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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】照明制御システムおよび制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20240312BHJP
【FI】
H05B47/11
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020042255
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021144843
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】大澤 祐也
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-534577(JP,A)
【文献】特開2010-238572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具と、
現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定する管理装置と、
前記管理装置が推定した前記屋外の明るさに応じて前記照明器具の出力を制御するコントローラと、
を備え
前記コントローラは、
予め定められたテストモード期間において、使用者が設定した前記照明器具の出力と、前記照明器具が前記出力に設定されたときの前記屋外の明るさと、から、前記屋外の明るさと前記照明器具の出力の目標値との対応関係を生成および記憶し、
前記屋外の明るさに対応する前記目標値が実現されるように前記照明器具を制御することを特徴とする照明制御システム
【請求項2】
前記管理装置は、前記照明制御システムの緯度および経度に対応する位置での日の出時刻または日の入り時刻を用いて、前記屋外の明るさを推定することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記管理装置が推定した前記屋外の明るさと、前記照明制御システムの緯度および経度に対応する位置での日の出時刻または日の入り時刻との組み合わせによって、前記照明器具の出力を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記気象情報から推定される明るさのレベルに、時刻または季節に応じた係数を乗じて前記屋外の明るさを推定することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記管理装置が推定した前記屋外の明るさに、時刻または季節に応じた係数を乗じた値を用いて、前記照明器具の出力を制御することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記管理装置は前記今後の気象情報から前記屋外の明るさを推定し、
前記コントローラは、前記屋外の明るさが今後変化する場合、前記照明器具をフェード制御することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項7】
照明器具と、
現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定し、推定した前記屋外の明るさに応じて前記照明器具の出力を制御する制御装置と、
を備え
前記制御装置は、
予め定められたテストモード期間において、使用者が設定した前記照明器具の出力と、前記照明器具が前記出力に設定されたときの前記屋外の明るさと、から、前記屋外の明るさと前記照明器具の出力の目標値との対応関係を生成および記憶し、
前記屋外の明るさに対応する前記目標値が実現されるように前記照明器具を制御することを特徴とする照明制御システム
【請求項8】
前記制御装置は、前記照明制御システムの緯度および経度に対応する位置での日の出時刻または日の入り時刻を用いて、前記屋外の明るさを推定することを特徴とする請求項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記気象情報から推定される明るさのレベルに、時刻または季節に応じた係数を乗じて前記屋外の明るさを推定することを特徴とする請求項7または8に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記制御装置は前記今後の気象情報から前記屋外の明るさを推定し、前記屋外の明るさが今後変化する場合、前記照明器具をフェード制御することを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記気象情報は、雨雲レーダーからの情報を含むことを特徴とする請求項1から1の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項12】
前記気象情報は、降水量、降水確率または雲の厚さの情報を含むことを特徴とする請求項1から1の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項13】
前記気象情報は、前記照明制御システムの緯度および経度に対応する位置の気象情報であることを特徴とする請求項1から1の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項14】
