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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240312BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G03G21/00 538
G03G21/00 386
G03G21/00 500
G03G21/16 133
G03G21/16 138
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020043450
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144167
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 克彦
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-309796(JP,A)
【文献】特開2001-194967(JP,A)
【文献】特開2001-235998(JP,A)
【文献】特開平09-166954(JP,A)
【文献】特開2015-118242(JP,A)
【文献】特開平11-282327(JP,A)
【文献】特開2009-244504(JP,A)
【文献】特開2006-215306(JP,A)
【文献】特開2013-105157(JP,A)
【文献】特開2014-137416(JP,A)
【文献】特開2012-220940(JP,A)
【文献】米国特許第06374063(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
G03G 13/01-13/02
13/08
13/095
13/14-13/16
13/20
13/34
15/00-15/02
15/08
15/095
15/14-15/16
15/20
15/36
21/00-21/04
21/10-21/14
21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を印刷する印刷処理を実行する画像形成装置であって、
複数の開口及び複数の通気孔を有する筐体と、
前記複数の開口のうちの対応する1つをそれぞれ開閉可能に、前記筐体に装着された複数の開閉部と、
前記筐体の内部から前記複数の通気孔のうちの対応する1つへの気流をそれぞれ発生させる複数のファンと、
前記複数のファンの駆動を制御する制御部と
前記シートにトナーを用いて画像を形成する画像形成部と、
廃トナー容器と
を備え、
前記制御部は、
前記印刷処理の実行を禁止させるイベントの発生を検出して、前記イベントの種別を判別し、
前記イベントの種別に基づいて前記複数のファンのうちの少なくとも1つを選択し、
選択した前記ファンを駆動させ、
前記画像形成部は、
像担持体と、
前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置と
を有し、
前記廃トナー容器は、前記クリーニング装置が前記像担持体から除去したトナーを示す廃トナーを収容し、
前記複数の開口は、第1開口と、第3開口とを含み、
前記複数の通気孔は、第1通気孔と、第2通気孔とを含み、
前記筐体は、互いに異なる第1壁及び第2壁と、互いに異なる第3壁及び第4壁とを有し、
前記第1壁は、前記第1開口を有し、
前記第2壁は、前記第1壁に対向し、前記第1通気孔を有し、
前記第3壁は、前記第3開口を有し、
前記第4壁は、前記第3壁に対向し、前記第2通気孔を有し、
前記複数の開閉部は、前記第1開口を開閉可能な第1カバー部と、前記第3開口を開閉可能な第2カバー部とを含み、
前記複数のファンは、
前記筐体の内部から前記第1通気孔への気流を発生させる第1ファンと、
前記筐体の内部から前記第2通気孔への気流を発生させる第2ファンと
を含み、
前記イベントの種別は、
前記第1カバー部を開状態にすることが必要な第1イベントと、
前記第2カバー部を開状態にすることが必要な第3イベントと
を含み、
前記第3イベントは、前記廃トナー容器内が前記廃トナーで満杯であることを示す廃トナー満杯を示し、
前記制御部は、
前記イベントの種別が前記第1イベントである場合、前記第1ファンを駆動させ、
前記イベントの種別が前記廃トナー満杯である場合、前記第2ファンを駆動させる、画像形成装置。
【請求項2】
記画像形成部は、前記像担持体を有する交換ユニットを含み、
前記第1イベントは、前記交換ユニットの交換を含み、
前記制御部は、前記第1イベントが前記交換ユニットの交換である場合、前記第1ファンを駆動させる、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
搬送経路を有し、前記搬送経路に沿って前記シートを搬送する搬送部を備え、
前記第1イベントは、前記搬送経路における前記シートのジャムの発生を含み、
前記制御部は、前記第1イベントが前記ジャムの発生である場合、前記第1ファンを駆動させる、請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の開口は、第2開口を含み、
前記第1壁は、前記第2開口を有し、
前記複数の開閉部は、前記シートを収容するカセットを含み、
前記カセットは、前記第2開口を介して引き出すことが可能な位置に配置されており、
前記イベントの種別は、前記カセットを引き出すことが必要な第2イベントを含み、
前記制御部は、前記イベントの種別が前記第2イベントである場合、前記第1ファンを駆動させる、請求項~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記イベントの種別に基づいて、前記第1ファン及び前記第2ファンを駆動させる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記イベントの発生を検出したことに応じて前記ファンを駆動させると、前記ファンが駆動中である旨のメッセージを前記表示部に表示させる、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、
前記イベントの発生を検出したことに応じて選択した前記ファンを駆動させ、
前記表示部に点灯表示又は点滅表示をさせる、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、
前記イベントの発生を検出したことに応じて、所定時間の間、選択した前記ファンを駆動させ、
前記所定時間が経過するまでの残り時間を前記表示部に表示させる、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
情報を表示するタッチディスプレーを備え、
前記制御部は、前記イベントの発生を検出したことに応じて前記ファンを駆動させると、前記開閉部を開閉するか否かをユーザーに回答させるための選択画像を前記タッチディスプレーに表示させる、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記イベントの発生を検出したことに応じて、選択した前記ファンを第1回転速度で駆動させ、
前記選択画像を前記タッチディスプレーに表示させ、
前記選択画像が押下されたか否かを判定し、
前記選択画像が押下されたと判定した場合、前記ファンを前記第1回転速度よりも速い第2回転速度で駆動させる、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記開閉部の開閉を検出する開閉検出部を備え、
前記制御部は、
前記イベントの発生を検出したことに応じて、選択した前記ファンを第1回転速度で駆動させ、
前記開閉検出部の出力に基づいて、前記開閉検出部が前記開閉部の開状態を検出したか否かを判定し、
前記開閉検出部が前記開閉部の開状態を検出したと判定した場合、前記ファンを前記第1回転速度よりも速い第2回転速度で駆動させる、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記複数のファンは、前記筐体の内部への気流を発生させる第3ファンを含み、
前記制御部は、前記印刷処理の実行をしている間、前記第3ファンを駆動させる、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
シートに画像を印刷する印刷処理を実行する画像形成装置であって、
複数の開口及び複数の通気孔を有する筐体と、
前記複数の開口のうちの対応する1つをそれぞれ開閉可能に、前記筐体に装着された複数の開閉部と、
前記筐体の内部から前記複数の通気孔のうちの対応する1つへの気流をそれぞれ発生させる複数のファンと、
前記複数のファンの駆動を制御する制御部と、
情報を表示するタッチディスプレーと
を備え、
前記制御部は、
前記印刷処理の実行を禁止させるイベントの発生を検出して、前記イベントの種別を判別し、
前記イベントの種別に基づいて前記複数のファンのうちの少なくとも1つを選択し、
選択した前記ファンを駆動させ、
前記制御部は、前記イベントの発生を検出したことに応じて前記ファンを駆動させると、前記開閉部を開閉するか否かをユーザーに回答させるための選択画像を前記タッチディスプレーに表示させる、画像形成装置。
【請求項14】
シートに画像を印刷する印刷処理を実行する画像形成装置であって、
複数の開口及び複数の通気孔を有する筐体と、
前記複数の開口のうちの対応する1つをそれぞれ開閉可能に、前記筐体に装着された複数の開閉部と、
前記筐体の内部から前記複数の通気孔のうちの対応する1つへの気流をそれぞれ発生させる複数のファンと、
前記複数のファンの駆動を制御する制御部と、
前記開閉部の開閉を検出する開閉検出部と
を備え、
前記制御部は、
前記印刷処理の実行を禁止させるイベントの発生を検出して、前記イベントの種別を判別し、
前記イベントの種別に基づいて前記複数のファンのうちの少なくとも1つを選択し、
選択した前記ファンを駆動させ、
