(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】清掃装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G03G21/00 312
G03G21/00 318
G03G21/00 314
(21)【出願番号】P 2020042555
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 有周
(72)【発明者】
【氏名】粟野 豊彦
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-053270(JP,U)
【文献】特開平10-010946(JP,A)
【文献】特開平03-141384(JP,A)
【文献】特開平07-334062(JP,A)
【文献】特開2005-338732(JP,A)
【文献】特開2015-087679(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0304407(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/02
13/14-13/16
15/02
15/14-15/16
21/00
21/04
21/10-21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃体の表面に回転しながら接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する回収手段と、前記被清掃体の表面に先端で接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する除去手段と、を内部に収容し、前記回収手段及び前記除去手段を前記被清掃体に向かって露出させる開口と、前記回収手段及び前記除去手段によって前記被清掃体から除去した前記回収物を内部に受け入れる受入口と、を有する収容容器が、前記収容容器に回収された前記回収物が前記開口から漏出しない位置まで回転して前記被清掃体から離間可能に支持され、
前記収容容器が前記被清掃体から回転軸を回転中心として回転して離間する際に、前記回収手段が移動して前記受入口を塞ぐ、
ことを特徴とする清掃装置
。
【請求項2】
被清掃体の表面に回転しながら接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する回収手段と、前記被清掃体の表面に先端で接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する除去手段と、を内部に収容し、前記回収手段及び前記除去手段を前記被清掃体に向かって露出させる開口と、前記回収手段及び前記除去手段によって前記被清掃体から除去した前記回収物を内部に受け入れる受入口と、を有する収容容器が、前記収容容器に回収された前記回収物の上面が前記除去手段の前記先端よりも低くなる位置まで回転して前記被清掃体から離間可能に支持され、
前記収容容器が前記被清掃体から回転軸を回転中心として回転して離間する際に、前記回収手段が移動して前記受入口を塞ぐ、
ことを特徴とする清掃装置。
【請求項3】
前記回収手段の外径は、前記受入口の前記収容容器の回転軸方向と交差する方向の幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記回収手段は、前記除去手段に対して前記被清掃体の回転方向における上流側で鉛直方向上方に配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記清掃装置は、前記被清掃体から離間した後、前記被清掃体から取り外される、
ことを特徴とする請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の清掃装置。
【請求項6】
形成されたトナー像を保持する前記被清掃体としての像保持体と、
前記像保持体上の
前記回収物を除去する請求項1ないし
5のいずれか1項に記載の清掃装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー像を担持する像担持体と、像担持体に当接して像担持体上のトナーを除去するクリーニングユニットであって、像担持体に対して接離可能なクリーニングユニットと、を有し、像担持体上のトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、クリーニングユニットが像担持体から離間されるとき、クリーニングユニットと像担持体との当接部から落下するトナーを像担持体に当接して回収するトナー回収手段を有し、トナー回収手段は画像形成装置本体に対して着脱可能である画像形成装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、清掃装置が被清掃体から離間する際に清掃装置内の廃トナーの飛散やこぼれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1記載の清掃装置は、
被清掃体の表面に回転しながら接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する回収手段と、前記被清掃体の表面に先端で接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する除去手段と、を内部に収容し、前記回収手段及び前記除去手段を前記被清掃体に向かって露出させる開口と、前記回収手段及び前記除去手段によって前記被清掃体から除去した前記回収物を内部に受け入れる受入口と、を有する収容容器が、前記収容容器に回収された前記回収物が前記開口から漏出しない位置まで回転して前記被清掃体から離間可能に支持され、
