(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】発光装置認識システムおよび発光装置
(51)【国際特許分類】
G06K 19/07 20060101AFI20240312BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240312BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20240312BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20240312BHJP
【FI】
G06K19/07 280
G06K19/07 160
G06K7/10 300
G06K19/06 112
H04N23/56
(21)【出願番号】P 2020025809
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】内橋 真吾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 篤
(72)【発明者】
【氏名】池田 和敏
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-028495(JP,A)
【文献】特開昭59-189760(JP,A)
【文献】特開2011-192236(JP,A)
【文献】特開2006-323525(JP,A)
【文献】特開2010-211357(JP,A)
【文献】国際公開第2016/046892(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/07
G06K 7/10
G06K 19/06
H04N 23/56
G11B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置認識システムであって、
自発光装置の固有の識別情報に基づいて明滅する光源を有する発光装置と、
前記発光装置の前記光源の光を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像画像に現れる前記発光装置の前記光源の光に基づいて前記発光装置を認識する認識装置と、
前記撮像装置又はその周辺から電磁波を発する電磁波発信素子と、を含み、
前記発光装置は、
前記電磁波発信素子からの前記電磁波を受け付ける電磁波受信素子をさらに有し、
前記電磁波受信素子が受け付けた前記電磁波の強度に応じて、前記光源の発光強度を変化させ
、
前記発光装置認識システムは、
前記撮像装置と前記電磁波発信素子の組み合わせを複数含み、
複数の前記電磁波発信素子が発する前記電磁波のそれぞれの中心波長は異なっており、
前記発光装置は、
前記電磁波受信素子が受け付ける複数の前記電磁波のうち、最大の強度の電磁波に応じて前記光源の発光強度を変化させる、
発光装置認識システム。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置認識システムであって、
前記発光装置は、
前記電磁波受信素子が受け付けた
前記最大の強度の電磁波の強度が大きいほど、前記光源の発光強度を小さくする、
発光装置認識システム。
【請求項3】
発光装置認識システムであって、
自発光装置の固有の識別情報に基づいて明滅する光源を有する発光装置と、
前記発光装置の前記光源の光を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像画像に現れる前記発光装置の前記光源の光に基づいて前記発光装置を認識する認識装置と、
前記撮像装置又はその周辺から電磁波を発する電磁波発信素子と、を含み、
前記発光装置は、
前記電磁波発信素子からの前記電磁波を受け付ける電磁波受信素子をさらに有し、
前記電磁波受信素子が受け付けた前記電磁波の強度に応じて、前記光源の発光強度を変化させ、
前記発光装置認識システムは、
前記撮像装置と前記電磁波発信素子の組み合わせを複数含み、
複数の前記電磁波発信素子が発する前記電磁波のそれぞれの中心波長は異なっており、
前記発光装置は、
前記電磁波受信素子が受け付ける複数の前記電磁波のうち、2番目に大きい強度の電磁波に応じて前記光源の発光強度を変化させる、
発光装置認識システム。
【請求項4】
請求項3に記載の発光装置認識システムであって、
前記発光装置は、
前記電磁波受信素子が受け付けた前記2番目に大きい強度の電磁波の強度が大きいほど、前記光源の発光強度を小さくする、
発光装置認識システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の発光装置認識システムであって、
前記発光装置の前記光は赤外線であり、
複数の前記電磁波発信素子の前記電磁波はそれぞれ、前記赤外線とは中心波長が異なる赤外線である、
発光装置認識システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の発光装置認識システムであって、
