(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】車両のバッテリ周辺構造、及びバッテリの搭載方法
(51)【国際特許分類】
F02B 77/11 20060101AFI20240312BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20240312BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240312BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F02B77/11 E
B60R16/04 M
B60R16/04 E
H02G3/16
B60R16/02 610A
(21)【出願番号】P 2020023254
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】楠元 慧
(72)【発明者】
【氏名】山内 一樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 瞭
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-076477(JP,U)
【文献】特開2018-069746(JP,A)
【文献】特開2019-069743(JP,A)
【文献】特開2012-158312(JP,A)
【文献】特開2005-067321(JP,A)
【文献】特開2018-161902(JP,A)
【文献】実開平06-037552(JP,U)
【文献】特開2017-171219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/04
H01M 50/20 - 50/298
F02B 77/11
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンに対して
車幅方向外側に隣接して配設されたバッテリトレーと、
車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、
前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され
、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁を備え、
前記バッテリトレーは、
前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、
前記縦壁は、
前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置
し、前記エンジンの車幅方向外側を前記バッテリトレーよりも車両前方の位置から車両後方へ向けて延設された部分の後端から前記エンジンの車両後方へ回り込むように車幅方向に延びる形状に形成された
車両のバッテリ周辺構造。
【請求項2】
車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーと、
車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、
前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁を備え、
前記バッテリトレーは、
前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、
前記縦壁は、
前記バッテリトレーに隣接するとともに、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置する第1の縦壁部と、
該第1の縦壁部の上端から前記エンジン側へ向けて延びる横壁と、
前記第1の縦壁部に対して水平方向に離間した第2の縦壁部とを備え、
前記第1の縦壁部と前記第2の縦壁部とで二重壁構造に構成された
車両のバッテリ周辺構造。
【請求項3】
前記第1の縦壁部と前記第2の縦壁部との間の内部空間に配設された車両部品を備えた
請求項2に記載の車両のバッテリ周辺構造。
【請求項4】
車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーと、
車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、
前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁と、
前記エンジンの上方及び側方を覆うカバー部材とを備え、
前記バッテリトレーは、
前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、
前記縦壁は、
前記バッテリトレーに隣接するとともに、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置する縦壁本体と、
該縦壁本体の上端から前記エンジン側へ向けて延びる横壁とを備え、
前記縦壁本体及び前記横壁は、前記カバー部材に形成された
車両のバッテリ周辺構造。
【請求項5】
車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーと、
車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、
前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁を備え、
前記バッテリトレーは、
前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、
前記縦壁は、
前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置する構成であり、
前記縦壁に対して前記バッテリトレーを挟んで水平方向に対向配置され、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上面が位置するヒューズボックスを備えた
車両のバッテリ周辺構造。
【請求項6】
前記バッテリは、
前記バッテリトレーに載置された状態において、前記縦壁の上端よりも車両下方に上面が位置する構成であり、
前記クランプボルトは、
前記バッテリトレーに載置された前記バッテリの上面よりも車両上方に、上端が位置する車両上下方向の長さで形成された
請求項1から
請求項5のいずれか1つに記載の車両のバッテリ周辺構造。
【請求項7】
車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーに、車両上方側からバッテリを載置するバッテリの搭載方法であって、
前記エンジンとの間に配設され
、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁に隣接するとともに、車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備えた前記バッテリトレーに対して、車両上方側から前記バッテリを載置する載置工程を備え、
該載置工程は、
作業者によって操作される助力装置によって前記バッテリを把持するとともに、水平方向及び車両上下方向へ前記バッテリを移動させながら、前記クランプボルトの上端に対して車両上方に上端が位置する前記縦壁よりも車両上方側から前記バッテリを載置する
バッテリの搭載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車などの車両において、バッテリが、クランプボルトを有するバッテリトレーに搭載された車両のバッテリ周辺構造、及びバッテリの搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、エンジンの始動用モーターや伝送機器に電力を供給するバッテリが、エンジンルームに設けたバッテリトレーに載置されている。
