(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】交通用検知装置および交通用検知方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240312BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240312BHJP
G01S 13/42 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
G01S13/42
(21)【出願番号】P 2020158416
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】林 良明
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-143901(JP,A)
【文献】特開2019-079453(JP,A)
【文献】特開2012-226618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得する取得部と、
検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報を記憶する記憶部と、
前記取得部により取得された各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、前記検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する物体検知部と、
前記センサごとに、前記センサの計測結果および前記基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知する移動検知部と、
前記移動検知部による検知結果に基づいて、前記物体検知部により算出された物体の位置情報の補正を行う補正部と、
前記補正部により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う通知部とを備え、
前記通知部は、前記通知処理において、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報よりも優先して用い
、
前記通知部は、前記特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により検知された物体である第1の物体と、前記他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により検知された物体である第2の物体とが同一であるか否かを判定する同一判定処理を行い、前記同一判定処理の結果に基づいて前記通知処理を行い、
前記通知部は、前記同一判定処理において、前記第1の物体の位置情報および前記第2の物体の位置情報を用い、
前記通知部は、前記同一判定処理および前記通知処理において、前記第1の物体の位置情報が前記補正部により補正された場合、補正後の前記第1の物体の位置情報を用い、前記第2の物体の位置情報が前記補正部により補正された場合、補正後の前記第2の物体の位置情報を用いる、交通用検知装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記通知処理において、前記同一判定処理の結果に応じて、前記特定のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報に加えて、前記他のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報を用いるか否かを判断する、請求項1に記載の交通用検知装置。
【請求項3】
前記特定のセンサは電波センサであり、前記他のセンサは画像センサである、請求項1
または請求項2に記載の交通用検知装置。
【請求項4】
交通用検知装置における交通用検知方法であって、
固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得するステップと、
取得した各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出するステップと、
前記センサごとに、前記センサの計測結果、および前記検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知するステップと、
前記センサの位置の移動の検知結果に基づいて、算出した物体の位置情報の補正を行うステップと、
補正した物体の位置情報に基づく通知処理を行うステップとを含み、
前記通知処理を行うステップにおいて、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて算出した物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて算出した物体の位置情報よりも優先して用い
、
前記交通用検知方法は、さらに、
前記特定のセンサの計測結果に基づいて検知した物体である第1の物体と、前記他のセンサの計測結果に基づいて検知した物体である第2の物体とが同一であるか否かを判定する同一判定処理を行い、前記同一判定処理において、前記第1の物体の位置情報および前記第2の物体の位置情報を用いるステップを含み、
前記通知処理を行うステップにおいては、前記同一判定処理の結果に基づいて前記通知処理を行い、
前記同一判定処理を行うステップおよび前記通知処理を行うステップにおいては、前記第1の物体の位置情報が補正された場合、補正後の前記第1の物体の位置情報を用い、前記第2の物体の位置情報が補正された場合、補正後の前記第2の物体の位置情報を用いる、交通用検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交通用検知装置および交通用検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、周辺に存在する車両などを検知して、検知結果を通知するための技術が開発されている。たとえば、特開2017-33460号公報(特許文献1)には、以下のような位置検出装置が開示されている。すなわち、位置検出装置は、車両に搭載され、当該車両周囲の報知対象者の携帯端末と無線通信を行うことにより、当該携帯端末の相対位置を検出する位置検出装置であって、測位衛星から送信される測位用信号を受信する衛星信号受信部と、前記測位用信号を補正するための補正信号を受信する補正信号受信部と、前記携帯端末にて取得された前記測位用信号を、当該携帯端末から無線通信により受信する端末位置通信部と、前記補正信号を用いて、前記携帯端末及び前記衛星信号受信部のそれぞれにて受信された前記測位用信号を共に補正し、補正した前記測位用信号に基づく車両位置情報及び端末位置情報から前記車両に対する前記携帯端末の位置関係を算出する補正位置算出部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-33460号公報
【文献】Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range-Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124
【文献】四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、島田理化技報、2011年、第21号、p.37-48
【文献】稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、p.74-79
【文献】電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、p.275-276
【文献】菊間 信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、初版、株式会社科学技術出版、1998年11月、p.181,p.194
