(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20240312BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20240312BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B41J2/17
B41J2/175 101
B41J2/175 301
B41J2/01 451
B41J2/01 401
(21)【出願番号】P 2020012183
(22)【出願日】2020-01-29
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細野 豊
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-045891(JP,A)
【文献】特開2015-051595(JP,A)
【文献】特開2018-043493(JP,A)
【文献】特開2012-192747(JP,A)
【文献】特開2017-065077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容するインクタンクと、
前記インクタンクに収容された前記インクを撹拌する撹拌機構と、
前記撹拌機構の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記インクタンクに収容された前記インクの状態に基づいて、前記インクの撹拌に要する時間である撹拌時間を設定する撹拌時間設定部と、
前記撹拌時間設定部が設定した前記撹拌時間に基づいて、前記撹拌機構の駆動を制御する駆動制御部と、
を備
え、
前記制御部は、予め設定された前記撹拌時間及び撹拌時に前記撹拌機構にかかる負荷の推移の関係を示す負荷推移テーブルを前記インクの状態に応じて複数有し、
前記撹拌時間設定部は、前記インクの状態に応じて、複数の前記負荷推移テーブルから対応する負荷推移テーブルを選択し、選択した負荷推移テーブルから前記撹拌時間を設定する
インクジェット記録装置。
【請求項2】
前記インクの状態は、前回、前記撹拌機構により前記インクタンクに収容した前記インクを撹拌してからの時間を示す残置期間であり、
前記制御部は、前記残置期間を取得する残置期間取得部を有する
請求項
1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記インクの状態は、各インクタンクに収容された前記インクの量である
請求項
1又は2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記インクタンクには、収容された前記インクの量を検出する重量センサが設けられている
請求項
3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記インクの使用量から前記インクタンクに収容された前記インクの量を算出する
請求項
3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記駆動制御部は、撹拌開始初期において前記撹拌機構を第1回転速度で駆動させ、予め設定した切換時間を経過した後、前記撹拌機構を前記第1回転速度よりも速い第2回転速度で駆動させる
請求項
1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記制御部には、前記撹拌機構を前記第1回転速度で駆動させた際の、前記インクの状態に対する前記撹拌時間及び撹拌時に前記撹拌機構にかかる負荷の推移の関係を示す負荷推移テーブルを有し、
前記撹拌時間設定部は、前記負荷推移テーブルに基づいて、前記切換時間を設定する
請求項
6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
インクタンクに収容されたインクの状態を取得する処理と、
前記インクの状態に応じて予め設定された拌時間及び撹拌時に撹拌機構にかかる負荷の推移の関係を示す複数の負荷推移テーブルから前記インクの状態に基づいて
対応する負荷推移テーブルを選択し、選択した負荷推移テーブルから前記インクの撹拌に要する時間である撹拌時間を設定する処理と、
前記撹拌時間に基づいて、撹拌機構の駆動を制御する処理と、
を含むインクジェット記録装置の制御方法。
【請求項9】
インクタンクに収容されたインクの状態を取得する手順と、
前記インクの状態に応じて予め設定された拌時間及び撹拌時に撹拌機構にかかる負荷の推移の関係を示す複数の負荷推移テーブルから前記インクの状態に基づいて
対応する負荷推移テーブルを選択し、選択した負荷推移テーブルから前記インクの撹拌に要する時間である撹拌時間を撹拌時間設定部により設定させる手順と、
前記撹拌時間に基づいて、撹拌機構の駆動を駆動制御部により制御させる手順と、