このバッテリは、比較的重量物であるため、例えば、車両組立工場では、作業者によって操作される助力装置を用いて、車両上方側からバッテリトレーに載置している(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、バッテリトレーは、車両上方から装着されたバッテリクランプとで、載置されたバッテリを挟持している。この際、バッテリクランプは、バッテリトレーに一体的に設けられた車両上下方向に延びるクランプボルトに締結されている。
【0004】
このため、バッテリをバッテリトレーに車両上方側から載置する場合、バッテリの底面が、クランプボルトの先端に接触することがある。特に、エンジンを覆うカバー部材や車体にバッテリトレーが近接配置された車両では、作業者がクランプボルトを視認し難いため、バッテリがクランプボルトにより接触し易くなる。
そして、バッテリトレーのクランプボルトにバッテリの底面が接触した場合、クランプボルトが変形する、あるいはバッテリが損傷するなどして、意図しない不具合が生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑み、バッテリとクランプボルトとの接触による意図しない不具合の発生を防止できる車両のバッテリ周辺構造、及びバッテリの搭載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、車両のエンジンに対して車幅方向外側に隣接して配設されたバッテリトレーと、車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁を備え、前記バッテリトレーは、前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、前記縦壁は、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置し、前記エンジンの車幅方向外側を前記バッテリトレーよりも車両前方の位置から車両後方へ向けて延設された部分の後端から前記エンジンの車両後方へ回り込むように車幅方向に延びる形状に形成されたことを特徴とする。
【0008】
上記車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されるとは、エンジンに対して車幅方向に隣接して配設される、あるいはエンジンに対して車両前後方向に隣接して配設されることをいう。
上記縦壁は、エンジンを覆うカバー部材の側壁、エンジンルーム内を分割するように設けられた隔壁、あるいはバッテリトレーに隣接して配置された車両部品などのことをいう。
【0009】
この発明により、バッテリトレーに対するバッテリの相対位置が水平方向に位置ズレした状態で、バッテリがバッテリトレーへ向けて降下した際、バッテリをクランプボルトよりも先に縦壁に接触させることができる。
この際、縦壁とバッテリとの接触面積が、クランプボルトとバッテリとの接触面積に比べて大きくなるため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリに作用する荷重を抑えることができる。
【0010】
このため、車両のバッテリ周辺構造は、クランプボルトの変形やバッテリの損傷を防止することができる。さらに、車両のバッテリ周辺構造は、水平方向におけるバッテリの位置ズレを、クランプボルトやバッテリの損傷を抑えて、作業者に認識させることができる。
これにより、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリとクランプボルトとの接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【0011】
さらに、この発明における前記バッテリトレーは、前記エンジンの車幅方向外側に隣接して配設され、前記縦壁は、前記エンジンの車幅方向外側に配設されるとともに、車両前後方向に延びる部分の後端から前記エンジンの車両後方へ回り込むように車幅方向に延びる形状に形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、車両上方からの荷重を車両前後方向へ分散伝達できるため、車両上下方向の荷重に対する縦壁の剛性を向上することができる。
【0012】
これにより、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリとの接触による縦壁の変形を抑制することができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、縦壁の変形によるバッテリとクランプボルトとの接触をより確実に阻止することができる。
【0013】
またこの発明は、車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーと、車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁を備え、前記バッテリトレーは、前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、前記縦壁は、前記バッテリトレーに隣接するとともに、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置する第1の縦壁部と、該第1の縦壁部の上端から前記エンジン側へ向けて延びる横壁と、前記第1の縦壁部に対して水平方向に離間した第2の縦壁部とを備え、前記第1の縦壁部と前記第2の縦壁部とで二重壁構造に構成されたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリをクランプボルトよりも先に接触させる縦壁の剛性を、より向上することができる。
このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレーに対するバッテリの相対位置が水平方向に位置ズレした状態で、バッテリがバッテリトレーへ向けて降下した際、バッテリとの接触によって、縦壁が変形することを防止できる。
【0015】
これにより、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリとクランプボルトとの接触をさらに防止することができる。
加えて、例えば、車両上方へ傾斜した横壁とした場合、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレーへ向けたバッテリの移動を、横壁の傾斜によって案内することができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレーへのバッテリの載置を容易にすることができる。
【0016】
さらに、この発明における前記縦壁は、前記縦壁本体である第1の縦壁部と、該第1の縦壁部に対して水平方向に離間した第2の縦壁部とを有する二重壁構造であることを特徴とする。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、縦壁の剛性をより一層向上することができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリとの接触による縦壁の変形をさらに抑制することができる。
したがって、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリとクランプボルトとの接触をさらに確実に防止することができる。
【0017】
また、この発明の態様として、前記第1の縦壁部と前記第2の縦壁部との間の内部空間に配設された車両部品を備えてもよい。
上記車両部品とは、例えば、エンジンに新気を導入する吸気配管、冷却水などの伝達媒体が流動する配管、バッテリと電装機器を接続するワイヤーハーネス、あるいは電機機器などのことをいう。
