【0099】
また、記憶制御部23は、特定部25がメッセージ情報m13の中にユーザーを特定できず、かつ、判別部24が1対1チャットである判別したため、全員を、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(B)に示す例えば「AD0003」の記憶アドレスの対象ユーザー情報記憶エリアに記憶する(S225)。記憶制御部23は、記憶部19のユーザーノート記憶領域における、図11(B)に示す例えば「AD0003」の記憶アドレスにおける対象ユーザー毎の既読フラグをオフに設定する。ここでは、全対象ユーザーに対してユーザーノート表示を見せていないため、「オフ」に設定されている。
【0100】
そして、何れかのユーザーが画像形成装置10に出向いてログインすると(S31でYES)、記憶制御部23は、ユーザーノートが有ると判定し(S32でYES)、全対象ユーザーが既読になっていないと判定する(S34でNO)。そして、制御部21は、図10(B)に示すように、制御部21は、「メンテナンスのため使用不可 10月11日PM6時~7時」のメッセージ情報によるユーザーノート表示U3を、表示部12に表示させる(S35)。当該ユーザーは、ユーザーノート表示U3を見ることで、メッセージ情報の内容を把握する。そして、記憶制御部23は、当該ユーザーの既読フラグをオンに設定する(S36)。これにより、当該ユーザーが再びログインしても、制御部21は、ユーザーノート表示U3を、表示部12に表示させない(S34でYES)。また、当該ユーザー以外のユーザーについても上記と同様に最初のログイン後に限り、制御部21は、図10(B)に示すユーザーノート表示U3を、表示部12に表示させる(S35)。
【0101】
また、画像形成装置10の特定部は、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれるユーザーを特定する。判別部24は、第2構築部が構築したチャットが、情報処理装置30と画像形成装置10との1対1のチャットを示す1対1チャットであるか、情報処理装置30と画像形成装置10とその他の情報処理装置30とによるチャットを示すグループチャットであるかを判別する。制御部21は、判別部24が1対1チャットであると判別し、かつ、特定部25がユーザーを特定できなかった場合、画像形成装置10にログインしたユーザー全員に、ユーザーノート記憶領域に記憶されているメッセージ情報を表示部12に表示させる。これにより、メッセージ情報が全ユーザー向けである場合に、当該画像形成装置10にログインしたユーザー全員にメッセージ情報を表示させることができる。したがって、チャット操作のみで、ユーザー全員にメッセージ情報を届けることができる。このため、ユーザー全員に対してメールその他の通信方法で連絡する必要がないことから、情報伝達コストを低減することができる。また、チャット操作のみで、画像形成装置10の表示部12にメッセージ情報を表示させることができるので、ユーザーノート機能に関する操作をユーザーが覚えるコストを削減でき、画像形成装置10の操作性を向上させることができる。
【0102】
次に、第2実施形態に係る通信システム1について説明する。図12は、送信者がメッセージ情報の送信後にチャット画面において当該メッセージ情報を削除指示する場合の一例を示す図である。図13は、送信者がメッセージ情報の送信後にチャット画面において当該メッセージ情報を変更指示する場合の一例を示す図である。
【0103】
第2実施形態の通信システム1は、画像形成装置10の制御部21、特定部25及び記憶部19の機能、すなわち、ユーザーノート記憶領域に記憶されたメッセージ情報を削除又は変更機能を追加している点が、第1実施形態と異なる。第2実施形態では、第1実施形態と同様の処理や構成については説明を省略する。
【0104】
情報処理装置30の制御部41は、操作部33の操作によりチャット画面に、画像形成装置10への指示であることを示す特殊文字(例えば、#)と、当該特殊文字に続いて指示内容を示す指示文字列(図12では「削除」、図13では「変更」)と、当該指示文字列に続いてメッセージ情報(図12ではメッセージ情報m22、図13ではメッセージ情報m32)とを含む指示メッセージが入力されると、当該入力された指示メッセージを、通信部35からネットワークNを通じて画像形成装置10に向けて送信させる。
【0105】
画像形成装置10の特定部25は、通信部16が受信したメッセージ情報を解析し、当該メッセージ情報に含まれる特殊文字と指示文字列とメッセージ情報とを特定する。図12では、特定部25は、メッセージ情報m21に含まれる特殊文字(例えば、#)と、当該特殊文字に続いて指示内容を示す指示文字列(「削除」)と、メッセージ情報m22とを特定する。
【0106】
記憶部19は、予め定められた複数の指示用語と当該指示用語が示す指示内容とが対応付けて記憶されている。例えば、記憶部19は、「削除」の指示用語と、当該指示用語が示す指示内容である「メッセージ情報を削除との指示」とが対応付けて記憶され、「変更」の指示用語と、当該指示用語が示す指示内容である「メッセージ情報を変更との指示」とが対応付けて記憶されている。
【0107】
記憶制御部23は、特定部25が特定した指示文字列が、記憶部19に記憶された複数の指示用語の何れか一つに一致するかあるいは含むと判定した場合に、当該一致するあるいは含む指示用語に対応した指示内容でメッセージ情報についての記憶に関する処理を行う。
【0108】
具体的には、特定部25は、図12に示す場合では、メッセージ情報m21に含まれる特殊文字(例えば、#)と、当該特殊文字に続いて指示内容を示す指示文字列(「削除」)と、メッセージ情報m22とを特定し、メッセージ情報m22と同じ内容である先のメッセージ情報m11を記憶部19から削除する。
【0109】
また、特定部25は、図13に示す場合では、メッセージ情報m31に含まれる特殊文字(例えば、#)と、当該特殊文字に続いて指示内容を示す指示文字列(「変更」)と、メッセージ情報m32とを特定し、先のメッセージ情報m11をメッセージ情報m32に変更して記憶部19に記憶させる。
【0110】
上記第2実施形態の通信システム1によれば、チャット操作のみで、画像形成装置10の表示部12にユーザーノートとして表示されるメッセージ情報の例えば変更、削除等の記憶に関する処理を行うことができる。画像形成装置10の操作性を更に向上させることができる。
【0111】
上記各実施形態では、画像形成装置10及び情報処理装置30が協働してチャット機能を実現しているが、管理サーバーがチャット機能を実現するようにしてもよい。
【0112】
なお、図1乃至図13を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0113】
10 画像形成装置
12 表示部
14 操作部
16 通信部(第2通信部)
21 制御部(第2制御部)
22 チャット構築部(第2構築部)
23 記憶制御部
24 判別部
25 特定部
30 情報処理装置
32 表示部
33 操作部
35 通信部(第1通信部)
41 制御部(第1制御部)
42 チャット構築部(第1構築部)
図1
図2
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図6
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図10
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図12
図13