をコンピューターに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置、このインクジェット記録装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドに設けられた複数のノズルからインクを記録媒体に向けて吐出させることで、用紙等の記録媒体に画像を形成(記録)するインクジェット記録装置がある。また、インクは、長期間放置されると、その粘度が増加し、画像不良の原因となる。そのため、電源投入時や、長期間放置後の画像形成処理時等では、インクを収容するインクタンクにおいてインクを撹拌し、インクの粘度を低下させる初期化動作を行う必要がある。
【0003】
また、インクの撹拌動作を行う技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この特許文献1には、第1のインクタンクと、第2のインクタンクと、記録ヘッドと、第1の撹拌動作または第2の撹拌動作を行う撹拌手段と、インク量取得手段と、制御部と、を備えた技術が記載されている。また、第1の撹拌動作では、第1のインクタンク内のインクおよび第2のインクタンク内のインクを撹拌し、第2の撹拌動作では、第1のインクタンク内のインクを撹拌せず第2のインクタンク内のインクを撹拌する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、インクの状態によらず常に一定の撹拌時間で撹拌を実施していた。そのため、インクの放置時間が短いときや、インクの量が減少している時では、インクが過度に撹拌される、という問題を有していた。また、インクの初期化動作の時間がかかる、という問題を有していた。
【0006】
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑み、初期化動作時のインクタンクの撹拌時間の最適化を図ることができるインクジェット記録装置、インクジェット記録装置の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容するインクタンクと、撹拌機構と、制御部と、を備えている。撹拌機構は、インクタンクに収容されたインクを撹拌する。制御部は、撹拌機構の駆動を制御する。
また、制御部は、撹拌時間設定部と、駆動制御部と、を備えている。撹拌時間設定部は、インクタンクに収容されたインクの状態に基づいて、インクの撹拌に要する時間である撹拌時間を設定する。駆動制御部は、撹拌時間設定部が設定した撹拌時間に基づいて、撹拌機構の駆動を制御する。
【0008】
本発明のインクジェット記録装置の制御方法は、以下(1)から(3)に示す
処理を含む。
(1)インクタンクに収容されたインクの状態を取得する処理。
(2)インクの状態に基づいて、インクの撹拌に要する時間である撹拌時間を設定する処理。
(3)撹拌時間に基づいて、撹拌機構の駆動を制御する処理。
【0009】
また、本発明のプログラムは、次の手順をコンピューターに実行させる。
インクタンクに収容されたインクの状態を取得する手順。
インクの状態に基づいて、インクの撹拌に要する時間である撹拌時間を撹拌時間設定部により設定させる手順。
撹拌時間に基づいて、撹拌機構の駆動を駆動制御部により制御させる手順。
【発明の効果】
【0010】
上記構成のインクジェット記録装置、インクジェット記録装置の制御方法及びプログラムによれば、初期化動作時のインクタンクの撹拌時間の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置を示す全体構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置における記録部及びインクラックを示す概略構成図である。
【
図3】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置におけるインクタンクを示す概略構成図である。
【
図4】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置におけるインクタンクの制御系の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置における撹拌時間設定部に格納された負荷推移テーブルである。
図5Aはインクの放置時間が所定の期間に達していない状態を示す負荷推移テーブルである。
図5Bから
図5Dはインクの放置時間が所定の期間を超えた状態を示すもので、
図5Bはインク量が100%、
図5Cはインク量が50%、
図5Dはインク量が25%の状態を示している。
【
図6】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置におけるインクタンクの初期化撹拌動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置の初期撹拌動作の変形例を示すもので、モータの回転速度を低速に設定した際の撹拌時間及び負荷電流の推移の関係を示す負荷推移テーブルである。
