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特許7452163商品登録装置、商品登録方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】商品登録装置、商品登録方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240312BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240312BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240312BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/00 331Z
G07G1/12 331A
G06Q30/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020054482
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157280
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-350806(JP,A)
【文献】特開2019-200533(JP,A)
【文献】特開平07-141569(JP,A)
【文献】特開2020-034962(JP,A)
【文献】特開2009-163332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00
G07G 1/12
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の登録を行う商品登録装置であって、
前記商品の種類を識別する商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数と、前記商品の種類毎の個数と、を特定する個数特定部と、
所定の載置エリアに載置された商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の総個数と、前記商品の種類毎の個数と、を検出する個数検出部と、
前記個数特定部により個数が特定された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数と、前記個数検出部により個数が検出された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数とをそれぞれ比較する比較部と、
前記比較部により比較した結果、前記商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合に警告を出力する出力部と、
を備える商品登録装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記個数特定部が特定した商品の個数と、前記個数検出部が検出した商品の個数の差を、警告として出力する請求項1に記載の商品登録装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記個数が一致しない商品の名称を、警告として出力する請求項1又は2に記載の商品登録装置。
【請求項4】
前記商品登録装置はバーコードリーダを備え、
前記商品識別情報取得部は、前記バーコードリーダで前記商品に付されたバーコードを読み取ることにより前記商品識別情報を取得する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【請求項5】
前記商品登録装置はRFIDリーダを備え、
前記個数検出部は、前記RFIDリーダで前記載置エリアに載置された商品に付されたRFIDタグを読み取ることで当該商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得る請求項1乃至4のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【請求項6】
前記比較部により比較した結果、前記商品の商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数が全て一致した場合に決済を行う決済部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【請求項7】
商品の登録を行う商品登録装置により実行される商品登録方法であって、
前記商品の種類を識別する商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数と、前記商品の種類毎の個数と、を特定する特定処理を行い
所定の載置エリアに載置された商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の総個数と、前記商品の種類毎の個数と、を検出する検出処理を行い
前記特定処理により個数が特定された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数と、前記検出処理により個数が検出された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数とをそれぞれ比較
比較した結果、前記商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合に警告を出力する商品登録方法。
【請求項8】
登録した商品の種類を識別する商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数と、前記商品の種類毎の個数と、を特定する特定処理を行い
所定の載置エリアに載置された商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の総個数と、前記商品の種類毎の個数と、を検出する検出処理を行い
