(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/255 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G01B11/255 H
(21)【出願番号】P 2020061045
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深町 尚史
(72)【発明者】
【氏名】溝上 勝太
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-138871(JP,A)
【文献】特開昭60-025405(JP,A)
【文献】特開平06-201338(JP,A)
【文献】特開2015-169510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査基板面に対して第1実装面を向けて配置され、前記第1実装面に直交する中心軸に対して前記第1実装面の形状が対称な形状の第1基板と、
前記検査基板面の側方に前記検査基板を囲むように設けられ、前記第1実装面の縁から前記第1実装面と直交する方向に延びる第2基板であって、前記検査基板面に第2実装面を向けて配置される第2基板と、
前記第1実装面に配置され、前記検査基板面へ向けて第1の色の光を照射する第1照射素子と、
前記第2実装面において中央よりも前記第1実装面寄りの領域に前記検査基板面を囲むように配置され、前記検査基板面へ向けて第2の色の光を照射する第2照射素子と、
前記第2実装面において前記第1実装面に対して前記第2照射素子が配置される場所よりも遠い領域に前記検査基板面を囲むように配置され、前記検査基板面へ向けて第3の色の光を照射する第3照射素子と、
前記検査基板面に対して斜め方向に位置する前記第1実装面近傍から前記検査基板面へ向けて所定のパターン光を照射する投光部と、
前記投光部から照射されたパターン光であって、前記検査基板面の近傍において反射したパターン光を集光可能なように前記検査基板面と対面する前記第1実装面近傍に配置され、前記検査基板面が写る画像を出力する第1カメラであって、前記第1照射素子、前記第2照射素子、及び前記第3照射素子から照射された光であって、前記検査基板面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光可能なように配置され、前記はんだ形状が写る画像を出力する第1カメラと、
前記検査基板面に対して斜め方向に位置する前記第1実装面近傍に設けられ、前記第1照射素子、前記第2照射素子、及び前記第3照射素子から照射された光であって、前記検査基板面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光可能なように配置され、前記はんだ形状が写る画像を出力する第2カメラと、を備
え、
前記第1基板の前記第1実装面の形状は8角形であり、
前記第2基板は、前記第1実装面の縁の八辺から前記第1実装面と直交する方向に延び、
前記第1基板は、前記八辺のうち、周方向に一つおきに位置する四つの辺の夫々の中央に設けられる第1切り欠き部を有し、
前記第2基板は、前記第1切り欠き部と近接する部分に前記第1切り欠き部と連通可能
に第2切り欠き部を有し、
前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部により形成される第1孔には、前記投光部及び前記第2カメラが配置可能であり、
前記第1基板は、前記八辺のうち、前記第1切り欠き部が設けられていない四つの辺の夫々の中央に設けられる第3切り欠き部を有し、
前記第2基板は、前記第1基板の前記八辺と平行に近接する辺であって、前記第2切り欠き部が設けられていない四つの辺の夫々の中央に第4切り欠き部を有し、
前記第3切り欠き部は、前記第1基板が前記第1実装面と直交する中心軸の周りに回転することで、前記第2切り欠き部と連通して前記第2カメラが配置可能な第3孔が形成されるように設けられ、
前記第4切り欠き部は、前記第1基板が前記回転した場合に、前記第1切り欠き部と連通して前記投光部が配置可能な第4孔が形成されるように設けられる、
検査装置。
【請求項2】
前記第1照射素子、前記第2照射素子、及び前記第3照射素子から照射される夫々の光を拡散させる拡散部材を更に備え、
前記拡散部材は、前記投光部と前記検査基板面とを結ぶ直線、及び前記第1カメラと前記検査基板面とを結ぶ直線に重ならないように設けられる、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記拡散部材は、前記検査基板面を覆うように設けられるドーム状の拡散板であり、
前記拡散板は、前記投光部と前記検査基板面とを結ぶ直線に重なる部分と、前記第1カメラと前記検査基板面とを結ぶ直線に重なる部分の夫々に、夫々の直線方向に沿って貫通する孔を有する、
請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記第1照射素子の照射方向と直交する方向について前記第1照射素子の配置部分と空間とを仕切る第1仕切部材と、
前記第2照射素子の配置部分と前記第3照射素子の配置部分とを仕切る第2仕切部材と、を更に備える、
請求項1から3のうち何れか一項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置から格子パターン光を被検体へ向けて照射し、該被検体を撮像装置により撮像することが行われている(例えば特許文献1-2)。より詳細には、照明装置は被検体の斜め上方に設置されている。そして、被検体表面で反射された反射光のパターンを測定する撮像装置が被検体の上方に設置されている。このような構成の場合、撮像装置により撮像された画像には、被検体の高さに関連した反射光のパターンが写ることになる。よって、パターンから基板に実装された部品の高さを解析し、部品のはんだ付けの状態を検査することができる。
