(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電極清掃装置、当該電極清掃装置を備えた帯電装置、並びに画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/02 20060101AFI20240312BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240312BHJP
F16H 33/02 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G03G15/02 103
G03G21/16 147
F16H33/02 B
(21)【出願番号】P 2020081958
(22)【出願日】2020-05-07
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝田 裕
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-217359(JP,A)
【文献】実開平04-001556(JP,U)
【文献】特開2006-243531(JP,A)
【文献】特開2019-045762(JP,A)
【文献】特開2009-048113(JP,A)
【文献】特開2007-233281(JP,A)
【文献】特開平06-110295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 21/16
F16H 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電器のシールドケース内の空間に張架された放電電極を清掃する電極清掃装置であって、
前記放電電極を清掃する清掃部材を有する清掃ヘッドを、当該放電電極の張架方向に沿って、初期位置である第1位置から、往路の終端位置である第2位置まで往復移動させる移動手段を備え、
前記移動手段は、
牽引部材を介して前記清掃ヘッドの往路を手動で移動させる第1移動機構と、
前記往路における前記清掃ヘッドの位置変化を位置エネルギーとして蓄積し、当該蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドの復路を移動させる第2移動機構と、
を備え、
前記第2移動機構は、前記位置エネルギーを、ゼンマイばね
の変形による弾性エネルギーとして蓄積するエネルギー蓄積部
を備え、
前記エネルギー蓄積部は、
前記清掃ヘッドの往路における移動量を、前記ゼンマイばねの巻き取り量に変換するギヤ機構を備え、
前記第2移動機構は、前記エネルギー蓄積部に蓄積された弾性エネルギーを解放して、前記ギヤ機構を介して前記清掃ヘッドの復路を移動させる
ことを特徴とす
る電極清掃装置。
【請求項2】
前記ギヤ機構は、
前記清掃ヘッドの往路における移動により回転駆動される入力側回転ギヤと、
前記ゼンマイばねが連結された出力側回転ギヤと、
前記入力側回転ギヤに対する前記出力側回転ギヤのギヤ比を切り換えるギヤ比切換部と
を備え、
前記ギヤ比切換部は、前記清掃ヘッドの復路移動時におけるギヤ比が、前記清掃ヘッドの往路移動時におけるギヤ比よりも大きくなるように前記ギヤ比を切り換える
ことを特徴とする請求項
1に記載の電極清掃装置。
【請求項3】
前記第1移動機構における牽引部材は、前記放電電極の張架方向に沿って挿抜可能に配された長尺状のロッドであり、
前記ロッドの長手方向に沿ってラックが形成されており、前記ギヤ機構における前記入力側回転ギヤは、前記ラックに噛合するピニオンである
ことを特徴とする請求項
2に記載の電極清掃装置。
【請求項4】
帯電器のシールドケース内の空間に張架された放電電極を清掃する電極清掃装置であって、
前記放電電極を清掃する清掃部材を有する清掃ヘッドを、当該放電電極の張架方向に沿って、初期位置である第1位置から、往路の終端位置である第2位置まで往復移動させる移動手段を備え、
前記移動手段は、
牽引部材を介して前記清掃ヘッドの往路を手動で移動させる第1移動機構と、
前記往路における前記清掃ヘッドの位置変化を位置エネルギーとして蓄積し、当該蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドの復路を移動させる第2移動機構と、
を備え、
前記第1位置および前記第2位置は、前記帯電器による帯電可能範囲より、前記放電電極の張架方向において外側に位置する
ことを特徴とす
る電極清掃装置。
【請求項5】
前記清掃ヘッドが、前記第1位置と第2位置のうち、少なくとも第1位置にあるとき、前記清掃部材を前記放電電極から離間させる離間機構を備える
ことを特徴とする請求項
4に記載の電極清掃装置。
【請求項6】
前記清掃ヘッドは、
前記帯電器のシールドケースに対し、前記放電電極の張架方向と平行な方向に摺動可能に取着される摺動基体と、
前記清掃部材を保持し、前記摺動基体に対し、前記清掃部材が前記放電電極に接触する第1姿勢と前記清掃部材が前記放電電極から離間する第2姿勢との間で姿勢変更可能に保持された清掃部材保持体と、
を備え、
前記離間機構は、前記清掃ヘッドが前記少なくとも第1位置に接近したときに、前記少なくとも第1位置に配された突起部が、前記清掃部材保持体の一部に当接して、前記清掃部材保持体の姿勢を前記第1姿勢から前記第2姿勢に変更させる構成である
ことを特徴とする請求項
5に記載の電極清掃装置。
【請求項7】
帯電器のシールドケース内の空間に張架された放電電極を清掃する電極清掃装置であって、
前記放電電極を清掃する清掃部材を有する清掃ヘッドを、当該放電電極の張架方向に沿って、初期位置である第1位置から、往路の終端位置である第2位置まで往復移動させる移動手段を備え、
前記移動手段は、
牽引部材を介して前記清掃ヘッドの往路を手動で移動させる第1移動機構と、
前記往路における前記清掃ヘッドの位置変化を位置エネルギーとして蓄積し、当該蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドの復路を移動させる第2移動機構と、
を備え、
前記清掃ヘッドが往路を移動する間は、前記清掃部材を前記放電電極から離間させると共に、前記清掃ヘッドが復路を移動する間は、前記清掃部材を前記放電電極に接触させる接触状態切換機構を
備えることを特徴とす
る電極清掃装置。
【請求項8】
前記清掃ヘッドは、
前記帯電器のシールドケースのガイド溝に、前記放電電極の張架方向と平行な方向に摺動可能に取着される摺動基体と、
前記清掃部材を保持し、前記摺動基体に回動可能に支持された清掃部材保持体と、
前記清掃部材保持体の回動支軸に連結されたレバー部材と、
を備え、
前記牽引部材は、前記レバー部材を介して前記清掃ヘッドに連結されており、前記牽引部材を往路方向に手動で牽引することにより、前記レバー部材が第1方向に揺動して、前記清掃部材保持体が、前記清掃部材が前記放電電極に接触する第1姿勢から前記清掃部材が前記放電電極から離間した第2姿勢に変更された状態で、前記清掃ヘッドが往路を移動し、
前記清掃ヘッドが復路を移動する際に、前記レバー部材が前記第1方向と反対の第2方向に揺動して前記清掃部材保持体が第2姿勢から第1姿勢に復帰して清掃部材を放電電極に接触させることによって、前記接触状態切換機構として機能する
