(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】浴室内の危険状態を検出する方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
A47K 4/00 20060101AFI20240312BHJP
G08B 21/04 20060101ALI20240312BHJP
G01S 13/52 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A47K4/00
G08B21/04
G01S13/52
(21)【出願番号】P 2020109900
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】201910768410.3
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・チエヌ
(72)【発明者】
【氏名】リ・ホォンチュヌ
(72)【発明者】
【氏名】ティアン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シエ・リリ
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-227653(JP,A)
【文献】特開2009-079446(JP,A)
【文献】特開昭55-046139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 4/00
G08B 21/04
G01S 13/52
G01P 5/00
G01F 1/663
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の危険状態を検出する装置であって、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開状態にあるかを検出する第一検出ユニットであって、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含む、第一検出ユニット;及び
前記シャワーが開状態にあるときに、前記シャワーの
持続的に開状態にある時間に基づいて前記浴室に危険状態が発生しているかを判断する第一判断ユニットを含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第一検出ユニットは、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足するときに、シャワーが開状態にあると検出する第一検出サブユニットを含み、
前記所定の条件は、ドップラー速度の値の絶対値に関する条件、及び、ドップラー速度の正の方向
及び負の方向における反射点の数に関する条件を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、
受信した無線信号のドップラー速度の負の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、前記負の値の絶対値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの正の値について、該正の値に対応する反射点の数(Num_pos)と、負の値に対応する反射点の数(Num_neg)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを含む、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、
受信した無線信号のドップラー速度の正の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、前記正の値
との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの負の値
の絶対値について、該負の値に対応する反射点の数(Num_neg)と、正の値に対応する反射点の数(Num_pos)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを含む、装置。
【請求項5】
請求項2に記載の装置であって、
第一検出ユニットは、さらに、第二検出サブユニットを含み、
前記第二検出サブユニットは、スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉状態又は開状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比に基づいて、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開状態にあるかを判断する、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第三閾値よりも大きい場合、第二検出サブユニットは、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で閉状態にあると判断する、装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置であって、
前記スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが開状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第四閾値よりも大きい場合、第二検出サブユニットは、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開状態にあると判断する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記第一判断ユニットは、
所定の第一時間間隔毎にシャワー状態を読み取る読み取りサブユニット;及び
N回連続して読み取ったシャワー状態がすべて「シャワーが開状態にある」のときに、浴室に危険状態が発生していると判断する判断サブユニットを含み、
Nは自然数であり、Nと所定の第一時間間隔との乗積は所定時間閾値よりも大きい、装置。
【請求項9】
請求項1~8のうちの任意の1項に記載の
、浴室内の危険状態を検出する装置を含む電子機器。
【請求項10】
浴室内の危険状態を検出する方法であって、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開状態にあるかを検出し、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含み;及び
