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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/21 20060101AFI20240312BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240312BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240312BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H04N1/21
B41J29/38
G03G21/00 370
H04N1/00 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020045231
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021150669
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】井川 浩至
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-286476(JP,A)
【文献】特開2005-026777(JP,A)
【文献】特開2016-010094(JP,A)
【文献】特開2018-014144(JP,A)
【文献】特開2001-238173(JP,A)
【文献】特開2015-000507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/21
B41J 29/00 -29/70
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納対象の複数のデータを予め定められた記憶部に順次格納する格納処理を実行する格納処理部と、
前記記憶部における空き容量を取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記空き容量が予め定められた基準量未満である場合に予め定められた特定処理を実行する処理実行部と、
前記取得処理部によって取得される前記空き容量に基づいて、前記格納処理の実行中における前記取得処理部による前記空き容量の取得タイミングを決定する決定処理部と、
を備え
前記決定処理部は、前記取得処理部によって取得される前記空き容量が前記基準量よりも多い予め定められた閾値を超える場合は前記取得処理部による次の前記取得タイミングを予め定められた第1の数の前記データの前記記憶部への格納後に決定し、前記取得処理部によって取得される前記空き容量が前記閾値以下である場合は前記取得処理部による次の前記取得タイミングを前記第1の数よりも少ない第2の数の前記データの前記記憶部への格納後に決定する情報処理装置。
【請求項2】
前記格納処理によって前記記憶部に格納された前記データのデータ量に基づいて前記閾値を設定する第1設定処理部を備える、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1設定処理部は、ユーザーの操作によって前記閾値の設定機能の無効が設定されている場合は前記閾値を設定しない、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得処理部によって取得される前記空き容量に基づいて前記第1の数及び前記第2の数のいずれか一方又は両方を設定する第2設定処理部を備える、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
原稿載置部に載置される複数枚の原稿を順次搬送する原稿搬送部と、
前記原稿搬送部によって搬送される前記原稿各々の画像データを読み取る読取処理を実行する読取処理部と、
を備え、
前記格納対象は、前記読取処理によって読み取られる複数の前記画像データを含む、
請求項1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記格納処理によって前記画像データが前記記憶部に格納されるごとに当該画像データに基づくプレビュー画像データを生成して、生成された前記プレビュー画像データを前記記憶部に格納する生成処理を実行する生成処理部を備え、
前記特定処理は、前記生成処理を停止させる処理を含み、
前記格納処理部は、前記処理実行部による前記生成処理の停止後に、前記記憶部における当該生成処理によって格納された前記プレビュー画像データの格納領域に前記画像データを格納する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部に格納された前記画像データに基づいて画像を形成する画像形成部を備える、
請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項8】
格納対象の複数のデータを予め定められた記憶部に順次格納する格納処理を実行することと、
前記記憶部における空き容量を取得することと、
取得される前記空き容量が予め定められた基準量未満である場合に予め定められた特定処理を実行することと、
取得される前記空き容量に基づいて、前記格納処理の実行中における前記空き容量の取得タイミングを決定することと、
を含み、