前記発光装置の前記光は赤外線であり、
複数の前記電磁波発信素子の前記電磁波はそれぞれ、電波である、
発光装置認識システム。
【請求項7】
自発光装置の固有の識別情報に基づいて明滅する光源
を有し、発光装置認識システムに用いられる発光装置であって、
前記発光装置認識システムは、前記発光装置の前記光源の光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像に現れる前記発光装置の前記光源の光に基づいて前記発光装置を認識する認識装置と、前記撮像装置又はその周辺から電磁波を発する電磁波発信素子とを含み、
前記発光装置は、
前記電磁波発信素子からの前記電磁波を受け付ける電磁波受信素子
を含み、
前記電磁波受信素子が受け付けた前記電磁波の強度に応じて、前記光源の発光強度を変化させ
、
前記発光装置認識システムは、前記撮像装置と前記電磁波発信素子の組み合わせを複数含み、複数の前記電磁波発信素子が発する前記電磁波のそれぞれの中心波長は異なっており、
前記発光装置は、
前記電磁波受信素子が受け付ける複数の前記電磁波のうち、最大の強度の電磁波に応じて前記光源の発光強度を変化させる、
発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置認識システムおよび発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人、物などの移動する物体に付されて、固有の識別情報に基づいて明滅する光源を有する発光装置(タグとも言う)と、発光装置の光源の光を撮像する装置であるカメラを備え、カメラの撮像画像に現れる発光装置の光源の光に基づいて発光装置を識別し、発光装置の位置を特定するシステムが知られている。以下、このシステムを発光装置認識システムと言う。
【0003】
特許文献1には、タグとタグの情報を読み取るためのカメラを備え、カメラがタグに向けて赤外光を発光し、タグが、赤外光を受けて、液晶のオンオフを切り替えてタグの情報を含むように赤外光を反射し、カメラが、反射した赤外光を受けて、タグの情報を解読するシステムが開示されている。
【0004】
特許文献2には、撮像装置を有するタグリーダと、発光によりタグ識別値を発信するタグを備え、タグリーダが、撮像装置から読み込んだフレーム中の所定部位の画像情報からタグの発光状態を判定し、判定結果に従ってタグ識別値を識別するシステムが開示されている。
【0005】
特許文献3には、対象物とともに移動し、赤外線を発光する発光手段と、対象物を含む所定の撮影領域の赤外線画像を撮影する撮影手段と、当該赤外線画像から発光手段の位置を特定する位置特定手段を備える対象物定位システムが開示されている。
【0006】
特許文献4には、自タグのID情報を電波信号により送信し、当該電波信号と同時または一定時間差で光点滅信号を送信するタグと、タグからの電波信号を受信し、タグを撮影するタグリーダ装置を備えるシステムが開示されている。タグリーダ装置が、撮影された画像における光点滅信号の位置からタグの位置を算出し、光点滅信号と電波信号が受信されるタイミングの関係から、タグの位置に、受信された電波信号のID情報を対応付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-71663号公報
【文献】特開2011-192236号公報
【文献】特開2003-329762号公報
【文献】特開2010-217093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発光装置認識システムにおいて、発光装置がカメラから離れると、カメラの撮像画像において発光装置の光が小さくなったり輝度が低くなり、発光装置を認識し難くなってしまう。
【0009】
本発明の目的は、発光装置と撮像装置の間の距離を考慮せずに発光装置が発光する場合に比べて、発光装置の認識を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、発光装置認識システムであって、自発光装置の固有の識別情報に基づいて明滅する光源を有する発光装置と、前記発光装置の前記光源の光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像に現れる前記発光装置の前記光源の光に基づいて前記発光装置を認識する認識装置と、前記撮像装置又はその周辺から電磁波を発する電磁波発信素子と、を含み、前記発光装置は、前記電磁波発信素子からの前記電磁波を受け付ける電磁波受信素子をさらに有し、前記電磁波受信素子が受け付けた前記電磁波の強度に応じて、前記光源の発光強度を変化させ、前記発光装置認識システムは、前記撮像装置と前記電磁波発信素子の組み合わせを複数含み、複数の前記電磁波発信素子が発する前記電磁波のそれぞれの中心波長は異なっており、前記発光装置は、前記電磁波受信素子が受け付ける複数の前記電磁波のうち、最大の強度の電磁波に応じて前記光源の発光強度を変化させる、発光装置認識システムである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発光装置認識システムであって、前記発光装置は、前記電磁波受信素子が受け付けた前記最大の強度の電磁波の強度が大きいほど、前記光源の発光強度を小さくする、発光装置認識システムである。
