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特許7452208画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラム
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  • 特許-画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240312BHJP
   G03G 15/22 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G03G21/00 500
G03G15/22 103Z
G03G21/00 386
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020069214
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021165801
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山室 達郎
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-134847(JP,A)
【文献】特開2015-043024(JP,A)
【文献】特開2015-018126(JP,A)
【文献】特開2018-079581(JP,A)
【文献】特開2015-065647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいてシートに画像を形成する画像形成部と、
前記シートに形成された画像を読み取って読取画像を取得する読取部と、
前記読取画像に基づいて、前記シートに形成された画像の検査を行う制御部と、
を備える画像形成装置であって、
前記制御部は
前記画像形成部による画像形成後のシートに対し、追加で形成される画像の追加画像データを取得し、前記追加画像データに基づいて、前記追加で形成される画像の追加領域に関する前記読取画像の検査を制御する
画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記追加領域外について、前記読取画像に基づく検査を実施する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像の追加形成において形成される画像の透明度を取得し、
前記取得した透明度が所定値以下である場合に、前記追加領域外についてのみ前記読取画像に基づく検査を実施する
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記検査の結果に基づいて、前記画像形成後のシートを排出する排出経路を切り替える切替制御部を有する
請求項1~3のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記画像の追加形成において形成される画像の透明度を取得し、
前記取得した透明度が所定値以下の前記追加領域内のみに画像不良を検知した場合と、それ以外の領域に画像不良を検知した場合とで、前記画像形成後のシートを排出する排出経路を切り替える切替制御部を有する
請求項1~4のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記画像の追加形成において形成される画像の透明度を取得し、
前記画像の透明度に応じて、前記読取画像に基づく検査のレベルを制御する
請求項1~5のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像の追加形成は、複数種類の画像を形成する工程であり、
前記制御部は、
前記複数種類の画像形成のそれぞれの追加形成が施される各追加領域について、前記読取画像に基づく検査の実施を制御する
請求項1~6のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記追加領域を示す画像を形成する
請求項1~7のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記画像の追加形成において形成される画像の透明度を取得し、
前記取得した透明度が所定値以下の前記追加領域を示す画像を形成する
請求項1~8のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部が形成した前記追加領域を示す画像を表示する表示部を備えた
請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部で制御された前記読取画像の検査結果を表示する表示部を備えた
請求項1~10のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記画像データに対応するレイヤーとは異なるレイヤーとして、前記追加画像データを取得する
請求項1~11のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記画像データに対応するファイルとは異なるファイルとして、前記追加画像データを取得する
請求項1~11のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像の追加形成においては、箔加工による箔画像の形成が実施される
請求項1~13のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像の追加形成においては、塗布加工による塗布画像の形成が実施される
請求項1~13のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
