(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電池配線モジュール用梱包容器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/256 20210101AFI20240312BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240312BHJP
B65D 85/88 20060101ALI20240312BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240312BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240312BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240312BHJP
【FI】
H01M50/256 201
H01M50/298
B65D85/88
H01M50/204 401D
H01M50/507
H01M50/569
(21)【出願番号】P 2020076622
(22)【出願日】2020-04-23
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】篠木 貴幸
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-161314(JP,A)
【文献】特開2015-230778(JP,A)
【文献】特開2013-037878(JP,A)
【文献】特開2013-075679(JP,A)
【文献】特開2014-181038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/256
H01M 50/298
B65D 85/88
H01M 50/204
H01M 50/507
H01M 50/569
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池配線モジュールを個別に収容する複数の収容部を備えた電池配線モジュール用梱包容器であって、
前記各収容部は、前記電池配線モジュールの被保持部を保持する保持部を有し、
前記保持部及び前記被保持部の一方は凹部であり、
前記保持部及び前記被保持部の他方は前記凹部に嵌合する凸部であり、
前記複数の収容部のうち、隣り合う2つの収容部を第1収容部及び第2収容部として、
前記第1収容部に収容された前記電池配線モジュールと、前記第2収容部に収容された前記電池配線モジュールとが直接的に対向するように構成されて
おり、
前記各電池配線モジュールは、幅広部と、前記幅広部よりも幅が狭い幅狭部と、を有しており、
前記各収容部は、前記幅広部が配置される第1配置部と、前記幅狭部が配置される第2配置部と、を有し、
前記各収容部において、前記第1配置部と前記第2配置部とは当該梱包容器の第1方向に沿って並設され、
前記各収容部は、当該梱包容器における前記第1方向に直交する第2方向に並設され、
前記第1収容部の前記第1配置部と、前記第2収容部の前記第2配置部とは、前記第2方向に並設され、
前記第1収容部の前記第2配置部と、前記第2収容部の前記第1配置部とは、前記第2方向に並設されている、電池配線モジュール用梱包容器。
【請求項2】
前記各収容部において、前記第1配置部及び前記第2配置部の双方が前記保持部を有している、請求項
1に記載の電池配線モジュール用梱包容器。
【請求項3】
前記第1配置部の前記保持部は、前記収容部における前記第1方向の一端部に設けられ、
前記第2配置部の前記保持部は、前記収容部における前記第1方向の他端部に設けられている、請求項
2に記載の電池配線モジュール用梱包容器。
【請求項4】
前記第1配置部の前記保持部は、前記第2配置部の前記保持部に対して前記第2方向のずれた位置に設けられている、請求項
3に記載の電池配線モジュール用梱包容器。
【請求項5】
前記各収容部の前記保持部は、前記第2方向に沿った同一直線上に設けられている、請求項
1から請求項
4のいずれか1項に記載の電池配線モジュール用梱包容器。
【請求項6】
前記各電池配線モジュールは、平面視において長手方向及び該長手方向に直交する短手方向を有する部品であり、
前記各収容部は、前記各電池配線モジュールを前記短手方向に並ぶように収容する、請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の電池配線モジュール用梱包容器。
