(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電子部品の結露試験方法
(51)【国際特許分類】
G01N 17/00 20060101AFI20240312BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20240312BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20240312BHJP
【FI】
G01N17/00
G01N21/17 E
G01N21/17 A
G01R31/26 Z
(21)【出願番号】P 2021072031
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】小島 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】三木 俊裕
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-078387(JP,A)
【文献】特開2014-170875(JP,A)
【文献】再公表特許第2010/125748(JP,A1)
【文献】特開2017-135239(JP,A)
【文献】特開2015-230290(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0186043(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 17/00
G01N 21/17
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層セラミック電子部品の結露試験方法であって、
温度および湿度を調整可能な試験槽内に積層セラミック電子部品を配置する配置工程と、
前記積層セラミック電子部品の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させると共に、前記積層セラミック電子部品の表面に結露を生じさせる冷却工程と、
前記積層セラミック電子部品の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させると共に、前記積層セラミック電子部品の表面に付着した結露を乾燥除去する加熱工程と、
前記積層セラミック電子部品の表面の画像を取得する画像取得工程と、
前記取得した画像を評価する評価工程と、を備え、
前記冷却工程と、前記加熱工程とは、交互に繰り返し行われ、
前記画像取得工程は、冷却工程後の加熱工程における前記積層セラミック電子部品の表面温度が露点以上になった後であって、前記積層セラミック電子部品の表面温度が露点以下になる前に、表面から結露が除去された状態の前記積層セラミック電子部品の表面の画像を結露除去後画像として取得し、
前記評価工程は、前記結露除去後画像に基づき、前記積層セラミック電子部品の状態を評価し、
前記試験槽は、試料台を有し、
前記積層セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層および複数の内部導体層を含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有し、
前記積層セラミック電子部品は、基板に実装された状態で、前記試料台に載置され、
前記基板は、基板本体と、配線部材と、を有し、
前記基板本体は、前記基板本体に対向して配置される前記積層セラミック電子部品の第1の主面または第2の主面の面積の6倍以上370倍以下であ
り、
前記積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、セラミック素体に設けられた少なくとも2つの外部電極を有し、
前記評価工程は、前記少なくとも2つの外部電極の領域と、前記少なくとも2つ外部電極の間に位置するセラミック素体の表面の領域を判別し、前記結露除去後画像における、前記少なくとも2つ外部電極の間に位置する前記セラミック素体の表面の領域の画像情報に基づき、結露が除去された前記セラミック素体の表面の異常の発生有無を判定し、
前記画像取得工程はさらに、冷却工程において前記積層セラミック電子部品の表面温度が露点以下になった後であって、次の加熱工程において前記積層セラミック電子部品の表面温度が露点以上になる前に、表面に結露が生じている状態の積層セラミック電子部品の画像を結露画像として取得し、
前記評価工程は、前記結露画像における、前記セラミック素体の表面に付着している水滴の周縁部の位置と、前記結露除去後画像における結露が除去された前記セラミック素体の表面の異常部の位置と、に基づき、前記積層セラミック電子部品の状態を評価する、積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項2】
繰り返し交互に行われる前記冷却工程および前記加熱工程のうち、1回の冷却工程と1回の加熱工程のセットを1サイクルとしたとき、
前記画像取得工程はさらに、前記結露除去後画像の取得タイミングよりも少なくとも1サイクル以上前のタイミングで取得された、表面が結露していない状態の前記積層セラミック電子部品の画像を参照画像として取得し、
前記評価工程は、前記参照画像と、前記結露除去後画像との比較結果に基づき、前記積層セラミック電子部品の状態を評価する、請求項
1に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項3】
画像が取得されたタイミングを示すタイミング情報と、画像とを紐づけて記憶する紐付け工程をさらに備え、
前記評価工程において、前記タイミング情報に基づき、取得された複数の画像の中から、前記結露除去後画像が識別される、請求項1
または2に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項4】
前記積層セラミック電子部品に電圧を印加する電圧印加工程と、
前記電圧印加工程において印加される電圧に基づいて得られる前記積層セラミック電子部品の電気特性情報を取得する電気特性情報取得工程をさらに備え、
前記評価工程は、前記電気特性情報と、前記結露除去後画像とに基づき、前記積層セラミック電子部品の状態を評価する、請求項1~
3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項5】
前記試験槽内の空気は、25℃以上35℃以下の範囲内に設定された目標温度に近づくように制御され、かつ48%RH以上62%RH以下の範囲内に設定された目標湿度に近づくように制御される、請求項1~
4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項6】
前記試験槽は、加熱冷却部を有し、
前記配置工程において、前記積層セラミック電子部品は前記加熱冷却部に配置される、請求項1~
5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項7】
前記加熱冷却部は、ペルチェ素子を有する、請求項
6に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項8】
前記冷却工程において、前記加熱冷却部の温度が、露点よりも高い温度から0℃以上12℃以下の範囲内の温度に下降するように制御される、請求項
6または請求項
7に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項9】
前記加熱工程において、前記加熱冷却部の温度が、露点よりも低い温度から40℃以上50℃以下の範囲内の温度に上昇するように制御される、請求項
6~
8のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項10】
前記冷却工程の期間は2分以上10分以下であり、
前記加熱工程の期間は2分以上10分以下である、請求項1~
9のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項11】
前記冷却工程および前記加熱工程はそれぞれ、40回以上60回以下実施される、請求項1~
9のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項12】
前記積層セラミック電子部品の種類またはサイズに関する情報を入力する入力工程をさらに含み、
前記冷却工程における、前記加熱冷却部による前記積層セラミック電子部品の冷却条件は、前記入力工程において入力された入力情報に基づき、調整される、請求項
6~
9のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【請求項13】
積層セラミック電子部品の結露試験方法であって、
温度および湿度を調整可能な試験槽内に積層セラミック電子部品を配置する配置工程と、
前記積層セラミック電子部品の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させると共に、前記積層セラミック電子部品の表面に結露を生じさせる冷却工程と、
前記積層セラミック電子部品の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させると共に、前記積層セラミック電子部品の表面に付着した結露を乾燥除去する加熱工程と、
前記積層セラミック電子部品の表面の画像を取得する画像取得工程と、
前記取得した画像を評価する評価工程と、を備え、
前記試験槽内の空気は、25℃以上35℃以下の範囲内に設定された目標温度に近づくように制御され、かつ48%RH以上62%RH以下の範囲内に設定された目標湿度に近づくように制御され、
前記冷却工程と、前記加熱工程とは、交互に繰り返し行われ、
前記冷却工程において、前記試験槽内の前記積層セラミック電子部品が配置された加熱冷却部の温度が、露点よりも高い温度から0℃以上12℃以下の温度に下降するように制御され、
前記加熱工程において、前記試験槽内の前記積層セラミック電子部品が配置された加熱冷却部の温度が、露点よりも低い温度から40℃以上50℃以下の温度に上昇するように制御され、
前記冷却工程の期間は2分以上10分以下であり、
前記加熱工程の期間は2分以上10分以下であり、
前記評価工程は、表面から結露が除去された状態の前記積層セラミック電子部品の表面の結露除去後画像または表面に結露が生じている状態の前記積層セラミック電子部品の結露画像に基づき、前記積層セラミック電子部品の状態を評価し、
