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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20240312BHJP
   F02D 41/34 20060101ALI20240312BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20240312BHJP
   F02M 61/10 20060101ALI20240312BHJP
   F02M 61/18 20060101ALI20240312BHJP
   F02P 5/152 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F02D45/00 368A
F02D41/34
F02D43/00 301A
F02D43/00 301D
F02D43/00 301U
F02D45/00 368Z
F02M61/10 F
F02M61/18 320Z
F02M61/18 330Z
F02P5/152
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020032207
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021134735
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】青柳 賢司
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-207887(JP,A)
【文献】特開2011-241753(JP,A)
【文献】特開2001-342836(JP,A)
【文献】特開2002-242738(JP,A)
【文献】特開2016-037892(JP,A)
【文献】特開2020-133491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 45/00
F02D 41/34
F02D 43/00
F02M 61/10
F02M 61/18
F02P 5/152
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(91,92)の燃焼室(38)内に燃料を噴射する噴射装置(40)と、前記燃焼室内において前記燃料に点火(I)を行う点火プラグ(50)と、前記噴射装置により所定の通常噴射(F)を行ってから前記点火プラグにより前記点火を行う制御としての通常制御(α)を行う通常制御部(65)と、を有する燃焼システムにおいて、
前記通常制御を行うと前記燃焼室内において、前記点火により発生する火炎(P)の伝播が他の部分よりも遅れることになる所定の領域を遅延域(D)とし、前記通常制御を行うと前記遅延域の燃料に自着火が発生することになる状態をノック状態として、
前記ノック状態の時に、所定の調整制御(β)を行うことにより前記自着火を抑制する調整制御部(66)と、を有し、
前記調整制御は、前記噴射装置により、所定のメイン噴射(Fm)を行うと共にその後の圧縮行程の後半に所定のサブ噴射(Fs)を行うことにより、リッチ空燃比の領域であるリッチ領域を前記噴射装置から前記遅延域側へ広げることで、前記燃焼室内の燃料分布を、前記通常噴射が行われた場合に比べて、前記点火により発生する火炎(P)が前記遅延域に伝播し易い燃料分布に調整してから、前記点火プラグにより前記点火を行う制御である、燃焼システム。
【請求項2】
エンジン(91,92)の燃焼室(38)内に燃料を噴射する噴射装置(40)と、前記燃焼室内において前記燃料に点火(I)を行う点火プラグ(50)と、前記噴射装置により所定の通常噴射(F)を行ってから前記点火プラグにより前記点火を行う制御としての通常制御(α)を行う通常制御部(65)と、を有する燃焼システムにおいて、
前記通常制御を行うと前記燃焼室内において、前記点火により発生する火炎(P)の伝播が他の部分よりも遅れることになる所定の領域を遅延域(D)とし、前記通常制御を行うと前記遅延域の燃料に自着火が発生することになる状態をノック状態として、
前記ノック状態であるか否かを判定するノック判定部(62)と、
所定の調整制御(β)を行うことにより前記自着火を抑制する調整制御部(66)と、
前記通常制御及び前記調整制御のいずれよりも前記点火のタイミングが遅い制御としての遅角制御(γ)を行う遅角制御部(67)と、前記調整制御を行っても排気の状態が所定の許容範囲内に収まるか否かを判定する排気判定部(63)と、を有し、
前記調整制御は、前記噴射装置により、所定のメイン噴射(Fm)を行うと共にその後の圧縮行程の後半に所定のサブ噴射(Fs)を行うことにより、リッチ空燃比の領域であるリッチ領域を前記噴射装置から前記遅延域側へ広げることで、前記燃焼室内の燃料分布を、前記通常噴射が行われた場合に比べて、前記点火により発生する火炎(P)が前記遅延域に伝播し易い燃料分布に調整してから、前記点火プラグにより前記点火を行う制御であり、
前記ノック判定部により前記ノック状態でないと判定された場合には、前記通常制御部により前記通常制御を行い、前記ノック判定部により前記ノック状態であると判定され且つ前記排気判定部により前記排気の状態が前記許容範囲内に収まると判定された場合には、前記調整制御部により前記調整制御を行い、前記ノック判定部により前記ノック状態であると判定され且つ前記排気判定部により前記排気の状態が前記許容範囲内に収まらないと判定された場合には、前記遅角制御部により前記遅角制御を行う、燃焼システム。
【請求項3】
前記排気判定部は、前記調整制御を行うと排出されるCOの排出量を算出し、算出された前記COの排出量が所定のCO許容閾値よりも小さいことを条件に、前記排気の状態が前記許容範囲内に収まると判定する、請求項2に記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記排気判定部は、前記調整制御を行うと排出されるPMの排出量を算出し、算出された前記PMの排出量が所定のPM許容閾値よりも小さいことを条件に、前記排気の状態が前記許容範囲内に収まると判定する、請求項2又は3に記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記エンジンの排気口(28)から吸気口(22)に向かう方向を吸気方向(d1)とし、前記吸気方向の反対方向を排気方向(d2)として、