【0003】
また、複数の照明装置から夫々異なる色の光を部品が実装された基板表面へ向けて照射し、部品の根元部分のはんだフィレットの形状を撮像することが行われている(例えば特許文献3)。より詳細には、照明装置が基板表面の上方に設置されている。そして、はんだフィレット部分を撮像するための撮像装置が同じく基板表面の上方に設置されている。このような構成の場合、撮像装置により撮像された画像には、はんだフィレット形状に応じた色の分布が写ることになる。よって、取得された色の分布と検査基準の色の分布とを比較することにより、はんだ不良の検査を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5847568号公報
【文献】特許第5948496号公報
【文献】特開2019-144209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献1-3を組み合わせ、基板表面にはんだ付けされた部品の高さ、及び部品のはんだフィレットの形状を解析することで、はんだ付けの状態を検査することが考えられる。ここで、特許文献1-2に開示される技術では、被検体の上方に撮像装置が配置されている。よって、撮像装置が配置されている場所に所定の色を照射する照明装置を設けることは困難と考えられる。よって、部品のはんだフィレット部分を撮像した場合に、撮像画像に写る一部の色が欠損することが考えらえる。よって、はんだ不良の検査の精度は低下すると考えられる。
【0006】
また、被検体の上方に照明装置を配置する場合、照明装置から被検体までの距離が遠く、照明装置から被検体へ到達する各色の光の光量が低下することが考えられる。よって、照明効率が低下する、又は撮像画像に照明ムラが生じることが考えられる。
【0007】
また、撮像装置及び照明装置のサイズ、数量又は配置場所が限定されることが考えられる。よって、検査装置の設計変更自由度が低下し、また検査装置の拡張性が低下することが考えられる。
【0008】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、基板表面にはんだ付けされた部品の寸法、及びはんだの形状を同時に検査可能なように構成した場合に、検査精度の低下を抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0010】
すなわち本発明の一側面に係る検査装置は、検査基板面に対して第1実装面を向けて配置され、前記第1実装面に直交する中心軸に対して前記第1実装面の形状が対称な形状の第1基板と、前記検査基板面の側方に前記検査基板を囲むように設けられ、前記第1実装面の縁から前記第1実装面と直交する方向に延びる第2基板であって、前記検査基板面に第2実装面を向けて配置される第2基板と、前記第1実装面に配置され、前記検査基板面へ向けて第1の色の光を照射する第1照射素子と、前記第2実装面において中央よりも前記第1実装面寄りの領域に前記検査基板面を囲むように配置され、前記検査基板面へ向けて第2の色の光を照射する第2照射素子と、前記第2実装面において前記第1実装面に対して前記第2照射素子が配置される場所よりも遠い領域に前記検査基板面を囲むように配置され、前記検査基板面へ向けて第3の色の光を照射する第3照射素子と、前記検査基板面に対して斜め方向に位置する前記第1実装面近傍から前記検査基板面へ向けて所定のパターン光を照射する投光部と、前記投光部から照射されたパターン光であって、前記検査基板面の近傍において反射したパターン光を集光可能なように前記検査基板面と対面する前記第1実装面近傍に配置され、前記検査基板面が写る画像を出力する第1カメラであって、前記第1照射素子、前記第2照射素子、及び前記第3照射素子から照射された光であって、前記検査基板面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光可能なように配置され、前記はんだ形状が写る画像を出力する第1カメラと、前記検査基板面に対して斜め方向に位置する前記第1実装面近傍に設けられ、前記第1照射素子、前記第2照射素子、及び前記第3照射素子から照射された光であって、前記検査基板面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光可能なように配置され、前記はんだ形状が写る画像を出力する第2カメラと、を備える。
【0011】
すなわち本発明は、第1照射素子を第1基板に、また第2照射素子及び第3照射素子を第2基板に実装した。また、本発明は、投光部と第2カメラとを同方位に配置可能とした。また、本発明は、第1基板の第1実装面の形状を多角形とすることを可能にし、投光部及び第2カメラの数量又は配置場所を任意に変更可能とした。
【0012】
ここで、検査基板面は、検査対象物における検査対象面を含む。
【0013】
当該構成によれば、第1カメラ、第2カメラによって出力される画像に基づいて検査基板面に実装された部品のはんだ形状を検査できるとともに、第1カメラによって出力される画像に写るパターン光に基づいて部品の検査基板面からの高さについても検査することができる。よって、当該構成は、基板表面にはんだ付けされた部品の寸法、及びはんだの形状を同時に検査可能である。
【0014】
