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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】紙粉検知装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B65H7/14
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020109214
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006761
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 大介
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 崇史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昌彦
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-199099(JP,A)
【文献】特開2020-027199(JP,A)
【文献】特開2007-062222(JP,A)
【文献】特開2003-081488(JP,A)
【文献】特開平10-186050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の搬送路の一方側に設けられ、前記搬送路の他方側に設けられた紙粉検知面に向けて光を出射する光源と、
前記紙粉検知面で反射又は透過された光を受光するセンサーと、
前記センサーにより受光された光の光量に基づいて前記紙粉検知面に付着する紙粉量を検知する紙粉検知部と、
を備え、
前記光源の出射面と前記センサーの受光面と前記紙粉検知面とは、平行となっており、
前記出射面と前記受光面とは、法線の方向における前記紙粉検知面までの距離が同一であり、
前記法線の方向における前記出射面から前記紙粉検知面までの距離をa、前記出射面と平行な方向における前記光源と前記センサーとの間の距離の半分をbとしたとき、0.9≦b/a≦1.2を満たすことを特徴とする紙粉検知装置。
【請求項2】
前記搬送路の他方は、前記紙粉検知面が設けられた部分が、その他の部分よりも前記搬送路の一方から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の紙粉検知装置。
【請求項3】
1≦b/a≦1.17を満たし、
前記紙粉検知面は、前記用紙の搬送方向において、中心軸から所定距離内に収まっており、
前記所定距離は、下記式(1)及び0.58aのうちいずれか大きい方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙粉検知装置。
【数1】
【請求項4】
前記用紙の幅方向における前記紙粉検知面の中心軸から端部までの距離をdとしたとき、d/a≦0.22を満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の紙粉検知装置。
【請求項5】
前記搬送路を通過する用紙を検知する用紙検知部を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の紙粉検知装置。
【請求項6】
前記光源は、ランバーシャン特性を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の紙粉検知装置。
【請求項7】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部を構成する前記用紙の搬送路に設けられた紙粉検知面に付着する紙粉量を検知する請求項1~6のいずれか一項に記載の紙粉検知装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙粉検知装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFPやPPにおける画像形成装置は、記録部材である用紙の紙種等により定着条件等が異なるため、紙種に応じた設定を行う必要があるが、従来は、ユーザー自身がパネル等を介して紙種設定を変更していた。また、近年では、センサーを用いて自動的に紙種を判別し、設定を変更する装置が用いられることがある。用いられるセンサーとしては、用紙に光を照射してその反射光量や透過光量から紙種と坪量を識別するものが知られている。例えば、特許文献1には、照射した光の反射光を検知して、搬送される用紙を検知する構成が開示されている。
【0003】
一般に、透過光量と反射光量を正確に測定するために、光源やセンサーの経時変化に対応できるよう、製品の出荷後に光源の光量を校正する必要がある。反射光量を測定するときには、図13に示すように、搬送路61上に基準反射板103を配置するようにし、基準反射板103で反射された光をセンサー102で受光して光量を測定することで、光源101の光量を校正する。また、透過光量を測定するときには、図14に示すように、搬送路61上に設けられたウインドウ104を透過した光をセンサー102で受光して光量を測定することで、光源101の光量を校正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-199099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、反射光量を測定するための光量校正時においては、基準反射板103などに紙粉が付着した場合に戻り光量が変化するため、校正精度が低下するという問題がある。また、透過光量を測定するための光量校正時においては、ウインドウ104に紙粉が付着した場合に透過光量が変化するため、校正精度が低下するという問題がある。