前記エンジン(91)は、少なくとも所定状態では、吸気行程に発生したタンブルが圧縮行程の後半まで継続することにより、前記燃焼室の中心よりも前記吸気方向側に前記遅延域が形成される構成であり、
前記噴射装置は、燃料を前記排気方向側よりも前記吸気方向側に多く噴射するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の燃焼システム。
【請求項6】
前記エンジンの排気口(28)から吸気口(22)に向かう方向を吸気方向(d1)とし、前記吸気方向の反対方向を排気方向(d2)として、
前記エンジン(92)は、少なくとも所定状態では、吸気行程に発生したタンブルが圧縮行程でωスワールに変化することにより、前記燃焼室の中心よりも前記排気方向側に前記遅延域が形成される構成であり、
前記噴射装置は、燃料を前記吸気方向側よりも前記排気方向側に多く噴射するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の燃焼システム。
【請求項7】
前記噴射装置には、燃料を微粒化して噴射するための微粒化構造を有する噴孔(44)が設けられており、前記微粒化構造は、噴射方向側に進むに従いテーパ状又は段状に広がる広がり構造、及び開口部がオーバル状であるオーバル構造のうちの少なくともいずれか一方を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する噴射装置と、燃焼室内において燃料に点火する点火プラグとを有する燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼システムの中には、次のようにしてノックを抑制するもがある。すなわち、吸気行程にメイン噴射を行うことにより、燃焼室内全体にリーン空燃比の混合気を形成し、その後の圧縮行程の前半にサブ噴射を行うことにより、点火プラグの近傍にリッチ空燃比の混合気を形成する。これにより、点火プラグの近傍にはリッチ空燃比の混合気を形成する一方、排気側領域についてはリーン空燃比に維持する。それにより、温度が高くなる排気側領域での自着火を抑制して、ノックを抑制している。そして、このような技術を示す文献としては、次の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-037892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、圧縮行程の前半にサブ噴射を行っているため、サブ噴射により噴射した燃料が、点火直前までに広く拡散し易い。そのため、点火直前における燃焼室内の燃料分布を、狙った燃料分布にすることが難しくなる。そのため、ノックを精度良く抑制することが難しくなる。そして、このような問題は、燃焼室内の気流が強くなるエンジンの高回転時に特に顕著になる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ノックを精度良く抑制し易くすることを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の燃焼システムは、エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する噴射装置と、前記燃焼室内において前記燃料に点火を行う点火プラグと、前記噴射装置により所定の通常噴射を行ってから前記点火プラグにより前記点火を行う制御としての通常制御を行う通常制御部と、を有する。
【0007】
以下では、前記通常制御を行うと前記燃焼室内において火炎の伝播が他の部分よりも遅れることになる所定の領域を遅延域とし、前記通常制御を行うと前記遅延域の燃料に自着火が発生する状態をノック状態とする。
【0008】
前記燃焼システムは、前記ノック状態の時に、所定の調整制御を行うことにより前記自着火を抑制する調整制御部を有する。前記調整制御は、前記噴射装置により、所定のメイン噴射を行うと共にその後の圧縮行程の後半に所定のサブ噴射を行うことにより、前記燃焼室内の燃料分布を、前記通常噴射が行われた場合に比べて、火炎が前記遅延域に伝播し易い燃料分布にしてから、前記点火プラグにより前記点火を行う制御である。
【0009】
本発明における調整制御では、メイン噴射を行うと共にサブ噴射を行うことにより、燃焼室内の燃料分布を、火炎が遅延域に伝播し易い燃料分布に調整してから点火を行う。すなわち、自着火を抑制したい領域をリーン空燃比に制御する上記の背景技術の発想とはむしろ反対に、本発明における調整制御では、自着火を抑制したい遅延域に火炎を伝播し易くしている。その遅延域への火炎の伝播により、遅延域における自着火を抑制してノックを抑制している。そして、本発明における調整制御では、圧縮行程の後半にサブ噴射を行っている。そのため、圧縮行程の前半にサブ噴射を行う背景技術に比べて、点火直前における燃焼室内の燃料分布を狙い通りに制御し易くなる。そのため、ノックを精度良く抑制し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の燃焼システムを示す正面断面図
図2】通常制御、調整制御及び遅角制御を示すタイムチャート
図3】通常制御時における点火直後の燃焼室内を示す平面断面図
図4図3のIV-IV線の断面を示す正面断面図
図5】調整制御時における点火直前の燃焼室内を示す正面断面図
図6】その後の点火直後の燃焼室内を示す正面断面図
図7】燃焼システムによる制御を示すフローチャート
図8】第2実施形態の通常制御時における点火直後の燃焼室内を示す平面断面図
図9図8のIX-IX線の断面を示す正面断面図
図10】調整制御時における点火直前の燃焼室内を示す正面断面図
図11】その後の点火直後の燃焼室内を示す正面断面図?