また、当該構成によれば、第2カメラが前記検査基板面に対して斜め方向に配置されている。よって、検査対象物が被覆部材で覆われ、検査基板面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射し、第1カメラの集光レンズに到達する光量が低下する場合であっても、第2カメラにより検査基板面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光することができる。よって、第2カメラによりはんだ形状が写る画像を出力することができ、検査可能となる。
【0015】
また、当該構成によれば、第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子が全て検査基板と対面する第1基板に実装されておらず、第2照射素子及び第3照射素子が検査基板の側方に設けられる第2基板に実装されている。よって、第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子が全て第1基板に実装される場合と比較して、上記の照射素子から照射
され、検査基板面へ到達する光の光量の低下は抑制される。よって、照明効率が低下する、又は撮像画像に照明ムラが生じることは抑制される。
【0016】
また、第1基板近傍に第1カメラが配置可能なように第1基板における実装領域が制限された場合であっても、第2基板を利用することで第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子のうちの何れの素子も当該構成に設置可能となる。よって、第1カメラ及び第2カメラにより出力される画像に、部品に付けられたはんだ形状に応じた色の分布が写る場合、一部の色が欠損することは抑制される。よって、はんだ形状の検査精度の低下は抑制される。
【0017】
また、当該構成によれば、第1基板の形状が多角形である場合、第2基板の数は第1基板の縁の数に応じて多くなる。よって、第2基板を利用し、検査に応じて第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子のサイズを変更することができる。このような構成は、設計変更自由度を向上させ、装置の拡張性を高めることができる。よって、異なる検査に容易に対応可能となる。また、このような構成によれば、投光部及び第2カメラについて、数量又は配置場所が任意に変更可能となる。このような点からも設計変更自由度を向上させ、装置の拡張性を高めることができるといえる。よって、このような点からも異なる検査に容易に対応可能といえる。
【0018】
上記一側面に係る検査装置において、前記第1照射素子、前記第2照射素子、及び前記第3照射素子から照射される夫々の光を拡散させる拡散部材を更に備え、前記拡散部材は、前記投光部と前記検査基板面とを結ぶ直線、及び前記第1カメラと前記検査基板面とを結ぶ直線に重ならないように設けられてもよい。
【0019】
当該構成によれば、拡散部材が設けられることで、第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子から照射された夫々の光が検査基板面に直射されることは抑制される。よって、第1カメラ、第2カメラから出力されるはんだ形状が写る画像が直射光により不鮮明となることは抑制される。よって、はんだ不良の検査精度の低下は抑制される。
【0020】
また、当該構成によれば、投光部と検査基板面とを結ぶ直線、及び第1カメラと検査基板面とを結ぶ直線に重ならないように拡散部材が設けられる。よって、投光部から照射され検査基板において反射したパターン光は、拡散部材を介さずに第1カメラの集光レンズに集光される。よって、第1カメラによって出力される画像に写るパターン光は鮮明となる。よって、拡散部材が設けられることで部品の検査基板面からの高さについての検査精度が低下することは抑制される。
【0021】
上記一側面に係る検査装置において、前記拡散部材は、前記検査基板面を覆うように設けられるドーム状の拡散板であり、前記拡散板は、前記投光部と前記検査基板面とを結ぶ直線に重なる部分と、前記第1カメラと前記検査基板面とを結ぶ直線に重なる部分の夫々に、夫々の直線方向に沿って貫通する孔を有してもよい。
【0022】
当該構成によれば、ドーム状の拡散板が設けられることで、第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子から照射された夫々の光が検査基板面に直射されることは簡易に抑制される。よって、第1カメラ、第2カメラから出力される画像が直射光により不鮮明となることは簡易に抑制される。よって、はんだ不良の検査精度の低下は抑制される。
【0023】
また、当該構成によれば、投光部と検査基板面とを結ぶ直線、及び第1カメラと検査基板面とを結ぶ直線に重ならないように拡散板が設けられる。よって、投光部から照射され検査基板において反射したパターン光は、拡散板を介さずに第1カメラの集光レンズに集光される。よって、第1カメラによって出力される画像に写るパターン光は鮮明となる。
よって、ドーム状の拡散板を設けることで部品の検査基板面からの高さについての検査精度が低下することは簡易に抑制される。
【0024】
上記一側面に係る検査装置において、前記第1照射素子の照射方向と直交する方向について前記第1照射素子の配置部分と空間とを仕切る第1仕切部材と、前記第2照射素子の配置部分と前記第3照射素子の配置部分とを仕切る第2仕切部材と、を更に備えてもよい。
【0025】