ことを特徴とする請求項
7に記載の電極清掃装置。
【請求項9】
前記第2移動機構は、前記位置エネルギーを、弾性体の変形による弾性エネルギーとして蓄積するエネルギー蓄積部
を備える
ことを特徴とする請求項
4から8までのいずれか1項に記載の電極清掃装置。
【請求項10】
前記弾性体は、スプリングばね、ゼンマイばね、もしくはゴムのいずれか
であることを特徴とする請求項
9に記載の電極清掃装置。
【請求項11】
前記エネルギー蓄積部は、復路において、前記清掃ヘッドを前記第1位置を超えてさらに前記第2位置と反対の方向に向けて移動させる余力が残るような態様で、前記弾性エネルギーを解放する
ことを特徴とする請求項
1、2、3、9、10のいずれか1項に記載の電極清掃装置。
【請求項12】
放電電極と、前記放電電極を清掃する清掃手段とを有する帯電装置であって、当該清掃手段として、請求項1から
11までのいずれか1項に記載の電極清掃装置を備えた
ことを特徴とする帯電装置。
【請求項13】
感光体の周面を帯電手段により帯電し、露光走査により当該感光体に静電潜像を形成した後、現像剤により現像して現像剤像を形成する画像形成装置であって、
前記帯電手段として請求項
12に記載の帯電装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、帯電装置における放電電極の電極清掃装置、および当該電極清掃装置を備えた帯電装置、並びに当該帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、帯電器で感光体表面を一様の電位に帯電した後、感光体表面を露光走査して静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを供給してトナー像を生成し、当該トナー像をシート上に転写した後、定着装置にて熱定着する構成になっている。
【0003】
上記帯電器として、通常、コロナ帯電器がよく利用されている。コロナ帯電器は、帯電器本体のシールドケース内に張架された放電ワイヤーに数kVの高圧を印加して、コロナ放電させて、感光体表面を帯電させる構成になっている。
【0004】
このような帯電器において、紙粉などの塵埃や、コロナ放電により生じた物質(放電生成物)などが放電ワイヤーに付着すると、その部分が放電しなくなって、帯電むらが生じ、これにより画像品質が劣化する原因ともなる。
【0005】
そこで、従来から、放電ワイヤーを清掃する装置(電極清掃装置)が提案されている。
【0006】
例えば、放電ワイヤーに清掃パッドなどの清掃部材を接触させて、取手付きのロッドで手動により清掃パッドを前記放電ワイヤーの張架方向に沿って長手方向に往復移動させて放電ワイヤーを清掃する方法(特許文献1)が提案されている。
【0007】
また、清掃パッドを、モーターを利用したネジ送り機構により放電ワイヤーに沿って往復移動させることにより、自動的に放電ワイヤーを清掃する方法(特許文献2)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2010-85704号公報
【文献】特開2008-134305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1のように、ユーザーが手動で清掃パッドを移動させる場合には、どうしても当該清掃パッドの移動状態が不安定になりがちであり、往復での清掃にかかる時間が長くなり、その間、放電ワイヤーに不要なテンションを加える時間も長くなり、放電ワイヤーにダメージを与えやすいという問題がある。
【0010】
さらには、通常、装置前面のメンテナンス扉を開放して、清掃用のロッドの挿抜動作を行うことになるが、復路でうっかりと最後までロッドを押し込まないで手前にロッドが突出した状態で、メンテナンス用の扉を締めてしまうと、突出したロッドに衝突して当該ロッド自体が曲がったり、清掃パッドを介して放電ワイヤーに不自然な方向に力が加わって放電ワイヤーが損傷するおそれがある。
【0011】
この点、特許文献2では、モーター駆動によるネジ送り機構により清掃パッドを往復移動させる構成が開示されており、この構成によれば、移動途中で停止させることもなく安定して清掃パッドを移動させると共に、位置センサーなどを用いて、清掃パッドを初期位置に復帰させることができるので、特許文献1のような問題は生じにくいと考えられる。
【0012】
しかしながら、特許文献2の技術によれば、モーター、位置センサーおよびネジ送り機構などの大がかりな設備が必要となり製造コストの大幅な増大が避けられない。
【0013】
本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであって、製造コストを抑制しつつ、放電電極の損傷のおそれを可及的に低減して、円滑に放電電極を清掃することができる電極清掃装置および当該電極清掃装置を備えた帯電装置、並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本開示に係る一の態様は、帯電器のシールドケース内の空間に張架された放電電極を清掃する電極清掃装置であって、前記放電電極を清掃する清掃部材を有する清掃ヘッドを、当該放電電極の張架方向に沿って、初期位置である第1位置から、往路の終端位置である第2位置まで往復移動させる移動手段を備え、前記移動手段は、牽引部材を介して前記清掃ヘッドの往路を手動で移動させる第1移動機構と、前記往路における前記清掃ヘッドの位置変化を位置エネルギーとして蓄積し、当該蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドの復路を移動させる第2移動機構と、を備え、前記第2移動機構は、前記位置エネルギーを、ゼンマイばねの変形による弾性エネルギーとして蓄積するエネルギー蓄積部を備え、前記エネルギー蓄積部は、前記清掃ヘッドの往路における移動量を、前記ゼンマイばねの巻き取り量に変換するギヤ機構を備え、前記第2移動機構は、前記エネルギー蓄積部に蓄積された弾性エネルギーを解放して、前記ギヤ機構を介して前記清掃ヘッドの復路を移動させることを特徴とする。
【0015】
また、本開示に係る別の態様では、前記第2移動機構は、前記位置エネルギーを、弾性体の変形による弾性エネルギーとして蓄積するエネルギー蓄積部を備える。
【0016】
また、本開示に係る別の態様では、前記弾性体は、スプリングばね、ゼンマイばね、もしくはゴムのいずれかである。
【0017】
また、本開示に係る別の態様では、前記エネルギー蓄積部は、復路において、前記清掃ヘッドを前記第1位置を超えてさらに前記第2位置と反対の方向に向けて移動させる余力が残るような態様で、前記弾性エネルギーを解放する。
【0018】
また、本開示に係る別の態様では、前記弾性体は、ゼンマイばねであって、前記エネルギー蓄積部は、前記清掃ヘッドの往路における移動量を、前記ゼンマイばねの巻き取り量に変換するギヤ機構を備え、前記第2移動機構は、前記エネルギー蓄積部に蓄積された弾性エネルギーを解放して、前記ギヤ機構を介して前記清掃ヘッドの復路を移動させる。
【0019】
また、本開示に係る別の態様では、前記ギヤ機構は、前記清掃ヘッドの往路における移動により回転駆動される入力側回転ギヤと、前記ゼンマイばねが連結された出力側回転ギヤと、前記入力側回転ギヤに対する前記出力側回転ギヤのギヤ比を切り換えるギヤ比切換部とを備え、前記ギヤ比切換部は、前記清掃ヘッドの復路移動時におけるギヤ比が、前記清掃ヘッドの往路移動時におけるギヤ比よりも大きくなるように前記ギヤ比を切り換える。