【0018】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、縦壁の内部空間を有効活用することができる。さらに、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレーに車両部品を近接配置する場合であっても、バッテリと車両部品との接触を防止することができる。
【0019】
またこの発明は、車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーと、車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁と、前記エンジンの上方及び側方を覆うカバー部材とを備え、前記バッテリトレーは、前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、前記縦壁は、前記バッテリトレーに隣接するとともに、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置する縦壁本体と、該縦壁本体の上端から前記エンジン側へ向けて延びる横壁とを備え、前記縦壁本体及び前記横壁は、前記カバー部材に形成されたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、例えば、エンジンを保温する機能とエンジンの音を遮音する機能とを有するカバー部材によって、バッテリとクランプボルトとの接触を防止することができる。
【0021】
このため、車両のバッテリ周辺構造は、カバー部材とは別体で縦壁本体、及び横壁を設けることを不要にできる。
よって、車両のバッテリ周辺構造は、部品点数の増加を抑えて、バッテリとクランプボルトとの接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【0022】
またこの発明は、車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーと、車両上方側から前記バッテリトレーに載置されるバッテリとを備えた車両のバッテリ周辺構造であって、前記エンジンと前記バッテリトレーとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁を備え、前記バッテリトレーは、前記縦壁に隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備え、前記縦壁は、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上端が位置する構成であり、前記縦壁に対して前記バッテリトレーを挟んで水平方向に対向配置され、前記クランプボルトの上端よりも車両上方に上面が位置するヒューズボックスを備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、縦壁とヒューズボックスとによって、クランプボルトの視認性がさらに低下することになる。このような場合であっても、車両のバッテリ周辺構造は、縦壁の上端がクランプボルトの上端よりも車両上方に位置するため、バッテリがクランプボルトに接触することを阻止できる。
【0024】
また、この発明の態様として、前記バッテリは、前記バッテリトレーに載置された状態において、前記縦壁の上端よりも車両下方に上面が位置する構成であり、前記クランプボルトは、前記バッテリトレーに載置された前記バッテリの上面よりも車両上方に、上端が位置する車両上下方向の長さで形成されてもよい。
【0025】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレーにバッテリを載置した状態であっても、バッテリの上面よりも車両上方にクランプボルトの先端を露出させることができる。
このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリの周辺に縦壁や車両部品が配設された場合であっても、バッテリクランプを容易にクランプボルトに締結することができる。
よって、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリとクランプボルトとの接触を防止するとともに、バッテリの組付け性を向上することができる。
【0026】
また、この発明は、車両のエンジンに対して水平方向に隣接して配設されたバッテリトレーに、車両上方側からバッテリを載置するバッテリの搭載方法であって、前記エンジンとの間に配設され、前記エンジンに対向するように前記バッテリトレーよりも車両下方の位置から車両上方へ向けて延設された縦壁に隣接するとともに、車両上方へ向けて延びるクランプボルトを備えた前記バッテリトレーに対して、車両上方側から前記バッテリを載置する載置工程を備え、該載置工程は、作業者によって操作される助力装置によって前記バッテリを把持するとともに、水平方向及び車両上下方向へ前記バッテリを移動させながら、前記クランプボルトの上端に対して車両上方に上端が位置する前記縦壁よりも車両上方側から前記バッテリを載置することを特徴とする。
この発明により、バッテリとクランプボルトとの接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【0027】
さらに、この発明における前記載置工程は、作業者によって操作される助力装置によって前記バッテリを把持するとともに、水平方向、及び車両上下方向へ前記バッテリを移動させながら、前記バッテリトレーに載置することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、バッテリの搭載方法は、バッテリトレーに対してバッテリが水平方向に位置ズレした場合であっても、バッテリとクランプボルトとの接触をより阻止して、バッテリトレーにバッテリを載置することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明により、バッテリとクランプボルトとの接触による意図しない不具合の発生を防止できる車両のバッテリ周辺構造、及びバッテリの搭載方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】車体に装着した状態におけるカバー部材の外観を示す外観斜視図。
【
図3】バッテリトレー近傍の外観を示す外観斜視図。
【
図4】
図1中のA-A矢視におけるバッテリ近傍の断面を示す断面図。
【
図7】水平方向にバッテリが位置ズレした状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態の車両は、エンジン、及びバッテリが車両前部に配設された車両である。このような車両におけるバッテリの周辺構造について、
図1から
図5を用いて説明する。
【0032】
なお、
図1は車両前部1の外観の平面図を示し、
図2は車体に装着した状態におけるカバー部材11の外観斜視図を示し、
図3はバッテリトレー8近傍の外観斜視図を示し、
図4は
図1中のA-A矢視におけるバッテリ7近傍の断面図を示し、
図5はカバー部材11の外観斜視図を示している。
【0033】
また、
図1中の二点鎖線はエンジンEを示している。さらに、
図2中において、図示を明確にするため、天板部材111の図示を省略している。
加えて、
図3中において、図示を明確にするため、バッテリ7の図示を省略するとともに、エプロンレインフォースメント3、サスタワー4、カバー部材11、及び吸気配管13を、車幅方向に沿った縦断面で図示している。
【0034】
また、図中において、矢印Fr及び矢印Rrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。さらに、矢印Rh及び矢印Lhは車幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。