【0012】
請求項3に係る発明は、発光装置認識システムであって、自発光装置の固有の識別情報に基づいて明滅する光源を有する発光装置と、前記発光装置の前記光源の光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像に現れる前記発光装置の前記光源の光に基づいて前記発光装置を認識する認識装置と、前記撮像装置又はその周辺から電磁波を発する電磁波発信素子と、を含み、前記発光装置は、前記電磁波発信素子からの前記電磁波を受け付ける電磁波受信素子をさらに有し、前記電磁波受信素子が受け付けた前記電磁波の強度に応じて、前記光源の発光強度を変化させ、前記発光装置認識システムは、前記撮像装置と前記電磁波発信素子の組み合わせを複数含み、複数の前記電磁波発信素子が発する前記電磁波のそれぞれの中心波長は異なっており、前記発光装置は、前記電磁波受信素子が受け付ける複数の前記電磁波のうち、2番目に大きい強度の電磁波に応じて前記光源の発光強度を変化させる、発光装置認識システムである。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発光装置認識システムであって、前記発光装置は、前記電磁波受信素子が受け付けた前記2番目に大きい強度の電磁波の強度が大きいほど、前記光源の発光強度を小さくする、発光装置認識システムである。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発光装置認識システムであって、前記発光装置の前記光は赤外線であり、複数の前記電磁波発信素子の前記電磁波はそれぞれ、前記赤外線とは中心波長が異なる赤外線である、発光装置認識システムである。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発光装置認識システムであって、前記発光装置の前記光は赤外線であり、複数の前記電磁波発信素子の前記電磁波はそれぞれ、電波である、発光装置認識システムである。
【0016】
請求項7に係る発明は、自発光装置の固有の識別情報に基づいて明滅する光源を有し、発光装置認識システムに用いられる発光装置であって、前記発光装置認識システムは、前記発光装置の前記光源の光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像に現れる前記発光装置の前記光源の光に基づいて前記発光装置を認識する認識装置と、前記撮像装置又はその周辺から電磁波を発する電磁波発信素子とを含み、前記発光装置は、前記電磁波発信素子からの前記電磁波を受け付ける電磁波受信素子を含み、前記電磁波受信素子が受け付けた前記電磁波の強度に応じて、前記光源の発光強度を変化させ、前記発光装置認識システムは、前記撮像装置と前記電磁波発信素子の組み合わせを複数含み、複数の前記電磁波発信素子が発する前記電磁波のそれぞれの中心波長は異なっており、前記発光装置は、前記電磁波受信素子が受け付ける複数の前記電磁波のうち、最大の強度の電磁波に応じて前記光源の発光強度を変化させる、発光装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、7に係る発明によれば、発光装置と撮像装置の間の距離を考慮せずに発光装置が発光する場合に比べて、発光装置の認識を容易にすることができる。また、最大の強度の電磁波に応じて発光装置の光源の発光強度を変化させない場合に比べて、発光装置の光源の消費電力が抑制される。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、発光装置が発する光の過剰または過小な強度が防がれる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、発光装置と撮像装置の間の距離を考慮せずに発光装置が発光する場合に比べて、発光装置の認識を容易にすることができる。また、2つ以上の撮像装置で発光装置が認識される可能性が高まる。
請求項4に係る発明によれば、発光装置が発する光の過剰または過小な強度が防がれる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、発光装置の光源の光と電磁波発信素子の電磁波が不可視になると共に、それらが互いに影響を与えることを抑制することができる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、発光装置の光源の光と電磁波発信素子の電磁波が不可視になると共に、それらが互いに影響を与えることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】タグ認識システムを説明するための図である。
【