そこで、校正精度を確保するために、紙粉の付着量を光学的に測定して紙粉量を評価することで、紙粉を清掃するタイミングを判定する方法が考えられる。しかしながら、紙粉の付着位置により紙粉の検知感度が異なるため、紙粉付着量の定量評価が難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、紙粉の清掃タイミングを精度よく管理して、光量の校正精度を確保することが可能な紙粉検知装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
紙粉検知装置において、
用紙の搬送路の一方側に設けられ、前記搬送路の他方側に設けられた紙粉検知面に向けて光を出射する光源と、
前記紙粉検知面で反射又は透過された光を受光するセンサーと、
前記センサーにより受光された光の光量に基づいて前記紙粉検知面に付着する紙粉量を検知する紙粉検知部と、
を備え、
前記光源の出射面と前記センサーの受光面と前記紙粉検知面とは、平行となっており、
前記出射面と前記受光面とは、法線の方向における前記紙粉検知面までの距離が同一であり、
前記法線の方向における前記出射面から前記紙粉検知面までの距離をa、前記出射面と平行な方向における前記光源と前記センサーとの間の距離の半分をbとしたとき、0.9≦b/a≦1.2を満たすことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の紙粉検知装置において、
前記搬送路の他方は、前記紙粉検知面が設けられた部分が、その他の部分よりも前記搬送路の一方から離れた位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の紙粉検知装置において、
1≦b/a≦1.17を満たし、
前記紙粉検知面は、前記用紙の搬送方向において、中心軸から所定距離内に収まっており、
前記所定距離は、下記式(1)及び0.58aのうちいずれか大きい方であることを特徴とする。
【数1】
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の紙粉検知装置において、
前記用紙の幅方向における前記紙粉検知面の中心軸から端部までの距離をdとしたとき、d/a≦0.22を満たすことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の紙粉検知装置において、
前記搬送路を通過する用紙を検知する用紙検知部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の紙粉検知装置において、
前記光源は、ランバーシャン特性を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、
画像形成装置において、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部を構成する前記用紙の搬送路に設けられた紙粉検知面に付着する紙粉量を検知する請求項1~6のいずれか一項に記載の紙粉検知装置と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紙粉の清掃タイミングを精度よく管理して、光量の校正精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】紙粉検知装置の概略構成を示す図である。
図3】紙粉検知面上に付着する紙粉を検知する構成の一例を示す図である。
図4】紙粉位置と紙粉検知感度との関係を示す図である。
図5】紙粉位置が-aからaまで分布するときの紙粉検知感度差の一例を示す図である。
図6】紙粉位置xと各光源による照度との関係の一例を示す図である。
図7】紙粉位置xとセンサー受光量との関係の一例を示す図である。
図8】紙粉位置xによる紙粉検知感度の変化の一例を示す図である。
図9】紙粉検知装置の斜視図である。
図10】紙粉位置yによる紙粉検知感度の変化の一例を示す図である。
図11】変形例1に係る紙粉検知装置の概略構成を示す図である。
図12】用紙検知部として新たに光源及びセンサーを備えた変形例を示す図である。
図13】従来技術に係る反射型の光量測定装置の概略構成を示す図である。
図14】従来技術に係る透過型の光量測定装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
まず、本実施形態における画像形成装置1の構成について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、レーザープリンターやデジタル複写機等として用いられ、図1に示すように、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの色ごとに設けられた複数のレーザー走査光学装置10と、レーザー走査光学装置10に対応して設けられた感光体ドラム等の感光体20と、感光体20を帯電させる帯電部21と、光を照射された感光体20に現像剤を供給することで静電潜像を現像剤による像に顕像化する現像部22と、中間転写ベルト30と、現像剤による像を用紙Pに転写する転写ローラー40と、転写ローラー40により転写された現像剤による像を用紙Pに定着する定着部50と、用紙Pを搬送する用紙搬送部60と、用紙搬送部60を構成する用紙の搬送路61(図2参照)に設けられた基準反射板(紙粉検知面)103(図2参照)に付着する紙粉量を検知する紙粉検知装置100と、を備えて構成される。