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できる。
【0012】
[第1実施形態]
まずは、本実施形態の概要について説明する。図1に示すように、燃焼システム70は、エンジン91に対して設置されている。燃焼システム70は、噴射装置40と点火プラグ50と制御部60とを有する。噴射装置40は、エンジン91の燃焼室38内に燃料を噴射する。点火プラグ50は、燃焼室38内において燃料に点火Iを行う。制御部60は、通常制御部65と調整制御部66と遅角制御部67とを有する。通常制御部65は、図2(a)に示す通常制御αを行う。その通常制御αでは、噴射装置40により所定の通常噴射Fを行ってから、点火プラグ50により点火Iを行う。
【0013】
図3図4は、その通常制御αの実行時における点火直後の燃焼室38内を示している。以下では、通常制御αを行うと燃焼室38内において火炎Pの伝播が他の部分よりも遅れることになる所定の領域を「遅延域D」とし、通常制御αを行うと遅延域Dの燃料に自着火が発生することになる状態を「ノック状態」とする。また以下では、エンジン91の排気口28から吸気口22に向かう方向を「吸気方向d1」とし、吸気方向d1の反対方向を「排気方向d2」とする。
【0014】
これら図3図4に示すように、本実施形態のエンジン91は、少なくとも所定状態では、吸気行程に発生したタンブルAtが圧縮行程の後半まで継続することにより、燃焼室38の中心よりも吸気方向d1側に遅延域Dが形成される構成である。
【0015】
図5に示すように、噴射装置40は、燃料を排気方向d2側よりも吸気方向d1側に多く噴射するように構成されている。噴射装置40には、燃料を微粒化して噴射するための微粒化構造を有する噴孔44が設けられている。その微粒化構造は、噴射方向側に進むに従いテーパ状又は段状に広がる広がり構造、及び開口部がオーバル状であるオーバル構造のうちの少なくともいずれか一方を含む。
【0016】
調整制御部66は、ノック状態の時に、図2(b)に示す調整制御βを行うことにより自着火を抑制する。その調整制御βでは、噴射装置40により、所定のメイン噴射Fmを行うと共にその後の圧縮行程の後半に所定のサブ噴射Fsを行う。それにより、図5に示すように、燃焼室38内の燃料分布を、通常噴射Fが行われた場合に比べて、火炎Pが遅延域Dに伝播し易い燃料分布に調整する。その燃料分布の状態で、図6に示すように、点火プラグ50により点火Iを行う。
【0017】
図5等に示すように、燃焼システム70は、燃焼室38内に発生する電磁波を検出する電磁波センサ34を有する。その電磁波センサ34は、複数あり、それら電磁波センサ34は、点火プラグ50の外周面に周方向に間隔をおいて並設されている。調整制御部66は、電磁波センサ34により検出された電磁波に基づいて、遅延域Dに関する情報である遅延域情報を検出し、その遅延域情報に基づいて調整制御βを行う。
【0018】
調整制御部66は、燃焼室38内の気流の強さに応じて、サブ噴射Fsにおける噴射圧であるサブ噴射圧を制御する。具体的には、調整制御部66は、気流の強さが所定強度である場合に比べて気流の強さがその所定強度よりも大きい場合に、サブ噴射圧が大きくなるように制御する。
【0019】
遅角制御部67は、図2(c)に示す遅角制御γを行う。遅角制御γは、通常制御α及び調整制御βのいずれよりも点火Iのタイミングが遅い制御である。
【0020】
制御部60は、さらに、図1に示すように、ノック判定部62と排気判定部63とを有する。ノック判定部62は、ノック状態であるか否かを判定する。排気判定部63は、調整制御βを行っても排気の状態が所定の許容範囲内に収まるか否かを判定する。具体的には、排気判定部63は、調整制御βを行うと排出されるCO(一酸化炭素)の排出量を算出し、算出されたCOの排出量が所定のCO許容閾値よりも小さいことを条件に、調整制御βを行っても排気の状態が所定の許容範囲内に収まると判定する。さらに、排気判定部63は、調整制御βを行うと排出されるPM(粒子状物質)の排出量を算出し、算出されたPMの排出量が所定のPM許容閾値よりも小さいことを条件に、調整制御βを行っても排気の状態が所定の許容範囲内に収まると判定する。
【0021】