【0035】
車両前部1は、
図1及び
図2に示すように、車幅方向に所定間隔を隔てた位置で、車両前後方向へ延びる左右一対のフロントサイドフレーム2、及び左右一対のエプロンレインフォースメント3を備えている。
さらに、車両前部1は、
図1及び
図2に示すように、フロントサイドフレーム2とエプロンレインフォースメント3とを連結する左右一対のサスタワー4、左右一対の連結部材5、及びダッシュパネル6を備えている。
【0036】
そして、車両前部1は、
図1及び
図2に示すように、左右のフロントサイドフレーム2と、左右のエプロンレインフォースメント3と、ダッシュパネル6とでエンジンルームS1を構成している。
【0037】
このエンジンルームS1には、
図1に示すように、車幅方向左側のサスタワー4の車両後方に、バッテリ7、バッテリトレー8(
図3参照)、バッテリクランプ9、及びヒューズボックス10が配設されている。
さらに、エンジンルームS1には、
図1及び
図2に示すように、車幅方向略中央に配設されたエンジンEと、エンジンEを覆うカバー部材11とが配設されている。
【0038】
より詳しくは、左右一対のフロントサイドフレーム2は、
図1及び
図2に示すように、車両前部1における車両下方を車両前後方向に延びる車体骨格部材である。このフロントサイドフレーム2は、車幅方向に沿った縦断面における断面形状が、閉断面となるように構成されている。
【0039】
また、左右一対のエプロンレインフォースメント3は、
図1及び
図2に示すように、フロントサイドフレーム2の車両上方、かつ車幅方向外側の位置に配設されている。このエプロンレインフォースメント3は、車幅方向に沿った縦断面における断面形状が、閉断面となるように構成されている。
なお、エプロンレインフォースメント3は、
図1に示すように、後端に対して前端が車幅方向内側に位置するように、車両前後方向に延びている。
【0040】
また、左右一対のサスタワー4は、車両のサスペンションを支持する支持部材である。このサスタワー4は、
図1及び
図2に示すように、フロントサイドフレーム2、及びエプロンレインフォースメント3における車両前後方向略中央を連結している。
【0041】
また、連結部材5は、
図1及び
図2に示すように、フロントサイドフレーム2の前端と、エプロンレインフォースメント3の前端を車両上下方向に連結している。
また、ダッシュパネル6は、
図2に示すように、車室内外を隔てる、すなわち車室とエンジンルームS1との間を隔てるパネル部材である。このダッシュパネル6の前面には、車両右側のフロントサイドフレーム2よりも車幅方向外側の位置に、ブレーキブースター12が固定されている。
【0042】
また、バッテリ7は、例えば、鉛バッテリであって、
図1に示すように、車幅方向左側のサスタワー4とダッシュパネル6との間に配設されている。
また、バッテリトレー8は、
図3及び
図4に示すように、バッテリ7が載置される合成樹脂部材であって、車体に固定されている。
また、バッテリクランプ9は、
図3及び
図4に示すように、バッテリトレー8とでバッテリ7を挟持する金属製部材である。
【0043】
また、ヒューズボックス10は、
図1及び
図4に示すように、車両左側のエプロンレインフォースメント3とバッテリ7との間に配設されている。
なお、バッテリトレー8、バッテリクランプ9、及びヒューズボックス10については、後ほど詳述する。
【0044】
また、エンジンEは、
図1に示すように、フロントサイドフレーム2の間に配設されている。このエンジンEは、例えば、縦置きエンジンとする。
また、カバー部材11は、
図1及び
図2に示すように、車幅方向外側、車両後方、及び車両上方から、エンジンEを覆う部材である。なお、カバー部材11は、エンジンEを保温する機能と、エンジンEの音を遮音する機能とを有している。
【0045】
このカバー部材11は、
図1に示すように、エンジンEの前端から後端近傍に至る車両前後方向の長さを有して、エンジンEを車両上方から覆う天板部材111を備えている。
さらに、カバー部材11は、
図2及び
図5に示すように、エンジンEの後部における右半分を覆う右内殻部材112と、右内殻部材112の下部を支持する右下外殻部材113と、右内殻部材112の上部を支持する右上外殻部材114とを備えている。
【0046】
加えて、カバー部材11は、
図2及び
図5に示すように、エンジンEの後部における左半分を覆う左内殻部材115と、左内殻部材115の下部を支持する左下外殻部材116と、左内殻部材115の上部を支持する左上外殻部材117とを備えている。
【0047】
より詳しくは、天板部材111は、
図1及び
図5に示すように、右上外殻部材114の上端、及び左上外殻部材117の上端を車幅方向に連結する天板後部111aと、天板後部111aの前部に対して開閉自在に枢支され、エンジンEを車両上方から覆う天板前部111bとで構成されている。なお、天板前部111bの下面には、遮熱材であるヒートインシュレーター(図示省略)が装着されている。
【0048】
右内殻部材112は、遮熱材で構成されたヒートインシュレーターである。この右内殻部材112は、
図2及び
図5に示すように、エンジンEの右側面を車幅方向外側から覆う側方部分112sと、ダッシュパネル6の前面を覆う後方部分112rとで一体形成されている。
【0049】
つまり、右内殻部材112は、エンジンEの右側面、及びエンジンEの車両後方側を一体的に覆う形状に形成されている。
なお、右内殻部材112は、その下部がフロントサイドフレーム2における車幅方向内側の面に固定され、上部が右下外殻部材113、及び右上外殻部材114を介してサスタワー4に固定されている。
【0050】
右下外殻部材113は、
図2及び
図5に示すように、右内殻部材112の下部を車幅方向外側から覆うとともに、フロントサイドフレーム2、及びサスタワー4に固定される金属製の支持部材である。
右上外殻部材114は、
図5に示すように、右内殻部材112の上部を車幅方向外側から覆う金属製の支持部材である。この右上外殻部材114は、その下端が右下外殻部材113の上端に連結されている。
【0051】
左内殻部材115は、遮熱材で構成されたヒートインシュレーターである。この左内殻部材115は、
図5に示すように、エンジンEの左側面を車幅方向外側から覆う側方部分115sと、ダッシュパネル6の前面を覆う後方部分115rとで一体形成されている。
【0052】
つまり、左内殻部材115は、エンジンEの左側面、及びエンジンEの車両後方側を一体的に覆う形状に形成されている。
なお、左内殻部材115は、その下部がフロントサイドフレーム2における車幅方向内側の面に固定され、上部が左下外殻部材116、及び左上外殻部材117を介してサスタワー4に固定されている。
【0053】
左下外殻部材116は、
図5に示すように、左内殻部材115の下部を車幅方向外側から覆うとともに、フロントサイドフレーム2、及びサスタワー4に固定される金属製の支持部材である。
左上外殻部材117は、
図2及び
図5に示すように、左内殻部材115の上部を車幅方向外側から覆う金属製の支持部材である。この左上外殻部材117は、その下端が左下外殻部材116の上端に連結されている。
【0054】
このようにカバー部材11は、エンジンEを車幅方向右側から覆うカバー右壁部11aを、右内殻部材112の側方部分112s、右下外殻部材113、及び右上外殻部材114で構成している。
さらに、カバー部材11は、エンジンEを車幅方向左側から覆うカバー左壁部11bを、左内殻部材115の側方部分115s、左下外殻部材116、及び左上外殻部材117で構成している。
【0055】
加えて、カバー部材11は、エンジンEを車両後方から覆うカバー後壁部11cを、右内殻部材112の後方部分112r、及び左内殻部材115の後方部分115rで構成している。
このような構成のため、カバー右壁部11aの後部、及びカバー左壁部11bの後部は、エンジンEの車両後方へ回り込むように車幅方向に延びる形状に形成されている。