当該構成によれば、第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子のうちの一方から照射される光に、第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子のうちの他方から照射される光が混ざることは抑制される。よって、第1カメラ及び第2カメラから出力される画像が不鮮明となることは抑制される。よって、はんだ不良の検査精度の低下は抑制される。
【0026】
上記一側面に係る検査装置において、前記第1基板の前記第1実装面の形状は8角形であり、前記第2基板は、前記第1実装面の縁の八辺から前記第1実装面と直交する方向に延び、前記第1基板は、前記八辺のうち、周方向に一つおきに位置する四つの辺の夫々の中央に設けられる第1切り欠き部を有し、前記第2基板は、前記第1切り欠き部と近接する部分に前記第1切り欠き部と連通可能に第2切り欠き部を有し、前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部により形成される第1孔には、前記投光部及び前記第2カメラが配置可能であってもよい。
【0027】
当該構成によれば、投光部は4つ設置可能である。よって、投光部の数が多いため、第1カメラが出力する画像に影が写ることは抑制される。よって、検査基板面からの部品の高さについての検査精度が低下することは抑制される。
【0028】
また、当該構成によれば、投光部と第2カメラとを第1孔に配置可能である。換言すれば、投光部と第2カメラとを別々の孔に配置する場合と比較して第1基板が切り欠かれる面積は低減される。よって、第1基板の剛性は向上する。また、第1基板の切り欠きを介して光が外部へ漏れることは抑制される。また、ドーム状の拡散板が切り欠かれる面積が低減される。よって、第1カメラ及び第2カメラから出力される画像に切り欠き部分に相当する影が写ることは抑制される。よって、基板検査面に照射される第1照射素子、第2照射素子、及び第3照射素子の色情報データの欠損が少なくなり、検査性能の向上につながる。
【0029】
上記一側面に係る検査装置において、前記第1基板は、前記八辺のうち、前記第1切り欠き部が設けられていない四つの辺の夫々の中央に設けられる第3切り欠き部を有し、前記第2基板は、前記第1基板の前記八辺と平行に近接する辺であって、前記第2切り欠き部が設けられていない四つの辺の夫々の中央に第4切り欠き部を有し、前記第3切り欠き部は、前記第1基板が前記第1実装面と直交する中心軸の周りに回転することで、前記第2切り欠き部と連通して前記第2カメラが配置可能な第3孔が形成されるように設けられ、前記第4切り欠き部は、前記第1基板が前記回転した場合に、前記第1切り欠き部と連通して前記投光部が配置可能な第4孔が形成されるように設けられてもよい。
【0030】
当該構成によれば、第1基板を第1実装面と直交する中心軸の周りに回転させることで、第4孔に投光部を、第3孔に第2カメラを夫々設置することができる。つまり、投光部と第2カメラとを異なる別々の場所に配置することが可能となる。よって、例えば投光部が2つ設置される場合に、第2カメラが出力する画像に影が写ることは抑制される。よって、検査基板面に実装された部品のはんだ形状の検査精度が低下することは抑制される。また、投光部の数が4つ設置される場合であっても、投光部の数が2つ設置される場合で
あっても、第1実装面と直交する中心軸の周りに回転させることで、第1基板を2つの場合において共通して使用することができる。このような構成は流用性が高く便利である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、基板表面にはんだ付けされた部品の寸法、及びはんだの形状を同時に検査可能なように構成した場合に、検査精度の低下を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検査装置の概要を示している。
【
図2】
図2は、検査装置の断面図の一例を示している。
【
図3】
図3は、変形例に係る検査装置の概要を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0034】
§1 構成例
[ハードウェア構成]
図1は、本実施形態に係る検査装置100の概要を示している。また、
図2は、
図1における断面図の一例を示している。検査装置100は、赤、青、及び緑色の光を検査基板4の表面にはんだ付けされた部品に向けて照射する。そして、部品の根元部分のはんだフィレットにおいて反射した光を集光することではんだフィレットの像を取得し、はんだ付けの状態を検査する。また、検査装置100は、部品を含む検査基板4の表面方向にプロジェクタ7から縞模様の光を照射する。そして、部品を含む検査基板4の表面において反射された光を集光することで、部品の高さに関連した反射光のパターンを取得することができる。そして、取得した反射光のパターンを解析することで部品の高さを検査する。なお、以降の説明において上下方向及び左右方向とは、
図2における方向を表すものとする。
【0035】
より詳細には、検査装置100は、撮像メイン基板1と、照明LED基板2と、を備える。撮像メイン基板1は、自身に直交する中心軸に対して対称な8角形の形状である。そして、撮像メイン基板1の八つの辺の夫々から該撮像メイン基板1の実装面に対して直交する方向に実装面が来るように照明LED基板2は配置される。そして、撮像メイン基板1と、照明LED基板2とで囲まれる内部空間に被検体としての検査基板4が配置される(
図2)。なお、以降の説明において、内部空間に露出している撮像メイン基板1の面を撮像メイン基板1の実装面と呼ぶ。同様にして、内部空間に露出している照明LED基板2の面を照明LED基板2の実装面と呼ぶ。また、検査基板4の実装面には、はんだ付けされた部品が設置されている。なお、撮像メイン基板1は、本発明の「第1基板」の一例である。また、照明LED基板2は、本発明の「第2基板」の一例である。
