(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】車両用ルーバ
(51)【国際特許分類】
B60H 1/34 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B60H1/34 611B
B60H1/34 651B
(21)【出願番号】P 2020021643
(22)【出願日】2020-02-12
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 道生
(72)【発明者】
【氏名】近藤 葵
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-103954(JP,A)
【文献】特開2011-148455(JP,A)
【文献】特開2017-154526(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03173269(EP,A1)
【文献】特開2019-055647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
F24F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの空調吹出口に挿入され該インストルメントパネルの内部から乗員側へ空調風を通過させるトンネル状のケース体と、
前記ケース体の内側に差し渡された薄板状の複数のフィンであって、互いに平行に配置され空調風の風向を調整する複数のフィンと、
前記複数のフィンに含まれる各フィンの前記差し渡された方向の端部から突出している軸と、
前記ケース体の後端に取付けられ前記軸が回転自在に挿入される軸受部品と、
前記軸受部品を覆う加飾部品とを備え、
前記軸受部品は、前記ケース体の後端よりも乗員側に突出してい
る挿入孔であって、前記軸が挿入される挿入孔を有し、
前記軸から前記各フィンの後端までの寸法は、前記挿入孔から前記加飾部品の後端までの寸法と同一であ
り、
前記軸受部品はさらに、
前記ケース体の後端に沿って取付けられた本体と、
前記本体から前記各フィンに向かって膨出した膨出部とを有し、
前記膨出部に前記挿入孔が形成されていて、
前記加飾部品は、前記軸受部品の膨出部を取り巻くように覆っていて、前記膨出部に向かって突出したリブを有し、
前記軸受部品はさらに、前記膨出部に形成され前記リブに係合する溝部を有することを特徴とする車両用ルーバ。
【請求項2】
前記軸受部品はさらに、前記本体と前記膨出部とをつなぐ連結部を有することを特徴とする請求項
1に記載の車両用ルーバ。
【請求項3】
前記連結部は、車両後方に向かうほど前記各フィンに近づくように傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項
2に記載の車両用ルーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ルーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両のインストルメントパネルには、車両用ルーバが設置されている。車両用ルーバは、インストルメントパネルの空調吹出口に取付けられ、インストルメントパネルの内部から乗員側へ空調風を吹き出す。また車両用ルーバは、横向きおよび縦向きの複数のフィンを備えていて、これら複数のフィンによって空調風の風向を変えることができる。
【0003】
特許文献1には、ケース体と、風向調整用ハウジング体と、スペーサと、フロントフィニッシャーとを備えた風向調整装置(車両用ルーバ)が記載されている。ケース体は、その両側前部に設けられ外側に突出したスペーサ挿通凹部と、スペーサ係止孔とを有する。風向調整用ハウジング体には、複数のルーバ(フィン)が組付けられていて、さらに両側面には回動軸が設けられている。
【0004】
スペーサは、風向調整用ハウジング体の回動軸が嵌合する貫通孔である回動軸受け部と、ケース体のスペーサ係止孔に係止する係止突部とを有する。フロントフィニッシャーの裏面側には、ケース体のスペーサ挿通凹部に当接するリブが設けられている。なおフロントフィニッシャーは、意匠面を形成する加飾部品である。
【0005】
特許文献1の風向調整装置では、組立時に、まずスペーサの回動軸受け部に風向調整用ハウジング体の回動軸を嵌合し、ケース体のスペーサ挿通凹部にスペーサを挿通する。つぎに、スペーサの係止突部をケース体のスペーサ係止孔に係止することにより、ケース体に固定する。続いて、フロントフィニッシャーをケース体の乗員側面から係止する。これにより、スペーサは、ケース体のスペーサ挿通凹部とフロントフィニッシャーのリブとにより確実に固定される。このようにして特許文献1では、風向調整装置が組み立てられる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の風向調整装置では、スペーサがケース体に固定された状態で、スペーサの貫通孔である回動軸受け部が、ケース体の乗員側の後端よりも車両前方に位置している。このため特許文献1では、フィンの後端と、意匠面を形成するフロントフィニッシャーの後端とを揃えて見栄えをよくするためには、フィンを車両後方すなわち乗員側に延ばす必要があり、重量が増加してしまう。