図4】識別用発光素子と距離用発光素子の中心波長の一例を示す図である。
【
図5A】タグの光源の0,1を表す点灯パターンの一例を示す図である。
【
図5B】タグの光源の0,1を表す点灯パターンの他の一例を示す図である。
【
図6】タグの光源の明滅パターンの一例を示す図である。
【
図7】タグの光源の制御の流れを示すフローチャートである。
【
図8】タグの平均受光強度と発光強度の関係の一例を示す図である。
【
図9】カメラとタグの距離に応じたタグの発光強度を説明するための図である。
【
図10】複数のリーダを有するタグ認識システムの概略構成図である。
【
図11】識別用発光素子と複数の距離用発光素子の中心波長の一例を示す図である。
【
図12】複数のリーダを有するタグ認識システムにおけるタグの光源の制御を示すフローチャートである。
【
図13】複数のリーダを有するタグ認識システムにおけるタグの光源の他の制御を示すフローチャートである。
【
図14】別の実施形態におけるタグ認識システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下で述べる構成は、説明のための例示であって、システム、装置、部材の仕様等に合わせて適宜変更が可能である。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。全ての図面において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係るタグ認識システム10の概略構成図である。タグ認識システム10は、人、動物、物などの移動する物体に付されて、固有の識別情報に基づいて明滅する光源30を有する発光装置としてのタグ14a、14b、14cと、タグ14a、14b、14cの光源30の光を撮像する撮像装置としてのカメラ16を備える。タグ認識システム10は、カメラ16の撮像画像に現れるタグ14a、14b、14cの光源30の光に基づいてタグ14a、14b、14cのそれぞれを識別し、タグ14a、14b、14cの位置を特定するものである。なお、タグの数、及び、カメラの数は、適宜変更される。
【0025】
図1には、タグ認識システム10の1つの使用形態として、展示場にいる各来場者の胸にタグが付され、来場者の固有の識別情報に基づいてタグの光源30が明滅し、カメラ16の撮像画像に現れるタグ14a、14b、14cの光源30の光に基づいて来場者が胸に付けたタグのそれぞれを識別し、各来場者の位置を特定する形態が示されている。来場者の位置は、撮像画像の中のタグの光の位置や、複数のカメラがある場合にはタグの光を撮像するカメラの位置等で特定される。この使用形態によれば、各来場者が展示場内のどのブースを訪れ、どの程度の時間留まっていたか等の情報を収集することができ、例えば来場者ごとに何に興味を持っているかを知るための情報源を得ることができる。
【0026】
タグ認識システム10は、別の使用形態として、例えば物の製造管理に使用してもよい。各工程で順次、処理され、次の工程に渡される中間物にタグが付され、中間物の固有の識別情報に基づいてタグの光源が明滅し、カメラの撮像画像に現れるタグの光源の光に基づいて各中間物を識別し、中間物の位置を特定する。この使用形態によれば、例えば各中間物が現在、どの工程にあるか等を特定することができる。なお、上記した各使用形態はあくまで例示であり、タグ認識システム10の使用形態は限定されない。
【0027】
本実施形態のタグ認識システム10は、カメラ16又はカメラ16の周辺から赤外線を発する距離用発光素子18を含む。この距離用発光素子は、赤外線を発光するものだけでなく、可視光等を含む電磁波を発信する素子であればよい。カメラ16と距離用発光素子18を含んでリーダ12が構成されている。
図2に示すよう、タグ14は、距離用発光素子18から赤外線を受け付ける距離用受光素子32を含む。この距離用受光素子32は、赤外線を受光するものだけでなく、可視光等を含む電磁波を発信する距離用発光素子18が発信する電磁波に対応する周波数帯の電磁波を受信する素子であればよい。
【0028】
タグ14は、距離用受光素子32が受け付けた赤外線の強度に応じて光源30の発光強度を変化させる。タグ14の距離用受光素子32が受け付ける赤外線の強度が弱い場合には、タグ14と距離用発光素子18の間の距離が遠いことを意味する。言い換えれば、タグ14とカメラ16の間の距離が遠いことを意味する。一方、タグ14の距離用受光素子32が受け付ける赤外線の強度が強い場合には、タグ14と距離用発光素子18の間の距離が近いことを意味する。言い換えれば、タグ14とカメラ16の間の距離が近いことを意味する。
【0029】
タグ14の距離用受光素子32が受け付ける赤外線の強度が弱い場合には、タグ14の光源30の発光強度を強めることで、カメラ16の撮像画像においてタグ14の光を大きくしたり、輝度を高くすることできる。すなわち、タグ14が発する光の過小な強度が防がれ、撮像画像においてタグ14の認識を容易にすることができる。
【0030】