【
図8】本発明の実施の形態例に係るインクジェット記録装置の初期撹拌動作の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態例について、
図1~
図8を参照して説明する。なお、各図において共通する部材には、同一の符号を付している。
【0013】
1.実施の形態例
1-1.インクジェット記録装置の構成例
まず、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるインクジェット記録装置の構成例について
図1を参照して説明する。
図1は、インクジェット記録装置の全体構成を示す概略構成図である。
【0014】
図1に示すインクジェット記録装置1は、インクジェットヘッドに設けたノズルからインクを吐出することで記録媒体に画像を形成(記録)するものである。このインクジェット記録装置1は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のインクを重ね合わせるカラーインクジェット記録装置である。
【0015】
インクジェット記録装置1は、媒体供給部2と、媒体加熱部3と、第1搬送部4と、第2搬送部5と、媒体排出部7と、記録部8と、定着部9と、冷却部10とを備えている。さらに、インクジェット記録装置1は、インクラック60と、制御部100(
図4参照)を備えている。
【0016】
[媒体供給部]
媒体供給部2は、媒体積載部13と、位置合わせ部14とを有する。媒体積載部13には、平面上のプレート(トレー)が設けられている。そして、媒体積載部13のプレートには、記録媒体Pが積載されている。記録媒体Pとしては、特に限定されるものではないが、例えば、用紙や布帛が適用される。媒体積載部13では、記録媒体Pの積載量に応じてプレートが上下方向に移動することで、最上部の記録媒体Pが略水平に位置合わせ部14に順次送り出される。
【0017】
位置合わせ部14は、記録媒体Pの位置、特に記録媒体Pの搬送方向に垂直な幅方向について所定の位置に合わせるガイド部材などを備えている。そして、位置合わせ部14は、適切な位置及びタイミングで第1搬送部4に記録媒体Pを送り出す。
【0018】
[媒体加熱部]
媒体加熱部3は、複数の加熱ローラー15と、空気ヒーター16とを有している。媒体加熱部3は、複数の加熱ローラー15により記録媒体Pを上下方向の両側から挟み込み、加熱ローラー15の回転動作により記録媒体Pを搬送しながら記録媒体Pを加熱する。複数の加熱ローラー15には、不図示の媒体ヒーターが設けられている。そして、加熱ローラー15は、媒体ヒーターによりその表面が加熱された記録媒体Pに伝えることで、記録媒体Pを加熱する。媒体ヒーターとしては、例えば、電流によりジュール熱を生じる電熱シートなどが用いられる。
【0019】
また、加熱ローラー15から第1搬送部4の一部に亘って加熱室36が設けられている。加熱室36には、空気ヒーター16が配置されている。空気ヒーター16により加熱室36の温度が一定に保たれて、加熱ローラー15による加熱された記録媒体Pの温度むらを軽減する。これにより、記録媒体Pを、略一様な温度とすることができる。空気ヒーター16としては、例えば、赤外線を照射する赤外線ヒーターなどが挙げられる。
【0020】
加熱室36は、記録媒体Pが後述する第1搬送部4を構成する搬送ベルト22の載置面上に載置される区間のうち搬送方向について上流部分の一部を囲うように設けられている。そして、記録媒体Pは、この加熱室36の内部で搬送ベルト22上に載置される。
【0021】
[第1搬送部]
第1搬送部4は、駆動ローラー20と、従動ローラー19と、無端状の搬送ベルト22と、第1吸着部21と、押圧ローラー17と、第1押圧モータ18とを備えている。
【0022】
無端状の搬送ベルト22は、ここでは、例えば、スチールベルトが用いられている。搬送ベルト22は、駆動ローラー20と従動ローラー19との間に架け渡されて周回移動(移動動作)する。記録媒体Pは、搬送ベルト22の外周面の面(記録媒体Pの載置面)が上向きで、かつ水平に移動する区間において当該載置面に載置されて搬送ベルト22の周回移動に伴って搬送される。この区間では、記録媒体P及び搬送ベルト22は、後述する記録部8の各キャリッジ8Y、8M、8C、8Kのノズルからインクが吐出される面(インク吐出面)と対向する。搬送ベルト22は、載置面側から当該載置面とは反対側の面へと空気が通過可能に両面間を貫通する多数の開口が所定のパターンで設けられた構造となっている。
【0023】
押圧ローラー17は、第1押圧モータ18の動作に従って記録媒体Pが搬送ベルト22の載置面に載置される際に、記録媒体Pの載置面からの浮き上がりを防止(抑制)して、記録媒体Pを再起面に密着させながら搬送方向に移動させる。押圧ローラー17は、記録媒体Pが圧縮されない程度に記録媒体Pを押圧し、押圧ローラー17の表面の移動速度が搬送ベルト22の移動速度と同一となるように回転速度が制御される。なお、押圧ローラー17は、回転駆動されず、記録媒体Pの移動に従って回転するのみの構成であってもよい。