前記収容容器が前記被清掃体から回転軸を回転中心として回転して離間する際に、前記回収手段が移動して前記受入口を塞ぐ、
ことを特徴とする。
【0006】
前記課題を解決するために、請求項2記載の清掃装置は、
被清掃体の表面に回転しながら接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する回収手段と、前記被清掃体の表面に先端で接触し前記被清掃体の表面の回収物を除去する除去手段と、を内部に収容し、前記回収手段及び前記除去手段を前記被清掃体に向かって露出させる開口と、前記回収手段及び前記除去手段によって前記被清掃体から除去した前記回収物を内部に受け入れる受入口と、を有する収容容器が、前記収容容器に回収された前記回収物の上面が前記除去手段の前記先端よりも低くなる位置まで回転して前記被清掃体から離間可能に支持され、
前記収容容器が前記被清掃体から回転軸を回転中心として回転して離間する際に、前記回収手段が移動して前記受入口を塞ぐ、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の清掃装置において、
前記回収手段の外径は、前記受入口の前記収容容器の回転軸方向と交差する方向の幅よりも大きい、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の清掃装置において、
前記回収手段は、前記除去手段に対して前記被清掃体の回転方向における上流側で鉛直方向上方に配置されている、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の清掃装置において、
前記清掃装置は、前記被清掃体から離間した後、前記被清掃体から取り外される、
ことを特徴とする。
【0012】
前記課題を解決するために、請求項6記載の画像形成装置は、
形成されたトナー像を保持する前記被清掃体としての像保持体と、
前記像保持体上の前記回収物を除去する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の清掃装置と、を備えた、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、6に記載の発明によれば、清掃装置が被清掃体から離間する際に清掃装置内の廃トナーの飛散やこぼれを抑制することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、清掃装置が被清掃体から離間する際に清掃装置内の廃トナーの飛散やこぼれを抑制することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、回収手段で収容容器の受入口を塞ぐことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、廃トナーを収容容器の鉛直方向下方に収容することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、清掃装置を脱着する際に除去手段の損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す断面模式図である。
【
図2】感光体ユニット及び現像装置の構成を示す断面模式図である。
【
図3】本実施形態に係るクリーニング装置の構成を示す断面模式図である。
【
図4】感光体ドラムから離間したクリーニング装置を示す断面模式図である。
【
図5】感光体ドラムから離間したクリーニング装置における廃トナーの上面とクリーニングブレードの先端部との位置関係を示す断面模式図である。
【
図6】感光体ドラムから離間したクリーニング装置における受入口の塞ぎを説明する断面模式図である。
【
図7】感光体ドラムから離間したクリーニング装置における受入口の塞ぎの変形例を説明する断面模式図である。
【
図8】クリーニング装置の感光体ユニットからの取り外しを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0022】
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
(1.1)画像形成装置の全体構成
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図、
図2は感光体ユニット13及び現像装置14の構成を示す断面模式図である。
画像形成装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の下部に装着された給紙装置20と、画像形成部10の上部に装着された読取装置30と、操作表示部40と、画像処理部50と、システム制御装置60と、を備えて構成され、プリント機能やコピー機能が実行されることにより画像が用紙等の記録媒体上に印刷される。
【0023】
画像形成部10は、露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16、トナー供給装置(不図示)を備えて構成され、画像処理部50から受け取った画像情報を給紙装置20から送り込まれた用紙上にトナー像として形成する。
【0024】
画像形成部10の底部には、用紙トレイ21、22を有する給紙装置20が設けられ、更に給紙装置20の下方には、上下方向に多段(本実施形態においては2段)に配置され、用紙を収容する用紙トレイT1、T2からなるトレイモジュールTMが接続されて画像形成部10に対する用紙供給を行う。