制御部60は、ノック判定部62によりノック状態でないと判定される場合には、図2(a)に示す通常制御αを行う。他方、制御部60は、ノック判定部62によりノック状態であると判定され、且つ排気判定部63により、調整制御βを行っても排気の状態が許容範囲内に収まると判定される場合には、図2(b)に示す調整制御βを行う。他方、制御部60は、ノック判定部62によりノック状態であると判定され、且つ排気判定部63により、調整制御βを行うと排気の状態が許容範囲内に収まらないと判定される場合には、図3(c)に示す遅角制御γを行う。
【0022】
次に、本実施形態の詳細について説明する。
【0023】
図1は、第1実施形態の燃焼システム70及びその周辺を示す断面図である。エンジン91は、一燃焼サイクルが吸気行程→圧縮行程→膨張行程→排気行程の4行程からなる4ストロークエンジンである。エンジン91は、シリンダ30と、その上部に取り付けられているヘッド20とを有する。
【0024】
以下では、図に合わせて、シリンダ30の中心線の長さ方向を上下方向として説明する。ただし、例えば、当該中心線を上下方向に対して斜めにしてエンジン91及び燃焼システム70を設置したり、当該中心線を水平方向にしてエンジン91及び燃焼システム70を設置したりする等、エンジン91及び燃焼システム70は、任意の方向に設置することができる。
【0025】
シリンダ30内には、ピストン35が設置されている。ピストン35は、リンク36を介してクランクシャフト(図示略)に連結されており、クランクシャフトの回転に従い上下動する。そのピストン35の上方に燃焼室38が形成されている。
【0026】
ヘッド20には、燃焼室38内に気体を吸入するための吸気通路21と、燃焼室38内の気体を排出するための排気通路29とが設けられている。吸気通路21の燃焼室38に対する開口は、吸気口22を構成し、排気通路29の燃焼室38に対する開口は、排気口28を構成している。
【0027】
そして、吸気通路21には吸気弁23が設置され、排気通路29には排気弁27が設置されている。吸気弁23は吸気カム(図示略)により駆動され、排気弁27は排気カム(図示略)により駆動される。そして、ヘッド20における燃焼室38の天井部の中央部に位置する部分に、噴射装置40と点火プラグ50とが設置されている。
【0028】
エンジン91には、クランク角センサ31と内圧センサ32と振動センサ33とが設置されている。クランク角センサ31は、クランクシャフトの回転角を検出する。内圧センサ32は、燃焼室38内の圧力を検出する。振動センサ33は、エンジン91に発生する振動を検出する。
【0029】
電磁波センサ34は、燃焼室38内において、点火プラグ50の下端部に設けられている。その電磁波センサ34は、例えば、可視光線を検出するもの、すなわち、化学発光等の波長を検出する光センサであってもよいし、赤外線を検出する赤外線センサであってもよい。電磁波センサ34が光センサである場合、調整制御部66は、例えば、電磁波センサ34により検出された可視光線に基づいて、すなわち、検出された化学発光等の波長に基づいて、燃焼に関する情報である燃焼情報を検出し、その燃焼情報に基づいて遅延域情報を検出する。その場合、調整制御部66は、前回の燃焼以前の燃焼情報に基づいて、今回の点火直前の遅延域情報を検出(推定)する。遅延域情報は、例えば、遅延域Dの位置、遅延域Dの発生タイミング、遅延域Dにおける自着火の発生のし易さ等である。
【0030】
また、電磁波センサ34が赤外線センサである場合、調整制御部66は、例えば、電磁波センサ34により検出された赤外線に基づいて、燃料の分布に関する情報である分布情報を検出し、その分布情報に基づいて遅延域情報を検出する。その場合、調整制御部66は、例えば、現在の分布情報に基づいて、現在の遅延域情報を検出する。
【0031】
ノック判定部62は、例えば、振動センサ33による振動の検出結果に基づき、ノック判定を行うものであってもよいし、電磁波センサ34による電磁波の検出結果に基づき、ノック判定を行うものであってもよい。また例えば、ノック判定部62は、エンジン91の回転数、負荷、水温等の各パラメータに基づいて、ノック判定を行うものであってもよいし、それらの各パラメータに加えて、燃料の性状を判定する燃料性状判定等も加えて、総合的にノック判定を行うものであってもよい。
【0032】