前記照明器具は、空の色を模した演出照明であることを特徴とする請求項1から1の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項15】
現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記屋外の明るさに応じて照明器具の出力を制御する照明制御部と、
を備え、
予め定められたテストモード期間において、使用者が設定した前記照明器具の出力と、前記照明器具が前記出力に設定されたときの前記屋外の明るさと、から、前記屋外の明るさと前記照明器具の出力の目標値との対応関係を生成および記憶し、
前記屋外の明るさに対応する前記目標値が実現されるように前記照明器具を制御することを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システムおよび制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には照明制御装置が開示されている。照明制御装置は、照度センサとコントローラを備える。照度センサは受光素子を有し、受光素子により照明空間の照度を測定する。コントローラは、受光素子の出力を演算して可視光線領域の成分を抽出し、抽出結果に基づいて照明空間を予め設定した照度になるように照明器具の照射を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-303582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、環境が異なる複数の部屋の各々に照度センサを設置する場合、多数の照度センサを設置する必要が生じるおそれがある。このため、照度センサを設置するための手間が増大する可能性がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易に屋外の明るさに応じて照明器具を制御できる照明制御システムおよび制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明制御システムは、照明器具と、現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定する管理装置と、該管理装置が推定した該屋外の明るさに応じて該照明器具の出力を制御するコントローラと、を備え、該コントローラは、予め定められたテストモード期間において、使用者が設定した該照明器具の出力と、該照明器具が該出力に設定されたときの該屋外の明るさと、から、該屋外の明るさと該照明器具の出力の目標値との対応関係を生成および記憶し、該屋外の明るさに対応する該目標値が実現されるように該照明器具を制御する。
【0007】
本開示に係る照明制御システムは、照明器具と、現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定し、推定した該屋外の明るさに応じて該照明器具の出力を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、予め定められたテストモード期間において、使用者が設定した該照明器具の出力と、該照明器具が該出力に設定されたときの該屋外の明るさと、から、該屋外の明るさと該照明器具の出力の目標値との対応関係を生成および記憶し、該屋外の明るさに対応する該目標値が実現されるように該照明器具を制御する。
【0008】
本開示に係る制御装置は、現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定する推定部と、該推定部が推定した該屋外の明るさに応じて照明器具の出力を制御する照明制御部と、を備え、予め定められたテストモード期間において、使用者が設定した該照明器具の出力と、該照明器具が該出力に設定されたときの該屋外の明るさと、から、該屋外の明るさと該照明器具の出力の目標値との対応関係を生成および記憶し、該屋外の明るさに対応する該目標値が実現されるように該照明器具を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る照明制御システムおよび制御装置では、気象情報から屋外の明るさを推定して照明器具の出力を制御する。従って、容易に屋外の明るさに応じて照明器具を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明制御システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る管理装置の機能ブロック図である。
図3】実施の形態1に係る管理装置のハードウェア構成図である。
図4】実施の形態1に係るコントローラの機能ブロック図である。
図5】実施の形態1に係るコントローラのハードウェア構成図である。
図6】実施の形態1の変形例に係る管理装置の機能ブロック図である。
図7】実施の形態2に係る照明制御システムの構成を示す図である。
図8】実施の形態3に係る照明制御システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
各実施の形態に係る照明制御システムおよび制御装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム100の構成を示す図である。照明制御システム100は、コントローラ1を備える。コントローラ1は、照明制御盤内または天井に設置される。コントローラ1は、照明制御システム100内の端末機器からの情報収集および照明器具2の点灯状態の制御を行う。また、コントローラ1は、上位システムへ情報を伝送し、上位システムからの制御指令を実行する。