また、空調風の風向を変えるためにフィンを動かすと、フィンの後端と意匠面とがずれてしまい、見栄えが損なわれて商品性が低下する可能性があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、フィンの軽量化を図るとともに、見栄えが損なわれない車両用ルーバを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両用ルーバの代表的な構成は、車両のインストルメントパネルの空調吹出口に挿入されインストルメントパネルの内部から乗員側へ空調風を通過させるトンネル状のケース体と、ケース体の内側に差し渡された薄板状の複数のフィンであって、互いに平行に配置され空調風の風向を調整する複数のフィンと、複数のフィンに含まれる各フィンの差し渡された方向の端部から突出している軸と、ケース体の後端に取付けられ軸が回転自在に挿入される軸受部品と、軸受部品を覆う加飾部品とを備え、軸受部品は、ケース体の後端よりも乗員側に突出していて、軸が挿入される挿入孔を有し、軸から各フィンの後端までの寸法は、挿入孔から加飾部品の後端までの寸法と同一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィンの軽量化を図るとともに、見栄えが損なわれない車両用ルーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る車両用ルーバをインストルメントパネルとともに概略的に示す図である。
【
図2】
図1の車両用ルーバの要部を示す図である。(a)は、車両用ルーバの概要を示す斜視図である。(b)は、
図2(a)の一部を省略した状態を示す図である。
【
図3】
図2(a)の車両用ルーバを乗員側から見た正面図である。
【
図6】
図3の車両用ルーバの一部を上方から見た状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る車両用ルーバの代表的な構成は、車両のインストルメントパネルの空調吹出口に挿入されインストルメントパネルの内部から乗員側へ空調風を通過させるトンネル状のケース体と、ケース体の内側に差し渡された薄板状の複数のフィンであって、互いに平行に配置され空調風の風向を調整する複数のフィンと、複数のフィンに含まれる各フィンの差し渡された方向の端部から突出している軸と、ケース体の後端に取付けられた軸が回転自在に挿入される軸受部品と、軸受部品を覆う加飾部品とを備え、軸受部品は、ケース体の後端よりも乗員側に突出していて、軸が挿入される挿入孔を有し、軸から各フィンの後端までの寸法は、挿入孔から加飾部品の後端までの寸法と同一であることを特徴とする。
【0013】
上記構成では、フィンの軸部からフィンの後端までの寸法と、軸受部品の挿入孔から加飾部品の後端までの寸法とが同一である。このため、フィンの後端と加飾部品の後端とが面一になり、加飾部品が形成する意匠面とフィンの後端とが揃うため、見栄えがよく商品性を高めることができる。
【0014】
また、軸受部品の挿入孔がケース体の後端よりも乗員側に突出して設けられているため、フィンの後端近くに軸部を設定することができ、軸部からフィンの後端までの上記寸法を小さくできる。したがって、フィンを軸部周りに回転させて空調風の風向を調整した場合であっても、フィンの後端は、加飾部品が形成する意匠面と揃った状態を維持するため、商品性が損なわれない。なお上記寸法を小さくすることで、フィンの軽量化を図ることもできる。
【0015】
また、軸受部品の挿入孔がケース体の後端よりも乗員側に位置していることで、挿入孔の深さ、すなわちフィンがケース体の内側に差し渡された方向に沿った寸法を確保できる。このため、フィンの軸部の支持剛性が向上し、軸部の脱落を防止することができる。さらに、加飾部品は、軸受部品に乗員側から重なるようにして軸受部品を覆って隠すことができるため、見栄えが損なわれない。
【0016】
上記の軸受部品はさらに、ケース体の後端に沿って取付けられた本体と、本体から各フィンに向かって膨出した膨出部とを有し、膨出部に挿入孔が形成されているとよい。このように、軸受部品が本体からフィンに向かって膨出した膨出部を有し、さらに膨出部に挿入孔を形成しているため、挿入孔の深さを確保できる。したがって、フィンの軸部の支持剛性が向上し、軸部の脱落を防止できる。また、軸受部品が膨出部を有する分だけ、フィンのうちケース体の内側に差し渡された寸法を小さくできるため、フィンの軽量化を図ることができる。
【0017】
上記の加飾部品は、軸受部品の膨出部を取り巻くように覆っていて、膨出部に向かって突出したリブを有し、軸受部品はさらに、膨出部に形成されリブに係合する溝部を有するとよい。これにより、加飾部品のリブと軸受部品の膨出部の溝部とを係合させることで、他の部品を追加することなく、軸受部品に加飾部品を取付けることができる。このため、他の部品を追加する必要がない分、軽量化を図ることができる。また、リブと溝部の係合によって加飾部品を軸受部品に取付けることができるため、加飾部品の脱落を防止できる。
【0018】
上記の軸受部品はさらに、本体と膨出部とをつなぐ連結部を有するとよい。このように、軸受部品は、連結部によって本体と膨出部がつながれるため、フィンの軸部の支持剛性が向上し、軸部の脱落を防止することができる。
【0019】