【0018】
画像形成装置1は、レーザー走査光学装置10より照射されるレーザー光によって感光された感光体20でトナー像を形成し、中間転写ベルト30上に当該トナー像を転写させる。次に、画像形成装置1は、中間転写ベルト30に転写されたトナー像を転写ローラー40によって用紙Pに押圧して転写させ、定着部50によって当該用紙Pを加熱及び加圧することで、トナー像を用紙P上に定着する。そして、画像形成装置1は、用紙Pを排紙ローラー等により搬送してトレイに排紙することで画像形成処理を行う。
【0019】
紙粉検知装置100は、図2に示すように、光源101と、センサー102と、基準反射板103と、ウインドウ104と、紙粉検知部105と、を備えて構成される。
【0020】
光源101は、例えば、LEDであり、Z方向(中心軸CA(光源101とセンサー102の中心を通り、基準反射板103に垂直な軸)の方向)を正面としたランバーシャン特性を有している。光源101は、搬送路61の一方側(図中下方側)に設けられ、基準反射板103に向けて光を出射する。
【0021】
センサー102は、搬送路61の一方側(図中下方側)に設けられ、基準反射板103で反射された光を受光する。センサー102は、受光面が平面となるように形成されている。
【0022】
基準反射板(紙粉検知面)103は、搬送路61の他方側(図中上方側)に設けられ、光源101から出射された光を反射する。
【0023】
光源101の出射面とセンサー102の受光面と基準反射板(紙粉検知面)103とは、平行となっている。出射面と受光面とは、法線の方向(出射面(又は受光面)と垂直な方向(z方向))における基準反射板(紙粉検知面)103までの距離aが同一である。
【0024】
ウインドウ104は、透明な平板形状であり、光源101から出射されて基準反射板103に入射する光線及び基準反射板103により反射されてセンサー102に入射する光線を通過させる。ウインドウ104は、搬送路61の一方側(図中下方側)に設けられた開口部に配置され、紙粉が光源101側に入らないようにしている。ウインドウ104が配置された開口部は、絞りとしての機能を有しており、用紙や基準反射板103を照射する範囲を制限する。
【0025】
紙粉検知部105は、センサー102により受光された光の光量に基づいて基準反射板103に付着する紙粉量を検知する。紙粉検知部105は、基準反射板103に紙粉が付着したときに反射率が変化する原理を利用して、光源101の光量を一定としつつ、紙粉によるセンサー102受光量の変化を検出することで、付着した紙粉の量を光学的に検知する。
【0026】
搬送路61の他方(図中上方)は、基準反射板103が設けられた部分が、その他の部分よりも搬送路61の一方(図中下方)から離れた位置(奥まった位置)に配置されている。したがって、基準反射板103には、紙粉が付着しやすくなっている。
また、ウインドウ104にも紙粉は付着するが、ウインドウ104は搬送路61と同じ面上に配置されているため、付着した紙粉が、通紙された用紙により拭き取られる。したがって、ウインドウ104上の紙粉量は、基本的に少ない。
そのため、本実施形態では、基準反射板103上に付着する紙粉量を検知するようにしている。
【0027】
図3(A)に、実施形態において、紙粉検知面(基準反射板103)上に付着する紙粉Sを検知する構成(実施例:紙粉検知装置100)の一例を示す。図3(B)に、紙粉検知面(基準反射板103)上に付着する紙粉Sを検知する他の構成(比較例:紙粉検知装置200)の一例を示す。なお、比較例である紙粉検知装置200では、実施例である紙粉検知装置100と比べ、光源201及びセンサー202が中心軸CA側を向くように配置されている点が異なっている。
【0028】
図4に、紙粉位置xと紙粉検知感度との関係を示す。図4(A)はb/a=0.9のときの一例であり、図4(B)はb/a=1.0のときの一例であり、図4(C)はb/a=1.1のときの一例であり、図4(D)はb/a=1.2のときの一例である。ここで、aはz方向における出射面(又は受光面)から基準反射板103までの距離であり、bは出射面(又は受光面)と平行な方向(x方向:用紙搬送方向)における光源101とセンサー102との間の距離の半分である。
また、図5に、紙粉位置xが-aからaまで分布するときの紙粉検知感度差(PV)の一例を示す。
なお、図4及び図5に示す例は、ウインドウ104上の紙粉を完全拡散とし、紙粉位置xが-aからaまで変化したときの紙粉検知感度を示している。また、紙粉はいずれも基準反射板103上(z=0)にあるものとする。
【0029】
紙粉位置xが-aからaまで変化するときの紙粉検知感度差(PV)は、図5に示すように、いずれの場合も比較例に対して実施例の方が小さくなっている。そのため、紙粉検知部105が、センサー102の受光量に基づいて紙粉量を評価したときのバラつきも、比較例に対して実施例の方が小さくなる。その結果、紙粉を清掃するタイミングをより高い精度で管理し、標準化することができる。