前記シャワーが開状態にあるときに、前記シャワーの
持続的に開状態にある時間に基づいて、前記浴室に危険状態が発生しているかを判断することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子情報技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会に突入しているので、ひとりで暮らす人が増えている。一人暮らしの人々、特に一人暮らしの高齢者の生活環境では、濡れた浴室は危険な出来事のリスクの高い場所である。
【0003】
浴室内の危険状態を検知することで、一人暮らしの方々に、より安全で便利なサービスを提供し、危険が発生した場合に迅速に警報を発し、支援することができる。
【0004】
一般に、危険な状態の検出は、カメラまたはウェアラブルデバイスによって実行することができる。検出時には、通常、危険状態を判断するための行動認識手法に基づいて危険行為を検出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は次のようなことを発見した。即ち、従来技術では、通常、動作識別方法に基づいて危険動作を検出することで危険状態を判断する。しかしながら、動作識別方法は、一般に、教師有り学習に基づいており、訓練を行うために大量のサンプルを要するので、異なるシーンにはあまり適用されない。よって、動作識別方法に基づく危険状態検出は、汎用性が低いため、異なるシーンに応用することができない恐れがある。また、カメラにより危険状態検出を行うことは、プライバシー保護に不利であり、ウェアラブルデバイスにより危険状態検出を行うことは、装着に不便があるという問題が存在する。
【0006】
本発明の実施例は、浴室内の危険状態を検出する方法、装置及び電子機器を提供する、該方法は、無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布(distribution)に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出することで、浴室に危険状態が発生しているかを判断することができる。よって、人体動作を認識する必要がなく、汎用性が高い。本発明の実施例は、無線信号に基づいて危険状態検出を行うため、プライバシーを保護することができ、また、検出装置を装着する必要がないから、屋内一人の危険状態の検出のためのより実用的な応用価値を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の第一側面によれば、浴室内の危険状態を検出する方法が提供され、該方法は、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出し、そのうち、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含み;及び
前記シャワーが開いている状態にあるときに、前記シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて、前記浴室に危険状態が発生しているかを判断する。
【0008】
本実施例の第二側面によれば、浴室内の危険状態を検出する装置が提供され、該装置は、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出する第一検出ユニットであって、そのうち、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含み;及び
前記シャワーが開いている状態にあるときに、前記シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて、前記浴室に危険状態が発生しているかを判断する第一判断ユニットを含む。
【0009】
本実施例の第三側面によれば、実施例の第二側面における浴室内の危険状態を検出する装置を含む電子機器が提供される。
【0010】
本発明の有益な効果は次の通りであり、即ち、人体動作を認識する必要がなく、汎用性が高く、また、プライバシーを保護することができ、さらに、検出装置を装着する必要がないため、屋内一人の危険状態の検出のためのより実用的な応用価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例の第一側面における無線信号送受信装置を示す図である。
【
図2】本発明の実施例の第一側面における浴室内危険状態検出方法を示す図である。
【
図3】本発明の実施例の第一側面における無線信号受信装置102の取り付け位置を示す図である。
【
図4a】本発明の実施例の第一側面におけるシャワーが開いている状態にあるときに無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の分布を示す図である。
【
図4b】本発明の実施例の第一側面におけるシャワーが開いている状態にあるときに無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の分布を示す他の図である。
【
図6】受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足するかを判断する方法を示す図である。
【
図9】本発明の実施例の第二側面における浴室内危険状態検出装置を示す図である。
【
図10】本発明の実施例の第二側面における第一検出ユニットを示す図である。
【
図11】本発明の実施例の第二側面における第一判断ユニットを示す図である。
【
図12】本発明の実施例の第三側面における電子機器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明を実施するための好適な実施例について詳しく説明する。なお、これらの実施例は、例示に過ぎず、本発明を限定するものでない。
【0013】
<実施例の第一側面>
本発明の実施例の第一側面では、浴室内の危険状態を検出する方法が提供される。
【0014】
本発明の実施例の第一側面における、該浴室内の危険状態を検出する方法は、無線信号に基づいて検出を行うことができ、該無線信号の送信及び受信は、無線信号送受信装置により実現することができる。
【0015】
図1は、無線信号送受信装置を示す図であり、
図1に示すように、無線信号送受信装置100は、無線信号送信装置101及び無線信号受信装置102を有しても良い。
【0016】