【0024】
第1吸着部21は、記録媒体Pを搬送ベルト22の載置面に吸着させる。第1吸着部21は、例えば、載置面をなす搬送ベルト22を、載置面と反対側の面で支える不図示の支持板と、不図示の吸引ファンとを有する。吸引ファンは、搬送ベルト22の内周面に囲まれた内部に設けられている。また、支持板には、吸引ファンの動作による搬送ベルト22の載置面側から吸引ファンまで吸引された空気が通過可能となるように多数の透過孔が設けられている。或いは、支持板としては、人工的に設けられた透過孔を有する支持板の変わりに多孔質体を用いることもできる。
【0025】
[記録部]
記録部8は、記録媒体Pの搬送方向において媒体加熱部3よりも下流側に設けられている。記録部8は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色について個別に設けられたキャリッジ8Y、8M、8C、8Kを有する。キャリッジ8Y、8M、8C、8Kは、例えば、記録媒体Pの搬送方向に対して上流側からキャリッジ8Y、8M、8C、8Kの順に配置されている。
【0026】
キャリッジ8Y、8M、8C、8Kは、それぞれ、記録媒体Pの搬送方向に直交する方向(記録媒体Pの幅方向)において記録媒体Pの全体を覆う長さ(幅)に設定されている。すなわち、インクジェット記録装置1は、ワンパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。4つのキャリッジ8Y、8M、8C、8Kは、それぞれ吐出するインクの色が異なるのみで、互いに同一の構成を有している。
【0027】
キャリッジ8Y、8M、8C、8Kは、それぞれインクを吐出するノズルが設けられたインクジェットヘッド241(
図2参照)を有している。そして、各キャリッジ8Y、8M、8C、8Kにおけるインクジェットヘッド241の複数のノズルからは、それぞれのキャリッジ8Y、8M、8C、8Kに対応した色のインクが吐出される。ノズルから吐出されたインクは、記録媒体Pの記録部8と対向する面(記録面)に着弾する。本例では、Y、M、C、Kの各色のインクが各キャリッジ8Y、8M、8C、8Kから記録媒体Pに順に吐出されることで、記録媒体P上に所望の画像を形成することができる。
【0028】
なお、各キャリッジ8Y、8M、8C、8Kには、インクラック60に収容されたインクタンク220(
図2参照)からインクが供給される。また、記録部8及びインクラック60の詳細な構成については、後述する。
【0029】
また、本例のインクジェット記録装置1で用いられるインクは、紫外線(UV)硬化型のインクである。このUV硬化型のインクは、UVが照射されない状態では、ゲル状態と液体(ゾル)状態との間で相変化する。時間経過によってインクを構成する材料が分離してゲル状態に変化し、撹拌することで、インクを構成する材料が混ざり合い液体状態に変化する。
【0030】
[第2搬送部]
第2搬送部5は、第1搬送部4により搬送されてきた記録媒体Pを受けて、定着部9による紫外線の照射区間を通過させながら、記録媒体Pを搬送する。第2搬送部5は、駆動ローラー26と、従動ローラー25と、無端状の搬送ベルト27と、第2吸着部28と、押圧ローラー23、24と、第2押圧モータ37と、冷却部10とを有する。第2搬送部5の構成は、押圧ローラー17の代わりに2つの押圧ローラー23、24が設けられている点を除き、第1搬送部4の構成と同様であるので、第2搬送部5の詳しい説明は省略する。
【0031】
2つの押圧ローラー23、24は、記録媒体Pの幅方向の両端をそれぞれ押圧する。第1搬送部4上で記録部8により吐出されて記録媒体Pに着弾したインクは、第2搬送部5に受け渡された時点では、記録媒体Pに定着されていない。従って、この状況でインクの着弾部分を押圧して着弾したインクを乱さないように、2つの押圧ローラー23、24は、幅方向の両端の余白部分のみを押圧する。2つの押圧ローラー23、24の幅方向についての位置は、ユーザーにより変更可能となっている。
【0032】
なお、2つの押圧ローラー23、24の幅方向の位置については、制御部100の制御で変更してもよい。
【0033】
第2搬送部5の搬送ベルト27の外周面(載置面)のうち記録媒体Pが載置されて平行移動される区間の高さは、第1搬送部4の搬送ベルト22の外周面(載置面)のうち記録媒体Pが載置されて平行移動される区間の高さと等しく定められている。このように、記録媒体Pが第1搬送部4の搬送ベルト22から第2搬送部5の搬送ベルト27に直接受け渡されることで、当該記録媒体Pの高さが変化せずに、単一平面内で移動搬送される。
【0034】
ここでいう等しいとは、厳密に等しい場合に限られず、通常の機械装置の組み立て設定で目視上略等しい程度の精度で十分であり、例えば、1cm以下程度、より好ましくは1mm以下程度の範囲内で等しいことをいう。