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1に記載の技術を超えて、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することが可能な技術が望まれる。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することが可能な交通用検知装置および交通用検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の交通用検知装置は、固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得する取得部と、検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報を記憶する記憶部と、前記取得部により取得された各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、前記検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する物体検知部と、前記センサごとに、前記センサの計測結果および前記基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知する移動検知部と、前記移動検知部による検知結果に基づいて、前記物体検知部により算出された物体の位置情報の補正を行う補正部と、前記補正部により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う通知部とを備え、前記通知部は、前記通知処理において、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報よりも優先して用いる。
【0007】
本開示の交通用検知方法は、交通用検知装置における交通用検知方法であって、固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得するステップと、取得した各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出するステップと、前記センサごとに、前記センサの計測結果、および前記検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知するステップと、前記センサの位置の移動の検知結果に基づいて、算出した物体の位置情報の補正を行うステップと、補正した物体の位置情報に基づく通知処理を行うステップとを含み、前記通知処理を行うステップにおいて、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて算出した物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて算出した物体の位置情報よりも優先して用いる。
【0008】
本開示は、このような特徴的な処理部を備える交通用検知装置として実現できるだけでなく、かかる特徴的な処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示は、交通用検知装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、交通用検知装置を含む交通用検知システムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係る交通用検知システムの道路における設置例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係る各センサが移動した状態の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施の形態に係る各センサの移動前後における、物体の検知結果の違いを示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置における物体検知部による属性の検知エリアを示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施の形態に係るセンサの回転角度と、特定物体の座標上の位置との関係を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置による同一判定処理の方法を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置が検知対象エリアにおける物体の検知、ならびに検知結果の補正および通知を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本開示の実施の形態に係る交通用検知装置は、固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得する取得部と、検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報を記憶する記憶部と、前記取得部により取得された各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、前記検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する物体検知部と、前記センサごとに、前記センサの計測結果および前記基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知する移動検知部と、前記移動検知部による検知結果に基づいて、前記物体検知部により算出された物体の位置情報の補正を行う補正部と、前記補正部により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う通知部とを備え、前記通知部は、前記通知処理において、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報よりも優先して用いる。
【0013】
このように、各センサの位置が移動した場合でも、各センサの位置の移動の検知結果に基づく補正を行う構成により、検知対象エリアにおける物体に関するより正確な検知結果を得ることができる。
【0014】
また、上記のような構成により、たとえば、複数のセンサのうち、物体の位置情報の検知精度が高いセンサを特定のセンサと指定し、通知処理において、当該特定のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報を優先して用いることにより、検知された各物体の位置をより正確に通知することができる。したがって、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することができる。
【0015】
(2)好ましくは、前記特定のセンサは電波センサであり、前記他のセンサは画像センサである。
【0016】
このような構成により、電波センサの計測結果に基づいて、各物体の位置情報をより正確に検知することができ、かつ画像センサの計測結果に基づいて、各物体の移動速度、移動方向、サイズおよび色等の属性をより正確に検知することができる。
【0017】
(3)好ましくは、前記通知部は、前記特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により検知された物体である第1の物体と、前記他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により検知された物体である第2の物体とが同一であるか否かを判定する同一判定処理を行い、前記同一判定処理において、前記第1の物体の位置情報および前記第2の物体の位置情報を用いる。
【0018】
このような構成により、第1の物体の位置情報および第2の物体の位置情報の両方を用いて、同一判定処理を比較的容易に行うことができる。
【0019】