取得される前記空き容量が前記基準量よりも多い予め定められた閾値を超える場合は次の前記取得タイミングが予め定められた第1の数の前記データの前記記憶部への格納後に決定され、取得される前記空き容量が前記閾値以下である場合は次の前記取得タイミングが前記第1の数よりも少ない第2の数の前記データの前記記憶部への格納後に決定される情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の原稿から読み取られる複数の画像データを予め定められた記憶部に順次格納する格納処理を実行可能なスキャナーのような画像読取装置が知られている。また、前記格納処理の実行中に、所定時間ごとに前記記憶部における空き容量を取得して、取得された前記空き容量が所定量以下になった場合に警告表示を行うなどの所定の処理を実行可能な画像形成装置が関連技術として知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-184017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の関連技術に係る画像形成装置では、前記格納処理の実行中に、常に同じ間隔で前記空き容量が取得される。そのため、前記空き容量の取得間隔が短い場合には、前記空き容量が多い場合に前記空き容量が無駄に取得され、前記空き容量の取得間隔が長い場合には、前記空き容量が少ない場合に前記空き容量の不足の検知が遅れる。
【0005】
本発明の目的は、記憶部における空き容量の無駄な取得を抑制するとともに、当該空き容量の不足の検知が遅れることを抑制可能な情報処理装置、及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る情報処理装置は、格納処理部と、取得処理部と、処理実行部と、決定処理部とを備える。前記格納処理部は、格納対象の複数のデータを予め定められた記憶部に順次格納する格納処理を実行する。前記取得処理部は、前記記憶部における空き容量を取得する。前記処理実行部は、前記取得処理部によって取得される前記空き容量が予め定められた基準量未満である場合に予め定められた特定処理を実行する。前記決定処理部は、前記取得処理部によって取得される前記空き容量に基づいて、前記格納処理の実行中における前記取得処理部による前記空き容量の取得タイミングを決定する。
【0007】
本発明の他の局面に係る情報処理方法は、格納対象の複数のデータを予め定められた記憶部に順次格納する格納処理を実行することと、前記記憶部における空き容量を取得することと、取得される前記空き容量が予め定められた基準量未満である場合に予め定められた特定処理を実行することと、取得される前記空き容量に基づいて、前記格納処理の実行中における前記空き容量の取得タイミングを決定することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記憶部における空き容量の無駄な取得を抑制するとともに、当該空き容量の不足の検知が遅れることを抑制可能な情報処理装置、及び情報処理方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で実行される原稿読取処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像処理装置で実行される空き容量監視処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の他の実施形態に係る画像処理装置のシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像処理装置10の構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像処理装置10の構成について説明する。ここで、図1は画像処理装置10の構成を示す断面図である。
【0012】
画像処理装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像処理装置10は、スキャナー、ファクス装置、又はコピー機などであってもよい。
【0013】
図1及び図2に示されるように、画像処理装置10は、ADF(自動原稿搬送装置)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、及び記憶部7を備える。
【0014】
ADF1は、図1に示される原稿載置部11に載置される複数枚の原稿を画像読取部2による読取位置を経由して順次搬送する。具体的に、ADF1は、図1に示されるように、原稿載置部11、複数の搬送ローラー12、原稿ガイド13、及び排紙部14を備える。また、ADF1は、後述する原稿台21に対して開閉可能に支持されており、原稿台21のコンタクトガラス211に載置される原稿に対する原稿カバーを兼ねている。ここに、ADF1が、本発明における原稿搬送部の一例である。
【0015】
原稿載置部11には、原稿が載置される。搬送ローラー12各々は、不図示のモーターで駆動されることで、原稿載置部11に載置された原稿を搬送方向D1(図1参照)へ搬送する。搬送ローラー12各々によって搬送される原稿は、ADF1の内部に形成された搬送路を通って排紙部14に搬送される。原稿ガイド13は、搬送ローラー12各々によって搬送される原稿を原稿台21のコンタクトガラス211上に案内する。排紙部14には、画像読取部2によって画像データが読み取られた原稿が排出される。
【0016】
画像読取部2は、ADF1によって搬送される原稿各々から画像データを読み取る。また、画像読取部2は、コンタクトガラス211に載置された原稿から画像データを読み取る。具体的に、画像読取部2は、図1に示されるように、原稿台21、読取ユニット22、ミラー23、ミラー24、光学レンズ25、及びCCD26を備える。
【0017】