本発明の実施例の第一側面における該無線信号送信装置101は、被検体に電磁波などの無線信号を送信することができ、該無線信号受信装置102は、被検体及び周囲環境内の他の物体が該無線信号を反射することにより形成された反射信号を受信することができる。
【0017】
本発明の実施例の第一側面における該無線信号は、例えば、FMCW(Frequency Modulate Continuous Wave)変調方式に基づく無線信号であっても良い。該無線信号送信装置101及び無線信号受信装置102は、例えば、1つのマイクロ波レーダーにより実現されても良く、該マイクロ波レーダーは、例えば、線形アレイアンテナアレイ又はエリアアレイアンテナアレイを採用することができる。
【0018】
本発明の実施例の第一側面における該マイクロ波レーダーのパラメータ設定は次の通りであり、例えば、送信するFMCW変調方式に基づく無線信号のフレームレートが15~25Hzであり、1フレームが64~256個のチャープ(chirp)信号を含み、距離分解能が8~20cmであり、レート分解能が0.05~0.15m/sであり、測距範囲が5~10mである。なお、このようなパラメータ設定は例示に過ぎず、本実施例はこれに限定されない。
【0019】
図2は、本発明の実施例の第一側面における、浴室内の危険状態を検出する方法を示す図であり、
図2に示すように、該方法は、以下の操作(ステップ)を含む。
【0020】
操作201:無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出し、そのうち、無線信号送信装置がシャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、無線信号受信装置が受信した無線信号は、該空間から反射された無線信号を含み;及び
操作202:シャワーが開いている状態にあるときに、シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて、浴室に危険状態が発生しているかを判断する。
【0021】
本発明の実施例の第一側面によれば、無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出し、そして、浴室に危険状態が発生しているかを判断することができるので、人体動作を認識する必要がなく、汎用性が高く、また、本発明の実施例は、無線信号に基づいて危険状態検出を行うため、プライバシーを保護することができ、さらに、検出装置を装着する必要がないから、屋内一人の危険状態の検出のためのより実用的な応用価値を有する。
【0022】
本発明の実施例の第一側面によれば、無線信号送信装置及び無線信号受信装置は、それぞれ、
図1に示す無線信号送信装置101及び無線信号受信装置102により実現することができる。
【0023】
本発明の実施例の第一側面における、無線信号受信装置102の取り付け位置は、シャワーから噴出した水のうち、無線信号受信装置102に向かう一部の水からの反射信号、及び、シャワーから噴出した水のうち、無線信号受信装置102を離れる一部の水からの反射信号を受信し得る箇所であっても良い。
【0024】
図3は、本発明の実施例の第一側面における無線信号受信装置102の取り付け位置を示す図である。
【0025】
図3に示すように、浴室300では、シャワー301から噴出した水の所在する空間が302である。無線信号送信装置101が該空間302に対して無線信号を送信し、無線信号受信装置102は、該空間302から反射された無線信号を受信することができる。
【0026】
図3に示すように、水300aの第一部分303が無線信号受信装置102に向かって移動し、水の第二部分304が無線信号受信装置102を離れて移動する。無線信号受信装置102が受信した無線信号には、水の第一部分303から反射された無線信号が含まれ、水の第二部分304から反射された無線信号も含まれる。
【0027】
図4aは、本発明の実施例の第一側面におけるシャワーが開いている状態にあるときに無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の分布を示す図である。
図4aでは、縦軸が、無線信号のドップラー速度値を示し、該ドップラー速度値は、正の値又は負の値であっても良く、横軸が、無線信号の反射点から無線信号受信装置102までの距離を示す。
図4aにおける各々の点は、1つの無線信号の反射点を表す。
【0028】
図4aに示すように、無線信号受信装置102が受信した無線信号のドップラー速度は、正の方向及び負の方向において分布を有し、そのうち、正の方向における各々の点401の縦座標値は、例えば、
図3における水の第一部分303により反射された無線信号に対応するドップラー速度値に対応し、即ち、点401は、例えば、
図3における水の第一部分303の中の反射点を表し、負の方向における各々の点402の縦座標値は、例えば、
図3における水の第二部分304により反射された無線信号に対応するドップラー速度値を示し、即ち、点402は、例えば、
図3における水の第二部分304の中の反射点を表す。
【0029】
図4aでは、縦座標値が0の近傍にある点403をさらに有し、点403は、
図3における空間302の中の静止した反射点に対応する。該静止した反射点は、例えば、壁、フロアなどを含む。
【0030】
図4bは、本発明の実施例の第一側面におけるシャワーが開いている状態にあるときに無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の分布を示す他の図である。
【0031】
図4bでは、点401及び点402以外に、縦座標値が正の値である点404をさらに有し、点404は、
図3における空間302の中の移動する反射点に対応しても良い。該移動する反射点は、例えば、移動する人体などを含む。
【0032】
また、
図4bでは、点404に対応するドップラー速度が、点401に対応するドップラー速度よりも小さく、これは、人体の移動速度が水の流れる速度よりも小さいことを意味する。
【0033】
図4a及び
図4bでは、点401及び点402の絶対値が接近しており、これは、空間302の中の水の流れる速度の変化が大きくないことを意味し、また、点401の数及び点402の数も接近しており、これは、空間302の中の水の流れる形状の変化も大きくないことを意味する。
【0034】
なお、
図4a及び