(4)本開示の実施の形態に係る交通用検知方法は、交通用検知装置における交通用検知方法であって、固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得するステップと、取得した各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出するステップと、前記センサごとに、前記センサの計測結果、および前記検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知するステップと、前記センサの位置の移動の検知結果に基づいて、算出した物体の位置情報の補正を行うステップと、補正した物体の位置情報に基づく通知処理を行うステップとを含み、前記通知処理を行うステップにおいて、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて算出した物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて算出した物体の位置情報よりも優先して用いる。
【0020】
このように、各センサの位置が移動した場合でも、各センサの位置の移動の検知結果に基づく補正を行う方法により、検知対象エリアにおける物体に関するより正確な検知結果を得ることができる。
【0021】
また、上記のような方法により、たとえば、複数のセンサのうち、物体の位置情報の検知精度が高いセンサを特定のセンサと指定し、通知処理において、当該特定のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報を優先して用いることにより、検知された各物体の位置をより正確に通知することができる。したがって、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することができる。
【0022】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0023】
<構成および基本動作>
[全体構成]
図1は、本開示の実施の形態に係る交通用検知システムの道路における設置例を示す図である。
図2は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置の構成を示す図である。
【0024】
図1および
図2を参照して、交通用検知システム201は、交通用検知装置101と、複数のセンサ161とを備える。交通用検知システム201は、交通信号機を支える信号柱121などの固定されている物体に取り付けられる。
【0025】
ここでは、センサ161である2つのセンサ161A,161Bを備える交通用検知システム201が信号柱121に取り付けられているとする。2つのセンサ161A,161Bは、互いに異なる種類のセンサであり、かつ別体のセンサである。
【0026】
センサ161Aは、たとえば、ミリ波等の電波を用いるミリ波レーダである。以下、センサ161Aを、「電波センサ161A」とも称する。なお、センサ161Aは、レーザー光を用いるLiDAR(Light Detection and Ranging)などであってもよい。
【0027】
電波センサ161Aは、たとえば、非特許文献1(Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range-Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124)に記載された2D Range-Doppler FM-CW方式に従って動作する。
【0028】
なお、電波センサ161Aは、上記方式に限らず、非特許文献2(四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、島田理化技報、2011年、第21号、P.37-48)および非特許文献3(稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74-79)に記載のFM-CW方式および2周波CW方式、ならびに非特許文献4(電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275-276)に記載のパルス圧縮方式に従って動作してもよい。
【0029】
たとえば、電波センサ161Aは、定期的または不定期に検知対象エリアTaへ電波を送信し、検知対象エリアTaにおける車両または柱等の物体からの反射波を受信する。
【0030】
そして、電波センサ161Aは、送信した電波と受信した反射波とに基づく信号をフーリエ変換処理することによって周波数領域に変換し、周波数スペクトラムを作成する。周波数スペクトラムの縦軸および横軸は、それぞれ振幅および周波数である。また、横軸は、たとえば、非特許文献1に記載の方法に従って、測定対象物の距離に換算することが可能である。
【0031】
そして、電波センサ161Aは、作成した周波数スペクトラムを示すスペクトラム情報を、交通用検知装置101へ送信する。
【0032】
センサ161Bは、たとえばカメラであり、定期的または不定期に検知対象エリアTaの撮像画像を取得する。そして、センサ161Bは、撮像画像を示す画像情報を交通用検知装置101へ送信する。以下、センサ161Bを、「画像センサ161B」とも称する。
【0033】
以下、電波センサ161Aからの電波の照射エリアを「検知エリアRa」とも称し、画像センサ161Bの撮像エリアを「検知エリアRb」とも称する。検知エリアRaおよび検知エリアRbは、たとえば、検知対象エリアTaと一致するように設定されている。
【0034】
交通用検知装置101は、各センサ161の計測結果、すなわち電波センサ161Aから送信されたスペクトラム情報、および画像センサ161Bから送信された画像情報を受信し、これらスペクトラム情報および画像情報に基づいて、検知対象エリアTaにおける物体を検知する。
【0035】
そして、交通用検知装置101は、たとえば、物体の検知結果を示す検知情報を検知対象エリアTaに存在する車両等へ無線送信することにより、検知対象エリアTaにおける物体の存在をドライバー等に通知することができる。
【0036】
[課題の説明]
ここで、台風、強風または地震などの災害の発生等により信号柱121が動くと、電波センサ161Aおよび画像センサ161Bの位置が移動して、検知エリアRaおよび検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれることがある。
【0037】
図3は、本開示の実施の形態に係る各センサが移動した状態の一例を示す図である。
【0038】
図4は、本開示の実施の形態に係る各センサの移動前後における、物体の検知結果の違いを示す図である。
【0039】
図1、
図3および
図4を参照して、ここでは、災害の発生等により各センサ161が移動することで、検知エリアRaおよび検知エリアRbが、
図1に示すような、検知対象エリアTaと一致している状態から、
図3に示すような、検知対象エリアTaに対してずれた状態へ変化したとする。
【0040】
図1に示す状態、すなわち各センサ161の位置が移動する前の状態において、交通用検知装置101は、
図4において破線で示す位置に物体が存在していることを検知したとする。
【0041】
このような場合であって、
図3に示す状態、すなわち各センサ161の位置が移動した後の状態において、
図4において破線で示す位置が物体の実際の位置であるにもかかわらず、交通用検知装置101により検知される物体の位置は、たとえば、
図4において実線で示す位置に変化する。
【0042】
このように、センサ161の位置が移動することにより、検知される物体の位置がずれて、ドライバー等に対して誤った通知が行われるおそれがある。このため、各センサ161の位置が移動した場合であっても、検知対象エリアTaにおける物体の位置を安定して正確に検知することのできる技術が望まれる。
【0043】
そこで、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置101は、後述する構成により、各センサ161の位置が移動した場合であっても、検知対象エリアTaにおける物体の位置を安定して正確に検知する。以下、交通用検知装置101のより詳細な構成について説明する。