【0036】
また、検査装置100は、LED3Aを備える。LED3Aは、
図2に示されるように撮像メイン基板1の実装面に設けられる。LED3Aは、検査基板4の方向へ向けて赤色の光を照射する。なお、LED3Aは、本発明の「第1照射素子」の一例である。また、赤色は、本発明の「第1の色」の一例である。
【0037】
また、検査装置100は、LED3Bを備える。LED3Bは、
図2に示されるように
照明LED基板2の実装面かつ内部空間の上部に設けられる。LED3Bは、検査基板4の方向へ向けて緑色の光を照射する。なお、LED3Bは、本発明の「第2照射素子」の一例である。また、緑色は、本発明の「第2の色」の一例である。
【0038】
また、検査装置100は、LED3Cを備える。LED3Cは、
図2に示されるように照明LED基板2の実装面かつ内部空間の下部に設けられる。LED3Cは、検査基板4の方向へ向けて青色の光を照射する。なお、LED3Cは、本発明の「第3照射素子」の一例である。また、青色は、本発明の「第3の色」の一例である。
【0039】
また、検査装置100は、仕切板13A及び10Bを備える。仕切板13Aは、LED3Aが撮像メイン基板1に実装される場所を囲むように撮像メイン基板1の実装面に直交して設けられる。また、仕切板13Bは、LED3BとLED3Cとが夫々実装される照明LED基板2の場所を仕切るように照明LED基板2の実装面に直交して設けられる。このような仕切板13A、10Bにより、LED3A、3B、3Cのうちの一方から照射される光に他方のLED3A、3B、3Cから照射される光が混ざることは抑制される。なお、仕切板13Aは、本発明の「第1仕切部材」の一例である。また、仕切板13Bは、本発明の「第2仕切部材」の一例である。
【0040】
また、検査装置100は、拡散板5を備える。拡散板5は、
図2に示されるようにドーム状であり、検査基板4を覆うように配置される。拡散板5は、LED3A、3B、3Cの夫々から照射された光を拡散させる。よって、LED3A、3B、3Cの夫々から照射された光は、多方向から万遍なく検査基板4に到達することになる。
【0041】
また、検査装置100は、LED・プロジェクタ用カメラ6を備える。
図1及び
図2に示されるようにLED・プロジェクタ用カメラ6は、撮像メイン基板1の中央部分に配置され、集光レンズが検査基板4の方向を向くように配置される。そして、LED・プロジェクタ用カメラ6の集光レンズには、LED3A、3B、3Cの夫々から照射された光であって、検査基板4に実装される部品の根元部分のはんだフィレットにおいて反射した光が入射する。なお、撮像メイン基板1の中央部分には、検査基板4から反射された光が通過するための孔11が設けられている。また、LED・プロジェクタ用カメラ6の集光レンズには、4つのプロジェクタ7(後述する)から照射されたパターン光であって、検査基板4及び検査基板4に実装される部品において反射したパターン光が入射する。なお、LED・プロジェクタ用カメラ6は、本発明の「第1カメラ」の一例である。
【0042】
また、検査装置100は、プロジェクタ7を備える。
図1に示されるように、プロジェクタ7は、検査基板4に対して斜め上方であって撮像メイン基板1の縁部分に配置される。ここで、プロジェクタ7は、撮像メイン基板1の実装面に直交する中心軸の周りに90度ごとに4つ設けられている。そして、4つのプロジェクタ7の夫々から検査基板4の方向へ光が照射される。また、照射される光は、例えば照射方向に対して直交する面において縞状のパターンとなるようにプロジェクタ7内において生成される。なお、8角形状の撮像メイン基板1の各辺から中央部分へ向けて、プロジェクタ7から照射される光が通過するための切り欠き8が設けられている。また、切り欠き8を通過した照射光を通過させるために、プロジェクタ7の夫々の光照射部と検査基板4とを結ぶ線上であって、ドーム状の拡散板5の斜め上部には、線に沿って開口する4つの孔15が設けられている。また、拡散板5の上部には、撮像メイン基板1の孔11と連通し、LED・プロジェクタ用カメラ6と検査基板4とを結ぶ線に沿って開口する孔が設けられている。なお、プロジェクタ7は、本発明の「投光部」の一例である。また、切り欠き8は、本発明の「第1切り欠き部」の一例である。
【0043】
また、検査装置100は、LED用カメラ9を備える。
図1及び
図2に示されるように
LED用カメラ9は、検査基板4に対して斜め上方であって4つのプロジェクタ7の夫々の近傍に配置される。4つのLED用カメラ9の集光レンズには、LED3A、3B、3Cの夫々から照射された光であって、検査基板4に実装される部品の根元部分のはんだフィレットにおいて反射した光が入射する。なお、
図1に示されるように、切り欠き8の近傍の照明LED基板2の縁部分には、切り欠き8と繋がる切り欠き10が設けられている。そして、切り欠き8及び切り欠き10により形成される孔を介して当該反射光はLED用カメラ9の夫々の集光レンズに入射する。なお、切り欠き8と近接していない照明LED基板2の縁には、切り欠き10と同形状の切り欠き10Aが設けられている。そして、撮像メイン基板1において、切り欠き10Aの近接する縁には、切り欠き10Aと連通する切り欠き12が設けられている。つまり、切り欠き12及び切り欠き10Aにより形成される孔近傍にLED用カメラ9を配置した場合であっても、LED3A、3B、3Cの夫々から照射された光であって、検査基板4に実装される部品の根元部分のはんだフィレットにおいて反射した光を、LED用カメラ9の集光レンズにより集光可能である。なお、切り欠き(10、10A)及び切り欠き12のサイズは、プロジェクタ7から照射される光が通過する切り欠き8より小さいサイズである。なお、LED用カメラ9は、本発明の「第2カメラ」の一例である。また、切り欠き10は、本発明の「第2切り欠き部」の一例である。また、切り欠き12は、本発明の「第3切り欠き部」の一例である。また、切り欠き10Aは、本発明の「第4切り欠き部」の一例である。