図4bでは、ドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布の一例のみを示し、該ドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布の具体的な形態は、無線信号送信装置101及び無線信号受信装置102の設置位置と関係がある。
【0035】
少なくとも1つの実施例では、無線信号受信装置102が受信した無線信号は、1次元高速フーリエ変換(1D-FFT)及び/又は2次元高速フーリエ変換(2D-FFT)を行うことで、例えば、
図4a及び
図4bに示す各反射点のドップラー速度を得ることができる。
【0036】
図5は、操作201を示す図であり、
図5に示すように、操作201は、以下の操作を含んでも良い。
【0037】
操作501:受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足するときに、シャワーが開いている状態にあると検出する。
【0038】
また、
図5に示すように、操作201はさらに、以下の操作を含んでも良い。
【0039】
操作502:受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足しないときに、シャワーが閉まっている状態にあると検出する。
【0040】
操作501及び操作502では、該所定の条件は、ドップラー速度の値の絶対値に関する条件、及び、ドップラー速度の正の方向及び負の方向における反射点の数に関する条件を含む。
【0041】
例えば、操作501では、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することとは、受信した無線信号のドップラー速度の負の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、該負の値の絶対値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの正の値について、該正の値に対応する反射点の数(Num_pos)と負の値に対応する反射点の数(Num_neg)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを指しても良い。
【0042】
また、例えば、操作501では、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することとは、受信した無線信号のドップラー速度の正の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、該正の値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの負の値の絶対値について、該負の値に対応する反射点の数(Num_neg)と正の値に対応する反射点の数(Num_pos)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを指しても良い。
【0043】
図6は、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足するかを判断する方法を示す図であり、
図6に示すように、該方法は、以下の操作を含む。
【0044】
操作601:受信した無線信号に対して処理(例えば、1D FFT及び/又は2D FFT)を行い、各反射点のドップラー速度を取得し;
操作602:操作601の処理結果に基づいて、値が負の値(又は、正の値)であり且つ絶対値が所定の閾値よりも大きいドップラー速度を取得し、そして、取得した該値が負の値(又は、正の値)であるドップラー速度に対応する反射点の数Num_neg(又は、Num_pos)を計算し;
操作603:操作602で取得した値が負の値(又は、正の値)であり且つ絶対値が所定の閾値よりも大きいドップラー速度のうちの各々のドップラー速度について、該ドップラー速度の絶対値との差が第一閾値範囲内にある、値が正の値(又は、負の値)であるドップラー速度を取得し、そして、取得した該値が正の値(又は、負の値)であるドップラー速度に対応する反射点の数Num_pos(又は、Num_neg)を計算し;
操作604:Num_posとNum_negとの差の絶対値が第二閾値範囲内にあるかを判断し、判断結果が“はい”の場合、操作605でシャワー状態を表すパラメータを1に設定し、シャワーが開いている状態にあることを示し、判断結果が“いいえ”の場合、操作606でシャワー状態を表すパラメータを0に設定し、シャワーが閉まっている状態にあることを示す。
【0045】
少なくとも1つの実施例において、
図5に示すように、操作201はさらに、以下の操作を含んでも良い。
【0046】
操作503:スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態又は開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比に基づいて、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いているかを判断する。
【0047】
操作503では、1つのスライディング時間ウィンドウが複数の時間間隔t0を含んでも良く、これにより、1つのスライディング時間ウィンドウ内で複数のシャワー状態の検出結果を得ることができる。例えば、1つのスライディング時間ウィンドウが6つの時間間隔t0を含むことができ、即ち、1つのスライディング時間ウィンドウ内で6つのシャワー状態の検出結果を取得することができる。隣接する2つのスライディング時間ウィンドウが一部オーバーラップしても良く、オーバーラップ率が、例えば、83%であっても良く、即ち、現在スライディング時間ウィンドウに6つの時間間隔t0が含まれ、次のスライディング時間ウィンドウが、現在のスライディング時間ウィンドウに対して、時間上で1つの時間間隔t0シフトする。
【0048】
少なくとも1つの実施例において、無線信号受信装置102は、一定の時間間隔で無線信号を受信することができる。よって、操作201では、一定の時間間隔で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて判断されたシャワー状態(例えば、操作501及び操作502で得たシャワー状態)を取得することができ、そのうち、該時間間隔は、t0で表されても良く、t0は、例えば、0.25秒であっても良い。
【0049】