【0020】
また、本開示に係る別の態様では、前記第1移動機構における牽引部材は、前記放電電極の張架方向に沿って挿抜可能に配された長尺状のロッドであり、前記ロッドの長手方向に沿ってラックが形成されており、前記ギヤ機構における前記入力側回転ギヤは、前記ラックに噛合するピニオンである。
【0021】
また、本開示に係る別の態様では、帯電器のシールドケース内の空間に張架された放電電極を清掃する電極清掃装置であって、前記放電電極を清掃する清掃部材を有する清掃ヘッドを、当該放電電極の張架方向に沿って、初期位置である第1位置から、往路の終端位置である第2位置まで往復移動させる移動手段を備え、前記移動手段は、牽引部材を介して前記清掃ヘッドの往路を手動で移動させる第1移動機構と、前記往路における前記清掃ヘッドの位置変化を位置エネルギーとして蓄積し、当該蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドの復路を移動させる第2移動機構と、を備え、前記第1位置および前記第2位置は、前記帯電器による帯電可能範囲より、前記放電電極の張架方向において外側に位置することを特徴とする。
【0022】
また、本開示に係る別の態様では、前記清掃ヘッドが、前記第1位置と第2位置のうち、少なくとも第1位置にあるとき、前記清掃部材を前記放電電極から離間させる離間機構を備える。
【0023】
また、本開示に係る別の態様では、前記清掃ヘッドは、前記帯電器のシールドケースに対し、前記放電電極の張架方向と平行な方向に摺動可能に取着される摺動基体と、前記清掃部材を保持し、前記摺動基体に対し、前記清掃部材が前記放電電極に接触する第1姿勢と前記清掃部材が前記放電電極から離間する第2姿勢との間で姿勢変更可能に保持された清掃部材保持体と、を備え、前記離間機構は、前記清掃ヘッドが前記少なくとも第1位置に接近したときに、前記少なくとも第1位置に配された突起部が、前記清掃部材保持体の一部に当接して、前記清掃部材保持体の姿勢を前記第1姿勢から前記第2姿勢に変更させる構成である。
【0024】
また、本開示に係る別の態様では、帯電器のシールドケース内の空間に張架された放電電極を清掃する電極清掃装置であって、前記放電電極を清掃する清掃部材を有する清掃ヘッドを、当該放電電極の張架方向に沿って、初期位置である第1位置から、往路の終端位置である第2位置まで往復移動させる移動手段を備え、前記移動手段は、牽引部材を介して前記清掃ヘッドの往路を手動で移動させる第1移動機構と、前記往路における前記清掃ヘッドの位置変化を位置エネルギーとして蓄積し、当該蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドの復路を移動させる第2移動機構と、を備え、前記清掃ヘッドが往路を移動する間は、前記清掃部材を前記放電電極から離間させると共に、前記清掃ヘッドが復路を移動する間は、前記清掃部材を前記放電電極に接触させる接触状態切換機構を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本開示に係る別の態様では、前記清掃ヘッドは、前記帯電器のシールドケースのガイド溝に、前記放電電極の張架方向と平行な方向に摺動可能に取着される摺動基体と、前記清掃部材を保持し、前記摺動基体に回動可能に支持された清掃部材保持体と、前記清掃部材保持体の回動支軸に連結されたレバー部材と、を備え、前記牽引部材は、前記レバー部材を介して前記清掃ヘッドに連結されており、前記牽引部材を往路方向に手動で牽引することにより、前記レバー部材が第1方向に揺動して、前記清掃部材保持体が、前記清掃部材が前記放電電極に接触する第1姿勢から前記清掃部材が前記放電電極から離間した第2姿勢に変更された状態で、前記清掃ヘッドが往路を移動し、前記清掃ヘッドが復路を移動する際に、前記レバー部材が前記第1方向と反対の第2方向に揺動して前記清掃部材保持体が第2姿勢から第1姿勢に復帰して清掃部材を放電電極に接触させることによって、前記接触状態切換機構として機能する。
【0026】
また、本開示に係る別の態様では、放電電極と、前記放電電極を清掃する清掃手段とを有する帯電装置であって、当該清掃手段として、上記の電極清掃装置を備えたことを特徴とする。
【0027】
また、本開示に係る別の態様では、感光体の周面を帯電手段により帯電し、露光走査により当該感光体に静電潜像を形成した後、現像剤により現像して現像剤像を形成する画像形成装置であって、前記帯電手段として上記の帯電装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
上記の構成によれば、手動により清掃部材を有する清掃ヘッドを往路移動させ、復路では往路における清掃ヘッドの位置変化により蓄積された位置エネルギーを利用して、前記清掃ヘッドを自動的に移動させて清掃させることができる。これにより不安定な手動による清掃は往路だけとなり、放電電極にダメージを与えるおそれが半減すると共に、復路は手動ではなく自動的に復帰させることができるので、うっかりと清掃ヘッドを戻し忘れるというトラブルが生じない。また、清掃ヘッドの移動のためモーターなどを使用する必用がないので、製造コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラー複写機の構成を説明するための概略図である。
【
図2】上記複写機における帯電器の概観斜視図である。
【
図4】上記帯電器における清掃ヘッドの構成の一例を示す斜視図である。
【
図5】上記清掃ヘッドが、シールドケースの奥側端部に位置するときの外側プレートを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図6】
図5の状態のパッド保持体と中間部材に、外側プレートを取り付けて清掃ヘッドが組み付けられた状態を示す図である。
【
図7】上記帯電器において清掃ヘッドを自動的に復路移動させるためのエネルギー蓄積機構の構成を示す図である。
【
図8】(a)、(b)は、それぞれ清掃ヘッドの往路途中と復路途中におけるエネルギー蓄積機構の動作を説明するための図である。
【
図9】(a)、(b)は、それぞれ帯電器において清掃ヘッドが初期位置に復帰したときに、清掃パッドを放電ワイヤーから離間させる機構(清掃パッド離間機構)を説明するための図である。
【
図10】
図9の清掃パッド離間機構における、突起部とパッド保持体との高さ方向(パッド保持体の回転軸の伸びる方向)における位置関係を説明するための図である。
【
図11】本開示の変形例に係る電極清掃装置の要部を説明するための図である。
【
図12】(a)、(b)は、
図11の電極清掃装置における清掃ヘッドが往路を移動する際の動作を説明するための図である。
【
図13】(a)、(b)は、
図11の電極清掃装置における清掃ヘッドが復路を移動する際の動作を説明するための図である。
【
図14】本開示に係る電極清掃装置におけるエネルギー蓄積機構の変形例を示す概略図である。
【
