(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240312BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240312BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240312BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J7/35 K
H02J3/38 180
H02J3/32
(21)【出願番号】P 2021083896
(22)【出願日】2021-05-18
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】上垣 直人
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-036465(JP,A)
【文献】特開2021-002935(JP,A)
【文献】特開2017-011804(JP,A)
【文献】国際公開第2011/142330(WO,A1)
【文献】特開平09-233714(JP,A)
【文献】特開2018-170949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0153037(US,A1)
【文献】特開2013-229954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/35
H02J 3/38
H02J 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に交流電圧を供給するパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナの情報を表示する表示部を有し、前記パワーコンディショナに接続されたコントローラと、
を備えた電力供給システムであって、
前記パワーコンディショナは、
蓄電池と、
前記蓄電池の出力電圧を前記交流電圧に変換するインバータと、
前記負荷に対する消費電力を算出する消費電力算出部と、
前記蓄電池の蓄電量と前記消費電力とに基づいて、前記蓄電池を使用して前記負荷へ前記交流電圧を供給する蓄電池使用可能時間を算出する時間算出部と、
前記負荷の電源のオン・オフを検出する負荷検出部と、
を備え、
前記コントローラは、前記負荷検出部の検出結果に基づいて、前記負荷の電源がオン・オフしたときに前記蓄電池使用可能時間を前記表示部に表示する、
電力供給システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記蓄電量、前記消費電力、前記蓄電池使用可能時間、を含む前記パワーコンディショナの情報を取得し、
前記コントローラは、操作部を有し、
前記コントローラは、前記操作部の操作に基づいて、前記蓄電量、前記消費電力、前記蓄電池使用可能時間を切替えて表示する、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記コントローラは、報知部を有し、
前記報知部は、前記表示部に前記蓄電池使用可能時間を表示したことを報知する、
請求項1または請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記コントローラは複数の前記パワーコンディショナに接続され、
前記コントローラは、複数の前記パワーコンディショナそれぞれを識別する識別情報と、前記識別情報が示す前記パワーコンディショナの前記蓄電池使用可能時間とを前記表示部に表示する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記コントローラは、操作部の操作にしたがって、複数の前記パワーコンディショナの前記蓄電池使用可能時間を順次表示する、請求項4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記コントローラは、複数の前記パワーコンディショナ毎の優先度の順番で複数の前記パワーコンディショナの前記蓄電池使用可能時間を表示する、
請求項5に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記優先度は前記蓄電池使用可能時間であり、前記コントローラは、前記蓄電池使用可能時間の大きいものから順に前記蓄電池使用可能時間を表示する、
請求項6に記載の電力供給システム。
【請求項8】
前記コントローラは、複数の前記パワーコンディショナの情報を記憶する記憶部と、専用ボタンとを有し、
複数の前記パワーコンディショナは、電源がオン・オフされた前記負荷が接続された第1パワーコンディショナと、前記第1パワーコンディショナと異なる第2パワーコンディショナとを含み、
前記コントローラは、前記第1パワーコンディショナについて、前記負荷の電源のオフによって減少した消費電力を算出して前記記憶部に記憶し、前記専用ボタンが操作されたとき、前記第2パワーコンディショナの消費電力と、前記記憶部に記憶した消費電力とに基づいて前記第2パワーコンディショナの蓄電池使用可能時間を算出して前記表示部に表示する、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーコンディショナ等の電源装置は、商用電力系統と連系運転する機能と、商用電力系統から商用電力が供給されないときに自立運転する機能とを有している。パワーコンディショナは、蓄電池を備え、自立運転のときに使用される自立用負荷(電気機器)に対して蓄電池の電力を交流に変換して供給する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、表示器を備え、自立運転のときに、蓄電池から自立用負荷へ電力を供給し続けることが可能な電力供給可能時間を表示するパワーコンディショナが開示されている。このパワーコンディショナは、系統連系運転のときに自立用負荷の消費電力を記憶する。そして、自立運転に切換えたとき、蓄電池の出力電圧と記憶しておいた消費電力とに基づいて算出した電力供給可能時間を表示器に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の電力供給可能時間は、自立用負荷を使用することができる使用可能残時間でもある。そして、自立運転中において、自立用負荷の電源のオン/オフは、使用可能残時間に影響する。