【0035】
[定着部]
定着部9は、搬送ベルト27の載置面において、記録媒体Pに着弾したインクを記録媒体Pに定着させる。定着部9は、不図示の紫外線の照射部を備え、この照射部を用いて記録媒体P上の紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射する。
【0036】
定着部9から照射される紫外線は、搬送ベルト27の載置面に記録媒体Pが載置される区間において、大きいむら(紫外線強度のばらつき)が発生することなく、記録媒体Pに照射されるのが好ましい。
【0037】
また、定着部9には、遮光板29が設けられている。遮光板29は、定着部9の区間外に漏れる紫外線強度を低減させるために、定着部9による紫外線の照射範囲を囲うように配置される。遮光板29は、例えば、定着部9における照射部が設けられる位置よりも搬送ベルト27側に延在し、かつ、搬送ベルト27に接触しない程度の長さの板状部材で構成される。
【0038】
また、インクの種別に応じて、定着部9及び紫外線の照射範囲を含む領域を筐体内に収容し、筐体内に、例えば、窒素ガスなどの特定の気体を充填することで、定着部9における定着の効果を向上させることができる。また、筐体を設けない場合にも、遮光板29で囲われた領域内に特定の気体を充填させて同様の効果を得ることもできる。定着部9及び紫外線の照射範囲を含む所定の領域に特定の気体を充填させる場合。気体が充填された空間に熱がこもらないようにするため、気体の循環冷却や筐体の冷却などを適宜行うことが好ましい。
【0039】
なお、定着部9に設けられる照射部としては、低圧水銀ランプの他、数百Pa~1MPa程度の動作圧力を有する水銀ランプ、殺菌灯として利用可能な光源、冷陰極管、紫外線レーザー光源、メタルハライドランプ、発光ダイオードなどが挙げられる。これらの中で、紫外線をより高照度で照射可能であって消費電力の少ない光源(例えば発光ダイオード等)がより望ましい。
【0040】
なお、定着部9としては紫外線を照射するものに限定されるものではなく、インクの性質に応じてインクを硬化させる性質を有するエネルギー線を照射するものであればよく、光源もエネルギー線の波長などに応じて置換される。さらに、定着部9としては、紫外線等の光を照射するものに限定されるものではない。定着部9としては、例えば、用紙に熱を与えることでインクを乾燥させたり、インクに化学的な変化を起こさせる液体を付与させたりするもの等その他各種の方法を適用できるものである。
【0041】
[冷却部]
冷却部10は、定着部9の動作による記録媒体P上のインクの定着に係る発熱、及び定着部9自体の発熱に伴って加熱された第2搬送部5の搬送ベルト27を冷却する。冷却部10は、例えば、冷却ファンを有し、当該冷却ファンの動作により第2搬送部5の搬送ベルト27を空冷する。冷却部10は、搬送ベルト27の載置面に記録媒体Pが載置されない区間において当該載置面と対向して設けられる。
【0042】
なお、冷却部10は、ここでは、第2搬送部5の搬送ベルト27を冷却する構成として設けられたが、定着部9の紫外線の照射部自体を冷却する構成を備えて、長時間の画像記録時における照射部の過熱を防止する構成であっても良い。
【0043】
[媒体排出部]
媒体排出部7は、記録媒体Pの搬送方向における定着部9の下流側に設けられている。媒体排出部7は、第2搬送部5により搬送された記録媒体Pを載置して保持する。媒体排出部7は、平板状の排出トレー35を備えている。そして、排出トレー35上に画像記録の終了した記録媒体Pが順番に重ねられていく。排出トレー35は、記録媒体Pが第2搬送部5の搬送面から送り出し可能なように当該搬送面よりも低く配置されており、載置された記録媒体Pの分量によって上下可能であっても良い。
【0044】
1-2.記録部8及びインクラック60の構成
次に、
図2を参照して記録部8及びインクラック60の構成について説明する。
図2は、記録部8及びインクラック60を示す概略構成図である。
【0045】
図2に示すように、記録部8のキャリッジ8Yは、インクジェットヘッド241と、不図示のヘッド駆動部を有している。ヘッド駆動部が駆動することで、インクジェットヘッド241からインクが吐出する。
【0046】
また、インクラック60には、Y、M、C、Kの各色に対応したインクが収容された複数のインクタンク220が設けられている。そして、インクジェットヘッド241とインクタンク220は、配管242により接続されている。
【0047】
配管242には、供給ポンプ243と、逆止弁244と、フィルタ245が設けられている。供給ポンプ243が駆動することで、インクタンク220内のインクが配管242を通り、インクジェットヘッド241に供給される。フィルタ245は、配管242を通過するインクからゴミを除去する。逆止弁244は、配管242を通過するインクがインクタンク220に逆流することを防止する。
【0048】