原稿台21は、画像処理装置10の筐体の上部に形成される。原稿台21は、図1に示されるように、コンタクトガラス211を備える。コンタクトガラス211には、原稿が載置される。
【0018】
読取ユニット22は、図1に示されるように、コンタクトガラス211の下側に設けられる。読取ユニット22は、ステッピングモーター等の駆動部を有する不図示の移動機構によって、副走査方向(図1における紙面左右方向)へ移動可能に構成されている。読取ユニット22は、図1に示されるように、光源221及びミラー222を備える。光源221は、主走査方向(図1における紙面奥行方向)に沿って配列された複数の白色LEDである。光源221は、コンタクトガラス211へ向けて前記主走査方向の1ライン分の白色光を射出する。光源221から射出された光は、コンタクトガラス211を透過して、コンタクトガラス211に載置された原稿又はADF1によって搬送される原稿に照射される。ミラー222は、光源221から射出されて原稿で反射された光をミラー23へ反射させる。
【0019】
画像読取部2では、コンタクトガラス211に載置された原稿から画像データが読み取られる場合、読取ユニット22が前記移動機構によって前記副走査方向へ移動される。これにより、光源221から射出されて原稿に照射される光が前記副走査方向へ走査される。また、画像読取部2では、ADF1によって搬送される原稿から画像データが読み取られる場合、読取ユニット22が前記移動機構によってADF1の原稿ガイド13との対向位置へ移動される。これにより、光源221から射出されてコンタクトガラス211を透過する光が、ADF1によって搬送される原稿に照射される。
【0020】
ミラー23は、読取ユニット22のミラー222で反射された光をミラー24へ反射させる。ミラー24は、ミラー23で反射された光を光学レンズ25へ反射させる。光学レンズ25は、ミラー24で反射された光を集光してCCD26へ入射させる。
【0021】
CCD26は、前記主走査方向に沿って配列された複数の光電変換素子を有するイメージセンサーである。CCD26は、受光した光の光量に応じた電気信号を出力する。画像読取部2では、光源221から射出されて原稿で反射された光がミラー222、ミラー23、ミラー24、及び光学レンズ25を経由してCCD26に入射される。これにより、CCD26から原稿の1ライン分の画像に対応するアナログの電気信号が出力される。CCD26から出力されるアナログの電気信号は、不図示のアナログフロントエンド回路によりデジタルの電気信号(画像データ)に変換されて、制御部5に入力される。
【0022】
画像形成部3は、画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成する。例えば、画像形成部3は、画像読取部2によって読み取られた画像データ、又は記憶部7に格納された画像データに基づいて、シートに画像を形成する。具体的に、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電装置、光走査装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び排紙トレイを備える。なお、画像形成部3は、インクジェット方式などの他の画像形成方式により画像を形成するものであってもよい。
【0023】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。給紙部4は、給紙カセット、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0024】
制御部5は、CPU5A、ROM5B、及びRAM5Cなどの制御機器を備える。CPU5Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM5Bは、CPU5Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM5Cは、CPU5Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。制御部5では、CPU5AによりROM5Bに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像処理装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像処理装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0025】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0026】
記憶部7は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部7は、フラッシュメモリー及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、又はHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0027】
記憶部7には、画像処理装置10のユーザー各々に対応する認証情報が格納されている。前記認証情報は、画像処理装置10のユーザーの認証に用いられる。例えば、前記認証情報は、ユーザー名、及びパスワードである。
【0028】
また、記憶部7は、図2に示されるように、第1記憶領域71及び第2記憶領域72を備える。第1記憶領域71は、画像処理装置10のユーザー各々に割り当てられた当該ユーザー専用の記憶領域である。記憶部7には、画像処理装置10にログイン可能なユーザーの数に対応する第1記憶領域71が設けられている。第1記憶領域71のサイズは、全ユーザーに共通であってもよいし、個々のユーザーごとに異なっていてもよい。第2記憶領域72は、画像処理装置10のユーザーによって共有される記憶領域である。