【請求項7】
前記被保持部は、凹部である第1被保持部と、凸部である第2被保持部と、を有し、
前記保持部は、前記第1被保持部に嵌合する凸部である第1保持部と、前記第2被保持部に嵌合する凹部である第2保持部と、を有している、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の電池配線モジュール用梱包容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池配線モジュール用梱包容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電池セルで構成された電池パック本体に取り付けられる電池配線モジュール(特許文献1中、接続モジュール)が記載されている。電池配線モジュールは、例えば、電池セル同士を電気的に接続するバスバーや、該バスバーに電気的に接続された電圧監視用の電線などをハウジング内に備えている。同電池配線モジュールを運搬する際、電池配線モジュールは梱包容器に梱包される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、電池配線モジュール用梱包容器において、電池配線モジュールの収容効率を如何に向上させるかを検討していた。
そこで、収容効率を向上させることを可能とした電池配線モジュール用梱包容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の電池配線モジュール用梱包容器は、複数の電池配線モジュールを個別に収容する複数の収容部を備えた電池配線モジュール用梱包容器であって、前記各収容部は、前記電池配線モジュールの被保持部を保持する保持部を有し、前記保持部及び前記被保持部の一方は凹部であり、前記保持部及び前記被保持部の他方は前記凹部に嵌合する凸部であり、前記複数の収容部のうち、隣り合う2つの収容部を第1収容部及び第2収容部として、前記第1収容部に収容された前記電池配線モジュールと、前記第2収容部に収容された前記電池配線モジュールとが直接的に対向するように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、収容効率を向上させることを可能とした電池配線モジュール用梱包容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の電池配線モジュール用梱包容器の平面図である。
【
図2】
図2は、同形態の電池配線モジュール用梱包容器の一部を拡大して示す平面図である。
【
図3】
図3は、同形態の電池配線モジュール用梱包容器の一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の電池配線モジュール用梱包容器は、
[1]複数の電池配線モジュールを個別に収容する複数の収容部を備えた電池配線モジュール用梱包容器であって、前記各収容部は、前記電池配線モジュールの被保持部を保持する保持部を有し、前記保持部及び前記被保持部の一方は凹部であり、前記保持部及び前記被保持部の他方は前記凹部に嵌合する凸部であり、前記複数の収容部のうち、隣り合う2つの収容部を第1収容部及び第2収容部として、前記第1収容部に収容された前記電池配線モジュールと、前記第2収容部に収容された前記電池配線モジュールとが直接的に対向するように構成されている。
【0009】
この構成によれば、電池配線モジュールの被保持部が梱包容器の保持部に保持されることで、電池配線モジュールが梱包容器に保持される。そして、梱包容器には、電池配線モジュール同士が直接的に対向するように、各電池配線モジュールが収容される。すなわち、上記の梱包容器では、各収容部に収容された電池配線モジュール同士の間を仕切る壁などを設けることなく電池配線モジュールを保持できる。これにより、電池配線モジュール同士の間を仕切る壁などを省略した分、電池配線モジュールにおいて収容スペースが占める割合を広げることが可能となる。従って、梱包容器の収容効率を向上させることが可能となる。
【0010】
[2]前記各電池配線モジュールは、幅広部と、前記幅広部よりも幅が狭い幅狭部と、を有しており、前記各収容部は、前記幅広部が配置される第1配置部と、前記幅狭部が配置される第2配置部と、を有し、前記各収容部において、前記第1配置部と前記第2配置部とは当該梱包容器の第1方向に沿って並設され、前記各収容部は、当該梱包容器における前記第1方向に直交する第2方向に並設され、前記第1収容部の前記第1配置部と、前記第2収容部の前記第2配置部とは、前記第2方向に並設され、前記第1収容部の前記第2配置部と、前記第2収容部の前記第1配置部とは、前記第2方向に並設されている。