【0044】
[作用・効果]
また、上記のような検査装置100によれば、LED・プロジェクタ用カメラ6によって出力される画像に写るパターン光に基づいて検査基板4の実装面からの部品の高さについても検査することができる。また、LED・プロジェクタ用カメラ6及びLED用カメラ9によって出力される画像に基づいて、検査基板4に実装された部品のはんだフィレットの状態を検査できる。よって、このような検査装置100は、検査基板4の実装面にはんだ付けされた部品の高さ、及び該部品のはんだフィレットの形状を同時に検査可能である。
【0045】
また、上記のような検査装置100によれば、LED3A、3B、3Cが検査基板4に対面する撮像メイン基板1に全て実装されておらず、LED3B、3Cが検査基板4の実装面の側方に配置される照明LED基板2に実装されている。よって、LED3A、3B、3Cが全て撮像メイン基板1に実装される場合と比較して、LED3A、3B、3Cから照射され、検査基板4の実装面へ到達する光の光量の低下は抑制される。よって、照明効率が低下する、又は撮像画像に照明ムラが生じることは抑制される。
【0046】
また、上記のような検査装置100によれば、撮像メイン基板1の中央部分には、検査基板4から反射された光が通過するための孔11が設けられている。よって、撮像メイン基板1における実装領域は、孔11が配置される場所以外に制限されることになる。しかしながら、上記のような検査装置100によれば、照明LED基板2にLED3B、3Cが実装されている。よって、孔11により撮像メイン基板1における実装領域が制限されていても、LED3A、3B、3CのいずれのLEDも設置可能となる。よって、LED・プロジェクタ用カメラ6及びLED用カメラ9により出力される画像に部品のはんだフィレットの形状に応じた色の分布が写ることになるが、当該分布においてLED3A、3B、3Cから照射される光の一部の色が欠損することは抑制される。よって、はんだ不良の検査精度の低下は抑制される。
【0047】
また、上記のような検査装置100によれば、LED3A、3B、3Cから照射された夫々の光が拡散板5によって拡散される。よって、検査基板4の実装面にこれらの光が直射されることは簡易に抑制される。よって、LED・プロジェクタ用カメラ6及びLED用カメラ9から出力される画像にムラやダマなどが写ることは簡易に抑制される。よって
、はんだ不良の検査精度の低下は簡易に抑制される。
【0048】
また、上記のような検査装置100によれば、プロジェクタ7から照射されたパターン光は、拡散板5の孔15を通過して検査基板4に入射される。そして、検査基板4において反射したパターン光は、拡散板5の上部に設けられた孔及び撮像メイン基板1に設けられた孔11を通過してLED・プロジェクタ用カメラ6の集光レンズに集光される。よって、LED・プロジェクタ用カメラ6によって出力される画像に写るパターン光は鮮明となる。よって、拡散板5を設けることで部品の検査基板4の実装面からの高さについての検査精度が低下することは簡易に抑制される。
【0049】
また、上記のような検査装置100によれば、仕切板13A、10BによりのLED3A、3B、3Cのうちの一方から照射される光に、LED3A、3B、3Cのうちの他方から照射される光が混ざることは抑制される。よって、LED・プロジェクタ用カメラ6及びLED用カメラ9から出力される画像が不鮮明となることは抑制される。よって、はんだ不良の検査精度の低下は抑制される。
【0050】
また、上記のような検査装置100によれば、プロジェクタ7は4つ設置されている。よって、プロジェクタ7の数が多いため、LED・プロジェクタ用カメラ6が出力する画像に影が写ることは抑制される。よって、検査基板4の実装面からの部品の高さについての検査精度が低下することは抑制される。
【0051】
また、上記のような検査装置100によれば、プロジェクタ7とLED用カメラ9とを切り欠き8および切り欠き10により形成される孔に配置している。換言すれば、プロジェクタ7とLED用カメラ9とを別々の孔に配置する場合と比較して撮像メイン基板1が切り欠かれる面積は低減される。よって、撮像メイン基板1の剛性は向上する。また、撮像メイン基板1の切り欠きを介して光が外部へ漏れることは抑制される。また、拡散板5の切り欠き面積は低減されるため、LED・プロジェクタ用カメラ6及びLED用カメラ9から出力される画像に切り欠き部分に相当する影が写ることは抑制される。よって、検査基板4に照射されるLED3A、3B、3Cの色情報データの欠損が少なくなり、検査性能の向上につながる。
【0052】
また、上記のような検査装置100によれば、8枚の照明LED基板2を利用することで、検査に応じてLED3A、3B、3Cのサイズを変更することができる。このような検査装置100は、設計変更自由度を向上させ、検査装置100の拡張性を高めることができる。よって、異なる検査に容易に対応可能となる。
【0053】