前記特定処理により個数が特定された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数と、前記検出処理により個数が検出された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数とをそれぞれ比較
比較した結果、前記商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合に警告を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗などにおける商品販売システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどにおいて、セルフレジの導入が進んでいる。セルフレジでは、顧客自身がバーコードをスキャンするため、同じ商品を複数購入する場合に、読取ミスや不正目的で、読み取られた商品の個数と、実際の商品の個数とが一致しないという問題が生じている。そのため、読取ミスや不正防止の観点から、何らかのチェックをする体制が望ましい。例えば、特許文献1には、顧客がセルフレジにおいて会計をする際、決済する商品の商品情報と、当該商品の総重量とを比較して、問題があればアラームを出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-100371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたセルフレジでは、顧客が、買い物かごとレジ袋を同時に所定の場所に設置し、読み取りが完了した商品を買い物かごからレジ袋へ移動させる。そのため、購入商品が多く、複数のレジ袋が必要な場合、セルフレジのスペースは限られているため処理することが難しい。また、他のレジ袋に切り替えると総重量が合わなくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、商品の購入システムにおいて、ユーザによる商品情報の読取ミスや不正を防止することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、商品の登録を行う商品登録装置は、
前記商品の種類を識別する商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数と、前記商品の種類毎の個数と、を特定する個数特定部と、
所定の載置エリアに載置された商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の総個数と、前記商品の種類毎の個数と、を検出する個数検出部と、
前記個数特定部により個数が特定された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数と、前記個数検出部により個数が検出された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数とをそれぞれ比較する比較部と、
前記比較部により比較した結果、前記商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合に警告を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の他の観点では、商品の登録を行う商品登録装置により実行される商品登録方法であって、
前記商品の種類を識別する商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数と、前記商品の種類毎の個数と、を特定する特定処理を行い
所定の載置エリアに載置された商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の総個数と、前記商品の種類毎の個数と、を検出する検出処理を行い
前記特定処理により個数が特定された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数と、前記検出処理により個数が検出された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数とをそれぞれ比較
比較した結果、前記商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合に警告を出力する。
【0008】
本発明のさらに他の観点では、プログラムは、
登録した商品の種類を識別する商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数と、前記商品の種類毎の個数と、を特定する特定処理を行い
所定の載置エリアに載置された商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の総個数と、前記商品の種類毎の個数と、を検出する検出処理を行い
前記特定処理により個数が特定された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数と、前記検出処理により個数が検出された商品の商品識別情報、当該商品の総個数及び当該商品の種類毎の個数とをそれぞれ比較
比較した結果、前記商品識別情報、前記商品の総個数及び前記商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合に警告を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品の購入システムにおいて、ユーザによる商品情報の読取ミスや不正を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る購入システムの構成を示す。
図2】POSサーバの概略構成を示す。
図3】商品登録装置の概略構成を示す。
図4】購入処理のフローチャートである。
図5】購入商品リスト画面の表示例である。
図6】支払い方法選択画面の表示例である。
図7】会計終了画面の表示例である。