図15】本開示に係る電極清掃装置におけるエネルギー蓄積機構の別の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施の形態に係る電極清掃装置を備えた帯電器を、タンデム型のカラー複写機(以下、単に「複写機」という)に適用した例について説明する。
【0031】
(1)複写機の全体構成
図1は、本実施の形態に係る複写機1の全体構成を説明するための概略図である。
【0032】
同図に示すように、複写機1は、大きく分けて、イメージリーダー部Rとプリンター部Pとからなる。
【0033】
<イメージリーダー部>
イメージリーダー部Rは、原稿画像を光学的に読み取って画像信号に変換するスキャナー部10、および、このスキャナー部10の上方に設けられた原稿搬送部(ADFユニット)11を備えている。
【0034】
原稿搬送部11は、原稿給紙トレイ11aにセットされた原稿束から原稿を1枚ずつ繰り出して、プラテンガラス10a上の読取り位置R1まで搬送し、当該読取り位置R1でスキャナー部10により原稿画像が読み取られた後、原稿排出トレイ11c上に排出するものである。
【0035】
スキャナー部10では、LEDアレイなどからなる線状光源10bから光を発し、読取り位置R1を通過する原稿からの反射光を、集光レンズ群10cを介してラインセンサー10d上に集光させる。
【0036】
ラインセンサー10dは、複数のCCD(Charge Coupled Device)を、主走査方向と平行な方向に直線状に配列してなり、入射された原稿からの反射光を電気信号に変換してプリンター部Pの制御部50に出力する。
【0037】
<プリンター部>
プリンター部Pは、画像形成部20、給紙部30、定着部40、制御部50などからなり、上記イメージリーダー部Rで読み取った原稿画像や、ネットワークを介して他の端末から送信されてきた画像データに基づき、シート上に画像を形成するものである。
【0038】
画像形成部20は、不図示の駆動源により矢印方向に周回駆動される中間転写ベルト26と、中間転写ベルト26の鉛直方向の走行面に沿って列設されたプロセスユニット20Y、20M、20C、20Kとを備えている。
【0039】
プロセスユニット20Y、20M、20C、20Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を作像する。
【0040】
これらのプロセスユニット20Y~20Kは、使用されるトナーの色を除き、何れも同様の構成になっているので、代表してプロセスユニット20Yの構成についてのみ説明する。
【0041】
プロセスユニット20Yは、感光体ドラム21Yを中心にして、その周囲に帯電器22Y、露光器23Y、現像器24Yなどを配設してなる。
【0042】
感光体ドラム21Yは、帯電器22Yによってその外周面が所定の電位に一様に帯電される。
【0043】
露光器23Yは、イメージリーダー部Rで取得された画像データ(もしくは、受付けたプリントジョブに含まれる画像データ)に基づき、レーザ光源を変調駆動して、帯電された感光体ドラム21Yの表面を露光走査する。これにより感光体ドラム21Yの外周面に静電潜像が形成される。
【0044】
当該静電潜像は、現像器24Yによってイエローのトナーで現像され、現像されたトナー像は、一次転写ローラー25Yに印加された電圧によって、中間転写ベルト26上に一次転写される。
【0045】
他のプロセスユニット20M、20C、20Kにおける感光体ドラム上に、所定時間ずらして形成されたM色、C色、K色のトナー画像を、中間転写ベルト26上の同じ位置に重ねて転写することにより、カラーのトナー画像が形成される。
【0046】
中間転写ベルト26上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト26の周回動作によって、2次転写ローラー27と対向する2次転写位置へと搬送される。
【0047】
一方、給紙部30は、給紙カセット31~33を有し、指定された給紙カセットからシートを繰り出し、レジストローラー34でタイミングを取って2次転写位置に搬送し、中間転写ベルト26上のトナー像が、シート上に2次転写される。
【0048】
トナー像が転写されたシートは、定着部40の加熱ローラー41と加圧ローラー42とで形成されたニップ部を通過することにより、熱定着された後、排出ローラー28を介して排出トレイ29上に排出される。
【0049】
(2)帯電器の構成
次に、帯電器22Y~22Kの構成について図面に基づき説明するが、本実施の形態では、各プロセスユニット20M~20Kにおける帯電器22Y~22Kは、すべて同じ構成を有しているので、以下ではY~Kの添え字を省略して説明する。
【0050】
また、説明の便宜上、上下方向はあくまでも、各図面における相対的な上下関係を示すものであって、絶対的な上下関係を示すものではない。
【0051】
図2は、帯電器22を上方(感光体ドラム21の周面に面する放電開口部220を有する側)から見たときの全体の外観斜視図であり、その長手方向(Y軸方向)は、感光体ドラム21(
図1)の回転軸と平行であり、図の左下側が複写機1の手前側(正面側)になる。
【0052】
帯電器22の本体は、アルミニウムなどの金属からなるシールドケース222と、その長手方向の両端部に装着された絶縁性の樹脂材料等からなる端部カバー223、224と、端部カバー223と端部カバー224との間に、帯電器22の長手方向(Y軸方向)に平行な方向に張架された放電ワイヤー221とを含む。
【0053】
放電ワイヤー221は、例えば、金等でメッキされたタングステン線などからなり、端部カバー223、端部カバー224間に張架されており、その一方の端部において引っ張りばね(不図示)を介して端部カバー223(もしくは224)に保持されることにより、放電ワイヤー221に一定の張力が付与されている。
【0054】
端部カバー223と端部カバー224との間に放電開口部220が形成され、放電ワイヤー221が露出する。放電開口部220の長手方向(Y軸方向)における長さL0(帯電可能範囲の長手方向における長さ)は、帯電対象となる感光体ドラム21の軸方向の帯電領域の幅と等しくなるように設定される。
【0055】
また、端部カバー224には、手前側に伸びる延設部225が設けられている。
【0056】
帯電器22は、さらに、放電ワイヤー221を清掃するための電極清掃装置60を含む。この電極清掃装置60は、清掃ヘッド61(
図2では、端部カバー223下の位置(初期位置)に待機した状態が示されている。)と、清掃ヘッド61に連結され、Y軸方向と平行に伸びる操作ロッド62と、操作ロッド62が手動により手前側(矢印A方向)に引っ張られたときのエネルギーを蓄積して、清掃ヘッド61を初期位置まで復帰させるためのエネルギー蓄積機構64とを備える。
【0057】
(3)電極清掃装置
(3-1)清掃ヘッド
図3は、
図2の帯電器22を下方から見たときの底面図である。
【0058】
同図に示すように、シールドケース222の底面には、放電開口部222の長手方向(Y軸方向)に伸びるガイド溝226が形成されており、清掃ヘッド61が当該ガイド溝226に沿って、初期位置P11から往路終端位置(折返し位置)P12まで摺動可能なようになっている。
【0059】
上記初期位置P11と往路終端位置P12は、それぞれ、長手方向において、長さL0の放電開口部220よりも外側に配されている。
【0060】