前記イベントの発生を検出したことに応じて、選択した前記ファンを第1回転速度で駆動させ、
前記開閉検出部の出力に基づいて、前記開閉検出部が前記開閉部の開状態を検出したか否かを判定し、
前記開閉検出部が前記開閉部の開状態を検出したと判定した場合、前記ファンを前記第1回転速度よりも速い第2回転速度で駆動させる、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像形成装置を開示している。特許文献1に開示の画像形成装置は、装置本体と、フロントカバーとを備える。装置本体は、第1開口部と、第2開口部とを有する。第1開口部は、トナーカートリッジを着脱するために形成されている。第2開口部は、記録用紙の表裏を反転させる際に、記録用紙の一部を装置本体の外部に排出するために形成されている。フロントカバーは、第1開口部及び第2開口部を一体的に開閉する。特許文献1に開示の画像形成装置は、定着後の記録用紙から放出される臭気が装置本体の前面側から外部に放出されることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-120713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の画像形成装置では、例えば、ユーザーがフロントカバーを開いて、ジャム(イベント)を解消する際に、装置本体の内部に残っている臭気が、第2開口部から装置本体の外部に放出されるおそれがある。そのため、ユーザーは、臭気を吸引するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、臭気をユーザーが吸引しにくくする画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、シートに画像を印刷する印刷処理を実行する。当該画像形成装置は、筐体と、複数の開閉部と、複数のファンと、制御部とを備える。前記筐体は、複数の開口及び複数の通気孔を有する。前記複数の開閉部は、前記複数の開口のうちの対応する1つをそれぞれ開閉可能に、前記筐体に装着されている。前記複数のファンは、前記筐体の内部から前記複数の通気孔のうちの対応する1つへの気流をそれぞれ発生させる。前記制御部は、前記複数のファンの駆動を制御する。前記制御部は、前記印刷処理の実行を禁止させるイベントの発生を検出して、前記イベントの種別を判別する。前記制御部は、前記イベントの種別に基づいて前記複数のファンのうちの少なくとも1つを選択する。前記制御部は、選択した前記ファンを駆動させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、臭気をユーザーが吸引しにくくする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図5図1の切断線Vで切断した画像形成装置の断面図である。
図6図2の切断線VIで切断した画像形成装置の断面図である。
図7】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の第1排気処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態1に係る第1画面を示す図である。
図10】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の第1排気処理を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態1に係る画像形成装置の第1排気処理を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態2に係る画像形成装置の第2排気処理を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態2に係る第6画面を示す図である。
図14】本発明の実施形態2に係る画像形成装置の第2排気処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
[実施形態1]
図1及び図2を参照して、実施形態1に係る画像形成装置100について説明する。図1及び図2は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示す図である。
【0011】
画像形成装置100は、印刷処理を実行して、シートPに画像を印刷する。図1に示すように、画像形成装置100は、例えば、電子写真方式のプリンターである。画像形成装置100は、筐体10と、前カバー11と、カセット12と、左カバー13と、操作パネル20とを備える。シートPは、例えば、普通紙、コピー紙、再生紙、薄紙、厚紙、光沢紙、又はOHP(Overhead Projector)シートを含む。前カバー11は、複数の開閉部及び第1カバー部の一例である。カセット12は、複数の開閉部の一例である。左カバー13は、複数の開閉部及び第2カバー部の一例である。
【0012】
以下では、画像形成装置100の前カバー11が配置される側を画像形成装置100の前側とし、その反対側を画像形成装置100の後側として実施形態1を説明する。また、画像形成装置100を前側から見たときの右側を画像形成装置100の右側とし、その反対側を画像形成装置100の左側として実施形態1を説明する。また、画像形成装置100の前後方向及び左右方向と直交する方向において、操作パネル20が配置される側を画像形成装置100の上側とし、その反対側を画像形成装置100の下側として実施形態1を説明する。
【0013】
筐体10は、略直方体形状の箱である。筐体10は、上壁10A、前壁10B、及び左壁10Cを有する。筐体10の上壁10A及び操作パネル20は、画像形成装置100の上面を構成する。筐体10の前壁10B、前カバー11、及びカセット12は、画像形成装置100の前面を構成する。筐体10の左壁10C、左カバー13は、画像形成装置100の左面を構成する。前壁10Bは、第1壁の一例である。左壁10Cは、第3壁の一例である。
【0014】
操作パネル20は、タッチディスプレー201と、操作ボタン202とを有する。タッチディスプレー201は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)を備え、情報を表示する。タッチディスプレー201は、タッチセンサーを備え、ユーザーからの操作を受け付ける。操作ボタン202は、スタートボタン、矢印キー、及びテンキーを含む。タッチディスプレー201は、表示部の一例である。
【0015】
前カバー11は、ヒンジ結合によって、筐体10と連結されている。筐体10は、ヒンジ軸101を有する。前カバー11は、筐体10に対して、ヒンジ軸101の中心軸を中心とする周方向R1に回動可能である。
【0016】
カセット12は、複数のシートPを収容する。カセット12は、筐体10の内部に開閉可能に装着されている。カセット12は、筐体10に対して前後方向に引出し自在である。
【0017】
左カバー13は、ヒンジ結合によって、筐体10と連結されている。筐体10は、上側ヒンジ軸102及び下側ヒンジ軸103を有する。左カバー13は、筐体10に対して、上側ヒンジ軸102と下側ヒンジ軸103とを結ぶ回動軸を中心とする周方向R2に回動可能である。左カバー13は、左カバー通気孔V13を有する。
【0018】
図2に示すように、筐体10は、右壁10Dを有する。右壁10Dは、左壁10C(図1参照)と対向する。筐体10の右壁10Dは、画像形成装置100の右面を構成する。筐体10は、右壁10Dに、右通気孔V10Dを有する。右通気孔V10Dは、筐体10の内部と、筐体10の外部とを連通する。右壁10Dは、第4壁の一例である。右通気孔V10Dは、複数の通気孔及び第2通気孔の一例である。
【0019】
続いて、図3を参照して、画像形成装置100の構成について詳細に説明する。図3は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示す図である。
【0020】
図3に示すように、画像形成装置100は、搬送部21と、給送部22と、画像形成部23と、定着部24と、排出部25とを備える。筐体10は、内部空間Sを有する。内部空間Sは、上側空間S1及び下側空間S2を含む。上側空間S1には、搬送部21、給送部22、画像形成部23、定着部24、及び排出部25が収容される。下側空間S2には、カセット12が収容される。
【0021】
搬送部21は、搬送経路を有する。搬送経路は、給送部22から排出部25まで延在している。搬送部21は、搬送経路に沿って、シートPを搬送する。搬送部21は、複数の搬送ローラー211を含む。
【0022】
給送部22は、カセット12に収容されているシートPを1枚ずつ搬送部21へ給送する。給送部22は、ピックアップローラー221、フィードローラー222、及びリタードローラー223を含む。
【0023】
画像形成部23は、シートPにトナーを用いて画像を形成する。画像形成部23は、交換ユニット231と、光走査装置232と、転写ローラー233とを備える。交換ユニット231は、筐体10に交換可能に取り付けられている。
【0024】
交換ユニット231は、帯電装置2311と、現像装置2312と、感光体ドラム2313と、クリーニング装置2314とを有する。感光体ドラム2313は、像担持体の一例である。
【0025】
感光体ドラム2313は、静電潜像、及びトナー像を担持する。実施形態1において、感光体ドラム2313は、画像形成装置100の左右方向に延びる回転軸2313aを有する。感光体ドラム2313は、回転軸2313aを中心に周方向R3に回転する。感光体ドラム2313は、例えば、OPC(Organic Photo Conductor)ドラムである。
【0026】
帯電装置2311、現像装置2312、転写ローラー233、及びクリーニング装置2314は、感光体ドラム2313の周方向R3に沿ってこの順で感光体ドラム2313の周囲に配置される。
【0027】
帯電装置2311は、感光体ドラム2313を放電によって所定の電位に帯電させる。帯電装置2311は、感光体ドラム2313の上方に配置される。