前記試験槽は、試料台を有し、
前記積層セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層および複数の内部導体層を含み、高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、高さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、高さ方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を有し、
前記積層セラミック電子部品は、基板に実装された状態で、前記試料台に載置され、
前記基板は、基板本体と、配線部材と、を有し、
前記基板本体は、前記基板本体に対向して配置される前記積層セラミック電子部品の第1の主面または第2の主面の面積の6倍以上370倍以下であ
り、
前記積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、セラミック素体に設けられた少なくとも2つの外部電極を有し、
前記評価工程は、前記少なくとも2つの外部電極の領域と、前記少なくとも2つ外部電極の間に位置するセラミック素体の表面の領域を判別し、前記結露除去後画像における、前記少なくとも2つ外部電極の間に位置する前記セラミック素体の表面の領域の画像情報に基づき、結露が除去された前記セラミック素体の表面の異常の発生有無を判定し、
前記画像取得工程はさらに、冷却工程において前記積層セラミック電子部品の表面温度が露点以下になった後であって、次の加熱工程において前記積層セラミック電子部品の表面温度が露点以上になる前に、表面に結露が生じている状態の積層セラミック電子部品の画像を結露画像として取得し、
前記評価工程は、前記結露画像における、前記セラミック素体の表面に付着している水滴の周縁部の位置と、前記結露除去後画像における結露が除去された前記セラミック素体の表面の異常部の位置と、に基づき、前記積層セラミック電子部品の状態を評価する、積層セラミック電子部品の結露試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の結露試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品の結露試験方法が知られている。例えば特許文献1には、試料を試験槽内の試料台に載せて冷却し、一定の温度を保持しつつ、温度および湿度を所定の条件に調整した空気を試験槽に供給し、供給された空気と試料の温度差により、試料の表面に結露を生じさせる試験方法が開示されている。この試験方法においては、表面に結露の生じた状態の試料について所定の特性を試験している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の試験方法によれば、結露挙動の再現性の高い結露試験を行うことができる。しかしながら、特許文献1の試験方法は、結露が繰り返し発生する状況下において生じる電子部品の状態を評価する試験方法ではなかった。
【0005】
本発明の目的は、結露が繰り返し発生する状況下において生じる電子部品の状態を評価することが可能な電子部品の結露試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子部品の結露試験方法は、温度および湿度を調整可能な試験槽内に電子部品を配置する配置工程と、前記電子部品の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させると共に、前記電子部品の表面に結露を生じさせる冷却工程と、前記電子部品の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させると共に、前記電子部品の表面に付着した結露を乾燥除去する加熱工程と、前記電子部品の表面の画像を取得する画像取得工程と、前記取得した画像を評価する評価工程と、を備え、前記冷却工程と、前記加熱工程とは、交互に繰り返し行われ、前記画像取得工程は、冷却工程後の加熱工程における電子部品の表面温度が露点以上になった後であって、電子部品の表面温度が露点以下になる前に、表面から結露が除去された状態の電子部品の表面の画像を結露除去後画像として取得し、前記評価工程は、前記結露除去後画像に基づき、前記電子部品の状態を評価する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、結露が繰り返し発生する状況下において生じる電子部品の状態を評価することが可能な電子部品の結露試験方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の結露試験装置の概要を示す模式的な図である。
【
図2】上記実施系形態の結露試験装置によって試験される電子部品の外観斜視図である。
【
図3】上記実施形態の結露試験装置の制御部のブロック図である。
【
図4】上記実施形態の結露試験方法の流れを示すフローチャートである。
【
図5】結露サイクル試験工程の流れを示すフローチャートである。
【
図6】上記実施形態の結露サイクル試験工程における電子部品の表面温度の推移を概念的に示す図である。
【
図7】冷却工程の時間と結露量との関係をプロットしたグラフである。
【
図8A】結露サイクル試験中の電子部品の表面を撮像した画像を模式的に示す図である。
【
図8B】結露サイクル試験中の電子部品の表面を撮像した画像を模式的に示す図である。
【
図8C】結露サイクル試験中の電子部品の表面を撮像した画像を模式的に示す図である。
【
図9】結露サイクル試験の試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係る結露試験方法について説明する。
図1は、本実施形態の結露試験方法を実施するための結露試験装置の概要を模式的に示す図である。
【0010】
本実施形態の結露試験装置1は、試験装置本体10と、撮像部としてのマイクロスコープ90と、を有する。
【0011】
試験装置本体10は、空気条件調整槽11および試験槽12を有する。また、試験装置本体10は、外壁としての第1の壁21および第2の壁22と、隔壁23と、を有する。空気条件調整槽11および試験槽12は、第1の壁21および第2の壁22によって囲まれた空間として形成されている。第1の壁21および第2の壁22はチャンバー壁を構成する。第1の壁21および第2の壁22は、外気と、空気条件調整槽11および試験槽12との間の空気の流通を遮断する。隔壁23は、空気条件調整槽11と試験槽12とを仕切る部材である。隔壁23は、空気条件調整槽11と試験槽12との間を連通する供給口23Aおよび循環口23Bを有する。
【0012】
空気条件調整槽11は、試験槽12に送り込む空気の温度および湿度を所定の条件に調整するための槽である。空気条件調整槽11は、第1の壁21および隔壁23によって囲まれている。
【0013】
空気条件調整槽11内には、冷却器31と、加熱器32と、加湿器33と、空気供給手段としての送風機34と、が設けられている。冷却器31と、加熱器32と、加湿器33は、空気条件調整槽11内の空気の温度および湿度を所定の条件に調整する。送風機34は、所定の温度および湿度に調整された空気を、供給口23Aを通じて試験槽12内に供給する。この試験槽12内に供給された空気は、循環口23Bを通じて空気条件調整槽11に戻る。このような空気の流れより、空気条件調整槽11内で温度および湿度が調整された空気は循環する。
【0014】
試験槽12は、試験対象となる電子部品2の結露試験を実施するための槽である。試験槽12は、第2の壁22および隔壁23によって囲まれている。なお、第2の壁22は、透明部材により構成されている。
【0015】
試験槽12は、加熱冷却部としての試料台40を有する。試料台40には、試験対象となる電子部品2が配置される。本実施形態においては、試料台40は、隔壁23上に設けられている。試料台40は、加熱冷却部本体41と、伝熱シート42を有する。
【0016】
加熱冷却部本体41は、ペルチェ素子を有する。熱電変換素子としてのペルチェ素子に通電することで、加熱冷却部本体41は、試験対象としての電子部品2を加熱および冷却する。例えば、ペルチェ素子に第1の極性の直流電流を流すことにより、試験対象としての電子部品2は冷却される。また、ペルチェ素子に第1の極性とは反対向きの第2の極性の電流を流すことにより、試験対象としての電子部品2は加熱される。
【0017】
伝熱シート42は、加熱冷却部本体41と、電子部品2との間に配置される。伝熱シート42は、例えばシリコーンゴム等のゴムシートであってもよい。なお、伝熱シート42には、窒化ホウ素や窒化アルミニウム等がフィラーとして配合されていてもよい。伝熱シート42は、加熱冷却部本体41と、電子部品2との間の伝熱性を高めるために配置される。より詳細には、電子部品2が実装されている後述の基板3と、伝熱シート42とが接触することで、両者の間の伝熱性が高まり、その結果、加熱冷却部本体41から電子部品2への伝熱性を高めることができる。
【0018】
試験対象としての電子部品2は、チップ型電子部品であってもよい。例えば
図2に示されるような、略直方体形状、または略立方体形状のチップ状の積層セラミック電子部品であってもよい。本実施形態においては、電子部品2は、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品である。
図2に示すように、電子部品2は、セラミック素体2Aと、少なくとも2つの外部電極2B、2Cと、を有する。
【0019】
より詳細には、本実施形態の電子部品2としての積層セラミック電子部品は、積層された複数のセラミック層および複数の内部導体層を含み、高さ方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、高さ方向Tに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、高さ方向Tおよび幅方向Wに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、を有する積層体としてのセラミック素体2Aを有する。そして、本実施形態の積層セラミック電子部品は、少なくとも2つの外部電極として、セラミック素体2Aの第1の端面LS1側に配置され、内部導体層に接続された第1の外部電極2Bと、セラミック素体2Aの第2の端面LS2側に配置され、内部導体層に接続された第2の外部電極2Cと、を有する。