操作503では、1つのスライディング時間ウィンドウ内で得た複数のシャワー状態の検出結果について、該シャワー状態の検出結果のうちの、閉まっている状態又は開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内で得た複数のシャワー状態の検出結果との比に基づいて、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いているかを判断することができ、これにより、シャワーの該スライディング時間ウィンドウにおける状態を出力することができる。
【0050】
例えば、該スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第三閾値よりも高い場合、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で閉まっている状態にあると判断し、また、例えば、該スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第四閾値よりも高い場合、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いている状態にあると判断し、そのうち、第三閾値及び第四閾値は、等しくても良く、等しくなくても良く、第三閾値は、例えば、50%であり、第四閾値は、例えば、50%である。
【0051】
実際にシャワーを使用するときに、シャワーの開いている及び閉まっている頻度が比較的に低いので、操作503では、スライディング時間ウィンドウを用いて、操作501及び操作502における検出結果に対して再判断を行うことで、操作501及び操作502における誤検出の、操作202での危険状態検出結果への影響を低減し、危険状態検出結果の正確性を向上させることができる。
【0052】
例えば、スライディング時間ウィンドウ内の6回の検出結果のうち、前の3回が「シャワーが開いている」、4回目が「シャワーが閉まっている」、5回目及び6回目が「シャワーが開いている」であるとする。4回目が「シャワーが閉まっている」であるという検出結果は、実際に無線信号が遮蔽されたことによる誤検出であり(シャワーを実際に使用するときに、シャワーが閉まってから0.25秒以内に再び開くことがあまりない)である。操作503が無ければ、該スライディング時間ウィンドウ内で、シャワーが開いている状態にある持続時間が3*t0(前の3回)又は2*t0(5回目及び6回目)であり、逆に、操作503がある場合、該スライディング時間ウィンドウ内の6回の検出結果のうち、シャワーが開いている状態にあると検出された回数が5であり、総検出回数6との比が50%の閾値を超えているから、該スライディング時間ウィンドウ内のシャワーが開いている状態にあると判断し、また、該スライディング時間ウィンドウ内のシャワーが開いている状態にある持続時間が6*t0であるので、4回目の検出結果(誤検出)の影響を無くすことができる。
【0053】
図7は、操作503を示す図であり、
図7に示すように、該方法は、以下の操作を含む。
【0054】
操作701:操作501及び操作502の検出結果を受信し;
操作702:スライディング時間ウィンドウを設定し、該スライディング時間ウィンドウ内の操作501及び操作502の検出結果を取得し;
操作703:該スライディング時間ウィンドウ内で、シャワーが閉まっている状態にあると検出された回数と、該スライディング時間ウィンドウ内のすべての検出結果の回数との比が第三閾値よりも大きく;
操作704:該スライディング時間ウィンドウ内で、シャワーが開いている状態にあると検出された回数と、該スライディング時間ウィンドウ内のすべての検出結果の回数との比が第四閾値よりも大きく;
操作705:該スライディング時間ウィンドウ内のシャワー状態のパラメータを0に設定し、シャワーが閉まっている状態にあることを示し;
操作706:該スライディング時間ウィンドウ内のシャワー状態のパラメータを1に設定し、シャワーが開いている状態にあることを示す。
【0055】
本発明の実施例の第一側面によれば、操作202では、操作201の検出結果に基づいてシャワーの持続時間を計算することで、浴室に危険状態が発生しているかを判断することができる。
【0056】
図8は、操作202を示す図であり、
図8に示すように、操作202は、以下の操作を含む。
【0057】
操作801:所定の第一時間間隔毎にシャワー状態の検出結果を読み取り;
操作802:N回連続して読み取ったシャワー状態の検出結果がすべて「シャワーが開いている」であるかを判断し、“はい”と判断した場合、操作803で浴室に危険状態が発生しているという結果を出力し、“いいえ”と判断した場合、操作801に戻る。
【0058】
少なくとも1つの実施例において、Nは、自然数であり、また、Nと、所定の第一時間間隔との乗積は、所定時間閾値よりも大きい。
【0059】
少なくとも1つの実施例において、操作201が操作503を有する場合、操作801では、操作503のスライディング時間ウィンドウ内のシャワー状態をシャワー状態の検出結果として読み取ることができ、また、該所定の第一時間間隔は、次のスライディング時間ウィンドウの、現在のスライディング時間ウィンドウに対してのシフト時間に等しくても良い。
【0060】
少なくとも1つの実施例において、操作201が操作503を有しない場合、操作801では、操作501及び操作502で出力されたシャワー状態の検出結果を読み取ることができ、また、該所定の第一時間間隔は、操作501及び操作502において、隣接する2回の検出結果を出力する時間間隔に等しくても良く、例えば、t0である。
【0061】
本発明の実施例の第一側面によれば、無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出することで、浴室に危険状態が発生しているかを判断することができるので、人体動作を認識する必要がなく、汎用性が高く、また、本発明の実施例は、無線信号に基づいて危険状態検出を行うため、プライバシーを保護することができ、さらに、検出装置を装着する必要がないから、屋内一人の危険状態の検出のためのより実用的な応用価値を有する。
【0062】
<実施例の第二側面>
本発明の実施例の第二側面では、浴室内の危険状態を検出する装置が提供され、それは、本発明の実施例の第一側面における浴室内の危険状態を検出する方法に対応する。
【0063】
図9は、本発明の実施例の第二側面における浴室内の危険状態を検出する装置を示す図であり、
図9に示すように、浴室内の危険状態を検出する装置900は、以下のものを含む。
【0064】
第一検出ユニット901:無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出し、そのうち、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含み;及び