【0028】
光走査装置232は、画像データに基づいて感光体ドラム2313にビーム光Lを照射して、感光体ドラム2313の周面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0029】
現像装置2312は、感光体ドラム2313にトナーを供給して、感光体ドラム2313に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0030】
転写ローラー233は、感光体ドラム2313に対向して配置され、感光体ドラム2313に形成されたトナー像をシートPに転写する。トナー像が転写されたシートPは定着部24に搬送される。
【0031】
クリーニング装置2314は、感光体ドラム2313上に残留するトナーを除去する。
【0032】
定着部24は、画像をシートPに定着させる。これにより、シートPに画像が印刷される。定着部24は、加熱ローラー241、及び加圧ローラー242を含む。
【0033】
排出部25は、シートPを筐体10の外部に排出する。排出部25は、排出ローラー対251を含む。
【0034】
筐体10は、前壁10Bに、前上開口A1を有する。前上開口A1は、上側空間S1と連通している。前上開口A1は、ユーザーが筐体10の外部から交換ユニット231にアクセスするための貫通孔である。ユーザーは、前上開口A1を介して、交換ユニット231を交換可能である。前上開口A1は、上下方向において、筐体10の前壁10Bの略中央部に位置する。前カバー11(図1参照)は、前上開口A1を開閉可能に、筐体10に装着されている。詳しくは、前カバー11が開状態であると、前カバー11は、筐体10の前上開口A1を開放する。前カバー11が閉状態であると、前カバー11は、筐体10の前上開口A1を閉塞する。前上開口A1は、複数の開口及び第1開口の一例である。
【0035】
筐体10は、前壁10Bに、前下開口A2を有する。前下開口A2は、下側空間S2と連通している。前下開口A2は、カセット12を下側空間S2から引き出すための貫通孔である。前下開口A2は、上下方向において、前壁10Bの前上開口A1の下側に位置する。カセット12は、前下開口A2を介して引き出される位置に配置されている。詳しくは、カセット12が筐体10から引き出されると、カセット12は、筐体10の前下開口A2を開放する。カセット12が筐体10に引き入れられると、つまりカセット12が下側空間S2内に収容されると、カセット12は、筐体10の前下開口A2を閉塞する。カセット12が筐体10から前側に引き出されるとき又はカセット12が筐体10に後側に引き入れられるときに、カセット12は前下開口A2を通過する。このように、カセット12は、前下開口A2を開閉可能に、筐体10に装着されている。前下開口A2は、複数の開口及び第2開口の一例である。
【0036】
筐体10は、後壁10Eを有する。筐体10の後壁10Eは、画像形成装置100の後面を構成する。後壁10Eは、前壁10Bに対向している。筐体10は、後壁10Eに、後通気孔V10Eを有する。後通気孔V10Eと、前上開口A1及び前下開口A2とは、内部空間Sを介して、連通している。後壁10Eは、第2壁の一例である。後通気孔V10Eは、複数の通気孔及び第1通気孔の一例である。
【0037】
画像形成装置100は、後排出ファン31を更に備える。後排出ファン31は、筐体10の内部で、かつ後通気孔V10Eの近傍に位置する。後排出ファン31は、駆動すると、排出気流F1を発生させる。排出気流F1は、筐体10の内部から後通気孔V10Eを介して筐体10の外部に向かう空気の流れを示す。排出気流F1は、主として、定着後のシートPから放出される臭気を、後通気孔V10Eを介して筐体10の外部に排出させる。定着後のシートPから放出される臭気は、揮発性有機化合物を含む。実施形態1では、後排出ファン31が駆動すると、前上開口A1付近の空気及び前下開口A2付近の空気は、後通気孔V10Eを介して、筐体10の外部に排出される。つまり、排出気流F1は、画像形成部23及び定着部24から放出される臭気を、後通気孔V10Eを介して筐体10の外部に排出させる。画像形成部23及び定着部24から放出される臭気は、揮発性有機化合物を含む。後排出ファン31は、複数のファン及び第1ファンの一例である。
【0038】
続いて、図1図6を参照して、画像形成装置100の構成について更に説明する。図4は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示す図である。詳しくは、図4は、左カバー13が開いた状態の画像形成装置100の外観を示す。
【0039】
図4に示すように、筐体10の左壁10Cは、凹領域10C1及び平坦領域10C2を有する。凹領域10C1は、平坦領域10C2に対して凹んだ領域を示す。図1に示すように、左カバー13が閉状態の際、凹領域10C1には、左カバー13が収容される。
【0040】
図4に示すように、画像形成装置100は、廃トナー容器26を更に備える。廃トナー容器26は、廃トナーを収容する。廃トナーは、クリーニング装置2314が感光体ドラム2313から除去したトナーを示す。筐体10は、廃トナー容器装着部14を有する。廃トナー容器装着部14には、廃トナー容器26が装着される。廃トナー容器装着部14は、装着空間と、トナー排出口とを有する。装着空間は、廃トナー容器26が装着される空間を示す。トナー排出口は、クリーニング装置2314が回収したトナーを排出する排出口を示す。廃トナー容器26は、装着空間に装着されると、トナー排出口に接続される。
【0041】
筐体10は、左壁10Cの凹領域10C1に、左開口A3を有する。左開口A3は、廃トナー容器装着部14の装着空間と連通している。左カバー13は、左開口A3を開閉可能に、筐体10に装着されている。ユーザーは、左カバー13を開状態にすることで、廃トナー容器26の交換が可能である。左開口A3は、複数の開口及び第3開口の一例である。
【0042】
筐体10は、左壁10Cの凹領域10C1に、左通気孔V10Cを有する。左通気孔V10Cは、筐体10の内部と筐体10の外部とを連通する。左通気孔V10Cは、左カバー13の左カバー通気孔V13に対応して位置する。詳しくは、左壁10Cの左通気孔V10Cは、左カバー13が閉状態のときに、左カバー通気孔V13と重なる位置に形成されている。左通気孔V10Cは、複数の通気孔及び第2通気孔の一例である。
【0043】
図5は、図1の切断線Vで切断した画像形成装置100の断面図である。図5に示すように、画像形成装置100は、左吸引ファン32を備える。左吸引ファン32は、筐体10の内部で、かつ左通気孔V10Cの近傍に位置する。詳しくは、左カバー13を閉じた状態において、左カバー13、左壁10C及び左吸引ファン32は、筐体10の外部から順に、左カバー通気孔V13、左通気孔V10C、及び左吸引ファン32の順となるように配置されている。左吸引ファン32は、駆動すると、吸引気流F2を発生させる。吸引気流F2は、筐体10の外部から筐体10の内部に向かう空気の流れを示す。吸引気流F2は、主として、左カバー通気孔V13及び左通気孔V10Cを介して、筐体10の内部に空気を取り込んで、現像装置2312(図3参照)等を冷却する。左吸引ファン32は、第3ファンの一例である。
【0044】
図6は、図2の切断線VIで切断した画像形成装置100の断面図である。図6に示すように、画像形成装置100は、右排出ファン33を備える。右排出ファン33は、筐体10の内部で、かつ右通気孔V10Dの近傍に位置する。右通気孔V10Dは、内部空間S(図3参照)を介して、左壁10Cの左開口A3(図4参照)と連通している。右排出ファン33は、駆動すると、排出気流F3を発生させる。排出気流F3は、筐体10の内部から筐体10の外部に向かう空気の流れを示す。排出気流F3は、主として、右通気孔V10Dを介して、画像形成部23から放出される臭気を、右通気孔V10Dを介して筐体10の外部に排出させる。右排出ファン33は、複数のファン及び第2ファンの一例である。
【0045】
続いて、図1図7を参照して、画像形成装置100の構成について詳細に説明する。図7は、実施形態1に係る画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0046】
図7に示すように、画像形成装置100は、制御部27と、通信部28と、記憶部29と、ジャム検出部41と、シート切れ検出部42と、廃トナー満杯検出部43と、前カバー検出部51と、カセット検出部52と、左カバー検出部53とを更に備える。前カバー検出部51、カセット検出部52、及び左カバー検出部53は、開閉検出部の一例である。
【0047】
ジャム検出部41は、搬送経路におけるシートPのジャムの発生を検出する。以下、搬送経路におけるシートPのジャムの発生を「ジャムの発生」と記載する。ジャム検出部41は、例えば、搬送部21の搬送経路に沿って配置された複数のシート検出センサーを含む。シート検出センサーは、例えば、透過型光センサー又は反射型光センサーである。制御部27は、シート検出センサーから送信される信号に基づいて、ジャムの発生の有無を検出する。
【0048】
実施形態1では、ジャムが発生した場合、ユーザーは、前カバー11を開状態にし、前上開口A1を介して、搬送経路からジャムを取り除いて、前カバー11を閉状態とすることで、ジャムの発生を解消することができる。また、ユーザーは、カセット12を筐体10から引き出して、前下開口A2を介して、搬送経路からジャムを取り除いて、前カバー11を閉状態とすることで、ジャムの発生を解消することができる。
【0049】
シート切れ検出部42は、カセット12にシートPが載置されていないことを検出する。以下、カセット12にシートPが配置されていないことを「シート切れの発生」と記載する。シート切れ検出部42は、カセット12に対応して配置されている。シート切れ検出部42は、例えば、反射型光センサーである。制御部27は、シート切れ検出部42から送信される信号に基づいて、シート切れの発生の有無を検出する。
【0050】