【0020】
セラミック素体2Aと、第1の外部電極2Bおよび第2の外部電極2Cを含む積層セラミック電子部品の長さ方向の寸法をL寸法とすると、L寸法は、0.1mm以上15mm以下であってもよい。また、積層セラミック電子部品の高さ方向の寸法をT寸法とすると、T寸法は、0.05mm以上15mm以下であってもよい。また、積層セラミック電子部品の幅方向の寸法をW寸法とすると、W寸法は、0.1mm以上15mm以下であってもよい。すなわち、電子部品2の最大寸法は15mm以下であってもよい。なお、より好ましくは、L寸法が0.4mm以上4mm以下、T寸法が0.2mm以上3mm以下、W寸法が0.2mm以上3mm以下であってもよい。すなわち、電子部品2の最大寸法は4mm以下であってもよい。ただし、電子部品2のサイズは、これらに限らない。
【0021】
試験対象としての電子部品2は、基板3に実装された状態で、試料台40に載置される。すなわち、試料としての、基板3に実装された状態の電子部品2が、試料台40の伝熱シート42上に配置される。ただし、試験対象としての電子部品2は、基板3を介さずに試料台40の伝熱シート42上に配置されてもよい。
【0022】
基板3は、基板本体3Aと、第1の配線部材3Bと、第2の配線部材3Cと、を有する。基板本体3Aは、例えばガラスエポキシ樹脂等の絶縁部材により構成されている。第1の配線部材3Bおよび第2の配線部材3Cは、基板本体3A上にプリントされている。第1の配線部材3Bおよび第2の配線部材3Cは、Cuなどの金属により構成されている。電子部品2の第1の外部電極2Bおよび第2の外部電極2Cはそれぞれ、金属はんだ4により、基板3の第1の配線部材3Bおよび第2の配線部材に接続されている。なお、基板本体3Aは、基板本体3Aに対向して配置されるセラミック電子部品の第1の主面または第2の主面の面積の6倍以上であることが好ましい。より好ましくは22倍以上である。なお、伝熱性を考慮すると、基板本体3Aの面積は大きい方がよいが、基板本体3Aは、基板本体3Aに対向して配置されるセラミック電子部品の第1の主面または第2の主面の面積の、例えば370倍以下であってもよい。例えば、36200倍以下であってもよい。これにより、試験対象としての電子部品2が小型の積層セラミック電子部品であり、かつ基板本体3Aが絶縁体であっても、結露サイクル試験中に、試験対象としての電子部品2に電圧を印加することを可能にしつつ、加熱冷却部本体41から電子部品2への伝熱性を安定的に高めることができる。よって、高い再現性で効率的に結露を発生させることができる。また、結露サイクル試験のサイクル期間を短くすることができる。
【0023】
前述のとおり、空気条件調整槽11内で温度および湿度の条件が調整された空気は、試験槽12内に供給される。これにより、試験槽12内の空気の温度および湿度は調整される。すなわち、このような構成により、試験槽12内に配置された試験対象としての電子部品2の周囲の雰囲気温度および雰囲気湿度は調整される。
【0024】
撮像部としてのマイクロスコープ90は、試料台40に載置された電子部品2を撮像する。本実施形態のマイクロスコープ90は、第2の壁22の上部に配置されている。本実施形態のマイクロスコープ90は、透明部材により構成されている第2の壁22を通じて、電子部品2を撮像する。なお、本実施系形態のマイクロスコープ90は、試験槽12の外に配置されているが、マイクロスコープ90は、試験槽12の内部に配置されていてもよい。この場合は、第2の壁22は、透明部材でなくてもよい。
【0025】
本実施形態の結露試験装置1は、さらに、不図示の電圧印加部と、制御部100と、を有する。
【0026】
電圧印加部は、試料台40に載置された電子部品2に電圧を印加する。具体的には、電圧印加部は、基板3の第1の配線部材3Bおよび第2の配線部材3Cと電気的に接続される。そして、電圧印加部は、第1の配線部材3Bと第2の配線部材3Cの間に電圧を印加することにより、電子部品2の第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cとの間に電圧を印加する。
【0027】
図3は、本実施形態の結露試験装置の制御部のブロック図である。制御部100は、入力部110と、試験条件設定部120と、電圧制御部130と、空気温度調整部140と、湿度調整部150と、ペルチェ制御部160と、画像取得部170と、タイミング情報取得部180と、画像種識別部190と、画像評価部200と、電気特性情報取得部210と、電気特性評価部220と、電子部品評価部230と、記憶部240と、を備える。
【0028】
入力部110は、キーボードやタッチパネル等により構成されている。オペレータは、入力部110を用いて、試験条件等の情報を入力する。入力部110は、上位システム等から送信された情報を入力する態様の入力部であってもよい。
【0029】
試験条件設定部120は、入力部110に入力された入力情報に基づき、結露サイクル試験に関する各種の試験条件を設定する。
【0030】
電圧制御部130は、試験条件設定部120により設定された条件に基づき、電子部品2に印加する印加電圧の大きさを制御する。
【0031】
空気温度調整部140は、空気条件調整槽11内の空気の温度が目標温度となるように、空気条件調整槽11内の冷却器31および加熱器32等を制御する。
【0032】
湿度調整部150は、空気条件調整槽11内の空気の湿度が目標湿度となるように、空気条件調整槽11内の加湿器33等を制御する。
【0033】
ペルチェ制御部160は、試験条件設定部120により設定された条件に基づき、ペルチェ素子に電流を流し、試料台40の温度を制御する。例えば、ペルチェ制御部160は、第1の極性の直流電流を、加熱冷却部本体41のペルチェ素子に流す。これにより、試料台40に載置された試験対象としての電子部品2は冷却される。また、ペルチェ制御部160は、冷却工程時とは反対向きの第2の極性の直流電流を、加熱冷却部本体41のペルチェ素子に流す。これにより試料台40に載置された試験対象としての電子部品2は加熱される。
【0034】
画像取得部170は、マイクロスコープ90によって撮像された電子部品2の表面の画像を取得する。
【0035】
タイミング情報取得部180は、結露サイクル試験中、タイミング情報を取得する。画像が取得されたタイミングを示すタイミング情報と、そのタイミングの画像とは紐づけられて、記憶される。
【0036】
画像種識別部190は、タイミング情報に基づき、取得された複数の画像の中から、後述の結露除去後画像、結露画像、参照画像といった画像の種類を識別する。
【0037】
画像評価部200は、画像取得部170が取得した画像の評価を行い、電子部品2の状態を評価することができる。例えば、画像評価部200は、後述の評価工程における、画像に基づく各種の判定処理を行ってもよい。
【0038】
電気特性情報取得部210は、後述の電圧印加工程において印加される電圧に基づいて得られる電子部品2の電気特性情報を取得する。
【0039】
電気特性評価部220は、取得された電気特性情報に基づき、電子部品2の電気特性を評価する。
【0040】
電子部品評価部230は、画像と、電気特性情報とに基づき、電子部品2の状態を評価する。
【0041】
記憶部240は、試験条件設定部120によって設定された各種の試験条件や、画像取得部170によって取得された画像や、電気特性情報取得部210によって取得された電気特性情報等の、各種の情報を記憶する。記憶部240には、制御部100の各種機能を実行するためのプログラムが記憶されていてもよい。
【0042】
次に、本実施形態の電子部品の結露試験方法について説明する。結露試験は、以下の手順で行われる。
図4は、結露試験方法の流れを示すフローチャートである。
【0043】
電子部品の配置工程S11において、電子部品2が、温度および湿度を調整可能な試験槽12内に配置される。具体的には、電子部品2は、試験槽12内の試料台40に載置される。より詳細には、電子部品2は、基板3に実装された状態で、試料台40の伝熱シート42上に配置される。基板3の第1の配線部材3Bおよび第2の配線部材3Cは、電圧印加部と電気的に接続される。
【0044】
試験条件設定工程S12において、試験条件が設定される。例えば、オペレータが、キーボードやタッチパネル等の入力部110に試験条件を入力する。試験条件設定部120は、入力部110に入力された入力情報に基づき、試験条件を設定する。試験条件設定部120は、例えば、後述する印加電圧、試験槽12内の空気の目標温度および目標湿度、試料台40の低温側設定温度、試料台40の高温側設定温度、冷却工程の時間、加熱工程の時間、結露サイクル試験のサイクル数などの試験条件を設定する。なお、入力部110は、上位システム等から送信された情報を入力する態様の入力部であってもよい。なお、試験条件設定工程S12は、配置工程S11の前に行われてもよい。
【0045】
電圧印加工程S13において、電圧印加部により、電子部品2に電圧が印加される。印加電圧は、例えば電子部品2の定格電圧であってもよい。印加電圧は、例えば4V以上400V以下であってもよい。印加電圧の大きさは、試験条件設定部120によって設定された条件に基づき、電圧制御部130によって制御される。結露サイクル試験中、原則として、電子部品2に電圧は印加され続ける。電圧印加開始後、電気特性情報取得部210は、印加される電圧に基づいて得られる電子部品2の絶縁抵抗(IR)などの電気特性情報を取得する。なお、電圧の印加は、後述の結露サイクル試験工程S15よりも前に開始されることが好ましい。ただし、結露サイクル試験工程S15が開始された後に、電圧の印加が開始されてもよい。
【0046】
空気条件調整工程S14において、空気温度調整部140が、空気条件調整槽11内の空気の温度を調整する。具体的には、空気温度調整部140は、空気条件調整槽11内の空気の温度が目標温度となるように、空気条件調整槽11内の冷却器31および加熱器32を制御する。なお、空気温度を調整する上で、加湿器33も制御対象に含めてもよい。例えば、空気条件調整槽11には、不図示の温度センサが設けられていてもよい。空気温度調整部140は、設定された目標温度と、温度センサによる検知温度との比較結果に基づき、温度センサの検知温度が目標温度に近づくように、冷却器31および加熱器32等を制御する。この制御は、例えばフィードバック制御であってもよい。
