(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】スイッチ状態検出装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/54 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
H01H9/54 C
(21)【出願番号】P 2020026423
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真規
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-35726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0139015(US,A1)
【文献】特開2014-53265(JP,A)
【文献】特開2011-227378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/54
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、
一端が前記電源に接続される第1抵抗器と、
前記第1抵抗器の他端からグランドへ至る電流路上の接点の接触及び離間を切り替え可能なスイッチと、
前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記スイッチの状態を検出する制御部と、
一端が前記電流路における前記接点よりも前記第1抵抗器側で前記接点に接続され、他端が前記電源又はグランドに接続されるコンデンサと、
を備え
、
前記コンデンサは、一端が抵抗器を介することなく前記接点に接続され、他端が抵抗器を介することなく前記電源又はグランドに接続されるスイッチ状態検出装置。
【請求項2】
前記第1抵抗器の他端と前記コンデンサの一端との間に設けられる第2抵抗器を備える、
請求項
1に記載のスイッチ状態検出装置。
【請求項3】
複数の前記電流路に対応する複数の前記スイッチと、
複数の前記電流路に対応する複数の前記コンデンサと、
複数の前記電流路に対応しており、互いに抵抗値が異なる複数の前記第2抵抗器と、
を備え、
前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、複数の前記スイッチの状態を検出する、
請求項
2に記載のスイッチ状態検出装置。
【請求項4】
請求項
1又は2に記載のスイッチ状態検出装置と、
筐体に着脱可能に設けられ、シートを収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記給紙カセットに設けられ、前記筐体への前記給紙カセットの装着に応じて前記スイッチを操作するスイッチ操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記給紙カセットの着脱を検出する、
画像形成装置。
【請求項5】
請求項
3に記載のスイッチ状態検出装置と、
筐体に着脱可能に設けられ、シートを収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記給紙カセットに設けられ、前記筐体への前記給紙カセットの装着に応じて複数の前記スイッチの一部又は全部を操作し、予め定められた切替操作に応じて操作対象の前記スイッチの組み合わせを切り替え可能なスイッチ操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記給紙カセットの着脱を検出するとともに当該給紙カセットに収容されるシートのサイズを判定する、
画像形成装置。
【請求項6】
電源と、
一端が前記電源に接続される第1抵抗器と、
前記第1抵抗器の他端からグランドへ至る電流路上の接点の接触及び離間を切り替え可能なスイッチと、
前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記スイッチの状態を検出する制御部と、
一端が前記電流路における前記接点よりも前記第1抵抗器側で前記接点に接続され、他端が前記電源又はグランドに接続されるコンデンサと、
前記第1抵抗器の他端と前記コンデンサの一端との間に設けられる第2抵抗器と、
を備えるスイッチ状態検出装置。
【請求項7】
複数の前記電流路に対応する複数の前記スイッチと、
複数の前記電流路に対応する複数の前記コンデンサと、
複数の前記電流路に対応しており、互いに抵抗値が異なる複数の前記第2抵抗器と、
を備え、
前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、複数の前記スイッチの状態を検出する、
請求項6に記載のスイッチ状態検出装置。
【請求項8】
請求項6に記載のスイッチ状態検出装置と、