図3は、インクタンク220を示す概略構成図である。
図3に示すように、インクタンク220には、撹拌機構221と、重量センサ222と、蓋部材223が設けられている。インクタンク220は、中空の容器状に形成されている。インクタンク220には、インクQ1を補充するための補充口が設けられている。この補充口は、蓋部材223により閉じられている。
【0049】
撹拌機構221は、モータ231、変速機232と、回転軸233と、撹拌羽根234とを有している。モータ231及び変速機232は、蓋部材223に設置されている。変速機232は、モータ231の出力軸に接続されており、モータ231の回転数を変速する。変速機232の出力軸には、回転軸233が接続されている。
【0050】
回転軸233は、変速機232に出力軸に接続されて、インクタンク220の内部に向けて延びている。回転軸233における変速機232とは反対側の端部には、撹拌羽根234が設けられている。モータ231が駆動することで、回転軸233及び撹拌羽根234が回転する。撹拌羽根234が回転することで、インクタンク220に収容されたインクQ1が撹拌される。
【0051】
インクタンク220は、重量センサ222の上に載置されている。インク量取得部の一例を示す重量センサ222は、インクタンク220内のインクQ1の重量を検出する。
【0052】
1-3.制御系の構成例
次に、インクジェット記録装置1の制御系の構成について
図4を参照して説明する。
図4は、インクジェット記録装置1におけるインクタンク220の制御系の構成を示すブロック図である。
【0053】
図4に示すように、各色のインクタンク220には、モータ231を駆動するモータドライバ235が設けられている。なお、モータ231としては、DCモータが適用される。モータドライバ235には、給電回路105から電流が供給される。また、モータドライバ235と給電回路105の間には、不図示のモータ電源制御素子が設けられている。そして、モータドライバ235及びモータ電源制御素子は、後述する制御部100からの駆動制御信号に基づいて、モータ231を駆動し、撹拌動作を行う。
【0054】
インクジェット記録装置1は、インクタンク220を制御する制御部100を有している。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)と、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、を有する。
【0055】
さらに、制御部100は、残置期間取得部101と、撹拌時間設定部102と、駆動制御部103とを有している。残置期間取得部101は、インクタンク220の残置期間を取得する。残置期間は、前回、撹拌機構221によりインクタンク220に収容したインクを撹拌してからの時間である。また、残置期間取得部101は、複数のインクタンク220全体の残置期間を取得してもよく、複数のインクタンク220ごとに残置期間を取得してもよい。
【0056】
さらに、残置期間取得部101は、記録部8による画像形成情報や、インクジェット記録装置1の電源投入情報に基づいて、残置期間を取得する。記録部8による画像形成情報からの残置期間は、画像形成処理を行ってからの時間である。そして、インクジェット記録装置1の電源投入の情報からの残置期間は、インクジェット記録装置1の電源がOFFになってからの時間である。
【0057】
また、残置期間取得部101は、取得した残置期間情報を撹拌時間設定部102に出力する。撹拌時間設定部102は、残置期間取得部101から取得した残置期間情報と、各インクタンク220の重量センサ222からインク量情報を取得する。
【0058】
なお、インク量取得部として、重量センサ222を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。インク量取得部としては、例えば、インクタンク220内に収容されたインクQ1の液面の高さを検出する液面センサを適用してもよい。そして、液面センサが検出した情報に基づいて、インクタンク220に収容されたインクQ1の体積を
算出し、この体積からインク量を算出してもよい。
【0059】
または、インクタンク220から排出されたインクの排出量やインクの使用量を検出する使用量センサを適用してもよい。そして、撹拌時間設定部102や、制御部100は、使用量センサからの情報に基づいて、インクQ1の収容量から排出量や使用量を減算することで、インクタンク220内のインク量を算出してもよい。さらに、インクの使用量としては、例えば、記録部8による画像形成情報から算出してもよい。
【0060】
撹拌時間設定部102は、インクの状態情報の一例を示す、残置期間情報と、インク量情報に基づいて、インクの撹拌が安定するまでの撹拌に要する時間(以下、「撹拌時間」と称す)を設定する。撹拌時間の設定は、インクの状態情報から計算で算出してもよい。あるいは、撹拌時間設定部102に、インクの状態情報と負荷推移からなる負荷推移テーブルを格納し、この負荷推移テーブルから撹拌時間を設定してもよい。