このため、自立運転中において使用可能時間を容易に確認することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である電力供給システムは、負荷に交流電圧を供給するパワーコンディショナと、前記パワーコンディショナの情報を表示する表示部を有し、前記パワーコンディショナに接続されたコントローラと、を備えた電力供給システムであって、前記パワーコンディショナは、蓄電池と、前記蓄電池の出力電圧を前記交流電圧に変換するインバータと、前記負荷に対する消費電力を算出する消費電力算出部と、前記蓄電池の蓄電量と前記消費電力とに基づいて、前記蓄電池を使用して前記負荷へ前記交流電圧を供給する蓄電池使用可能時間を算出する時間算出部と、前記負荷の電源のオン・オフを検出する負荷検出部と、を備え、前記コントローラは、前記負荷検出部の検出結果に基づいて、前記負荷の電源がオン・オフしたときに前記蓄電池使用可能時間を前記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、蓄電池使用可能時間を容易に確認可能とした電力供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、電力供給システムの概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、コントローラの一例を示す正面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態のパワーコンディショナおよびコントローラの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における蓄電池使用可能時間の表示に係る処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図11A】
図11Aは、第2実施形態における蓄電池使用可能時間の表示に係る処理を示すフローチャートである。
【
図11B】
図11Bは、第2実施形態における蓄電池使用可能時間の表示に係る処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図13】
図13は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図15】
図15は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図16】
図16は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、コントローラにおける表示例を示す説明図である。
【
図18】
図18は、変更例の電力供給システムの概略ブロック図である。
【
図19】
図19は、変更例のパワーコンディショナおよびコントローラの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各形態を説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を説明する。
【0010】
図1に示す電力供給システムは、一般家屋、商業施設、工場等の施設に設置される。施設には、商用電力系統100から商用交流電圧が供給される。つまり、電力供給システムは、商用電力系統100と連系する。
【0011】
図1に示すように、電力供給システムは、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System)10と、パワーコンディショナ10に接続された太陽光パネル20と、コントローラ60と、を備えている。本実施形態の電力供給システムは、3つのパワーコンディショナ10を備えている。なお、電力供給システムは、1つ以上のパワーコンディショナ10を含む構成とすることができる。3つのパワーコンディショナ10をそれぞれ区別するために、パワーコンディショナ11,12,13とする。
【0012】
太陽光パネル20は、各パワーコンディショナ11,12,13にそれぞれ接続されている。つまり、本実施形態の電力供給システムは、複数の太陽光パネル20を備えている。複数の太陽光パネル20を区別するため、各パワーコンディショナ11,12,13にそれぞれ接続された太陽光パネル20を、太陽光パネル21,22,23とする。太陽光パネル21~23は、複数の太陽電池(セル)を直列に接続して構成する太陽電池ストリング、並列に接続された複数の太陽電池ストリングにより構成される太陽電池アレイ、等である。太陽光パネル21~23は、太陽電池ストリングと、太陽電池ストリングを構成する複数のセルを接続する1または複数のバイパスダイオードとを含む。なお、各太陽光パネル21~23の構成は、構成が相違していてもよく、また構成が同一であってもよい。また、複数の太陽光パネルが1つのパワーコンディショナ10に接続されていてもよい。
【0013】
パワーコンディショナ11~13は、商用電力系統100から商用交流電圧が供給される交流電力線101に接続される。交流電力線101は、たとえば単相三線式の電力線である。交流電力線101には、電力量計102,103、メインブレーカ104、カレントトランス(CT)105~107、漏電ブレーカ108が設けられている。電力量計102は、商用電力系統100から供給される電力量、つまり買電の電力量を測定する。電力量計103は、商用電力系統100へ出力される電力量、つまり逆潮流の電力量を測定する。この電力量計103により測定される電力量は、商用電力系統100に対して売電される電力量である。カレントトランス105~107は、たとえば商用電力系統100への逆潮流を監視するために用いられる。
【0014】
また、交流電力線101は、施設内の一般接続部110に接続される。この一般接続部110は、商用電力系統100の分電盤、屋内配線のアウトレット、屋内配線のアウトレットに接続された延長ケーブル、等を含む。一般接続部110には、一般負荷201~203が接続される。一般負荷201~203は、施設内で通常時に使用される負荷である。また、一般接続部110には、一般負荷201~203に対して優先度の高い負荷(特定負荷)のための分岐ブレーカ121,122,123が接続されている。各分岐ブレーカ121~123は、それぞれ分岐電力線により特定負荷用の特定接続部111~113に接続される。
【0015】
特定接続部111~113は、特定負荷用の分電盤、屋内配線のアウトレット、屋内配線のアウトレットに接続された延長ケーブル、等を含む。なお、特定接続部111~113は、漏電ブレーカ等の機器を含む構成であってもよい。特定接続部111,112,113は、それぞれ切換器111a,112a,113aを備える。切換器111a~113aの第1切換端子は、分岐電力線を介して分岐ブレーカ121~123に接続される。分岐電力線は、たとえば単相二線式の電力線である。この分岐電力線により、切換器111a~113aの第1切換端子には、商用交流電圧が供給される。切換器111a~113aの第2切換端子は、特定電力線を介してパワーコンディショナ11~13に接続される。特電電力線は、たとえば単相二線式の電力線である。この特定電力線により、切換器111a~113aの第2切換端子には、自立運転によりパワーコンディショナ11~13から出力される交流電圧が供給される。
【0016】
図1において、特定接続部111には特定負荷としての負荷211~214が接続されている。これらの負荷211~214は、特定接続部111の切換器111aによって、商用電力系統100の商用交流電圧、またはパワーコンディショナ11の交流電圧が供給される。つまり、これらの負荷211~214は、商用電力系統100からの商用交流電圧、またはパワーコンディショナ11からの交流電圧によって使用される負荷である。負荷211~214は、いわゆる自立運転時に稼動させる負荷であり、一般負荷に比べて優先度合の高いものである。
【0017】