図8】警告画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0012】
[購入管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る購入システム100の構成を示す。購入システム100は、主に、POS(Point of Sales)サーバ1と、商品登録装置5とを備える。購入システム100では、商品登録装置5は、顧客が商品を購入する際に、当該顧客がハンディバーコードリーダ56により購入する商品(「購入商品」とも呼ぶ。)のバーコードを読み取ることで取得した情報と、RFID(Radio Frequency IDentifier)リーダ59が購入商品のRFIDタグを読み取ることで取得した情報とを比較して、問題があれば警告画面を出力する。
【0013】
なお、店舗に設置された商品には、バーコードと、RFIDタグとが付されている。具体的には、例えば、バーコードは商品自体に印刷されており、RFIDタグは商品に貼付されている。
【0014】
ここで、商品に付されているバーコード及びRFIDタグについて説明する。バーコードとは、商品を識別するための情報(「商品識別情報」とも呼ぶ。)であり、例えば、JAN(Japanese Article Number)コードなどが適用される。バーコードは、ハンディバーコードリーダ56を近づけて、商品毎に読み取らなければならない。具体的に、本実施形態の商品登録装置5は、セルフレジであって、顧客が商品に付されたバーコードを1つずつハンディバーコードリーダ56で読み取ることにより商品識別情報を取得する。
【0015】
RFIDタグとは、電波などを利用してデータの書き込みや読み取りが可能なIC(Integrated Circuit)を内蔵しており、商品に関する詳細な情報(「商品詳細情報」とも呼ぶ。)が記録されている。RFIDタグは、RFIDリーダ59による電波が届く範囲で情報を受信することができるため、1度に複数のRFIDタグを読み取ることができる。具体的に、商品登録装置5は、RFIDリーダ59により電波を利用して、読取後載置エリア32に載置されたかご20bに入っている全ての商品に付されたRFIDタグを読み取ることで、商品の商品詳細情報を一括して取得する。
【0016】
なお、バーコードは、同じ種類の商品であれば同じJANコード、即ち同じ商品識別情報が付されている。つまり、商品識別情報は、商品の種類を識別する情報である。しかし、RFIDタグは、バーコードに比べて記録できる情報がはるかに多いため、同じ種類の商品であっても、商品識別情報に加えて、個体識別情報も記録されており、商品の個品管理が可能となる。ここで、個体識別情報とは、例えばシリアルナンバーなどである。つまり、製造者名や商品の種類が同じ商品であっても、RFIDタグを読み取ることにより取得した商品詳細情報によれば、バーコードと異なり、1点1点の識別が可能である。
【0017】
POSサーバ1は、店舗で販売される商品に関する価格、在庫状況などを含む商品情報、店舗の売上情報などの種々の販売情報を管理するサーバである。POSサーバ1は、商品登録装置5とネットワーク等を介して通信可能である。なお、POSサーバ1は、複数の系列店舗の販売情報を一括して管理するものであってもよく、店舗毎に存在し、その店舗の販売情報のみを管理するものであってもよい。
【0018】
商品登録装置5は、購入商品の登録を行う装置であって、当該購入商品の代金を精算するための精算機能を有している。商品登録装置5は、POSサーバ1と通信可能であって、精算に必要な種々の情報の授受を必要に応じて行う。商品登録装置5は、商品に付されたバーコードを読み取るためのハンディバーコードリーダ56を備えている。さらに、商品登録装置5は、バーコードを読み取る前の購入商品を入れたかご20aを載置する読取前載置エリア31と、バーコードを読み取った後の購入商品を入れるかご20bを載置する読取後載置エリア32と、クレジットカードで支払いをするためのカード挿入口92と、現金で支払いをするための現金投入口93と、つり銭を取り出すためのつり銭取口94とを備えている。
【0019】
なお、本実施形態では、商品登録装置5が精算機能を有することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、購入システム100が商品登録装置とは別に、精算装置を有することとしてもよい。
【0020】
[装置構成]
次に、POSサーバ1及び商品登録装置5の各構成について図2及び図3を参照して説明する。
【0021】
(POSサーバ)
図2は、POSサーバ1の概略構成を示す。POSサーバ1は、主に、記憶部13と、データ通信を行う通信部14と、制御部15とを備える。これらの要素はバスライン10により相互に接続されている。
【0022】
記憶部13は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部13は、制御部15が実行するプログラム、及び、制御部15がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部13は、売価変更情報17と、商品情報DB(Database)18と、商品の売上に関する情報である売上情報19とを含んでいる。なお、記憶部13は、売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19以外の種々の販売に関する情報を記憶してもよい。
【0023】
商品情報DB18は、店舗又は店舗を含む系列店舗で取り扱う商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB18は、例えば、商品の価格、JANコードなどの商品商品識別情報、商品の分類情報、商品の在庫状況などの各種情報を含む。
【0024】