上記の連結部は、車両後方に向かうほど各フィンに近づくように傾斜する傾斜面を有するとよい。これにより、連結部の傾斜面を空調風が通過すると、空調風は、傾斜面によってフィンの中央側、すなわちフィンがケース体の内側に差し渡された方向の中央側に流れる。したがって、フィンは、空調風の風向をより確実に調整できる。
【実施例】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施例に係る車両用ルーバ100をインストルメントパネル102とともに概略的に示す図である。なお以下各図において、車両前後方向をそれぞれ矢印Front、Back、車幅方向の左右をそれぞれ矢印Left、Right、車両上下方向をそれぞれ矢印Up、Downで例示する。
【0022】
車両のインストルメントパネル102には、不図示の空調装置からの空調風が吹き出る空調吹出口104が設けられている。車両用ルーバ100は、空調吹出口104に取付けられ、空調風の風向を調整したり、乗員側に面していて車室内の見栄えをよくして商品性を高めたりしている。
【0023】
図2は、
図1の車両用ルーバ100の要部を示す図である。
図2(a)は、車両用ルーバ100の概要を示す斜視図である。
図2(b)は、
図2(a)の一部を省略した状態を示す図である。
図3は、
図2(a)の車両用ルーバ100を乗員側から見た正面図である。
【0024】
車両用ルーバ100は、ケース体106を備える。ケース体106は、車両前後方向が開口したトンネル状となっていて、インストルメントパネル102の空調吹出口104(
図1参照)に挿入され、インストルメントパネル102の内部から乗員側へ空調風を通過させる。ケース体106の上面108および下面110には、係合部112a、112b、112cおよび係合部114a、114b、114cがそれぞれ設けられている。ケース体105は、これらの係合部が、インストルメントパネル102の空調吹出口104の縁から車両前方に突出した爪部(不図示)と係合することで、空調吹出口104に取付けられる。
【0025】
ケース体106の内側には、薄板状の複数のフィンが差し渡されている。まず、ケース体106の乗員側には、車幅方向に延びていて、互いに平行に上下に離間して配置された横板フィン116、118、120が設けられている。つぎに、横板フィン116、118、120の奥側すなわち車両前側には、上下方向に延びていて互いに平行に車幅方向に離間して配置された複数の縦板フィン122、124、126、128が設けられている。
【0026】
横板フィン118には、ツマミ130が設けられている。ツマミ130は、各フィンの傾きを操作する部位である。車両用ルーバ100では、例えば乗員がツマミ130を把持して横板フィン118の上下方向の角度を変えることで、他の横板フィン116、120の角度も連動して変えることができる。また、ツマミ130は、縦板フィン122、124、126、128とも連動している。このため、車両用ルーバ100では、ツマミ130を横板フィン118の長手方向に沿って左右すなわち車幅方向に動かすことで、横板フィン116、118、120奥側に位置する縦板フィン122、124、126、128の左右の傾きを変えることができる。
【0027】
車両用ルーバ100はさらに、
図2(b)に示す左右の軸受部品132、134と、加飾部品136、138(
図2(a)および
図3参照)とを備える。なお
図2(b)は、
図2(a)から加飾部品136、138を省略した車両用ルーバ100を示している。加飾部品136、138は、軸受部品132、134に乗員側から重なるようにして軸受部品132、134を覆って隠し、さらに意匠面を形成することにより、見栄えをよくしている。
【0028】
軸受部品132、134は、
図2(b)に示すようにケース体106の後端140に沿って取付けられた本体142、144と、膨出部146、148(後述)とを有する。なお以下では、軸受部品132、134および横板フィン116の形状や位置関係を主に説明するが、他の横板フィン118、120の形状や軸受部品132、134との位置関係も同様である。
【0029】
図4は、
図3の車両用ルーバ100のA-A断面図である。横板フィン116は、図示のように軸150、152を有する。軸150、152は、横板フィン116の差し渡された方向すなわち車幅方向の端部154、156から突出した円形状の部位である。軸受部品132、134の膨出部146、148は、本体142、144から横板フィン116の端部154、156に向かって膨出している。また膨出部146、148には、円形状の挿入孔158、160が形成されている。この挿入孔158、160には、横板フィン116の軸150、152が回転自在に挿入される。
【0030】
また
図4に示すように、横板フィン116の軸150の軸心Eから横板フィン116の後端162までの寸法Laは、膨出部146の挿入孔158の軸心Fから加飾部品136の後端164までの寸法Lbと同一である。さらに横板フィン116の軸152の軸心Gから横板フィン116の後端162までの寸法Lcは、膨出部148の挿入孔160の軸心Hから加飾部品138の後端166までの寸法Ldと同一である。つまり、各寸法La、Lb、Lc、Ldは同一となっている。
【0031】