【0013】
端末機器には複数の種類がある。図1では一例として、コントローラ1に照明器具2、壁スイッチ3および人感センサ4が接続されている。図1では、照明器具2、壁スイッチ3および人感センサ4はそれぞれ1台のみ表示されているが、各端末機器はコントローラ1に複数台接続されて使用されても良い。
【0014】
照明器具2は、コントローラ1と通信線で接続される。照明器具2はコントローラ1から制御指令を受信することで照明状態を変化させる。制御指令には、例えばON、OFF、調光率、色温度の指令が含まれる。照明器具2は、光源と、スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる電源装置を備える。光源は、例えばLEDから構成される。照明器具2は、受信した通信データを変換して電源装置に伝送する制御ユニットを内部に搭載しても良い。制御ユニットはコントローラ1との送受信機能を有する。また、照明器具2において、電源装置に含まれる制御部が直接通信データの送受信をしてもよい。制御部は、受信した通信データに基づき、スイッチング素子を駆動させる。
【0015】
壁スイッチ3は壁面に設置される。壁スイッチ3は、一般ユーザーの手が届く位置に設置される。壁スイッチ3は複数のスイッチを有する。複数のスイッチの各々には、照明器具2のアドレス、グループ番号または調光率のパターン制御が設定されている。ユーザーが壁スイッチ3のスイッチを押下することで、スイッチに設定されたアドレスまたはグループ番号の照明器具2のON、OFFが制御される。また、スイッチを押下することで、スイッチに設定されたパターン制御が実行される。
【0016】
人感センサ4は天井に設置される。人感センサ4は焦電センサまたはカメラが搭載されている。人感センサ4は焦電センサまたはカメラによって、人体の在、不在情報を取得する。人感センサ4は、対象のエリア内に人体が存在するかを判定し、人体検出情報をコントローラ1に伝送する。人体検出情報を受信したコントローラ1は、人体検出情報に対応するエリアと関連付けられた照明器具2を調光制御する。
【0017】
設定器5は、コントローラ1とゲートウェイ装置6を接続する通信ラインに接続される。ユーザーは、設定器5から各端末機器のアドレスおよびグループ番号の設定を行う。また、ユーザーは、設定器5からコントローラ1が保持する自動制御用パラメータの設定を行う。自動制御用パラメータは、目標照度、上限調光率、下限調光率、壁スイッチ3の割付設定等である。
【0018】
設定器5は赤外線通信によって端末機器に対してデータを送受信することで、端末機器と通信する。また、設定器5は、ゲートウェイ装置6が接続されるBACnet(Building Automation and Control Networking Protocol)に接続することで、コントローラ1および管理装置7と通信する。設定器5は例えばパソコン設定器またはリモコンである。
【0019】
ゲートウェイ装置6は、コントローラ1との通信と上位通信とのゲートウェイ機能を有する。上位通信は、例えばBACnet通信である。ゲートウェイ装置6は、コントローラ1との通信と上位通信との間で、通信データを変換する。つまり、ゲートウェイ装置6は、コントローラ1が制御情報を上位システムに伝送する場合および上位システムからコントローラ1に対して制御指令が送信される場合に、通信形態の変換を行う。
【0020】
管理装置7は、Ethernet(登録商標)を使用したBACnet通信に接続される。また、管理装置7はインターネット8を介して、気象情報管理システム9とデータ通信を行う。管理装置7は中央管理装置とも呼ばれる。管理装置7はサーバであっても良い。管理装置7は、気象情報管理システム9から、現在の気象情報および一定時間後の気象予報情報を取得する。管理装置7は、現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定する。管理装置は、屋外の明るさの推定値を、ゲートウェイ装置6を介してコントローラ1へ送信する。
【0021】
コントローラ1は、屋外の明るさの推定値に基づき、照明器具2の出力の目標値を算出する。照明器具2の出力の目標値には、調光率または色温度の少なくとも一方が含まれる。コントローラ1は、管理装置7が推定した屋外の明るさに対応する照明器具2の出力の目標値が実現されるように、制御指令を送信し、照明器具2を制御する。このように、コントローラ1は、管理装置7が推定した屋外の明るさに応じて、照明器具2の点灯状態を制御する。コントローラ1の通信設定は設定器5で設定される。
【0022】
気象情報管理システム9は、インターネット上に気象情報を公開する管理システムである。
【0023】
なお、上述のデータ通信の手段としては、有線通信または無線通信のどちらを採用してもよい。また、各機器間の通信方式は問わない。また、コントローラ1と端末機器は、伝送電圧を増幅して容量を増やす増幅器を介して接続されても良い。コントローラ1と端末機器は、サブコントローラ等を介しても良い。
【0024】
図2は、実施の形態1に係る管理装置7の機能ブロック図である。図3は、実施の形態1に係る管理装置7のハードウェア構成図である。管理装置7は、受信部7a、推定部7b、記憶部7c、送受信部7dを有する。
【0025】