本実施の形態では、初期位置P11とP1との距離L1および往路終端位置P12とP2との距離L2は、当該位置P11もしくは位置P12に清掃ヘッド61が位置しているときにおいて、清掃ヘッド61における清掃パッド6113および6114(
図4参照)が、平面視において位置P1とP2間の帯電可能範囲内に位置しないような距離以上あって、少なくとも放電ワイヤー221の帯電可能範囲内にある部分が、清掃ヘッド61の位置P11とP12間の往復移動によって一対の清掃パッド6113、6114の放電ワイヤー221への接触により確実に清掃されるような距離に設定される。
【0061】
図4は、上記清掃ヘッド61のみを、
図3の左斜め上から見たときの構成を示す斜視図である。
【0062】
同図に示すように清掃ヘッド61は、パッド保持体611、中間部材612、外側プレート613を組み合わせてなる。
【0063】
パッド保持体611の本体部6110の上面には、回転軸6115が立設されており(
図5参照)、この回転軸6115が中間部材612および外側プレート613の軸穴を貫通して、その先端が外側プレート613の表面から突出し、回転軸6115の周溝6115aに、抜け止め用のEリング614が嵌め込まれて、パッド保持体611が中間部材612および外側プレート613に回転可能に軸支される構成となっている。
【0064】
図4に示すように、パッド保持体611の本体部6110の下面には、上記回転軸6115の軸心に対して点対称な位置(
図9(a)参照)に2本のパッド保持部6111、6112が立設され、それぞれの放電ワイヤー221に当接する位置には、清掃部材として、ゴムもしくはスポンジなどの弾性材料からなる清掃パッド6113、6114が接着剤等により貼着されている。
【0065】
また、外側プレート613の上面に設けられたロッド保持部6131の嵌合穴6132に操作ロッド62の先端部が嵌め込まれて固定される(
図6参照)。
【0066】
図5は、清掃ヘッド61が、シールドケース222の奥側端部(初期位置P11)に位置するときの外側プレート613を取り外した状態を示す斜視図である。
【0067】
図9(a)に示すように、シールドケース222のガイド溝226の内縁部226aと226bの裏側に中間部材612のX軸方向の両端部が位置し、各端部がシールドケース222の内側面に接触するようになっており、これにより、中間部材612は、その姿勢を維持したまま、シールドケース222内をY軸方向に移動可能となっている。
【0068】
図5に戻り、パッド保持体611の本体部6110の上面には係合ピン6116と軸支ピン6117が立設されており、軸支ピン6117にはコマ6118が回転可能に取着されている。
【0069】
中間部材612の軸穴にはボス部6121が形成されている。ボス部6121の上面の位置は、係合ピン6116や軸支ピン6117の頂点の位置よりもやや高い。
【0070】
なお、
図5に示すようにガイド溝226のX軸方向における幅は、初期位置において、広くなっているが、これは、パッド保持体611の回転を許容して、清掃パッド6113、6114の放電ワイヤー221への接触状態を解除するためのものである。詳細については後述する。
【0071】
図6は、
図5における回転軸6115の端部を外側プレート613の軸穴に挿入して、中間部材612の上に外側プレート613を装着し、Eリング614を取着した状態を示す。これにより、外側プレート613と中間部材612によってガイド溝226の内縁部226a、226bを上下から挟む状態になり、清掃ヘッド61がガイド溝226に沿って摺動可能に保持される(中間部材612と外側プレート613とを合せて「摺動基体」となる。)。
【0072】
清掃ヘッド61のロッド保持部6131には操作ロッド62の先端部が嵌入されて固定される。特に図示していないが、操作ロッド62を強く引いても操作ロッド62がロッド保持部6131から外れないように、操作ロッド62先端のロッド保持部6131から突出した部分にEリングを装着するのが望ましい。
【0073】
本実施の形態では、ユーザーが、操作ロッド62の手前側端部に形成された摘まみ部63を摘まんで手前(
図2矢印A方向)に引き出して清掃ヘッド61を初期位置(
図3のP11)から、手前側の端部カバー224による折返し位置(
図3の往路終端位置P12)まで移動させ(往路)、このときの位置変化を位置エネルギーとしてエネルギー蓄積機構64に蓄積し、ユーザーが摘まみ部63を放すと、エネルギー蓄積機構64に蓄積された位置エネルギーにより清掃ヘッド61が自動的に初期位置P11まで復帰するように構成されている。
【0074】
(3-2)エネルギー蓄積機構
(ア)基本構成
図7は、本実施の形態に係るエネルギー蓄積機構64を
図3の左斜め上から見たときの斜視図であり、内部構造がわかりやすいように、エネルギー蓄積機構64のハウジング641の側面の一部と上面を取り外した状態で示している。
【0075】
なお、エネルギー蓄積機構64のハウジング641は、装置内の不図示のフレーム(もしくは、端部カバー224)に取着されており、エネルギー蓄積機構64が、操作ロッド62の長手方向の移動に対し、相対的に固定された状態となっている。
【0076】
操作ロッド62のエネルギー蓄積機構64側には、操作ロッド62の長手方向に沿ってラック621が形成されている。エネルギー蓄積機構64には、上記ラック621と噛合するピニオン642、可動ギヤ643、第1中間ギヤ644、第2中間ギヤ645、2段ギヤ646、ゼンマイばね647とからなる(第2移動機構)。
【0077】
2段ギヤ646は、小径ギヤ6461と大径ギヤ6462とを上下に重ねて軸6443に固定されてなる。また、ゼンマイばね647の中心側端部が軸6443に固定されており、外側端部6471がハウジング641に立設されたピン6472に固定されている。
【0078】
第1中間ギヤ644は、小径ギヤ6461に噛合し、第2中間ギヤ645は、大径ギヤ6462に噛合している。
【0079】
また、可動ギヤ643の軸6432は、ハウジング641の長穴6431により、可動ギヤ643が第1中間ギヤ644と噛合する第1位置と、可動ギヤ643が第2中間ギヤ645と噛合する第2位置との間で移動可能に支持されている。
【0080】
この軸6432は、一端がハウジング641の係止部6433a(
図8(a)参照)に係止された引っ張りばね6433により第2位置に向けて付勢されている。
【0081】
なお、操作ロッド62は、その先端が、清掃ヘッド61のロッド保持部6131に連結されると共に(
図6)、その中間部が、端部カバー224に設けられた摺動保持部2241により保持されることにより、帯電器22の長手方向(放電ワイヤー221の張架方向)に沿って、挿抜可能に保持されている(第1移動機構)。
【0082】
(イ)動作説明
図8(a)、(b)は、それぞれ往路・復路におけるエネルギー蓄積機構64の動作を示す図である。
【0083】
まず、ユーザーは、装置前面にあるメンテナンス用の扉(不図示)を開放して、摘まみ部63(
図3)を摘まみ、操作ロッド62を手前側(矢印A方向)に引き出し、清掃ヘッド61を初期位置P11から往路終端位置(折返位置)P12(
図3参照)まで移動させる(往路)。
【0084】
このとき、