【0029】
[制御部5の構成]
次に、図2を参照しつつ、制御部5の構成について説明する。
【0030】
制御部5は、図2に示されるように、認証処理部51、読取処理部52、格納処理部53、取得処理部54、処理実行部55、決定処理部56、及び第1設定処理部57を含む。
【0031】
具体的に、制御部5のROM5Bには、CPU5Aに後述の原稿読取処理(図3参照)を実行させるための原稿読取プログラムが予め記憶されている。制御部5は、CPU5Aを用いてROM5Bに記憶されている前記原稿読取プログラムを実行する。これにより、制御部5は、認証処理部51、読取処理部52、格納処理部53、取得処理部54、処理実行部55、決定処理部56、及び第1設定処理部57として機能する。ここに、制御部5、操作表示部6、及び記憶部7を備える装置が、本発明における情報処理装置の一例である。なお、前記原稿読取プログラムは、CD、DVD、又はフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、当該記録媒体から読み取られて記憶部7などの不揮発性の記憶装置にインストールされてもよい。
【0032】
認証処理部51は、記憶部7に格納されている前記認証情報を用いて、画像処理装置10のユーザーを認証する。
【0033】
例えば、認証処理部51は、操作表示部6における予め定められたユーザーの操作に応じて、予め定められた認証操作に用いられる認証画面を操作表示部6に表示させる。そして、認証処理部51は、前記認証画面において前記認証操作を受け付ける。例えば、前記認証操作は、ユーザー名、及びパスワードを入力する操作である。その後、認証処理部51は、操作表示部6から入力された情報が記憶部7に格納されている前記認証情報のいずれかと一致する場合に、ユーザーを認証する。つまり、当該ユーザーを画像処理装置10にログインさせる。なお、認証処理部51は、操作表示部6において予め定められたログアウト操作が行われた場合、予め設定された時間が経過した場合、又は他のユーザーをログインさせる場合に、現在ログイン中のユーザーをログアウトさせるログアウト処理を実行する。
【0034】
読取処理部52は、ADF1によって搬送される原稿各々の画像データを読み取る読取処理を実行する。具体的に、読取処理部52は、画像読取部2を用いて、前記読取処理を実行する。
【0035】
格納処理部53は、格納対象の複数のデータを、画像処理装置10にログイン中のユーザーに対応する第1記憶領域71(本発明の予め定められた記憶部の一例)に順次格納する格納処理を実行する。
【0036】
具体的に、前記格納対象には、前記読取処理によって読み取られる複数の画像データが含まれる。つまり、格納処理部53は、読取処理部52によって前記読取処理が実行される場合に、当該読取処理で読み取られる複数の画像データを前記格納対象とする前記格納処理を実行する。
【0037】
なお、前記格納対象には、外部のファクス装置から当該ファクス装置との間で実行されるファクス通信によって受信される複数の画像データが含まれてもよい。この場合、本発明の記憶部は、RAM5C又は第2記憶領域72であってよい。また、前記格納対象には、外部の情報処理装置又は外部の記憶装置から取得される複数の画像データが含まれてもよい。また、前記格納対象には、文書データ及び音楽データのような画像データとは異なる種類のデータが含まれてもよい。
【0038】
取得処理部54は、画像処理装置10にログイン中のユーザーに対応する第1記憶領域71における空き容量を取得する。
【0039】
ところで、前記格納処理の実行中に、所定時間ごとに前記空き容量を取得して、取得された前記空き容量が所定量以下になった場合に警告表示を行うなどの所定の処理を実行可能な画像形成装置が関連技術として知られている。
【0040】
しかしながら、上述の関連技術に係る画像形成装置では、前記格納処理の実行中に、常に同じ間隔で前記空き容量が取得される。そのため、前記空き容量の取得間隔が短い場合には、前記空き容量が多い場合に前記空き容量が無駄に取得され、前記空き容量の取得間隔が長い場合には、前記空き容量が少ない場合に前記空き容量の不足の検知が遅れる。
【0041】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像処理装置10では、以下に説明するように、第1記憶領域71における前記空き容量の無駄な取得を抑制するとともに、当該空き容量の不足の検知が遅れることを抑制することが可能である。
【0042】
処理実行部55は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が予め定められた基準量未満である場合に、予め定められた特定処理を実行する。
【0043】
例えば、前記基準量は、ゼロである。例えば、前記格納処理では、ログイン中のユーザーに対応する第1記憶領域71の前記空き容量がゼロになった場合に、残りの前記格納対象が第2記憶領域72に格納される。この場合、第2記憶領域72における当該残りの前記格納対象の占有領域は、ログイン中のユーザーに対応する第1記憶領域71のマイナスの前記空き容量としてカウントされる。なお、前記基準量は、操作表示部6におけるユーザーの操作に応じて任意に定められてよい。
【0044】