【0030】
本実施形態の構成(図3(A)参照)では、光源101から出射して紙粉Sに当たった光は拡散して2次光源になり、この2次光源はセンサー102を照射する。光源101から出射してセンサー102に入射する光の光量(センサー102の受光量)は、光源101が紙粉Sを照らすときの照度と、2次光源がセンサー102を照らすときの照度と、を掛けた値となる。
【0031】
図6に、紙粉位置xと各光源による照度との関係の一例を示す。また、図7に、紙粉位置xとセンサー102受光量との関係の一例を示す。なお、図6は、光源101をランバーシャン、紙粉Sによる光の拡散を完全拡散としたときの、光源101による紙粉S上での照度L1及び2次光源によるセンサー102上での照度L2であり、いずれも最大値を1に規格化している。図7に示すセンサー102受光量は、光源101による紙粉S上での照度L1と2次光源によるセンサー102上での照度L2とを掛けた値となる。
【0032】
本実施形態の構成では、図7に示すように、センサー102の受光量が広い範囲で一様となっている。すなわち、紙粉位置による紙粉検知感度(紙粉付着によるセンサー102受光量変化)の差が小さくなっていることがわかる。
【0033】
図8に、紙粉位置xによる紙粉検知感度の変化の一例を示す。なお、図8は、光源101をランバーシャン、紙粉Sによる光の拡散を完全拡散としたときの、紙粉位置xによる紙粉検知感度の変化を示している。図8に示すように、b/aを0から大きくしていくと、感度均一な範囲が広がるようになっている。b/aが1より大きくなると、感度が2コブになり均一な範囲が広がるため、より望ましい。
【0034】
ここで、b/a=1のときに、紙粉検知感度の変化PVを均一と見做せる5%よりも小さくするためには、図8に示すように、紙粉位置xが中心軸CA(光源101とセンサー102の中心を通り、基準反射板103に垂直な軸)から0.58aの距離よりも小さければ十分である。なお、b/a>1のときでも、紙粉位置xが中心軸CAから0.58aの範囲において、紙粉検知感度の変化は5%よりも小さくなっている。
また、感度が2コブ(b/a>1)のときに、紙粉検知感度の変化をほぼ均一と見做すためには、図8に示すように、紙粉位置xを中心軸CAから下記式(1)の距離の範囲とする必要がある。なお、この範囲で紙粉検知感度の変化PVが5%以下となるのは、b/a≦1.17のときである。
【数2】
したがって、1≦b/a≦1.17を満たすとともに、基準反射板103は、用紙の搬送方向(x方向)において、中心軸CAから所定距離内に収まっていることがより好ましい。なお、所定距離は、上記式(1)及び0.58aのうちいずれか大きい方である。
【0035】
図9に、紙粉検知装置100の斜視図を示す。また、図10に、紙粉位置yによる紙粉検知感度の変化の一例を示す。なお、図10は、紙粉位置がx=0であって、紙粉位置がy方向(用紙の幅方向)にずれたときの紙粉検知感度の変化を示しており、中心軸CAでy=0となるように規格化したものである。図10に示すように、紙粉がy方向にずれた位置にあるときの検知感度の変化は、x方向にずれた位置にあるとき(図8参照)と比べて大きくなっている。そのため、基準反射板103のy方向長さを短くすることで、y方向においても紙粉検知感度の変化を小さくすることができる。なお、紙粉位置がx=0でないときも、紙粉検知感度の変化はほぼ同様である。
【0036】
ここで、紙粉検知感度の変化を10%以下とするためには、図10に示すように、紙粉位置yが基準反射板103の中心軸CAから0.22a以下の距離の範囲とする必要がある。すなわち、y方向における中心軸CAから端部までの距離をd(図9参照)としたとき、d/a≦0.22を満たすこと必要がある。
したがって、d/a≦0.22を満たすことで、y方向においても紙粉検知感度の変化を小さくする(10%以下とする)ことができる。
【0037】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1の紙粉検知装置100は、用紙Pの搬送路61の一方側に設けられ、搬送路61の他方側に設けられた紙粉検知面(基準反射板103)に向けて光を出射する光源101と、紙粉検知面で反射された光を受光するセンサー102と、センサー102により受光された光の光量に基づいて紙粉検知面に付着する紙粉量を検知する紙粉検知部105と、を備える。また、光源101の出射面とセンサー102の受光面と紙粉検知面とは、平行となっており、出射面と受光面とは、法線の方向における紙粉検知面までの距離が同一であり、法線の方向における出射面から紙粉検知面までの距離をa、出射面と平行な方向における光源101とセンサー102との間の距離の半分をbとしたとき、0.9≦b/a≦1.2を満たす。
したがって、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、紙粉位置による紙粉検知感度(紙粉付着によるセンサー102受光量変化)の差が小さくなるため、センサー102受光量に基づいて紙粉量を評価したときのバラつきも小さくなり、紙粉の清掃タイミングを精度よく管理することができる。よって、光源101の光量の校正精度を確保することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、搬送路61の他方は、紙粉検知面が設けられた部分が、その他の部分よりも搬送路61の一方から離れた位置に配置されている。