画像形成装置によってシートに形成された画像の検査を行う画像検査装置であって、
前記シートに形成された画像を読み取った読取画像と、前記画像が形成されたシートに対して追加で形成される画像の追加画像データとを取得し、前記追加画像データに基づいて、前記追加で形成される画像の追加領域に関する前記読取画像の検査を制御する制御部を備えた
画像検査装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記読取画像を、前記読取画像に対応する基準画像と比較することで、前記シートに形成された画像の画像不良を検出する画像検査部と、
前記画像検査部で検出した画像不良の発生領域が、前記追加領域外である場合に、前記画像形成装置で形成された画像を不良画像と判断する判断部とを備えた
請求項16に記載の画像検査装置。
【請求項18】
画像形成装置によってシートに形成された画像の検査を行う画像検査方法であって、
前記シートに形成された画像を読み取った読取画像と、前記画像が形成されたシートに対して追加で形成される画像の追加画像データとを取得し、
前記追加画像データに基づいて、前記追加で形成される画像の追加領域に関する前記読取画像の検査を制御する
画像検査方法。
【請求項19】
画像形成装置によってシートに形成された画像の検査を行うための画像検査プログラムであって、
制御部に対し、前記シートに形成された画像を読み取った読取画像と、前記画像が形成されたシートに対して追加で形成される画像の追加画像データとを取得させ、前記追加画像データに基づいて、前記追加で形成される画像の追加領域に関する前記読取画像の検査を制御させる
画像検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一枚の記録媒体上に、印刷画像と箔押画像とを形成する画像形成方法がある。このような画像形成方法を実施する画像形成システムの一例として、下記特許文献1に記載のものがある。この特許文献1には、「画像形成システムは、給紙装置、画像形成装置、箔押し装置、および後処理装置を備える。画像形成装置は、画像データに基づいて、記録材である用紙上に画像を形成する。箔押し装置は、用紙上に形成されたトナーによる箔押し用画像を接着剤として使用し、用紙上に箔を転写して箔画像を形成する。」と記載されている。
【0003】
またトナー画像を形成する画像形成装置には、画像形成装置で形成したトナー画像を基準画像と比較することによって、汚れの付着のような画像欠陥を検出する画像検査部が備えられている。この場合、画像検査部において画像欠陥を有すると判断された記録媒体は、別トレイに排出される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-194639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような画像形成装置を備えた画像形成システムにおいて、トナー画像を形成した記録媒体上に、追加で箔画像を形成する場合、追加で箔画像を形成する前に、トナー画像が形成された記録媒体の画像検査が実施される。このため、検査した記録媒体が汚れの付着のような画像欠陥を有する場合には、その記録媒体ヤレ媒体として排除し、画像欠陥のない記録媒体に対してのみ箔画像の形成が行われることになる。
【0006】
しかしながら、トナー画像の形成において記録媒体上に付着した汚れは、次に形成される箔画像で覆われ、最終的な画像では目視されない場合もある。この場合、箔画像を形成した最終的な画像に欠陥が表れない記録媒体であるにも関わらず、トナー画像に汚れが発見された記録媒体は、画像欠陥を有するヤレ媒体として排除されていた。
【0007】
そこで本発明は、画像が形成されたシートに追加で画像を形成する場合に、ヤレ媒体として排除されるシート枚数を抑えてシートの利用効率の向上を図ることが可能な画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明は、画像データに基づいてシートに画像を形成する画像形成部と、前記シートに形成された画像を読み取って読取画像を取得する読取部と、前記読取画像に基づいて、前記シートに形成された画像の検査を行う制御部と、を備える画像形成装置であって、前記制御部は、前記画像形成部による画像形成後のシートに施される画像の追加形成に対応する追加画像データを取得し、前記追加画像データに基づいて、前記画像の追加形成が施される追加領域に関する前記読取画像の検査を制御する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像が形成されたシートに追加で画像を形成する場合に、ヤレ媒体として排除されるシート枚数を抑えてシートの利用効率の向上を図ることが可能な画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を有する画像形成システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置を有する画像形成システムにおいて形成される画像の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成システムが有する画像データ処理装置のブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る画像形成システムが有する画像データ処理装置の機能構成図である。
図5】本発明の実施形態に係る画像形成システムが有する画像形成装置のブロック図である。
図6】画像形成装置が有する制御部の機能構成図である。
図7】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像データ処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像データ処理を説明するための図(その1)である。