売価変更情報17は、売価の変更に関する情報である。具体的に、売価変更情報17は、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報、分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、及び合計額値引情報などの任意の割引情報又は値引情報の少なくとも1つを含んでいる。
【0025】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、POSサーバ1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部15は、通信部14を介して商品登録装置5と通信を行うことで、商品情報DB18に関する情報を商品登録装置5に提供する。
【0026】
(商品登録装置)
図3は、商品登録装置5の概略構成を示す。商品登録装置5は、主に、表示部51と、入力部52と、記憶部53と、通信部54と、制御部55と、ハンディバーコードリーダ56と、ライト57と、スピーカ58と、RFIDリーダ59とを備える。これらの各要素は、バスライン50を介して相互に接続されている。
【0027】
表示部51は、制御部55の制御に基づき、購入商品リスト画面や警告画面などの各種情報の表示を行う。入力部52は、顧客の入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタンなどが該当する。なお、本実施形態では、表示部51をタッチパネルにより構成し、入力部52の機能も併せ持つものとする。
【0028】
記憶部53は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部53は、制御部55が実行するプログラム、及び、制御部55がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部53には、顧客が表示部51においてスタートボタンを押下した際に動作し、購入処理を行うための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0029】
通信部54は、有線又は無線通信により、POSサーバ1と通信する。制御部55は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、商品登録装置5内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部55が実行する制御については後述する。なお、上記の構成において、制御部55は本発明の商品識別情報取得部、個数特定部、個数検出部、比較部、出力部、決済部の一例である。
【0030】
ハンディバーコードリーダ56は、顧客が読み取り操作することにより商品に付されたバーコードを読み取り、読み取った情報を制御部55に供給する。なお、ハンディバーコードリーダ56の代わりに、定置式バーコードリーダを用いてもよく、両方を併用してもよい。
【0031】
ライト57は、商品登録装置5に不具合が生じたときや、店員を呼ぶときなどに点灯する。スピーカ58は、必要に応じて注意喚起のための操作音や音声メッセージなどを出力する。
【0032】
RFIDリーダ59は、電波などを用いた近距離無線通信により、読取後載置エリア32に載置されたかご20bに入っている商品に付されたRFIDタグを読み取り、読み取った情報を制御部55に供給する。
【0033】
[購入処理]
次に、購入システム100による購入処理の概要について説明する。購入処理は、商品を購入する際に、商品登録装置5が、購入商品のバーコードから読み取った情報と、RFIDタグから読み取った情報とを比較し、問題ない場合に購入商品の決済をする処理である。図4は、本発明の購入処理を示すフローチャートである。この処理は、主として商品登録装置5が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0034】
顧客は、商品の販売を行う店舗内において、かご置き場から空のかご20aを取ると、購入する1つ以上の商品をかご20aに入れる。購入商品を全てかご20aに入れると、顧客は、商品の代金を支払うため商品登録装置5へ行き、当該かご20aを読取前載置エリア31に載置し、空のかご20bをRFIDリーダ59が内蔵された読取後載置エリア32に載置する。
【0035】
顧客は、商品登録装置5の表示部51においてスタートボタンを押下し、かご20aに入っている商品のバーコードを、ハンディバーコードリーダ56で1つずつ読み取り、商品登録を行う。そして、顧客は、バーコードを読み取った商品をかご20aからかご20bへ移動させる。商品登録装置5は、顧客がバーコードを読み取ることで購入商品の商品識別情報を取得し、当該商品識別情報に基づいて購入商品に関する購入商品情報を生成することで商品の登録を行う(ステップS101)。購入商品情報は、例えば、購入商品の商品識別情報、購入商品の総個数、購入商品における商品の種類毎の個数などが含まれている。購入商品情報に含まれる購入商品の総個数や商品の種類毎の個数は、バーコードを読み取ることで取得した商品識別情報に基づいて特定される。
【0036】
さらに、商品登録装置5は、生成した購入商品情報と、POSサーバ1から取得した情報とに基づいて購入商品リスト画面を生成し、表示部51に表示する(ステップS102)。図5は、購入商品リスト画面の表示例である。この例では、購入商品リスト画面は、リスト表示欄61と、小計表示欄62と、合計額表示欄63と、読取終了ボタン65と、取引中止ボタン66とを有する。リスト表示欄61は、購入商品のリストであって、購入商品毎に、購入商品の名称、数量、価格が表示される。小計表示欄62は、リストの全商品に対する売価の税抜きの小計を表示し、合計額表示欄63は、リストの全商品に対する売価の税込みの合計額を表示する。
【0037】
読取終了ボタン65は、ハンディバーコードリーダ56による商品のバーコードの読み取りを終了する際に押下されるボタンである。具体的に、顧客は、かご20aに入っている全ての購入商品についてバーコードの読み取りが終了すると、読取終了ボタン65を押下する。取引中止ボタン66は、購入処理を中止する際に押下されるボタンである。取引中止ボタン66が押下されると商品登録装置5は、商品登録により取得した情報を削除し、表示部51にスタートボタンが表示されたメインメニューを表示する。