【0025】
画像形成部10の上方には、読取装置30が配置されている。読取装置30は、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ等のイメージセンサ(不図示)で、シートの画像を読み取り、電気信号である画像データに変換する。
【0026】
読取装置30の前面側には、ユーザーインターフェイスとしての操作表示部40が配置されている。操作表示部40は、液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され、画像形成装置1の利用者は、操作表示部40を介して各種の設定や指示の入力を行う。また、液晶表示パネルを介して画像形成装置1の利用者へ各種情報を表示する。
【0027】
画像処理部50は、外部機器(デジタルカメラ、携帯端末、パーソナルコンピュータ等)から取り込まれた印刷情報から画像データを生成するとともに、読取装置30によって入力された画像データを用いて種々の画像処理を行う。
【0028】
(1.2)画像形成部10の構成及び動作
このような構成の画像形成装置1では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置20のうち、印刷ジョブで印刷の1枚毎に指定された用紙トレイから繰り出された用紙が画像形成部10へ送り込まれる。
【0029】
感光体ユニット13は、中間転写ベルト51の下方に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する像保持体としての感光体ドラム31を備えている。感光体ドラム31の回転方向にそって、帯電装置32、露光装置12、現像装置14、一次転写ローラ52、クリーニング装置33が配置されている。
【0030】
現像装置14は、内部に現像剤が収容される現像ハウジング41を有する。現像ハウジング41内には、感光体ドラム31に対向して配置された現像ローラ42が配設され、現像ローラ42には、現像剤の層厚を規制するトリマー46(
図2 参照)が近接配置されている。
それぞれの現像装置14は、現像ハウジング41に収容される現像剤を除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0031】
現像装置14の上方には、現像剤(キャリアを含むトナー)を収容する交換可能なトナーカートリッジTC(K、C、M、Y)が配置され、それぞれのトナーカートリッジTCから現像装置14に現像剤を供給可能となっている。
【0032】
回転する感光体ドラム31の表面は、帯電装置32により帯電され、露光装置12から出射する潜像形成光により静電潜像が形成される。感光体ドラム31上に形成された静電潜像は現像ローラ42によりトナー像として現像される。
【0033】
転写装置15は、各感光体ユニット13の感光体ドラム31にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト51、各感光体ユニット13にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト51に順次転写(一次転写)する一次転写ローラ52、中間転写ベルト51上に重畳して転写された各色トナー像を用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ローラ53とから構成されている。
【0034】
各感光体ユニット13の感光体ドラム31に形成された各色トナー像は、システム制御装置60により制御される電源装置等(不図示)から所定の転写電圧が印加された一次転写ローラ52により中間転写ベルト51上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。
【0035】
中間転写ベルト51上の重畳トナー像は、中間転写ベルト51の移動に伴って二次転写ローラ53が配置された二次転写部TRに搬送される。重畳トナー像が二次転写部TRに搬送されると、そのタイミングに合わせて給紙装置20から用紙が二次転写部TRに供給される。そして、二次転写ローラ53には、システム制御装置60により制御される電源装置等から所定の転写電圧が印加され、用紙に中間転写ベルト51上の多重トナー像が一括転写される。
【0036】
感光体ドラム31表面の残留トナーは、クリーニング装置33により除去され、廃トナー収容部(不図示)に回収される。感光体ドラム31の表面は、帯電装置32により再帯電される。
【0037】
定着装置16は一対の加熱モジュール16Aと加圧モジュール16Bの圧接領域によって定着ニップ部NP(定着領域)が形成される。
転写装置15においてトナー像が一括転写された用紙は、トナー像が未定着の状態で搬送ガイドを介して定着装置16の定着ニップ部NPに搬送され、一対の加熱モジュール16Aと加圧モジュール16Bにより、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。
【0038】
定着トナー像が形成された用紙は、搬送ガイドによってガイドされ、排出ローラ対69から画像形成装置1上面の排紙トレイ部TR1に排出・収容される。
尚、自動で両面印刷を行う場合には、用紙の表裏が反転され、再び画像形成部10へ送り込まれる。そして、トナー像の転写および転写像の定着が行われた後に、排紙トレイ部TR1に排出されることになる。
【0039】
(2)クリーニング装置の構成と動作
(2.1)クリーニング装置の構成
図3は本実施形態に係るクリーニング装置33の構成を示す断面図である。