受信部7aは、気象情報管理システム9から現在および今後の気象情報を受信する。推定部7bは、記憶部7cに記憶されたデータを参照し、受信した気象情報から屋外の明るさを推定する。記憶部7cには、受信した気象情報から屋外の明るさを推定するためのデータが記憶される。送受信部7dは、屋外の明るさの推定値をコントローラ1に送信する。また、送受信部7dは設定器5から設定値を受信する。また、送受信部7dはコントローラ1から端末機器等の情報を受信する。
【0026】
受信部7a、送受信部7dは、例えば通信インターフェース回路から構成される。推定部7bの機能は、プロセッサ71等の制御装置により実現される。記憶部7cの機能はメモリ72で実現される。
【0027】
図4は、実施の形態1に係るコントローラ1の機能ブロック図である。図5は、実施の形態1に係るコントローラ1のハードウェア構成図である。コントローラ1は、送受信部1a、照明制御部1b、記憶部1c、送受信部1dを有する。
【0028】
送受信部1aは、管理装置7から屋外の明るさの推定値を受信する。また、送受信部1aは、管理装置7または設定器5に対して端末機器等の情報を送信する。照明制御部1bは、記憶部1cに記憶されたデータを参照し、管理装置7から受信した屋外の明るさの推定値に対応する照明器具2の出力の目標値を算出する。記憶部1cには、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係が記憶されている。送受信部1dは、目標値を含む制御指令を照明器具2に送信する。また、送受信部1dは、照明器具2等の端末機器から情報を受信する。
【0029】
送受信部1a、送受信部1dは、例えば通信インターフェース回路から構成される。照明制御部1bの機能は、プロセッサ11等の制御装置により実現される。記憶部1cの機能はメモリ12で実現される。
【0030】
図3図5に示されるプロセッサ71、11等の制御装置は、専用のハードウェアであっても良い。また、制御装置は、メモリ72、12に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。CPUは中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPとも呼ばれる。
【0031】
制御装置が専用のハードウェアである場合、制御装置は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサであっても良い。また、制御装置は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)であっても良い。さらに、制御装置は、これらを組み合わせたものであっても良い。
【0032】
制御装置がCPUの場合、推定部7b、照明制御部1bの機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ72、12に格納される。制御装置は、メモリ72に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、推定部7bの機能を実現する。同様に、制御装置は、メモリ12に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、照明制御部1bの機能を実現する。
【0033】
すなわちメモリ72には、気象情報から屋外の明るさを推定するプログラムが格納される。このプログラムは、推定部7bにおける手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。また、メモリ12には、屋外の明るさの推定値に対応する照明器具2の出力の目標値を算出するプログラムが格納される。このプログラムは、記憶部7cにおける手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0034】
ここで、メモリ72、12は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等であっても良い。RAMはRandom Access Memoryの略称である。ROMはRead Only Memoryの略称である。EPROMはErasable Programmable Read Only Memoryの略称である。EEPROMはElectrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。
【0035】
なお、推定部7b、照明制御部1bの各々の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、制御装置は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0036】
照明制御システム100の動作について詳細に説明する。管理装置7は、定期的にインターネット8上の気象情報管理システム9にアクセスし、気象情報を取得する。気象情報には、例えば晴れ、曇り、雨、雪などの天候情報が含まれる。気象情報は、降水量、降水確率または雲の厚さの情報を含んでも良い。管理装置7は、雲の厚さ等に応じて曇りのレベルを1~10などの段階に設定してもよい。
【0037】
気象情報は、雨雲レーダーからの情報を含んでも良い。管理装置7は、雨雲レーダーからの情報により、雲の厚さ等を推測しても良い。これにより、管理装置7は曇りのレベルを判定する。
【0038】
管理装置7は、記憶部7cに気象情報と屋外の明るさとの対応関係を予め記憶している。管理装置7は例えば曇りのレベルと屋外の明るさのレベルの対応関係を記憶している。管理装置7は、気象情報に対応する屋外の明るさの推定値をコントローラ1に送信する。管理装置7は、屋外の明るさの推定値を明るさのレベルとして送信しても良い。屋外の明るさは、例えばレベル1~100に分けられる。レベルが高いほど屋外は明るい。