一方、タグ14の距離用受光素子32が受け付ける赤外線の強度が強い場合には、タグ14の光源30の発光強度を弱めることで、光源30の消費電力を抑制することができる。このように、タグの発光強度を弱くしても、タグ14とカメラ16の間の距離が近いので、カメラ16の撮像画像からタグ14の光源30の光を認識することが可能であり、タグ14が発する光の過剰な強度が防がれる。
【0031】
図3は、本実施形態のタグ認識システム10のブロック図である。タグ認識システム10は、発光装置としてのタグ14とリーダ12を備える。タグ14の光源30は、赤外線を発光する赤外線発光素子である。この発光素子は、タグを識別する明滅パターンで発光する発光素子であり、カメラ16で撮像され、解析されることにより、タグを識別するために用いられる識別用発光素子である。リーダ12のカメラ16は、タグ14の光源30の赤外線を撮像する赤外線カメラである。
【0032】
タグ14は、自身の固有の識別情報に基づいて赤外線で明滅する光源30と、リーダ12の距離用発光素子18からの赤外線を受け付ける距離用受光素子32と、光源30および距離用受光素子32と電気的に接続されたプロセッサ34と、プロセッサ34から読み出される識別情報45等を記憶するメモリ36と、タグ14内の各部に電力を供給するバッテリ(不図示)を含む。プロセッサ34は、距離用受光素子32が受け付けたリーダ12の距離用発光素子18からの赤外線の受光強度を取得する受光強度取得部42と、受光強度取得部42が取得した受光強度に基づいて光源30の発光強度を制御する発光強度制御部40と、識別情報45に基づく明滅パターンで光源30を明滅させる制御を行う明滅パターン制御部38として機能する。
【0033】
リーダ12は、タグ14の赤外線を発する光源30の明滅を撮像する撮像装置としてのカメラ16と、カメラ16又はカメラ16の周辺から赤外線を点灯する距離用発光素子18と、カメラ16の撮像画像に現れるタグ14の光源30が発信する光である赤外線に基づいてタグ14を認識する認識装置20を含む。
【0034】
認識装置20は、カメラ16および距離用発光素子18と電気的に接続されている。認識装置20は、プロセッサ22とメモリ24を含む。プロセッサ22は、カメラ16から逐次、送られてくる撮像画像を取得し、メモリ24に記憶する。メモリ24には、カメラ16が過去一定期間内に撮像した撮像画像が一時的に記憶される。この撮像画像は、動画の形式で取得し、時系列にフレーム切り出しした静止画であるフレーム画像の単位で処理を行うことが可能である。プロセッサ22は、メモリ24から撮像画像を読み出して、撮像画像に現れる、タグ14の光源30の明滅を解読することでタグ14を識別し、撮像画像の中の光の位置からタグ14の位置を特定するタグ認識部26として機能する。また、プロセッサ22は、距離用発光素子18から発する赤外線の波長を制御する発光波長制御部28として機能する。なお、本実施形態では、発光波長制御部28が認識装置20に含まれているが、認識装置20とは別の装置に含まれ、別の装置内のプロセッサ等により実現されてもよい。
【0035】
なお、認識装置20は、リーダ12に含まれていなくてもよい。複数のリーダ12がある場合には、複数のリーダ12に対して共通の1つの認識装置20が設けられてもよい。複数のカメラ16によりタグ14が撮像される場合には、各カメラ16の位置、各カメラ16が撮像した撮像画像に基づいて、認識装置12のタグ認識部26がタグ14の位置を特定してもよい。
【0036】
図4は、タグ14の識別用発光素子である光源30から発する光(第1の赤外線とも言う)の中心波長λ1と、リーダ12の距離用発光素子18から発する光(第2の赤外線とも言う)の中心波長λ2の一例を示す図である。ここで、中心波長とは、各光の発光強度が最も強くなる波長、又は、波長領域である。
【0037】
図4に示すように、タグ14の識別用発光素子である光源30とリーダ12の距離用発光素子18から発する光の中心波長λ1、λ2は共に赤外領域にある。そのため、各光を不可視、又は、ほぼ不可視とすることができ、各光は、照明等からのノイズを受け難くなっている。また、光源30の赤外線の中心波長λ1と、距離用発光素子18の赤外線の中心波長λ2が所定の波長幅だけずらされているため、光源30の赤外線と距離用発光素子18の赤外線が互いに影響を与えることが抑制されている。
【0038】
次に、タグ14の光源30の明滅パターンについて説明する。
図5A、
図5Bは、タグ14の光源30の0,1を表す点灯パターンの例を示す図である。
図6は、タグ14の光源30の明滅パターンの一例を示す図である。
図6に示すように、明滅パターンは、開始パターンと、タグ14の固有の識別情報を直接又は間接的に表す識別パターンを含む。識別パターンは、複数の0又は1を表す点灯パターンを組み合わせて構成され、開始パターンは、0又は1を表す点灯パターン以外のパターンで構成される。
【0039】
図5A、
図5Bに示すように、0又は1を表す点灯パターンは、複数のフレーム時間を用いて表される。フレーム時間とは、リーダ12のカメラ16が撮像して取得するフレーム画像の時間間隔である。例えば、カメラ16が1秒間に30個のフレーム画像を取得する場合(30フレーム画像/秒)、フレーム時間は約33ミリ秒である。