【0047】
空気条件調整工程S14において、湿度調整部150が、空気条件調整槽11内の空気の湿度を調整する。具体的には、湿度調整部150は、空気条件調整槽11内の空気の湿度が目標湿度となるように、空気条件調整槽11内の加湿器33を制御する。なお、湿度を調整する上で、冷却器31および加熱器32も制御対象に含めてもよい。例えば、空気条件調整槽11には、不図示の湿度センサが設けられていてもよい。湿度調整部150は、設定された目標湿度と、湿度センサによる検知湿度との比較結果に基づき、湿度センサの検知湿度が目標湿度に近づくように、加湿器33等を制御する。この制御は、例えばフィードバック制御であってもよい。
【0048】
空気条件調整工程S14において、送風機34が駆動することにより、空気条件調整槽11内で所定の温度および湿度に調整された空気が、供給口23Aを通じて、試験槽12内に送り込まれる。これにより、試験槽12内の空気の温度および湿度が、目標温度および目標湿度となるように調整される。すなわち、試験槽12の槽内の空気が、設定された目標温度および目標湿度に近づくように制御される。なお、送風機34は、制御部100によって制御される。送風機34は、常に一定の回転数で回転するように制御されてもよい。あるいは、送風機34は、制御部100によって回転数等が制御されてもよい。
【0049】
このように、温度センサおよび湿度センサを空気条件調整槽11内に設けて、この空気条件調整槽11内に設けられた温度センサおよび湿度センサに基づき、空気条件調整槽11内の空気の温度および湿度が、目標温度および目標湿度に近づくように制御されてもよい。この場合は、空気条件調整槽11内で温度および湿度が調整された空気が試験槽12に送り込まれることにより、試験槽12内の空気の温度および湿度が、目標温度および目標湿度に近づくように制御される。
【0050】
あるいは、温度センサおよび湿度センサを試験槽12内に設けて、この試験槽12内に設けられた温度センサおよび湿度センサに基づき、試験槽12内の空気の温度および湿度が、目標温度および目標湿度となるように制御されてもよい。この場合は、設定された目標温度と、試験槽12内に設けられた温度センサの検知温度との比較結果に基づき、温度センサの検知温度が目標温度に近づくように、冷却器31および加熱器32等が制御される。また、設定された目標湿度と、試験槽12内に設けられた湿度センサの検知湿度との比較結果に基づき、湿度センサの検知湿度が目標湿度に近づくように、加湿器33等が制御される。
【0051】
なお、空気温度調整部140および湿度調整部150が一体的な機能ブロックとして構成されていてもよい。この場合は、温度センサおよび湿度センサの複合的な情報に基づいて、試験槽12内の空気の温度および湿度が、目標温度および目標湿度となるように、冷却器31、加熱器32および加湿器33が制御される。
【0052】
試験槽12内の空気の温度は、25℃以上35℃以下であることが好ましい。すなわち、試験槽12内の空気の目標温度は、25℃以上35℃以下の範囲内の温度に設定されることが好ましい。空気温度調整部140は、試験槽12内の空気の温度が、この目標温度に近づくように、冷却器31および加熱器32等を制御する。
【0053】
試験槽12内の空気の湿度は、48%RH以上62RH%以下であることが好ましい。すなわち、試験槽12内の空気の目標湿度は、48%RH以上62RH%以下の範囲内の湿度に設定されることが好ましい。湿度調整部150は、試験槽12内の空気の湿度が、この目標湿度に近づくように、加湿器33等を制御する。なお、温度が30℃、湿度が50%の空気の露点は、18.4℃となる。温度が30℃、湿度が60%の空気の露点は21.4℃となる。
【0054】
空気条件調整工程S14により、試験槽12内の空気の温度および湿度が安定したのち、電子部品2に対する冷却工程および加熱工程が繰り返し行われる結露サイクル試験工程S15が実施される。
図5は、結露サイクル試験工程の流れを示すフローチャートである。
【0055】
結露サイクル試験工程S15は、電子部品2の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させると共に、電子部品の表面に結露を生じさせる冷却工程S21と、電子部品2の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させると共に、電子部品の表面に付着した結露を乾燥除去する加熱工程S22と、を含む。結露サイクル試験工程S15においては、冷却工程S21と、加熱工程S22とが、交互に繰り返し行われる。なお、繰り返し交互に行われる冷却工程S21および加熱工程S22のうち、1回の冷却工程S21と1回の加熱工程S22のセットを1サイクルと呼ぶ。
【0056】
冷却工程S21において、ペルチェ制御部160は、第1の極性の直流電流を、加熱冷却部本体41のペルチェ素子に流す。これにより、試料台40に載置された試験対象としての電子部品2は冷却される。より具体的には、ペルチェ制御部160は、電子部品2の表面温度を、露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させるように、ペルチェ素子に通電を行う。これにより、電子部品2の表面には結露が生じる。
【0057】
最も温度が低下したタイミングにおける、加熱冷却部としての試料台40の温度は、0℃以上12℃以下であることが好ましい。すなわち、冷却工程S21において、加熱冷却部としての試料台40の温度が、露点よりも高い温度から0℃以上12℃以下の範囲内の温度に下降するように、ペルチェ素子が制御されることが好ましい。なお、最も温度が低下したタイミングにおける試料台40の温度は、露点温度Tdよりも5℃以上低いことが好ましい。これにより、特に試験槽12内の空気の温度が25℃以上35℃以下程度であって、かつ試験槽12内の空気の湿度が48%RH以上62%RH以下程度である場合において、冷却工程S21に要する時間および、その後の加熱工程S22に要する時間を必要以上に長くすることなく、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に結露を生じさせることができる。なお、最も温度が低下したタイミングにおける試料台40の目標温度は、試験条件設定工程S12において、試料台40の低温側設定温度として設定されてもよい。なお、試料台40の低温側設定温度を0℃以上12℃以下の範囲内のいずれの温度に設定するかは、電子部品2のサイズや種類に応じて設定されていてもよい。
【0058】
加熱工程S22において、ペルチェ制御部160は、冷却工程時とは反対向きの第2の極性の直流電流を、加熱冷却部本体41のペルチェ素子に流す。これにより試料台40に載置された試験対象としての電子部品2は加熱される。より具体的には、ペルチェ制御部160は、電子部品2の表面温度を、露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させるように、ペルチェ素子に通電を行う。これにより、電子部品2の表面に付着した結露が乾燥除去される。
【0059】
最も温度が上昇したタイミングにおける、加熱冷却部としての試料台40の温度は、40℃以上50℃以下であることが好ましい。すなわち、加熱工程S22において、加熱冷却部としての試料台40の温度が、露点よりも低い温度から40℃以上50℃以下の範囲内の温度に上昇するように、ペルチェ素子が制御されることが好ましい。なお、最も温度が上昇したタイミングにおける試料台40の温度は、露点温度Tdよりも15℃以上高いことが好ましい。これにより、特に試験槽12内の空気の温度が25℃以上35℃以下程度であって、かつ試験槽12内の空気の湿度が48%RH以上62%RH以下程度である場合において、加熱工程S22に要する時間および、その後の冷却工程S21に要する時間を必要以上に長くすることなく、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去することができる。なお、最も温度が上昇したタイミングにおける試料台40の目標温度は、試験条件設定工程S12において、試料台40の高温側設定温度として設定されてもよい。なお、試料台40の高温側設定温度を40℃以上50℃以下の範囲内のいずれの温度に設定するかは、電子部品2のサイズや種類に応じて設定されていてもよい。
【0060】
ステップS23において、予め設定されたサイクル数が終了したか否かを判定する。予め設定されたサイクル数が終了した場合、結露サイクル試験工程は終了する。予め設定されたサイクル数が終了していない場合は、冷却工程S21に戻る。これにより、冷却工程S21と、加熱工程S22は、予め設定されたサイクル数が終了するまで、交互に繰り返し行われる。なお、冷却工程S21と加熱工程S22の順番は逆であってもよい。
【0061】
図6は、結露サイクル試験工程S15における電子部品2の表面温度の推移を概念的に示す図である。
図6の縦軸は電子部品2の表面温度Tであり、
図6の横軸は時間tである。
【0062】
図6には、本実施形態の結露サイクル試験における、1サイクルの期間を示す期間Cが示されている。また、
図6には、この1サイクル中における、冷却工程S21の期間CCと、加熱工程S22の期間CHが示されている。
図6は、期間Cで示される1つのサイクルが、50サイクル繰り返し行われている例である。
【0063】
なお、
図6には、試験槽12内の空気の露点温度Tdが示されている。また、
図6には、冷却工程S21によって最も温度が低下したタイミングにおける電子部品2の表面温度Tとして、低温側温度TLが示されている。ここで、低温側温度TLは、試料台40が低温側設定温度となったときの電子部品2の表面温度Tに対応する。また、
図6には、加熱工程S22によって最も温度が上昇したタイミングにおける電子部品2の表面温度Tとして、高温側温度THが示されている。ここで、高温側温度THは、試料台40が高温側設定温度となったときの電子部品2の表面温度Tに対応する。
【0064】
期間CCで示される冷却工程S21においては、基本的には、加熱冷却部本体41のペルチェ素子に、第1の極性の直流電流が流れている。なお、冷却工程S21において、試料台40の温度が低温側設定温度に到達すると、試料台40のペルチェ素子は、この温度が維持されるように制御される。よって、電子部品2の表面温度Tも、試料台40の低温側設定温度に対応する低温側温度TLに維持されるように制御される。期間CCで示される冷却工程S21においては、電子部品2の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させる。これにより、試験槽12内の空気中の水蒸気が凝縮し、電子部品2の表面に結露が生じる。