【0039】
管理装置7がインターネット8から気象情報を取得する時間間隔は、設定器5によって設定可能である。また、気象情報を照明制御に反映する時間間隔についても、設定器5によって設定可能である。また、取得する気象情報の種類および気象情報と屋外の明るさとの対応関係についても、設定器5によって調整できる。これにより、気象情報管理システム9のデータの形態に応じて、照明制御システム100を調節できる。
【0040】
コントローラ1は取得した屋外の明るさの推定値により、屋内を照らす照明器具2の明るさを決定する。コントローラ1は、屋外の明るさの推定値と、屋内の調光率または色温度の値の関係をデータベースとして記憶している。コントローラ1は、屋外の明るさの推定値に対する照明器具2の出力の目標値を自動算出するための計算式を予め記憶していても良い。
【0041】
コントローラ1は取得した屋外の明るさの推定値に応じて、照明器具2の出力の目標値を算出する。例えば、屋外の明るさがレベルを1~100に分けられる場合、レベルが80のとき照明器具2の調光率を20%とし、レベルが20のとき照明器具2の調光率を80%とする。これにより、屋外の明るさに応じた照明器具2の自動制御を実現できる。
【0042】
明るさのレベルが10のとき調光率を40%、明るさのレベルが9のとき調光率を45%、明るさのレベルが8のとき調光率を48%に設定するなど、データベースは明るさのレベル毎に詳細に設定されていても良い。
【0043】
気象情報管理システム9より取得した気象情報に対して、照明器具2の出力をどのように制御するかは、使用者が設定できる。使用者は、設定器5によって屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係をデータベースに設定する。このように、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係は、外部から予め設定される。これにより、コントローラ1は、屋外の明るさの推定値の変化を受信すると、データベースに応じて照明器具2を制御する。
【0044】
データベースの設定方法については、データベースの値を直接設定しても良い。また、係数などを入力して、照明器具2の出力の目標値を自動算出するための計算式を設定しても良い。
【0045】
コントローラ1は、屋外の明るさと照明器具2の出力の目標値との対応関係を自動認識する機能を有しても良い。例えば管理装置7または設定器5によって、コントローラ1は一定期間テストモードに切り替わる。テストモードにおいて、気象情報から推定される屋外の明るさに対して、使用者は照明器具2の調光率または色温度を調整して、最適な照明状態を作り出す。つまり、使用者は、テストモード期間の屋外の明るさの変化に応じて、照明器具2の明るさの制御をマニュアルで実行する。
【0046】
コントローラ1は、屋外の明るさの推定値と照明状態の組合せを自動認識して記憶する。このとき、すべての明るさのレベルにおける照明状態を認識しなくても良い。コントローラ1は、複数の明るさのレベルのデータを認識することで、データの傾向から全レベルのデータを自動で生成できる。コントローラ1は、屋外の明るさの推定値から照明器具2の出力の目標値を導くための計算式を、データの傾向から自動で算出しても良い。
【0047】
テストモード期間において、同じ屋外の明るさの推定値に対して、照明状態が複数存在することが考えられる。この場合、最新値を採用しても良く、照明状態の平均値を採用しても良い。
【0048】
テストモード期間は、設定器5から設定できる。テストモード期間は、1時間、12時間、24時間など、使用者の都合に応じて設定できる。テストモードは、照明制御システム100の設置後の初期設定として実施しても良い。また、運用中に再度設定したい場合には、テストモードを再実施することが可能である。
【0049】
このようにコントローラ1は、使用者が設定した照明器具2の出力と、照明器具2が当該出力に設定されたときの屋外の明るさの推定値とから、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係を生成する。本機能により、使用者はデータベースの設定をする必要がなくなる。また、実際の屋外の明るさまたは照明器具2の状態に合わせて、使用者は照明環境を体感しながら設定できる。従って、好みの照明空間を正確に実現できる。
【0050】
屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係の設定方法として、データベースの設定およびテストモードによる設定を説明した。これらの設定は、管理装置7に対して実施されても良い。データベースの設定の例では、使用者は設定器5によって屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係を管理装置7のデータベースに設定する。テストモードの例では、管理装置7は、使用者が設定した照明器具2の出力と、照明器具2が当該出力に設定されたときの屋外の明るさの推定値とから、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係を生成する。対応関係の設定が管理装置7に対して実施される場合、管理装置7は設定された対応関係をコントローラ1に送信し、コントローラ1における制御で対応関係が用いられても良い。
【0051】