図9】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像データ処理を説明するための図(その2)である。
図10】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を示すフローチャート(その1)である。
図11】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を示すフローチャート(その2)である。
図12】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を説明するための図(その1)である。
図13】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を説明するための図(その2)である。
図14】本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を説明するための図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の画像形成装置、画像検査装置、画像検査方法、および画像検査プログラムを実施するための形態を、図面に基づいて説明する。なお以下の説明において、各図に共通の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
≪画像形成システム≫
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置30を有する画像形成システム1の概略構成図である。この図に示す画像形成システム1は、画像データ入力装置10と、画像データ処理装置20と、画像形成装置30と、箔加工装置40とを備え、記録媒体としてのシートSの一主面上に画像を形成する。
【0013】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置30を有する画像形成システム1において形成される画像の一例を示す図である。図2に示すように、画像形成システム1を用いて形成するシートSの一主面上に形成する画像[Pc]は、画像形成装置30を用いて形成する印刷画像[pt]、および箔加工装置40を用いて形成する箔画像[pf]のうちの少なくとも一方である。
【0014】
このうち箔画像[pf]の中には、不透明箔を用いたことにより下地が透けない不透明箔画像[pf1]と、透明箔を用いたことにより下地が透けて見える透明箔画像[pf2]がある。
【0015】
以下、このような画像を形成するための図1および図2を参照し、画像形成システム1の各構成要素を説明する。
【0016】
<画像データ入力装置10>
画像データ入力装置10は、画像形成システム1を用いてシートSに形成する画像に関するデータを入力するためのものである。シートSに形成する画像[Pc]として、印刷画像[pt]および箔画像[pf]の両方を形成する場合、画像データ入力装置10には、印刷画像[pt]に関する印刷画像データ[Dp]と、箔画像[pf]に関する箔データ[Df]との両方が入力される。このうち印刷画像データ[Dp]は、ファイル形式が限定されることはなく、例えばPDFデータであってよい。また箔データ[Df]は、追加画像データであって、例えばTIFFデータのように、画像データの他、箔の色、種類、透明度などの情報を含むことが可能なファイル形式のデータであることとする。
【0017】
このような画像データ入力装置10は、一般的なパーソナルコンピューターなどの端末装置であってよく、通信機能を有することが好ましい。画像データ入力装置10は、入力された画像データを、画像データ処理装置20に送信する。なお、画像データ入力装置10は、画像形成システム1の構成要素である必要はなく、外部装置であってもよい。
【0018】
<画像データ処理装置20>
画像データ処理装置20は、画像データ入力装置10から送信された印刷画像データ[Dp]および箔データ[Df]のデータ処理を実施し、処理したデータを画像形成装置30と箔加工装置40に送信する。なお、この画像データ処理装置20は、上述した画像データ入力装置10を兼ねるものであってもよく、次に説明する画像形成装置30の一部を構成するものであってもよい。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成システムが有する画像データ処理装置20のブロック図である。この図に示すように、画像データ処理装置20は、操作表示部21、CPU(Central Processing Unit)22、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などのメモリ23、HDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶部24を備える。また画像データ処理装置20は、通信部25を備える。このような画像データ処理装置20は、一般的なパーソナルコンピューターなどの端末装置であってよく、入出力端子を有していてもよい。
【0020】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成システムが有する画像データ処理装置20の機能構成図である。この図に示すように、画像データ処理装置20は、機能要素として箔データ抽出部20a、不透明箔データ抽出部20b、印刷画像データ処理部20c、箔データ処理部20d、およびデータ送信制御部20eを有する。これらの各機能要素によって実行される手順は、メモリ23に保存されたプログラム、または外部装置からメモリ23または記憶部24にロードされて保存されたプログラムであることとする。以下、これらの各機能要素を、図4および図5に基づいて説明する。