例えば、前記特定処理は、前記読取処理及び前記格納処理を停止させるとともに、前記空き容量が前記基準値未満である旨を報知する処理である。なお、前記特定処理は、前記空き容量が前記基準値未満である旨を報知する処理であってもよい。つまり、処理実行部55は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が前記基準量未満である場合に、前記読取処理及び前記格納処理を停止させなくてもよい。この場合、前記読取処理及び前記格納処理の終了後に、それらの処理によって第2記憶領域72に格納された画像データを削除する第1の処理、及び第1記憶領域71の既存のデータを削除することによって第2記憶領域72に格納された画像データを格納するための前記空き容量を生じさせる第2の処理のいずれかを選択する選択操作が受け付けられてもよい。ここで、当該第2の処理が選択された場合には、第1記憶領域71の既存のデータの削除によって生成された前記空き容量に、第2記憶領域72に格納された画像データが格納されればよい。
【0045】
決定処理部56は、取得処理部54によって取得される前記空き容量に基づいて、前記格納処理の実行中における取得処理部54による前記空き容量の取得タイミングを決定する。
【0046】
具体的に、決定処理部56は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が前記基準量よりも多い予め定められた閾値を超える場合は、取得処理部54による次の前記取得タイミングを予め定められた第1の数の画像データの第1記憶領域71への格納後に決定する。
【0047】
また、決定処理部56は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が前記閾値以下である場合は、取得処理部54による次の前記取得タイミングを前記第1の数よりも少ない第2の数の画像データの第1記憶領域71への格納後に決定する。
【0048】
例えば、前記第1の数は10である。また、前記第2の数は1である。なお、前記第1の数、及び前記第2の数は、操作表示部6におけるユーザーの操作に応じて任意に定められてよい。
【0049】
第1設定処理部57は、前記格納処理によって第1記憶領域71に格納された画像データのデータ量に基づいて、前記閾値を設定する。
【0050】
例えば、第1設定処理部57は、前記格納処理によって第1記憶領域71に格納された画像データの数が前記第1の数未満である場合は、当該格納処理によって第1記憶領域71に格納されたいずれか一つの画像データのデータ量に前記第1の数を乗算して得られる値を前記閾値として設定する。
【0051】
また、第1設定処理部57は、前記格納処理によって第1記憶領域71に格納された画像データの数が前記第1の数を超える場合は、当該格納処理によって連続して第1記憶領域71に格納された前記第1の数の画像データのうち、合計データ量が最大の前記第1の数の画像データにおける当該合計データ量を前記閾値として設定する。
【0052】
ここで、第1設定処理部57は、ユーザーの操作によって前記閾値の設定機能の無効が設定されている場合は、前記閾値を設定しない。この場合、前記閾値は、予めユーザーによって設定された値であってもよいし、予めROM5Bに格納された値であってもよい。
【0053】
例えば、第1設定処理部57は、操作表示部6における予め定められたユーザーの操作に応じて、前記閾値の設定機能の有効無効の切替操作に用いられる切替操作画面を操作表示部6に表示させる。そして、第1設定処理部57は、前記切替操作画面における前記切替操作に応じて、前記閾値の設定機能の有効無効を切り替える。
【0054】
なお、制御部5は、第1設定処理部57を含んでいなくてもよい。
【0055】
[原稿読取処理]
以下、図3を参照しつつ、画像処理装置10において制御部5により実行される原稿読取処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記原稿読取処理は、操作表示部6において前記原稿読取処理の実行指示が入力された場合に実行される。
【0056】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、最初の前記取得タイミングを決定する。例えば、制御部5は、最初の前記取得タイミングを、1つの画像データの第1記憶領域71への格納後に決定する。
【0057】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、前記読取処理の実行を開始する。ここで、ステップS12の処理は、制御部5の読取処理部52により実行される。
【0058】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、前記格納処理の実行を開始する。ここで、ステップS13の処理は、制御部5の格納処理部53により実行される。
【0059】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、以下に述べる空き容量監視処理を実行する。
【0060】
なお、ステップS11において、制御部5は、前記空き容量を取得して、取得された前記空き容量に基づいて最初の前記取得タイミングを決定してもよい。この場合、前記閾値は、予めユーザーによって設定された値、又は予めROM5Bに格納された値が用いられればよい。
【0061】
[空き容量監視処理]
次に、図4を参照しつつ、前記原稿読取処理のステップS14で実行される空き容量監視処理の手順の一例について説明する。
【0062】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部5は、ステップS13で開始された前記格納処理が終了したか否かを判断する。