排気判定部63におけるPMの排気量の算出は、例えば、排出されるPMの粒子数(PN)を算出するものであってもよいし、排出されるPMの質量を算出するものであってもよい。
【0033】
図2(a)は、通常制御部65による通常制御αを示すタイムチャートである。通常噴射Fは、一燃焼サイクル内に噴射する燃料の全部を、すなわち、燃焼室38内を理論空燃比にするのに必要な燃料の全部を、吸気行程に噴射するものである。点火Iは、圧縮行程の終わりに行われる。
【0034】
図2(b)は、調整制御部66による調整制御βを示すタイムチャートである。メイン噴射Fmでは、一燃焼サイクル内に噴射する燃料、すなわち、燃焼室38内を理論空燃比にするのに必要な燃料、のうちの一部を除く大部分を噴射し、サブ噴射Fsでは、当該一部を噴射する。点火Iは、圧縮行程の終わりに行われる。
【0035】
図2(c)は、遅角制御部67による遅角制御γを示すタイムチャートである。通常制御αの場合と同様に通常噴射Fが行われる。そして、通常制御α及び調整制御βの点火タイミングよりも遅いタイミングで、点火Iが行われる。その点火Iのタイミングは、圧縮行程の終わりであってもよいし、圧縮上死点であってもよいし、膨張行程の前半であってもよい。
【0036】
図2(b)に示す調整制御βは、図2(c)に示す遅角制御γに比べて、図2(a)に示す通常制御αに対するトルク低下が少ない点で優れている。以下にそのようにトルク低下が少ない理由について説明する。以下では、燃焼室38内の燃料の50%が燃焼した状態になるタイミングを、「燃焼重心B」とする。この燃焼重心Bが、所定の最適燃焼重心(例えば圧縮上死点後10クランクアングル)であるときに最も高いトルクが得られる。そして、図2(a)に示す通常制御αでは、この燃焼重心Bが最適燃焼重心に制御される。他方、図2(c)に示す遅角制御γでは、点火Iを遅角させることにより、燃焼重心Bが最適燃焼重心よりも遅くなる。また、図2(b)に示す調整制御βでも、燃焼重心Bは最適燃焼重心よりも若干遅くなる。しかし、遅角制御γの場合ほどは遅くならない。以上により、調整制御βは、遅角制御γに比べて、通常制御αに対するトルク低下が少ない。
【0037】
しかし、調整制御βは、PMやCOの排出量が多くなり易いという問題がある。調整制御βでは、サブ噴射Fsから点火Iまでの時間、すなわち、サブ噴射Fsにより噴射された燃料の蒸発時間が不足しがちなためである。そこで、上記のとおり、排気判定部63による判定に基づいて、調整制御βを行うか遅角制御γを行うかを選択する。
【0038】
図3は、通常制御αの実行時における点火直後の燃焼室38内を示す平面断面図であり、図4は、図3のIV-IV線の断面を示す断面図である。
【0039】
本実施形態では、エンジン91の高回転時等においても、燃焼室38内において吸気行程に発生したタンブルAtが圧縮行程の後半まで継続する。そのタンブルAtは、図4に示すように、燃焼室38内の上部では排気方向d2に流れると共に、燃焼室38の下部では吸気方向d1に流れる環状の流れである。そのタンブルAtにより、火炎Pの排気方向d2側への広がりが早くなる一方、吸気方向d1への広がりは遅くなる。そのため、燃焼室38内における吸気方向d1の端部に火炎Pが到達するのが遅くなり、吸気方向d1の端部に遅延域Dが発生する。しかし、上記のノック状態にならない限りは、通常制御αを行う。
【0040】
図5は、調整制御βの実行時における点火前の燃焼室38内を示す正面断面図である。噴孔44の中心線は、真下よりも吸気方向d1側を向いている。そのため、サブ噴射Fsにより、リッチ空燃比の領域であるリッチ領域Rが噴射装置40から吸気方向d1側に広がる。その吸気方向d1側に広がったリッチ領域Rにより、燃焼室38内の燃料分布が、火炎Pが遅延域Dに伝播し易い燃料分布になる。
【0041】
この燃料分布の状態で、図6に示すように、点火プラグ50により燃料に点火されると、そのリッチ領域Rにより火炎Pの吸気方向d1への伝播が促進されることにより、火炎Pが吸気方向d1に速やかに広がる。他方、火炎Pの排気方向d2への広がりについては、通常制御αの通常噴射Fに比べて、サブ噴射量の分だけメイン噴射Fmの噴射量であるメイン噴射量が抑えられることにより、若干遅くなる。それにより、吸気方向d1と排気方向d2とに均等に火炎Pが広がり易くなる。それにより、遅延域Dに対する火炎Pの伝播の遅れが抑制される。それにより、遅延域Dでの自着火が抑制されて、ノックの発生が抑制される。