図5A、
図6には、3つのフレーム時間(フレーム時間の3倍の時間)を用いて、0又は1を表す点灯パターンの例が示されている。
図5Bには、6つのフレーム時間(フレーム時間の6倍の時間)を用いて、0又は1を表す点灯パターンの例が示されている。
【0040】
このように、0又は1を表す点灯パターンを複数のフレーム時間を用いて表すことにより、タグ14の光がカメラ16で撮像される際に、0又は1を表す点灯パターンにおける1つ又は複数のフレーム画像にノイズ等が入り、当該フレーム画像でタグ14の光の点灯又は消灯を識別できない場合でも、当該点灯パターンにおける他のフレーム画像に基づいて0又は1を識別できる可能性がある。すなわち、0又は1を表す点灯パターンに時間上の冗長性を持たせているので、0又は1を識別する際のノイズ耐久性を高めることができる。なお、本実施形態では、0又は1を表す点灯パターンを複数のフレーム時間を用いて表す(冗長性を持たせている)が、0又は1を1つのフレーム時間を用いて表す形態(例えば0を消灯、1を点灯で表す)であってもよい。
【0041】
タグ14の明滅パターン制御部38は、光源30が予め定められた時間間隔をあけて明滅パターン(
図6参照)を繰り返し送出するように、光源30を制御する。リーダ12のタグ認識部26は、撮像画像において0又は1以外の点灯パターン(開始パターン)が現れることにより、明滅パターンの開始を認識し、明滅パターンの開始パターンに続く識別パターンを認識する。そして、タグ認識部26は、識別パターンを解読(デコードとも言う)することにより、タグ14の識別情報45を取得する。なお、明滅パターンは、識別パターンの後に終了パターンが続く形態や、誤り検出、訂正のためのパターンが付加された形態、開始パターンが予め定められた0,1のパターンで表される形態等であってもよく、明滅パターンの形態は限定されない。
【0042】
次に、タグ14のプロセッサ34が行う光源30の制御について説明する。
図7は、タグ14の光源30の制御の流れを示すフローチャートである。まず、
図7のS100で、プロセッサ34は、受光強度取得部42として機能し、予め定められた時間の間、タグ14の距離用受光素子32が受け付ける赤外線の受光強度を取得する。そして、S102で、受光強度取得部42は、S100で取得した受光強度の平均を、平均受光強度として取得する。
【0043】
次に、S104で、プロセッサ34は、発光強度制御部40として機能し、S102で取得した平均受光強度に基づいて、光源30の発光強度を設定する。
図8は、光源30の発光強度を設定する際に用いる、平均受光強度と発光強度の関係の一例を示す図である。この関係は、例えば演算式で表されてもよく、または、テーブルとしてメモリ36に記憶されていてもよい。発光強度制御部40は、
図8に示すように、平均受光強度が小さい(弱い)ほど、光源30の発光強度が大きく(強く)なるように、光源30の発光強度を設定する。換言すれば、発光強度制御部40は、平均受光強度が大きい(強い)ほど、光源30の発光強度が小さく(弱く)なるように、光源30の発光強度を設定する。
【0044】
次に、S106で、プロセッサ34は、明滅パターン制御部38として機能し、メモリ36から識別情報45を読み出し、
図6に示すような明滅パターンにより光源30が明滅するように、光源30を制御する。明滅パターン制御部38は、予め定められた時間間隔をあけて明滅パターンが繰り返し送出されるように、光源30を制御する。
【0045】
以上説明した本実施形態のタグ認識システム10(発光装置認識システム)によれば、
図9に示すように、リーダ12から遠い位置にあるタグ14cは、リーダ12の距離用発光素子18から受ける光の強度が小さくなるので、タグ14cの光源の発光強度が大きく設定される。よって、リーダ12から遠い位置にあるタグ14cであっても、リーダ14のカメラ16の撮像画像に比較的大きく、輝度が高いタグ14cの光源の光が現れ、撮像画像からタグ14cを認識し易くなる。
【0046】
また、リーダ12から比較的近い位置にあるタグ14a、14bは、リーダ12の距離用発光素子18から受ける光の強度が大きくなるので、タグ14a、14bの光源の発光強度が比較的小さく設定される。よって、タグの光源の消費電力が抑制され、タグに含まれるバッテリのエネルギーの消耗が抑えられる。
【0047】
なお、リーダ12から近い位置にあるタグ14aが発光強度を強くして発光する際には、次のような問題も起こり得る。リーダ12から近い位置にあるタグ14aが強い光を発する場合、
図9の破線矢印に示すように、タグ14aの光が壁50等で反射して、カメラ16に入射し、撮像画像からタグ14aの光を認識し難くなる可能性がある。例えば、
図9に示す誤認識タグ15のように、撮像画像において、壁50の部分にタグがあるように、タグの位置を誤って認識してしまう可能性がある。しかし、本実施形態のタグ認識システム10によれば、リーダ12から近い位置にあるタグ14aの発光強度が小さく設定されるので、このような事態が発生することを抑制することができる。