【0056】
引き続き、上述したバッテリトレー8、バッテリクランプ9、ヒューズボックス10、及びカバー部材11のカバー左壁部11bについて、
図3から
図5を用いて、さらに詳述する。
バッテリトレー8は、
図3及び
図4に示すように、カバー部材11におけるカバー左壁部11bの車幅方向左側(後述する外壁上部117b)に近接して配置されている。
【0057】
このバッテリトレー8は、バッテリ7の上面が、エプロンレインフォースメント3の上面、ヒューズボックス10の上面、及びカバー左壁部11b(後述する外壁上部117b)の上端よりも車両下方に位置するように配設されている。
【0058】
具体的には、バッテリトレー8は、
図3及び
図4に示すように、バッテリ7が載置されるトレー底部81と、車幅方向で対向するトレー内壁部82、及びトレー外壁部83とで一体形成されている。
トレー底部81は、
図3に示すように、車両前後方向に長い平面視略矩形に形成されている。
【0059】
トレー内壁部82は、
図3及び
図4に示すように、トレー底部81における車幅方向右側の縁端から車両上方へ向けて立設されている。このトレー内壁部82は、
図3及び
図4に示すように、左上外殻部材117の下部に略同じ車両上下方向の位置に上端が位置するとともに、上端が短辺となる側面視略台形の略板状に形成されている。
【0060】
さらに、トレー内壁部82の上部には、
図3及び
図4に示すように、車両上下方向に延びるクランプボルト84が埋設されている。より詳しくは、クランプボルト84は、その頭部がトレー内壁部82の上部に埋設され、軸部が車両上方へ向けて露出した状態で設けられている。
なお、クランプボルト84は、
図4に示すように、バッテリ7が載置された状態において、バッテリ7の上面よりも車両上方に上端が位置する車両上下方向の長さに形成されている。
【0061】
トレー外壁部83は、
図3及び
図4に示すように、トレー底部81における車幅方向左側の縁端から車両上方へ向けて立設された側面視略矩形の平板である平板部分83aと、平板部分83aにおける車両前後方向の両端からそれぞれ車両上方へ延設した延設部分83bとで一体形成されている。
【0062】
より詳しくは、トレー外壁部83の平板部分83aは、
図3及び
図4に示すように、トレー内壁部82に略同じ車両上下方向の長さで立設されている。このトレー外壁部83の平板部分83aには、
図1及び
図3に示すように、トレー内壁部82のクランプボルト84よりも車両前方の位置において、車両上下方向に延びるクランプボルト85が埋設されている。
【0063】
このクランプボルト85は、その頭部が平板部分83aに埋設され、軸部が車両上方へ向けて露出した状態で設けられている。なお、クランプボルト85は、トレー内壁部82におけるクランプボルト84の上端と略同じ車両上下方向の位置に、その上端が位置している。
【0064】
一方、トレー外壁部83の延設部分83bは、
図3及び
図4に示すように、トレー底部81に載置されたバッテリ7の上面と略同じ車両上下方向の位置まで延設されている。このトレー外壁部83の延設部分83bには、
図3及び
図4に示すように、車両上方へ突出した合成樹脂製の突起部86が配設されている。
突起部86は、
図4に示すように、クランプボルト84,85の上端に略同じ車両上下方向の位置に、その上端が位置する車両上下方向の長さで形成されている。
【0065】
また、バッテリクランプ9は、
図3及び
図4に示すように、トレー内壁部82のクランプボルト84と、トレー外壁部83のクランプボルト85とを連結するとともに、トレー底部81とでバッテリ7を保持するように構成されている。
【0066】
具体的には、バッテリクランプ9は、
図3及び
図4に示すように、トレー内壁部82のクランプボルト84、及びトレー外壁部83のクランプボルト85にそれぞれ挿通される一対のカラー部材91と、カラー部材91を車幅方向に連結するクランプ本体92とで構成されている。
【0067】
カラー部材91は、
図4に示すように、クランプボルト84,85の軸部における車両上下方向の長さよりも短い長さで、車両上下方向に延びる略円筒状の金属製部材である。このカラー部材91は、クランプ本体92の下面に接合されている。
【0068】
クランプ本体92は、
図1及び
図3に示すように、金属製薄板材を屈曲させて、車幅方向略中央が絞られた平面視略つづみ形に形成されている。さらに、クランプ本体92は、
図3に示すように、カラー部材91の内部空間に連通する開口孔92aが車両上下方向に沿って開口形成されている。
【0069】
そして、バッテリクランプ9は、
図3及び
図4に示すように、カラー部材91の内部空間、及びクランプ本体92の開口孔92aに、トレー内壁部82のクランプボルト84、及びトレー外壁部83のクランプボルト85を挿通して、バッテリ7の上面に載置している。
【0070】
さらに、バッテリクランプ9は、クランプ本体92から車両上方へ突出したクランプボルト84,85に螺合させたナット93によって、バッテリ7を挟持するように、バッテリトレー8に固定されている。
【0071】
また、ヒューズボックス10は、
図1及び
図4に示すように、車幅方向において、エプロンレインフォースメント3に近接して配設されている。このヒューズボックス10は、
図4に示すように、エプロンレインフォースメント3の上面よりも車両下方、かつクランプボルト84,85の上端よりも車両上方の位置に上面が位置するように配設されている。
【0072】
また、カバー左壁部11bは、上述したように、左内殻部材115の側方部分115s、左下外殻部材116、及び左上外殻部材117で、車幅方向に対向する二重壁構造をなすように構成されている。
左内殻部材115の側方部分115sは、
図4に示すように、バッテリトレー8のクランプボルト84をとおる車幅方向に沿った縦断面において、二重壁構造における内壁をなす部分である。
【0073】
この左内殻部材115は、
図2から
図4に示すように、下部に対して上部が車幅方向内側に位置する断面形状を、車両前方から車両後方へ延設したのち、エンジンEの車両後方側へ回り込むように車幅方向内側へ延設した形状に形成されている。
【0074】
詳述すると、左内殻部材115の側方部分115sは、
図3及び
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、内壁下部115a、内壁水平部115b、内壁上部115c、及び内壁上縁部115dを、車両下方からこの順番で一体形成して構成されている。
内壁下部115aは、
図3及び
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、車幅方向に所定間隔を隔てて、エンジンEの左側面に対面する略板状に形成されている。
【0075】
なお、内壁下部115aは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、フロントサイドフレーム2よりも車幅方向内側の位置に配設されている。
さらに、内壁下部115aは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、エプロンレインフォースメント3の下端に略同じ車両上下方向の位置に、上端が位置するように形成されている。
【0076】
内壁水平部115bは、
図3及び
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、内壁下部115aの上端から車幅方向内側へ向けて延設されている。
内壁上部115cは、
図3及び
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、内壁水平部115bにおける車幅方向内側の縁端から車両上方、かつ僅かに車幅方向内側へ向けて延設されている。
【0077】