【0042】
図7は、制御部60による制御を示すフローチャートである。以下において、S621は、ノック判定部62の機能に相当し、S631~S632は、排気判定部63の機能に相当する。また以下において、S651は、通常制御部65の機能に相当し、S661~S666は、調整制御部66の機能に相当し、S671は、遅角制御部67の機能に相当する。
【0043】
図7に示す制御では、まず、ノック判定部62により、ノック状態であるか否かのノック判定を行う(S621)。ノック状態ではないと判定した場合(S621:NO)、通常制御部65により、通常制御αを行う(S651)を行う。
【0044】
他方、S621でノック状態であると判定した場合(S621:YES)、調整制御部66により、調整制御βについて検討する(S661~S664,S631~S632)。具体的には、まず、電磁波センサ34により検出された電磁波に基づいて遅延域情報を検出する(S661)。次に、その遅延域情報に基づいて、自着火を抑制するのに必要な、サブ噴射量を算出する(S662)。次に、そのサブ噴射量に基づいて、一燃焼サイクル内に噴射する全噴射量に対するサブ噴射量の割合や、メイン噴射量を算出する(S663)。次に、燃焼室38内の流動状態を算出すると共に、その流動状態に基づいて、サブ噴射Fsをターゲットにまで到達させるのに必要なサブ噴射圧を算出する(S664)。そのため、燃焼室38内の気流が強い程、サブ噴射圧が大きくなるように制御される。次に、そのサブ噴射圧と流動状態とに基づいて、燃料がターゲットに到達するまでに要する時間である必要時間を算出し、その必要時間から、サブ噴射Fsを噴射するタイミングであるサブ噴射タイミングを算出する(S665)。
【0045】
次に、排気判定部63により、そのサブ噴出量、サブ噴射圧及びサブ噴射タイミングでサブ噴射Fsを行うと排出されるCO及びPMの排出量を算出する(S631)。次に、算出されたCOの排出量がCO許容閾値よりも小さく且つ算出されたPMの排出量がPM許容閾値よりも小さいか否かを判定する(S632)。この条件を満たさない場合(S632:NO)、調整制御βを行うことができないので、遅角制御部67により遅角制御γを行う(S671)。他方、上記の条件を満たす場合(S632:YES)、調整制御部66により調整制御βを行う(S666)。
【0046】
なお、S662でのサブ噴射量の算出は、例えば、遅延域情報とサブ噴射量との関係を示すマップや数式に基づいて行うことができる。また、S664での流動状態の算出は、例えば、エンジン91の運転状態と流動状態との関係を示すマップや数式に基づいて行うことができる。また、S664でのサブ噴射圧の算出は、例えば、流動状態とサブ噴射圧との関係を示すマップや数式に基づいて行うことができる。また、S665での必要時間の算出は、例えば、サブ噴射圧及び流動状態と必要時間との関係を示すマップや数式に基づいて行うことができる。また、S631でのCOの排気量は、例えば、エンジン91の運転状態とCOの排気量との関係を示すマップや数式に基づいて行うことができる。また、S631でのPMの排気量は、例えば、エンジン91の運転状態とPMの排気量との関係を示すマップや数式に基づいて行うことができる。
【0047】
本実施形態によれば、次の効果が得られる。調整制御βでは、メイン噴射Fmを行ってから、圧縮行程の後半にサブ噴射Fsを行うことにより、燃焼室38内の燃料分布を火炎Pが遅延域Dに伝播し易い燃料分布に調整してから点火Iを行う。すなわち、自着火を抑制したい領域をリーン空燃比に制御する上記の背景技術の発想とはむしろ反対に、本実施形態における調整制御βでは、自着火を抑制したい遅延域Dに火炎Pを伝播し易くしている。その遅延域Dへの火炎Pの伝播により、遅延域Dにおける自着火を抑制してノックを抑制している。そして、調整制御βでは、圧縮行程の後半にサブ噴射Fsを行っている。そのため、圧縮行程の前半にサブ噴射を行う背景技術に比べて、点火直前における燃焼室38内の燃料分布を狙い通りに制御し易くなり、ノックを精度良く抑制し易くなる。
【0048】