同様に、特定接続部112には負荷221,222が接続されている。つまり、これらの負荷221,222は、商用電力系統100からの商用交流電圧、またはパワーコンディショナ12からの交流電圧によって使用される負荷である。また、特定接続部113には負荷231,232が接続されている。つまり、これらの負荷231,232は、商用電力系統100からの商用交流電圧、またはパワーコンディショナ13からの交流電圧によって使用される負荷である。負荷221,222,231,232は、負荷211~214と同様に、いわゆる自立運転時に稼動させる負荷であり、一般負荷に比べて優先度合の高いものである。
【0018】
パワーコンディショナ11は、制御部11a、蓄電池11bを備えている。なお、蓄電池11bは、パワーコンディショナ11の外部に接続されてもよい。また、蓄電池11bは、パワーコンディショナ11に内蔵された蓄電池と、パワーコンディショナ11に接続された蓄電池とを含んでいてもよい。
【0019】
制御部11aは、たとえば電力量計102によって測定される商用交流電圧の電力量により、商用電力系統100が正常か異常かを判定する。センサ43は、電力量計102は、たとえば電圧センサと電流センサとを含むセンサである。なお、商用電力系統100の状態は、たとえば
図3に示すセンサ43によって判定することもできる。センサ43は、たとえば配線間に接続された電圧センサである。
図3に示すリレー34,35,38を開状態(オフ状態)としたときの電圧値により判定できる。
【0020】
商用電力系統100が正常なとき、制御部11aは、パワーコンディショナ11に接続された太陽光パネル21にて発電した電力を交流電圧に変換して交流電力線101に出力するように、パワーコンディショナ11を制御する。また、制御部11aは、太陽光パネル21から供給される電圧、または商用電力系統100から供給される電圧により蓄電池11bを充電する。
【0021】
商用電力系統100が異常なとき、太陽光パネル21と蓄電池11bの少なくとも一方の直流電圧を交流電圧に変換し、特定電力線に出力する。そして、特定接続部111の切換器111aを切替えることにより、パワーコンディショナ11による交流電圧によって、特定接続部111に接続された負荷211~214は使用可能となる。
【0022】
パワーコンディショナ12は、制御部12a、蓄電池12bを備えている。パワーコンディショナ13は、制御部13a、蓄電池13bを備えている。これらの制御部12a,13aにおける処理は上記のパワーコンディショナ11の制御部11aにおける処理と同じである。また、蓄電池12b,13bの接続形態は、上記のパワーコンディショナ11における蓄電池11bの接続形態と同様である。
【0023】
各パワーコンディショナ11~13は、コントローラ60に接続されている。コントローラ60とパワーコンディショナ11~13は、通信、たとえばシリアル通信可能に構成されている。コントローラ60と各パワーコンディショナ11~13は、有線または無線によって接続されている。コントローラ60は、各パワーコンディショナ11~13に対して、運転開始、運転停止、等の制御信号を供給する機能を有している。また、コントローラ60は、各パワーコンディショナ11~13の情報を表示する機能を。パワーコンディショナ11~13の情報は、たとえば、太陽光パネル21~23による発電量、蓄電池11b~13bの蓄電量、等である。また、コントローラ60は、電力量計102,103に接続され、それらの電力量、つまり買電、売電の電力量を表示する機能を有している。
【0024】
図2は、コントローラ60の正面図の一例を示す。
コントローラ60は、表示部63、操作部64を備える。表示部63は、数値表示部631、売電表示部632、買電表示部633、単位表示部634、選択状態表示部635,636,637、を含む。数値表示部631は、電力量等の数値を表示するものである。数値表示部631は、本実施形態において、5つの英数字を7セグメントにより表示するものである。なお、数値表示部631は、たとえば5つの7セグメント表示器により構成され、英数字とともに点を表示するように構成されている。
【0025】
選択状態表示部635~637は、操作部64の操作によって数値表示部631に表示している選択対象を示すものである。売電表示部632と買電表示部633は、買電状態または売電状態を示すものである。単位表示部634は、数値表示部631に表示した数値の単位を表示するものである。
【0026】
操作部64は、複数の操作ボタン641~649を含む。操作ボタン641,642,643は、太陽光パネル20(21~23)、商用電力系統100、蓄電池11b~13bのいずれかを選択するためのメインボタンである。操作ボタン645~649は、
図1に示すパワーコンディショナ11~13に対して制御等を指示するためのサブボタンである。操作部64は、サブボタンである操作ボタン645~649に対応する状態表示部645a~649aを有している。操作ボタン644は、メニューボタンである。
【0027】
[コンディショナの構成]
図3は、パワーコンディショナ11とコントローラ60の概略構成の一例を示す。
パワーコンディショナ11は、PVコンバータ(PVC:photovoltaic convertor)31、インバータ32、フィルタ33、制御部11aを有している。また、パワーコンディショナ11は、系統連系リレー(単に「リレー」と表記)34、自立運転リレー(単に「リレー」と表記)35、バイパスリレー(単に「リレー」と表記)38を有している。PVコンバータ31には太陽光パネル21が接続される。PVコンバータ31は、直流電圧バス37を介してインバータ32に接続されている。インバータ32は、フィルタ33と系統連系リレー34とを介して系統連系端子T1に接続されている。また、インバータ32は、フィルタ33と自立運転リレー35とを介して自立運転用出力端子T2に接続されている。バイパスリレー38は、系統連系端子T1と自立運転用出力端子T2との間に接続されている。
【0028】
また、パワーコンディショナ11は、DC-DCコンバータ36、蓄電池11bを有している。蓄電池11bは、DC-DCコンバータ36を介して直流電圧バス37に接続されている。
【0029】
制御部11aは、PVコンバータ31、インバータ32、系統連系リレー34、自立運転リレー35、バイパスリレー38を制御する。パワーコンディショナ11は、制御部11aの動作電圧を生成する図示しない電源回路を有している。電源回路は、直流電圧バス37の直流電圧または商用電力系統100の交流電圧により制御部11aの動作電圧を生成する。
【0030】
PVコンバータ31は、制御部11aによって制御されるDC-DCコンバータである。本実施形態のPVコンバータ31は、昇圧回路である。なお、PVコンバータ31は、DC-DCコンバータとして、降圧回路、昇降圧回路であってもよい。
【0031】
PVコンバータ31は、太陽光パネル21から供給される電圧を所定の電圧に変換して直流電圧バス37に出力する機能を有している。また、PVコンバータ31は、生成した直流電圧を平滑化する機能を有している。所定の電圧は、たとえば360Vである。
【0032】
