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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/38 20060101AFI20240312BHJP
   H01H 50/12 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01H50/38 H
H01H50/12 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020041653
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021144816
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-031037(JP,A)
【文献】特開2019-204794(JP,A)
【文献】特開2017-117678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 45/00 - 45/14
H01H 50/00 - 50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性のケースと、
固定接点を含み、一部が前記ケース内に配置される固定端子と、
前記ケースの周囲に配置され、前記ケース内に磁界を発生させる永久磁石と、
前記固定端子に直接又は間接的に接触する第1接触面を含み、前記永久磁石に接続されるヨークと、
可動接触片と、
前記可動接触片を移動させる可動機構と、
前記可動機構を作動させる駆動装置と、
を備え、
前記第1接触面は、前記可動接触片の可動方向において前記固定接点と重なる、電磁継電器。
【請求項2】
前記固定端子は、前記ケースの内面に接触する第2接触面を含み、
前記ヨークの前記第1接触面は、前記第2接触面と平行である、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記ヨークの前記第1接触面は、前記第2接触面に対向して配置される、
請求項2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記第2接触面は、前記可動接触片の可動方向において前記固定接点と重なる、
請求項2又は3に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記ヨークの前記第1接触面は、前記ケースを介して前記固定端子に接触する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記永久磁石は、フェライト磁石である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記ヨークは、少なくとも一部が外部に露出する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項8】
絶縁性のケースと、
一部が前記ケース内に配置される固定端子と、
前記ケースの周囲に配置され、前記ケース内に磁界を発生させる永久磁石と、
前記固定端子に直接又は間接的に接触する第1接触面を含み、前記永久磁石に接続されるヨークと、
を備え
前記ヨークは、前記固定端子に直接接触し、
前記ヨークは、少なくとも一部が外部に露出し、少なくとも外部に露出する部分が絶縁部材で覆われている、
磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気回路を開閉する電磁継電器が知られている。電磁継電器は、ケースと、
接点装置と、接点装置を駆動する駆動装置と、を備えている。接点装置は、固定端子と、可動接触片とを含み、ケースに収容されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5938745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁継電器では、固定端子や可動接触片の発熱によって通電容量が低下するので、通電時における固定端子や可動接触片の発熱を抑制する必要がある。このため、固定端子や可動接触片は、放熱性が高いことが好ましい。
【0005】
本発明の課題は、電磁継電器において、固定端子の放熱性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、ケースと、固定端子と、永久磁石と、ヨークとを備える。ケースは、絶縁性である。固定端子は、一部がケース内に配置される。永久磁石は、接点ケースの周囲に配置され、接点ケース内に磁界を発生させる。ヨークは、固定端子に直接又は間接的に接触する第1接触面を含み、永久磁石に接続される。
【0007】
この電磁継電器では、永久磁石に接続されるヨークが固定端子に直接又は間接的に接触する第1接触面を含む。これにより、固定端子の熱が第1接触面からヨークに伝わり易くなる。その結果、固定端子の熱がヨークから放熱され易くなるので、固定端子の放熱性の向上を図ることができる。
【0008】