また、調整制御部66は、電磁波センサ34により検出された電磁波に基づいて、遅延域情報を検出し、その遅延域情報に基づいて、すなわち、遅延域Dの位置や、遅延域Dの発生タイミングや、遅延域Dにおける自着火の発生のし易さ等の情報に基づいて、調整制御βを行う。そのため、遅延域情報に基づかず、例えば、単にノック判定の結果やノック強度に基づいて、調整制御βを行う場合に比べて、調整制御βを精度良く行うことができる。
【0049】
また、電磁波センサ34は、複数あり、点火プラグ50の外周面に周方向に間隔をおいて並設されている。そのため、燃焼室38内において必要な電磁波を検出するための構成を、効率的に形成できる。
【0050】
また、次の効果も得られる。本実施形態の場合のように、吸気行程で発生したタンブルAtが圧縮行程の後半まで継続する態様のエンジン91では、燃焼室38の中心よりも吸気方向d1側に遅延域Dが形成される。その点、本実施形態では、噴射装置40は、燃料を排気方向d2側よりも吸気方向d1側に多く噴射するように構成されている。そのため、サブ噴射Fsにより吸気方向d1側にリッチ領域Rを形成することができ、効率よく火炎Pを遅延域Dに伝播し易くすることができる。
【0051】
また、燃焼システム70は、ノック判定部62によりノック状態であると判定されることを条件に、調整制御β又は遅角制御γを行う。それにより、不要な時にまで調整制御βや遅角制御γを行うのを回避できる。
【0052】
また、燃焼システム70は、ノック状態であると判定され、且つ調整制御βを行っても排気の状態が許容範囲内に収まると判定される場合には、調整制御βを行う。そのため、遅角制御γを行う場合に比べて高いトルクを出力できる。他方、燃焼システム70は、ノック状態であると判定され、且つ調整制御βを行うと排気の状態が許容範囲内に収まらないと判定される場合には、遅角制御γを行う。そのため、排気の状態を許容範囲内に抑えつつノックを抑制することができる。
【0053】
また、排気判定部63は、調整制御βを行うと排出されるCOの排出量を算出し、算出されたCOの排出量がCO許容閾値よりも小さいことを条件に、調整制御βを行っても排気の状態が許容範囲内に収まると判定する。そのため、CO排出量がCO許容閾値を超えてしまうのを防止できる。
【0054】
また、排気判定部63は、調整制御βを行うと排出されるPMの排出量を算出し、算出されたPMの排出量がPM許容閾値よりも小さいことを条件に、調整制御βを行っても排気の状態が許容範囲内に収まると判定する。そのため、PM排出量がPM許容閾値を超えてしまうのを防止できる。
【0055】
また、調整制御部66は、燃焼室38内における気流の強さが弱い場合に比べて強い場合に、サブ噴射圧を大きくする。そのため、燃焼室38内の気流が強い場合にも、所望の燃料分布を実現し易くなり、火炎Pを遅延域Dに伝播させ易くすることができる。
【0056】
また、噴射装置40には、微粒化構造を有する噴孔44が設けられているため、噴孔44から噴射された燃料は、その粒径が小さくなり易い。それにより、燃料の蒸発を促進して、COやPMの排出量を効率的に抑えることができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。以下の実施形態については、それ以前の実施形態のものと同一の又は対応する部材等については同一の符号を付する。ただし、エンジン自体については、実施形態毎に異なる符号を付する。本実施形態については、第1実施形態をベースにこれと異なる点を中心に説明する。
【0058】
まず、本実施形態の概要について説明する。本実施形態のエンジン92は、図8図9に示すように、少なくとも所定状態では、吸気行程に発生したタンブルが、圧縮行程にωスワールAsに変化することにより、燃焼室38の中心よりも排気方向d2側に遅延域Dが形成される構成である。図10に示すように、噴射装置40は、燃料を吸気方向d1側よりも排気方向d2側に多く噴射するように構成されている。
【0059】
次に、本実施形態の詳細について説明する。
【0060】
図8は、通常制御αの実行時における点火直後の燃焼室38内を示す平面断面図であり、図9は、図8のIX-IX線の断面を示す断面図である。
【0061】