管理装置7が取得する気象情報は、現在の情報に限らず、今後の情報であっても良い。今後の情報は、予め定められた時間後の情報であり、例えば1分後、10分後、1時間後などの気象予報情報である。気象情報管理システム9から取得するデータの種類および屋外の明るさの推定値への換算方法は、上述したものと同様である。
【0052】
この場合、管理装置7は今後の気象情報から今後の屋外の明るさを推定する。コントローラ1は、管理装置7が推定した屋外の明るさに応じて、屋外の明るさが今後変化する場合に照明器具2をフェード制御しても良い。コントローラ1は、屋外が暗くなる予報を受信すると、予めフェードをかけながら調光率を高くしても良い。また、コントローラ1は、屋外が明るくなる予報を受信すると、フェードをかけながら調光率を低くしても良い。
【0053】
このように、コントローラ1は屋外の明るさの変化に先行して、照明器具2の明るさを変動させても良い。これにより、屋外の明るさの急な変化による一時的な照度不足および過剰照度を防ぐことができる。
【0054】
コントローラ1が屋外の明るさの予報を取得する間隔は、設定器5で設定することが可能である。また、今後の気象情報として何分先の情報を得るかは、設定器5で設定することが可能である。管理装置7が取得する気象情報は、現在または今後の気象情報の両方でも良く、一方でも良い。
【0055】
また、管理装置7が取得する気象情報は、照明制御システム100の緯度および経度に対応する位置の気象情報である。管理装置7が取得する気象情報は、照明制御システム100が設置される施設の緯度および経度に対応する位置の気象情報であっても良い。
【0056】
管理装置7には、緯度、経度が、位置情報として設定器5によって予め設定される。緯度、経度は、コントローラ1に設定されても良い。管理装置7は、気象情報管理システム9に対して位置情報を含めた照会情報を送信する。これにより、管理装置7は気象情報管理システム9から照明制御システム100の設置位置に対応する正確な気象情報を取得できる。
【0057】
汎用的な気象情報は、市、町、村といった範囲での情報である場合がある。これに対し、雨雲レーダーは、汎用的な気象情報よりも細かな範囲での気象情報を管理している。このため、管理装置7に設定された緯度、経度によって、雨雲レーダーからの気象情報を照会することで、現在または今後の気象情報をより正確に取得できる。これにより、気象情報の誤差を抑えることができる。
【0058】
また、照明制御システム100にはスケジュール連動機能が搭載されている。管理装置7は日時情報を管理している。管理装置7は、緯度、経度を含む位置情報と日時情報によって、日の出時刻および日の入り時刻を取得する。管理装置7は、照明制御システム100の緯度および経度に対応する位置での日の出時刻または日の入り時刻を用いて、屋外の明るさを推定する。
【0059】
管理装置7は、取得した気象情報と日の出時刻、日の入り時刻の組み合わせによって屋外の明るさを算出する。管理装置7は、例えば日の出前までは屋外の光がないものとして、屋外の明るさを算出する。また、管理装置7は日の出の後、既定の時間が経過するまでは、取得した気象情報にて屋外の明るさを算出する。
【0060】
また、日の出の後の一定の時間は、太陽光が届きにくいことが考えられる。このため、管理装置7は、日の出の後一定の時間が経過するまでは、気象情報から推定される明るさのレベルに、一定の係数を乗じて屋外の明るさを推定しても良い。これにより、屋外の明るさの推定値への気象情報の影響度合いを少なくすることができる。
【0061】
また、日の入り前の夕暮れには太陽光が届きにくいことが考えられる。このため、管理装置7は、日の入り前の一定の時間から、気象情報に基づく運用をしなくても良い。管理装置7は、日の入り前の一定の時間から、気象情報から推定される明るさのレベルに、一定の係数を乗じて屋外の明るさを推定しても良い。これにより、屋外の明るさの推定値への気象情報の影響度合いを少なくすることができる。このように、管理装置7は、気象情報から推定される明るさのレベルに、時刻に応じた係数を乗じて屋外の明るさを推定しても良い。
【0062】
日の出時刻または日の入り時刻を用いた照明器具2の制御は、コントローラ1が行っても良い。つまり、コントローラ1は、管理装置7から受信した屋外の明るさの推定値と日の出時刻、日の入り時刻との組み合わせによって、照明器具2の出力を制御しても良い。
【0063】
また、季節によって太陽の高度は変わる。管理装置7は、気象情報から推定される明るさのレベルに、季節に応じた係数を乗じて屋外の明るさを推定しても良い。例えば、太陽の高度が高い5~7月は係数1.0を用いる。8~10月、2~4月は係数0.8を用いる。また、太陽の高度が低い11~1月は係数0.6を用いる。これにより、季節に応じて屋外の明るさを正確に予測できる。
【0064】
各係数の値および係数を反映する時間帯などは、設定器5から設定およびモニタすることができる。また、各係数の値および係数を反映する時間帯は、管理装置7が管理および算出しても良い。各係数の値および係数を反映する時間帯は、コントローラ1が管理して算出してもよい。コントローラ1は、管理装置7が推定した屋外の明るさに係数を乗じた値を用いて、照明器具2の出力を制御しても良い。
【0065】
本実施の形態の比較例として、照度センサが検出した明るさをフィードバックして照明制御を行うシステムを考える。このシステムでは、環境が異なる各部屋に照度センサを設置する必要がある。このため、大規模な施設では多数の照度センサを設置することとなる。また、壁または床の反射率によって、照度センサに入る光の量が変化する。このため、環境に合わせて照度センサの増幅度を変更する必要が生じる。このため、初期設定に多くの時間を要することが考えられる。このように、比較例に係るシステムでは、照度センサの導入コストおよび初期設定の人件費が増大するおそれがある。
