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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】産業車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240312BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B60R11/02 A
H01Q1/22 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020167449
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2022059697
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏明
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-087466(JP,A)
【文献】特開2020-142651(JP,A)
【文献】特開2018-129654(JP,A)
【文献】特開2003-193513(JP,A)
【文献】特開2003-246598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/00 - 11/06
B62D 17/00 - 25/08
B62D 25/14 - 29/04
E02F 9/00 - 9/28
H01Q 1/12 - 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転室を構成するキャビンを有する車体と、
衛星からの電波信号を受信する衛星測位アンテナと、
前記衛星測位アンテナが受信した電波信号に基づいて外部との無線通信を行う通信装置と、を備え、
前記キャビンは、天板と、前記天板に設けられる天窓と、を有する産業車両であって、
前記通信装置と前記衛星測位アンテナとを接続するとともに前記通信装置に一体的に設けられるブラケットを備え、
前記通信装置は、前記天板における前記運転室側の面に、前記天板から突設されたボス部を介して取り付けられており、
前記衛星測位アンテナは、前記通信装置から前記ブラケットを介して前記天窓に臨む位置に突出していることを特徴とする産業車両。
【請求項2】
前記通信装置は、前記天板における前記運転室側の面に対して、前記車体の車幅方向の端部寄りに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の産業車両。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記通信装置から前記天窓における前記車幅方向の端部寄りに向けて延びていることを特徴とする請求項2に記載の産業車両。
【請求項4】
前記ブラケットは、薄板平板状であるとともに前記ブラケットの厚み方向が前記天板の厚み方向と一致した状態で前記天板に沿って延びていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の産業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、産業車両の一種であるフォークリフトは、衛星からの電波信号を受信する衛星測位アンテナと、衛星測位アンテナが受信した電波信号に基づいて外部との無線通信を行う通信装置と、を備えている場合がある。このとき、衛星測位アンテナが、フォークリフトの車体の外部に突出した状態で車体に取り付けられていると、例えば、フォークリフトが走行している際に、衛星測位アンテナが周囲の物体に衝突してしまう虞がある。
【0003】
そこで、衛星測位アンテナが周囲の物体に衝突してしまうことを回避するために、例えば、衛星測位アンテナを車体の外部に突出させずに、運転室内に配置することが考えられる。しかし、フォークリフトの車体が、運転室を構成するキャビンを有する場合、キャビンの天板が、衛星測位アンテナにおける衛星からの電波信号の受信を妨げ、衛星測位アンテナにおける衛星からの電波信号の受信感度を悪化させる虞がある。
【0004】
ところで、キャビン内の作業者におけるキャビンの外部への視野確保のために、キャビンの天板に天窓が設けられている場合がある。このような場合、例えば特許文献1では、衛星測位アンテナが取り付けられたブラケットを天板における運転室側の部位に固定し、衛星測位アンテナを、天板における運転室側の部位からブラケットを介して天窓に臨む位置に突出させている。