固定端子は、ケースの内面に接触する第2接触面を含んでもよい。ヨークの第1接触面は、第2接触面に平行に配置されてもよい。この場合は、固定端子とヨークとの接触面積を大きくすることができるので、ヨークから固定端子の熱がさらに放熱され易くなる。
【0009】
ヨークの第1接触面は、前記第2接触面に対向して配置されてもよい。この場合は、ヨークから固定端子の熱がさらに放熱され易くなる。
【0010】
電磁継電器は、可動接触片と、可動接触片を移動させる可動機構と、可動機構を作動させる駆動装置とをさらに備えてもよい。固定端子は、固定接点を含んでもよい。第2接触面は、可動接触片の可動方向において固定接点と重なってもよい。この場合は、固定接点に近い位置に第2接触面が配置されるので、固定端子の熱をヨークから効果的に放熱することができる。
【0011】
ヨークの第1接触面は、ケースを介して固定端子に接触してもよい。この場合は、ケース内の温度上昇をヨークによって抑制することができる。
【0012】
永久磁石は、フェライト磁石であってもよい。この場合は、固定端子の熱がヨークから永久磁石に伝わったときの永久磁石の減磁を抑制することができる。
【0013】
ヨークは、少なくとも一部が外部に露出してもよい。この場合は、ヨークから固定端子の熱がさらに放熱され易くなる。
【0014】
ヨークは、固定端子に直接接触してもよい。ヨークは、少なくとも外部に露出する部分が絶縁部材で覆われていてもよい。この場合は、接触による感電を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電磁継電器において、固定端子の放熱性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電磁継電器の内部を前方から見た模式図である。
図2】電磁継電器の内部を上方から見た模式図である。
図3】第1変形例に係る電磁継電器の内部を上方から見た模式図である。
図4】第2変形例に係る電磁継電器の内部を前方から見た模式図である。
図5】第2変形例に係る電磁継電器の内部を上方から見た模式図である。
図6】第3変形例に係る電磁継電器の内部を前方から見た模式図である。
図7】第3変形例に係る電磁継電器の内部を側方から見た模式図である。
図8】第4変形例に係る電磁継電器の内部を前方から見た模式図である。
図9】第4変形例に係る電磁継電器の内部を側方から見た模式図である。
図10】第5変形例に係る電磁継電器の内部を側方から見た模式図である。
図11】第5変形例に係る電磁継電器を側方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について、図面を参照して説明する。図面を参照するときにおいて、説明を分かり易くするために図1及び図6における上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面の手前側を「前」、紙面の奥側を「後」として説明する。図1は電磁継電器100の内部を前方から見た模式図である。図2は、図1のII-II線断面図であり、電磁継電器100の内部を上方から見た模式図である。
【0018】
電磁継電器100は、いわゆるヒンジ型の電磁継電器である。電磁継電器100は、ケース2と、接点装置3と、駆動装置4とを備えている。ケース2は、樹脂などの絶縁性を有する材料で形成されている。ケース2は、ベース2aと、カバー2bとを含む。
【0019】
ベース2aは、接点装置3と駆動装置4とを支持する。カバー2bは、下方に向けて開口する箱型の部材であり、ベース2aを上方から覆うようにベース2aに固定されている。
【0020】
接点装置3は、ベース2aに支持されている。接点装置3は、ケース2に収容されている。接点装置3は、固定端子6と、固定端子7と、可動接触片8と、可動接触片9と、可動機構11と、を含む。固定端子6,7及び可動接触片8,9は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。固定端子6,7及び可動接触片8,9は、上下方向に延びており、ベース2aに圧入固定されている。
【0021】
固定端子6は、一部がケース2内に配置される。固定端子6は、固定接点6aと、外部接続部6bとを含む。固定接点6aは、ケース2内に配置されている。外部接続部は、ケース2から外部に突出しており、図示しない外部機器と電気的に接続される。
【0022】
固定端子7は、固定端子6と同様の形状である。固定端子7は、一部がケース2内に配置される。固定端子7は、固定端子6と前後方向に間隔を隔てて配置されている。固定端子7は、固定接点7aと、図示しない外部接続部とを含む。固定接点7aは、ケース2内に配置されている。外部接続部は、ケース2から外部に突出しており、図示しない外部機器と電気的に接続される。
【0023】
可動接触片8は、弾性変形可能な板ばねで構成されており、固定端子6に対向して配置されている。可動接触片8は、可動接点8aを含む。可動接点8aは、固定接点6aと接触可能である。
【0024】