第一判断ユニット902:前記シャワーが開いている状態にあるときに、前記シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて、前記浴室に危険状態が発生しているかを判断する。
【0065】
図10は、本発明の実施例の第二側面における第一検出ユニットを示す図であり、
図10に示すように、第一検出ユニット901は、以下のものを含む。
【0066】
第一検出サブユニット1001:受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足するときに、シャワーが開いている状態にあると検出する。
【0067】
また、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足しないときに、第一検出サブユニット1001は、シャワーが閉まっている状態にあると検出する。
【0068】
そのうち、該所定の条件は、ドップラー速度の値の絶対値に関する条件、及び、ドップラー速度の正の方向及び負の方向における反射点の数に関する条件を含む。
【0069】
少なくとも1つの実施例において、第一検出サブユニット1001で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、以下のことを含み、即ち、
受信した無線信号のドップラー速度の負の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、前記負の値の絶対値と差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの正の値について、該正の値に対応する反射点の数(Num_pos)と、負の値に対応する反射点の数(Num_neg)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することである。
【0070】
少なくとも1つの実施例において、第一検出サブユニット1001で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、以下のことを含み、即ち、
受信した無線信号のドップラー速度の正の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、前記正の値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの負の値の絶対値について、該負の値に対応する反射点の数(Num_neg)と、正の値に対応する反射点の数(Num_pos)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することである。
【0071】
図10に示すように、第一検出ユニット901はさらに、以下のものを含む。
【0072】
第二検出サブユニット1002:スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態又は開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比に基づいて、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いているかを判断する。
【0073】
少なくとも1つの実施例において、スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第三閾値よりも高い場合、第二検出サブユニット1002は、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で閉まっている状態にあると判断する。
【0074】
少なくとも1つの実施例において、スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第四閾値よりも高い場合、第二検出サブユニット1002は、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いている状態にあると判断する。
【0075】
図11は、本発明の実施例の第二側面における第一判断ユニットを示す図であり、
図11に示すように、第一判断ユニット902は、以下のものを含む。
【0076】
読み取りサブユニット1101:所定の第一時間間隔毎にシャワー状態を読み取り;及び
判断サブユニット1102:N回連続して読み取ったシャワー状態がすべて「シャワーが開いている」のときに、浴室に危険状態が発生していると判断する。
【0077】
そのうち、Nは、自然数であり、Nと所定の第一時間間隔との乗積は、所定時間閾値よりも大きい。
【0078】
本発明の実施例の第二側面における、浴室内の危険状態を検出する装置900の中の各ユニットに関する詳細な説明については、本発明の実施例の第一側面における、浴室内の危険状態を検出する方法の中の各操作に関する詳細な説明を参照することができる。
【0079】
本発明の実施例の第一側面によれば、浴室内の危険状態を検出する装置は、無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出することで、浴室に危険状態が発生しているかを判断することができるので、人体動作を認識する必要がなく、汎用性が高く、また、本発明の実施例は、無線信号に基づいて危険状態検出を行うため、プライバシーを保護することができ、さらに、検出装置を装着する必要がないから、屋内一人の危険状態の検出のためのより実用的な応用価値を有する。
【0080】
<実施例の第三側面>
本発明の実施例の第三側面では、電子機器が提供され、該電子機器は、実施例の第二側面に記載の浴室内の危険状態を検出する装置を含む。
【0081】
図12は、実施例の第三側面における電子機器の構成図である。
図12に示すように、電子機器1200は、中央処理装置(CPU)1201及び記憶器1202を含んでも良く、記憶器1202は、中央処理装置1201に接続される。そのうち、該記憶器1202は、各種のデータを記憶することができ、また、制御用のプログラムをさらに記憶することができ、且つ中央処理装置1201の制御下で該プログラムを実行することができる。
【0082】
1つの実施方式において、浴室内の危険状態を検出する装置900における機能が中央処理装置1201に統合されても良い。
【0083】