PVコンバータ31は、スイッチング素子を含む。制御部11aは、PVコンバータ31のスイッチング素子をオン・オフする制御信号のパルス幅を、例えばパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式により調整する。そして、制御部11aは、制御信号により、PVコンバータ31から所定の電圧が直流電圧バス37に出力されるように、PVコンバータ31を制御する。
【0033】
インバータ32は、制御部11aからの制御信号によって動作する直流交流変換回路である。インバータ32は、制御部11aからの制御信号により動作し、直流電圧バス37の直流電圧を交流電圧に変換する。
【0034】
連系運転モードにおいて、制御部11aは、直流電圧を商用電力系統100と連系可能な交流電圧に変換するようにインバータ32を制御する。フィルタ33は、インバータ32から出力される交流電圧の高周波成分を低減する。制御部11aは、系統連系リレー34とバイパスリレー38とを閉状態(オン状態)とし、自立運転リレー35を開状態(オフ状態)とする。インバータ32から出力される交流電圧は、フィルタ33と閉状態の系統連系リレー34を介して系統連系端子T1に出力され、その系統連系端子T1から交流電力線101に出力される。そして、交流電圧は、交流電力線101に接続された一般負荷201~203に供給される。
【0035】
また、インバータ32から出力される交流電圧は、フィルタ33と閉状態のバイパスリレー38を介して自立運転用出力端子T2に出力される。したがって、
図1に示すように、切換器111aをパワーコンディショナ11の側に切り換えておくことで、負荷211~214に交流電圧が供給される。なお、閉状態のバイパスリレー38は、系統連系端子T1と自立運転用出力端子T2とを接続する。系統連系端子T1は、商用電力系統100に接続されている。したがって、インバータ32から交流電圧を出力しないときに、商用電力系統100からパワーコンディショナ11のバイパスリレー38を介して負荷211~214に対して、商用交流電圧を供給することができる。なお、切換器111aを一般接続部110の側に切り換えることで、パワーコンディショナ11を介することなく、負荷211~214に対して商用電力系統100から商用交流電圧を供給することができる。
【0036】
自立運転モードにおいて、制御部11aは、自立運転用出力端子T2に接続される負荷211~214に交流電圧を供給するようにインバータ32を制御する。制御部11aは、系統連系リレー34とバイパスリレー38とを開状態(オフ状態)とし、自立運転リレー35を閉状態(オン状態)とする。インバータ32から出力される交流電圧は、閉状態の自立運転リレー35を介して自立運転用出力端子T2に出力され、その自立運転用出力端子T2から負荷211~214に供給される。
【0037】
連系運転モードにおいて、インバータ32は、商用電力系統100から供給される交流電圧を所望の電圧に変換して直流電圧バス37に出力する。制御部11aは、制御信号によってインバータ32が含む複数のスイッチング素子のオン・オフを制御し、所望の電圧をインバータ32から直流電圧バス37に出力させる。
【0038】
DC-DCコンバータ36は、双方向DC-DCコンバータである。蓄電池11bは、充放電可能とされた電池(二次電池)である。蓄電池11bは、たとえばリチウムイオン電池である。
【0039】
DC-DCコンバータ36は、例えば昇降圧回路であり、直流電圧バス37の直流電圧を、蓄電池11bを充電する電圧に変換する。また、DC-DCコンバータ36は、蓄電池11bから放電される直流電圧を、直流電圧バス37に応じた直流電圧に変換する。DC-DCコンバータ36は、スイッチング素子を含む。制御部11aは、スイッチング素子をオン・オフ駆動する制御信号を出力するとともに、その制御信号のパルス幅を例えばPWM方式によって調整する。
【0040】
蓄電池11bは、バッテリ管理部(BMU:Battery Management Unit)を有している。バッテリ管理部は、蓄電池11bの蓄電量を算出する。また、バッテリ管理部は、蓄電池の温度を検出する。蓄電池11bの蓄電量は、蓄電池11bのSOC(State of Charge)で示される。なお、蓄電池11bの蓄電量は、例えば蓄電池11bの端子間電圧値で示されてもよい。バッテリ管理部は、蓄電量、温度、等を含む検出信号を出力する。
【0041】
パワーコンディショナ11は、PVコンバータ31から出力される直流電圧をインバータ32で交流電圧に変換して商用電力系統100へ出力する。また、パワーコンディショナ11は、蓄電池11bを備える。パワーコンディショナ11は、直流電圧により蓄電池11bを充電する。パワーコンディショナ11は、蓄電池11bから放電される電圧をインバータ32で交流電圧に変換して商用電力系統100へ出力する。
【0042】
制御部11aは、太陽光パネル21の発電電力と、交流電力線101に接続された負荷の消費電力との差である余剰電力に基づいて蓄電池11bを充電するように、DC-DCコンバータ36、PVコンバータ31、インバータ32を制御する。また、負荷の消費電力が太陽光パネル21の発電電力を上回るときに蓄電池11bから放電される電圧に基づく交流電圧を交流電力線101に出力するように、DC-DCコンバータ36、インバータ32を制御する。
【0043】
制御部11aは、記憶部51を備える。記憶部51は、ROM,RAMを含む。記憶部51は、制御部11aが実行する処理プログラム、処理プログラムの実行により格納される各種のデータを記憶する。また、記憶部51は、処理に必要なしきい値等の各種のデータを記憶する。また、制御部11aは、図示しない周辺回路を含む。周辺回路は、クロック信号生成回路、クロック回路、インタフェース回路、通信回路、等を含む。制御部11aは、処理プログラムの実行に際して必要となる情報(データ)を、周辺回路から直接読み出す、または周辺回路から記憶部51に格納された情報(データ)を読み出す。なお、記憶部51に記憶される情報(データ)は、周辺回路を介して外部から記憶部51に格納されるものを含む。
【0044】
通信部52は、コントローラ60と通信する。制御部11aは、通信部52を介してコントローラ60からの信号を受け取る。制御部11aが受け取る信号は、パワーコンディショナ11を制御する信号、パワーコンディショナ11の各種の情報をコントローラ60が取得するための信号、等を含む。制御部11aは、制御のための信号により、パワーコンディショナ11を制御する。たとえば、制御部11aは、制御のための信号により、インバータ32の動作を開始、停止する。制御部11aは、パワーコンディショナ11の各種の情報を記憶部51に記憶させる。そして、制御部11aは、取得のための信号により、通信部52を介してコントローラ60へパワーコンディショナ11の各種の情報を送信する。たとえば、上記の記憶部51には、識別情報が記憶されている。識別情報は、
図1に示すパワーコンディショナ11~13の各々を識別するための情報である。なお、識別情報は、通信部52に設定されていてもよい。
図3に示す通信部52は、パワーコンディショナ11の各種の情報と識別情報とを送信する。識別情報は、たとえば各パワーコンディショナ11~13の施工時に設定される。なお、識別情報は、コントローラ60が通信によって設定する構成であってもよい。