【0021】
[箔データ抽出部20a]
箔データ抽出部20aは、画像データ入力装置10から送信された画像データの中に、追加画像データとしての箔データ[Df]が含まれているか否かを判断する。そして、箔データ[Df]が含まれている場合には、箔データ[Df]を抽出する。この箔データ抽出部20aによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0022】
[不透明箔データ抽出部20b]
不透明箔データ抽出部20bは、箔データ抽出部20aが抽出した箔データ[Df]の中から、不透明箔に関する箔データ[Dfa]を抽出し、抽出した不透明箔に関する箔データ[Dfa]を記憶部24に登録する。この不透明箔データ抽出部20bによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0023】
[印刷画像データ処理部20c]
印刷画像データ処理部20cは、画像データ入力装置10から送信された画像データの中の印刷画像データ[Dp]を、次に説明する画像形成装置30で取り扱いできる形式のデータに変換するための処理を必要に応じて実施する。この場合、印刷画像データ[Dp]をRIP(Raster Image Processor)処理することで、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]を作成する。この印刷画像データ処理部20cによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0024】
[箔データ処理部20d]
箔データ処理部20dは、記憶部24に登録された不透明箔に関する箔データ[Dfa]を、次に説明する画像形成装置30で取り扱いできる形式のデータに変換するための処理を必要に応じて実施する。ここでは、不透明箔に関する箔データ[Dfa]を、リップ処理することで、リップ処理済みの不透明箔データ[rDfa]を作成する。この箔データ処理部20dによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。なお上述したように、箔データ[Df]は、画像データの他、箔の色、種類、透明度などの情報を含むが、この箔データ処理部20dにおいては、箔データ[Df]が有する画像データのRIP処理を実施する。
【0025】
[データ送信制御部20e]
データ送信制御部20eは、通信部25による画像形成装置30および箔加工装置40へのデータの送信を制御する。このデータ送信制御部20eによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0026】
<画像形成装置30>
図1に戻り、画像形成装置30は、画像データ処理装置20から送付されたRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]に基づく画像形成処理を実施し、シートSに印刷画像[pt]を形成する。またこの画像形成装置30は、シートSに形成した印刷画像[pt]の画像検査を実施する。
【0027】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成システムが有する画像形成装置30のブロック図である。この図に示すように、画像形成装置30は、操作表示部31、画像形成部32、画像読取部33、排出トレイ切替部34、および制御部35を備える。これらは、次のようなものである。
【0028】
[操作表示部31]
操作表示部31は、この画像形成装置30を用いて実施される画像形成ジョブの設定、印刷画像を形成したシートSを排出するトレイの指定などを入力し、また入力のための操作の内容や画像検査のための表示を実施する部分である。シートSの排出先となるトレイは、良品トレイと不良品トレイとであり、さらに操作表示部31での設定により、サブトレイが追加される。
【0029】
このような操作表示部31は、例えば表示部と操作部とを一体に設けたタッチパネルや、さらに追加の操作部を備えていてもよい。なお、このような操作表示部31での操作は、画像形成装置30との間でデータの受け渡しのための通信が可能なパーソナルコンピューターや、プリンターコントローラーなどの外部装置で実施される操作であってもよい。
【0030】
[画像形成部32]
画像形成部32は、画像データ処理装置20から送信されたRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]と、制御部35からの指示に基づいて、シートSに印刷画像を形成する部分である。この画像形成部32は、例えば、電子写真方式の画像形成部であって、トナー画像形成ユニット、中間転写ベルト、および定着部などを備え、シート状のシートSの一主面上にトナー画像を形成する。なお、画像形成部36の画像形成方式は、電子写真方式に限定されることはなく、例えばインクジェット方式のような他の方式であってもよい。
【0031】
[画像読取部33]
画像読取部33は、画像形成部32でシートに形成された画像を読み取って読取画像を取得する。読み取った読取画像は、シートに形成された印刷画像を検査するための検査画像となる。この画像読取部33は、シートSの搬送方向と垂直方向に撮像素子を配列したラインセンサーであってよい。
【0032】
[排出トレイ切替部34]
排出トレイ切替部34は、操作表示部31での操作、および制御部35からの指示に基づいて、印刷画像が形成されたシートSの排出先を切り替えるための排出経路の切替駆動部分である。排出トレイ切替部34によって切り替えられるシートSの排出先は、良品トレイおよび不良品トレイの何れかである。また、操作表示部31での操作によって、サブトレイが追加で設定されている場合には、シートSの排出先としてサブトレイも追加される。
【0033】
[制御部35]