図8(a)に示すように操作ロッド62のA方向への移動に伴って、ラック621と噛合しているピニオン642が時計回りに回転し、これにより可動ギヤ643の軸6432は、引っ張りばね6433の付勢力に抗して第1中間ギヤ644方向に移動させられ、第1中間ギヤ644と噛合する。
【0085】
第1中間ギヤ644は、2段ギヤ646の小径ギヤ6461に噛合して、軸6463を反時計回りに回転させ、ゼンマイばね647(
図7)を巻き取る。つまり、手動による清掃ヘッド61の往路の移動における位置変化が、ゼンマイばね647の弾性エネルギーに変換されて蓄積されることになる。
【0086】
このとき、ゼンマイばね647の巻き取り量は、入力側歯車であるピニオン642に対する出力側の小径ギヤ6461とのギヤ比(=(出力側ギヤの歯数)/(入力側ギヤの歯数))によって定まる(第1ギヤ比)。
【0087】
ユーザーが、清掃ヘッド61を手前側の往路終端位置P12まで引き出した後、摘まみ部63を放すと、ゼンマイばね647の弾性エネルギーが解放され、
図8(b)に示すように、軸6463を時計回りに回転させる。
【0088】
この直前にピニオン642は停止しているため、可動ギヤ643は、引っ張りばね6433の付勢力により、第2中間ギヤ645と噛合する第2位置に移動しており、2段ギヤ646の大径ギヤ6462の時計回りの回転力が、第2中間ギヤ645および可動ギヤ643を介してピニオン642を反時計回りに回転させ、その結果ラック621をB方向に移動し、これにより清掃ヘッド61が初期位置P11に向けて復路を移動する。
【0089】
往路の際には、ピニオン642の回転力が最終的に小径ギヤ6461に伝達され(第1ギヤ比)、反対に復路のときにはピニオン642が、大径ギヤ6462の回転力より回転される(第2ギヤ比)。
【0090】
このように可動ギヤ643の移動により、入力軸のギヤに対する出力のギヤのギヤ比を切り換えることができるので、可動ギヤ643が「ギヤ比切換部」として機能する。
【0091】
往路と復路は同じ距離なので、それぞれの移動に必要なピニオン642の回転数は同じであるが、往路と復路とで、ピニオン642(入力側ギヤ)に対する最終段のギヤ(出力側ギヤ)とのギヤ比が異なるため(第1ギヤ比<第2ギヤ比)、復路移動のときに必要な軸6463の回転数は、往路移動の弾性エネルギーを蓄積する際の回転数よりも少なくて済む。
【0092】
そのため、清掃ヘッド61が復路を進んで初期位置に到達したときには、ゼンマイばね647は蓄積した弾性エネルギーを完全に解放しておらず、清掃ヘッド61をさらに復路方向に移動させるだけの余力が残っており、これにより完全に清掃ヘッド61を初期位置P11まで復帰させることを確実なものとしている。
【0093】
しかし、これでは清掃ヘッド61を往復移動するたびゼンマイばね647に徐々に解放されないままの弾性エネルギーが蓄積されていき、やがて、ゼンマイばね647を巻き切ってしまい往路で往路終端位置P12まで移動させることができず、無理して操作ロッド62を引っ張ると、ゼンマイばね647が破損するおそれすらある。
【0094】
そのため、本実施の形態では、清掃ヘッド61が初期位置に戻ったときにおけるラック621のピニオン642に対応する部分に欠歯部6211を設けている(
図8(b)参照)。これにより清掃ヘッド61を確実に初期位置に復帰した後、ピニオン642は、欠歯部6211で空回りにするため、ゼンマイばね647に残存していた弾性エネルギーを全て解放してリセットすることができ、上記のようにゼンマイばね647が破損するようなおそれがなくなる。
【0095】
あるいは、ゼンマイばね647の内側端部を、トルクリミッターを介して軸6463に結合するようにしてもよい。これによっても、ゼンマイばね647を必要以上に巻き過ぎて破損させるようなおそれを回避することができる。
【0096】
このように往路の際に、エネルギー蓄積機構64に蓄えた弾性エネルギーにより、復路において清掃ヘッド61が自動的に初期位置P11まで移動できるように構成しているため、従来のように往復路の全移動を不安定な手動で行う場合に比べて、放電ワイヤー221に不要なダメージを与えるおそれが半減すると共に、摘まみ部63を離すと、必ず、清掃ヘッド61が自動的に初期位置に復帰するので、うっかりと操作ロッド62を戻し忘れて、メンテナンス用扉を閉めてしまうようなトラブルも発生しない。また、モーター駆動で清掃ヘッドを移動させるような場合に比べ製造コストを大幅に少なくすることができるという効果も得られる。
【0097】
(3-3)清掃パッド離間機構
放電ワイヤー221の清掃は、それほど頻繁に行われるものではなく、清掃ヘッド61が初期位置で待機している間も、清掃パッド6113、6114が放電ワイヤー221に接触していると、常時放電ワイヤー221に不要なテンションをかけることになり、放電ワイヤー221の寿命が短くなるおそれがある。
【0098】
そこで、本実施の形態では、清掃ヘッド61が初期位置P11に復帰する際に、パッド保持体611が回転軸6115回りに回転して、自動的に清掃パッド6113、6114と放電ワイヤー221の接触状態が解除されるように構成している(清掃パッド離間機構)。
【0099】
図9(a)は、復路において、清掃ヘッド61が端部カバー223に接近してきたときにおける、放電開口部220側から見たときの平面図である。
【0100】
この段階において、パッド保持体611は、その裏面に配されたコマ6118(
図5参照)がガイド溝226の内縁部226bの直線部分(放電ワイヤー221と平行に伸びる部分)に当接すると共に、同じくパッド保持体611の裏面に立設された係合ピン6116(
図5参照)が、ガイド溝226の内縁部226aの直線部分(放電ワイヤー221と平行に伸びる部分)と当接しているため、清掃パッド6113、6114と放電ワイヤー221との接触圧が一定のまま、パッド保持体611の姿勢が維持される。
【0101】
清掃ヘッド61がそれよりさらに初期位置P11に向けて進むと、端部カバー223に設けられた突起部2231の先端部が、パッド保持部6112の清掃パッド6114の取り付け位置より下方の部分(根元)に当接する。
【0102】
この位置よりさらにB方向に進むと、ガイド溝226の内縁部226a、226bがそれぞれ内縁部226c、内縁部226dに後退して、ガイド溝226の幅が広くなっているので、コマ6118や係合ピン6116は、ガイド溝226の拘束から解放される。
【0103】
その後、パッド保持部6112が突起部2231のテーパー部2231aにより、反時計回りに回動する分力を付与されて、パッド保持体611が
図9(b)に示すように、清掃パッド6113、清掃パッド6114が放電ワイヤー221から離れる方向に回転し、本体部6110の直線状の側辺部6110aが、端部カバー223の平坦部2232に当接した状態でパッド保持体611の回動が停止し、そのままの状態で、次の清掃の操作が実行されるまで待機する。
【0104】
図10は、上記
図9(b)において、端部カバー223に設けられた突起部2231とパッド保持体611とのZ軸方向(パッド保持体611の回転軸6115方向)における位置関係を説明するため、シールドケース222を取り除いたときの、端部カバー223付近の側面図である。
【0105】
同図に示すように端部カバー223に設けられた突起部2231は、Z軸方向において、パッド保持体611の本体部6110の上面と、パッド保持部6111、6112の清掃パッド6113、清掃パッド6114の取り付け位置との間に、Y軸方向と平行な方向に突出するように設けられている。