クリーニング装置33は、感光体ドラム31と対向するに位置に配設された収容容器の一例としてのハウジング331と、ハウジング331に設けられた開口331aの上縁部に支持された第1シール部材332a、開口331aの下縁部に支持された第2シール部材332bと、ハウジング331に回収された廃トナーを搬送するトナー回収オーガー333と、感光体ドラム31の表面に接触して配置された回収手段の一例としてのクリーニングブラシ334と、感光体ドラム31の回転方向におけるクリーニングブラシ334の下流に配置された除去手段の一例としてのクリーニングブレード335と、で主要部が構成されている。
尚、このクリーニング装置33は、感光体ドラム31等と一体のユニットとして構成された感光体ユニット13として、画像形成装置1に着脱可能とされている。
【0040】
ハウジング331は、クリーニングブレード335又はクリーニングブラシ334が感光体ドラム31の表面から回収、除去したトナーや紙紛等を収容するものであり、感光体ドラム31と対向する位置に開口331aを有している。そして、この開口331a部分にクリーニングブレード335及びクリーニングブラシ334が設けられ、感光体ドラム31と接触している。
【0041】
第1シール部材332a、第2シール部材332bは、ハウジング331の開口331a端部に固定支持されており、感光体ドラム31とハウジング331との間の隙間をシールして、クリーニング装置33内に回収された廃トナーのクリーニング装置33外への漏出を防止する。第1シール部材332a、第2シール部材332bには、例えば、厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルムを用いることができる。
【0042】
ハウジング331は、
図3に示すように、内部にクリーニングブレード335及びクリーニングブラシ334で感光体ドラム31の表面から回収、除去したトナーや紙紛等を受け入れる受入口331bが形成された収容部331Aを有し、収容部331Aにはトナー回収オーガー333が配置されている。
トナー回収オーガー333は、スクリューからなっており、感光体ドラム31の表面から除去されてハウジング331に収容された廃トナー等を撹拌しながら廃トナーボックス(不図示)に搬送する。
【0043】
クリーニングブレード335は、耐磨耗性、耐欠け性、耐クリープ性などの機械的性質に優れる材料、例えば、熱硬化型ポリウレタンゴム等のウレタンゴムからなり、ハウジング331に断面形状がL字形の板金で固定支持されている。そして、クリーニングブレード335の先端部335aは予め定められた接触圧で感光体ドラム31の表面に接触し、感光体ドラム31の表面からトナーや紙紛等を除去する。
【0044】
クリーニングブラシ334は、ハウジング331内で、クリーニングブレード335に対して感光体ドラム31の回転方向における上流側で鉛直方向上方に配置され、感光体ドラム31上の残留トナー等をクリーニングブレード335の手前で掻き乱しながらその一部をハウジング331内に回収している。
【0045】
クリーニングブラシ334は、基布と、基布上にパイル糸を起毛したブラシ毛334aと、金属製のシャフト334bとからなり、シャフト334bの周囲に螺旋状に巻回されてローラ状に形成されている。本実施形態ではブラシ毛334aとしては、例えば、繊維径40μm、パイル長2mm、植毛密度10万本/inch
2を用いている。また、感光体ドラム31の表面への当接量(食い込み量)は1mmとなるように調節されている。
そして、
図3中に矢印Bで示す方向つまり感光体ドラム31の回転方向(矢印A)と反対方向に回転駆動され、双方の対向面が互いに同方向に移動する、いわゆるウィズモード(with mode)となっている。このような構成により、クリーニングブラシ334のブラシ毛334aが感光体ドラム31の表面に接触し、感光体ドラム31の表面に付着している残留トナー等を掻き取るようになっている。尚、クリーニングブラシ334の回転速度は感光体ドラム31とほぼ同速度としている。
【0046】
クリーニングブラシ334の外径D1は、
図3に示すハウジング331の受入口331bの幅W1よりも大きく形成されている。これにより、クリーニング装置33が感光体ドラム31から回転軸331cを回転中心として回転して離間する際に、クリーニングブラシ334が下方に移動して開口331aを塞ぐようになっている。クリーニングブラシ334は、パイル糸を起毛したブラシ毛334aを有し、ブラシ毛334aが受入口331bの縁部に食い込むように接触して収容部331A内の廃トナーの外部への漏出を抑制することができる。
【0047】
(2.2)クリーニング装置の機能・動作
図4は感光体ドラム31から離間したクリーニング装置33を示す断面模式図、
図5は感光体ドラム31から離間したクリーニング装置33における廃トナーの上面とクリーニングブレード335の先端部335aとの位置関係を示す断面模式図、
図6は感光体ドラム31から離間したクリーニング装置33における受入口の塞ぎを説明する断面模式図、
図7は感光体ドラム31から離間したクリーニング装置33における受入口の塞ぎの変形例を説明する断面模式図、
図8はクリーニング装置33の感光体ユニット13からの取り外しを説明する図である。
【0048】
クリーニング装置33は、中間転写ベルト51にトナー像が一次転写された後の感光体ドラム31上の回収物を清掃する。回収物には、残存現像剤(トナーと外添剤)、用紙から感光体ドラム31に付着した紙粉等の異物が含まれる。
クリーニングブラシ334は、感光体ドラム31の表面に接した状態で、
図3に矢印Bで示すように時計回りに回転(感光体ドラム31は