筐体に着脱可能に設けられ、シートを収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記給紙カセットに設けられ、前記筐体への前記給紙カセットの装着に応じて前記スイッチを操作するスイッチ操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記給紙カセットの着脱を検出する、
画像形成装置。
【請求項9】
請求項7に記載のスイッチ状態検出装置と、
筐体に着脱可能に設けられ、シートを収容する給紙カセットと、
前記給紙カセットから供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記給紙カセットに設けられ、前記筐体への前記給紙カセットの装着に応じて複数の前記スイッチの一部又は全部を操作し、予め定められた切替操作に応じて操作対象の前記スイッチの組み合わせを切り替え可能なスイッチ操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記給紙カセットの着脱を検出するとともに当該給紙カセットに収容されるシートのサイズを判定する、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ状態検出装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターのような画像形成装置では、シートを収容する給紙カセットの着脱が検出される。例えば、前記画像形成装置は、前記給紙カセットの着脱に応じてオンオフが切り替わるスイッチの状態を検出可能なスイッチ状態検出装置を備える。
【0003】
ここで、前記スイッチでは、接点に使用される銀が硫化するなどにより当該接点に絶縁被膜が形成されて、接点不良が生じることがある(例えば、特許文献1参照)。これに対し、前記スイッチに流れる電流を多くすることにより、前記接点に絶縁被膜が形成されることを抑制する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記スイッチに流れる電流を多くすると、前記スイッチ状態検出装置における消費電力が増大する。
【0006】
本発明の目的は、消費電力を抑制するとともに、接点に絶縁皮膜が形成されることを抑制可能なスイッチ状態検出装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係るスイッチ状態検出装置は、電源と、第1抵抗器と、スイッチと、制御部と、コンデンサと、を備える。前記第1抵抗器は、一端が前記電源に接続される。前記スイッチは、前記第1抵抗器の他端からグランドへ至る電流路上の接点の接触及び離間を切り替え可能である。前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記スイッチの状態を検出する。前記コンデンサは、一端が前記電流路における前記接点よりも前記第1抵抗器側で前記接点に接続され、他端が前記電源又はグランドに接続される。
【0008】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記スイッチ状態検出装置と、給紙カセットと、画像形成部と、スイッチ操作部と、を備える。前記給紙カセットは、筐体に着脱可能に設けられ、シートを収容する。前記画像形成部は、前記給紙カセットから供給されるシートに画像を形成する。前記スイッチ操作部は、前記給紙カセットに設けられ、前記筐体への前記給紙カセットの装着に応じて前記スイッチを操作する。また、前記スイッチ状態検出装置の前記制御部は、前記第1抵抗器の他端における電圧に基づいて、前記給紙カセットの着脱を検出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、消費電力を抑制するとともに、接点に絶縁皮膜が形成されることを抑制可能なスイッチ状態検出装置、及び画像形成装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のカセット装着部の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の給紙カセットの構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のスイッチ操作部の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のスイッチ状態検出装置の構成を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置のスイッチ状態検出装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置10の構成]
まず、
図1、及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。ここで、
図1は画像形成装置10の構成を示す断面図である。また、
図2は画像形成装置10の構成を示す斜視図である。
【0013】
なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(