【0038】
商品登録装置5は、バーコードの読み取りが終了したか否か、具体的には読取終了ボタン65が押下されたか否かを判定する(ステップS103)。読取終了ボタン65が押下されていないと判定した場合(ステップS103;No)、商品登録装置5は、ステップS101の処理に戻る。一方、読取終了ボタンが押下されたと判定した場合(ステップS101;Yes)、商品登録装置5は、RFIDリーダ59により、読取後載置エリア32に載置されたかご20bに入っている購入商品に付されたRFIDタグを読み取ることで、全ての購入商品の商品詳細情報を一括で迅速に取得し、当該商品詳細情報に基づいて購入商品に関する確認商品情報を生成する(ステップS104)。確認商品情報は、例えば、購入商品の商品識別情報、購入商品の個体識別情報、購入商品の名称、購入商品の総個数、購入商品における商品の種類毎の個数などが含まれている。確認商品情報に含まれる購入商品の総個数や商品の種類毎の個数は、RFIDタグを読み取ることで取得した商品詳細情報に基づいて検出される。そのため、確認商品情報に含まれる商品の個数は、購入商品情報に含まれる商品の個数に比べて精度が高い。
【0039】
そして、商品登録装置5は、ステップS102の処理で生成した購入商品情報と、ステップS105の処理で生成した確認商品情報とを比較する(ステップS105)。購入商品情報と確認商品情報を比較した結果、購入商品の商品識別情報、商品の総個数、商品の種類毎の個数が全て一致した場合、商品登録装置5は、顧客によるバーコードの読み取りミスや不正がないと判断し、購入商品情報と、POSサーバ1から取得した情報とに基づいて支払い方法選択画面を生成し、表示部51に表示する(ステップS108)。
【0040】
図6は、支払い方法選択画面の表示例である。この例では、リスト表示欄71と、小計表示欄72と、合計額表示欄73と、クレジットボタン74と、現金ボタン75とを有する。リスト表示欄71、小計表示欄72及び合計額表示欄73は、購入商品リスト画面のリスト表示欄61、小計表示欄62及び合計額表示欄63と同様であるため、説明は省略する。なお、支払い方法選択画面は、リスト表示欄61や小計表示欄62を含んでいるが、本発明はこれに限られるものではなく、支払い金額の確認と支払い方法の選択が可能であればよい。
【0041】
顧客は、支払い方法選択画面を見て支払い金額を確認し、クレジットボタン74と現金ボタン75のいずれかを押下し、支払いを行う。これにより、購入代金の決済が行われる(ステップS109)。具体的に、顧客がクレジットでの支払いを選択した場合、商品登録装置5はカードの挿入と、必要に応じて暗証番号などの入力とを促し、クレジット決済を行う。また、顧客が現金での支払いを選択した場合、商品登録装置5は現金投入口に現金を投入することを促し、現金が投入されると、必要に応じて釣銭を支払う。なお、支払い方法は、クレジット決済や現金に限定されるものではなく、電子マネーなど種々の方法を設定することができる。
【0042】
決済が完了すると、商品登録装置5は、会計終了画面を表示する(ステップS110)。図7は、会計終了画面の表示例を示す。この例では、会計終了画面は、決済情報欄76と、領収書ボタン77と、終了ボタン78とを含む。決済情報欄76は、決済の金額が表示されている。領収書ボタン77は、領収書を印刷出力するためのボタンである。終了ボタン78は、顧客が会計を完了したことを確認するためのボタンである。顧客が終了ボタン78を押下すると、商品登録装置5は表示部51の表示をメインメニューに戻す。
【0043】
なお、本実施形態では、決済情報欄76は、決済の金額のみが表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、決済方法やカード会社などの情報を表示することとしてもよい。
【0044】
一方、ステップS105の処理において、購入商品情報と確認商品情報を比較した結果、購入商品の商品識別情報、商品の総個数、商品の種類毎の個数のいずれかが一致しない場合、商品登録装置5は、顧客によるバーコードの読み取りミスや不正の可能性があり、決済に進むのは妥当でないと判断し、警告画面を表示する(ステップS107)。
【0045】
図8は、警告画面の表示例である。この例では、警告画面は、一致しない商品の名称及び当該商品の個数の差を知らせるメッセージと、購入商品のバーコードの読み取りについてやり直しを促すメッセージとを有する。ここで、商品の個数の差とは、購入商品情報を基準とするものであり、購入商品情報に含まれる商品の個数が、確認商品情報に含まれる商品の個数より1つ少なければ「1つ少ない」というメッセージとなり、購入商品情報に含まれる商品の個数が、確認商品情報に含まれる商品の個数より1つ多ければ「1つ多い」というメッセージとなる。
【0046】
警告画面を表示すると、商品登録装置5は、商品登録により取得した情報、購入商品情報及び確認商品情報を削除して、表示部51の表示をメインメニューに戻し、ステップS101の処理へ戻る。顧客は、読取後載置エリア32に載置されており、購入商品が入っているかご20bを読取前載置エリア31に戻し、再度購入商品のバーコードの読み取りを行う。
【0047】
なお、図8に示す警告画面では、一致しない商品の名称及び当該商品の個数の差を知らせるメッセージを表示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、購入商品情報と確認商品情報を比較した結果に基づいて、不一致が発生した商品や個数を知らせるメッセージであればよく、その表示形式は任意である。また、本実施形態では警告の出力方法として警告画面を表示することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、警告音を出力するなど、種々の方法が適用できる。さらに、本実施形態では、警告画面が表示されると、購入商品のバーコードの読み取りをはじめからやり直させることとしているが、これに代わり、警告画面に基づいて該当する商品のみを確認させ、顧客に当該商品のバーコードの読み取りのみをやり直させることとしてもよい。