【0011】
この構成によれば、隣り合う電池配線モジュールにおける互いの幅広部と幅狭部が対向するように、各電池配線モジュールを梱包容器に収容可能となる。これにより、梱包容器におけるデッドスペースを少なくしつつ電池配線モジュールを収容することが可能となる。従って、梱包容器の収容効率を更に向上させることが可能となる。
【0012】
[3]前記各収容部において、前記第1配置部及び前記第2配置部の双方が前記保持部を有している。
この構成によれば、少なくとも2つの保持部によって電池配線モジュールを保持できるため、電池配線モジュールを梱包容器に安定して保持することが可能となる。
【0013】
[4]前記第1配置部の前記保持部は、前記収容部における前記第1方向の一端部に設けられ、前記第2配置部の前記保持部は、前記収容部における前記第1方向の他端部に設けられている。
【0014】
この構成によれば、第1配置部の保持部と第2配置部の保持部の間隔が広がるため、第1配置部の保持部と第2配置部の保持部によって電池配線モジュールをより安定して保持することが可能となる。
【0015】
[5]前記第1配置部の前記保持部は、前記第2配置部の前記保持部に対して前記第2方向のずれた位置に設けられている。
この構成によれば、収容部に収容された電池配線モジュールが第2方向に傾くようにがたつくことを、互いに第2方向のずれた位置に配置された第1配置部の保持部及び第2配置部の保持部によって抑制可能となる。
【0016】
[6]前記各収容部の前記保持部は、前記第2方向に沿った同一直線上に設けられている。
この構成によれば、各収容部の保持部によって電池配線モジュールを整列させつつ好適に保持することが可能となる。
【0017】
[7]前記各電池配線モジュールは、平面視において長手方向及び該長手方向に直交する短手方向を有する部品であり、前記各収容部は、前記各電池配線モジュールを前記短手方向に並ぶように収容する。この構成によれば、複数の電池配線モジュールを梱包容器にコンパクトに収容することができる。
【0018】
[8]前記被保持部は、凹部である第1被保持部と、凸部である第2被保持部と、を有し、前記保持部は、前記第1被保持部に嵌合する凸部である第1保持部と、前記第2被保持部に嵌合する凹部である第2保持部と、を有している。この構成によれば、第1保持部と第1被保持部との凹凸嵌合、及び第2保持部と第2被保持部との凹凸嵌合によって電池配線モジュールをより安定して保持することが可能となる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の電池配線モジュール用梱包容器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、本明細書における「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、厳密に平行、垂直及び直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね平行、垂直及び直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の梱包容器10は、複数の電池配線モジュール20を梱包するための容器である。
(電池配線モジュール20)
梱包容器10に収容される電池配線モジュール20は、図示しない電池本体に組み付けられる部品である。電池配線モジュール20は、例えば、前記電池本体を構成する複数の電池セル同士を電気的に接続するバスバー、該バスバーに電気的に接続された電圧監視用の電線、及び前記バスバー及び前記電線が組み付けられたハウジングなどを含んで構成される。
【0021】
電池配線モジュール20は、
図1に示す平面視において長手方向及び該長手方向に直交する短手方向を有する部品である。電池配線モジュール20は、電池配線モジュール20の長手方向が梱包容器10の第1方向D1に沿うように梱包容器10に収容される。また、複数の電池配線モジュール20は、電池配線モジュール20の短手方向に並ぶように梱包容器10に収容される。なお、本実施形態の梱包容器10に収容される複数の電池配線モジュール20は、例えば、互いに同一構成、同一形状である。
【0022】