【0045】
制御部11aが送信する各種の情報は、発電電力、蓄電池残量、蓄電池使用可能時間、負荷検出結果、等を含む。
発電電力は、上記した太陽光パネル21の発電電力である。制御部11aは、太陽光パネル21の発電量を算出する。詳述すると、PVコンバータ31の入力側にはセンサ41が接続されている。センサ41は、電圧センサおよび電流センサから構成されている。制御部11aは、電圧センサにより検出される電圧値、および電流センサにより検出される電流値により、PVコンバータ31に供給される電力量、つまり太陽光パネル21の発電量を算出する。
【0046】
蓄電池残量は、上記した蓄電池11bの蓄電量である。本実施形態において、蓄電量は、蓄電池11bのSOCで示される百分率である。制御部11aは、蓄電池11bから蓄電量を取得する。
【0047】
蓄電池使用可能時間は、自立運転において、蓄電池11bから自立運転用出力端子T2に接続された負荷に対して交流電圧を供給しつづけることが可能な時間(電力供給可能時間)である。制御部11aは、自立運転モードにおいて、蓄電池11bの蓄電量(蓄電池残量)に基づいて、蓄電池使用可能時間を算出する。詳述すると、制御部11aは、蓄電池11bの蓄電量と、自立運転用出力端子T2に出力する交流電圧の電力量とに基づいて、蓄電池使用可能時間を算出する。自立運転モードにおいて、自立運転用出力端子T2には、インバータ32からフィルタ33と自立運転リレー35とを介して、インバータ32の出力電力が供給される。インバータ32とフィルタ33との間には、インバータ32の出力電力を検出するためのセンサ42が接続されている。センサ42は、少なくとも電流センサを含む。センサ42は、電流センサと電圧センサとにより構成されてもよい。制御部11aは、センサ42により検出された電流値に基づいて、自立運転用出力端子T2に接続された負荷211~214の消費電力を算出する。そして、制御部11aは、算出した消費電力と、蓄電池11bの蓄電量とに基づいて、蓄電池使用可能時間を算出する。制御部11aは、消費電力算出部、時間算出部、負荷検出部として機能する。なお、制御部11aは、蓄電池11bの端子間電圧により蓄電池11bの蓄電量を算出するようにしてもよい。この場合、制御部11aは、蓄電量算出部として機能することになる。
【0048】
負荷検出情報は、自立運転用出力端子T2に接続された特定接続部111(
図1参照)に対して負荷の接続状態が変化したか否かを示す情報である。負荷の接続状態は、特定接続部111に対する負荷のプラグの挿抜、接続済みの負荷における電源スイッチのオン・オフ操作、等を含む。なお、この情報は、パワーコンディショナ11から交流電圧が供給されている負荷のうちの少なくとも1つについて、上記の操作が行われたか否かを検出した結果を示す。この負荷検出情報は、たとえば、消費電力の変化により検出される。制御部11aは、上記の消費電力を所定時間毎に算出して記憶部51に順次記憶する。そして、制御部11aは、消費電力の変化量、つまり所定時刻にて算出した消費電力と、1つ前に算出した消費電力との差の値がしきいち以上のときに、負荷上記の操作が行われたことを検出する。
【0049】
図1に示すパワーコンディショナ12,13の構成は、
図3に示すパワーコンディショナ11の構成を有している、構成を示す図面および説明を省略する。なお、パワーコンディショナ11は、上記の機能以外の機能を有していてもよい。同様に、
図1に示すパワーコンディショナ12,13は、上記の機能以外に、パワーコンディショナ11と同じ機能を有していてもよく、異なる機能を有していてもよい。
【0050】
[コントローラの構成]
コントローラ60は、制御部61、通信部62、表示部63、操作部64、記憶部65を有している。通信部62は、パワーコンディショナ11の制御部11aの通信部52と通信する。記憶部65は、ROM,RAMを含む。記憶部65は、制御部61が実行する処理プログラム、処理プログラムの実行により格納される各種のデータを記憶する。また、記憶部65は、処理に必要なしきい値等の各種のデータを記憶する。
【0051】
制御部61は、通信部62を介して、パワーコンディショナ11に対して、操作部64の操作に基づく制御のための信号を送信する。たとえば、
図2に示す「運転/停止」の操作ボタン645の操作により、運転開始または運転停止を示す信号をパワーコンディショナ11の制御部11aに送信する。同様に、
図1に示すパワーコンディショナ12,13に対して、制御のための信号を送信する。なお、各パワーコンディショナ11~13それぞれの識別情報とともに上記の送信を送信することで、所望のパワーコンディショナ11~13を制御することができる。また、所定の識別情報、たとえば全てのパワーコンディショナ11~13を指定する情報を付加することで、全てのパワーコンディショナ11~13を制御することもできる。
【0052】
制御部61は、通信部62を介して、パワーコンディショナ11から上記した各種の情報を識別情報とともに取得する。同様に、制御部61は、
図1に示すパワーコンディショナ12,13の制御部12a,13aから、パワーコンディショナ12,13の各種の情報を識別情報とともに取得する。制御部61は、取得した識別情報と各種の情報とを記憶部65に記憶させる。また、制御部61は、
図1に示す電力量計102,103から電力量を取得し、記憶部65に記憶させる。制御部61は、定期的に情報を取得する。なお、定期的な情報の取得に加えて、操作部64の操作に応じて対応するパワーコンディショナ11~13から情報を取得するようにしてもよい。
【0053】
制御部61は、操作部64の操作に応じて、各種の情報を表示部63に表示する。たとえば、
図2に示す操作ボタン641が操作されると、パワーコンディショナ11~13のうちの1つ、たとえばパワーコンディショナ11に接続された太陽光パネル21における発電量を表示部63に表示する。そして、操作ボタン641が操作される毎に、たとえばパワーコンディショナ12,13,11,・・の順番で発電量を表示する対象を切替える。そして、制御部61は、切替えた対象の発電量を表示部63に表示する。また、制御部61は、蓄電池残量、蓄電池使用可能時間、等についても同様に、操作部64の操作に応じて対象を切替え、切替えた対象の値を表示部63に表示する。
【0054】
[操作部の操作による表示]
表示部63に対する表示の一例を説明する。ここでは、蓄電池使用可能時間を表示する場合について説明する。
【0055】
コントローラ60は、1台以上のパワーコンディショナ10に接続される。コントローラ60の制御部61は、コントローラ60に接続されたパワーコンディショナ10の台数を認識できる。たとえば、制御部61は、通信部62を介して識別情報の取得のための制御信号を送信する。接続されたパワーコンディショナ10の制御部(通信部)は、その制御信号に応答して、設定されている識別情報を送信する。これにより、コントローラ60の制御部61は、コントローラ60に接続されたパワーコンディショナ10の識別情報の数、つまり台数を認識する。
【0056】