また、上記のような検査装置100によれば、LED用カメラ9が検査基板4に対して斜め方向に配置されている。よって、検査基板4に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射し、LED・プロジェクタ用カメラ6の集光レンズに到達する光量が低下する場合であっても、LED用カメラ9により検査基板4に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光することができる。よって、LED用カメラ9によりはんだ形状が写る画像を出力することができ、検査可能となる。
【0054】
§2 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0055】
図3は、変形例に係る検査装置100Aの概要を示している。
図3に示されるように、検査装置100Aは、検査装置100の撮像メイン基板1を撮像メイン基板1の実装面と直交する中心軸の周りに45度回転させる。つまり、検査装置100では、切り欠き8と切り欠き10とが一つの孔を形成していたが、検査装置100Aでは、切り欠き8と切り欠き10Aとが一つの孔を形成することになる。また、検査装置100では、切り欠き12と切り欠き10Aとが一つの孔を形成していたが、検査装置100Aでは、切り欠き12と切り欠き10とが一つの孔を形成することになる。
【0056】
また、検査装置100Aは、2つのプロジェクタ7を備える。2つのプロジェクタ7は、検査基板4に対して斜め上方であって撮像メイン基板1の実装面と直交する中心軸に対して対称に配置される。そして、プロジェクタ7から照射される光は、切り欠き8と切り欠き10Aとが形成する孔を通過する。また、検査装置100Aは4つのLED用カメラ9を備える。LED用カメラ9は、検査基板4に対して斜め上方であって切り欠き12と切り欠き10とが形成する孔に配置される。つまり、LED用カメラ9は、プロジェクタ7から光軸をずらして、撮像メイン基板1の実装面と直交する中心軸の周りに対称に4つ配置される。このように配置された夫々のLED用カメラ9の集光レンズに、検査基板4及び検査基板4に実装される部品において反射した光が集光される。
【0057】
[作用・効果]
プロジェクタ7が2つ配置される場合、プロジェクタ7の配置場所近傍にLED用カメラ9を設けると、LED用カメラ9により撮像されて出力される撮像画像には、影が写ることが考えられる。しかしながら、上記のような検査装置100Aによれば、プロジェクタ7とLED用カメラ9とを異なる別々の場所に配置している。よって、LED用カメラ9が出力する画像に影が写ることは抑制される。よって、検査基板4の実装面からの高さについての検査精度が低下することは抑制される。また、プロジェクタ7とLED用カメラ9とを同一(検査装置100)あるいは別々の場所(検査装置100A)に配置可能な撮像メイン基板1は、設計変更自由度の高い基板といえる。このような撮像メイン基板1は、検査装置100Aの拡張性を高めることができる。よって、異なる検査に容易に対応可能となる。
【0058】
また、上記のような検査装置100Aによれば、検査装置100の撮像メイン基板1を撮像メイン基板1の実装面と直交する中心軸の周りに45度回転させて使用している。つまり、プロジェクタ7の数が4つの場合であっても、プロジェクタ7の数が2つの場合であっても、撮像メイン基板1を共通して使用することができる。このような検査装置100Aに備わる撮像メイン基板1は流用性が高く便利な基板と言える。
【0059】
また、上記のように撮像メイン基板1を回転することで、検査に応じてプロジェクタ7又はLED用カメラ9について、数量又は配置を変更したい場合に容易に対応することができる。このような検査装置100は、拡張性が高く、異なる検査に容易に対応可能である。
【0060】
<その他変形例>
上記の検査装置100の撮像メイン基板1では、切り欠き12と切り欠き10Aとが設けられていたが、これらの切り欠きは設けられていなくてもよい。このような場合、撮像メイン基板1に設けられる孔は、切り欠き8と切り欠き10とが形成する孔のみであるので、その数は4つとなる。また、撮像メイン基板1の剛性は向上する。また、LED3A、3B、3Cから検査基板4の実装面へ向けて照射された光や、プロジェクタ7から検査基板4の実装面へ向けて照射された光が当該孔を介して検査装置100の外部へ漏れることは抑制される。
【0061】
また、本実施形態では、拡散部材の一例としてドーム状の拡散板5が例示されているが、拡散部材の形態は拡散板5に限定されない。拡散部材は、LED3A、3B、3Cの夫々から照射される光を拡散させ、プロジェクタ7と検査基板4とを結ぶ線、及びLED・プロジェクタ用カメラ6と検査基板4とを結ぶ線に重ならないように配置されていればよい。また、拡散板5が配置されていなくともよい。また、仕切板13A、13Bは設けられていなくともよい。また、LED3A、3B、3Cの夫々から照射される光の色は、上記の実施形態に限定されない。
【0062】
また、上記の実施形態では、撮像メイン基板1の形状として8角形の形状が例示されているが、8角形に限定されず、自身に直交する回転軸に対して対称な形状であればよく、例えば5角形や16角形といった多角形や円盤状の基板であってもよい。このような撮像メイン基板1の形状によれば、照明LED基板2の枚数が例えば5枚や16枚となるため、照明LED基板2を利用し、検査に応じてLED3A、3B、3Cのサイズを変更することができる。また、検査に応じてプロジェクタ7又はLED用カメラ9の数量又は配置が変更可能である。このような検査装置100は、設計変更自由度を向上させ、検査装置100の拡張性を高めることができる。よって、異なる検査に容易に対応可能である。
拡張性が高いため、利便性の高い構成であるといえる。