そのうち、中央処理装置1201は、実施例の第一側面に記載の浴室内の危険状態を検出する方法を実現するように構成されても良い。
【0084】
また、
図12に示すように、電子機器1200はさらに、入出力ユニット1203、表示ユニット1204などを含んでも良く、そのうち、これらの機能が従来技術と同様であるから、ここでは、その詳しい説明を省略する。なお、電子機器1200は、
図12に示す全部の部品を含む必要がない。また、電子機器1200はさらに、
図12に無い部品を含んでも良く、これについては、従来技術を参照することができる。
【0085】
例えば、電子機器1200は、
図1に示す無線信号送受信装置100を有することで、無線信号の送信及び受信機能を具備することができる。これにより、無線信号送受信装置100の機能及び浴室内の危険状態を検出する装置900の機能を電子機器1200に集積することができる。
【0086】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ可読プログラムを提供し、そのうち、浴室内の危険状態を検出する装置又は電子機器中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは、前記浴室内の危険状態を検出する装置又は電子機器に、実施例の第一側面に記載の浴室内の危険状態を検出する方法を実行させる。
【0087】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ可読プログラムを記憶した記憶媒体を提供し、そのうち、前記記憶媒体には、上述のコンピュータ可読プログラムが記憶されており、前記コンピュータ可読プログラムは、浴室内の危険状態を検出する装置又は電子機器に、実施例の第一側面に記載の浴室内の危険状態を検出する方法を実行させる。
【0088】
また、本発明の実施例で説明した前記方法、装置などは、ハードウェア、処理器により実行されるソフトウェアモジュール、又は、両者の組み合わせにより実現することができる。例えば、
図9などに示す機能ブロック図における1つ又は複数の機能及び/又は機能ブロック図における1つ又は複数の機能の組み合わせは、コンピュータプログラムにおける各ソフトウェアモジュールに対応しても良く、各ハードウェアモジュールに対応しても良い。また、これらのソフトウェアモジュールは、それぞれ、
図1などに示す各ステップに対応することができる。これらのハードウェアモジュールは、例えば、FPGA(field-programmable gate array)を用いてこれらのソフトウェアモジュールを固化して実現することができる。
【0089】
また、本発明の実施例による装置、方法などは、ソフトウェアにより実現されても良く、ハードェアにより実現されてもよく、ハードェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されても良い。本発明は、このようなコンピュータ可読プログラムにも関し、即ち、前記プログラムは、ロジック部品により実行されるときに、前記ロジック部品に、上述の装置又は構成要素を実現させることができ、又は、前記ロジック部品に、上述の方法又はそのステップを実現させることができる。さらに、本発明は、上述のプログラムを記憶した記憶媒体、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フレッシュメモリなどにも関する。
【0090】
また、上述の実施例などに関し、さらに、以下のような付記を開示する。
【0091】
(付記1)
浴室内の危険状態を検出する装置であって、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出する第一検出ユニットであって、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含む、第一検出ユニット;及び
前記シャワーが開いている状態にあるときに、前記シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて前記浴室に危険状態が発生しているかを判断する第一判断ユニットを含む、装置。
【0092】
(付記2)
付記1に記載の装置であって、
前記第一検出ユニットは、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足するときに、シャワーが開いている状態にあると検出する第一検出サブユニットを含み、
前記所定の条件は、ドップラー速度の値の絶対値に関する条件、及び、ドップラー速度の正の方向及び負の方向における反射点の数に関する条件を含む、装置。
【0093】
(付記3)
付記2に記載の装置であって、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、
受信した無線信号のドップラー速度の負の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、
前記負の値の絶対値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの正の値について、
該正の値に対応する反射点の数(Num_pos)と、負の値に対応する反射点の数(Num_neg)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを含む、装置。
【0094】
(付記4)
付記2に記載の装置であって、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、
受信した無線信号のドップラー速度の正の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、
前記正の値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの負の値の絶対値について、
該負の値に対応する反射点の数(Num_neg)と、正の値に対応する反射点の数(Num_pos)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを含む、装置。
【0095】
(付記5)
付記2に記載の装置であって、
第一検出ユニットは、さらに、第二検出サブユニットを含み、
前記第二検出サブユニットは、スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態又は開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比に基づいて、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いている状態にあるかを判断する、装置。