可動接触片9は、弾性変形可能な板ばねで構成されており、固定端子7と対向して配置されている。図2に示すように、可動接触片9は、前後方向に延びる接続部12を介して可動接触片8と電気的に接続されている。可動接触片9は、可動接点9aを含む。可動接点9aは固定接点7aと接触可能である。
【0025】
可動機構11は、カード部材20を含む。カード部材20は、左右方向に回動可能にベース2aに支持されている。カード部材20は、可動接触片8,9と駆動装置4との間に配置されている。カード部材20は、可動接触片8,9と駆動装置4に接続されている。可動機構11は、可動接点8a,9aが固定接点6a,7aに接触する接触方向Z1と開離する開離方向Z2とに可動接触片8,9を移動させる。本実施形態における可動接触片8,9の移動方向は、左右方向と一致する。接触方向Z1及び開離方向Z2は、可動接触片8,9の移動方向の一例である。なお、図2では、可動機構11の図示を省略している。
【0026】
駆動装置4は、電磁力によって可動機構11を作動させる。詳細には、駆動装置4は、電磁力によってカード部材20を回動させることによって、可動接触片8,9を接触方向Z1及び開離方向Z2に移動させる。
【0027】
駆動装置4は、ベース2aに支持されている。駆動装置4は、コイル4aと、可動鉄片4b、ヨーク4cと、鉄心4dとを含む。可動鉄片4bは、ヨーク4cに支持されている。コイル4aに電圧が印加されて励磁されると、可動鉄片4bが鉄心4dに吸引されて回動し、可動鉄片4bがカード部材20を押圧する。カード部材20が可動鉄片4bに押圧されることで、可動接触片8,9が接触方向Z1に押圧される。これにより、可動接点8a,9aが固定接点6a,7aに接触する。なお、図1及び図2では、コイル4aに電圧が印加された状態、すなわち可動接点8a,9aが固定接点6a,7aに接触した状態を示している。
【0028】
電磁継電器100は、永久磁石25a,25bと、ヨーク26とをさらに備えている。永久磁石25a,25bは、ケース2の周囲に配置され、ケース2内に磁界を発生させる。永久磁石25a,25bは、可動接点8a,9aが固定接点6a,7aから開離するときに発生するアークを伸長させるために設けられている。永久磁石25a,25bは、ケース2に支持されている。永久磁石25aと永久磁石25bとは、前後方向に対向するように配置されている。永久磁石25a,25bは、フェライト磁石であることが好ましい。
【0029】
ヨーク26は、略U字形状であり、永久磁石25a,25bに接続されている。ヨーク26は、永久磁石25a,25bを囲むように配置されている。ヨーク26は、少なくとも一部が外部に露出するようにケース2に支持されている。
【0030】
ヨーク26は、前後方向に延びる中央部26aと、中央部26aの両端から左右方向に延びる1対の側部26b,26cとを含む。中央部26aは、ケース2の右側面2cに接触している。側部26bと側部26cとは、前後方向に対向するように設けられている。側部26bは、永久磁石25aに接触しており、側部25cは、永久磁石25bに接触している。永久磁石25aは、側部26bとカバー2bの間に配置されている。永久磁石25bは、側部26cとカバー2bの間に配置されている。
【0031】
ヨーク26は、固定端子6,7に間接的に接触する第1接触面26dをさらに含む。本実施形態における第1接触面26dは、ケース2の右側面2cに対向する中央部26aの内側面(左側面)の一部によって構成される。第1接触面26dは、ケース2のカバー2bを介して固定端子6,7に接触する。
【0032】
ここで、固定端子6は、ケース2のカバー2bの内面に接触する第2接触面6cをさらに含む。同様に、固定端子7は、ケース2のカバー2bの内面に接触する第2接触面7cをさらに含む。第2接触面6c,7cは、接触方向Z1及び開離方向Z2に直交する面と平行である。
【0033】
第1接触面26dは、第2接触面6c,7cと平行である。第1接触面26dは、第2接触面6c,7cに対向して配置される。接触方向Z1及び開離方向Z2において、第1接触面26dの少なくとも一部は、第2接触面6c,7cと重なる。接触方向Z1及び開離方向Z2において、第1接触面26dは、固定接点6a,7aと重なる。
【0034】
上述した電磁継電器100では、永久磁石25a,25bに接続されるヨーク26が固定端子6,7に間接的に接触する第1接触面26dを含む。これにより、固定端子6,7の熱が第1接触面26dからヨーク26に伝わり易くなる。その結果、固定端子6,7の熱がヨーク26から放熱され易くなるので、固定端子6,7の放熱性の向上を図ることができる。
【0035】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、駆動装置4の構成が変更されてもよい。ケース2、接点装置3、可動機構11、永久磁石25a,25b、ヨーク26の形状、或いは配置が変更されてもよい。永久磁石は、1つ或いは3つ以上設けられていてもよい。
【0036】
固定接点6aは、固定端子6と一体であってもよいし、別体であってもよい。固定接点7aは、固定端子7と一体であってもよいし、別体であってもよい。可動接点8aは、可動接触片8と一体であってもよいし、別体であってもよい。可動接点9aは、可動接触片9と一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0037】