【0048】
次に、複数のリーダ12を有するタグ認識システム10について説明する。
図10に示すように、複数のリーダ12a、12b、12cがある場合には、タグ14の距離用受光素子32は、リーダ12a、12b、12cの距離用発光素子18a、18b、18cのそれぞれから光(赤外線)を受け付ける。
図10には、一例として、距離用受光素子32が3つの距離用発光素子18a、18b、18cから光を受け付ける形態が示されている。
【0049】
図11は、タグ14の光源30が発する光の中心波長λ1と、3つのリーダの距離用発光素子18a、18b、18cのそれぞれが発する光の中心波長λ2a、λ2b、λ2cの一例を示す図である。
図11に示すように、光源30と距離用発光素子18a、18b、18cのそれぞれが発する光の中心波長λ1、λ2a、λ2b、λ2cは赤外領域にある。そのため、各光を不可視、又は、ほぼ不可視とすることができ、各光は、照明等からのノイズを受け難くなっている。また、光源30の赤外線の中心波長λ1、距離用発光素子18a、18b、18cの赤外線の中心波長λ2a、λ2b、λ2cのそれぞれは、隣り合う中心波長から少なくとも所定の波長幅だけあけて設定されている。そのため、光源30の赤外線、距離用発光素子18a、18b、18cの赤外線が互いに影響を与えることが抑制されている。なお、距離用発光素子18a、18b、18cの中心波長は、リーダの発光波長制御部28(
図3参照)により設定される。距離用発光素子18a、18b、18cの赤外線の発光強度は、同じか、又は、ほぼ同じに設定される。
【0050】
図10に示すように、タグ14の距離用受光素子32が受け付ける赤外線の受光強度は、タグ14に最も近い距離用発光素子18aの赤外線が最も強くなり、タグ14から最も遠い距離用発光素子18cの赤外線が最も弱くなり、タグ14との距離が距離用発光素子18aよりも遠く、距離用発光素子18cよりも近い距離用発光素子18bの赤外線が中間の強度となる。タグ14の光源30の発光強度を、どの距離用発光素子18a、18b、18cの赤外線の受光強度を基準に設定するのかは、様々な選択肢がある。以下では、タグ14が複数のリーダから赤外線を受け付ける場合における、タグ14の光源30の発光強度の設定について、2つの実施形態を示す。
【0051】
図12は、複数のリーダを有するタグ認識システムおけるタグ14の光源30の制御を示すフローチャートである。まず、
図12のS200で、タグ14のプロセッサ34(
図3参照)は、受光強度取得部42として機能し、予め定められた時間の間、タグ14の距離用受光素子32が複数の距離用発光素子から受け付ける、中心波長が異なる各赤外線の受光強度を取得する。受光強度取得部42は、距離用受光素子32が受け付けた光を波長分解することで、複数の距離用発光素子18a、18b、18cの、中心波長が異なる各赤外線の受光強度を取得する。そして、S202で、受光強度取得部42は、S200で取得した各受光強度の平均を、各平均受光強度として取得する。
【0052】
次に、S204で、プロセッサ34は、発光強度制御部40として機能し、S202で取得した各平均受光強度のうち、最も強い平均受光強度に基づいて、光源30の発光強度を設定する。つまり、タグ14に対して最も近いリーダから受け付けた赤外線の平均受光強度に基づいて、光源30の発光強度を設定する。
図10では、リーダ12aが備える距離用発光素子18aから受け付けた赤外線の強度に基づいて、光源30の発光強度を設定する。
【0053】
次に、S206で、プロセッサ34は、明滅パターン制御部38として機能し、メモリ36から識別情報45を読み出して、
図6に示すような明滅パターンにより光源30が明滅するように光源30を制御する。
【0054】
以上説明したタグ14の光源30の制御によれば、タグ14に対して最も近いリーダ12aの距離用発光素子18aを基準に、タグの発光強度が比較的低く設定されるので、タグ14の光源30の消費電力を抑制することができる。このように、タグ14の発光強度を低くしても、タグ14とリーダ12aのカメラの間の距離が近いので、カメラの撮像画像からタグ14の光源30の光を認識することが可能である。以上説明した制御を、省エネモードと言うことができる。
【0055】
図13は、複数のリーダを有するタグ認識システムおけるタグ14の光源30の他の制御を示すフローチャートである。
図12のフローと
図13のフローの違いは、
図12のフローのS204における「最も強い平均受光強度を基準に発光強度を設定」に代えて、
図13のフローでは、S304で、「2番目に強い平均受光強度を基準に発光強度を設定」する点である。つまり、タグ14に対して2番目に近いリーダ(
図10ではリーダ12b(距離用発光素子18b))から受け付けた赤外線の平均受光強度に基づいて、光源30の発光強度を設定する。この制御によれば、タグ14に対して最も近いリーダ(
図10ではリーダ12a)のカメラの撮像画像と、2番目に近いリーダ(