【0063】
ここで、制御部5は、前記格納処理が終了したと判断すると(S21のYes側)、処理をステップS30に移行させる。また、前記格納処理が終了していなければ(S21のNo側)、制御部5は、処理をステップS22に移行させる。
【0064】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部5は、前記取得タイミングが到来したか否かを判断する。なお、ステップS22で到来したか否かが判断される前記取得タイミングは、ステップS11、ステップS28、又はステップS29で設定された前記取得タイミングである。
【0065】
ここで、制御部5は、前記取得タイミングが到来したと判断すると(S22のYes側)、処理をステップS23に移行させる。また、前記取得タイミングが到来していなければ(S22のNo側)、制御部5は、処理をステップS21に移行させる。
【0066】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部5は、前記閾値の設定機能の有効が設定されているか否かを判断する。
【0067】
ここで、制御部5は、前記閾値の設定機能の有効が設定されていると判断すると(S23のYes側)、処理をステップS24に移行させる。また、前記閾値の設定機能の無効が設定されている場合は(S23のNo側)、制御部5は、処理をステップS25に移行させる。
【0068】
なお、ステップS23において、制御部5は、ADF1を用いた原稿の読み取りモードが、サイズが異なる複数枚の原稿各々から画像データを読み取る混載モードであるか否かを判断してもよい。この場合、制御部5は、前記読取モードが前記混載モードではないと判断した場合に処理をステップS24に移行させ、前記混載モードであると判断した場合に処理をステップS25に移行させることが考えられる。
【0069】
また、ステップS23において、制御部5は、予め設定された読取対象の原稿の種類に基づいて、処理を分岐させてもよい。例えば、制御部5は、読取対象の原稿の種類が文書原稿又はモノクロ原稿であると判断した場合に処理をステップS24に移行させ、読取対象の原稿の種類が写真原稿又はカラー原稿であると判断した場合に処理をステップS25に移行させることが考えられる。
【0070】
また、ステップS23の処理は省略されてもよい。
【0071】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部5は、ステップS13で開始された前記格納処理によって第1記憶領域71に格納された画像データのデータ量に基づいて、前記閾値を自動で設定する。ここで、ステップS24の処理は、制御部5の第1設定処理部57により実行される。
【0072】
具体的に、制御部5は、前記格納処理によって第1記憶領域71に格納された画像データの数が前記第1の数未満である場合は、当該格納処理によって第1記憶領域71に格納されたいずれか一つの画像データのデータ量に前記第1の数を乗算して得られる値を前記閾値として設定する。
【0073】
また、制御部5は、前記格納処理によって第1記憶領域71に格納された画像データの数が前記第1の数を超える場合は、当該格納処理によって連続して第1記憶領域71に格納された前記第1の数の画像データのうち、合計データ量が最大の前記第1の数の画像データにおける当該合計データ量を前記閾値として設定する。
【0074】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部5は、前記空き容量を取得する。ここで、ステップS25の処理は、制御部5の取得処理部54により実行される。
【0075】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部5は、ステップS25で取得された前記空き容量が前記基準量未満であるか否かを判断する。
【0076】
ここで、制御部5は、ステップS25で取得された前記空き容量が前記基準量未満であると判断すると(S26のYes側)、処理をステップS32に移行させる。また、ステップS25で取得された前記空き容量が前記基準量未満でなければ(S26のNo側)、制御部5は、処理をステップS27に移行させる。
【0077】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部5は、ステップS25で取得された前記空き容量が前記閾値を超えるか否かを判断する。ここで、制御部5は、ステップS24の処理が実行されていない場合は、予めユーザーによって設定された値、又は予めROM5Bに格納された値を前記閾値として用いる。
【0078】
ここで、制御部5は、ステップS25で取得された前記空き容量が前記閾値を超えると判断すると(S27のYes側)、処理をステップS28に移行させる。また、ステップS25で取得された前記空き容量が前記閾値以下である場合は(S27のNo側)、制御部5は、処理をステップS29に移行させる。
【0079】
<ステップS28>
ステップS28において、制御部5は、次の前記取得タイミングを前記第1の数の画像データの第1記憶領域71への格納後に決定する。
【0080】
<ステップS29>
ステップS29において、制御部5は、次の前記取得タイミングを前記第2の数の画像データの第1記憶領域71への格納後に決定する。ここで、ステップS28及びステップS29の処理は、制御部5の決定処理部56により実行される。
【0081】
なお、ステップS11において、制御部5は、前記空き容量を取得して、取得された前記空き容量に基づいて前記格納処理の実行中における前記空き容量の取得間隔を決定してもよい。この場合、ステップS27~ステップS29までの処理は省略されてよい。