実施形態1では、シート切れが発生した場合、ユーザーは、カセット12を筐体10から引き出して、カセット12内にシートPを補充し、カセット12を筐体10に引き入れることで、シート切れの発生を解消することができる。
【0051】
廃トナー満杯検出部43は、廃トナー容器26内の廃トナーで満杯であることを検出する。以下、廃トナー容器26内の廃トナーが満杯であることを「廃トナー満杯」と記載する。廃トナー満杯検出部43は、廃トナー容器26に対応して配置されている。廃トナー満杯検出部43は、例えば、透過型光センサーである。制御部27は、廃トナー満杯検出部43から送信される信号に基づいて、廃トナー満杯の発生の有無を検出する。
【0052】
実施形態1では、廃トナー満杯が発生した場合、ユーザーは、左カバー13を開状態にし、左開口A3を介して、廃トナー満杯である廃トナー容器26を廃トナー満杯でない廃トナー容器26に交換し、左カバー13を閉状態とすることで、廃トナー満杯の発生を解消することができる。
【0053】
前カバー検出部51は、前カバー11の開閉状態を検出する。換言すると、前カバー検出部51は、前カバー11が筐体10の前上開口A1を閉塞しているか否かを検出する。前カバー検出部51は、前カバー11の開閉に伴ってオンオフするセンサーを含む。前カバー検出部51は、例えば、機械式、光学式、又は磁気式のセンサーである。
【0054】
カセット検出部52は、カセット12の開閉状態を検出する。換言すると、カセット検出部52は、カセット12が筐体10の前下開口A2を閉塞しているか否かを検出する。カセット検出部52は、カセット12の開閉に伴ってオンオフするセンサーを含む。カセット検出部52は、例えば、機械式、光学式、又は磁気式のセンサーである。
【0055】
左カバー検出部53は、左カバー13の開閉状態を検出する。換言すると、左カバー検出部53は、左カバー13が左壁10Cの凹領域10C1を閉塞しているか否かを検出する。左カバー検出部53は、左カバー13の開閉に伴ってオンオフするセンサーを含む。左カバー検出部53は、例えば、機械式、光学式、又は磁気式のセンサーである。
【0056】
通信部28は、ネットワークを介して外部端末と通信する。通信部28は、外部端末から送信された画像形成ジョブデータを受信する。画像形成ジョブデータは、画像データ及び設定情報を示す。設定情報は、部数情報、片面/両面情報、白黒/カラー情報、及びシート情報を含む。部数情報は、部数を示す。片面/両面情報は、シートPの片面に画像を形成するのか、シートPの両面に画像を形成するのかを示す。白黒/カラー情報は、白黒画像を形成するのか、カラー画像を形成するのかを示す。シート情報は、シートPの種別を示す。通信部28は、通信インターフェイスである。外部端末は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ノート型パーソナルコンピューター、タブレット端末、又はスマートフォンである。
【0057】
記憶部29は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)によって構成される。記憶部29は、画像形成装置100の各部の動作を制御するための制御プログラムを記憶する。記憶部29は、通信部28が受信した画像形成ジョブデータを記憶する。
【0058】
制御部27は、ハードウェア回路である。ハードウェア回路は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部27は、記憶部29に格納された制御プログラムを実行することにより、操作パネル20、搬送部21、給送部22、画像形成部23、定着部24、排出部25、通信部28、及び記憶部29を制御する。
【0059】
実施形態1では、制御部27は、第1排気処理を実行する。第1排気処理は、発生した停止イベントの種別及び複数の開閉部の開閉等に応じて、後排出ファン31、左吸引ファン32及び右排出ファン33の各々の駆動を制御する処理を示す。第1排気処理の詳細については、図8図10及び図11を参照して後述する。
【0060】
停止イベントは、印刷処理の実行を禁止させるイベントを示す。停止イベントは、第1イベント、第2イベント及び第3イベントを含む。第1イベントは、前カバー11を開状態にすることが必要なイベントを示す。具体的に、第1イベントは、交換ユニット231の交換の発生、及びジャムの発生を含む。以下、交換ユニット231の交換を「ユニット交換」と記載する。交換ユニット231は、消耗品である。ユニット交換の発生は、画像形成装置100が印刷処理を実行するために、消耗した交換ユニット231を消耗していない交換ユニット231に交換しなければならないことを示す。第2イベントは、カセット12を筐体10から引き出させることが必要なイベントを示す。具体的に、第2イベントは、シート切れの発生を含む。第3イベントは、廃トナー満杯の発生を示す。
【0061】
複数の開閉部は、前カバー11、カセット12、及び左カバー13を含む。
【0062】
実施形態1では、制御部27は、後排出ファン31の駆動を制御する。実施形態1では、後排出ファン31は、制御部27によって制御され、第1全速、又は第1半速で回転する。また、後排出ファン31は、制御部27によって制御され、停止する。第1全速は、第1半速よりも早い。実施形態1では、第1全速は、後排出ファン31の最大回転速度を示す。第1半速は、後排出ファン31の最大回転速度に対して半分の回転速度を示す。第1半速は、第1回転速度の一例である。第1全速は、第2回転速度の一例である。
【0063】
実施形態1では、制御部27は、右排出ファン33の駆動を制御する。実施形態1では、右排出ファン33は、制御部27によって制御され、第2全速、又は第2半速で回転する。また、右排出ファン33は、制御部27によって制御され、停止する。第2全速は、第2半速よりも早い。実施形態1では、第2全速は、右排出ファン33の最大回転速度を示す。第2半速は、右排出ファン33の最大回転速度に対して半分の回転速度を示す。第2半速は、第1回転速度の一例である。第2全速は、第2回転速度の一例である。
【0064】
実施形態1では、制御部27は、左吸引ファン32の駆動を制御する。実施形態1では、左吸引ファン32は、制御部27によって制御され、第3半速で回転する。また、左吸引ファン32は、制御部27によって制御され、停止する。実施形態1では、第3半速は、左吸引ファン32の最大回転速度に対して半分の回転速度を示す。
【0065】
次に、図8図11を参照して、制御部27が実行する第1排気処理について説明する。図8図10及び図11は、実施形態1に係る画像形成装置100の第1排気処理を示すフローチャートである。
【0066】
図8図9及び図10に示す第1排気処理は、画像形成装置100が印刷処理を実行している際に、停止イベントが発生したことに応じて、スタートする。制御部27は、画像形成装置100が印刷処理を実行している間、左吸引ファン32を制御して、第3半速で回転させている。
【0067】
ステップS101:図8に示すように、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生であるか否かを判定する。停止イベントがユニット交換の発生であると制御部27が判定した場合(ステップS101;Yes)、処理は、ステップS102へ進む。停止イベントがユニット交換の発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS101;No)、処理は、ステップS111へ進む。
【0068】
実施形態1では、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生であるか否かを以下のようにして判定する。つまり、制御部27は、交換ユニット231が筐体10の内部に装着された時点から、画像形成装置100が印刷処理を実行したシートPの累積枚数をカウントし、累積枚数を記憶部29に記憶させる。次いで、制御部27は、累積枚数が所定枚数以上であるか否かを判定する。記憶部29は、所定枚数を記憶している。累積枚数が所定枚数以上であると制御部27が判定すると、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生であると判定する。累積枚数が所定枚数以上でないと制御部27が判定すると、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生でないと判定する。
【0069】
ステップS102:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、回転を停止したままとさせる。つまり、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生であることに応じて、後排出ファン31を選択し、後排出ファン31を駆動させる。処理は、ステップS103へ進む。
【0070】
ステップS103:制御部27は、第1画面800をタッチディスプレー201に表示させる。第1画面800は、後排出ファン31が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS104へ進む。
【0071】
ここで、図9を参照して、第1画面800について説明する。図9は、実施形態1に係る第1画面800を示す図である。第1画面800は、第1メッセージ画像810と、第1点灯画像820とを含む。第1メッセージ画像810は、停止イベントがユニット交換の発生である旨を表示する。第1点灯画像820は、後排出ファン31の駆動に応じて点滅している。ユーザーは、第1点灯画像820の点滅を視認することで、後排出ファン31が駆動していることを認知する。
【0072】
ステップS104:制御部27は、前カバー検出部51の出力に基づいて、前カバー11が開状態にされたか否かを判定する。前カバー11が開状態にされたと制御部27が判定した場合(ステップS104;Yes)、つまりユーザーが消耗した交換ユニット231を消耗していない交換ユニット231に交換した場合、処理は、ステップS105へ進む。前カバー11が開状態にされていないと制御部27が判定した場合(ステップS104;No)、つまりユーザーが交換ユニット231を交換していない場合、処理は、ステップS104へ戻る。