【0063】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【0064】
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<付記1>
検査基板(4)面に対して第1実装面を向けて配置され、前記第1実装面に直交する中心軸に対して前記第1実装面の形状が対称な形状の第1基板(1)と、
前記検査基板(4)面の側方に前記検査基板(4)を囲むように設けられ、前記第1実装面の縁から前記第1実装面と直交する方向に延びる第2基板(2)であって、前記検査基板(4)面に第2実装面を向けて配置される第2基板(2)と、
前記第1実装面に配置され、前記検査基板(4)面へ向けて第1の色の光を照射する第1照射素子(3A)と、
前記第2実装面において中央よりも前記第1実装面寄りの領域に前記検査基板(4)面を囲むように配置され、前記検査基板(4)面へ向けて第2の色の光を照射する第2照射素子(3B)と、
前記第2実装面において前記第1実装面に対して前記第2照射素子(3B)が配置される場所よりも遠い領域に前記検査基板(4)面を囲むように配置され、前記検査基板(4)面へ向けて第3の色の光を照射する第3照射素子(3C)と、
前記検査基板(4)面に対して斜め方向に位置する前記第1実装面近傍から前記検査基板(4)面へ向けて所定のパターン光を照射する投光部(7)と、
前記投光部(7)から照射されたパターン光であって、前記検査基板(4)面の近傍において反射したパターン光を集光可能なように前記検査基板(4)面と対面する前記第1実装面近傍に配置され、前記検査基板(4)面が写る画像を出力する第1カメラ(6)であって、前記第1照射素子(3A)、前記第2照射素子(3B)、及び前記第3照射素子(3C)から照射された光であって、前記検査基板(4)面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光可能なように配置され、前記はんだ形状が写る画像を出力する第1カメラ(6)と、
前記検査基板(4)面に対して斜め方向に位置する前記第1実装面近傍に設けられ、前記第1照射素子(3A)、前記第2照射素子(3B)、及び前記第3照射素子(3C)から照射された光であって、前記検査基板(4)面に実装された部品に付けられたはんだにおいて反射した光を集光可能なように配置され、前記はんだ形状が写る画像を出力する第2カメラ(9)と、を備える、
検査装置(100、100A)。
<付記2>
前記第1照射素子(3A)、前記第2照射素子(3B)、及び前記第3照射素子(3C)から照射される夫々の光を拡散させる拡散部材(5)を更に備え、
前記拡散部材(5)は、前記投光部(7)と前記検査基板(4)面とを結ぶ直線、及び前記第1カメラ(6)と前記検査基板(4)面とを結ぶ直線に重ならないように設けられる、
付記1に記載の検査装置(100、100A)。
<付記3>
前記拡散部材(5)は、前記検査基板(4)面を覆うように設けられるドーム状の拡散板(5)であり、
前記拡散板(5)は、前記投光部(7)と前記検査基板(4)面とを結ぶ直線に重なる部分と、前記第1カメラ(6)と前記検査基板(4)面とを結ぶ直線に重なる部分の夫々に、夫々の直線方向に沿って貫通する孔を有する、
付記2に記載の検査装置(100、100A)。
<付記4>
前記第1照射素子(3A)の照射方向と直交する方向について前記第1照射素子(3A)の配置部分と空間とを仕切る第1仕切部材(13A)と、
前記第2照射素子(3B)の配置部分と前記第3照射素子(3C)の配置部分とを仕切る第2仕切部材(13B)と、を更に備える、
付記1から3のうち何れか一項に記載の検査装置(100、100A)。
<付記5>
前記第1基板(1)の前記第1実装面の形状は8角形であり、
前記第2基板(2)は、前記第1実装面の縁の八辺から前記第1実装面と直交する方向に延び、
前記第1基板(1)は、前記八辺のうち、周方向に一つおきに位置する四つの辺の夫々の中央に設けられる第1切り欠き部(8)を有し、
前記第2基板(2)は、前記第1切り欠き部(8)と近接する部分に前記第1切り欠き部(8)と連通可能に第2切り欠き部(10)を有し、
前記第1切り欠き部(8)及び前記第2切り欠き部(10)により形成される第1孔には、前記投光部(7)及び前記第2カメラ(9)が配置可能である、
付記1から4のうち何れか一項に記載の検査装置(100、100A)。
<付記6>
前記第1基板(1)は、前記八辺のうち、前記第1切り欠き部(8)が設けられていない四つの辺の夫々の中央に設けられる第3切り欠き部(12)を有し、
前記第2基板(2)は、前記第1基板(1)の前記八辺と平行に近接する辺であって、前記第2切り欠き部(10)が設けられていない四つの辺の夫々の中央に第4切り欠き部(10A)を有し、
前記第3切り欠き部(12)は、前記第1基板(1)が前記第1実装面と直交する中心軸の周りに回転することで、前記第2切り欠き部(10)と連通して前記第2カメラ(9)が配置可能な第3孔が形成されるように設けられ、
前記第4切り欠き部(10A)は、前記第1基板(1)が前記回転した場合に、前記第1切り欠き部(8)と連通して前記投光部(7)が配置可能な第4孔が形成されるように設けられる、
付記5に記載の検査装置(100、100A)。
【符号の説明】
【0065】
1 :撮像メイン基板
2 :照明LED基板
3A、3B、3C :LED
4 :検査基板
5 :拡散板
6 :LED・プロジェクタ用カメラ
7 :プロジェクタ
8 :切り欠き
9 :LED用カメラ
10、10A :切り欠き
11 :孔
12 :切り欠き
13A、13B :仕切板
15 :孔
100、100A :検査装置