【0048】
このように、購入商品情報と、より精度の高い確認商品情報を比較することで、商品登録装置5は、顧客による読取ミスや不正を簡単且つ迅速にチェックして防止することができる。これによれば、読取ミスや不正が減少し、店舗の売り上げが増加する利点がある。また、このチェック方法は、迅速であり、顧客の待ち時間はほぼ発生しないため、顧客の作業性が向上するとともに、カスタマーサービスも向上させることができる。
【0049】
[変形例]
(変形例1)
本実施形態では、購入商品情報を生成するためにバーコードを適用しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、商品に付すことが可能で、商品識別情報を記録できるものであれば、種々の識別子を適用できる。
【0050】
(変形例2)
本実施形態では、確認商品情報を生成するためにRFIDタグを適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、商品に付すことが可能で、商品詳細情報を記録でき、かご20bに商品を入れたままで全ての商品の商品詳細情報を一括取得できるものであれば、他の非接触タグであってもよい。
【0051】
(変形例3)
本実施形態では、購入商品情報と確認商品情報に基づいて、購入商品の商品識別情報、商品の総個数、商品の種類毎の個数を比較することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、商品の総個数のみを比較することとしてもよい。これによれば、かご20bに商品を入れたままで当該商品の個数を検出できる方法であれば、RFIDタグを読み取る方法の代わりに、ライダーによる3次元測量方法、タグを金属にして磁力を利用する方法、超音波による方法、画像認識による方法など種々の方法を適用することができる。
【0052】
(変形例4)
本実施形態において商品登録装置5は、顧客自身が商品登録及び精算を行うセルフレジとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、店員が商品登録を行うPOSレジなども適用することができる。そのため、商品登録装置のユーザは、顧客に限らず、店員も含まれており、店員が商品登録を行う際にも読み取りミスや不正を防止することができる。
【0053】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0054】
(付記1)
商品の登録を行う商品登録装置であって、
前記商品の種類を識別する商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数を特定する個数特定部と、
所定の載置エリアに載置された商品の個数を検出する個数検出部と、
前記個数特定部が特定した商品の個数と、前記個数検出部が検出した商品の個数が一致しない場合に警告を出力する出力部と、
を備える商品登録装置。
【0055】
(付記2)
前記出力部は、前記個数特定部が特定した商品の個数と、前記個数検出部が検出した商品の個数の差を、警告として出力する付記1に記載の商品登録装置。
【0056】
(付記3)
前記出力部は、前記個数が一致しない商品の名称を、警告として出力する付記1又は2に記載の商品登録装置。
【0057】
(付記4)
前記商品登録装置はバーコードリーダを備え、
前記商品識別情報取得部は、前記バーコードリーダで前記商品に付されたバーコードを読み取ることにより前記商品識別情報を取得する付記1乃至3のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【0058】
(付記5)
前記商品登録装置はRFIDリーダを備え、
前記個数検出部は、前記RFIDリーダで前記載置エリアに載置された商品に付されたRFIDタグを読み取ることで当該商品の商品識別情報と、当該商品の個体を識別する個体識別情報とを商品詳細情報として取得し、当該商品詳細情報に基づいて前記商品の個数を検出する付記1乃至4のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【0059】
(付記6)
前記個数特定部が特定した商品の個数と、前記個数検出部が検出した商品の個数とを比較する比較部と、
前記比較部により比較した結果、前記商品の個数が一致した場合に決済を行う決済部をさらに備えることを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【0060】
(付記7)
商品の登録を行う商品登録装置により実行される商品登録方法であって、
前記商品の種類を識別する商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数を特定し、
所定の載置エリアに載置された商品の個数を検出し、
特定した商品の個数と、検出した商品の個数が一致しない場合に警告を出力する商品登録方法。
【0061】
(付記8)
登録した商品の種類を識別する商品識別情報を取得し、
前記商品識別情報に基づいて、前記商品の個数を特定し、
所定の載置エリアに載置された商品の個数を検出し、
特定した商品の個数と、検出した商品の個数が一致しない場合に警告を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0062】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0063】
1 POSサーバ
5 商品登録装置
20 かご
31 読取前載置エリア
32 読取後載置エリア
100 購入システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8