制御部35は、操作表示部31での操作、画像データ処理装置20を含む他の外部装置からの受信信号に基づいて、画像形成装置30を構成する各部の動作を制御する。またこの制御部35は、画像形成部32で形成された印刷画像を検査する画像検査装置を構成する。
【0034】
このような制御部35は、CPU(Central Processing Unit)35-1、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などのメモリ35-2、HDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶部35-3、さらに通信部35-4を備える。これらは、マイクロコンピューターなどの計算機によって構成される。計算機は、いわゆるマイクロコンピューターとして用いられるハードウェアであってよい。
【0035】
図6は、画像形成装置30が有する制御部35の機能構成図である。この図に示すように、制御部35は、機能要素として画像形成制御部35a、検査領域設定部35b、画像検査部35c、不良箇所判断部35d、およびトレイ切替制御部35eを備える。これらの各機能要素によって実行される手順は、メモリ35-2に保存されたプログラム、または外部装置からメモリ35-2または記憶部35-3にロードされて保存されたプログラムであることとする。以下、これらの各機能要素を、図5および図6に基づいて説明する。
【0036】
-画像形成制御部35a-
画像形成制御部35aは、操作表示部31での操作および、画像データ処理装置20から送信されたRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]に基づいて、画像形成部32の各部の駆動を制御することにより、シートSの一主面上に印刷画像を形成する。
【0037】
-検査領域設定部35b-
検査領域設定部35bは、画像データ処理装置20から送信されたRIP処理済みの不透明箔データ[rDfa]に基づいて、記憶部35-3に登録された基準画像に対して、不透明箔が形成される領域を設定する。ここで基準画像とは、例えば、受信したRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]に基づいて形成された印刷画像のうち、欠陥がないことが確認された画像であって、画像読取部で読み取った画像であってよい。この検査領域設定部35bによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0038】
-画像検査部35c-
画像検査部35cは、画像読取部33で読み取った読取画像を検査画像とし、この検査画像と、記憶部35-3に登録された基準画像と比較し、画像形成部32においてシートS上に形成された印刷画像の画像検査を実施する。この画像検査部35cによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0039】
-不良箇所判断部35d-
不良箇所判断部35dは、画像検査部35cでの画像検査において、検査画像に汚れなどの画像不良が検出された場合に、検出された画像不良の発生箇所を判断し、その結果をトレイ切替制御部35eに伝達する。この不良箇所判断部35dによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0040】
-トレイ切替制御部35e-
トレイ切替制御部35eは、不良箇所判断部35dでの判断にしたがって、排出トレイ切替部34の駆動を制御する。このトレイ切替制御部35eによる処理の手順は、以降の画像検査方法において説明する。
【0041】
<箔加工装置40>
図1に戻り、箔加工装置40は、画像データ処理装置20から送付された箔データ[Df]に基づく箔加工処理を実施し、シートSに箔画像を形成する。
【0042】
≪画像検査方法≫
次に、上述した画像形成システム1が有する画像データ処理装置20および画像形成装置30によって実施される画像検査方法を説明する。
【0043】
<画像データ処理の手順>
図7は、本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像データ処理を示すフローチャートであって、画像検査プログラムに基づく画像検査方法の一部として画像データ処理装置20が実施する画像データ処理の手順を示している。以下、図7のフローチャートに示す順に、図1図3図4、および他の必要図を参照しつつ、画像データ処理の手順を説明する。
【0044】
[ステップS101]
ステップS101において、画像データ処理装置20の箔データ抽出部20aは、画像データを受信したか否かの判断を実施する。箔データ抽出部20aは、画像データ入力装置10などの外部装置から画像データを受信した場合、または画像データ処理装置20の入出力端子から直接画像データが入力された場合に、受信した(YES)と判断し、次のステップS102に進む。箔データ抽出部20aは、受信した(YES)と判断されるまで判断処理を継続する。
【0045】
[ステップS102]
ステップS102において、画像データ処理装置20の箔データ抽出部20aは、受信した画像データの中に、箔データ[Df]があるか否かの判断を実施する。ここで箔データ[Df]であるか否かは、箔データ[Df]が有するデータによって判断することができる。箔データ抽出部20aは、箔データ[Df]がある(YES)と判断した場合に、次のステップS103に進み、箔データ[Df]がない(NO)と判断した場合には、ステップS102aに進む。
【0046】
[ステップS102a]
ステップS102aにおいて、印刷画像データ処理部20cは、受信した画像データは、全て印刷画像データ[Dp]であると判断し、印刷画像データ[Dp]をRIP処理する。これにより、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]を作成し、ステップS103aに進む。