【0044】
[交通用検知装置の構成]
再び
図2を参照して、交通用検知装置101は、取得部11と、解析判定部12と、通知部13と、記憶部14とを備える。解析判定部12は、物体検知部22と、移動検知部23と、補正部24とを含む。
【0045】
取得部11および解析判定部12は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサにより実現される。通知部13は、たとえば通信用IC(Integrated Circuit)等の通信回路により実現される。記憶部14は、たとえば不揮発性メモリである。
【0046】
(計測結果の取得および物体の検知)
取得部11は、電波センサ161Aからの計測結果である周波数スペクトラムを示すスペクトラム情報を取得し、取得したスペクトラム情報を記憶部14に保存する。また、取得部11は、画像センサ161Bからの計測結果である画像情報を取得し、取得した画像情報を記憶部14に保存する。
【0047】
また、取得部11は、交通情報に関する解析結果、および地図情報等を外部センター131から取得し、取得した解析結果および地図情報等を記憶部14に保存する。
【0048】
物体検知部22は、取得部11により取得された各センサ161の計測結果に基づいて、センサ161ごとに、検知対象エリアTaにおける物体を検知する物体検知処理を行う。より詳細には、物体検知部22は、物体検知処理において、物体の検知を行い、さらに、検知した物体の位置情報を算出する。
【0049】
具体的には、物体検知部22は、たとえば、記憶部14に保存されている周波数スペクトラムに基づいて、当該周波数スペクトラムを解析することにより、検知対象エリアTaにおける1または複数の物体の各々について、電波センサ161Aからの距離、および電波センサ161Aから当該物体への方位を測定する。
【0050】
詳細には、物体検知部22は、周波数スペクトラムにおいて、所定のしきい値以上の振幅を有するピークを検知するピーク検知処理を行う。
【0051】
そして、物体検知部22は、検知したピークごとに、測定対象物の距離および方位を測定する。より詳細には、物体検知部22は、検知したピークの周波数を換算することにより測定対象物の距離を算出する。
【0052】
また、物体検知部22は、たとえば、非特許文献5(菊間 信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、初版、株式会社科学技術出版、1998年11月、p.181,p.194)に記載のMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法、Capon法またはビームフォーミング法に従って、検知したピークに対応する方位を算出する。
【0053】
そして、物体検知部22は、測定対象物である各物体の距離および方位の測定結果を、第1の検知結果として記憶部14に保存する。
【0054】
また、物体検知部22は、たとえば、画像センサ161Bからの画像情報に基づく画像の解析処理を行うことにより、検知対象エリアTaにおける1または複数の物体の各々の緯度経度、ならびに各物体の、移動速度、移動方向、サイズおよび色等の属性を検知する。
【0055】
図5は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置における物体検知部による属性の検知エリアを示す図である。
【0056】
図5を参照して、物体検知部22は、たとえば、検知対象エリアTaの一部である速度検知エリアR1に存在する車両の位置の変化を確認することにより、当該車両の移動速度および移動方向を測定する。
【0057】
また、物体検知部22は、たとえば、検知対象エリアTaの一部である車長検知エリアR2に存在する車両のサイズを測定する。そして、物体検知部22は、測定結果を第2の検知結果として記憶部14に保存する。
【0058】
(センサの移動の検知)
再び
図1および
図2を参照して、検知対象エリアTaにおける柱またはビルなど、位置が固定されている物体が、センサ161の位置の移動を検知する際の基準となる物体として予め定められている。このような物体を、以下、「基準物体F」と称する。
【0059】
記憶部14には、基準物体Fの位置情報である基準位置情報が保存されている。基準物体Fは、複数設けられてもよい。この場合、記憶部14には、各基準物体Fの基準位置情報が保存されている。
【0060】
基準位置情報には、基準物体Fの緯度経度、ならびに電波センサ161Aの移動が無い場合における、電波センサ161Aと基準物体Fとの距離、および電波センサ161Aから基準物体Fへの方位などが含まれている。
【0061】
移動検知部23は、各センサ161の計測結果、および基準位置情報に基づいて、各センサ161の位置の移動を検知する。
【0062】
ここで、電波センサ161Aおよび画像センサ161Bは別体であるため、電波センサ161Aの位置の移動量と、画像センサ161Bの位置の移動量とは異なることがある。このため、移動検知部23は、センサ161ごとに、位置の移動を検知する。すなわち、移動検知部23は、電波センサ161Aの位置の移動、および画像センサ161Bの位置の移動の両方を検知する。
【0063】
(a)電波センサの位置の移動の検知
たとえば、基準位置情報には、さらに、電波センサ161Aの移動が無い場合における、基準物体Fからの反射波に基づくピークを有する周波数スペクトラム(以下、「基準スペクトラム」とも称する。)が含まれている。
【0064】
移動検知部23は、たとえば、記憶部14に保存されている基準位置情報を参照して、物体検知部22により作成された周波数スペクトラムにおいて、基準スペクトラムにおける、基準物体Fに対応するピークと同じ特徴を有するピークに対応する物体を、基準物体Fとして特定する。以下、基準物体Fとして特定された物体を、「特定物体」とも称する。
【0065】
また、移動検知部23は、電波センサ161Aの計測結果に基づいて物体検知部22により測定された特定物体の位置と、基準位置情報の示す基準物体Fの実際の位置とのズレを算出する。
【0066】
具体的には、まず、移動検知部23は、物体検知部22により測定された特定物体の距離と、基準物体Fの実際の距離とのズレ(以下、単に「距離のズレDL」とも称する。)を算出する。そして、移動検知部23は、算出した距離のズレDLを、緯度経度のズレDCに変換する。
【0067】
ここで、距離のズレDLと、緯度経度のズレDCとの関係は、式(1)により表わされる。
【数1】
【0068】
移動検知部23は、式(1)から導き出される以下の式(2)を用いることにより、特定物体の距離のズレDLを、緯度経度のズレDCに変換することができる。
【数2】
【0069】
ここで、
図1に示す信号柱121は、一般的に、災害の発生等による破損を避けるため、ある程度の負荷がかかった場合には、鉛直方向に延びる中心軸を中心に回転するように設計されている。すなわち、信号柱121に取り付けられた各センサ161の位置は、信号柱121を中心として回転する方向に移動する可能性が高い。
【0070】
このため、移動検知部23は、たとえば、算出した特定物体の緯度経度のズレDC、および既知の値である基準物体Fの緯度経度を用いて、電波センサ161Aの移動量として、電波センサ161Aの回転角度を算出する。
【0071】
図6は、本開示の実施の形態に係るセンサの回転角度と、特定物体の座標上の位置との関係を説明するための図である。
【0072】
図6を参照して、座標の中心(0,0)にセンサ161が存在しているとする。また、座標(x1,y1)の物体およびセンサ161を通る直線L1とX軸とのなす角度がθ1であり、座標(x2,y2)の物体およびセンサ161を通る直線L2とX軸とのなす角度がθ2であるとする。
【0073】
また、センサ161から座標(x1,y1)の物体までの距離と、センサ161から座標(x2,y2)の物体までの距離は等しいとする。
【0074】
この場合、座標(x1,y1),(x2,y2)および角度θ1,θ2との間には、式(3)の関係が成り立つ。式(3)において、Zは、物体の水平面からの高さである。