図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図1に示される画像形成装置10の紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0014】
画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、スキャン機能、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置10は、プリンター、ファクシミリ装置、又はコピー機であってもよい。
【0015】
図1、及び
図2に示されるように、画像形成装置10は、筐体10A、ADF(自動原稿搬送装置)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、及び操作表示部5を備える。
【0016】
筐体10Aは、画像形成部3、及び給紙部4を収容する。
図2に示されるように、筐体10Aは略直方体状に形成される。筐体10Aの上部には、画像形成部3によって画像が形成されたシートが排出される排紙トレイ10Bが設けられる。筐体10Aの下部には、給紙カセット41が着脱されるカセット装着部10C(
図3参照)が設けられる。
図2に示されるように、筐体10Aの上側には、画像読取部2が設けられる。画像読取部2は、読取対象の原稿が載置される原稿台を備える。前記原稿台には、ADF1が開閉可能に設けられる。画像読取部2の前側には、操作表示部5が設けられる。
【0017】
ADF1は、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する。具体的に、ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。ADF1は、前記原稿セット部に載置された原稿を、画像読取部2による画像データの読み取り位置を経由して、前記排紙部へ搬送する。
【0018】
画像読取部2は、原稿から画像データを読み取る。具体的に、画像読取部2は、前記原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCDを備える。画像読取部2は、前記原稿台に載置された原稿、及びADF1によって搬送される原稿から画像データを読み取る。
【0019】
画像形成部3は、画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成する。具体的に、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電装置、光走査装置、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、及び定着装置を備える。画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データ、又は外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて、シートに画像を形成する。なお、画像形成部3は、インクジェット方式などの他の画像形成方式でシートに画像を形成してもよい。
【0020】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。具体的に、給紙部4は、給紙カセット41、及び複数の搬送ローラーを備える。画像形成装置10では、給紙部4から供給されるシートに画像が形成されて、画像形成後のシートが排紙トレイ10Bに排出される。
【0021】
操作表示部5は、不図示のメイン制御部からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて当該メイン制御部に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0022】
[カセット装着部10C、及び給紙カセット41の構成]
次に、
図2~
図5を参照しつつ、カセット装着部10C、及び給紙カセット41の構成について説明する。ここで、
図3はカセット装着部10Cの構成を示す正面図である。また、
図4は給紙カセット41の構成を示す平面図である。また、
図5はスイッチ操作部413の構成を示す斜視図である。
【0023】
カセット装着部10Cには、給紙カセット41が装着される。
図3に示されるように、カセット装着部10Cは、筐体10Aの前部に給紙カセット41が前後方向D2に挿抜される開口10C1を形成する。筐体10Aにおける開口10C1の奥側には、給紙カセット41を収容するカセット収容空間が形成される。カセット装着部10Cは、給紙カセット41がカセット装着部10Cに装着された状態で当該給紙カセット41の外装部412と筐体10Aの前面とが面一になるように、当該前面よりも後方側に設けられる。
【0024】