図10ではリーダ12b)のカメラの撮像画像に、タグ14の光源30の光が明確に表れることになる。これら2つの撮像画像に基づいて、タグの位置を精度よく特定することが可能になる。この制御を高精度モードと言うことができる。
【0056】
なお、タグ14の距離用受光素子32が多数のリーダの距離用発光素子から赤外線を受け付ける場合には、n番目(nは3以上の整数)に近いリーダ(距離用発光素子)から受け付けた赤外線の強度(平均受光強度)に基づいて、光源30の発光強度を設定してもよい。その場合には、n個の撮像画像にタグ14の光源30の光が明確に表れることになり、それらの撮像画像に基づいてタグ14の位置をさらに精度よく特定することができる。
【0057】
次に、別の実施形態のタグ認識システムについて説明する。以上説明した実施形態のタグ認識システムは、距離用発光素子を備えたリーダがタグで受光するために赤外線を発光したが、赤外線に代えて電磁波の一種である所定の周波数帯域の電波を発信してもよい。そして、タグは、リーダからの電波を受け付け、受け付けた電波の強度に応じて光源30の発光強度を変化させるとしてもよい。
図14は、この別の実施形態におけるタグ認識システムのブロック図である。
図14のブロック図と
図3のブロック図の違いは、
図14では、
図3の距離用発光素子18が距離用電波発信素子19に置き換わっており、
図3の発光波長制御部28が、電波の発信を制御する電波周波数制御部29に置き換わっており、
図3の距離用受光素子32が距離用電波受信素子33に置き換わっており、
図3の受光強度取得部42が受信強度取得部43に置き換わっている点である。
【0058】
図14の電磁波を発信する素子である距離用電波発信素子19は、赤外線に代えて電波を扱う以外は
図3の距離用発光素子18と同様の機能を有し、リーダ12のカメラ16又はカメラ16の周辺から電波(電磁波の一種)を発する。
図14の電波周波数制御部29は、赤外線に代えて電波を扱う以外は
図3の発光波長制御部28と同様の機能を有し、距離用電波発信素子19から発する電波の周波数を制御する。
図14の電磁波を受信する素子である距離用電波受信素子33は、赤外線に代えて電波を扱う以外は
図3の距離用受光素子32と同様の機能を有し、リーダ12の距離用電波発信素子19からの電波を受け付ける。
図14の受信強度取得部43は、赤外線に代えて電波を扱う以外は
図3の受光強度取得部42と同様の機能を有し、距離用電波受信素子33が受け付けたリーダ12(距離用電波発信素子19)からの電波の受信強度を取得する。
図14の発光強度制御部40は、受信強度取得部43が取得した受信強度に基づいて光源30の発光強度を変化させる。なお、リーダ12の距離用電波発信素子19が発信する電波は、例えばWifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy等の電波であってもよい。以上説明した別の実施形態であっても、上記したリーダ(距離用発光素子)がタグのために赤外線を発光する実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
以上説明した各実施形態では、タグ14の光源30が赤外線を発光し、リーダ12の電磁波発信素子(距離用発光素子18、距離用電波発信素子19)が赤外線または電波を発するものであった。しかし、タグ14の光源30が、赤外線に代えて可視光(電磁波の一種)を発光するものであってもよく、同様に、リーダ12の電磁波発信素子が、赤外線または電波に代えて可視光を発光するものであってもよい。
【0060】
なお、以上説明した各実施形態では、認識装置20(
図3、
図14参照)のタグ認識部26が、撮像画像からタグ14を識別し、タグ14の位置を特定するものであった。しかし、タグ認識部26は、撮像画像からタグ14を識別するが、タグ14の位置を特定しない形態であってもよい。本明細書において、「タグ(発光装置)の認識」とは、撮像画像からタグを識別することを含むが、タグの位置を特定することを含まなくてもよい。「タグ認識システム(発光装置認識システム)」には、撮像画像からタグ(発光装置)を識別するが、タグ(発光装置)の位置を特定しないシステムも含まれる。
【0061】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0062】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 タグ認識システム、12,12a,12b,12c リーダ、14,14a,14b,14c タグ、15 誤認識タグ、16 カメラ、18 距離用発光素子、19 距離用電波発信素子、20 認識装置、22 プロセッサ、24 メモリ、26 タグ認識部、28 発光波長制御部、29 電波周波数制御部、30 光源、32 距離用受光素子、33 距離用電波受信素子、34 プロセッサ、36 メモリ、38 明滅パターン制御部、40 発光強度制御部、42 受光強度取得部、43 受信強度取得部、45 識別情報、50 壁。