各電池配線モジュール20は、短手方向の幅が広い幅広部21と、短手方向の幅が幅広部21よりも狭い幅狭部22と、を有している。本実施形態の電池配線モジュール20では、例えば、電池配線モジュール20の長手方向におけるおよそ半分の範囲が幅広部21として構成され、該長手方向における残りの範囲が幅狭部22として構成されている。また、本実施形態の電池配線モジュール20では、電池配線モジュール20の短手方向の一端側が電池配線モジュール20の長手方向に沿った略直線状をなす。そして、電池配線モジュール20は、短手方向の他端側において長手方向の一部が短手方向に突出する突出部23を備えており、突出部23の突出形状によって幅広部21が構成されている。
【0023】
各電池配線モジュール20は、それぞれ梱包容器10に保持される第1被保持部24及び第2被保持部25を有している。第1被保持部24及び第2被保持部25は、電池配線モジュール20の長手方向の両端部に設けられている。なお、第1被保持部24及び第2被保持部25は、例えば、電池配線モジュール20の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた延出片26に設けられている。
【0024】
(梱包容器10)
梱包容器10は、例えば、合成樹脂材からなる射出成形品である。なお、梱包容器10に用いる合成樹脂材としては、例えば、ポリプロピレンやポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0025】
梱包容器10は、例えば、
図1に示す平面視で矩形状をなしている。すなわち、梱包容器10は、互いに平行な一対の第1外縁部11と、第1外縁部11に対して垂直であり互いに平行な一対の第2外縁部12と、を有している。本実施形態では、梱包容器10の第1方向D1は、第1外縁部11に沿った方向である。また、梱包容器10における第1方向D1に直交する第2方向D2は、第2外縁部12に沿った方向である。なお、第2方向D2における第2外縁部12の寸法は、例えば、第1方向D1における第1外縁部11の寸法よりも長く設定されている。
【0026】
梱包容器10は、電池配線モジュール20をそれぞれ収容する複数の収容部13を備えている。各収容部13は、梱包容器10の第2方向D2に沿って並設されている。梱包容器10における各収容部13の間には、収容部13同士を仕切る壁などが設けられていない。これにより、各収容部13に収容された電池配線モジュール20について、第2方向D2に隣り合う電池配線モジュール20同士は直接的に対向するようになっている。すなわち、隣り合う電池配線モジュール20同士は、隙間のみを介して互いに対向している。
【0027】
各収容部13は、電池配線モジュール20の幅広部21が配置される第1配置部14と、電池配線モジュール20の幅狭部22が配置される第2配置部15と、を有している。各収容部13において、第1配置部14と第2配置部15とは梱包容器10の第1方向D1に沿って並設されている。
【0028】
ここで、複数の収容部13のうち、隣り合う2つの収容部13を第1収容部13a及び第2収容部13bとし、第1収容部13aと第2収容部13bの2つをまとめて収容部対Pとして説明する。第1収容部13aの第1配置部14と、第2収容部13bの第2配置部15とは、第2方向D2に並設されている。また、第1収容部13aの第2配置部15と、第2収容部13bの第1配置部14とは、第2方向D2に並設されている。
【0029】
これにより、第1収容部13aに収容された電池配線モジュール20と、第2収容部13bに収容された電池配線モジュール20とについて、互いの幅広部21と幅狭部22とが第2方向D2に対向するようになっている。詳しくは、第1収容部13aに収容された電池配線モジュール20の幅広部21は、第2収容部13bに収容された電池配線モジュール20の幅狭部22と第2方向D2に対向する。さらに、第1収容部13aに収容された電池配線モジュール20の幅狭部22は、第2収容部13bに収容された電池配線モジュール20の幅広部21と第2方向D2に対向する。第1収容部13aに収容された電池配線モジュール20と、第2収容部13bに収容された電池配線モジュール20とについて、互いの突出部23が第1方向D1に対向するようになっている。また、本実施形態の梱包容器10では、上記のように設定された第1収容部13a及び第2収容部13bからなる収容部対Pが、第2方向D2に沿って複数並設されている。
【0030】
(第1保持部16及び第2保持部17)
図2及び
図3に示すように、各収容部13は、電池配線モジュール20の第1被保持部24を保持する第1保持部16と、電池配線モジュール20の第2被保持部25を保持する第2保持部17と、を有している。