【0096】
(付記6)
付記5に記載の装置であって、
前記スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第三閾値よりも大きい場合、第二検出サブユニットは、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で閉まっている状態にあると判断する、装置。
【0097】
(付記7)
付記5に記載の装置であって、
前記スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第四閾値よりも大きい場合、第二検出サブユニットは、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いている状態にあると判断する、装置。
【0098】
(付記8)
付記1に記載の装置であって、
前記第一判断ユニットは、
所定の第一時間間隔毎にシャワー状態を読み取る読み取りサブユニット;及び
N回連続して読み取ったシャワー状態がすべて「シャワーが開いている」のときに、浴室に危険状態が発生していると判断する判断サブユニットを含み、
Nは自然数であり、Nと所定の第一時間間隔との乗積は所定時間閾値よりも大きい、装置。
【0099】
(付記9)
付記1-8のうちの任意の1項に記載の浴室内の危険状態を検出する装置を含む電子機器。
【0100】
(付記10)
浴室内の危険状態を検出する方法であって、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出し、無線信号送信装置が前記シャワーから噴出した水の所在する空間に対して無線信号を送信し、前記無線信号受信装置が受信した無線信号は、前記空間から反射された無線信号を含み;及び
前記シャワーが開いている状態にあるときに、前記シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて、前記浴室に危険状態が発生しているかを判断することを含む、方法。
【0101】
(付記11)
付記10に記載の方法であって、
無線信号受信装置が受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布に基づいて、浴室のシャワーが開いている状態にあるかを検出することは、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件時を満足するときに、シャワーが開いている状態にあると検出することを含み、
記所定の条件は、ドップラー速度の値の絶対値に関する条件、及び、ドップラー速度の正の方向及び負の方向における反射点の数に関する条件を含む、方法。
【0102】
(付記12)
付記11に記載の方法であって、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、
受信した無線信号のドップラー速度の負の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、
前記負の値の絶対値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの正の値について、
該正の値に対応する反射点の数(Num_pos)と、負の値に対応する反射点の数(Num_neg)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを含む、方法。
【0103】
(付記13)
付記11に記載の方法であって、
受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足することは、
受信した無線信号のドップラー速度の正の値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合、
前記正の値との差が第一閾値範囲内にあるドップラー速度のうちの負の値の絶対値について、
該負の値に対応する反射点の数(Num_neg)と、正の値に対応する反射点の数(Num_pos)との差が第二閾値範囲内にあれば、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布が所定の条件を満足すると判断することを含む、方法。
(付記14)
付記11に記載の方法であって、
シャワーが開いている状態にあるかを判断することは、さらに、
スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態又は開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比に基づいて、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いている状態にあるかを判断することを含む、方法。
【0104】
(付記15)
付記14に記載の方法であって、
前記スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが閉まっている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第三閾値よりも大きい場合、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で閉まっている状態にあると判断する、方法。
【0105】
(付記16)
付記14に記載の方法であって、
前記スライディング時間ウィンドウ内で、受信した無線信号のドップラー速度の正の方向及び負の方向における分布により判断された、シャワーが開いている状態にある回数と、該スライディング時間ウィンドウ内の総判断回数との比が第四閾値よりも大きい場合、シャワーが該スライディング時間ウィンドウ内で開いている状態にあると判断する、方法。
【0106】
(付記17)
付記10に記載の方法であって、
前記シャワーの持続的に開いている状態にある時間に基づいて、浴室に危険状態が発生しているかを判断することは、
所定の第一時間間隔毎にシャワー状態を読み取り;及び
N回連続して読み取ったシャワー状態がすべて「シャワーが開いている」のときに、浴室に危険状態が発生していると判断することを含み、
Nは自然数であり、Nと所定の第一時間間隔との乗積は所定時間閾値よりも大きい、方法。
【0107】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。