【0065】
期間CHで示される加熱工程S22においては、基本的には、加熱冷却部本体41のペルチェ素子に、冷却工程時とは反対向きの第2の極性の直流電流が流れている。なお、加熱工程S22において、試料台40の温度が高温側設定温度に到達すると、試料台40の加熱冷却部本体41は、この温度が維持されるように制御される。よって、電子部品2の表面温度Tも、試料台40の高温側設定温度に対応する高温側温度THに維持されるように制御される。期間CHで示される加熱工程S22においては、電子部品2の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させる。これにより、電子部品2の表面に付着した結露が乾燥除去される。
【0066】
ここで、1回の冷却工程S21の期間CCは、2分以上10分以下であることが好ましい。また、1回の加熱工程S22の期間CHは、2分以上10分以下であることが好ましい。これにより、特に、冷却工程S21において、電子部品2の表面温度が0℃以上12℃以下の温度となるようにペルチェ素子を制御し、かつ、加熱工程S22において、電子部品2の表面温度が40℃以上50℃以下の温度となるようにペルチェ素子を制御する場合において、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に結露を生じさせると共に、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去することができる。また、サイクル回数が多い場合でも、短期間で結露サイクル試験を実施することができる。
【0067】
図7は、試験槽12内に結露センサを配置し、冷却工程S21の期間CCに対応する冷却時間と結露量との関係をプロットしたグラフである。
図7に示すように、結露量は、冷却時間の増加に伴って略線形に増加する。ここで、所定の範囲内の結露量の測定値を最小二乗法でフィッティングした場合、結露速度は、0.14(μg/mm
2)/secとなった。本実施形態においては、JASO D 014-4(自動車部品-電気・電子機器の環境条件及び機能確認試験-第4部:気候負荷)で発生する結露量を参考にして目標結露量を設定する。この場合、目標結露量は、25μg/mm
2程度、あるいはそれ以上の量に設定されることが好ましい。したがって、上述の結露速度より、冷却工程S21の期間CC、すなわち冷却時間は、10分以下であってもよいことが理解できる。そして、上述の結露速度より、冷却工程S21の期間CC、すなわち冷却時間は、3分以上であることが好ましい。あるいは、効率的かつ安定的に結露サイクル試験を実施するための目標結露量を15μg/mm
2以上と設定した場合は、冷却工程S21の期間CC、すなわち冷却時間は、2分以上であればよい。すなわち、冷却工程S21の期間CCは、2分以上10分以下、あるいは3分以上10分以下であることが好ましい。これにより、必要以上に長い時間をかけることなく、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に適正な量の結露を生じさせることができる。また、加熱工程S22の期間CHは、冷却期間と同様に2分以上10分以下、あるいは3分以上10分以下とすることで、必要以上に長い時間をかけることなく、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去することができる。すなわち、JASO条件相当の結露量の結露サイクル試験等を、高速かつ高い再現性で得ることが可能となり、適切な結露サイクル試験を行うことが可能となる。
【0068】
ここで、冷却工程S21および加熱工程S22はそれぞれ、40回以上60回以下実施されることが好ましい。すなわち、繰り返し交互に行われる冷却工程S21および加熱工程S22のうち、1回の冷却工程S21と1回の加熱工程S22のセットを1サイクルとしたとき、実施されるサイクル数は、40サイクル以上60サイクル以下であることが好ましい。これにより、電子部品2の状態に応じた、結露サイクル試験による電子部品2の表面の異常の発生有無を、適切に評価することができる。
【0069】
画像取得工程において、画像取得部170が、マイクロスコープ90によって撮像された電子部品2の表面の画像を取得する。
【0070】
画像取得部170は、少なくとも、冷却工程S21後の加熱工程S22における電子部品2の表面温度Tが露点温度Td以上になった後であって、電子部品2の表面温度Tが露点温度Td以下になる前に、表面から結露が除去された状態の電子部品2の表面の画像を、結露除去後画像330として取得する。これにより、冷却工程S21において水滴が付着した状態になった後の電子部品2の表面を、水滴が付着していない状況下において撮像することができる。結露除去後画像は、例えば、電子部品2の表面温度Tが、高温側温度THに維持されているタイミングで取得された画像であってもよい。すなわち、
図6に示される、t1、t2、t49、t50といったタイミングで取得された画像であってもよい。ただし、これに限らない。結露除去後画像の取得は、結露サイクル試験工程S15の最中の複数のタイミングで行われてもよいし、結露サイクル試験工程S15の後のタイミングで行われてもよい。
【0071】
なお、画像取得工程において、画像取得部170は、冷却工程S21において電子部品2の表面温度Tが露点温度Td以下になった後であって、次の加熱工程S22において電子部品2の表面温度が露点温度Td以上になる前に、表面に結露が生じている状態の電子部品2の画像を結露画像として取得してもよい。結露画像は、例えば、電子部品2の表面温度Tが、低温側温度TLに維持されているタイミングで取得された画像であってもよい。すなわち、
図6に示される、t1c、t2c、t49c、t50cといったタイミングで取得された画像であってもよい。ただし、これに限らない。結露画像の取得は、結露サイクル試験工程S15の最中の複数のタイミングで行われてもよい。
【0072】
なお、画像取得工程において、画像取得部170は、結露除去後画像の取得タイミングよりも少なくとも1サイクル以上前のタイミングで取得された、表面が結露していない状態の電子部品2の画像を参照画像として取得してもよい。参照画像は、例えば、電子部品2の表面温度Tが、高温側温度THに維持されているタイミングで取得された画像であってもよい。例えば、
図6に示される、t50のタイミングで取得された画像を結露除去後画像としたとき、参照画像は、t1、t2、t49といったタイミングで取得された画像であってもよい。ただし、これに限らない。参照画像の取得は、結露サイクル試験工程S15の最中の複数のタイミングで行われてもよいし、結露サイクル試験工程S15の前のタイミングで行われてもよい。
【0073】
なお、タイミング情報取得部180が、結露サイクル試験中、時刻や、t1、t2、t49、t50といったタイミングを示すタイミング情報を取得してもよい。そして、制御部100は、紐付け工程において、画像が取得されたタイミングを示すタイミング情報と、そのタイミングの画像とを紐づけて記憶してもよい。これにより、後述の評価工程において、画像種識別部190が、タイミング情報に基づき、取得された複数の画像の中から、結露除去後画像や参照画像を識別することができる。
【0074】
なお、タイミング情報取得部180が、結露サイクル試験中、時刻や、t1c、t2c、t49c、t50cといったタイミングを示すタイミング情報を取得してもよい。そして、制御部100は、紐付け工程において、画像が取得されたタイミングを示すタイミング情報と、そのタイミングの画像とを紐づけて記憶してもよい。これにより、後述の評価工程において、画像種識別部190が、タイミング情報に基づき、取得された複数の画像の中から、結露画像を識別することができる。すなわち、画像種識別部190は、タイミング情報に基づき、取得された複数の画像の中から、結露除去後画像と、結露画像とを分別して識別することができる。
【0075】
評価工程において、取得した画像の評価が行われる。例えば、画像評価部200が、取得した画像の評価を行ってもよい。本実施形態においては、評価工程において、結露除去後画像に基づき、電子部品2の表面の状態が評価される。なお、評価工程は、結露サイクル試験中に行われてもよいし、結露サイクル試験後に行われてもよい。以下、電子部品2が、セラミック素体2Aと、セラミック素体2Aに設けられた少なくとも2つの外部電極2B、2Cを有する積層セラミック電子部品である場合について説明する。
【0076】
図8A~
図8Cは、結露サイクル試験中の電子部品2の表面を撮像した画像を模式的に示す図である。
図8A~
図8Cの一番上の図は、参照画像310である。例えば
図8A~
図8Cの一番上の図は、
図6におけるタイミングt0で取得された画像である。
【0077】
図8A~
図8Cの真ん中の画像は、結露画像320である。結露画像320においては、複数の水滴Dが確認される。例えば、
図8Aにおける真ん中の画像は、
図6におけるタイミングt2cで取得された画像である。例えば、
図8Bにおける真ん中の画像は、
図6におけるタイミングt49cで取得された画像である。例えば、
図8Cにおける真ん中の画像は、
図6におけるタイミングt50cで取得された画像である。
【0078】
図8A~
図8Cの一番下の画像は、結露除去後画像330である。例えば、
図8Aの一番下の図は、
図6におけるタイミングt2で取得された画像である。例えば、
図8Bの一番下の図は、
図6におけるタイミングt49で取得された画像である。例えば、
図8Cの一番下の図は、
図6におけるタイミングt50で取得された画像である。
【0079】
本実施形態においては、評価工程において、電子部品2の2つの外部電極2B、2Cの領域と、2つ外部電極2B、2Cの間に位置するセラミック素体2Aの表面の領域が判別される。そして、結露除去後画像330における、2つ外部電極2B、2Cの間に位置するセラミック素体2Aの表面の領域の画像情報に基づき、結露が除去されたセラミック素体2Aの表面の異常の発生有無が判定される。
【0080】