図3に矢印Aで示すように反時計回りに回転する)し、感光体ドラム31上の回収物を除去しやすいように浮き上がらせ、一部をハウジング331内に回収する。
また、感光体ドラム31表面のトナーが少ないときには、クリーニングブラシ334に付着したトナーを感光体ドラム31表面に供給して、クリーニングブレード335と感光体ドラム31表面との摩擦力を低減する。
【0049】
クリーニングブレード335は、クリーニングブラシ334で浮き上がらせた感光体ドラム31上の回収物を掻き落とすことにより除去する。
【0050】
そして、トナー回収オーガー333は、ハウジング331の下方の収容部331A内に設けられ、回転することにより回収された廃トナーを回転軸に沿って搬送する。
【0051】
このように感光体ドラム31上の残留トナー等を回収するクリーニング装置33は、感光体ユニット13の感光体ドラム31とはそれぞれ別に交換される。クリーニング装置33の交換においては、クリーニング装置33を感光体ユニット13から取り外す際に、クリーニング装置33の向きによっては、開口331aから内部に収容した廃トナーが飛散したりこぼれたりする虞があった。
【0052】
本実施形態に係るクリーニング装置33は、ハウジング331の下方に回転軸331cを有し、ハウジング331内に回収された廃トナーがハウジング331の開口331aから漏出しない位置まで回転して感光体ドラム31から離間可能に支持されている。
【0053】
図4に示すように、クリーニング装置33は、回転軸331cを回転中心として感光体ドラム31から離間する方向に回転させる(
図4中 矢印R参照)と、第1シール部材332a及び第2シール部材332bと感光体ドラム31で密閉されていたハウジング331の開口331aは、開放されるが重力方向における上方を向くようになる。このように開口331aが上方(Z方向)を向いた状態でクリーニング装置33を取り外すことで、廃トナーの開口331aの飛散やこぼれを抑制することができる。
【0054】
特に
図5に示すように、ハウジング331に回収された廃トナーの上面がクリーニングブレード335の先端部335aよりも低くなる位置まで回転して感光体ドラム31から離間可能に支持されていることで、廃トナーの開口331aの飛散やこぼれを抑制することができる。
【0055】
図6には、クリーニング装置33が回転軸331cを回転中心として感光体ドラム31から離間する方向に回転する際に、ハウジング331内でクリーニングブラシ334が移動してハウジング331の受入口331bを塞いでいる状態を示している。クリーニングブラシ334は、例えば、ハウジング331に回転可能に支持されているシャフト334bの支持部を解除することで自重で下方(-Z方向)に落下し(
図6中 矢印R1参照)、受入口331bを塞ぐ塞ぎ手段として機能する。
【0056】
クリーニングブラシ334の外径D1は、ハウジング331の受入口331bの幅W1よりも大きく形成されていることから、クリーニングブラシ334が下方に落下した際に、ブラシ毛334aが受入口331bの縁部に食い込むように接触して停止する。これにより、収容部331Aに収容されている廃トナーの開口331aからの飛散やこぼれを抑制することができる。尚、クリーニングブラシ334の移動は自重による落下に限らず、クリーニング装置33の回転に伴って、さまざまな機構で移動させることができる。
【0057】
「変形例」
図7には、受入口331bを塞ぐ変形例に係る塞ぎ手段の一例を示している。
クリーニング装置33が回転軸331cを回転中心として感光体ドラム31から離間する方向に回転する際に、ハウジング331の内壁331dに回転可能に設けられた蓋体331Bが回転して受入口331bを塞ぐようになっている。
具体的には、蓋体331Bは、回転軸331Baを中心に、トーションスプリングSで回転可能に付勢された状態でハウジング331の内壁331dに沿うように保持され、クリーニング装置33の回転に伴って、保持が解除されることで
図7中に矢印R2で示すように回転して受入口331bを塞ぐようになっている。これにより、収容部331Aに収容されている廃トナーの開口331aからの飛散やこぼれを抑制することができる。
【0058】
図8にはクリーニング装置33の交換を示している。
クリーニング装置33は、ハウジング331内に回収された廃トナーがハウジング331の開口331aから漏出しない位置まで回転して感光体ドラム31から離間した後、装置の前面側(-Y方向)に引き出して取り外される。これにより、ハウジング331内に収容されている廃トナーの開口331aからの飛散やこぼれを抑制するとともに、クリーニングブレード335の先端部335a(エッジ)の損傷を防ぐことができる。
【0059】
以上、本発明に係る実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことが可能である。
例えば、本実施形態では感光体ユニット13のクリーニング装置33として説明したが、中間転写ベルトを備えた中間転写ユニットや、搬送ベルトを備えた用紙搬送ユニットにおける交換可能なクリーニング装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1、100・・・画像形成装置
10・・・画像形成部
12・・・露光装置
13・・・感光体ユニット
31・・・感光体ドラム
14・・・現像装置
15・・・転写装置
16・・・定着装置
33・・・クリーニング装置
331・・・ハウジング
331a・・・開口
331b・・・受入口
331c・・・回転軸
332a、332b・・・シール部材
333・・・トナー回収オーガー
334・・・クリーニングブラシ
335・・・クリーニングブレード
335a・・・クリーニングブレード先端