接触方向Z1及び開離方向Z2において、第1接触面26dは、固定接点6a,7aと重なっていなくてもよいし、第2接触面6c,7cと重なっていなくてもよい。
【0038】
図3は、第1変形例に係る電磁継電器100の内部を上方から見た模式図である。第1変形例は、ヨーク26の構成が前記実施形態と異なる。その他の構成は、前記実施形態と同様である。図3に示すように、ヨーク26は、第1ヨーク41と、第2ヨーク42とを含んでもよい。ここでは、第1ヨーク41は、第2ヨーク42と直接接触しておらず、ケース2のカバー2bによって第2ヨーク42と絶縁されている。なお、第1ヨーク41と第2ヨーク42の一部が直接接触していてもよい。
【0039】
第1ヨーク41は、略U字形状であり、前後方向に延びる中央部41aと、前後方向における中央部41aの両端から左右方向に延びる1対の側部41b,41cと、第1接触面41dとを含む。中央部41aは、ケース2の右側面に接触している。側部41bと側部41cとは、前後方向に対向するように設けられている。側部41bは、永久磁石25aに接触して配置されている。側部41cは、前後方向において固定端子6と固定端子7の間に配置されている。第1接触面41dは、ケース2のカバー2bを介して固定端子6の第2接触面6cに接触する。
【0040】
第2ヨーク42は、第1ヨーク41と同様の形状を有している。第2ヨーク42は、中央部42aと、1対の側部42b,42cと、第1接触面42dとを含む。側部42bは、前後方向において固定端子6と固定端子7の間に配置されている。側部42bは、第1ヨーク41の側部41cと前後方向に間隔を隔てて配置されている。側部42cは、永久磁石25bに接触して配置されている。第1接触面42dは、ケース2のカバー2bを介して固定端子7の第2接触面7cに接触する。
【0041】
図4は、第2変形例に係る電磁継電器100の内部を前方から見た模式図である。図5は、図4のV-V線断面図であり、第2変形例に係る電磁継電器100の内部を上方から見た模式図である。第2変形例では、固定端子6,7の構成が第1変形例と異なる。その他の構成は、第1変形例と同様である。
【0042】
固定端子6は、第1ヨーク41に直接接触する。詳細には、固定端子6は、第1接触面41dに向かって延びる1対の接触部6dを含む。1対の接触部6dのそれぞれは、左右方向に延び、前後方向に対向している。第1接触面41dは、1対の接触部6dに接触する。同様に、固定端子7は、第2ヨーク42に直接接触する。詳細には、固定端子7は、第1接触面42dに向かって延びる1対の接触部7dを含む。第1接触面42dは、1対の接触部7dに接触する。
【0043】
第1ヨーク41は、例えば、ケース2のカバー2bによって第2ヨーク42と絶縁されている。第1ヨーク41及び第2ヨーク42は、図5に示すように、外少なくとも部に露出する部分が絶縁部材50で覆われている。第1ヨーク41及び第2ヨーク42は、全体が絶縁部材50で覆われていてもよい。絶縁部材50は、塗装やコーティングなどの手段で固定端子6,7の表面を覆ってもよいし、網状や格子状の絶縁部品で固定端子6,7の表面を覆ってもよい。
【0044】
なお、第2変形例では、固定端子6,7の第2接触面6c,7cが省略されてもよい。すなわち、固定端子6,7は、必ずしもケース2の内面に接触していなくてもよい。また、1対の接触部6d,7dの形状は変更されてもよく、固定端子6と第1ヨーク41、固定端子7と第2ヨーク42とが直接接触する構成であればよい。
【0045】
図6は、第3変形例に係る電磁継電器200の内部を前方から見た模式図である。図7は、第3変形例に係る電磁継電器200の内部を側方から見た模式図である。第3変形例は、本発明をプランジャ型の電磁継電器200に適用した実施例である。電磁継電器200は、ケース102と、接点装置103と、図示しない駆動装置とを備えている。ケース102は、略四角形の箱型であり、樹脂などの絶縁性を有する材料で形成されている。接点装置103は、固定端子106,107と、可動接触片108と、を含む。
【0046】
固定端子106,107及び可動接触片108は、板状の端子であり、左右方向に延びている。固定端子106は、固定接点106aと、外部接続部106bと、第2接触面106cとを含む。固定端子107は、固定端子106と左右方向に間隔を隔てて配置されている。固定端子107は、固定接点107aと、外部接続部107b、第2接触面107cとを含む。可動接触片108は、固定接点106aに接触可能な可動接点108aと、固定接点107aに接触可能な可動接点108bとを含む。第2接触面106c,107cは、前記実施形態と同様に接触方向Z1及び開離方向Z2に直交する面と平行であり、ケース2の内面と接触する。
【0047】
可動機構111は、駆動軸120を含む。駆動軸120は、接触方向Z1及び開離方向Z2に沿って延びている。駆動装置は、電磁力によって駆動軸120を接触方向Z1及び開離方向Z2に移動させる。電磁継電器200の動作については、従来と同様であるため説明を省略する。
【0048】