【0073】
実施形態1では、停止イベントがユニット交換の発生である場合、ユーザーは、前カバー11を開状態にし、前上開口A1を介して、消耗した交換ユニット231を消耗していない交換ユニット231に交換して、前カバー11を閉状態とすることで、ユニット交換の発生を解消することができる。
【0074】
ステップS105:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1全速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32及び右排出ファン33を制御して、回転を停止させたままとする。処理は、終了する。
【0075】
ステップS111:制御部27は、ジャム検出部41の出力に基づいて、停止イベントがジャムの発生であるか否かを判定する。停止イベントがジャムの発生であると制御部27が判定した場合(ステップS111;Yes)、処理は、ステップS112へ進む。停止イベントがジャムの発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS111;No)、処理は、図10に示すステップS121へ進む。
【0076】
ステップS112:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、回転を停止したままとさせる。制御部27は、停止イベントがジャムの発生であることに応じて、後排出ファン31を選択し、後排出ファン31を駆動させる。処理は、ステップS113へ進む。
【0077】
ステップS113:制御部27は、第2画面をタッチディスプレー201に表示させる。第2画面は、図9を参照して説明した第1画面800と同様に、後排出ファン31が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS114へ進む。
【0078】
ステップS114:制御部27は、前カバー検出部51の出力に基づいて、前カバー11が開状態にされたか否かを判定する。前カバー11が開状態にされたと制御部27が判定した場合(ステップS114;Yes)、つまりユーザーが前上開口A1を介してジャムの発生を解消した場合、処理は、ステップS105へ進む。前カバー11が開状態にされていないと制御部27が判定した場合(ステップS114;No)、つまりユーザーが前上開口A1を介してジャムの発生を解消していない場合、処理は、ステップS115へ戻る。
【0079】
ステップS115:制御部27は、カセット検出部52の出力に基づいて、カセット12が筐体10から引き出された否かを判定する。カセット12が筐体10から引き出されたと制御部27が判定した場合(ステップS115;Yes)、つまりユーザーが前下開口A2を介してジャムの発生を解消した場合、処理は、ステップS105へ進む。カセット12が筐体10から引き出されていないと制御部27が判定した場合(ステップS115;No)、つまりユーザーがジャムの発生を解消していない場合、処理は、ステップS114へ戻る。
【0080】
ステップS121:図10に示すように、制御部27は、シート切れ検出部42の出力に基づいて、停止イベントがシート切れの発生であるか否かを判定する。停止イベントがシート切れの発生であると制御部27が判定した場合(ステップS121;Yes)、処理は、ステップS122へ進む。停止イベントがシート切れの発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS121;No)、処理は、ステップS131へ進む。
【0081】
ステップS122:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、停止したままとさせる。制御部27は、停止イベントがシート切れであることに応じて、後排出ファン31を選択し、後排出ファン31を駆動させる。処理は、ステップS123へ進む。
【0082】
ステップS123:制御部27は、第3画面をタッチディスプレー201に表示させる。第3画面は、図9を参照して説明した第1画面800と同様に、後排出ファン31が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS124へ進む。
【0083】
ステップS124:制御部27は、カセット検出部52の出力に基づいて、カセット12が筐体10から引き出されたか否かを判定する。カセット12が筐体10から引き出されたと制御部27が判定した場合(ステップS124;Yes)、つまりユーザーがシート切れの発生を解消した場合、処理は、図8に示すステップS105へ進む。カセット12が筐体10から引き出されていないと制御部27が判定した場合(ステップS124;Yes)、つまりユーザーがシート切れの発生を解消していない場合、処理は、ステップS124へ戻る。
【0084】
ステップS131:制御部27は、廃トナー満杯検出部43の出力に基づいて、停止イベントが廃トナー満杯の発生であるか否かを判定する。停止イベントが廃トナー満杯の発生であると制御部27が判定した場合(ステップS131;Yes)、処理は、ステップS132へ進む。停止イベントが廃トナー満杯の発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS131;No)、つまり停止イベントが、停止イベントがユニット交換の発生、ジャムの発生、シート切れの発生、及び廃トナー満杯の発生のいずれでもない場合、処理は、図11に示すステップS141へ進む。
【0085】
ステップS132:制御部27は、後排出ファン31を制御して、停止したままとさせる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2半速で回転させる。つまり、制御部27は、停止イベントが廃トナー満杯の発生に応じて、右排出ファン33を選択し、右排出ファン33を駆動させる。処理は、ステップS133へ進む。
【0086】
ステップS133:制御部27は、第4画面をタッチディスプレー201に表示させる。第4画面は、図9を参照して説明した第1画面800と同様に、右排出ファン33が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS134へ進む。
【0087】
ステップS134:制御部27は、左カバー検出部53の出力に基づいて、左カバー13が開状態にされたか否かを判定する。左カバー13が開状態にされたと制御部27が判定した場合(ステップS134;Yes)、つまりユーザーが廃トナー満杯の発生を解消した場合、処理は、ステップS135へ進む。左カバー13が開状態にされていないと制御部27が判定した場合(ステップS134;No)、つまりユーザーが廃トナー満杯の発生を解消していない場合、処理は、ステップS134へ戻る。
【0088】
ステップS135:制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2全速で回転させる。制御部27は、後排出ファン31及び左吸引ファン32を制御して、回転を停止させたままとする。処理は、終了する。
【0089】
ステップS141:図11に示すように、制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、第3半速で回転を継続させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2半速で回転させる。つまり、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生、ジャムの発生、シート切れの発生、及び廃トナー満杯の発生のいずれでもないことに応じて、後排出ファン31、左吸引ファン32、及び右排出ファン33を駆動させる。処理は、ステップS142へ進む。
【0090】
ステップS142:制御部27は、第5画面をタッチディスプレー201に表示させる。第5画面は、図9を参照して説明した第1画面800と同様に、後排出ファン31、左吸引ファン32、及び右排出ファン33が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS143へ進む。
【0091】
ステップS143:制御部27は、前カバー検出部51の出力に基づいて、前カバー11が開状態にされたか否かを判定する。前カバー11が開状態にされたと制御部27が判定した場合(ステップS143;Yes)、つまりユーザーが前上開口A1を介して停止イベントの発生を解消した場合、処理は、ステップS144へ進む。前カバー11が開状態にされていないと制御部27が判定した場合(ステップS143;No)、つまりユーザーが前上開口A1を介して停止イベントの発生を解消していない場合、処理は、ステップS145へ進む。
【0092】
ステップS144:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1全速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32及び右排出ファン33を制御して、停止させる。処理は、終了する。
【0093】
ステップS145:制御部27は、カセット検出部52の出力に基づいて、カセット12が筐体10から引き出されたか否かを判定する。カセット12が筐体10から引き出されたと制御部27が判定した場合(ステップS145;Yes)、つまりユーザーが前下開口A2を介して停止イベントの発生を解消した場合、処理は、ステップS144へ進む。カセット12が筐体10から引き出されていないと制御部27が判定した場合(ステップS145;No)、つまりユーザーが前下開口A2を介して停止イベントの発生を解消していない場合、処理は、ステップS146へ進む。
【0094】