【0047】
[ステップS103a]
ステップS103aにおいて、データ送信制御部20eは、ステップS102aで作成したRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]を画像形成装置30に送信するように、通信部25に対して指示する。これにより、画像データ処理装置20の通信部25はRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]を画像形成装置30に送信し、画像データ処理を終了させる。
【0048】
[ステップS103]
一方、ステップS103において、箔データ抽出部20aは、受信した画像データの中から箔データ[Df]を抽出する。この箔データ[Df]は、複数種類の箔を用いた箔押し処理を実施する場合であれば、各箔押し処理によって形成する箔画像のそれぞれに対応するデータを有する。一例として、画像データ処理装置20に入力された画像データが、図2を用いて説明した画像[Pc]を形成するための画像データである場合、箔データ[Df]は、不透明箔画像[pf1]と透明箔画像[pf2]とを形成するための各データを有する。
【0049】
[ステップS104]
ステップS104において、不透明箔データ抽出部20bは、ステップS103において箔データ抽出部20aが抽出した箔データ[Df]の中の一つのデータについて、不透明箔のデータであるか否かの判断を実施する。ここで不透明箔とは、透明度が予め設定された所定値以下のものであることとする。この設定は、画像データ処理装置20の操作表示部21からの入力によってなされ、記憶部24に保存された情報であることとする。
【0050】
不透明箔データ抽出部20bは、不透明箔のデータである(YES)と判断した場合にはステップS104aに進み、不透明箔のデータではない(NO)と判断した場合にはステップS105に進む。
【0051】
[ステップS104a]
ステップS104aにおいて、不透明箔データ抽出部20bは、不透明箔のデータである判断されたデータを、不透明箔の箔データ[Dfa]として記憶部24に登録し、ステップS105に進む。
【0052】
[ステップS105]
ステップS105において、不透明箔データ抽出部20bは、箔データ[Df]が有する全ての箔画像に関するデータを確認したか否かの判断を実施し、全て確認した(YES)と判断した場合には、ステップS106に進む。一方、全て確認していない(NO)と判断した場合には、ステップS104に戻る。
【0053】
[ステップS106]
ステップS106において、印刷画像データ処理部20cは、受信した画像データのうちの印刷画像データ[Dp]をRIP処理する。これにより、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]を作成する。一例として、画像データ処理装置20に入力された画像データが、図2を用いて説明した画像[Pc]を形成するための画像データである場合、図8に示すように、印刷画像[pt](図2参照)に対応する、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]を作成する。
【0054】
また、箔データ処理部20dは、ステップS104aにおいて記憶部24に登録した不透明箔の箔データ[Dfa]をRIP処理する。これにより、RIP処理済みの不透明箔データ[rDfa]を作成する。一例として、画像データ処理装置20に入力された画像データが、図2を用いて説明した画像[Pc]を形成するための画像データである場合、図9に示すように、不透明箔画像[pf1](図2参照)に対応する、RIP処理済みの不透明箔データ[rDfa]を作成する。
【0055】
[ステップS107]
ステップS107において、データ送信制御部20eは、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]と不透明箔データ[rDfa]を、画像形成装置30に送信するように、通信部25に指示する。これにより、画像データ処理装置20の通信部25は、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]と不透明箔データ[rDfa]とを、画像形成装置30に送信する。この際、通信部25は、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]と不透明箔データ[rDfa]とを、別ファイルとして画像形成装置30に送信するか、一つのファイルにまとめて画像形成装置30に送信するようにしてもよい。一つのファイルにまとめて送る場合は、RIP処理済みの印刷画像データ[rDp]と不透明箔データ[rDfa]とを別レイヤーとする。
【0056】
[ステップS108]
ステップS108において、データ送信制御部20eは、箔データ抽出部20aが抽出した箔データ[Df]を、箔加工装置40に送信するように、通信部25に指示する。これにより、通信部25は、箔データ[Df]を、箔加工装置40に送信する。この箔データ[Df]は、透明箔および不透明箔の箔データ[Df]であって、箔の色、種類、透明度などの情報を含む。
【0057】
<画像検査処理の手順>
図10は、本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を示すフローチャート(その1)である。また図11は、本発明の実施形態に係る画像検査方法において実施する画像検査処理を示すフローチャート(その2)である。これらのフローチャートは、画像検査プログラムに基づく画像検査方法の一部として画像形成装置30が実施する画像検査処理の手順を示している。以下、図10図11のフローチャートに示す順に、図1図5図6に基づき、他の必要図を参照しつつ、画像検査処理の手順を説明する。