図3に示されるように、カセット装着部10Cの縁部には、スイッチ部11が設けられる。スイッチ部11は、3つのスイッチ111を備える。3つのスイッチ111は、上下方向D1に沿って並んで設けられる。スイッチ111各々は、カセット装着部10Cの縁部から前方に突出して設けられるプッシュスイッチである。スイッチ111は、銀などの金属により構成された接点を有する。
【0025】
給紙カセット41は、筐体10Aに着脱可能に設けられ、シートを収容する。
図4に示されるように、給紙カセット41は、シート収容部411と、外装部412と、スイッチ操作部413と、を備える。
【0026】
シート収容部411は、シートを収容するシート収容空間を形成する。具体的に、シート収容部411は、底板部と、当該底板部の左右両端部に立設された一対の側壁部と、当該底板部の後端部に立設された後壁部とを有する。シート収容部411は、給紙カセット41がカセット装着部10Cに装着される際に開口10C1に挿入される。
【0027】
外装部412は、シート収容部411の前端部に設けられる。外装部412は、給紙カセット41がカセット装着部10Cに装着された状態で、筐体10Aとともに画像形成装置10の前方側の外装を構成する。外装部412の前面には、給紙カセット41が挿抜される際にユーザーによって握られる把手部412Aが設けられる。
【0028】
スイッチ操作部413は、カセット装着部10Cへの給紙カセット41の装着に応じて、複数のスイッチ111の一部又は全部を操作する。また、スイッチ操作部413は、操作部413B(
図5参照)への操作に応じて回動することで、操作対象のスイッチ111の組み合わせを切り替え可能である。ここに、操作部413Bへの操作が、本発明における予め定められた切替操作の一例である。
【0029】
具体的に、スイッチ操作部413は、外装部412における、給紙カセット41がカセット装着部10Cに装着された状態でスイッチ部11と対向する対向部に設けられる。
図5に示されるように、スイッチ操作部413は、筒状部413A、操作部413B、表示部413C、及び接触部413Dを備える。
【0030】
筒状部413Aは、上下方向D1に沿った軸孔413A1(
図5参照)を形成する円筒状に形成される。筒状部413Aの外周部には、上から順に、操作部413B、表示部413C、及び接触部413Dが設けられる。筒状部413Aの軸孔413A1には、外装部412の内部において上下方向D1に沿って設けられる軸部412B(
図4参照)に挿通される。これにより、スイッチ操作部413は、軸部412Bを中心に回動可能に支持される。
【0031】
操作部413Bは、筒状部413Aの最上部に設けられる。操作部413Bは、筒状部413Aよりも径が大きい円筒状に形成される。操作部413Bの外周面には、ローレット加工が施される。スイッチ操作部413は、ユーザーによる操作部413Bへの操作に応じて回動する。
【0032】
表示部413Cは、筒状部413Aにおける操作部413Bの下側に設けられる。表示部413Cは、筒状部413Aよりも径が大きい円筒状に形成される。表示部413Cの外周面には、スイッチ操作部413の回転方向に沿って複数のシートサイズを示す記号が表記される。例えば、表示部413Cの外周面には、スイッチ操作部413の回転方向に沿って45度の間隔で前記記号が表記される。
【0033】
図2に示されるように、外装部412は、外装部412の前方側の空間と外装部412の内部空間とを連通する窓部412Cを有する。窓部412Cは、スイッチ操作部413の操作部413B、及び表示部413Cと対向して設けられる。
【0034】
給紙カセット41において、スイッチ操作部413の操作部413B、及び表示部413Cは、窓部412Cを介して外部に露出する。画像形成装置10のユーザーは、操作部413Bを操作してスイッチ操作部413を回動させることで、窓部412Cに表示される前記記号を切り替えることが可能である。
【0035】
接触部413Dは、筒状部413Aにおける表示部413Cの下側に設けられる。接触部413Dは、カセット装着部10Cへの給紙カセット41の装着に応じて、窓部412Cに表示される前記記号に対応付けられた一又は複数のスイッチ111と接触して、当該一又は複数のスイッチ111を操作する。
【0036】
具体的に、接触部413Dは、表示部413Cに表記される前記記号各々の下側に、当該記号ごとに異なる凹凸パターンを形成する。
【0037】
より具体的に、接触部413Dは、上下方向D1に沿って並ぶ第1領域413D1、第2領域413D2、及び第3領域413D3を有する。
【0038】
ここで、第1領域413D1は、スイッチ部11の3つのスイッチ111のうち、最上部のスイッチ111A(
図3参照)と対向する領域である。また、第2領域413D2は、スイッチ部11の3つのスイッチ111のうち、中央部のスイッチ111B(
図3参照)と対向する領域である。また、第3領域413D3は、スイッチ部11の3つのスイッチ111のうち、最下部のスイッチ111C(
図3参照)と対向する領域である。
【0039】