【0031】
電池配線モジュール20の第1被保持部24は凹部である。具体的には、第1被保持部24は、例えば、電池配線モジュール20の延出片26を貫通する貫通孔である。また、第1被保持部24は、例えば、電池配線モジュール20の短手方向、すなわち、第2方向D2に沿った方向において、各延出片26の両端部近傍にそれぞれ1つずつ設けられている。つまり、本実施形態の電池配線モジュール20は、4つの第1被保持部24を有している(
図1参照)。電池配線モジュール20の各第1被保持部24は、例えば、電池配線モジュール20を図示しない電池本体に固定するためのねじなどの固定部材が挿通される孔である。
【0032】
一方、収容部13の第1保持部16は凸部である。本実施形態の第1保持部16は、梱包容器10の底壁18から高さ方向に突出している。また、第1保持部16は、電池配線モジュール20の第1被保持部24と同数設けられている。各第1保持部16は、凹部(貫通孔)である各第1被保持部24に嵌合する。
【0033】
また、電池配線モジュール20の第2被保持部25は凸部である。第2被保持部25は、電池配線モジュール20の高さ方向に沿って突出する。第2被保持部25は、例えば、電池配線モジュール20の短手方向において各延出片26の中央部に設けられている。つまり、本実施形態の電池配線モジュール20は、2つの第2被保持部25を有している(
図1参照)。電池配線モジュール20の各第2被保持部25は、例えば、図示しない電池本体に設けられた凹部と嵌合することで、電池本体に対する電池配線モジュール20の位置決めを行うものである。
【0034】
一方、収容部13の第2保持部17は、梱包容器10の底壁18に凹設された凹部である。第2保持部17は、電池配線モジュール20の第2被保持部25と同数設けられている。各第2保持部17は、凸部である各第2被保持部25に嵌合する。
【0035】
図1に示すように、各収容部13において、第1保持部16及び第2保持部17は、第1配置部14及び第2配置部15の各々に設けられている。そして、第1配置部14の各保持部16,17は、収容部13における第1方向D1の一端部に設けられ、第2配置部15の各保持部16,17は、収容部13における第1方向D1の他端部に設けられている。また、例えば、各収容部13において、第1方向D1の一端側の各保持部16,17、及び、第1方向D1の他端側の各保持部16,17はそれぞれ、第2方向D2に沿った同一直線上に設けられている。
【0036】
また、各収容部13における各保持部16,17において、第1配置部14に設けられた各保持部16,17を第1保持部群G1とし、第2配置部15に設けられた各保持部16,17を第2保持部群G2とする。第1保持部群G1は、第2保持部群G2の複数の保持部16,17のいずれかに対し、第2方向D2のずれた位置に配置された第1保持部16及び第2保持部17を有している。また、第2保持部群G2は、第1保持部群G1の複数の保持部16,17のいずれかに対し、第2方向D2のずれた位置に配置された第1保持部16及び第2保持部17を有している。
【0037】
例えば、第2保持部群G2の1つの第1保持部16(
図1中の第1保持部16b)は、第1保持部群G1の1つの第1保持部16(
図1中の第1保持部16a)及び第1保持部群G1の第2保持部17に対して第2方向D2のずれた位置に設けられている。なお、第1保持部16a及び第1保持部16bは、電池配線モジュール20における対角部分を保持するようになっている。また、例えば、第2保持部群G2の第2保持部17は、第1保持部群G1の各保持部16,17に対して第2方向D2のずれた位置に設けられている。
【0038】
なお、本実施形態の梱包容器10は、例えば、底壁18に立設された側壁19を有している。側壁19は、第1外縁部11及び第2外縁部12に沿って設けられている。側壁19は、平面視において、各収容部13に収容された電池配線モジュール20を囲んでいる。
【0039】
本実施形態の作用について説明する。
複数の電池配線モジュール20の運搬時などにおいて梱包容器10が用いられ、梱包容器10の各収容部13に電池配線モジュール20が収容される。このとき、各収容部13に設けられた第1保持部16及び第2保持部17が、各電池配線モジュール20の第1被保持部24及び第2被保持部25にそれぞれ嵌合することで、各収容部13に電池配線モジュール20が安定して保持される。また、各収容部13には、第2方向D2に隣り合う電池配線モジュール20同士が直接的に対向するように、電池配線モジュール20が収容される。