【数3】
【0075】
移動検知部23は、座標(x1,y1)が基準物体Fの実際の位置であり、座標(x2,y2)が電波センサ161Aの計測結果に基づいて測定された基準物体Fの位置であると仮定して、電波センサ161Aの回転角度を算出する。
【0076】
すなわち、移動検知部23は、まず、算出した基準物体Fの緯度経度のズレDCを用いて、電波センサ161Aの計測結果に基づく基準物体Fの緯度経度の座標を算出し、算出した座標を座標(x2,y2)とする。
【0077】
また、移動検知部23は、既知の値である基準物体Fの電波センサ161Aからの方位に基づいて、
図6に示す角度θ1に相当する角度を算出する。
【0078】
そして、移動検知部23は、式(3)を用いて、電波センサ161Aの回転角度として、
図6に示す角度(θ2-θ1)を算出し、算出した回転角度を記憶部14に保存する。
【0079】
(b)画像センサの位置の移動の検知
移動検知部23は、たとえば、画像センサ161Bの計測結果に基づいて検知された複数の物体のうち、既知の値である基準物体Fの位置に最も近い物体を、基準物体Fとして特定する。
【0080】
そして、移動検知部23は、式(3)を用いて、座標(x1,y1)が基準物体Fの実際の位置であり、座標(x2,y2)が画像センサ161Bの計測結果に基づいて測定された基準物体Fの位置であると仮定して、画像センサ161Bの回転角度を算出する。
【0081】
すなわち、移動検知部23は、画像センサ161Bの計測結果に基づく基準物体Fの緯度経度の座標を座標(x2,y2)とする。
【0082】
また、移動検知部23は、たとえば、既知の値である基準物体Fの座標に基づいて、
図6に示す角度θ1に相当する角度を算出する。
【0083】
そして、移動検知部23は、画像センサ161Bの回転角度として、
図6に示す角度(θ2-θ1)を算出し、算出した回転角度を記憶部14に保存する。
【0084】
(物体の検知結果の補正)
再び
図2を参照して、補正部24は、移動検知部23による検知結果に基づいて、物体検知部22による検知結果の補正を行う。
【0085】
より詳細には、補正部24は、たとえば、記憶部14に保存されている第1の検知結果の示す各物体の距離および方位に基づいて、各物体の緯度経度を算出する。
【0086】
そして、補正部24は、物体ごとに、算出した緯度経度および電波センサ161Aの回転角度を、式(3)の座標(x2,y2)および(θ2-θ1)にそれぞれ代入し、電波センサ161Aが回転していない場合における緯度経度(x1,y1)を算出する。
【0087】
そして、補正部24は、物体ごとに、新たに算出した緯度経度(x1,y1)を、対応する距離および方位に対応づけて第1の検知結果に追加することにより、記憶部14に保存されている第1の検知結果を更新する。
【0088】
また、補正部24は、たとえば、記憶部14に保存されている第2の検知結果の示す各物体の緯度経度に基づいて、上記と同様に、物体ごとに、画像センサ161Bが回転していない場合における緯度経度(x1,y1)を算出する。
【0089】
そして、補正部24は、物体ごとに、第2の検知結果の示す緯度経度(x2,y2)を、新たに算出した緯度経度(x1,y1)に補正することにより、記憶部14に保存されている第2の検知結果を更新する。
【0090】
(補正の変形例1)
記憶部14には、移動検知部23による各センサ161の移動の検知結果と、補正部24による補正内容との対応関係を示す対応テーブルT1が保存されていてもよい。たとえば、対応テーブルT1は、センサ161が取り付けられている物体、すなわち信号柱121の想定される動きに基づいて作成される。
【0091】
具体的には、信号柱121の想定される動きが回転である場合、対応テーブルT1では、たとえば、各センサ161の回転角度が、0度~5度、5度~10度、10度~15度、・・・の各範囲に含まれる場合における、物体の緯度経度の補正量が示されている。
【0092】
この場合、補正部24は、移動検知部23により検知された各センサ161の回転角度、および対応テーブルT1を参照することにより、上記のような式(3)を用いた補正を行う代わりに、対応テーブルT1の内容に従って各物体の位置情報の補正を行ってもよい。
【0093】
(補正の変形例2)
センサ161が取り付けられている物体の想定される動きが回転以外の動きであってもよい。たとえば、当該物体の想定される動きが傾く動きである場合、対応テーブルT1では、物体の傾きの量に応じた物体の緯度経度の補正量が示される。
【0094】
(補正の変形例3)
対応テーブルT1の示す補正内容は、物体の位置情報に関する補正内容に加えて、さらに、物体の位置情報以外の他の補正内容が含まれてもよい。
【0095】
具体的には、対応テーブルT1では、各センサ161の回転角度が、0度~5度、5度~10度、10度~15度、・・・の各範囲に含まれる場合における、各物体の移動速度、移動方向およびサイズ等の各々の補正量が示されている。
【0096】
この場合、補正部24は、移動検知部23により検知された各センサ161の回転角度、および対応テーブルT1を参照することにより、検知された各物体の位置情報の補正に加えて、さらに、検知された各物体の属性等を補正することができる。
【0097】
(同一判定処理)
通知部13は、たとえば、定期的または不定期に、電波センサ161Aの計測結果に基づいて物体検知部22により検知された物体(以下、「第1の物体」とも称する。)と、画像センサ161Bの計測結果に基づいて物体検知部22により検知された物体(以下、「第2の物体」とも称する。)とが同一であるか否かを判定する同一判定処理を行う。
【0098】
通知部13は、同一判定処理において、第1の物体の位置情報および第2の物体の位置情報を用いる。
【0099】
より詳細には、通知部13は、第1の物体の位置情報が補正部24により補正された場合、補正後の第1の物体の位置情報を用いる。すなわち、通知部13は、記憶部14に保存されている第1の検知結果が更新された場合、更新後の第1の検知結果に含まれる第1の物体の位置情報を用いる。
【0100】
また、通知部13は、第2の物体の位置情報が補正部24により補正された場合、補正後の第2の物体の位置情報を用いる。すなわち、通知部13は、記憶部14に保存されている第2の検知結果が更新された場合、更新後の第2の検知結果に含まれる第2の物体の位置情報を用いる。
【0101】
図7は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置による同一判定処理の方法を説明するための図である。
【0102】
ここで、第1の物体と第2の物体とが同一である場合、現在および過去のいずれにおいても、第1の物体の位置と第2の物体の位置とは一致する。一方、第1の物体と第2の物体とが異なる物体である場合、現在時刻において第1の物体の位置と第2の物体の位置とが一致していても、過去において両者の位置は互いに異なる。
【0103】
このため、通知部13は、たとえば、記憶部14に保存されている更新後の第1の検知結果および第2の検知結果を参照して、第1の物体および第2の物体の各々の、現在時刻における位置と、現在時刻よりk秒前の時刻における位置とを確認する。
【0104】
そして、通知部13は、現在時刻において第1の物体の位置と第2の物体の位置とが一致し、かつ現在時刻よりk秒前の時刻において、第1の物体の位置と第2の物体の位置とが一致する場合、第1の物体と第2の物体とは同一であると判定する。
【0105】
一方、通知部13は、現在時刻において第1の物体の位置と第2の物体の位置とが一致しているものの、現在時刻よりk秒前の時刻において、第1の物体の位置と第2の物体の位置とが一致していない場合、第1の物体と第2の物体とは異なる物体であると判定する。
【0106】
図7を参照して、車両C1は北向きに走行し、車両C2は東向きに走行しているものとする。この場合、現在時刻tにおいて両者の位置は一致しているが、現在時刻tよりもk秒前の時刻(t-k)においては両者の位置は一致していない。このため、通知部13は、車両C1および車両C2は異なる物体であると判定する。