そして、前記凹凸パターンは、第1領域413D1、第2領域413D2、及び第3領域413D3のそれぞれに形成された凹部又は凸部により構成される。前記凸部は、カセット装着部10Cへの給紙カセット41の装着に応じてスイッチ111を操作可能となるように、筒状部413Aの外周面から径方向に突出して形成される。前記凹部は、給紙カセット41がカセット装着部10Cに装着される際にスイッチ111に接触しないように、前記凸部の突出端よりも径方向の内側に形成される。
【0040】
例えば、
図5に示されるように、接触部413Dは、「A3」を示す前記記号の下側に、上から前記凸部、前記凸部、前記凸部の順で並ぶ前記凹凸パターンを形成する。また、接触部413Dは、「B4」を示す前記記号の下側に、上から前記凸部、前記凹部、前記凸部の順で並ぶ前記凹凸パターンを形成する。また、接触部413Dは、「A4」を示す前記記号の下側に、上から前記凸部、前記凹部、前記凹部の順で並ぶ前記凹凸パターンを形成する。
【0041】
前記凹凸パターン各々は、当該凹凸パターンの真上に位置する前記記号ではなく、表示部413Cにおける当該記号の真裏に位置する前記記号に対応して形成される。具体的に、前記凹凸パターン各々は、当該凹凸パターンに対応する前記記号が窓部412Cに表示されている場合に、当該記号に対応付けられた一又は複数のスイッチ111を操作可能となるように形成される。
【0042】
画像形成装置10では、カセット装着部10Cにおける給紙カセット41の着脱が検出されるとともに、給紙カセット41に収容されるシートのサイズが判定される。具体的に、画像形成装置10は、スイッチ部11の3つのスイッチ111の状態を検出可能なスイッチ状態検出装置6を備える。
【0043】
ここで、スイッチ111では、接点に使用される銀が硫化するなどにより当該接点に絶縁被膜が形成されて、接点不良が生じることがある。これに対し、スイッチ111に流れる電流を多くすることにより、前記接点に絶縁被膜が形成されることを抑制する構成が知られている。
【0044】
しかしながら、スイッチ111に流れる電流を多くすると、スイッチ状態検出装置6における消費電力が増大する。
【0045】
これに対し、本発明の実施形態に係るスイッチ状態検出装置6では、以下に説明するように、消費電力を抑制するとともに、前記接点に絶縁皮膜が形成されることを抑制可能である。
【0046】
[スイッチ状態検出装置6の構成]
以下、
図6を参照しつつ、本発明の実施形態に係るスイッチ状態検出装置6の構成について説明する。ここで、
図6はスイッチ状態検出装置6の構成を示す回路図である。
【0047】
図6に示されるように、スイッチ状態検出装置6は、スイッチ状態検出回路61、及び制御部62を備える。
【0048】
図6に示されるように、スイッチ状態検出回路61は、電源611、第1抵抗器612、3つのスイッチ111、3つの第1コンデンサ613、3つの第2抵抗器614、及び第2コンデンサ615を備える。
【0049】
電源611は、所定の電圧の直流電源である。例えば、電源611の電圧は3.3V(ボルト)である。
【0050】
第1抵抗器612は、一端が電源611に接続され、他端が3つの第2抵抗器614、第2コンデンサ615、及び制御部62に接続される。例えば、第1抵抗器612の抵抗値は5.6kΩ(キロオーム)である。
【0051】
3つのスイッチ111は、第1抵抗器612の他端からグランドへ至る3つの電流路60(
図6参照)に対応して設けられる。具体的に、
図6に示されるように、スイッチ111Aは、3つの電流路60のうちの電流路60Aに設けられる。また、スイッチ111Bは、3つの電流路60のうちの電流路60Bに設けられる。また、スイッチ111Cは、3つの電流路60のうちの電流路60Cに設けられる。スイッチ111各々は、対応する電流路60上の前記接点の接触及び離間を切り替え可能である。
【0052】
3つの第1コンデンサ613は、3つの電流路60に対応して設けられる。
【0053】
具体的に、第1コンデンサ613Aは、一端が電流路60Aにおけるスイッチ111Aの前記接点よりも第1抵抗器612側で当該接点に接続され、他端が電源611に接続される。第1コンデンサ613Aは、一端が抵抗器を介することなくスイッチ111Aの前記接点に接続され、他端が抵抗器を介することなく電源611に接続される。例えば、第1コンデンサ613Aの静電容量は0.1μF(マイクロファラド)である。
【0054】
また、第1コンデンサ613Bは、一端が電流路60Bにおけるスイッチ111Bの前記接点よりも第1抵抗器612側で当該接点に接続され、他端が電源611に接続される。第1コンデンサ613Bは、一端が抵抗器を介することなくスイッチ111Bの前記接点に接続され、他端が抵抗器を介することなく電源611に接続される。例えば、第1コンデンサ613Bの静電容量は0.1μF(マイクロファラド)である。
【0055】