例えば、評価工程において、セラミック素体2Aの表面の領域の色情報や輝度情報等の画像情報に基づき、セラミック素体2Aの表面に、材質が変化している領域が形成されたか否かが判定される。通常、画像上において、セラミック素体2Aの表面を構成するセラミック素材と、金属成分とは、異なる色調となる。よって、セラミック素体2Aの表面上に、外部電極2B、2Cの金属成分が移動するエレクトロケミカルマイグレーション等の異常部が形成された場合は、セラミック素体2Aの表面の色情報や輝度情報等の画像情報に基づき、その異常部の存在が判定される。
【0081】
例えば、
図8A、
図8Bに示される結露除去後画像330の例では、2つ外部電極2B、2Cの間に位置するセラミック素体2Aの表面の領域に、周囲と色調等の異なる異常部の存在は確認されない。よって、セラミック素体2Aの表面に、マイグレーション等の異常が発生していないと判定される。
【0082】
一方、
図8Cに示される結露除去後画像330の例においては、2つ外部電極2B、2Cの間に位置するセラミック素体2Aの表面の領域に、周囲と色調等の異なる異常部Mの存在が確認される。異常部Mは、周囲の色調、すなわち、セラミック素体2Aの表面の通常の色調とは異なる色調の領域として識別される。この場合、セラミック素体2Aの表面に、マイグレーション等の異常が発生していると判定される。このように、結露除去後画像330の評価を行うことで、マイグレーションのようなセラミック素体2Aの表面の素材自体の変化を直接的に判別することができる。
【0083】
なお、
図8Bの結露画像320における結露の状態と、
図8Cの結露画像320における結露の状態は類似している。このように、結露画像320の評価のみでは、電子部品2の状態の評価が難しい場合において、結露除去後画像330の評価を行うことで、電子部品2の状態の評価を適切に行うことができる。
【0084】
なお、画像取得工程において、画像取得部170が、結露除去後画像の取得タイミングよりも少なくとも1サイクル以上前のタイミングで取得された、表面が結露していない状態の電子部品2の画像を参照画像310として取得している場合は、評価工程において、参照画像310と、結露除去後画像330との比較結果に基づき、電子部品2の状態が評価されてもよい。
【0085】
例えば、画像評価部200は、参照画像310と、結露除去後画像330とを比較する。このとき、結露除去後画像330における、セラミック素体2Aの表面の領域中に、参照画像310に対して色調等の変化の大きい部分がある場合、その部分が異常部Mとして判定される。例えば、画像評価部200が、参照画像310と、結露除去後画像330との差分画像を生成し、この差分画像に基づき、異常部Mの存在の有無を判定してもよい。
【0086】
例えば、
図8Cに示される例においては、参照画像310と、結露除去後画像330との比較結果に基づき、色調の変化の大きい部分が抽出され、その部分が、マイグレーション等の生じている異常部Mとして判定される。一方、
図8A、
図8Bに示される例においては、参照画像310と、結露除去後画像330との比較結果に基づき、色調の変化の大きい部分が抽出されない。よって、セラミック素体2Aの表面に、マイグレーション等の異常は発生していないと判定される。このように、参照画像310と、結露除去後画像330を用いることにより、マイグレーションの発生有無の評価感度高めることができる。
【0087】
なお、画像取得工程において、画像取得部170が、冷却工程S21において電子部品2の表面温度Tが露点温度Td以下になった後であって、次の加熱工程S22において電子部品2の表面温度が露点温度Td以上になる前に、表面に結露が生じている状態の電子部品2の画像を結露画像320として取得している場合は、評価工程において、結露画像320における、セラミック素体の表面に付着している水滴の周縁部の位置と、結露除去後画像330における結露が除去されたセラミック素体2Aの表面の異常部の位置とに基づき、電子部品の状態が評価されてもよい。
【0088】
発明者は、検討、実験の積み重ねにより、結露サイクル試験において、結露が除去されたセラミック素体2Aの表面に生じるマイグレーション等の異常部Mは、表面に結露が生じている状態の電子部品2における、水滴の周縁部の位置と略一致した位置に生じやすいという知見を得た。よって、結露画像320における、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の位置と、結露除去後画像330における結露が除去されたセラミック素体2Aの表面の異常部Mの位置とに基づき、電子部品2の評価を行う。これにより、より高い評価感度で、マイグレーション等の異常部の存在を判定することができる。
【0089】
例えば、結露画像320において、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の位置を認識した上で、結露除去後画像330において、同じ位置またはその近傍に、周囲と色調の異なる領域が存在するか否かが判定されてもよい。これにより、周囲と色調等の変化が小さい場合であっても、マイグレーション等の異常部の存在を判定することができる。
【0090】
例えば、
図8Cに示される例においては、結露除去後画像330における結露が除去されたセラミック素体2Aの表面の異常部Mの位置は、結露画像320における、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の一部の位置と略重なっている。より詳細には、結露除去後画像330における異常部Mの位置は、結露画像320における、水滴D1の周縁部と水滴D2の周縁部との間の部分の一部と略重なっている。
【0091】
よって、結露画像320における、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の位置を予め識別しておくことにより、結露除去後画像330において、より高い評価感度で、マイグレーション等の異常部の存在を判定することができる。あるいは、結露画像320における、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の位置と、結露除去後画像330における、セラミック素体2Aの表面の色調等の異なる部分とを対比しながら評価を行うことにより、より高い評価感度で、マイグレーション等の異常部を識別することができる。
【0092】
なお、
図8Aの結露画像320においては、水滴Dは小さく、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴Dは存在していない。したがって、セラミック素体2Aの表面の撥水性は確保されており、電子部品2の状態は良好である。
図8Bの結露画像320においては、水滴Dが大きくなっている。ただし、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴Dはまだ存在していない。したがって、セラミック素体2Aの表面の状態は、まだ異常な状態とはなっていない。
図8Cの結露画像320においては、水滴が大きくなっており、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴が存在している。具体的には、水滴D2、D3、D4、D5は、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴にはなっていないものの、水滴D1は、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴となっている。したがって、セラミック素体2Aの表面の撥水性は低下しており、電子部品2の状態は、良好ではない状態となっている。このように、評価工程において、結露画像320を用いて、セラミック素体2Aの表面の撥水性等の電子部品2の状態を評価することも可能である。例えば、画像処理により、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の位置を検出し、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴Dが存在しているか否かを判定してもよい。このように、結露画像320に基づいて、セラミック素体2Aの表面の撥水性等の電子部品2の状態を評価してもよい。
【0093】
ただし、結露除去後画像330を用いることで、電子部品2の状態をより高い感度で評価することが可能となる。
【0094】
電子部品2のセラミック素体2Aの表面の撥水性が低下した場合、
図8Cの結露画像320に示されるように、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴が発生する。電子部品2の第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cとの間に電圧が印加されている状況下において、このような水滴が発生すると、水滴を通じて、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cの間が通電する。そして、水滴を通じて、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cの間が通電すると、陽極となる側の外部電極の金属がイオン化して溶け出し、陰極となる側の外部電極に移動する。この移動したイオン化した金属は、陰極となる側の外部金属の近傍で再び金属となる。この金属が成長すると、最終的には、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cとの間が短絡する。結露除去後画像330を用いることで、このような金属成分の移動、すなわちエレクトロケミカルマイグレーションが発生している領域を直接的に判別することができる。よって、電子部品2の状態をより高い感度で評価することが可能となる。
【0095】
なお、結露除去後画像330による評価結果と、結露画像320による評価結果とに基づき、電子部品2の状態が評価されてもよい。これにより、より正確に電子部品2の状態を評価できる。具体的には、結露画像320に基づき、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴が発生したと判定され、かつ、結露除去後画像330に基づき、セラミック素体の表面に異常部が存在すると判定されたとき、電子部品2にマイグレーション等の異常が発生したと判定されてもよい。あるいは、結露画像320に基づき、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴が発生したと判定された場合、あるいは、結露除去後画像330に基づき、セラミック素体の表面に異常部が存在すると判定された場合、電子部品2の表面の状態が悪化したと判定されてもよい。