これによれば、衛星からの電波信号が天窓を通過して衛星測位アンテナに受信されるため、衛星測位アンテナをキャビン内に配置したとしても、衛星測位アンテナにおける衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-87466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、通信装置がキャビン内の底部に搭載されているため、キャビンに対するブラケットの組み付け作業と、キャビンに対する通信装置の組み付け作業と、を別作業で行う必要があり、組み付け作業が煩雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する産業車両は、運転室を構成するキャビンを有する車体と、衛星からの電波信号を受信する衛星測位アンテナと、前記衛星測位アンテナが受信した電波信号に基づいて外部との無線通信を行う通信装置と、を備え、前記キャビンは、天板と、前記天板に設けられる天窓と、を有する産業車両であって、前記通信装置と前記衛星測位アンテナとを接続するとともに前記通信装置に一体的に設けられるブラケットを備え、前記通信装置は、前記天板における前記運転室側の面に取り付けられており、前記衛星測位アンテナは、前記通信装置から前記ブラケットを介して前記天窓に臨む位置に突出している。
【0008】
これによれば、ブラケットが一体的に設けられている通信装置を、天板における運転室側の面に取り付けるだけで、キャビン内に配置された衛星測位アンテナを、通信装置からブラケットを介して天窓に臨む位置に突出させることができる。そして、衛星測位アンテナが、通信装置からブラケットを介して天窓に臨む位置に突出するため、衛星からの電波信号が天窓を通過して衛星測位アンテナに受信される。したがって、衛星測位アンテナをキャビン内に配置したとしても、衛星測位アンテナにおける衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる。以上により、衛星測位アンテナをキャビン内に配置したとしても、衛星測位アンテナにおける衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる構成を、簡便な組み付け作業で実現することができる。
【0009】
上記産業車両において、前記通信装置は、前記天板における前記運転室側の面に対して、前記車体の車幅方向の端部寄りに配置されているとよい。
これによれば、例えば、通信装置が、天板における運転室側の面に対して、車体の車幅方向の中央部寄りに配置されている場合に比べると、キャビン内の作業者にとって、通信装置が作業の邪魔になってしまうことを抑制することができる。
【0010】
上記産業車両において、前記ブラケットは、前記通信装置から前記天窓における前記車幅方向の端部寄りに向けて延びているとよい。
これによれば、例えば、ブラケットが、通信装置から天窓における車体の車幅方向の中央部寄りに向けて延びている場合に比べると、キャビン内の作業者が天窓を介してキャビンの外部を目視する際に、衛星測位アンテナが、キャビン内の作業者における天窓を介したキャビンの外部への目視の妨げになってしまうことを回避し易くすることができる。
【0011】
上記産業車両において、前記ブラケットは、薄板平板状であるとともに前記ブラケットの厚み方向が前記天板の厚み方向と一致した状態で前記天板に沿って延びているとよい。
これによれば、ブラケットにおける運転室側への突出量を極力抑えることができるため、キャビン内の作業者にとって、ブラケットが作業の邪魔になってしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、衛星測位アンテナをキャビン内に配置したとしても、衛星測位アンテナにおける衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる構成を、簡便な組み付け作業で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態におけるフォークリフトを示す側面図。
図2】通信装置が天板に取り付けられている状態を示す斜視図。
図3】衛星測位アンテナ、ブラケット、及び通信装置の分解斜視図。
図4】ブラケットが通信装置に取り付けられている状態を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、産業車両をフォークリフトに具体化した一実施形態を図1図4にしたがって説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」とは、フォークリフトを運転する作業者が車両前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」のことをいう。
【0015】
図1に示すように、フォークリフト10は、車体11と、車体11の前下部に配置された駆動輪12と、車体11の後下部に配置された操舵輪13と、を備えている。また、フォークリフト10は、荷役装置14を備えている。荷役装置14は、車体11の前部に立設されたマスト15と、マスト15に固定されたリフトブラケット16と、リフトブラケット16に装備される一対のフォーク17と、を備えている。フォーク17には、荷が積載される。
【0016】