また、第1コンデンサ613Cは、一端が電流路60Cにおけるスイッチ111Cの前記接点よりも第1抵抗器612側で当該接点に接続され、他端が電源611に接続される。第1コンデンサ613Cは、一端が抵抗器を介することなくスイッチ111Cの前記接点に接続され、他端が抵抗器を介することなく電源611に接続される。例えば、第1コンデンサ613Cの静電容量は0.1μF(マイクロファラド)である。
【0056】
3つの第2抵抗器614は、3つの電流路60に対応して設けられる。
【0057】
具体的に、第2抵抗器614Aは、第1抵抗器612の他端と第1コンデンサ613Aの一端との間に設けられる。例えば、第2抵抗器614Aの抵抗値は5.6kΩ(キロオーム)である。第2抵抗器614Aは、電流路60Aが導通している場合に、制御部62に入力される電圧を分圧する。
【0058】
また、第2抵抗器614Bは、第1抵抗器612の他端と第1コンデンサ613Bの一端との間に設けられる。例えば、第2抵抗器614Bの抵抗値は10kΩ(キロオーム)である。第2抵抗器614Bは、電流路60Bが導通している場合に、制御部62に入力される電圧を分圧する。
【0059】
また、第2抵抗器614Cは、第1抵抗器612の他端と第1コンデンサ613Cの一端との間に設けられる。例えば、第2抵抗器614Cの抵抗値は20kΩ(キロオーム)である。第2抵抗器614Cは、電流路60Cが導通している場合に、制御部62に入力される電圧を分圧する。
【0060】
第2コンデンサ615は、一端が第1抵抗器612に接続され、他端がグランドに接続される。第2コンデンサ615は、制御部62に入力される電圧に含まれるノイズの除去のために設けられる。例えば、第2コンデンサ615の静電容量は0.1μF(マイクロファラド)である。なお、スイッチ状態検出回路61は、第2コンデンサ615を備えていなくてもよい。
【0061】
制御部62は、第1抵抗器612の他端における電圧に基づいて、複数のスイッチ111の状態を検出する。制御部62は、複数のスイッチ111の状態の検出結果に基づいて、給紙カセット41の着脱を検出するとともに、給紙カセット41に収容されるシートのサイズを判定する。例えば、制御部62は、集積回路(ASIC、DSP)などの電子回路で構成される。
【0062】
次に、スイッチ状態検出装置6の動作について説明する。
【0063】
まず、カセット装着部10Cに給紙カセット41が装着されていない場合、3つのスイッチ111はいずれもオフの状態である。この場合、制御部62には、電源611の電圧が入力される。制御部62は、入力される電圧が電源611の電圧と同じである場合には、給紙カセット41が装着されていないと判断する。
【0064】
次に、カセット装着部10Cに給紙カセット41が装着されると、給紙カセット41のスイッチ操作部413により、窓部412Cに表示されているシートサイズに対応する組み合わせのスイッチ111が操作される。ここでは、スイッチ111Aのみが操作されたと仮定する。この場合、第1コンデンサ613Aの一端がスイッチ111Aを介してグランドに、他端が電源611に接続されて、抵抗器を含まない電流路が形成される。そのため、電源611から第1コンデンサ613A、及びスイッチ111Aを経由してグランドに至る電流路に瞬間的に大電流が流れて、第1コンデンサ613Aが充電される。例えば、
図6に示されるスイッチ状態検出回路61では、電源611から第1コンデンサ613A、及びスイッチ111Aを経由してグランドに至る電流路に約80mA(ミリアンペア)の電流が流れる。
【0065】
第1コンデンサ613Aの充電が終了すると、第1コンデンサ613Aを経由する電流路に替わって、第1抵抗器612、及び第2抵抗器614Aを経由する電流路に電流が流れる。例えば、
図6に示されるスイッチ状態検出回路61では、電源611から第1抵抗器612、第2抵抗器614A、及びスイッチ111Aを経由してグランドに至る電流路に約0.29mA(ミリアンペア)の電流が流れる。
【0066】
また、第1コンデンサ613Aの充電が終了すると、電源611の電圧が第1抵抗器612、及び第2抵抗器614Aによって分圧されて制御部62に入力される。制御部62は、入力される電圧が電源611の電圧よりも低下した場合には、給紙カセット41が装着されたと判断する。また、制御部62は、入力される電圧の値と、予め制御部62の内部の記憶部に格納された、電圧の値とシートのサイズとの対応関係を示すテーブルデータとに基づいて、給紙カセット41に収容されるシートのサイズを判定する。
【0067】
なお、第1コンデンサ613Aに蓄積された電荷は、スイッチ111Aがオンからオフに切り替わった後に、第1コンデンサ613Aから第1抵抗器612、及び第2抵抗器614を経由して第1コンデンサ613Aに至る電流路に電流が流れるなどして、第1コンデンサ613Aから放出される。
【0068】
一般的に、スイッチ111の前記接点に絶縁皮膜が形成されることを抑制するためには、スイッチ111に1mA(ミリアンペア)以上の電流を流す必要があるとされる。本発明の実施形態に係るスイッチ状態検出装置6によれば、上述のように、スイッチ111がオフからオンに切り替わった場合に、瞬間的に1mA(ミリアンペア)を超える大電流が流れる。そして、当該大電流が流れて第1コンデンサ613が充電された後は、回路内を流れる電流が1mA(ミリアンペア)未満になる。そのため、消費電力を抑制するとともに、接点に絶縁皮膜が形成されることを抑制することが可能である。