本実施形態では、エンジンの高回転時等には、燃焼室38内において吸気行程に発生したタンブルの水平方向に延びる回転軸が、圧縮行程に2つに分かれてそれぞれが上下方向を向くことにより、ωスワールAsが発生する。そのωスワールAsは、図8に示すように、燃焼室38内の中央部では、吸気方向d1に流れると共に、その両側方では排気方向d2に流れる、平面視で「ω」字状の流れである。そのωスワールAsにより、図9に示すように、火炎Pの吸気方向d1側への広がりが早くなる一方、排気方向d2への広がりは遅くなる。そのため、燃焼室38内における排気方向d2の端部に火炎Pが到達するのが遅くなり、排気方向d2の端部に遅延域Dが発生する。しかし、上記のノック状態にならない限りは、通常制御αを行う。
【0062】
図10は、調整制御βの実行時における点火前の燃焼室38内を示す正面断面図である。噴孔44の中心線は、真下よりも排気方向d2側を向いている。そのため、サブ噴射Fsにより、リッチ空燃比の領域であるリッチ領域Rが噴射装置40から排気方向d2側に広がる。その排気方向d2側に広がったリッチ領域Rにより、燃焼室38内の燃料分布が、火炎Pが遅延域Dに伝播し易い燃料分布になる。
【0063】
この燃料分布の状態で、図11に示すように、点火プラグ50により燃料に点火されると、そのリッチ領域Rにより火炎Pの排気方向d2への伝播が促進されることにより、火炎Pが排気方向d2に速やかに広がる。他方、火炎Pの吸気方向d1への広がりについては、通常制御αの通常噴射Fと比べて、サブ噴射量の分だけメイン噴射量が抑えられることにより、若干遅くなる。それにより、排気方向d2と吸気方向d1とに均等に火炎Pが広がり易くなる。それにより、遅延域Dに対する火炎Pの伝播の遅れが抑制される。それにより、遅延域Dでの自着火が抑制されて、ノックの発生が抑制される。
【0064】
本実施形態によれば、次の効果が得られる。本実施形態の場合のように、吸気行程で発生したタンブルが圧縮行程の後半でωスワールAsに変化する態様のエンジン92では、圧縮行程の後半において、燃焼室38内の排気方向d2側の端部に遅延域Dが形成される。その点、本実施形態では、噴射装置40は、燃料を吸気方向d1側よりも排気方向d2側に多く噴射するように構成されている。そのため、サブ噴射Fsにより排気方向d2側にリッチ領域Rを形成することができ、効率よく火炎Pを遅延域Dに伝播し易くすることができる。
【0065】
[他の実施形態]
以上の各実施形態は、次のように変更して実施できる。例えば、各実施形態において、噴孔44は、微粒化構造を有しているが、これに代えて又は加えて、噴孔44自体を小さくすることにより、燃料の微粒化を促進してもよいし、サブ噴射圧を大きくすることにより、燃料の微粒化を促進してもよい。
【0066】
また例えば、各実施形態では、調整制御部66は、燃焼室38内の気流が強い程、サブ噴射圧が大きくなるように制御しているが、これに代えて又は加えて、燃焼室38内の気流が強い程、サブ噴射量が大きくなるように制御してもよい。
【0067】
また例えば、各実施形態では、排気判定部63は、COやPMの排出量を算出しているが、これに加えて又は代えて、NOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)の排出量を算出するようにしてもよい。そして、排気判定部63は、算出されたNOxやSOxの排出量が所定の許容閾値よりも小さいことを条件に、調整制御βを行っても排気の状態が許容範囲内に収まると判定するようにしてもよい。
【0068】
また例えば、各実施形態では、電磁波センサ34は、点火プラグ50に設けられているが、噴射装置40やヘッド20やシリンダ30等に設けられていてもよい。また例えば、各実施形態では、電磁波センサ34が燃焼室38内に設けられているが、電磁波センサ34が燃焼室38の外部に設けられていてもよい。そして、一端が燃焼室38内に設けられると共に他端が電磁波センサ34にまで延びる光ファイバ等が設けられていてもよい。つまり、燃焼室38内に発生した可視光線を、光ファイバにより、燃焼室38の外部にある光センサ(電磁波センサ34)にまで届けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
38…燃焼室、40…噴射装置、50…点火プラグ、65…通常制御部、66…調整制御部、70…燃焼システム、91,92…エンジン、α…通常制御、β…調整制御、D…遅延域、F…通常噴射、Fm…メイン噴射、Fs…サブ噴射、I…点火、P…火炎。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11