制御部61は、パワーコンディショナ10から取得した情報を表示部63に表示する。このとき、制御部61は、情報についてパワーコンディショナ10を特定可能に表示する。ここでは、上記の蓄電池使用可能時間を表示する場合について説明する。
【0057】
たとえば、パワーコンディショナ10として、
図1に示すパワーコンディショナ11~13がコントローラ60に接続されている。この場合、制御部61は、各パワーコンディショナ11~13を識別するための情報と、蓄電池使用可能時間とを表示する。各パワーコンディショナ11~13を識別するために表示される情報としては、たとえば通信のときの識別情報が用いられる。なお、識別のために表示される情報と通信の識別情報とが異なっていてもよい。たとえば、各パワーコンディショナ11,12,13を識別するために表示される情報を「1」,「2」,「3」とする。
【0058】
図5は、
図1,
図3に示すパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間の表示例を示す。制御部61は、パワーコンディショナ11から蓄電池使用可能時間を取得する。そして、制御部61は、パワーコンディショナ11に対応する識別の情報「1」と、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間「270」とを表示部63に表示する。なお、
図5に示す蓄電池使用可能時間は、分単位の表示である。なお、表示する蓄電池使用可能時間の単位は、適宜変更されてもよい。
【0059】
図6は、
図1に示すパワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間の表示例を示す。制御部61は、パワーコンディショナ12から蓄電池使用可能時間を取得する。そして、制御部61は、パワーコンディショナ12に対応する識別の情報「2」と、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間「85」とを表示部63に表示する。なお、
図6に示す蓄電池使用可能時間は、分単位の表示である。なお、表示する蓄電池使用可能時間の単位は、適宜変更されてもよい。
【0060】
図7は、
図1に示すパワーコンディショナ13の蓄電池使用可能時間の表示例を示す。制御部61は、パワーコンディショナ13から蓄電池使用可能時間を取得する。そして、制御部61は、パワーコンディショナ13に対応する識別の情報「3」と、パワーコンディショナ13の蓄電池使用可能時間「100」とを表示部63に表示する。なお、
図7に示す蓄電池使用可能時間は、分単位の表示である。なお、表示する蓄電池使用可能時間の単位は、適宜変更されてもよい。
【0061】
制御部61は、パワーコンディショナ11~13のうちの1台を対象とし、その対象の蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。さらに、制御部61は、操作部64の操作ボタン643が操作される毎に表示の対象を切替える。たとえば、本実施形態において、制御部61は、対象とするパワーコンディショナ11~13を、「1」→「2」→「3」→「1」のように切替える。これにより、表示部63には、
図5~
図7に示す蓄電池使用可能時間が順次表示される。
【0062】
図8は、コントローラ60に対して1台のパワーコンディショナ10、たとえば
図3に示すパワーコンディショナ11のみが接続されている場合の蓄電池使用可能時間の表示例を示す。1台のパワーコンディショナ11のみが接続されている場合、パワーコンディショナ11を他のパワーコンディショナと識別する必要がない。このため、制御部61は、
図2に示す操作ボタン643が操作されることにより、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間のみを表示部63に表示し、識別のための情報を表示しない。
【0063】
制御部61は、所定の終了条件を満たした場合、表示部63における表示を停止、つまり表示をオフする。終了条件は、たとえば、コントローラ60の図示しない電源ボタンが操作されたこと、所定期間、操作部64が操作されていないこと、を含む。
【0064】
[負荷の電源のオン・オフによる表示]
次に、負荷の電源のオン・オフによる表示について説明する。
本実施形態の制御部61は、負荷の電源がオン・オフに基づいて、その負荷が接続されたパワーコンディショナ10(11~13)の蓄電池使用可能時間を表示する機能を有している。これについて詳述する。
【0065】
制御部61は、パワーコンディショナ11~13から取得した負荷検出情報に基づいて、パワーコンディショナ11~13における負荷量(消費電力)の変化があったか否かを判定する。そして、負荷量が変化している場合、その負荷量が変化したパワーコンディショナ11~13における蓄電池使用可能時間を表示部63に表示させる。このとき、制御部61は、通常の表示形態と異なる形態にて蓄電池使用可能時間を表示させる。制御部61は、通常の表示形態と異なる表示形態として、たとえば蓄電池使用可能時間を点滅させる。他の表示形態は、たとえば、輝度を変更する、色を変更する、などの形態とすることができる。制御部61は、負荷検出情報に基づいて蓄電池使用可能時間を表示するときに、その表示した旨を外部(ユーザ)に報知してもよい。報知方法は、たとえば、音声、ブザー音、光、等を用いることができる。つまり、制御部61は、報知部としての機能を有する。
【0066】
上記の蓄電池使用可能時間は、パワーコンディショナ11の負荷量(消費電力)に基づいて算出される。パワーコンディショナ11の負荷量は、パワーコンディショナ11に対する負荷211~214の接続状態の変更(プラグの抜き差しや電源スイッチのオン・オフの切替え)によって変化する。制御部61は、負荷検出情報に基づいて、パワーコンディショナ11に対する負荷の接続状態が変更されたことを取得する。そして、制御部61は、接続状態が変更されたパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。言い換えると、制御部61は、パワーコンディショナ11に対する負荷の接続状態の変化をトリガとして、そのパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間を表示する。これにより、ユーザは、コントローラ60の操作部64を操作することなく、蓄電池使用可能時間を確認することができる。
【0067】
パワーコンディショナ11に対して負荷の接続状態を変更したときについて説明したが、
図1に示すパワーコンディショナ12,13についても同様である。制御部61は、各パワーコンディショナ12,13の各種の情報を取得する。そして、制御部61は、各パワーコンディショナ12,13の負荷検出情報に基づいて、負荷の接続状態の変化をトリガとして、該当するパワーコンディショナ12,13の蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。これにより、ユーザは、コントローラ60の操作部64を操作することなく、各パワーコンディショナ11~13の蓄電池使用可能時間を確認することができる。
【0068】
図4は、蓄電池使用可能時間を表示する処理を示す。