【0107】
(マップの作成および通知)
通知部13は、補正部24により補正された物体検知処理の結果に基づく通知処理を行う。
【0108】
より詳細には、通知部13は、通知処理において、記憶部14に保存されている、地図情報、ならびに更新後の第1の検知結果および第2の検知結果を参照して、検知対象エリアTaに存在する物体の検知結果を示す検知情報を作成する。そして、通知部13は、作成した検知情報を、所定の条件を満たす車両等へ無線送信する。たとえば、通知部13は、検知された物体からの距離が所定の閾値未満である車両が存在する場合、当該車両へ検知情報を無線送信する。
【0109】
具体的には、通知部13は、たとえば、検知対象エリアTaを含む地図の対応箇所に、検知された各物体に対応するイラストを重畳させた画面を表示させるための画像データを検知情報として作成する。
【0110】
このとき、通知部13は、複数のセンサ161のうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて物体検知部22により算出された物体の位置情報を、複数のセンサ161のうちの特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて物体検知部22により算出された物体の位置情報よりも優先して用いて、検知情報を作成する。
【0111】
ここでは、「特定のセンサ」は電波センサ161Aであり、「他のセンサ」は画像センサ161Bであるとする。
【0112】
すなわち、通知部13は、同一判定処理において、電波センサ161Aの計測結果に基づいて検知された第1の物体と、画像センサ161Bの計測結果に基づいて検知された第2の物体とが同一の物体であると判定したとする。この場合、通知部13は、当該物体の位置情報として、電波センサ161Aの計測結果に基づく当該物体の位置情報を採用し、画像データを作成する。
【0113】
一方、通知部13は、同一判定処理において、第1の物体と第2の物体とが異なる物体であると判定したする。この場合、通知部13は、当該第1の物体の位置情報として、電波センサ161Aの計測結果に基づく当該第1の物体の位置情報を採用し、当該第2の物体の位置情報として、画像センサ161Bの計測結果に基づく当該第2の物体の位置情報を採用し、画像データを作成する。
【0114】
なお、通知部13は、第1の物体の位置情報が補正部24により補正された場合には、補正後の位置情報を採用して画像データを作成する。また、通知部13は、第2の物体の位置情報が補正部24により補正された場合には、補正後の位置情報を採用して画像データを作成する。
【0115】
そして、通知部13は、作成した画像データを、所定の条件を満たす車両等へ送信する。
【0116】
なお、交通用検知装置101は、電波センサ161Aおよび画像センサ161Bとは異なる場所に設けられてもよい。たとえば、電波センサ161Aおよび画像センサ161Bが信号柱121に設けられ、交通用検知装置101が外部センター131等に設けられてもよい。
【0117】
また、交通用検知システム201が、3つ以上のセンサ161を備えてもよい。この場合、3つ以上のセンサ161のうちの一部のセンサ161が同じ種類のセンサであってもよい。
【0118】
また、電波センサ161Aは、周波数スペクトラムを示すスペクトラム情報の代わりに、検知対象エリアTaへ送信した電波と受信した反射波とに基づく信号を、交通用検知装置101へ送信してもよい。この場合、交通用検知装置101は、電波センサ161Aからの当該信号に基づいて、周波数スペクトラムを作成する。
【0119】
また、「特定のセンサ」は、電波センサに限らず、電波センサ以外のセンサであってもよい。また、「他のセンサ」は、画像センサに限らず、画像センサ以外のセンサであってもよい。
【0120】
また、通知部13は、第1の物体の位置情報および第2の物体の位置情報の両方を用いて同一判定処理を行う構成に限らない。たとえば、通知部13は、第1の物体の位置情報および第2の物体の位置情報のいずれか一方を用いて同一判定処理を行う構成であってもよいし、第1の物体の位置情報および第2の物体の位置情報の両方を用いない方法で同一判定処理を行う構成であってもよい。また、通知部13は、同一判定処理を行わない構成であってもよい。
【0121】
<動作の流れ>
次に、交通用検知システム201において、交通用検知装置101が、検知対象エリアTaにおける物体の検知、ならびに検知結果の補正および通知を行う際の動作手順について図面を用いて説明する。
【0122】
交通用検知システム201における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0123】
図8は、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置が検知対象エリアにおける物体の検知、ならびに検知結果の補正および通知を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0124】
図8を参照して、まず、取得部11は、電波センサ161Aの計測結果である周波数スペクトラムを示すスペクトラム情報、および画像センサ161Bの計測結果である画像情報を取得し、取得したスペクトラム情報および画像情報を記憶部14に保存する(ステップS101)。
【0125】
次に、物体検知部22は、各センサ161からの計測結果に基づいて、センサ161ごとに、検知対象エリアTaにおける物体の検知を行う。
【0126】
より詳細には、物体検知部22は、電波センサ161Aから送信された周波数スペクトラムの解析処理を行うことにより、検知対象エリアTaにおける物体の距離および方位を測定し、測定結果を第1の検知結果として記憶部14に保存する。
【0127】
また、物体検知部22は、画像センサ161Bからの画像情報に基づく画像の解析処理を行うことにより、検知対象エリアTaにおける物体の、緯度経度、ならびに移動速度、移動方向、サイズおよび色等の属性を測定する。そして、物体検知部22は、測定結果を第2の検知結果として記憶部14に保存する(ステップS102)。
【0128】
次に、移動検知部23は、電波センサ161Aからの計測結果に基づいて物体検知部22により検知された1または複数の物体の中から基準物体Fを特定する。そして、移動検知部23は、電波センサ161Aからの計測結果に基づいて物体検知部22により測定された基準物体Fの位置と、基準物体Fの実際の位置とのズレ、具体的には緯度経度のズレDCを算出する(ステップS103)。
【0129】
次に、移動検知部23は、たとえば、ステップS103において算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値以上であるか否かを確認することにより、電波センサ161Aの検知エリアRaが検知対象エリアTaからずれているか否かを判断する(ステップS104)。
【0130】
移動検知部23は、たとえば、算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値以上である場合、検知エリアRaが検知対象エリアTaからずれていると判断する(ステップS104において「YES」)。
【0131】
この場合、移動検知部23は、たとえば、算出した基準物体Fの緯度経度のズレDC、および既知の値である基準物体Fの緯度経度を用いて、電波センサ161Aの回転角度を算出し、算出した回転角度を記憶部14に保存する。そして、移動検知部23は、第1の検知結果の補正を行う旨の指示情報を補正部24に対して出力する(ステップS105)。
【0132】
次に、補正部24は、移動検知部23から受けた指示情報に従い、記憶部14に保存されている電波センサ161Aの回転角度を用いて、第1の検知結果、すなわち電波センサ161Aからの計測結果に基づく物体の検知結果を補正する。
【0133】
より詳細には、補正部24は、第1の検知結果の補正として、たとえば、電波センサ161Aが回転していない場合における各物体の緯度経度を算出し、算出した各物体の緯度経度を第1の検知結果に追加することにより、第1の検知結果を更新する(ステップS106)。