ステップS146:制御部27は、左カバー検出部53の出力に基づいて、左カバー13が開状態にされたか否かを判定する。左カバー13が開状態にされたと制御部27が判定した場合(ステップS146;Yes)、つまりユーザーが左開口A3を介して停止イベントの発生を解消した場合、処理は、ステップS147へ進む。左カバー13が開状態にされていないと制御部27が判定した場合(ステップS134;No)、つまりユーザーが停止イベントの発生を解消していない場合、処理は、ステップS143へ戻る。
【0095】
ステップS147:制御部27は、後排出ファン31及び左吸引ファン32を制御して、停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2全速で回転させる。処理は、終了する。
【0096】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、シートPに画像を印刷する印刷処理を実行する。画像形成装置100は、筐体10と、前カバー11と、カセット12と、左カバー13と、後排出ファン31と、右排出ファン33と、制御部27とを備える。筐体10は、前上開口A1、前下開口A2、及び左開口A3を有する。前カバー11は、前上開口A1を開閉可能に、筐体10に装着されている。カセット12は、前下開口A2を開閉可能に、筐体10に装着されている。左カバー13は、左開口A3を開閉可能に、筐体10に装着されている。筐体10は、後通気孔V10E及び右通気孔V10Dを有する。制御部27は、停止イベントの発生を検出して、停止イベントの種別を判別する。制御部27は、停止イベントの種別に基づいて、後排出ファン31及び右排出ファン33のうちの1つを選択する。以下、選択された後排出ファン31及び右排出ファン33のうちの1つを「選択ファン」と記載する。制御部27は、選択ファンを駆動させる。ユーザーは、前上開口A1、前下開口A2、及び左開口A3から放出される筐体10の内部の臭気を吸引しやすい。実施形態1では、筐体10の内部の臭気は、後通気孔V10E及び右通気孔V10Dのいずれかを介して、筐体10の外部に放出される。そのため、画像形成装置100は、ユーザーが停止イベントを解消するために、前カバー11、カセット12、及び左カバー13のいずれかを開状態としても、筐体10の内部の臭気は、前上開口A1、前下開口A2、及び左開口A3を介して筐体10の外部に放出されにくくなる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気を吸引しにくくする。
【0097】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、筐体10は、互いに異なる前壁10B及び後壁10Eを有する。前壁10Bは、前上開口A1をする。後壁10Eは、前壁10Bに対向する。後壁10Eは、後通気孔V10Eを有する。制御部27は、停止イベントの種別が第1イベントである場合、後排出ファン31を駆動させる。つまり、画像形成装置100は、第1イベントの発生を検出すると、筐体10の内部の臭気を、前カバー11に対向する後通気孔V10Eを介して、筐体10の外部に放出させる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0098】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、画像形成部23を備える。画像形成部23は、交換ユニット231を含む。制御部27は、第1イベントがユニット交換の発生である場合、後排出ファン31を駆動させる。つまり、画像形成装置100は、停止イベントがユニット交換の発生である場合、筐体10の内部の臭気を、前カバー11に対向する後通気孔V10Eを介して、筐体10の外部に放出させる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0099】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、搬送部21を備える。制御部27は、第1イベントがジャムの発生である場合、後排出ファン31を駆動させる。つまり、画像形成装置100は、停止イベントがジャムの発生である場合、筐体10の内部の臭気を、前カバー11に対向する後通気孔V10Eを介して、筐体10の外部に放出させる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0100】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、前壁10Bは、前下開口A2を有する。カセット12は、前下開口A2を介して引き出される位置に配置されている。イベントの種別は、第2イベントを含む。制御部27は、イベントの種別が第2イベントである場合、後排出ファン31を駆動させる。つまり、画像形成装置100は、停止イベントがシート切れの発生である場合、筐体10の内部の臭気を、前カバー11に対向する後通気孔V10Eを介して、筐体10の外部に放出させる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0101】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、廃トナー容器26を備える。画像形成部23は、感光体ドラム2313と、クリーニング装置2314とを有する。筐体10は、互いに異なる左壁10C及び右壁10Dを有する。左壁10Cは、左開口A3を有する。右壁10Dは、左壁10Cに対向する。左壁10Cは、左通気孔V10Cを有する。イベントの種別は、第3イベントを含む。第3イベントは、廃トナー満杯を示す。制御部27は、イベントの種別が廃トナー満杯である場合、右排出ファン33を駆動させる。つまり、画像形成装置100は、停止イベントが廃トナー満杯の発生である場合、筐体10の内部の臭気を、左カバー13に対向する右通気孔V10Dを介して、筐体10の外部に放出させる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0102】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生、ジャムの発生、シート切れの発生、及び廃トナー満杯の発生のいずれでもないことに応じて、後排出ファン31、及び右排出ファン33を駆動させる。これにより、画像形成装置100は、筐体10の内部の臭気を、後通気孔V10E及び右通気孔V10Dを介して、筐体10の外部に放出させる。その結果、画像形成装置100は、前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかが開状態となっても、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0103】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、タッチディスプレー201を備える。制御部27は、停止イベントの発生を検出したことに応じて、選択ファンを駆動させると、選択ファンが駆動中である旨のメッセージをタッチディスプレー201に表示させる。これにより、画像形成装置100は、筐体10の内部の臭気をユーザーが吸引する可能性があることをユーザーに報知することができる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0104】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、制御部27は、停止イベントの発生を検出したことに応じて選択ファンを駆動させ、タッチディスプレー201に点滅表示をさせる。これにより、画像形成装置100は、筐体10の内部の臭気をユーザーが吸引する可能性があることをユーザーに報知することができる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0105】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、前カバー検出部51、カセット検出部52、及び左カバー検出部53を備える。制御部27は、停止イベントの発生を検出したことに応じて、選択ファンを半速で駆動させる。制御部27は、前カバー検出部51、カセット検出部52、及び左カバー検出部53の出力に基づいて、前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかの開状態を検出したか否かを判定する。制御部27は、前カバー検出部51、カセット検出部52、及び左カバー検出部53が前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかの開状態を検出したと判定した場合、選択ファンを全速で駆動させる。つまり、画像形成装置100は、前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかが閉状態である場合、選択ファンを半速で駆動させて、静音状態で臭気を筐体10の外部に排出させる。また、画像形成装置100は、前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかが開状態である場合、選択ファンを全速で駆動させて、前上開口A1、前下開口A2、及び左開口A3からの筐体10の内部の臭気の放出を抑制する。これにより、画像形成装置100は、選択ファンの必要十分な駆動によって、筐体10の内部の臭気を排出することができる。
【0106】
図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、左吸引ファン32を備える。制御部27は、印刷処理の実行をしている間、左吸引ファン32を駆動させる。これにより、画像形成装置100は、筐体10の内部に空気を取り込んで、現像装置2312(図3参照)等を冷却することができる。
【0107】
[実施形態2]