【0040】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態の梱包容器10では、各収容部13に収容された電池配線モジュール20同士の間を仕切る壁などを設けることなく、各収容部13に電池配線モジュール20を保持できる。これにより、上記の電池配線モジュール20同士の間を仕切る壁などを省略した分、電池配線モジュールの収容スペースを広げることが可能となる。従って、梱包容器10の収容効率を向上させることが可能となる。
【0041】
(2)各収容部13は、電池配線モジュール20の幅広部21が配置される第1配置部14と、電池配線モジュール20の幅狭部22が配置される第2配置部15と、を有している。各収容部13において、第1配置部14と第2配置部15とは梱包容器10の第1方向D1に沿って並設されている。また、各収容部13は、梱包容器10における第1方向D1に直交する第2方向D2に並設されている。そして、第1収容部13aの第1配置部14と、第2収容部13bの第2配置部15とは、第2方向D2に並設され、第1収容部13aの第2配置部15と、第2収容部13bの第1配置部14とは、第2方向D2に並設されている。この構成によれば、隣り合う電池配線モジュール20における互いの幅広部21と幅狭部22が対向するように、各電池配線モジュール20を梱包容器10に収容可能となる。これにより、梱包容器10におけるデッドスペースを少なくしつつ電池配線モジュール20を収容することが可能となる。従って、梱包容器10の収容効率を更に向上させることが可能となる。
【0042】
(3)各収容部13において、第1配置部14及び第2配置部15の双方が保持部16,17を有している。この構成によれば、第1配置部14の保持部16,17と、第2配置部15の保持部16,17とによって、電池配線モジュール20を梱包容器10に安定して保持させることが可能となる。
【0043】
(4)第1配置部14の各保持部16,17は、収容部13における第1方向D1の一端部に設けられ、第2配置部15の各保持部16,17は、収容部13における第1方向D1の他端部に設けられている。この構成によれば、第1配置部14の各保持部16,17と第2配置部15の各保持部16,17の第1方向D1における間隔を広げることが可能となる。従って、第1配置部14の各保持部16,17と第2配置部15の各保持部16,17とによって電池配線モジュール20をより安定して保持することが可能となる。
【0044】
(5)第1配置部14に設けられた第1保持部16aは、第2配置部15に設けられた各第1保持部16及び第2保持部17に対して第2方向D2のずれた位置に設けられている。この構成によれば、収容部13に収容された電池配線モジュール20が第2方向D2に傾くようにがたつくことを、例えば、互いに第2方向D2のずれた位置に配置された第1配置部14の第1保持部16a及び第2配置部15の各第1保持部16及び第2保持部17によって抑制可能となる。
【0045】
また、本実施形態の各収容部13では、第1保持部16a及び第1保持部16bが電池配線モジュール20における対角部分を保持するため、電池配線モジュール20をより好適に保持できる。
【0046】
(6)各収容部13の保持部16,17が、第2方向D2に沿った同一直線上に設けられている。この構成によれば、各収容部13の保持部16,17によって電池配線モジュール20を整列させつつ好適に保持することが可能となる。
【0047】
(7)各電池配線モジュール20は、平面視において長手方向及び該長手方向に直交する短手方向を有する部品である。そして、梱包容器10の各収容部13は、各電池配線モジュール20を短手方向に並ぶように収容する。この構成によれば、複数の電池配線モジュール20を梱包容器10にコンパクトに収容することができる。
【0048】
(8)電池配線モジュール20は、凹部としての貫通孔である第1被保持部24と、凸部である第2被保持部25と、を有している。そして、収容部13は、第1被保持部24に嵌合する凸部である第1保持部16と、第2被保持部25に嵌合する凹部である第2保持部17と、を有している。この構成によれば、第1保持部16と第2保持部17によって電池配線モジュール20をより安定して保持することが可能となる。第1保持部16と第1被保持部24との凹凸嵌合、及び第2保持部17と第2被保持部25との凹凸嵌合によって電池配線モジュール20をより安定して保持することが可能となる。
【0049】