【0066】
これに対し、本実施の形態に係る照明制御システム100では、照度センサを設置しなくても良い。このため、容易に屋外の明るさに応じて照明器具2を制御できる。また、照度センサの設置および初期設定のためのコストを削減できる。また、気象情報を用いることで、照度センサと同様にリアルタイムの屋外の明るさに基づき照明器具2を制御できる。屋外の明暗を正確に推定して屋内の照明器具2を制御することで、照明制御システム100の消費エネルギーを低減できる。また、現在の気象情報に限らず今後の気象情報に基づき照明器具2を制御できる。
【0067】
本実施の形態の照明制御システム100は、気象情報または気象予報情報を取得し、これらの情報に予め関連付けられた個別の照明器具2または照明器具2のグループをオンオフ、調光制御、色温度制御する。また、照明制御システム100は、日付、曜日、時間の経過に応じて、照明器具2の出力を変更しても良い。
【0068】
照明制御システム100は、日時に応じて目標照度またはシステムに関わる設定値を変更するスケジュール連動機能を有する。これにより、屋外の明るさと連動する自動制御だけでなく、他のセンサ制御またはマニュアル制御と組合せて使用することもできる。例えば昼間の時間帯は気象情報に基づき照明器具2を制御し、休憩時間または夜間には人感センサ4に基づき照明器具2を制御しても良い。休憩時間または夜間には、照明器具2を強制的に消灯しても良い。このように、照明制御システム100では、目的に応じて、機能の有効、無効またはパラメータを変更しても良い。これにより、消費エネルギーの低減および快適な照明空間を実現できる。
【0069】
図6は、実施の形態1の変形例に係る管理装置7の機能ブロック図である。実施の形態1の変形例として、管理装置7が現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定し、推定した屋外の明るさに応じて照明器具2の出力を制御しても良い。管理装置7は、気象情報から照明器具2の出力の目標値を算出し、コントローラ1に照明器具2の出力の目標値を含む制御指令を送信する。コントローラ1は、受信した制御指令を照明器具2に送信する。照明器具2の出力の目標値には、照明制御に関わる調光率、色温度、フェード時間等のデータが含まれる。
【0070】
変形例に係る管理装置7は、受信部7a、推定部7b、記憶部7c、送受信部7dに加えて照明制御部7eを有する。照明制御部7eは、推定部7bが推定した屋外の明るさに応じて照明器具2の出力を制御する。つまり照明制御部7eは、屋外の明るさの推定値に対応する照明器具2の出力の目標値を算出して出力する。送受信部7dは、照明器具2の出力の目標値を含む制御指令をコントローラ1に送信する。
【0071】
記憶部7cには、推定部7bで用いられる気象情報と屋外の明るさとの対応関係と、照明制御部7eで用いられる屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係とが記憶されている。つまり、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係を含むデータベースは、管理装置7が保持する。また、照明器具2を制御するための照明器具2のアドレスまたはグループ番号は、予めコントローラ1から管理装置7へ送信されても良い。
【0072】
図6に示される構成において、推定部7bおよび照明制御部7eの機能を、別個の制御装置で実現しても良い。また、推定部7bおよび照明制御部7eの機能をまとめて1つの制御装置で実現してもよい。
【0073】
本変形例では、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係の設定は、設定器5またはテストモード等により管理装置7に対して実施されても良い。また、屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係の設定は、コントローラ1に対して実施されても良い。
【0074】
実施の形態1の別の変形例として、コントローラ1が現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定し、推定した屋外の明るさに応じて照明器具2の出力を制御しても良い。この場合、管理装置7は取得した気象情報をコントローラ1に送信する。
【0075】
本変形例において、ゲートウェイ装置6および管理装置7は設けられなくても良い。コントローラ1は、直接インターネット8に接続され、気象情報管理システム9と連携して気象情報を取得しても良い。
【0076】
本変形例では、コントローラ1は、送受信部1a、照明制御部1b、記憶部1c、送受信部1dに加えて推定部を有する。コントローラ1は、送受信部1aから気象情報を取得する。推定部は、現在または今後の気象情報から屋外の明るさを推定する。照明制御部1bは、推定部が推定した屋外の明るさに応じて照明器具2の出力を制御する。記憶部1cには、推定部で用いられる気象情報と屋外の明るさとの対応関係と、照明制御部1bで用いられる屋外の明るさの推定値と照明器具2の出力の目標値との対応関係とが記憶されている。
【0077】
本変形例においても、推定部および照明制御部1bの機能を、別個の制御装置で実現しても良い。また、推定部および照明制御部1bの機能をまとめて1つの制御装置で実現してもよい。