図1図7図12図14を参照して、実施形態2に係る画像形成装置100について説明する。実施形態2は、排気処理が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0108】
図1図7に示すように、実施形態2に係る画像形成装置100は、筐体10と、前カバー11と、カセット12と、左カバー13と、操作パネル20と、搬送部21と、給送部22と、画像形成部23と、定着部24と、排出部25と、廃トナー容器26と、制御部27と、通信部28と、記憶部29と、後排出ファン31と、左吸引ファン32と、右排出ファン33と、ジャム検出部41と、シート切れ検出部42と、廃トナー満杯検出部43と、前カバー検出部51と、カセット検出部52と、左カバー検出部53とを備える。
【0109】
次に、図12図14を参照して、制御部27が実行する第2排気処理について説明する。図12及び図14は、実施形態2に係る画像形成装置100の第2排気処理を示すフローチャートである。図12及び図14に示す第2排気処理は、発生した停止イベントの種別及び複数のファンの駆動時間等に応じて、後排出ファン31、左吸引ファン32及び右排出ファン33の各々の駆動を制御する処理を示す。複数のファンは、後排出ファン31、左吸引ファン32及び右排出ファン33を含む。
【0110】
図12及び図14に示す第2排気処理は、画像形成装置100が印刷処理を実行している際に、停止イベントが発生したことに応じて、スタートする。制御部27は、画像形成装置100が印刷処理を実行している間、左吸引ファン32を制御して、第3半速で回転させている。
【0111】
ステップS201:図12に示すように、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生であるか否かを判定する。停止イベントがユニット交換の発生であると制御部27が判定した場合(ステップS201;Yes)、処理は、ステップS202へ進む。停止イベントがユニット交換の発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS201;No)、処理は、ステップS211へ進む。
【0112】
実施形態2では、実施形態1と同様に、制御部27は、画像形成装置100が印刷処理を実行したシートPの累積枚数に応じて、停止イベントがユニット交換の発生であるか否かを判定する。
【0113】
ステップS202:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、回転を停止したままとさせる。つまり、制御部27は、停止イベントがユニット交換の発生であることに応じて、後排出ファン31を選択し、後排出ファン31を駆動させる。処理は、ステップS203へ進む。
【0114】
実施形態2では、制御部27は、画像形成ジョブデータ等に基づいて、設定時間を設定する。制御部27は、後排出ファン31を駆動させた時点から設定時間が経過するまでの間、後排出ファン31を駆動させる。詳しくは、制御部27は、部数、印字率、及びシートPの種別等に応じて、設定時間を設定する。印字率とは、シートPの面積XAに対する、シートPに形成される画像の積算面積XBの比率(XB/XA)を示す。
【0115】
ステップS203:制御部27は、第6画面900をタッチディスプレー201に表示させる。第6画面900は、後排出ファン31が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS204へ進む。
【0116】
ここで、図13を参照して、第6画面900について説明する。図13は、実施形態2に係る第6画面900を示す図である。図13に示すように、第6画面900は、第2メッセージ画像910と、第2点灯画像920とを含む。第2メッセージ画像910は、停止イベントがユニット交換の発生である旨、及び残り時間を表示する。残り時間は、後排出ファン31を駆動させた時点から設定時間が経過するまでの時間を示す。制御部27は、設定した設定時間に基づいて、残り時間を計測する。また、第2メッセージ画像910は、決定ボタン画像911を有する。決定ボタン画像911は、前カバー11を開閉するか否かをユーザーに回答させるための画像を示す。制御部27は、所定の場合、決定ボタン画像911の押下を検出すると、後述するステップS205の処理を実行する。第2点灯画像920は、後排出ファン31の駆動に応じて点滅している。ユーザーは、第2点灯画像920の点滅を視認することで、後排出ファン31が駆動していることを認知する。決定ボタン画像911は、選択画像の一例である。
【0117】
ステップS204:制御部27は、残り時間があるか否かを判定する。つまり、制御部27は、残り時間が0秒であるか否かを判定する。残り時間があると制御部27が判定した場合(ステップS204;Yes)、処理は、ステップS205へ進む。残り時間がないと制御部27が判定した場合(ステップS204;No)。
【0118】
ステップS205:制御部27は、決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けたか否かを判定する。決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けたと制御部27が判定した場合(ステップS205;Yes)、処理は、ステップS206へ進む。決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けていないと制御部27が判定した場合(ステップS205;No)、処理は、ステップS204へ戻る。
【0119】
ステップS206:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1全速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32及び右排出ファン33を制御して、回転を停止したままとさせる。処理は、終了する。
【0120】
ステップS211:制御部27は、ジャム検出部41の出力に基づいて、停止イベントがジャムの発生であるか否かを判定する。停止イベントがジャムの発生であると制御部27が判定した場合(ステップS211;Yes)、処理は、ステップS212へ進む。停止イベントがジャムの発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS211;No)、処理は、ステップS221へ進む。
【0121】
ステップS212:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、回転を停止したままとさせる。制御部27は、停止イベントがジャムの発生であることに応じて、後排出ファン31を選択し、後排出ファン31を駆動させる。処理は、ステップS213へ進む。
【0122】
ステップS213:制御部27は、第7画面をタッチディスプレー201に表示させる。第7画面は、図13を参照して説明した第6画面900と同様に、後排出ファン31が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS204へ進む。
【0123】
ステップS221:制御部27は、シート切れ検出部42の出力に基づいて、停止イベントがシート切れの発生であるか否かを判定する。停止イベントがシート切れの発生であると制御部27が判定した場合(ステップS221;Yes)、処理は、ステップS222へ進む。停止イベントがシート切れの発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS221;No)、処理は、図14に示すステップS231へ進む。
【0124】
ステップS222:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、停止したままとさせる。制御部27は、停止イベントがシート切れであることに応じて、後排出ファン31を選択し、後排出ファン31を駆動させる。処理は、ステップS223へ進む。
【0125】
ステップS223:制御部27は、第8画面をタッチディスプレー201に表示させる。第8画面は、図13を参照して説明した第6画面900と同様に、後排出ファン31が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS204へ進む。
【0126】
ステップS231:図14に示すように、制御部27は、廃トナー満杯検出部43の出力に基づいて、停止イベントが廃トナー満杯の発生であるか否かを判定する。停止イベントが廃トナー満杯の発生であると制御部27が判定した場合(ステップS231;Yes)、処理は、ステップS232へ進む。停止イベントが廃トナー満杯の発生でないと制御部27が判定した場合(ステップS231;No)、つまり停止イベントが、停止イベントがユニット交換の発生、ジャムの発生、シート切れの発生、及び廃トナー満杯の発生のいずれでもない場合、処理は、ステップS241へ進む。
【0127】
ステップS232:制御部27は、後排出ファン31を制御して、停止したままとさせる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、回転を停止させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2半速で回転させる。つまり、制御部27は、停止イベントが廃トナー満杯の発生に応じて、右排出ファン33を選択し、右排出ファン33を駆動させる。処理は、ステップS233へ進む。
【0128】
ステップS233:制御部27は、第9画面をタッチディスプレー201に表示させる。第9画面は、図13を参照して説明した第6画面900と同様に、右排出ファン33が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS234へ進む。
【0129】
ステップS234:制御部27は、残り時間があるか否かを判定する。残り時間があると制御部27が判定した場合(ステップS234;Yes)、処理は、ステップS235へ進む。残り時間がないと制御部27が判定した場合(ステップS234;No)、処理は、終了する。