【0134】
次に、移動検知部23は、画像センサ161Bからの計測結果に基づいて物体検知部22により検知された1または複数の物体の中から基準物体Fを特定する。そして、移動検知部23は、画像センサ161Bからの計測結果に基づいて物体検知部22により測定された基準物体Fの位置と、基準物体Fの実際の位置とのズレ、具体的には緯度経度のズレDCを算出する(ステップS107)。
【0135】
次に、移動検知部23は、たとえば、ステップS107において算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値以上であるか否かを確認することにより、画像センサ161Bの検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれているか否かを判断する(ステップS108)。
【0136】
移動検知部23は、たとえば、算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値未満である場合、検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれていないと判断する。この場合、移動検知部23は、第2の検知結果の補正を行わない旨の指示情報を補正部24へ出力する。これにより、補正部24による第2の検知結果の補正は行われない(ステップS108において「NO」)。
【0137】
次に、通知部13は、記憶部14に保存されている第1の検知結果および第2の検知結果を参照して、電波センサ161Aの計測結果に基づいて検知された第1の物体と、画像センサ161Bの計測結果に基づいて検知された第2の物体とが同一であるか否かを判定する同一判定処理を行う(ステップS109)。
【0138】
次に、通知部13は、同一判定処理の結果、記憶部14に保存されている地図情報、第1の検知結果の示す各物体の位置情報、ならびに第2の検知結果の示す各物体の位置情報および属性に基づいて、検知対象エリアTaに存在する物体の検知結果を通知する通知処理を行う。
【0139】
具体的には、通知部13は、通知処理において、検知対象エリアTaを含む地図の対応箇所に、検知された各物体に対応するイラストを重畳させた画面を表示させるための画像データを検知情報として作成する。
【0140】
より詳細には、通知部13は、電波センサ161Aの計測結果に基づいて算出された、補正後の各物体の位置情報を、検知された各物体の位置情報として優先して採用して、画像データを作成する。
【0141】
すなわち、通知部13は、同一判定処理において、第1の物体と第2の物体とが同一の物体であると判定した場合、当該物体の位置情報として、電波センサ161Aの計測結果に基づく当該物体の位置情報を採用し、画像データを作成する。
【0142】
一方、通知部13は、同一判定処理において、第1の物体と第2の物体とが異なる物体であると判定した場合、第1の物体の位置情報として、電波センサ161Aの計測結果に基づく第1の物体の位置情報を採用し、第2の物体の位置情報として、画像センサ161Bの計測結果に基づく第2の物体の位置情報を採用し、画像データを作成する。
【0143】
そして、通知部13は、たとえば、作成した検知情報を、所定の条件を満たす車両等へ無線送信する(ステップS110)。
【0144】
これにより、交通用検知装置101からの検知情報を受信した車両等における表示装置は、たとえば、検知対象エリアTaを含む地図上に、交通用検知装置101により検知された1または複数の物体の各々に対応するイラストを重畳した画面を表示する。
【0145】
また、移動検知部23は、ステップS104において、たとえば、算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値未満である場合、検知エリアRaが検知対象エリアTaからずれていないと判断する(ステップS104において「NO」)。
【0146】
この場合、移動検知部23は、上述したステップS107における動作と同様に、画像センサ161Bからの計測結果に基づいて物体検知部22により測定された基準物体Fの位置と、基準物体Fの実際の位置とのズレ、具体的には緯度経度のズレDCを算出する(ステップS111)。
【0147】
次に、移動検知部23は、たとえば、ステップS111において算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値以上であるか否かを確認することにより、画像センサ161Bの検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれているか否かを判断する(ステップS112)。
【0148】
次に、移動検知部23は、たとえば、算出した緯度経度のズレDCが所定の閾値以上である場合、検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれていると判断する(ステップS112において「YES」)。
【0149】
この場合、移動検知部23は、たとえば、ステップS111において算出した基準物体Fの緯度経度のズレDC、および既知の値である基準物体Fの緯度経度を用いて、画像センサ161Bの回転角度を算出し、算出した回転角度を記憶部14に保存する。そして、移動検知部23は、第2の検知結果の補正を行う旨の指示情報を補正部24に対して出力する(ステップS113)。
【0150】
次に、補正部24は、移動検知部23から受けた指示情報に従い、記憶部14に保存されている画像センサ161Bの回転角度を用いて、第2の検知結果、すなわち画像センサ161Bからの計測結果に基づく物体の検知結果を補正する。
【0151】
より詳細には、補正部24は、たとえば、画像センサ161Bが回転していない場合における物体の緯度経度を算出し、第2の検知結果の示す緯度経度を、新たに算出した緯度経度に補正することにより、第2の検知結果を更新する(ステップS114)。そして、通知部13による同一判定処理(ステップS109)および通知処理(ステップS110)が行われる。
【0152】
一方、移動検知部23は、ステップS112において、検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれていないと判断した場合(ステップS112において「YES」)、第2の検知結果の補正を行わない旨の指示情報を補正部24へ出力する。これにより、補正部24による第2の検知結果の補正は行われない。そして、通知部13による同一判定処理(ステップS109)および通知処理(ステップS110)が行われる。
【0153】
また、移動検知部23は、ステップS108において、検知エリアRbが検知対象エリアTaからずれていると判断したとする(ステップS108において「YES」)。
【0154】
この場合、移動検知部23による画像センサ161Bの回転角度の算出(ステップS113)、補正部24による第2の検知結果の補正および更新(ステップS114)、ならびに通知部13による同一判定処理(ステップS109)および通知処理(ステップS110)が行われる。
【0155】
ところで、特許文献1に記載の技術を超えて、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することが可能な技術が望まれる。
【0156】