【0106】
図9(b)に戻り、次回の清掃動作において、摘まみ部63を介して操作ロッド62が引き出されると、上記と反対の動作が実行される。すなわち、パッド保持部6112と突起部2231との当接が解除されると共に、コマ6118が、ガイド溝226の内縁部のテーパー部226eに当接して、パッド保持体611が時計回りに回動される。
【0107】
その後、コマ6118が、ガイド溝226の内縁部226bに当接し、係合ピン6116が内縁部226aに当接するため、パッド保持体611が、清掃パッド6113、6114が放電ワイヤー221に一定の圧力で接触する姿勢に復帰し、放電ワイヤー221が清掃される。
【0108】
初期位置P11において、上記のように清掃パッド6113、6114が、放電ワイヤー221から離間する構成に加えて、往路終端位置P12に清掃ヘッド61が到達する際にも、上記と同様な清掃パッド離間機構を設けてもよい。
【0109】
この場合には、往路で掻き取った塵埃や放電生成物などを、一旦清掃パッド6113、6114を放電ワイヤー221から離間させることにより、少しでも清掃パッド6113、6114から落下させ、復路途中において当該往路で回収した塵埃などを放電ワイヤー221に取り残すような不都合の発生を抑制できるという利点がある。
【0110】
なお、本例では、突起部2231は、パッド保持体611のパッド保持部6112の根元に当接して、パッド保持体611を
図9(b)のように反時計回りに回動させるようにしたが、突起部2231が当接する部分は、上記のようにパッド保持体611を、清掃パッド6113、6114が放電ワイヤー221から離間するように回動(姿勢変更)させる力を与えるのであれば、パッド保持体611の他の適当な部分に当接するようにしても構わない。
【0111】
<変形例>
以上、本開示の一態様に係る実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
【0112】
(1)上記実施の形態においては、操作ロッド62の往路と復路の双方において、清掃パッド6113、6114を放電ワイヤー221に接触させ、往路では手動で清掃ヘッド61を移動させ、復路ではエネルギー蓄積機構64の弾性エネルギーを利用して自動的に復帰させて、放電ワイヤー221を往路と復路で清掃するようにした。
【0113】
これにより、従来の清掃ヘッド61の往復移動を手動で操作する場合に比べて、放電ワイヤー221にダメージを与えるおそれを半減することができた。
【0114】
本変形例では、これをさらに改善し、手動による往路は清掃パッド6113、6114を放電ワイヤー221に接触させずに清掃ヘッド61の移動のみを行い、復路において清掃パッド6113、6114を放電ワイヤー221に接触する状態に切り換えて、往路においてエネルギー蓄積機構64に蓄積された弾性エネルギーにより自動的に移動する復路においてのみ放電ワイヤー221の清掃を実行する接触状態切換機構を有している点に特徴がある。
【0115】
図11は、本変形例における接触状態切換機構の主要部である清掃ヘッド61と操作ロッド62との連結状態を示す斜視図であり、説明の便宜上外側プレート613(
図4等参照)は図示を省略している。
【0116】
清掃ヘッド61のパッド保持体611の本体部6110の下面には2本のパッド保持部6111、6112が回転中心に対して点対称な位置に立設されており、それぞれに清掃パッド6113、6114が貼着される。
【0117】
また、本体部6110の上面には2本の規制ピン6119a、6119bが立設されており、それぞれ往路と復路におけるパッド保持体611の回転軸6115回りの回転角度を規制するようになっている。
【0118】
回転軸6115の上方には板状のレバー部材6140が形成されており、レバー部材6140には貫通孔6141が穿設される。
【0119】
一方、操作ロッド62の先端部には、縮径部623を介して大径のヘッド622が取着されており、縮径部623が上記レバー部材6140の貫通孔6141に遊挿される。
【0120】
板状のレバー部材6140の両面には、貫通孔6141と連通するボス部6142、6143が設けられている(ボス部6143については、
図11ではレバー部材6140に隠れて見えない。
図12(a)参照)。
【0121】
ボス部6142、6143のそれぞれは、
図12(a)の平面図に示すように頂面が斜めにカットされた形状となっており、これにより操作ロッド62の移動方向に応じて、清掃ヘッド61を所定角度回転した状態で、操作ロッド62の縮径部623が連結されている面62a、またはヘッド622の縮径部623が連結されている面622aと、ボス部6142、6143のそれぞれの頂面とが密着し、清掃ヘッド61を往復移動させるときの操作性と安定性が向上するようになっている。
【0122】
縮径部623の軸方向の長さL3および、レバー部材6140の貫通孔6141の内径は、それぞれ操作ロッド62がA方向(往路:
図12(a))およびB方向(復路:
図13(a))に移動するときのパッド保持体611の所定量の回転を許容する大きさに設定されている。
【0123】
図12(a)は、往路移動中の清掃ヘッド61を底面側から見たときの平面図であり、本図において外側プレート613の図示を省略して本変形例における動作が分かりやすいようにしている。
【0124】
図12(a)において、往路においてユーザーが、操作ロッド62をA方向に引っ張ると、レバー部材6140もA方向に揺動するため、パッド保持体611が、
図12(a)の左回り(反時計回り)に回転し、パッド保持体611の本体部6110に立設された規制ピン6119aが、ガイド溝226の内縁部226bに当接した姿勢を維持した状態で、A方向に移動される。
【0125】
図12(b)は、
図12(a)における状態を帯電器22の上面側(放電開口部220側)から見たときの平面図である。
【0126】
図12(b)に示すように、パッド保持体611の本体部6110がこの回転位置にある場合に、パッド保持部6111、6112が、放電ワイヤー221から離れる方向に移動しており、清掃パッド6113、6114が放電ワイヤー221から離間する。
【0127】
これにより、手動で往路を移動させる場合には、清掃パッド6113、6114は、放電ワイヤー221に接触せず、清掃動作は実行されない。そのため、手動動作による放電ワイヤー221へのダメージは生じない。
【0128】
一方、
図13(a)は、復路移動中の清掃ヘッド61を底面側から見たときの図であり、本図でも外側プレート613の図示を省略して本変形例における動作が分かりやすいようにしている。
【0129】
前述したように復路においては、エネルギー蓄積機構64に蓄積されたに弾性エネルギーにより、操作ロッド62が、
図13(a)のB方向に移動し、これによりレバー部材6140もB方向に揺動するため、パッド保持体611の本体部6110が右回り(時計回り)に回転し、規制ピン6119bが、ガイド溝226の内縁部226bに当接して、それ以上の回転が規制された状態で、清掃ヘッド61がB方向に移動される。
【0130】
図13(b)は、
図13(a)における状態を帯電器22の上面側から見たときの平面図である。