図7に示すように、電磁継電器200は、永久磁石125a,125bと、ヨーク126とを備えている。永久磁石125a,125bと、ヨーク126は、前記実施形態と同様の形状である。永久磁石125aは、永久磁石125bと前後方向に対向して配置されている。ヨーク126は、中央部126aと、1対の側部126b,126cと、第1接触面126dとを含む。中央部126aは、ケース2の上面に接触している。側部126bは、前後方向における中央部126aの両端から下方に延びている。側部126bは、永久磁石125aに接触して配置されている。側部126cは、永久磁石125bに接触して配置されている。第1接触面126dは、ケース102を介して固定端子106,107に接触する。なお、ヨーク126は、第2変形例のように分割されていてもよい。
【0049】
第1接触面126dは、第2接触面106c,107cと平行である。接触方向Z1及び開離方向Z2において、第1接触面126dの少なくとも一部は、第2接触面106c,107cと重なる。接触方向Z1及び開離方向Z2において、第1接触面126dは、固定接点106a,107aと重なる。
【0050】
図8は、第4変形例に係る電磁継電器200の内部を前方から見た模式図である。図9は、第4変形例に係る電磁継電器200の内部を側方から見た模式図である。第4変形例は、固定端子106,107の及びヨーク126の構成が第3変形例と異なる。その他の構成は、第3変形例と同様である。ヨーク126は、第2変形例と同様に分割されている。すなわち、ヨーク126は、第1ヨーク141と、第2ヨーク142とを含む。第1ヨーク141及び第2ヨーク142は、第2変形例と同様の形状である。第1ヨーク141と第2ヨーク142とは、左右方向に間隔を隔てて配置されている。第1ヨーク141は、中央部141aと、1対の側部141b,141cと、第1接触面141dとを含む。第2ヨーク142は、中央部142aと、図示しない1対の側部と、第1接触面142dとを含む。
【0051】
固定端子106は、第1ヨーク141に直接接触する。固定端子106は、第1接触面141dに向かって延びる1対の接触部106dを含む。1対の接触部106dのそれぞれは、上下方向に延び、左右方向に対向している。1対の接触部106dは、固定接点106aの近傍に設けられている。第1接触面141dは、1対の接触部106dに接触する。
【0052】
同様に、固定端子107は、第2ヨーク142に直接接触する。固定端子107は、1対の接触部107dを含む。1対の接触部107dは、固定接点107aの近傍に設けられている。第1接触面142dは、1対の接触部107dに接触する。
【0053】
第1ヨーク41及び第2ヨーク42は、図9に示すように、少なくとも外部に露出する部分が絶縁部材50で覆われている。なお、図8では、絶縁部材50の図示を省略している。
【0054】
図10は、第5変形例に係る電磁継電器200の内部を前方から見た模式図である。図11は、第5変形例に係る電磁継電器200を側方から見た模式図である。第5変形例では、永久磁石125aの配置と固定端子106,107の構成が第3変形例と異なる。永久磁石125aは、ケース102の上面の中央付近に配置されている。永久磁石125aは、ヨーク126の中央部126aに接触して配置されている。ヨーク126の1対の側部126b,126cは、左右方向における中央部126aの両端から下方に延びている。1対の側部126b,126cは、ケース2の外面に接触している。
【0055】
固定端子106は、左右延伸部161aと、上下延伸部161bと、前後延伸部161c(図11参照)とを含む。左右延伸部161aは、左右方向に延び、ケース2の上部の内面に接触している。固定接点106aは、左右延伸部161aに配置されている。上下延伸部161bは、左右延伸部161aの左端から下方に延びている。上下延伸部161bは、ケース2の左側部の内面に接触している。上下延伸部161bは、第2接触面106cを含む。前後延伸部161cは、上下延伸部161bの下端から前方に延び、ケース2の外部に突出している。前後延伸部161cは、外部接続部106bを含む。なお、固定端子107は、固定端子106と同様の形状である。固定端子107は、左右延伸部171aと、上下延伸部171bと、図示しない前後延伸部とを含む。
【0056】
第5変形例における第1接触面126dは、側部126bの一部と、側部126cの一部によって構成される。第1接触面126dは、左右方向において、第2接触面106c,107cと重なる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によれば、電磁継電器において、固定端子の放熱性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0058】
2 ケース
4 駆動装置
6,7 固定端子
6d,7d 第2接触面
11 可動機構
25a,25b 永久磁石
26 ヨーク
26d 第1接触面
50 絶縁部材
100 電磁継電器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11