【0096】
なお、電気特性情報取得工程において、電気特性情報取得部210が、電圧印加工程S13において印加される電圧に基づいて得られる電子部品の電気特性情報を取得している場合、電気特性評価部220は、取得された電気特性情報に基づき、電子部品2の電気特性を評価する。例えば、取得した電気特性情報として、電子部品2の絶縁抵抗が1分以上、108Ω以下の値を示す場合、電気特性が劣化した可能性があると判断される。そして、電気特性情報と、結露除去後画像330とに基づき、電子部品の状態が評価されてもよい。例えば、電子部品2の絶縁抵抗が1分以上、108Ω以下の値を示し、かつ結露除去後画像において、セラミック素体2Aの表面の異常部の存在が確認されたとき、電子部品2にマイグレーション等の異常が発生したと判定されてもよい。これにより、より正確に電子部品2の状態を評価できる。なお、絶縁抵抗の良否を判定するための閾値は、電子部品2の種類またはサイズに応じて適切に設定されていることが好ましい。
【0097】
なお、結露除去後画像330と、結露画像320と、電気特性情報とに基づき、電子部品の状態が評価されてもよい。これにより、より正確に電子部品の状態を評価できる。例えば、結露画像320に基づき、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴が発生したと判定された場合、あるいは、電子部品2の絶縁抵抗が1分以上、108Ω以下の値を示したとき、セラミック素体2Aの表面の撥水性が低下したと判定される。そして、これに加えて、結露除去後画像330に基づき、セラミック素体2Aの表面に異常部が存在すると判定されたとき、電子部品2にマイグレーション等の異常が発生したと判定されてもよい。
【0098】
なお、判定工程におけるこれらの処理は、例えば、制御部100の画像評価部200および電子部品評価部230によって行われる。ただし、一部の処理は、オペレータ等によって行われてもよい。
【0099】
なお、制御部100は、AI(Artificial Intelligence)を用いて、電子部品の状態の評価を行ってもよい。例えば、制御部100は、評価済みの電子部品の状態と、それに対応する画像とのセットを教師データとして用いて学習させて、学習済みモデルを構築する。そして、学習済みモデルに対して、新たに取得された画像が入力データとして入力されると、出力データとして、電子部品の状態が出力される。なお、制御部100は、多層構造のニューラルネットワークを用いてディープラーニングを行うことにより、学習済みモデルを構築してもよい。ニューラルネットワークとしては、例えば、画像認識に適した畳み込みニューラルネットワークを用いることができる。
【0100】
入力データとしては、結露除去後画像、結露画像のうち、少なくとも1種の画像を用いる。好ましくは、少なくとも結露除去後画像を用いる。より好ましくは、結露除去後画像と、参照画像を用いる。あるいは、結露除去後画像と、結露画像を用いる。入力データとして、結露除去後画像と、結露画像と、参照画像を用いてもよい。各画像は、1枚であってもよいが、複数枚であってもよい。例えば、時系列で取得された、複数の結露除去後画像が入力されてもよい。また、時系列で取得された、複数の結露画像が入力されてもよい。時系列で取得された画像は、タイミング情報と紐づけられて入力されることが好ましい。結露画像は、動画像であってもよい。また、入力データとして、画像と共に、絶縁抵抗等の電気特性情報が入力されてもよい。この場合、時系列で取得された、電気特性情報が、タイミング情報と紐づけられて入力されることが好ましい。また、この場合は、教師データとして、画像に加えて電気特性情報も用いられる。
【0101】
出力データは、電子部品の表面の状態に関する情報であってもよい。例えば、セラミック素体2Aの表面の異常の発生の有無の判定結果であってもよい。具体的には、セラミック素体2Aの表面におけるマイグレーションの発生の有無の判定結果であってもよい。また、セラミック素体2Aの撥水性の評価結果であってもよい。なお、教師データとして用いられる評価済みの電子部品の状態に関する情報についても、これらと同様の情報である。
【0102】
なお、電子部品2のサイズ等により、試料台40の温度に対して、電子部品2の表面の温度の追従性が異なる。例えば、サイズの大きな電子部品2の場合は、試料台40の温度に対する、電子部品2の表面の温度の追従性が低い。よって、冷却工程S21における、試料台40の低温側設定温度や、冷却工程S21の期間といった、ペルチェ素子による電子部品2の冷却条件は、電子部品2の種類またはサイズに応じて調整されることが好ましい。具体的には、電子部品2のサイズが大きいほど、試料台40の低温側設定温度を低くすることが好ましい。また、電子部品2のサイズが大きいほど、冷却工程S21の期間を長くしてもよい。
【0103】
例えば、入力工程において、入力部110に、電子部品2の種類またはサイズの情報が入力される。この入力工程は、例えば、前述の試験条件設定工程S12のタイミングで行われる。試験条件設定部120は、入力された電子部品2の種類またはサイズの情報に基づき、冷却工程S21における、試料台40の低温側設定温度や冷却工程S21の期間といった、ペルチェ素子による電子部品2の冷却条件を設定する。これにより、電子部品2の種類またはサイズの情報を入力するのみで、ペルチェ素子による電子部品2の冷却条件が設定されるため、加熱冷却部としての試料台40のペルチェ素子の冷却条件の設定が容易となる。
【0104】
図9は、実験例として、結露サイクル試験の試験結果を示す図である。この実験例は、本実施形態の結露サイクル試験の条件が、結露が繰り返し発生する状況下において生じる電子部品の状態を評価する上で、適切な条件であることを示している。
【0105】
本実験例においては、試験対象の電子部品として、積層セラミックコンデンサを用いた。積層セラミックコンデンサのセラミック素体の表面に撥水処理が行われていないサンプルAと、撥水処理が行われているサンプルBを用いて、本実施形態の結露サイクル試験の結果に差が生じるか否かを確認した。
【0106】
試験条件として、試験槽内の空気の目標温度は30℃、目標湿度は60RH%に設定した。加熱工程S22における、試料台40の高温側設定温度は45℃に設定した。加熱工程S22の期間、すなわち加熱時間は、10分に設定した。冷却工程S21における、試料台40の低温側設定温度は5℃に設定した。冷却工程S21の期間、すなわち冷却時間は、5分、8分、10分の3つの条件に設定して実験を行った。
【0107】
なお、本試験に用いる電子部品は、L寸法が2mm、W寸法が1.25mm、T寸法が1.25mmの略直方体のチップ状の積層セラミックコンデンサとした。セラミック素体の表面を構成するセラミック層の主成分は、BaTiO3である。外部電極は、下地電極層と、下地電極層上に施されためっき層により構成されており、めっき層は、セラミック素体側からNiめっき層、Snめっき層の2層構造で構成されている。
【0108】
本実験例においては、結露画像320に基づき、第1の外部電極2Bと第2の外部電極2Cを繋ぐような水滴が発生したと判定された場合、あるいは、結露除去後画像330に基づき、セラミック素体の表面に異常部が存在すると判定された場合に、電子部品2の表面の状態が悪化し、不良が発生したと判定した。
【0109】
図9に示されるように、冷却時間が5分の場合、8分の場合、10分の場合のいずれの場合においても、撥水処理が行われていないサンプルAと、撥水処理が行われているサンプルBとで、結果に優位差が生じることが確認された。すなわち、撥水処理が行われているサンプルBの方が、撥水処理が行われていないサンプルAよりも不良が発生しにくい点について、高い再現性で確認することができた。また、サイクル数については概ね5回以上行うことにより、サンプルの状態の違いを、結露サイクル試験の結果の違いに反映させることができる。試験時間を考慮しつつ、より確実に、サンプルの状態の違いを、結露サイクル試験の結果の違いに反映させるために、サイクル数は40サイクル以上60サイクル以下とすることが好ましい。
【0110】
なお、制御部100は、上述のように複数の機能ブロックにより構成されているが、各機能ブロックは必ずしも物理的に分かれている必要は無く、1つのCPUが、複数の機能ブロックの機能を実現してもよい。また、制御部100は、2つ以上に場所に分かれて配置されていてもよい。また、制御部100は、その全部または一部が不図示のサーバに設けられていてもよい。なお、記憶部240は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または着脱可能なメモリカード等の記録媒体で構成される。記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible media)が挙げられる。なお、制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサを含んで構成される。制御部100の各種機能は、例えば記憶部240に格納されたプログラム(アプリケーション)を実行することで実現される。プログラム(アプリケーション)は、ネットワークを介して提供されてもよいし、CD-ROM(Compact Disc Read only memory)またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(computer readable storage medium)に記録されて提供されてもよい。なお、制御部100の各機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
【0111】
なお、試験対象としての電子部品2は積層セラミックコンデンサに限らず、例えば、圧電部品、サーミスタ、インダクタ、抵抗等のチップ状の電子部品や、その他の電子部品であってもよい。
【0112】
本実施形態の電子部品の結露試験方法によれば、以下の効果を奏する。
【0113】