この内壁上部115cは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、エプロンレインフォースメント3における車両上下方向略中央に略同じ位置に、上端が位置するように形成されている。
内壁上縁部115dは、
図3及び
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、内壁上部115cの上端から車幅方向内側、かつ車両上方へ向けて延設されている。
【0078】
また、左下外殻部材116は、
図4に示すように、バッテリトレー8のクランプボルト84をとおる車幅方向に沿った縦断面において、二重壁構造における外壁の下部をなす部分である。
この左下外殻部材116は、
図2から
図4に示すように、略クランク状の断面形状を、車両前方から車両後方へ延設した形状に形成されている。なお、左下外殻部材116の後端は、ダッシュパネル6の前面に当接している。
【0079】
詳述すると、左下外殻部材116は、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、外壁当接部116a、外壁傾斜部116b、及び外壁下部116cを、車両下方からこの順番で一体形成して構成されている。
【0080】
外壁当接部116aは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、フロントサイドフレーム2のフランジ部2aに対して車幅方向内側から当接する略平板状に形成されている。なお、外壁当接部116aの上端は、
図4に示すように、バッテリトレー8のトレー底部81よりも車両下方の位置に位置している。
【0081】
外壁傾斜部116bは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、外壁当接部116aの上端から車幅方向内側、かつ車両上方へ向けて延設されている。
外壁下部116cは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、外壁傾斜部116bの上端から、左内殻部材115の内壁下部115aに沿って車両上方へ向けて延設されている。この外壁下部116cの上端は、
図4に示すように、内壁下部115aの上端に略同じ車両上下方向の位置に位置している。
【0082】
また、左上外殻部材117は、
図4に示すように、バッテリトレー8のクランプボルト84をとおる車幅方向に沿った縦断面において、二重壁構造における外壁の上部をなす部分である。
【0083】
この左上外殻部材117は、
図2から
図4に示すように、上端近傍が車幅方向内側へ屈曲した断面形状を、車両前方から車両後方かつ車幅方向内側へ延設したのち、エンジンEの車両後方側へ回り込むように車幅方向内側へ延設した形状に形成されている。
【0084】
換言すると、左上外殻部材117は、
図1に示すように、前端に対して後端が車幅方向内側に位置する形状に形成されている。
なお、左上外殻部材117の後端は、ダッシュパネル6の前面に当接している。
【0085】
詳述すると、左上外殻部材117は、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、外壁挟持部117a、外壁上部117b、及び外壁上縁部117cを、車両下方からこの順番で一体形成して構成されている。
【0086】
外壁挟持部117aは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、車幅方向に厚みを有する略平板状に形成されている。この外壁挟持部117aは、
図4に示すように、左内殻部材115における内壁下部115aの上部と、左下外殻部材116における外壁下部116cの上部とで挟持されるように配設されている。
【0087】
外壁上部117bは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、左内殻部材115の内壁上部115cに対して車幅方向外側に所定間隔を隔てた位置で、外壁挟持部117aから車両上方へ向けて延設されている。この外壁上部117bは、
図4に示すように、バッテリトレー8におけるクランプボルト84の上端よりも車両上方に、上端が位置するように形成されている。
【0088】
外壁上縁部117cは、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、外壁上部117bの上端から車幅方向内側、かつ車両上方へ向けて延設されたのち、左内殻部材115の内壁上部115cに重なり合うように車幅方向内側へ向けて延設されている。
このため、左上外殻部材117は、
図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、左内殻部材115の上部とで略閉断面を形成している。
【0089】
このように、カバー左壁部11bは、車幅方向内側に位置する左内殻部材115の側方部分115sと、車幅方向外側に位置する左下外殻部材116、及び左上外殻部材117とで、車幅方向で対面する二重壁構造をなしている。
さらに、カバー左壁部11bの上部は、左上外殻部材117の外壁上部117bと、左内殻部材115の内壁上部115cとで、車両前後方向に延びる内部空間S2を有する二重壁構造に構成されている。
【0090】
そして、左上外殻部材117と左内殻部材115とで構成された略閉断面の内部空間S2には、
図1から
図4に示すように、外気をエンジンEに導入する吸気配管13が配設されている。
この吸気配管13は、
図2に示すように、左内殻部材115とダッシュパネル6との間をとおって、右内殻部材112の車幅方向内側へ露出するように配設されている。
【0091】
次に、上述したバッテリ7の周辺構造において、バッテリ7を搭載する作業工程について、
図6及び
図7を用いて説明する。
なお、
図6は、車両にバッテリ7を搭載する工程の概略図を示し、
図7は水平方向にバッテリ7が位置ズレした状態の断面図を示している。
【0092】
上述したバッテリ7は、
図6に示すように、車両の組立工場において、作業者Mによって操作されるとともに、バッテリ7の搭載を助力する助力装置20を用いて、バッテリトレー8に載置される。なお、車両には、
図7に示すように、カバー部材11と、バッテリトレー8と、ヒューズボックス10とが、予め車両の所定位置に搭載されているものとする。
【0093】
また、助力装置20は、
図6に示すように、天井から延びる第1アーム21と、第1アーム21に連結された第2アーム22、第3アーム23、及び第4アーム24と、第4アーム24の下端に設けた把持部25とで構成されている。
【0094】
この助力装置20は、例えば、第1アーム21が鉛直方向を回転軸として回転自在に天井に連結され、第1アーム21と第2アーム22、第2アーム22と第3アーム23、第3アーム23と第4アーム24、及び第4アーム24と把持部25とが、水平方向を回転軸として回転自在に連結されている。
【0095】
まず、作業者Mは、
図6に示すように、助力装置20を操作して、作業台Tに載置されたバッテリ7を、助力装置20の把持部25に把持させる。その後、作業者Mは、助力装置20を操作して、カバー部材11よりも車両上方からバッテリ7をバッテリトレー8へ向けて移動させる。
【0096】
例えば、作業者Mは、水平方向にバッテリ7を移動させて、バッテリトレー8の略直上に位置させたのち、バッテリトレー8のトレー底部81へ向けてバッテリ7を降下させる。あるいは、作業者Mは、バッテリ7を水平方向、かつ鉛直方向へ略同時に移動させながら、バッテリトレー8のトレー底部81へ向けて降下させる。
【0097】
この際、水平方向におけるバッテリ7の位置が、バッテリトレー8に対して車幅方向外側に位置ズレしている場合、バッテリ7は、トレー外壁部83のクランプボルト85よりも先に、ヒューズボックス10に接触する。
【0098】