制御部61は、
図4のステップS101~S108を実行し、蓄電池使用可能時間を
図2の表示部63に表示する。ここでは、一例として、
図1に示すパワーコンディショナ11について負荷の接続状態を変更した場合について説明する。
【0069】
先ず、ステップS101において、制御部61は、終了条件を満たしているか否かを判定する。終了条件は、蓄電池使用可能時間を表示しない条件、たとえば、コントローラ60の操作部64が操作部64の操作によって他の情報を表示するようになった場合を含む。制御部61は、終了条件を満たしていない場合(判定:NO)、ステップS102に移行し、終了条件を満たしている場合(判定:YES)、処理を終了する。つまり、制御部61は、終了条件を満たすまで、ステップS101~S108の処理を繰り返し実行する。
【0070】
ステップS102において、制御部61は、指定時間だけSLEEPした後、ステップS103に移行する。
ステップS103において、制御部61は、カウント値nを初期化(=1)し、ステップS104に移行する。カウント値nは、コントローラ60に接続された総てのパワーコンディショナ10(11~13)について処理するためのものである。カウント値nは、パワーコンディショナ11~13について、表示のための識別のための情報(「1」~「3」)に相当する。
【0071】
ステップS104において、制御部61は、カウント値nと接続数Nとを大小比較する。接続数Nは、コントローラ60に接続されているパワーコンディショナ10の台数である。接続数Nは、制御部61が通信部62を介して受信する信号の応答数、識別情報の数、等によって設定される。
図1に示す本実施形態の電力供給システムでは、接続数Nは「3」に設定される。制御部61は、カウント値nが接続数N以下の場合(判定:YES)、ステップS105に移行する。一方、制御部61は、カウント値nが接続数Nよりも大きい場合(判定:NO)、ステップS101に移行する。
【0072】
ステップS105において、制御部61は、パワーコンディショナ(PCS)nの消費電力が減少、または、増加したか否かを判定する。ここで、n=1(ステップS103)であるため、PCSnは、1台目のパワーコンディショナ、つまりパワーコンディショナ11を示す。消費電力の増減は、パワーコンディショナ11が検出した消費電力により設定した負荷検出情報により判定できる。制御部61は、消費電力が増減したと判定した場合(判定:YES)、ステップS106に移行する。一方、制御部61は、消費電力が増減していないと判定した場合(判定:NO)、ステップS108に移行する。
【0073】
ステップS106において、制御部61は、PCSnの蓄電池使用可能時間を表示中でないか否かを判定する。制御部61は、表示中でない場合(判定:YES)、ステップS107に移行する。一方、制御部61は、表示中である場合(判定NO)、ステップS108に移行する。たとえば、2台目(PCS2)のパワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間を表示中である場合、1台目(PCS1)のパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間の表示中ではない(判定:YES)ため、制御部61はステップS107に移行する。
【0074】
ステップS107において、制御部61は、1台目(PCS1)のパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間を表示する。そして、ステップS108に移行する。
ステップS108において、制御部61は、カウント値nをカウントアップ(+1)する。そして、制御部61は、ステップS104に移行する。
【0075】
制御部61は、ステップS104~S108について、上記と同様に、2台目(PCS2)のパワーコンディショナ12について処理を実行する。この場合、パワーコンディショナ12について消費電力の増減はないため、制御部61は、ステップS105における判定結果(判定:NO)によってステップS108へと移行する。また、制御部61は、ステップS104~S108について、上記と同様に、3台目(PCS3)のパワーコンディショナ13について処理を実行する。この場合、パワーコンディショナ13について消費電力の増減はないため、制御部61は、ステップS105における判定結果(判定:NO)によってステップS108へと移行する。
【0076】
(作用)
次に、第1実施形態の電力供給システムの作用を説明する。
電力供給システムは、3台のパワーコンディショナ11~13と、パワーコンディショナ11~13に接続された1台のコントローラ60とを有している。各パワーコンディショナ11~13は、制御部11a~13a、蓄電池11b~13bを有している。
【0077】
パワーコンディショナ11~13の制御部11a~13aは、自立運転モードにおいて、接続された負荷211~214、221,222、231,232による消費電力を算出する。また、各制御部11a~13aは、蓄電池11b~13bの蓄電量を算出する。そして、各制御部11a~13aは、蓄電量と消費電力とに基づいて、蓄電池11b~13bから負荷211~214、221,222、231,232へ交流電圧を供給し続けることが可能な蓄電池使用可能時間を算出する。また、各制御部11a~13aは、各パワーコンディショナ11~13に接続された負荷の電源がオン・オフされたか否かを判定し、負荷検出情報を設定する。
【0078】
コントローラ60の制御部61は、各パワーコンディショナ11~13の情報を取得する。そして、制御部61は、操作部64の操作により、各パワーコンディショナ11~13から取得した情報を、表示部63に表示する。たとえば、制御部61は、
図2に示す操作ボタン643の操作により、各パワーコンディショナ11~13の蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。したがって、ユーザは、コントローラ60の操作ボタン643を操作することにより、各パワーコンディショナ11~13について、
図5~
図7に示すように、負荷を使用し続けることが可能な時間(蓄電池使用可能時間)を知ることができる。
【0079】
自立運転モードにおいて、負荷を使用し続けることができる時間を延ばすことが求められる。たとえば、
図1に示す各パワーコンディショナ11~13の蓄電池11b~13bから負荷211~214、221,222、231,232に対して、
図5~
図7に示す蓄電池使用可能時間、交流電圧を供給し続けることができる。これらの例において、パワーコンディショナ11~13における蓄電池使用可能時間を延ばすことが考えられる。
【0080】
たとえば、
図1に示すパワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間は、
図6に示すように、「85」分である。この場合、ユーザは、
図1に示す負荷221,222のうちの1つを、パワーコンディショナ12から、蓄電池使用可能時間が長いパワーコンディショナ11へと接続切替えすることを考える。
【0081】