【0061】
図5Aから
図5Dは、撹拌時間設定部102に格納された負荷推移テーブルである。
図5Aから
図5Dに示す縦軸は駆動負荷を示しておりインクタンク220のモータ231の消費電流(A)を示し、横軸は経過時間(分)を示している。
【0062】
図5Aは、インクの放置時間(残置期間)が所定の期間に達していない状態、すなわちインクが適度に撹拌されている状態を示している、また、インクタンク220に収容されているインク量が100%、すなわち満杯の状態を示している。また、
図5Bから
図5Dは、インクの放置時間(残置期間)が所定の期間を超えた状態、すなわち長期保管状態を示しており、インクを構成する材料が分離状態を示している。そして、
図5Bは、インク量が100%、
図5Cは、インク量が50%、
図5Dは、インク量が25%の状態を示している。
【0063】
また、撹拌時間は、駆動負荷が安定する時間、すなわち撹拌を開始してから駆動負荷が一定の値に推移するまで時間である。そして、
図5Aに示す通常状態での撹拌時間は、T1となる。
【0064】
また、インクの残置期間が長くなるほど、インクの粘度が増加するため、撹拌時間が長くなる。そのため、
図5Bに示すように、長期保管・100%補給状態での撹拌時間T2は、通常の撹拌時間T1よりも長くなる。
【0065】
さらに、撹拌時間は、インク量に応じて変化する。そのため、
図5Cに示す長期保管・50%補給状態での撹拌時間T3は、通常の撹拌時間T1よりも長く、
図5Bに示す撹拌時間T2よりも短くなる。そして、
図5Dに示す長期保管・25%補給状態での撹拌時間T4は、通常の撹拌時間T1と略等しくなる。
【0066】
なお、
図5Aから
図5Dに示す負荷推移テーブルでは、残置期間として、長期放置と放置無しの2つの状態を示したが、これに限定されるものではなく、残置期間をより細かく分けてもよい。さらに、インク量として、100%、50%、25%の状態を示したが、これに限定されるものではなく、インク量をより細かく分けてもよく、あるいは、もっと大まかに分けてもよい。
【0067】
撹拌時間設定部102は、設定した撹拌時間情報を駆動制御部103に出力する。駆動制御部103は、各インクタンク220のモータドライバ235及びモータ電源制御素子に接続されている。駆動制御部103は、撹拌時間情報に基づいて、駆動制御信号を生成する。そして、駆動制御部103は、生成した駆動制御信号を各インクタンク220のモータドライバ235及びモータ電源制御素子に出力する。モータドライバ235及びモータ電源制御素子は、駆動制御信号に基づいて、モータ231を駆動し、撹拌動作を行う。
【0068】
2.インクジェット記録装置の動作例
次に、上述した構成を有するインクジェット記録装置1の動作例について
図5及び
図6を参照して説明する。また、以下の説明では、インクジェット記録装置1の電源投入時や画像形成処理の開始時等における各インクタンク220の初期化撹拌動作について説明する。
【0069】
図6は、インクタンクの初期化撹拌動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、インクジェット記録装置1の電源投入時や画像形成処理の開始時等において、まず、撹拌時間設定部102は、インクの状態情報を取得する(ステップS11)。ステップS11の処理において、撹拌時間設定部102は、インクの状態情報として、残置期間取得部101から残置期間情報を取得し、インクタンク220の重量センサ222からインク量情報を取得する。
【0070】
次に、撹拌時間設定部102は、取得したインクの状態情報に基づいて撹拌時間を設定する(ステップS12)。ステップS12の処理において、撹拌時間設定部102は、例えば、インクの状態情報に基づいて、対応する負荷推移テーブル(
図5Aから
図5D参照)を選択する。そして、撹拌時間設定部102は、選択した負荷推移テーブルに基づいてインクの撹拌時間を設定する。
【0071】
次に、撹拌時間設定部102は、設定した撹拌時間を駆動制御部103に出力する。そして、駆動制御部103は、撹拌時間設定部102から取得した撹拌時間に基づいて、駆動制御信号を生成する。そして、駆動制御部103は、生成した駆動制御信号をインクタンク220のモータドライバ235及びモータ電源制御素子に出力する。これにより、インクタンク220の撹拌機構221は、設定した撹拌時間でインクの撹拌を実施する(ステップS13)。これにより、インクタンク220の初期化撹拌動作が完了する。
【0072】
そのため、例えば、インクの残置期間が通常の場合では、撹拌時間は、
図5Aに示す最短となるT1となる。また、インクの残置期間が長期保管で、かつインク量が50%の場合は、撹拌時間は、インク量が100%の場合の撹拌時間T2よりも