【0058】
[ステップS201]
ステップS201において、検査領域設定部35bは、画像データ処理装置20からRIP処理済みのデータを受信した場合に、その中に不透明箔データ[rDfa]を受信したか否かの判断を実施する。画像検査部35cは、RIP処理済みの不透明箔データ[rDfa]を受信した場合、受信した(YES)と判断し、次のステップS202に進む。画像検査部35cは、受信した(YES)と判断されるまで処理を継続する。
【0059】
[ステップS202]
ステップS201において、検査領域設定部35bは、不透明箔データ[rDfa]と同時に受信したRIP処理済みの印刷画像データ[rDp]に基づく基準画像が、記憶部35-3に登録されているか否かの判断を実施する。画像検査部35cは、基準画像が登録されている(YES)と判断した場合に、次のステップS203に進み、登録されている(YES)と判断されるまで処理を継続する。
【0060】
[ステップS203]
ステップS203において、検査領域設定部35bは、基準画像に対して不透明箔が形成される不透明箔領域[Ar]を、追加領域として設定する。この際、検査領域設定部35bは、基準画像とRIP処理済みの不透明箔データ[rDfa]とを結合することにより、図12に示すように、基準画像[Ps]に対して不透明箔が追加で形成される不透明箔領域[Ar]を設定する。
【0061】
[ステップS204]
ステップS204において、検査領域設定部35bは、不透明箔領域[Ar]を示す画像を形成し、操作表示部31に対して、基準画像[Ps]に対して設定された不透明箔領域[Ar]を示すプレビュー画面の表示を指示する。これにより、操作表示部31は、基準画像[Ps]に対して設定された不透明箔領域[Ar]を表示する。
【0062】
[ステップS205]
ステップS205おいて、画像検査部35cは、画像読取部33が検査画像を読み取ったか否かの判断を実施する。画像読取部33が読み取る検査画像は、画像形成部32で印刷画像が形成されたシートSの主面の画像である。画像検査部35cは、読み取った(YES)と判断された場合に、次のステップS206に進み、読み取った(YES)と判断されるまで処理を継続する。
【0063】
[ステップS206]
ステップS206において、画像検査部35cは、画像検査が終了したシートSの排出先としてサブトレイが設定されているか否かの判断を実施する。設定されている(YES)と判断した場合には、ステップS207に進む。一方、設定されていない(NO)と判断した場合には、ステップS301(図11)に進む。
【0064】
[ステップS207]
ステップS207おいて、画像検査部35cは、画像読取部33で読み取った検査画像の画像検査処理を実施する。この際、画像検査部35cは、検査画像と基準画像[Ps]とを比較し、検査画像中において基準画像[Ps]には存在していない画像を、汚れとして検出する処理を実施する。
【0065】
また画像検査部35cは、操作表示部31に対して検査結果の表示を指示する。これにより、操作表示部31には、検査の結果として汚れが検出された場合には、汚れの検出箇所を示す画面を表示する。
【0066】
なお、不透明箔領域[Ar]については、以降の工程で不透明箔領域[Ar]に形成される不透明箔の透明度に応じて、汚れとして検出される画像のレベルを制御してもよい。すなわち不透明箔領域[Ar]に形成される箔は、透明度が予め設定された所定値以下の不透明箔であるが(図7ステップS104)、透明度の所定値が低めに設定されている場合であれば、不透明箔領域[Ar]の汚れに対する検査レベルを低くしてもよい。
【0067】
[ステップS208]
ステップS208において、画像検査部35cは、ステップS207の画像検査処理において汚れが検出されなかったか否かを判断する。検出されなかった(YES)と判断した場合には、ステップ209に進む。一方、汚れが検出された場合は、汚れなしではなかった(NO)と判断してステップS210に進む。
【0068】
[ステップS209]
ステップS209において、トレイ切替制御部35eは、画像検査が終了したシートSの排出先が良品トレイとなるように、排出経路を切り替える。これにより、印刷画像に汚れが検出されなかったシートSは、良品トレイに排出される。その後はステップS213に進む。
【0069】
なお、良品トレイに排出されたシートSは、箔加工装置40において箔加工を施すことにより、図2に示した印刷画像[pt]と、追加の箔画像[pf]とを有する画像[Pc]が形成される。このようにして得られる画像[Pc]は、汚れの付着がないものとなる。
【0070】
[ステップS210]
一方、ステップS210において、不良箇所判断部35dは、ステップS207の画像検査処理において検出した汚れは不透明箔領域[Ar]内であるか否かの判断を実施する。この際、不良箇所判断部35dは、ステップS207の画像検査処理の結果を、ステップS203において設定した不透明箔領域[Ar]とに基づいて、この判断を実施する。
【0071】
図13の検査画像[Pch]に示すように、不良箇所判断部35dは、検査画像[Pch]中に検出した汚れ[t]の全てが、不透明箔領域[Ar]内にある場合に、汚れは不透明箔領域[Ar]内である(YES)と判断し、ステップS211に進む。
【0072】
一方、図14の検査画像[Pch]に示すように、不良箇所判断部35dは、検査画像[Pch]中に検出した全ての汚れ[t]のうちの1つでも、不透明箔領域[Ar]外であれば、汚れは不透明箔領域[Ar]内ではない(NO)と判断し、ステップS212に進む。
【0073】
[ステップS211]
ステップS211において、トレイ切替制御部35eは、画像検査が終了したシートSの排出先がサブトレイとなるように、排出経路を切り替える。これにより、印刷画像のうちの不透明箔領域[Ar]内にも汚れが検出されたシートSは、サブトレイに排出される。その後はステップS213に進む。