(9)梱包容器10は、平面視において、互いに平行な一対の第1外縁部11と、第1外縁部11に対して垂直であり互いに平行な一対の第2外縁部12とを有する矩形状をなす。そして、梱包容器10には、各電池配線モジュール20が第2外縁部12に沿った第2方向D2に並ぶように収容される。この構成によれば、平面視で矩形状の梱包容器10に対して複数の電池配線モジュール20を好適に収容することができる。
【0050】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・梱包容器10に設けられる収容部13の数は、上記実施形態に限定されるものではなく、電池配線モジュール20の構成などに応じて適宜変更可能である。
【0051】
・各収容部13における保持部16,17の数は、上記実施形態に限定されるものではなく、電池配線モジュール20の構成などに応じて適宜変更可能である。
・各収容部13の保持部16,17が、第2方向D2に沿った同一直線上に設けられているが、これに特に限定されるものではなく、各収容部13の保持部16,17を第1方向D1にずれて配置してもよい。
【0052】
・上記実施形態の収容部13は、第1被保持部24に嵌合する凸部である第1保持部16と、第2被保持部25に嵌合する凹部である第2保持部17とを有するが、これに特に限定されるものではない。例えば、収容部13が、電池配線モジュール20側に嵌合する部位として第1保持部16のみ、または第2保持部17のみを有する構成としてもよい。
【0053】
・上記実施形態の収容部13では、保持部16,17が収容部13における第1方向D1の端部に設けられたが、これ以外に例えば、保持部16,17を収容部13における第1方向D1の中央部に設けてもよい。
【0054】
・上記実施形態の梱包容器10において、側壁19を省略してもよい。
・上記実施形態の梱包容器10は、平面視において、第2方向D2の寸法が第1方向D1の寸法よりも長い長方形をなすが、これに特に限定されるものではない。梱包容器10の平面視の形状は、電池配線モジュール20の平面視の形状、及び、梱包容器10に収容する電池配線モジュール20の数に応じて設定されるものであり、梱包容器10の平面視の形状が例えば略正方形となる場合もあり得る。
【0055】
・梱包容器10に収容される電池配線モジュール20の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の電池配線モジュール20は、短手方向の幅が異なる幅広部21及び幅狭部22を有するが、これ以外に例えば、電池配線モジュール20が平面視で略四角形であってもよい。
【0056】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)複数の電池配線モジュールを個別に収容する複数の収容部を備えた電池配線モジュール用梱包容器であって、
前記各電池配線モジュールは、幅広部と、前記幅広部よりも幅が狭い幅狭部と、を有しており、
前記各収容部は、前記幅広部が配置される第1配置部と、前記幅狭部が配置される第2配置部と、を有し、
前記各収容部において、前記第1配置部と前記第2配置部とは当該梱包容器の第1方向に沿って並設され、
前記各収容部は、当該梱包容器における前記第1方向に直交する第2方向に並設され、
前記第1収容部の前記第1配置部と、前記第2収容部の前記第2配置部とは、前記第2方向に並設され、
前記第1収容部の前記第2配置部と、前記第2収容部の前記第1配置部とは、前記第2方向に並設されている、電池配線モジュール用梱包容器。
【0057】
この構成によれば、隣り合う電池配線モジュールにおける互いの幅広部と幅狭部が対向するように、各電池配線モジュールを梱包容器に収容可能となる。これにより、梱包容器におけるデッドスペースを少なくしつつ電池配線モジュールを収容することが可能となる。従って、梱包容器の収容効率を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
10 梱包容器(電池配線モジュール用梱包容器)
11 第1外縁部
12 第2外縁部
13 収容部
13a 第1収容部
13b 第2収容部
14 第1配置部
15 第2配置部
16 第1保持部(保持部)
16a 第1保持部
16b 第1保持部
17 第2保持部(保持部)
18 底壁
19 側壁
20 電池配線モジュール
21 幅広部
22 幅狭部
23 突出部
24 第1被保持部(被保持部)
25 第2被保持部(被保持部)
26 延出片
D1 第1方向
D2 第2方向
G1 第1保持部群
G2 第2保持部群
P 収容部対