(1)本実施形態の電子部品2の結露試験方法は、温度および湿度を調整可能な試験槽12内に電子部品2を配置する配置工程と、電子部品2の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させると共に、電子部品2の表面に結露を生じさせる冷却工程と、電子部品2の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させると共に、電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去する加熱工程と、電子部品2の表面の画像を取得する画像取得工程と、取得した画像を評価する評価工程と、を備え、冷却工程と、加熱工程とは、交互に繰り返し行われ、画像取得工程は、冷却工程後の加熱工程における電子部品2の表面温度が露点以上になった後であって、電子部品2の表面温度が露点以下になる前に、表面から結露が除去された状態の電子部品2の表面の画像を結露除去後画像として取得し、評価工程は、結露除去後画像に基づき、電子部品2の状態を評価する。これにより、結露が繰り返し発生する状況下において生じる電子部品2の状態を評価することが可能な電子部品2の結露試験方法を提供することができる。また、結露除去後画像に基づく評価を行うことで、マイグレーションのような電子部品2の表面の素材自体の変化を直接的に判別することができる。
【0114】
(2)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、電子部品2は、セラミック素体2Aと、セラミック素体2Aに設けられた少なくとも2つの外部電極2B、2Cを有し、評価工程は、少なくとも2つの外部電極2B、2Cの領域と、少なくとも2つ外部電極2B、2Cの間に位置するセラミック素体2Aの表面の領域を判別し、結露除去後画像における、少なくとも2つ外部電極2B、2Cの間に位置するセラミック素体2Aの表面の領域の画像情報に基づき、結露が除去されたセラミック素体2Aの表面の異常の発生有無を判定する。このような電子部品2において、セラミック素体2Aの表面において発生するマイグレーション等の異常の発生有無を適切に判定することができる。
【0115】
(3)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、画像取得工程はさらに、冷却工程において電子部品2の表面温度が露点以下になった後であって、次の加熱工程において電子部品2の表面温度が露点以上になる前に、表面に結露が生じている状態の電子部品2の画像を結露画像として取得し、評価工程は、結露画像における、セラミック素体2Aの表面に付着している水滴の周縁部の位置と、結露除去後画像における結露が除去されたセラミック素体2Aの表面の異常部の位置と、に基づき、電子部品2の状態を評価する。これにより、より高い評価感度で、マイグレーション等の異常部の存在を判定することができる。
【0116】
(4)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、繰り返し交互に行われる冷却工程および加熱工程のうち、1回の冷却工程と1回の加熱工程のセットを1サイクルとしたとき、画像取得工程はさらに、結露除去後画像の取得タイミングよりも少なくとも1サイクル以上前のタイミングで取得された、表面が結露していない状態の電子部品2の画像を参照画像として取得し、評価工程は、参照画像と、結露除去後画像との比較結果に基づき、電子部品2の状態を評価する。これにより、より高い評価感度で、マイグレーション等の異常部の存在を判定することができる。
【0117】
(5)本実施形態の電子部品2の結露試験方法は、画像が取得されたタイミングを示すタイミング情報と、画像とを紐づけて記憶する紐付け工程をさらに備え、評価工程において、タイミング情報に基づき、取得された複数の画像の中から、結露除去後画像が識別される。これにより、適切に結露除去後画像を識別することができる。
【0118】
(6)本実施形態の電子部品2の結露試験方法は、電子部品2に電圧を印加する電圧印加工程と、電圧印加工程において印加される電圧に基づいて得られる電子部品2の電気特性情報を取得する電気特性情報取得工程をさらに備え、評価工程は、電気特性情報と、結露除去後画像とに基づき、電子部品2の状態を評価する。これにより、より正確に電子部品2の状態を評価できる。
【0119】
(7)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、試験槽12内の空気は、25℃以上35℃以下の範囲内に設定された目標温度に近づくように制御され、かつ48%RH以上62%RH以下の範囲内に設定された目標湿度に近づくように制御される。これにより、適切に結露サイクル試験を実施することができる。
【0120】
(8)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、試験槽12は、加熱冷却部としての試料台40を有し、配置工程において、電子部品2は試料台40に配置される。これにより、適切に結露サイクル試験を実施することができる。
【0121】
(9)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、加熱冷却部としての試料台40は、ペルチェ素子を有する。これにより、適切に結露サイクル試験を実施することができる。
【0122】
(10)本実施形態の電子部品2の結露試験方法の冷却工程において、加熱冷却部としての試料台40の温度が、露点よりも高い温度から0℃以上12℃以下の範囲内の温度に下降するように制御される。これにより、冷却工程に要する時間および、その後の加熱工程に要する時間を必要以上に長くすることなく、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に結露を生じさせることができる。
【0123】
(11)本実施形態の電子部品2の結露試験方法の加熱工程において、加熱冷却部としての試料台40の温度が、露点よりも低い温度から40℃以上50℃以下の範囲内の温度に上昇するように制御される。これにより、加熱工程に要する時間および、その後の冷却工程に要する時間を必要以上に長くすることなく、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去することができる。
【0124】
(12)本実施形態の電子部品2の結露試験方法は、冷却工程の期間は2分以上10分以下であり、加熱工程の期間は2分以上10分以下である。これにより、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に結露を生じさせると共に、効率的かつ安定的に電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去することができる。また、サイクル回数が多い場合でも、短期間で結露サイクル試験を実施することができる。
【0125】
(13)本実施形態の電子部品2の結露試験方法において、冷却工程および加熱工程はそれぞれ、40回以上60回以下実施される。これにより、電子部品2を適切に評価することができる。
【0126】
(14)本実施形態の電子部品2の結露試験方法は、電子部品2の種類またはサイズに関する情報を入力する入力工程をさらに含み、冷却工程における、加熱冷却部としての試料台による電子部品2の冷却条件は、入力工程において入力された入力情報に基づき、調整される。これにより、電子部品2の種類またはサイズの情報を入力するのみで、電子部品2の冷却条件が設定されるため、加熱冷却部としての試料台40の冷却条件の設定が容易となる。
【0127】
(15)本実施形態の電子部品2の結露試験方法は、温度および湿度を調整可能な試験槽12内に電子部品2を配置する配置工程と、電子部品2の表面温度を露点よりも高い温度から露点よりも低い温度に低下させると共に、電子部品2の表面に結露を生じさせる冷却工程と、電子部品2の表面温度を露点よりも低い温度から露点よりも高い温度に上昇させると共に、電子部品2の表面に付着した結露を乾燥除去する加熱工程と、電子部品2の表面の画像を取得する画像取得工程と、取得した画像を評価する評価工程と、を備え、試験槽12内の空気は、25℃以上35℃以下の範囲内に設定された目標温度に近づくように制御され、かつ48%RH以上62%RH以下の範囲内に設定された目標湿度に近づくように制御され、冷却工程と、加熱工程とは、交互に繰り返し行われ、冷却工程において、試験槽12内の電子部品2が配置された加熱冷却部としての試料台40の温度が、露点よりも高い温度から0℃以上12℃以下の温度に下降するように制御され、加熱工程において、試験槽12内の電子部品2が配置された加熱冷却部としての試料台40の温度が、露点よりも低い温度から40℃以上50℃以下の温度に上昇するように制御され、冷却工程の期間は2分以上10分以下であり、加熱工程の期間は2分以上10分以下であり、評価工程は、表面から結露が除去された状態の電子部品2の表面の結露除去後画像または表面に結露が生じている状態の電子部品2の結露画像に基づき、電子部品2の状態を評価する。このような結露サイクル試験条件により、電子部品2の状態の評価を適切に行うことができる。
【0128】
本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、上記実施形態において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【符号の説明】
【0129】
1 結露試験装置
2 電子部品
2A セラミック素体
2B 第1の外部電極
2C 第2の外部電極
3 基板
3A 基板本体
3B 第1の配線部材
3C 第2の配線部材
10 試験装置本体
11 空気条件調整槽
12 試験槽
21 第1の壁
22 第2の壁
23 隔壁
23A 供給口
23B 循環口
31 冷却器
32 加熱器
33 加湿器
34 送風機
40 試料台(加熱冷却部)
41 加熱冷却部本体
42 伝熱シート
90 マイクロスコープ
100 制御部
110 入力部
120 試験条件設定部
130 電圧制御部
140 空気温度調整部
150 湿度調整部
160 ペルチェ制御部
170 画像取得部
180 タイミング情報取得部
190 画像種識別部
200 画像評価部
210 電気特性情報取得部
220 電気特性評価部
230 電子部品評価部
240 記憶部
310 参照画像
320 結露画像
330 結露除去後画像
D 水滴