【0131】
図13(b)に示すように、本体部6110がこの回転姿勢の場合には、パッド保持部6111、6112が、放電ワイヤー221に近接する方向に移動して、清掃パッド6113、6114が一定の圧接力で放電ワイヤー221に接触した状態となる。
【0132】
つまり、本変形例においては、手動で往路を移動させるときに、清掃パッド6113、6114を放電ワイヤー221に接触しないようにでき、手動での操作に伴う不都合(移動速度や引き出し方向が不安定になり、放電ワイヤー221にダメージを与えること、清掃むらが生じやすいことなど)を回避することができると共に、復路においては、清掃パッド6113、6114を放電ワイヤー221に接触させた状態で、エネルギー蓄積機構64に蓄積された弾性エネルギーにより安定的に移動するため、清掃むらなどが発生せず、放電ワイヤー221を確実に清掃することができる。
【0133】
なお、上記実施の形態では、操作ロッド62の先端部は、外側プレート613のロッド保持部6131に固定されていたが、本変形例では、例えば、操作ロッド62は、ロッド保持部6131を貫通して摺動可能に保持されており、操作ロッド62の先端部に設けられた縮径部623を、上述のようにレバー部材6140の貫通孔6141に遊挿して、操作ロッド62の挿抜移動に応じて、レバー部材6140を揺動させる構成とすることができる。
【0134】
(2)エネルギー蓄積機構の変形例
上記実施の形態では、エネルギー蓄積機構64は、操作ロッド62に設けられたラック621と噛合するピニオン642などのギヤ機構を介して、清掃ヘッド61の往路における位置変化を、弾性エネルギー(ゼンマイばね647の弾性力による位置エネルギー)に変換して蓄積したが、本開示に係るエネルギー蓄積機構はこのような構成に限定されない。
【0135】
例えば、
図14に示すように、帯電器22の初期位置側の端部カバー223にばね係止部2233と、清掃ヘッド61の外側プレート613のばね係止部6133との間に引っ張りばね650を掛け渡すようにしてもよい。
【0136】
この場合、清掃ヘッド61が、初期位置P11から、往路終端位置P12まで移動しても、塑性変形せずに復元力を維持する適切なサイズの引っ張りばね650が使用される。
【0137】
また、清掃ヘッド61が初期位置P11にあるときでも、引っ張りばね650が自然長から若干伸びた状態となるように、引っ張りばね650のサイズおよび/またはばねの係止位置が設定されているのが望ましい。これにより、復路において清掃ヘッド61を確実に初期位置まで復帰させるようにすることができる。
【0138】
なお、スプリングばねであれば、引っ張りばねに代えて、圧縮ばねでも構わない。また、他の弾性材料、例えば、細長い帯状もしくはロープ状のゴムでも使用可能である。
【0139】
また、エネルギー蓄積機構は、往路における清掃ヘッド61の位置変化を、弾性力による位置エネルギーではなく、重力による位置エネルギーに変換して蓄積するようにしてもよい。
【0140】
図15は、この場合の変形例を示す帯電器22の模式的な側面図である。
【0141】
同図に示すように、清掃ヘッド61とシールドケース222のガイド溝226との間の静止摩擦よりも大きな移動力を付与して、清掃ヘッド61を往路終端位置P12から初期位置P11まで復帰させるのに必要な重さのオモリ663を、ワイヤー662で吊し、ワイヤー662の他端を、滑車661を介して、清掃ヘッド61のワイヤー締結部6134に締結する。
【0142】
滑車661からオモリ663までのワイヤー662の長さは、往路における清掃ヘッド61の移動距離よりも長く設定されている。複写機1の振動によってオモリ663が揺れたりしないように、例えば、複写機1の装置内に鉛直方向に伸びるガイド棒を設置し、当該ガイド棒に沿ってオモリ663が上下移動するように構成してもよい。
【0143】
なお、
図14や
図15に示す変形例にあっては、ラック621を形成する必要がないので、往路において清掃ヘッド61を手前に引き出すための部材(牽引部材)として操作ロッド62に代えて、たとえばワイヤーなどを使用することも可能である。
【0144】
(3)上記実施の形態におけるエネルギー蓄積機構64においては、ギヤ機構における入力側ギヤと出力側ギヤとのギヤ比を可動ギヤ643により往路と復路との場合で異なるようにしたが、往路と復路においてギヤ比を切り換えずに、清掃ヘッド61が、初期位置P11にあるとき、ゼンマイばね647が少し巻き込まれている状態であるように組み立てておけば、ゼンマイばねの弾性が劣化しない限り、復路において清掃ヘッド61を初期位置P11まで確実に復帰させることができると考えられる。
【0145】
(4)帯電器22の放電開口部にグリッド電極を配して、このグリッド電極に所定の電圧を印加することにより、電帯電位が最適値になるように構成してもよい。
【0146】
(5)上記実施の形態では、放電ワイヤーは1本のみ設けたが、シールドケース内に2本以上の放電ワイヤー221を平行に張架して、それぞれに対して、清掃パッドを接触するように清掃ヘッド61を構成するようにしてもよい。
【0147】
また、上記のように放電電極がワイヤーである場合に代えて、例えば、放電側の縁部がのこぎり刃形状に加工された薄い帯状の放電電極であっても構わない。
【0148】
(6)上記実施の形態では、清掃部材の一例として清掃パッドについて説明したが、放電ワイヤーに接触して、清掃可能な部材であれば、清掃パッドに限定されない。
【0149】
(7)上記実施の形態では、帯電器22は、感光体ドラム21の周面を帯電するために用いられたが、例えば、感光体ドラム21の周面に残留する電位を予め除去するための除電器としての使用も可能である。
【0150】
(8)上記実施の形態では、タンデム型カラー複写機について説明したが、これに限るものではなく、帯電器を備えた画像形成装置であれば、FAXやプリンター専用機であっても構わない。また、カラーではなくモノクロのプリンターであってもよい。
【0151】
≪補足≫
以上、本発明に係る電極清掃装置、帯電装置および画像形成装置について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態および変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、静電写真方式の画像形成装置における帯電装置の放電電極の清掃技術として好適である。
【符号の説明】
【0153】
1 複写機
10 スキャナー部
20 プリンター部
30 給紙部
40 定着部
60 電極清掃装置
61 清掃ヘッド
62 操作ロッド
64 エネルギー蓄積機構(エネルギー蓄積部)
220 放電開口部
221 放電ワイヤー
222 シールドケース
223、224 端部カバー
226 ガイド溝
226a~226d ガイド溝の内縁部
611 パッド保持体(清掃部材保持体)
612 中間部材
613 外側プレート
621 ラック
642 ピニオン
643 可動ギヤ
644 第1中間ギヤ
645 第2中間ギヤ
646 2段ギヤ
2231 突起部
6111、6112 パッド保持部
6113、6114 清掃パッド(清掃部材)
6115 回転軸
6116 係合ピン
6117 軸支ピン
6118 コマ
6119a、6119b 規制ピン
6140 レバー部材