そして、ヒューズボックス10との接触によって、バッテリ7の位置ズレを認識すると、作業者Mは、助力装置20を操作して、バッテリ7を車幅方向内側へ移動させて、水平方向におけるバッテリ7の位置を調整する。その後、作業者Mは、助力装置20を操作して、バッテリトレー8のトレー底部81にバッテリ7を載置する。
【0099】
あるいは、水平方向におけるバッテリ7の位置が、バッテリトレー8に対して車幅方向内側に位置ズレしている場合、バッテリ7の底部は、
図7に示すように、トレー内壁部82のクランプボルト84よりも先に、カバー部材11のカバー左壁部11bに接触する。より詳しくは、バッテリ7の底部は、
図7に示すように、左上外殻部材117における外壁上部117bの上端近傍、または外壁上縁部117cに接触する。
【0100】
そして、カバー部材11のカバー左壁部11bとの接触によって、バッテリ7の位置ズレを認識すると、作業者Mは、助力装置20を操作して、バッテリ7を車幅方向外側へ移動させて、水平方向におけるバッテリ7の位置を調整する。その後、作業者Mは、助力装置20を操作して、バッテリトレー8のトレー底部81にバッテリ7を載置する。
【0101】
バッテリトレー8にバッテリ7を載置すると、作業者Mは、バッテリトレー8のクランプボルト84,85に、バッテリクランプ9を挿通させたのち、ナット93でバッテリクランプ9をバッテリトレー8に締結固定する。このように、バッテリトレー8のクランプボルト84,85と、バッテリ7の底部との接触を抑えて、バッテリ7をバッテリトレー8に搭載する。
【0102】
以上のように、車両のバッテリ周辺構造は、車両のエンジンEに対して車幅方向に隣接して配設されたバッテリトレー8と、車両上方側からバッテリトレー8に載置されるバッテリ7とを備えている。
【0103】
この車両のバッテリ周辺構造は、エンジンEとバッテリトレー8との間に配設された車両前後方向に延びるカバー左壁部11bを備えたものである。さらに、バッテリトレー8は、カバー左壁部11bに隣接して車両上方へ向けて延びるクランプボルト84を備えている。
そして、カバー左壁部11bは、クランプボルト84の上端よりも車両上方に上端が位置する構成である。
【0104】
これにより、バッテリトレー8に対するバッテリ7の相対位置が車幅方向に位置ズレした状態で、バッテリ7がバッテリトレー8へ向けて降下した際、バッテリ7をクランプボルト84よりも先にカバー左壁部11bに接触させることができる。
【0105】
この際、カバー左壁部11bとバッテリ7との接触面積が、クランプボルト84とバッテリ7との接触面積に比べて大きくなるため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7に作用する荷重を抑えることができる。
【0106】
このため、車両のバッテリ周辺構造は、クランプボルト84の変形やバッテリ7の損傷を防止することができる。さらに、車両のバッテリ周辺構造は、車幅方向におけるバッテリ7の位置ズレを、クランプボルト84やバッテリ7の損傷を抑えて、作業者Mに認識させることができる。
これにより、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7とクランプボルト84との接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【0107】
また、バッテリトレー8は、エンジンEの車幅方向外側に隣接して配設されている。そして、カバー左壁部11bは、エンジンEの車幅方向外側に配設されるとともに、車両前後方向に延びる部分の後端からエンジンEの車両後方へ回り込むように車幅方向に延びる形状に形成されたものである。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、車両上方からの荷重を車両前後方向へ分散伝達できるため、車両上下方向の荷重に対するカバー左壁部11bの剛性を向上することができる。
【0108】
これにより、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7との接触によるカバー左壁部11bの変形を抑制することができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、カバー左壁部11bの変形によるバッテリ7とクランプボルト84との接触をより確実に阻止することができる。
【0109】
また、カバー左壁部11bは、バッテリトレー8に隣接するとともに、クランプボルト84の上端よりも車両上方に上端が位置する外壁上部117bと、外壁上部117bの上端からエンジンE側へ向けて延びる外壁上縁部117cとを備えたものである。
【0110】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7をクランプボルト84よりも先に接触させるカバー左壁部11bの剛性を、より向上することができる。
このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレー8に対するバッテリ7の相対位置が車幅方向に位置ズレした状態で、バッテリ7がバッテリトレー8へ向けて降下した際、バッテリ7との接触によって、カバー左壁部11bが変形することを防止できる。
【0111】
これにより、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7とクランプボルト84との接触をさらに防止することができる。
加えて、例えば、車両上方へ傾斜した外壁上縁部117cとした場合、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレー8へ向けたバッテリ7の移動を、外壁上縁部117cの傾斜によって案内することができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレー8へのバッテリ7の載置を容易にすることができる。
【0112】
また、カバー左壁部11bは、外壁上部117bと、外壁上部117bに対して車幅方向に離間した内壁上部115cとを有する二重壁構造である。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、カバー左壁部11bの剛性をより一層向上することができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7との接触によるカバー左壁部11bの変形をさらに抑制することができる。
したがって、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7とクランプボルト84との接触をさらに確実に防止することができる。
【0113】
また、車両のバッテリ周辺構造は、外壁上部117bと内壁上部115cとの間の内部空間S2に配設された吸気配管13を備えたものである。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、カバー左壁部11bの内部空間S2を有効活用することができる。さらに、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレー8に吸気配管13を近接配置する場合であっても、バッテリ7と吸気配管13との接触を防止することができる。
【0114】
また、車両のバッテリ周辺構造は、エンジンEの上方、及び側方を覆うカバー部材11を備えている。さらに、外壁上部117b、及び外壁上縁部117cは、カバー部材11に形成されたものである。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、エンジンEを保温する機能とエンジンEの音を遮音する機能とを有するカバー部材11によって、バッテリ7とクランプボルト84との接触を防止することができる。
【0115】
このため、車両のバッテリ周辺構造は、カバー部材11とは別体で外壁上部、及び外壁上縁部を設けることを不要にできる。