【0069】
なお、スイッチ部11は、スイッチ111Aだけを備えていてもよい。この場合、給紙カセット41の外装部412は、スイッチ操作部413に替えて、カセット装着部10Cへの装着に応じてスイッチ111Aを操作可能な壁部、又は突出部(本発明のスイッチ操作部の他の一例)を備えていればよい。また、スイッチ状態検出回路61は、第1コンデンサ613B、613C、並びに第2抵抗器614B、及び614Cを備えていなくてよい。また、スイッチ状態検出回路61は、第1コンデンサ613B、613C、第2抵抗器614B、及び614Cに加えて、第2抵抗器614Aを備えていなくてもよい。また、制御部62は、給紙カセット41に収容されるシートのサイズを判定しなくてよい。
【0070】
また、本発明のスイッチ状態検出装置6は、画像形成装置10とは異なる電子機器に設けられてもよい。
【0071】
[他の実施形態]
以下、
図7を参照しつつ、本発明の他の実施形態であるスイッチ状態検出装置7の構成について説明する。ここで、
図7はスイッチ状態検出装置7の構成を示す回路図である。
【0072】
スイッチ状態検出装置7は、スイッチ状態検出回路61の構成が異なる点を除けば、スイッチ状態検出装置6と同様の構成を備える。以下、スイッチ状態検出装置6とは異なる点についてのみ説明を行う。
【0073】
具体的に、スイッチ状態検出装置7では、
図7に示されるように、3つの第1コンデンサ613各々の他端が、電源611ではなくグランドに接続されている。
【0074】
次に、スイッチ状態検出装置7の動作について説明する。
【0075】
まず、カセット装着部10Cに給紙カセット41が装着されていない場合、3つのスイッチ111はいずれもオフの状態である。この場合、電源611から第1抵抗器612、第2抵抗器614A、及び第1コンデンサ613Aを経由してグランドに電流が流れて、第1コンデンサ613Aが充電される。また、電源611から第1抵抗器612、第2抵抗器614B、及び第1コンデンサ613Bを経由してグランドに電流が流れて、第1コンデンサ613Bが充電される。また、電源611から第1抵抗器612、第2抵抗器614C、及び第1コンデンサ613Cを経由してグランドに電流が流れて、第1コンデンサ613Cが充電される。
【0076】
3つの第1コンデンサ613各々の充電が終了すると、制御部62には、電源611の電圧が入力される。制御部62は、入力される電圧が電源611の電圧と同じである場合には、給紙カセット41が装着されていないと判断する。
【0077】
次に、カセット装着部10Cに給紙カセット41が装着されると、給紙カセット41のスイッチ操作部413により、窓部412Cに表示されているシートサイズに対応する組み合わせのスイッチ111が操作される。ここでは、スイッチ111Aのみが操作されたと仮定する。この場合、第1コンデンサ613Aの一端がスイッチ111Aを介してグランドに、他端がグランドに接続されて、抵抗器を含まない電流路が形成される。そのため、第1コンデンサ613Aに蓄積された電荷が、スイッチ111Aを経由してグランドへ瞬間的に放出される。
【0078】
第1コンデンサ613Aの放電が終了すると、電源611から第1抵抗器612、第2抵抗器614A、及びスイッチ111Aを経由してグランドへ至る経路に電流が流れる。
【0079】
また、第1コンデンサ613Aの放電が終了すると、電源611の電圧が第1抵抗器612、及び第2抵抗器614Aによって分圧されて制御部62に入力される。制御部62は、入力される電圧が電源611の電圧よりも低下した場合には、給紙カセット41が装着されたと判断する。また、制御部62は、入力される電圧の値と、前記テーブルデータとに基づいて、給紙カセット41に収容されるシートのサイズを判定する。
【0080】
このように、スイッチ状態検出装置7では、スイッチ111がオフからオンに切り替わった場合に、当該スイッチ111に対応する充電された第1コンデンサ613の端部各々が抵抗器を介することなくグランドに接続される。そのため、第1コンデンサ613からスイッチ111を経由してグランドに至る経路に瞬間的に大電流を流すことが可能となる。従って、消費電力を抑制するとともに、接点に絶縁皮膜が形成されることを抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 操作表示部
6 スイッチ状態検出装置
7 スイッチ状態検出装置
10 画像形成装置
10A 筐体
10C カセット装着部
11 スイッチ部
41 給紙カセット
61 スイッチ状態検出回路
62 制御部
111 スイッチ
411 シート収容部
412 外装部
413 スイッチ操作部
611 電源
612 第1抵抗器
613 第1コンデンサ
614 第2抵抗器
615 第2コンデンサ