【0082】
<ステップS30>
ステップS30において、制御部5は、前記空き容量を取得する。ここで、ステップS30の処理は、制御部5の取得処理部54により実行される。
【0083】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部5は、ステップS30で取得された前記空き容量が前記基準量未満であるか否かを判断する。
【0084】
ここで、制御部5は、ステップS30で取得された前記空き容量が前記基準量未満であると判断すると(S31のYes側)、処理をステップS32に移行させる。また、ステップS30で取得された前記空き容量が前記基準量未満でなければ(S31のNo側)、制御部5は、前記空き容量監視処理を終了させる。
【0085】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部5は、前記特定処理を実行する。ここで、ステップS32の処理は、制御部5の処理実行部55により実行される。
【0086】
具体的に、制御部5は、前記読取処理及び前記格納処理が実行中である場合は、実行中の前記読取処理及び前記格納処理を停止させるとともに、前記空き容量が前記基準値未満である旨を報知する。また、制御部5は、前記読取処理及び前記格納処理が終了している場合は、前記空き容量が前記基準値未満である旨を報知する。
【0087】
ここで、制御部5は、停止された又は終了した前記格納処理によって第2記憶領域72に格納された画像データを削除してもよい。また、制御部5は、停止された又は終了した前記格納処理によって記憶部7に格納された画像データの全部を削除してもよい。また、制御部5は、停止された又は終了した前記格納処理によって第2記憶領域72に格納された画像データを削除する第1の処理、及び第1記憶領域71の既存のデータを削除することによって第2記憶領域72に格納された画像データを格納するための前記空き容量を生じさせる第2の処理のいずれかを選択する選択操作を受け付けてもよい。
【0088】
このように、前記原稿読取処理では、前記格納処理の実行中に取得される前記空き容量に基づいて、当該格納処理の実行中における次の前記空き容量の前記取得タイミングが決定される。具体的に、前記空き容量が前記閾値を超える場合は、次の前記取得タイミングが前記第1の数の画像データの第1記憶領域71への格納後に決定される。また、前記空き容量が前記閾値以下である場合は、次の前記取得タイミングが前記第1の数よりも少ない前記第2の数の画像データの第1記憶領域71への格納後に決定される。これにより、前記空き容量が多い場合には、前記空き容量の取得間隔が長くなるように前記取得タイミングが決定され、前記空き容量が少ない場合には、前記空き容量の取得間隔が短くなるように前記取得タイミングが決定される。従って、第1記憶領域71における前記空き容量の無駄な取得を抑制するとともに、当該空き容量の不足の検知が遅れることを抑制することが可能である。
【0089】
[他の実施形態]
なお、制御部5は、図5に示される第2設定処理部58及び生成処理部59のいずれか一方又は両方を備えていてもよい。
【0090】
ここで、第2設定処理部58は、取得処理部54によって取得される前記空き容量に基づいて、前記第1の数及び前記第2の数のいずれか一方又は両方を設定する。
【0091】
具体的に、第2設定処理部58は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が前記閾値を超える場合は、当該空き容量が多いほど前記第1の数を大きい数値にする。また、第2設定処理部58は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が前記閾値以下である場合は、当該空き容量が少ないほど前記第2の数を小さい数値にする。これにより、前記空き容量に応じて前記取得タイミングをより細やかに規定することが可能となるため、第1記憶領域71における前記空き容量の無駄な取得の抑制効果、及び当該空き容量の不足の検知の遅れの抑制効果をより高めることが可能である。
【0092】
また、生成処理部59は、前記格納処理によって画像データが第1記憶領域71に格納されるごとに、当該画像データに基づくプレビュー画像データを生成して、生成された前記プレビュー画像データを第1記憶領域71に格納する生成処理を実行する。前記生成処理で生成された前記プレビュー画像データは、前記原稿読取処理の終了後における当該原稿読取処理で読み取られた画像データのプレビュー表示に用いられる。
【0093】
ここで、処理実行部55は、取得処理部54によって取得される前記空き容量が前記基準量未満である場合に、前記生成処理を停止させる。つまり、前記特定処理には、前記生成処理を停止させる処理が含まれる。
【0094】
また、格納処理部53は、処理実行部55による前記生成処理の停止後に、第1記憶領域71における当該生成処理によって格納された前記プレビュー画像データの格納領域に画像データを格納する。これにより、前記格納処理の実行中に第1記憶領域71における前記空き容量が前記基準量未満となった場合であっても、第2記憶領域72を用いることなく、当該格納処理を継続することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
7 記憶部
10 画像処理装置
51 認証処理部
52 読取処理部
53 格納処理部
54 取得処理部
55 処理実行部
56 決定処理部
57 第1設定処理部
58 第2設定処理部
59 生成処理部
図1
図2
図3
図4
図5