したがって、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、紙粉検知面に紙粉が付着しやすい条件において、紙粉量を評価したときのバラつきを小さくすることができるので、より効果的に紙粉の清掃タイミングを管理することが可能となり、より効果的に光源101の光量の校正精度を確保することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、1≦b/a≦1.17を満たし、紙粉検知面は、用紙Pの搬送方向において、中心軸CAから所定距離内に収まっており、所定距離は、上記式(1)及び0.58aのうちいずれか大きい方である。
したがって、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、用紙の搬送方向(x方向)における紙粉検知感度の変化を5%以下とすることができるので、紙粉の清掃タイミングを精度よく管理することが可能となり、光源101の光量の校正精度を確保することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、用紙Pの幅方向における紙粉検知面の中心軸CAから端部までの距離をdとしたとき、d/a≦0.22を満たす。
したがって、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、用紙の幅方向(y方向)における紙粉検知感度の変化を10%以下とすることができるので、紙粉の清掃タイミングを精度よく管理することが可能となり、光源101の光量の校正精度を確保することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、光源101は、ランバーシャン特性を有する。
したがって、本実施形態に係る紙粉検知装置100によれば、紙粉検知面に十分な量の光を照射することができるので、紙粉検知面に付着した紙粉の量をより確実に検知することができる。
【0042】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0043】
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、基準反射板103により反射された光をセンサー102に入射させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、基準反射板103の代わりに、透明な平板形状のウインドウ(紙粉検知面)106を設けるようにし、ウインドウ106を透過した光をセンサー102Aに入射させるようにしてもよい。すなわち、センサー102Aは、搬送路61の他方側(図中上方側)に設けられ、ウインドウ106を透過した光を受光する。また、紙粉検知部105Aは、センサー102Aにより受光された光の光量に基づいてウインドウ106に付着する紙粉量を検知する。紙粉検知部105Aは、ウインドウ106に紙粉が付着したときに透過率が変化する原理を利用して、光源101の光量を一定としつつ、紙粉によるセンサー102A受光量の変化を検出することで、付着した紙粉の量を光学的に検知する。
【0044】
変形例1の紙粉検知装置100Aにおいて、光源101の出射面とセンサー102Aの受光面とウインドウ(紙粉検知面)106とは、平行となっている。出射面と受光面とは、法線の方向(z方向)におけるウインドウ(紙粉検知面)106までの距離aが同一である。
【0045】
搬送路61の他方(図中上方)は、ウインドウ106が設けられた部分が、その他の部分よりも搬送路61の一方(図中下方)から離れた位置(奥まった位置)に配置されている。したがって、ウインドウ106には、紙粉が付着しやすくなっている。
また、ウインドウ104にも紙粉は付着するが、ウインドウ104は搬送路61と同じ面上に配置されているため、付着した紙粉が、通紙された用紙により拭き取られる。したがって、ウインドウ104上の紙粉量は、基本的に少ない。
そのため、変形例1では、ウインドウ106上に付着する紙粉量を検知するようにしている。
【0046】
(その他の変形例)
また、実施形態の紙粉検知装置100を、搬送路61を通過する用紙Pを検知する用紙検知部として兼用させるようにしてもよい。また、図12に示すように、用紙検知部として、新たに光源107及びセンサー108を備えるようにしてもよい。
【0047】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置
10 レーザー走査光学装置
20 感光体
21 帯電部
22 現像部
30 中間転写ベルト
40 転写ローラー
50 定着部
60 用紙搬送部
61 搬送路
100、100A 紙粉検知装置
101 光源
102、102A センサー
103 基準反射板(紙粉検知面)
104 ウインドウ
105、105A 紙粉検知部
106 ウインドウ(紙粉検知面)
107 光源(用紙検知部)
108 センサー(用紙検知部)
P 用紙
CA 中心軸
S 紙粉
図1
図2
図3
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図5
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