図5Cに示すT3に設定される。このように、本例の動作例によれば、インクの残置期間及びインク量等のインクの状態に応じて最適な撹拌時間を設定することができる。
【0073】
3.変形例
次に、上述した本例のインクジェット記録装置1における初期化撹拌動作の変形例について
図7及び
図8を参照して説明する。
図7は、
図5Bに示す例よりもモータ231の回転速度を20%低減した際の、撹拌時間及び負荷電流の推移の関係を示す負荷推移テーブルである。また、
図8は、変形例にかかる初期化撹拌動作を示す説明図である。
【0074】
インクが長期保管された場合、インクの粘度が増大し、撹拌開始直後におけるモータ231にかかる負荷も増大する。そのため、モータ231にかかる負荷を減少させるためには、モータ231の回転速度を低減させることが好ましい。しかしながら、
図7に示すように、モータ231の回転速度を低減させた場合、撹拌時間T5は、
図5Bに示す高速回転時の撹拌時間T2よりも長くなる。
【0075】
そのため、モータ231の回転速度を低減させても撹拌時間の短縮を図るために、
図8に示すように、撹拌開始初期では、モータ231を第1回転速度である低速で回転させて、負荷の増加を抑制する。そして、予め設定した切換時間T6を経過した後、モータ231を第2回転速度である高速で回転させる。これにより、撹拌時間T7は、
図7に示す常にモータ231を低速で回転させた際の撹拌時間T5よりも短縮することができる。
【0076】
撹拌時間設定部102は、
図7に示す負荷推移テーブルから、駆動負荷が閾値以下となる時間をモータ231の回転速度を切り換える切換時間T6に設定する。これにより、給電回路105からモータドライバ235に供給される電流を計測する電流値センサを用いることなく、モータ231の回転速度を所望の時間に切り換えることができる。
【0077】
また、
図7に示す低速駆動時の負荷推移テーブルは、インク量及びインクの残置期間等のインクの状態毎に、予め複数作成され、撹拌時間設定部102に格納される。これにより、インクの状態に応じて、所望の切換時間T6を設定することができ、モータ231にかかる負荷を低減し、かつ撹拌時間の短縮を図ることができる。
【0078】
なお、給電回路105からモータドライバ235に供給される電流を計測する電流値センサを設け、電流値センサが計測した情報、すなわち実測値に基づいて、モータ231の回転速度や、撹拌時間を設定してもよい。
【0079】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0080】
また、上述した実施の形態例では、記録媒体として用紙を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、記録媒体としては、例えば、布帛、プラスチックフィルム、ガラス板等その他各種の記録媒体を適用できるものである。
【0081】
また、上述した実施の形態例では、撹拌時の負荷として、消費電流を適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、負荷としては、例えば、モータ231にかかるトルクを適用してもよい。
【0082】
さらに、インクタンクとして、各色それぞれメインタンクとサブタンクの2つのタンクを有するインクジェット記録装置にも適用できるものである。
【0083】
また、前回の初期化撹拌動作時の負荷推移情報を電流値センサで計測し、記憶部に格納する。そして、この前回の負荷推移情報に基づいて、現在の初期化撹拌動作におけるインクタンク220の撹拌時間を設定してもよい。
【0084】
さらに、制御部としては、インクタンク220の撹拌機構221や給電回路105を制御する制御部を適用してもよく、あるいはインクジェット記録装置1全体を制御する制御部を適用してもよい。
【0085】
また、インクの状態情報としては、インクを構成する材料の分離状態を、インクの残置期間から推測してもよい。そして、インクの分離状態に基づいて作成された負荷推移テーブルから撹拌時間を設定してもよい。あるいは、インクの分離状態から計算で撹拌時間を算出してもよい。
【0086】
また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウエアで実現してもよい。また、上記の各構成要素、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0087】
1…インクジェット記録装置、 2…媒体供給部、 3…媒体加熱部、 8…記録部、 8Y、8M、8C、8K…キャリッジ、 9…定着部、 10…冷却部、 60…インクラック、 100…制御部、 101…残置期間取得部、 102…撹拌時間設定部、 103…駆動制御部、 105…給電回路、 220…インクタンク、 221…撹拌機構、 222…重量センサ(インク量取得部)、 223…蓋部材、 231…モータ、 232…変速機、 233…回転軸、 234…撹拌羽根、 235…モータドライバ、 241…インクジェットヘッド