荷役装置14は、リフトブラケット16を昇降動作させるリフトシリンダ18を備えている。そして、リフトシリンダ18の動作によって、リフトブラケット16と共にフォーク17が昇降動作する。マスト15は、リフトブラケット16を昇降可能に支持する。また、荷役装置14は、マスト15を傾動させるティルトシリンダ19を備えている。そして、ティルトシリンダ19の駆動によって、マスト15と共にフォーク17が傾動する。リフトシリンダ18及びティルトシリンダ19は油圧シリンダである。
【0017】
車体11は、運転室20を構成するキャビン30を有している。キャビン30は、天板31と、前板32と、後板33と、一対の側板34と、を有している。キャビン30は、車体11の下部から上方に立設された四角箱状である。天板31、前板32、後板33、及び一対の側板34は、金属製である。前板32には、図示しない透明な前窓が設けられている。後板33には、図示しない透明な後窓が設けられている。一対の側板34は、車体11の車幅方向の両側にそれぞれ位置している。各側板34には、ドア35が設けられている。各ドア35は、各側板34に対して開閉可能である。各ドア35には、透明な側窓36がそれぞれ設けられている。
【0018】
図2に示すように、天板31には、天窓37が設けられている。したがって、キャビン30は、天板31に設けられる天窓37を有している。天窓37は、天板31における前方寄りの部位に設けられている。天窓37は、例えば、ガラス製や樹脂製の透明な板材である。キャビン30内の作業者は、天窓37を介してキャビン30の外部を目視可能になっている。天窓37は、例えば、マスト15に対して上昇したフォーク17に積載されている荷の状態を、キャビン30内の作業者が目視するために天板31に設けられている。
【0019】
運転室20は、天板31、前板32、後板33、及び一対の側板34によって区画されている。運転室20は、ドア35における側板34に対する開動作が行われることにより、外部に開放されるとともに、ドア35における側板34に対する閉動作が行われることにより、外部に対して閉塞される。
【0020】
図1に示すように、運転室20には、作業者が着座する運転シート21が設けられている。また、運転室20には、荷役装置14の昇降動作や傾動動作など各種の動作を行うための複数の荷役レバー22と、フォークリフト10を操舵するためのハンドル23と、が設けられている。さらに、運転室20の床面には、アクセルペダル24が設けられている。
【0021】
フォークリフト10は、駆動輪12を駆動させる走行用モータM1と、バッテリB1と、を備えている。そして、フォークリフト10は、アクセルペダル24のアクセル開度に応じた走行用モータM1の駆動の制御が行われることにより、アクセルペダル24のアクセル開度に応じた車速で走行する。したがって、本実施形態のフォークリフト10は、バッテリB1から走行用モータM1へ電力が供給されることにより走行用モータM1が駆動され、走行用モータM1の駆動によって駆動輪12が回転駆動されることで走行するバッテリ式である。
【0022】
図2に示すように、フォークリフト10は、衛星測位アンテナ40と、通信装置41と、ブラケット50と、を備えている。衛星測位アンテナ40は、衛星からの電波信号を受信する。衛星測位アンテナ40は、GPS(Global Positioning System)アンテナである。そして、衛星測位アンテナ40は、衛星から位置情報に関する電波信号を受信する。
【0023】
通信装置41は、カバー部材42と、カバー部材42内に収納される制御ユニット43及び携帯通信アンテナ44と、を有している。制御ユニット43は、図示しない配線を介して衛星測位アンテナ40に電気的に接続されている。また、制御ユニット43と携帯通信アンテナ44とは電気的に接続されている。携帯通信アンテナ44は、外部である管理サーバーと無線通信を行う。
【0024】
そして、衛星測位アンテナ40が受信した電波信号は、配線を介して制御ユニット43に送信される。制御ユニット43は、衛星測位アンテナ40から送信された電波信号を受信し、電波信号に基づく位置情報を取り込む。そして、制御ユニット43は、取り込んだ位置情報を携帯通信アンテナ44に送信する。携帯通信アンテナ44は、管理サーバーと無線通信を行い、制御ユニット43から送信された位置情報を管理サーバーに送信する。したがって、通信装置41は、衛星測位アンテナ40が受信した電波信号に基づいて外部との無線通信を行う。管理サーバーは、制御ユニット43から送信された位置情報を受信し、位置情報に基づいてフォークリフト10の運行の管理を行ったり、フォークリフト10のフォーク17に積載されている荷に関する情報の管理を行ったりする。
【0025】
図3に示すように、カバー部材42は、平面視長四角板状の端壁42aと、端壁42aの外周部から長四角筒状に延びる周壁42bと、を有している。また、カバー部材42は、フランジ壁42fを有している。フランジ壁42fは、周壁42bにおける端壁42aとは反対側の開口縁から外方へ環状に延びる板状である。
【0026】