【0130】
ステップS235:制御部27は、決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けたか否かを判定する。決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けたと制御部27が判定した場合(ステップS235;Yes)、処理は、ステップS236へ進む。決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けていないと制御部27が判定した場合(ステップS235;No)、処理は、ステップS234へ戻る。
【0131】
ステップS236:制御部27は、後排出ファン31及び左吸引ファン32を制御して、回転を停止したままとさせる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2全速で回転させる。処理は、終了する。
【0132】
ステップS241:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1半速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、第3半速で回転を継続させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2半速で回転させる。
【0133】
ステップS242:制御部27は、第10画面をタッチディスプレー201に表示させる。第10画面は、図13を参照して説明した第6画面900と同様に、後排出ファン31、及び右排出ファン33が駆動中である旨のメッセージを報知するための画面を示す。処理は、ステップS243へ進む。
【0134】
ステップS243:制御部27は、残り時間があるか否かを判定する。残り時間があると制御部27が判定した場合(ステップS243;Yes)、処理は、ステップS244へ進む。残り時間がないと制御部27が判定した場合(ステップS243;No)、処理は、終了する。
【0135】
ステップS244:制御部27は、決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けたか否かを判定する。決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けたと制御部27が判定した場合(ステップS244;Yes)、処理は、ステップS245へ進む。決定ボタン画像911の押下をタッチディスプレー201が受け付けていないと制御部27が判定した場合(ステップS244;No)、処理は、ステップS243へ戻る。
【0136】
ステップS245:制御部27は、後排出ファン31を制御して、第1全速で回転させる。制御部27は、左吸引ファン32を制御して、第3全速で回転を継続させる。制御部27は、右排出ファン33を制御して、第2全速で回転させる。処理は、終了する。
【0137】
図1図7図12図14を参照して説明したように、実施形態2では、画像形成装置100は、シートPに画像を印刷する印刷処理を実行する。画像形成装置100は、筐体10と、前カバー11と、カセット12と、左カバー13と、後排出ファン31と、右排出ファン33と、制御部27とを備える。筐体10は、前上開口A1、前下開口A2、及び左開口A3を有する。前カバー11は、前上開口A1を開閉可能に、筐体10に装着されている。カセット12は、前下開口A2を開閉可能に、筐体10に装着されている。左カバー13は、左開口A3を開閉可能に、筐体10に装着されている。筐体10は、後通気孔V10E及び右通気孔V10Dを有する。制御部27は、停止イベントの発生を検出して、停止イベントの種別を判別する。制御部27は、停止イベントの種別に基づいて、後排出ファン31及び右排出ファン33のうちの1つを選択する。以下、選択された後排出ファン31及び右排出ファン33のうちの1つを「選択ファン」と記載する。制御部27は、選択ファンを駆動させる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気を吸引しにくくする。
【0138】
図1図7図12図14を参照して説明したように、実施形態2では、画像形成装置100は、タッチディスプレー201を備える。制御部27は、停止イベントの発生を検出したことに応じて、所定時間の間、選択ファンを駆動させる。制御部27は、残り時間をタッチディスプレー201に表示させる。これにより、ユーザーは、筐体10の内部の臭気の吸引を抑制するために、前カバー11、カセット12、及び左カバー13を開状態とするタイミングを知る。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが停止イベントを解消する際に、筐体10の内部の臭気の吸引を抑制するための待機時間を必要十分に抑えることができる。
【0139】
図1図7図12図14を参照して説明したように、実施形態2では、制御部27は、停止イベントの発生を検出したことに応じて、選択ファンを半速で駆動させる。制御部27は、決定ボタン画像911をタッチディスプレー201に表示させる。制御部27は、決定ボタン画像911が押下されたか否かを判定する。制御部27は、決定ボタン画像911が押下されたと判定した場合、選択ファンを全速で駆動させる。これにより、画像形成装置100は、ユーザーが停止イベントを解消するために、前カバー11、カセット12、及び左カバー13のいずれかを開状態としても、筐体10の内部の臭気は、前上開口A1、前下開口A2、及び左開口A3を介して筐体10の外部により放出されにくくなる。その結果、画像形成装置100は、ユーザーが臭気をより確実に吸引しにくくする。
【0140】
以上、図1図14を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(7))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0141】
(1)図1図14を参照して説明したように、実施形態1及び実施形態2では、停止イベントは、ユニット交換の発生、ジャムの発生、シート切れの発生、及び廃トナー満杯の発生を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、停止イベントは、ユニット交換の発生、ジャムの発生、シート切れの発生、及び廃トナー満杯の発生の少なくとも1つを含んでもいてもよい。
【0142】
(2)図1図14を参照して説明したように、実施形態1及び実施形態2では、制御部27は、選択ファンが駆動中である旨のメッセージをタッチディスプレー201に表示させるが、本発明はこれに限定されない。制御部27は、選択ファンが駆動中である旨のメッセージをタッチディスプレー201に表示させなくてもよい。
【0143】
(3)図1図14を参照して説明したように、実施形態1及び実施形態2では、操作パネル20は、タッチディスプレー201を有するが、本発明はこれに限定されない。操作パネル20は、タッチディスプレー201を有しなくてもよいし、タッチセンサーを備えないLCDであってもよい。
【0144】
(4)図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、第1画面800は第1点灯画像820を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1画面800は第1点灯画像820を含まなくてもよい。また、図1図7図12図14を参照して説明したように、実施形態2では、第6画面900は第2点灯画像920を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、第6画面900は第2点灯画像920を含まなくてもよい。
【0145】
(5)図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、第1点灯画像820は、点滅表示をするが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1点灯画像820は、点灯表示をしてもよい。また、図1図7図12図14を参照して説明したように、実施形態2では、第2点灯画像920は、点灯表示をするが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2点灯画像920は、点滅表示をしてもよい。
【0146】
(6)図1図11を参照して説明したように、実施形態1では、画像形成装置100は、前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかが開状態である場合、選択ファンを全速で駆動させるが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置100は、前カバー11、カセット12及び左カバー13のいずれかが開状態である場合、選択ファンを半速で駆動を継続させてもよい。
【0147】
(7)図1図7図12図14を参照して説明したように、実施形態2では、画像形成装置100は、停止イベントを検出したことに応じて、所定時間の間、選択ファンを駆動させるが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置100は、停止イベントを検出したことに応じて、選択ファンの駆動の停止指示を操作パネル20が受け付けるまで、選択ファンを駆動させていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0149】
100 画像形成装置
10 筐体
11 前カバー
12 カセット
13 左カバー
27 制御部
31 後排出ファン
33 右排出ファン
A1 前上開口
A2 前下開口
A3 左開口
F1 排出気流
F3 排出気流
V10E 後通気孔
V10D 右通気孔
P シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14