このように車両用ルーバ100では、各寸法La、Lb、Lc、Ldが同一であるため、横板フィン116の後端162と加飾部品136、138の後端164、166とが面一になる。したがって車両用ルーバ100によれば、加飾部品136、138が形成する意匠面と横板フィン116の後端162とが揃うため、見栄えがよく商品性を高めることができる。
【0032】
ここで軸受部品132、134では、
図4に示す膨出部146、148に形成された挿入孔158、160がケース体106の後端140よりも乗員側に突出し位置している。このため車両用ルーバ100では、挿入孔158、160に挿入される横板フィン116の軸150、152を、横板フィン116の後端162近くに設定できる。よって、軸部150、152から横板フィン116の後端162までの上記寸法La、Lcを小さくできる。
【0033】
したがって車両用ルーバ100では、横板フィン116を軸部150、152周りに回転させて空調風の風向を調整した場合であっても、横板フィン116の後端162は、加飾部品136、138が形成する意匠面と揃った状態を維持できる。このため、商品性が損なわれない。また、上記寸法La、Lcを小さくすることで、横板フィン116の軽量化を図ることもできる。
【0034】
また、軸受部品132、134の挿入孔158、160は、ケース体106の後端140よりも乗員側に位置していて、さらに膨出部146、148に形成されている。これにより、車両用ルーバ100では、挿入孔158、160の深さ、すなわち車幅方向に沿った寸法を確保できるため、横板フィン116の軸部150、152の支持剛性が向上し、軸部150、152の脱落を防止することができる。さらに、軸受部品132、134が膨出部146、148を有する分だけ、横板フィン116の車幅方向の寸法を小さくできるため、横板フィン116の軽量化を図ることができる。
【0035】
図5は、
図3の車両用ルーバ100のB-B断面図である。加飾部品136は、図示のように軸受部品132の膨出部146を取り巻くように覆っていて、膨出部146に向かって突出したリブ168、170を有する。
【0036】
軸受部品132はさらに、溝部172、174を有する。溝部172、174は、膨出部146に形成されリブ168、170に係合する。これにより、加飾部品136のリブ168、170と軸受部品132の膨出部146の溝部172、174とを係合させることで、他の部品を追加することなく、軸受部品132に加飾部品136を確実に取付けることができ、加飾部品136の脱落を防止できる。さらに、他の部品を追加する必要がない分、軽量化を図ることもできる。
【0037】
なお軸受部品132、134には、エラストマーを用いている。このため、横板フィン116の軸150、152と軸受部品132、134の挿入孔158、160とが、軸150、152の回動によってがたついてしまうことを、エラストマーの弾性力によって回避しつつ、適度な摩擦力による操作感を与えることができる。また、エラストマーを用いることによって、横板フィン116の軸150、152の回動に伴う異音の発生も防止できる。
【0038】
図6は、
図3の車両用ルーバ100の一部を上方から見た状態を示す図である。図中左側、右側はそれぞれ、
図3の矢印C、Dに示すように軸受部品132、134と横板フィン116、118、120を上方から見た状態を示している。なお図中では、ケース本体106を省略して示している。
【0039】
軸受部品132、134はさらに、連結部176、178を有する。連結部176、178は、本体142、144と膨出部146、148とをつなぐ部位である。このように軸受部品132、134では、連結部176、178によって本体142、144と膨出部146、148がつながれるため、横板フィン116の軸部150、152の支持剛性が向上し、軸部150、152の脱落を防止することができる。
【0040】
また、連結部176、178は、傾斜面180、182を有する。傾斜面180、182は、乗員側すなわち車両後方に向かうほど横板フィン116の端部154、156に近づくように傾斜している。このため、連結部176、178の傾斜面180、182を空調風が通過すると、空調風は、傾斜面180、182によって横板フィン116の車幅方向の中央側に流れる。したがって横板フィン116は、空調風の風向をより確実に調整できる。
【0041】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、車両用ルーバに利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
100…車両用ルーバ、102…インストルメントパネル、104…空気吹出口、106…ケース体、108…ケース体の上面、110…ケース体の下面、112a、112b、112c、114a、114b、114c…係合部、116、118、120…横板フィン、122、124、126、128…縦板フィン、130…ツマミ、132、134…軸受部品、136、138…加飾部品、140…ケース体の後端、142、144…本体、146、148…膨出部、150、152…軸、154、156…横板フィンの端部、158、160…挿入孔、162…横板フィンの後端、164、166…加飾部品の後端、168、170…リブ、172、174…溝部、176、178…連結部、180、182…傾斜面