フランジ壁42fには、第1ボルト51が挿通可能な第1ボルト挿通孔42cが複数形成されている。各第1ボルト挿通孔42cは、フランジ壁42fを厚み方向に貫通している。各第1ボルト挿通孔42cは、周壁42bのうち、周壁42bの長辺が延びる方向の一方に位置する部位と連続するフランジ壁42fの部分にそれぞれ配置されている。各第1ボルト挿通孔42cは、周壁42bの短辺が延びる方向に互いに隣り合うように配置されている。
【0027】
フランジ壁42fには、第2ボルト52が挿通可能な第2ボルト挿通孔42dが複数形成されている。各第2ボルト挿通孔42dは、フランジ壁42fを厚み方向に貫通している。各第2ボルト挿通孔42dは、フランジ壁42fの四隅のうち対角線上に位置する2箇所にそれぞれ配置されている。
【0028】
ブラケット50は、長四角平板状である。ブラケット50は、薄板平板状である。ブラケット50における長辺が延びる方向の一方の端部を第1端部501とし、ブラケット50における長辺が延びる方向の他方の端部を第2端部502とする。ブラケット50の第1端部501には、各第1ボルト51が挿通可能なブラケット孔50hがそれぞれ形成されている。各ブラケット孔50hは、ブラケット50を厚み方向に貫通している。各ブラケット孔50hは、ブラケット50の第1端部501において、ブラケット50の短辺が延びる方向に互いに隣り合うように配置されている。
【0029】
ブラケット50における厚み方向の一方の面を第1面50aとし、ブラケット50における厚み方向の他方の面を第2面50bとする。ブラケット50の第1面50aにおける第2端部502側の部位は、衛星測位アンテナ40が取り付けられる取付部50cになっている。衛星測位アンテナ40は、例えば、磁石等により取付部50cに対して取り付けられている。
【0030】
図3及び図4に示すように、ブラケット50は、ブラケット50の第2面50bにおける第1端部501側の部位が、フランジ壁42fにおける周壁42bとは反対側の面に対して重なるように、カバー部材42に対して配置されている。このとき、ブラケット50の厚み方向とフランジ壁42fの厚み方向とは一致するとともに、ブラケット50の長辺が延びる方向と周壁42bの長辺が延びる方向とは一致している。そして、各第1ボルト挿通孔42cと各ブラケット孔50hとは、ブラケット50の厚み方向及びフランジ壁42fの厚み方向で重なっている。したがって、ブラケット50の厚み方向及びフランジ壁42fの厚み方向から各第1ボルト挿通孔42c及び各ブラケット孔50hを見たとき、各第1ボルト挿通孔42cと各ブラケット孔50hとは連通している。
【0031】
そして、各第1ボルト51を、各第1ボルト挿通孔42c及び各ブラケット孔50hの順にそれぞれ通過させ、各ナット53をブラケット50の第1面50a側から各第1ボルト51に螺合する。そして、各第1ボルト51の頭部と各ナット53とによってフランジ壁42f及びブラケット50を挟み込むことにより、ブラケット50がフランジ壁42fに取り付けられている。このようにして、ブラケット50が通信装置41に一体的に設けられている。そして、ブラケット50は、通信装置41と衛星測位アンテナ40とを接続している。
【0032】
図2に示すように、通信装置41は、カバー部材42の周壁42bの長辺が延びる方向が、車体11の前後方向に一致するとともに、ブラケット50が通信装置41から車体11の前方に延びるように、天板31に対して配置されている。ブラケット50は、ブラケット50の厚み方向が天板31の厚み方向と一致した状態で天板31に沿って延びている。
【0033】
天板31における運転室20側の面において、車体11の車幅方向の一方の端部には、ボス部54が2つ突設されている。各ボス部54は、カバー部材42の周壁42bの長辺が延びる方向が車体11の前後方向に一致するとともに、ブラケット50が通信装置41から車体11の前方に延びるように、通信装置41が天板31に対して配置されたときに、各第2ボルト挿通孔42dと車体11の上下方向で重なる位置に配置されている。
【0034】
そして、通信装置41は、各第2ボルト52を、各第2ボルト挿通孔42dそれぞれに通過させて各ボス部54に螺合することにより、各ボス部54を介して、天板31における運転室20側の面に取り付けられている。通信装置41は、天板31における運転室20側の面に対して、車体11の車幅方向の端部寄りに配置されている。ブラケット50は、通信装置41から天窓37における車幅方向の一方の端部寄りに向けて延びている。そして、衛星測位アンテナ40は、通信装置41からブラケット50を介して天窓37に臨む位置に突出している。
【0035】
次に、本実施形態の作用について説明する。
衛星測位アンテナ40が、通信装置41からブラケット50を介して天窓37に臨む位置に突出しているため、衛星からの電波信号が天窓37を通過して衛星測位アンテナ40に受信される。したがって、衛星測位アンテナ40における衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる。