【0078】
本変形例において、コントローラ1は、照明制御システム100の緯度および経度に対応する位置での日の出時刻または日の入り時刻を用いて、屋外の明るさを推定しても良い。また、コントローラ1は、気象情報から推定される明るさのレベルに、時刻または季節に応じた係数を乗じて屋外の明るさを推定しても良い。また、コントローラ1は今後の気象情報から屋外の明るさを推定し、屋外の明るさが今後変化する場合、照明器具2をフェード制御しても良い。
【0079】
このように、照明器具2を制御するための各機能は、管理装置7またはコントローラ1の一方で全て実施されても良く、管理装置7とコントローラ1に割り振られても良い。
【0080】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明制御システムおよび制御装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明制御システムおよび制御装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0081】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る照明制御システム200の構成を示す図である。照明制御システム200は、端末機器として演出照明10が設けられる点が実施の形態1の照明制御システム100と異なる。演出照明10は、例えば空の色を模した照明である。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0082】
演出照明10は、屋内空間の主照明ではなくても良い。演出照明10は、例えば面光源である。複数の演出照明10が天井に設置されることで、青空を模擬した空間を演出できる。屋内にいる利用者は、天井を見上げることで、青空を模擬した空間を視認できる。これにより、窓がない部屋等の屋外または空の色を視認できない環境においても、利用者の解放感およびリラックス効果を促すことができる。
【0083】
コントローラ1が演出照明10に制御指令を送信することで、演出照明10は色味または明るさを変更する。例えば、コントローラ1または管理装置7は、気象情報管理システム9から晴れ、曇り、雨、雪などの天候情報を取得する。また、コントローラ1または管理装置7は、雨雲レーダーまたは降水確率から曇の厚さを算出する。コントローラ1または管理装置7は、天候情報と曇の厚さから、演出照明10が実際の空の状態に近い色味および明るさを再現できるように制御指令を送信する。空の状態には、青空の色または雲の色が含まれる。
【0084】
また、雨または曇りの日に晴れた空を模擬するように、演出照明10を制御しても良い。この場合、コントローラ1または管理装置7は、例えば取得した気象情報から天候が晴れであると判定すると、気象情報に基づき実際の空の色を模擬するように演出照明10を制御する。また、コントローラ1または管理装置7は、取得した気象情報から天候が雨または曇りであると判定すると、青空を模擬するように演出照明10を制御する。
【0085】
本実施の形態においても実施の形態1と同様に、一定時間後の気象情報に基づいて演出照明10を制御しても良い。また、日の出時刻および日の入り時刻によって演出照明10の制御を変更しても良い。これにより、朝焼けおよび夕焼け時の空の色を演出照明10により再現できる。
【0086】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る照明制御システム300の構成を示す図である。照明制御システム300は、端末機器として主照明となる照明器具2と演出照明10とが両方設けられる点が実施の形態1の照明制御システム100と異なる。
【0087】
演出照明10による空の色を模擬した照明のみでは、利用者の作業等のために充分な照度を確保できないことが考えられる。これに対し、本実施の形態では、照明器具2と演出照明10とを組み合わせて照度を確保できる。
【0088】
コントローラ1は、接続された端末機器の種類を通信により識別する。コントローラ1は、照明器具2と演出照明10を識別して、照明器具2と演出照明10に相応の制御指令を送信する。
【0089】
コントローラ1の通信負荷および制御負荷を軽減するため、照明器具2と演出照明10のうち一方のみが設置されても良い。この場合、制御モードを外部から設定しても良い。また、コントローラ1が制御モードを自動で認識して、照明器具2と演出照明10の一方または両方を制御しても良い。
【0090】
また、主照明となる光源と空の色を模擬する光源とが一体となった照明器具が用いられても良い。この場合、コントローラ1は通信により2種類の光源の制御を行い、両方の光源の機能を実現させる。
【0091】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 コントローラ、1a 送受信部、1b 照明制御部、1c 記憶部、1d 送受信部、2 照明器具、3 壁スイッチ、4 人感センサ、5 設定器、6 ゲートウェイ装置、7 管理装置、7a 受信部、7b 推定部、7c 記憶部、7d 送受信部、7e 照明制御部、8 インターネット、9 気象情報管理システム、10 演出照明、11 プロセッサ、12 メモリ、71 プロセッサ、72 メモリ、100、200、300 照明制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8