よって、車両のバッテリ周辺構造は、部品点数の増加を抑えて、バッテリ7とクランプボルト84との接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【0116】
また、バッテリ7は、バッテリトレー8に載置された状態において、カバー左壁部11bの上端よりも車両下方に上面が位置する構成である。そして、クランプボルト84は、バッテリトレー8に載置されたバッテリ7の上面よりも車両上方に、上端が位置する車両上下方向の長さで形成されたものである。
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリトレー8にバッテリ7を載置した状態であっても、バッテリ7の上面よりも車両上方にクランプボルト84の先端を露出させることができる。
【0117】
このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7の周辺にカバー左壁部11bや車両部品が配設された場合であっても、バッテリ7クランプを容易にクランプボルト84に締結することができる。
よって、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7とクランプボルト84との接触を防止するとともに、バッテリ7の組付け性を向上することができる。
【0118】
また、車両のバッテリ周辺構造は、カバー左壁部11bに対してバッテリトレー8を挟んで車幅方向に対向配置され、クランプボルト84の上端よりも車両上方に上面が位置するヒューズボックス10を備えたものである。
【0119】
この構成によれば、車両のバッテリ周辺構造は、カバー左壁部11bとヒューズボックス10とによって、クランプボルト84の視認性がさらに低下することになる。このような場合であっても、車両のバッテリ周辺構造は、カバー左壁部11bの上端がクランプボルト84の上端よりも車両上方に位置するため、バッテリ7がクランプボルト84に接触することを阻止できる。
【0120】
また、バッテリ7の搭載方法は、車両のエンジンEに対して車幅方向に隣接して配設されたバッテリトレー8に、車両上方側からバッテリ7を載置する方法である。このバッテリ7の搭載方法は、エンジンEとの間に配設された車両前後方向に延びるカバー左壁部11bに隣接するとともに、車両上方へ向けて延びるクランプボルト84を備えたバッテリトレー8に対して、車両上方側からバッテリ7を載置する載置工程を行うものである。
【0121】
さらに、載置工程は、クランプボルト84の上端に対して車両上方に上端が位置するカバー左壁部11bよりも車両上方側からバッテリ7を載置するものである。
この発明により、バッテリ7とクランプボルト84との接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【0122】
また、載置工程は、作業者Mによって操作される助力装置20によってバッテリ7を把持するとともに、水平方向、及び車両上下方向へバッテリ7を移動させながら、バッテリトレー8に載置するものである。
【0123】
この構成によれば、バッテリ7の搭載方法は、バッテリトレー8に対してバッテリ7が車幅方向に位置ズレした場合であっても、バッテリ7とクランプボルト84との接触をより阻止して、バッテリトレー8にバッテリ7を載置することができる。
【0124】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の縦壁は、実施形態のカバー左壁部11bに対応し、
以下同様に、
クランプボルトは、クランプボルト84に対応し、
縦壁本体、及び第1の縦壁部は、外壁上部117bに対応し、
横壁は、外壁上縁部117cに対応し、
第2の縦壁部は、内壁上部115cに対応し、
内部空間は、内部空間S2に対応し、
車両部品は、吸気配管13に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0125】
例えば、上述した実施形態において、エンジンEを縦置きエンジンとしたが、これに限定せず、横置きエンジンであってもよい。
また、バッテリトレー8の車幅方向外側に隣接してヒューズボックス10を設けたが、これに限定せず、ヒューズボックス10にかえて適宜の車両部品を設けてもよい。
【0126】
さらに、ヒューズボックス10を予め車体に固定したのち、バッテリ7をバッテリトレー8に載置する搭載方法としたが、これに限定せず、バッテリ7をバッテリトレー8に載置したのち、ヒューズボックス10を車体に固定する搭載方法であってもよい。
【0127】
また、エンジンE、カバー部材11、及びバッテリ7が車両前部1に配設された車両としたが、これに限定せず、エンジンE、カバー部材11、及びバッテリ7が、例えば、車両後部に配設された車両であってもよい。
【0128】
また、エンジンEに対して車幅方向外側に隣接して配設されたバッテリ7としたが、これに限定せず、エンジンに対して車幅方向内側に隣接して配設されたバッテリ、エンジンに対して車両後方側または車両前方側に隣接して配設されたバッテリなどであってもよい。
【0129】
また、バッテリ7が水平方向に位置ズレした際に、クランプボルト84よりも先に接触させる部材として、カバー部材11のカバー左壁部11bを用いて説明したが、これに限定せず、エンジンとバッテリトレーとの間に配設された適宜の縦壁であればよい。例えば、エンジンの側方を覆うように配設されるとともに、エンジンルーム内を分割するように設けられた隔壁、あるいはバッテリトレーに隣接して配設された車両部品などであってもよい。
【0130】
また、車幅方向で対面する二重壁構造のカバー左壁部11bとしたが、これに限定せず、左内殻部材115の側方部分115sで構成されたカバー左壁部、または左下外殻部材116、及び左上外殻部材117で構成されたカバー左壁部であってもよい。
【0131】
また、カバー左壁部11bの外壁を、左下外殻部材116と左上外殻部材117で構成したが、これに限定せず、左下外殻部材と左上外殻部材とを一体形成した部材で、カバー左壁部11bの外壁を構成してもよい。
また、カバー左壁部11bの上部を、車幅方向に離間した二重壁構造としたが、これに限定せず、車幅方向で当接した二重壁構造であってもよい。
【0132】
また、左上外殻部材117と左内殻部材115とで構成された略閉断面の内部空間S2に、吸気配管13が配設された構造としたが、これに限定せず、内部空間S2に、冷却水などの伝達媒体が流動する配管、バッテリと電装機器を接続するワイヤーハーネス、あるいは電機機器などが配設されてもよい。
【0133】
また、バッテリトレー8のトレー外壁部83に設けた突起部86を、クランプボルト85の上端と略同じ位置に上端を有する形状にしたが、これに限定せず、クランプボルト85の上端よりも車両上方の位置に上端を有する突起部としてもよい。あるいは、突起部を設けず、トレー外壁部における延設部分の上端を、クランプボルト85の上端よりも車両上方の位置まで延設したバッテリトレーであってもよい。
【0134】
これにより、バッテリトレー8に対して、車幅方向外側にバッテリ7が位置ズレした場合、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7の底部を、クランプボルト85よりも先に、突起部、または延設部分に接触させることができる。このため、車両のバッテリ周辺構造は、バッテリ7とクランプボルト85との接触による意図しない不具合の発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0135】
7…バッテリ
8…バッテリトレー
10…ヒューズボックス
11…カバー部材
11b…カバー左壁部
13…吸気配管
20…助力装置
84…クランプボルト
115c…内壁上部
117b…外壁上部
117c…外壁上縁部
E…エンジン
S2…内部空間