これに対して、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置101では、取得部11は、固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ161、から計測結果を取得する。記憶部14は、検知対象エリアTaにおいて固定されている基準物体Fの位置情報である基準位置情報を記憶する。物体検知部22は、取得部11により取得された各センサ161の計測結果に基づいて、センサ161ごとに、検知対象エリアTaにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する。移動検知部23は、センサ161ごとに、センサ161の計測結果および基準位置情報に基づいて、センサ161の位置の移動を検知する。補正部24は、移動検知部23による検知結果に基づいて、物体検知部22により算出された物体の位置情報の補正を行う。通知部13は、補正部24により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う。また、通知部13は、通知処理において、複数のセンサ161のうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて物体検知部22により算出された物体の位置情報を、複数のセンサ161のうちの特定のセンサ161以外の他のセンサ161の計測結果に基づいて物体検知部22により算出された物体の位置情報よりも優先して用いる。
【0157】
また、本開示の実施の形態に係る交通用検知方法では、まず、取得部11が、固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ161、から計測結果を取得する。次に、物体検知部22が、取得部11により取得された各センサ161の計測結果に基づいて、センサ161ごとに、検知対象エリアTaにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する。次に、移動検知部23が、センサ161ごとに、センサ161の計測結果、および検知対象エリアTaにおいて固定されている基準物体Fの位置情報である基準位置情報に基づいて、センサ161の位置の移動を検知する。次に、補正部24が、移動検知部23による検知結果に基づいて、物体検知部22により算出された物体の位置情報の補正を行う。次に、通知部13が、補正部24により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う。また、通知部13は、通知処理において、複数のセンサ161のうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて物体検知部22により算出された物体の位置情報を、複数のセンサ161のうちの特定のセンサ161以外の他のセンサ161の計測結果に基づいて物体検知部22により算出された物体の位置情報よりも優先して用いる。
【0158】
このように、各センサ161の位置が移動した場合でも、各センサ161の位置の移動の検知結果に基づく補正を行う構成により、検知対象エリアTaにおける物体に関するより正確な検知結果を得ることができる。
【0159】
また、上記のような構成により、たとえば、複数のセンサ161のうち、物体の位置情報の検知精度が高いセンサ161を特定のセンサと指定し、通知処理において、当該特定のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報を優先して用いることにより、検知された各物体の位置をより正確に通知することができる。
【0160】
したがって、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置101および交通用検知方法では、周辺に存在する車両などの対象物に関するより正確な検知結果を通知することができる。
【0161】
なお、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置101の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本開示の実施の形態に係る交通用検知装置101が、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。
【0162】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0163】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得する取得部と、
検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報を記憶する記憶部と、
前記取得部により取得された各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、前記検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する物体検知部と、
前記センサごとに、前記センサの計測結果および前記基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知する移動検知部と、
前記移動検知部による検知結果に基づいて、前記物体検知部により算出された物体の位置情報の補正を行う補正部と、
前記補正部により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う通知部とを備え、
前記通知部は、前記通知処理において、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報を、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報よりも優先して用い、
前記複数のセンサは、電波センサおよび画像センサを含み、
前記各センサが設置されている物体は、交通信号機を支える信号柱であり、
前記移動検知部は、前記各センサの位置の移動として、前記各センサの前記信号柱を中心とした回転の回転角度を検知し、
前記補正部は、前記移動検知部により検知された前記回転角度に基づいて、前記物体検知部により算出された物体の位置情報を補正し、
前記通知部は、前記通知処理として、前記検知対象エリアを含む地図の対応箇所に、前記物体検知部により検知された物体に対応するイラストを重畳させた画面を表示させるための画像データを作成し、作成した前記画像データを送信する、交通用検知装置。
【0164】
[付記2]
固定されている物体に設置された互いに異なる種類の複数のセンサ、から計測結果を取得する取得部と、
検知対象エリアにおいて固定されている基準物体の位置情報である基準位置情報を記憶する記憶部と、
前記取得部により取得された各前記センサの計測結果に基づいて、前記センサごとに、前記検知対象エリアにおける物体を検知し、検知した物体の位置情報を算出する物体検知部と、
前記センサごとに、前記センサの計測結果および前記基準位置情報に基づいて、前記センサの位置の移動を検知する移動検知部と、
前記移動検知部による検知結果に基づいて、前記物体検知部により算出された物体の位置情報の補正を行う補正部と、
前記補正部により補正された物体の位置情報に基づく通知処理を行う通知部とを備え、
前記通知部は、前記複数のセンサのうちのいずれか1つである特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により検知された物体である第1の物体と、前記複数のセンサのうちの前記特定のセンサ以外の他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により検知された物体である第2の物体とが同一であるか否かを判定する同一判定処理を行い、
前記通知部は、前記通知処理において、前記特定のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報を、前記他のセンサの計測結果に基づいて前記物体検知部により算出された物体の位置情報よりも優先して用い、前記同一判定処理の結果に応じて、前記特定のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報に加えて、前記他のセンサの計測結果に基づいて算出された位置情報を用いるか否かを判断する、交通用検知装置。
【符号の説明】
【0165】
11 取得部
12 解析判定部
13 通知部
14 記憶部
22 物体検知部
23 移動検知部
24 補正部
101 交通用検知装置
121 信号柱
131 外部センター
161 センサ
161A 電波センサ
161B 画像センサ
201 交通用検知システム