【0036】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)ブラケット50が一体的に設けられている通信装置41を、天板31における運転室20側の面に取り付けるだけで、キャビン30内に配置された衛星測位アンテナ40を、通信装置41からブラケット50を介して天窓37に臨む位置に突出させることができる。そして、衛星測位アンテナ40が、通信装置41からブラケット50を介して天窓37に臨む位置に突出するため、衛星からの電波信号が天窓37を通過して衛星測位アンテナ40に受信される。したがって、衛星測位アンテナ40をキャビン30内に配置したとしても、衛星測位アンテナ40における衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる。以上により、衛星測位アンテナ40をキャビン30内に配置したとしても、衛星測位アンテナ40における衛星からの電波信号の受信感度が良好に保たれる構成を、簡便な組み付け作業で実現することができる。
【0037】
(2)通信装置41は、天板31における運転室20側の面に対して、車体11の車幅方向の端部寄りに配置されている。これによれば、例えば、通信装置41が、天板31における運転室20側の面に対して、車体11の車幅方向の中央部寄りに配置されている場合に比べると、キャビン30内の作業者にとって、通信装置41が作業の邪魔になってしまうことを抑制することができる。
【0038】
(3)ブラケット50は、通信装置41から天窓37における車体11の車幅方向の端部寄りに向けて延びている。例えば、ブラケット50が、通信装置41から天窓37における車体11の車幅方向の中央部寄りに向けて延びている場合を考える。この場合に比べると、キャビン30内の作業者が天窓37を介してキャビン30の外部を目視する際に、衛星測位アンテナ40が、キャビン30内の作業者における天窓37を介したキャビン30の外部への目視の妨げになってしまうことを回避し易くすることができる。
【0039】
(4)ブラケット50は、薄板平板状であるとともにブラケット50の厚み方向が天板31の厚み方向と一致した状態で天板31に沿って延びている。これによれば、ブラケット50における運転室20側への突出量を極力抑えることができるため、キャビン30内の作業者にとって、ブラケット50が作業の邪魔になってしまうことを抑制することができる。
【0040】
(5)衛星測位アンテナ40及び通信装置41が、キャビン30内に配置されている。したがって、衛星測位アンテナ40及び通信装置41が、キャビン30の外部に配置されている場合のように、例えば、フォークリフト10が走行している際に、衛星測位アンテナ40又は通信装置41が、フォークリフト10の周囲に存在する物体に衝突してしまうといった問題を回避することができる。
【0041】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
○ 実施形態において、例えば、通信装置41が、天板31における運転室20側の面に対して、車体11の車幅方向の中央部寄りに配置されていてもよい。要は、通信装置41は、天板31における運転室20側の面に取り付けられていれば、天板31における運転室20側の面に対する取付位置は、特に限定されるものではない。
【0043】
○ 実施形態において、例えば、ブラケット50が、通信装置41から天窓37における車体11の車幅方向の中央部寄りに向けて延びていてもよい。要は、衛星測位アンテナ40が、通信装置41からブラケット50を介して天窓37に臨む位置に突出していれば、ブラケット50における通信装置41からの延びる方向は、特に限定されるものではない。
【0044】
○ 実施形態において、ブラケット50の厚み方向が天板31の厚み方向と一致していなくてもよい。
○ 実施形態において、ブラケット50が薄板平板状でなくてもよい。要は、ブラケット50は、通信装置41と衛星測位アンテナ40とを接続するとともに通信装置41に一体的に設けられるものであれば、その形状は特に限定されるものではない。
【0045】
○ 実施形態において、通信装置41における天板31に対する固定方法は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、ブラケット50における通信装置41に対する固定方法は特に限定されるものではない。
【0046】
○ 実施形態において、フォークリフト10は、バッテリ式に限らず、例えば、エンジン式であってもよいし、バッテリB1に加えてエンジンをさらに備えたハイブリッド式であってもよい。
【0047】
○ 実施形態では、産業車両として、フォークリフト10に具体化したが、これに限らず、フォークリフト10以外の産業車両に具体化してもよい。例えば、フォークローダに具体化してもよい。
【符号の説明】
【0048】
10…産業車両としてのフォークリフト、11…車体、20…運転室、30…キャビン、31…天板、37…天窓、40…衛星測位アンテナ、41…通信装置、50…ブラケット。
図1
図2
図3
図4