【0074】
なお、サブトレイに排出されることにより、汚れを有するシートSは、予備のシートとして用いることができる。すなわち、サブトレイに排出されたシートSは、画像の追加形成として、箔加工装置40において箔加工を施すことにより、図13に示した印刷画像[pt]と箔画像[pf]とを有する画像[Pc]が形成される。このようにして得られる画像[Pc]は、汚れ[t]が不透明箔画像[pf1]によって覆い隠されたものとなる。
【0075】
[ステップS212]
ステップS212において、トレイ切替制御部35eは、画像検査が終了したシートSの排出先が不良品トレイとなるように、排出経路を切り替える。これにより、印刷画像のうちの不透明箔領域[Ar]外に汚れが検出されたシートSは、不良品トレイに排出される。その後はステップS213に進む。
【0076】
なお、不良品トレイに排出されたシートSは、箔加工装置40において箔加工を施すことにより、図14に示した印刷画像[pt]と箔画像[pf]とを有する画像[Pc]が形成される。このようにして得られる画像[Pc]は、汚れ[t]が不透明箔画像[pf1]によって覆い隠されることはない。このため、不良品トレイに排出されたシートSは、箔加工を施さずに、不良品とすることで余分な箔の利用を防止することができる。
【0077】
[ステップS213]
ステップS213において、画像検査部35cは、全てのシートSについて、検査を終了したか否かの判断を実施し、終了した(YES)と判断した場合には処理を終了させ、終了していない(NO)と判断した場合には、ステップS205に戻って処理を繰り返す。
【0078】
[ステップS301]
これに対し図11のステップS301は、サブトレイが設定されていないステップである。このステップS301において、画像検査部35cは、画像読取部33で読み取った検査画像の画像検査処理を実施する。この際、画像検査部35cは、基準画像[Ps]に設定した不透明箔領域[Ar]を検査の対象領域から除外し、不透明箔領域[Ar]外の領域のみを検査対象とした画像検査を実施する。そして、検査画像中において基準画像[Ps]には存在していない画像を、汚れとして検出する処理を実施する。
【0079】
[ステップS302]
ステップS302において、画像検査部35cは、ステップS301の画像検査処理において汚れが検出されなかったか否かを判断する。検出されなかった(YES)と判断した場合には、ステップ303に進む。一方、汚れが検出された場合は、汚れなしではなかった(NO)と判断してステップS304に進む。
【0080】
[ステップS303]
ステップS302において、トレイ切替制御部35eは、画像検査が終了したシートSの排出先が良品トレイとなるように、排出経路を切り替える。これにより、印刷画像に汚れが検出されなかったシートSは、良品トレイに排出される。その後はステップS213(図10)に進む。
【0081】
なお、良品トレイに排出されたシートSは、箔加工装置40において箔加工を施すことにより、図2に示した印刷画像[pt]と箔画像[pf]とを有する画像[Pc]が形成される。このようにして得られる画像[Pc]は、汚れの付着がないか、付着した汚れが不透明箔画像[pf1]によって覆い隠されたものとなる。
【0082】
[ステップS304]
ステップS304において、トレイ切替制御部35eは、画像検査が終了したシートSの排出先が不良品トレイとなるように、排出経路を切り替える。これにより、印刷画像のうちの不透明箔領域[Ar]外に汚れが検出されたシートSは、不良品トレイに排出される。その後はステップS213(図10)に進む。
【0083】
なお、不良品トレイに排出されたシートSは、箔加工装置40において箔加工を施すことにより、図14に示した印刷画像[pt]と箔画像[pf]とを有する画像[Pc]が形成される。このようにして得られる画像[Pc]は、汚れ[t]が不透明箔画像[pf1]によって覆い隠されることはない。このため、不良品トレイに排出されたシートSは、箔加工を施さずに、不良品とすることで余分な箔の利用を防止することができる。
【0084】
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態によれば、印刷画像[pt]に汚れが検出た場合であっても、汚れ[t]が不透明箔画像[pf1]で覆われる場合には、ヤレ判定せずに汚れ[t]が覆われた画像[Pc]を得ることができる。このため、シートを無駄なく利用することが可能となる。
【0085】
なお、以上の実施形態においては、画像形成装置30での画像形成に対する画像の追加形成が、箔加工によって実施される場合を説明した。しかしながら、画像の追加形成は、これに限定されることはなく、例えばニスなどの塗布による画像形成であってもよく、さらに画像形成装置30による二度目の画像形成であってもよい。
【0086】
また、画像形成装置30での画像形成に対する追加の画像形成が箔加工によって実施される場合、箔加工装置40は画像形成装置30と別体ではなく、画像形成装置30の画像形成部に連続して設けられたものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
30…画像形成装置
31…操作表示部
32…画像形成部
33…読取部
34e…トレイ切替制御部
35…制御部(画像検査装置)
35d…不良箇所判断部(判断部)
35c…画像検査部
S…シート
[Ar]…不透明箔領域
[Df]…箔データ(追加画像データ)
[Dfa]…不透明箔データ(追加画像データ)
[Dp]…画像データ
[Pch]…検査画像(読取画像)
[pt]…印刷画像(画像)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14