ユーザは、このパワーコンディショナ12に接続されていると思われる負荷の電源をオフする。たとえば、
図1に示す負荷221の電源をオフする。パワーコンディショナ12の制御部12aは、負荷221の電源オフによって減少した消費電力と、蓄電池12bの蓄電量とに基づいて、蓄電池使用可能時間を算出する。また、制御部12aは、負荷検出情報を設定する。
【0082】
コントローラ60は、負荷221の電源オフをトリガとして、パワーコンディショナ12から取得した蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。制御部61は、たとえば
図9に示すように、パワーコンディショナ12の識別情報「2」と蓄電池使用可能時間「155」とを表示部63に表示する。これにより、ユーザは、コントローラ60の操作部64を操作することなく、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間が増加したことを確認できる。つまり、ユーザが蓄電池使用可能時間を知るための手間を省略することができる。
【0083】
なお、
図10に示すように、表示部63に切替えたことを示す切替表示部638を設けてもよい。切替表示部638は、例えば点灯・消灯するもの、点滅するもの、文字として表示するもの、等としてもよい。
【0084】
ユーザは、電源をオフした負荷221を
図1に示す特定接続部111に接続し、電源をオンする。この場合、パワーコンディショナ11の制御部11aは、接続された負荷221の電源オンにより変化(増加)する消費電力と、蓄電池11bの蓄電量とに基づいて、蓄電池使用可能時間を算出する。また、制御部11aは、負荷検出情報を設定する。
【0085】
コントローラ60は、負荷221の電源オンをトリガとして、パワーコンディショナ11から取得した蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。制御部61は、パワーコンディショナ11の識別情報「1」と蓄電池使用可能時間とを表示部63に表示する。これにより、ユーザは、コントローラ60の操作部64を操作することなく、負荷の接続変更がパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が減少したことを確認できる。つまり、ユーザは、負荷221をパワーコンディショナ11に正しく接続できたことを確認することができる。
【0086】
また、
図5~
図7に示す蓄電池使用可能時間の状態において、たとえば、ユーザが
図1に示すパワーコンディショナ11に接続された負荷211の電源をオフする。この場合、表示部63には、そのパワーコンディショナ11の識別情報「1」と、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が表示部63に表示される。これにより、ユーザは、間違った負荷211の電源をオフしたことを容易に知ることができる。
【0087】
ユーザは、負荷211の電源をオンし、他の負荷、たとえば負荷221の電源をオフする。この場合、表示部63には、そのパワーコンディショナ12の識別情報「2」と、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間が表示部63に表示される。これにより、ユーザは、意図した負荷221の電源をオフしたことを容易に知ることができる。このように、ユーザが意図したパワーコンディショナ12に接続された負荷221の電源をオフすることができる。
【0088】
(効果)
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1-1)電力供給システムは、3台のパワーコンディショナ11~13と、パワーコンディショナ11~13に接続された1台のコントローラ60とを有している。各パワーコンディショナ11~13は、制御部11a~13a、蓄電池11b~13bを有している。
【0089】
コントローラ60の制御部61は、パワーコンディショナ11~13から取得した負荷検出情報に基づいて、パワーコンディショナ11~13における負荷量(消費電力)の変化があったか否かを判定する。そして、負荷量が変化している場合、その負荷量が変化したパワーコンディショナ11~13における蓄電池使用可能時間を表示部63に表示させる。これにより、ユーザは、コントローラ60の操作部64を操作することなく、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間が増加したことを確認できる。つまり、ユーザが蓄電池使用可能時間を知るための手間を省略することができる。
【0090】
(1-2)コントローラ60は、負荷221の電源オンをトリガとして、パワーコンディショナ11から取得した蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。制御部61は、パワーコンディショナ11の識別情報「1」と蓄電池使用可能時間とを表示部63に表示する。これにより、ユーザは、コントローラ60の操作部64を操作することなく、負荷の接続変更がパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が減少したことを確認できる。つまり、ユーザは、負荷221をパワーコンディショナ11に正しく接続できたことを確認することができる。
【0091】
(1-3)ユーザが
図1に示すパワーコンディショナ11に接続された負荷211の電源をオフする。この場合、表示部63には、そのパワーコンディショナ11の識別情報「1」と、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が表示部63に表示される。これにより、ユーザは、間違った負荷211の電源をオフしたことを容易に知ることができる。
【0092】
(1-4)ユーザは、負荷211の電源をオンし、他の負荷、たとえば負荷221の電源をオフする。この場合、表示部63には、そのパワーコンディショナ12の識別情報「2」と、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間が表示部63に表示される。これにより、ユーザは、意図した負荷221の電源をオフしたことを容易に知ることができる。このように、ユーザが意図したパワーコンディショナ12に接続された負荷221の電源をオフすることができる。
【0093】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を説明する。
なお、本実施形態の電力供給システムは、第1実施形態の電力供給システムと同じ構成であり、コントローラ60における制御が異なる。このため、第2実施形態の電力供給システムについて、第1実施形態の電力供給システムの構成部材および符号を用いて説明する。
【0094】
コントローラ60の制御部61は、負荷の電源をオフ・オフしたパワーコンディショナ10(11~13)について、変更後のパワーコンディショナ10(11~13)における蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する機能を有している。また、本実施形態の制御部61は、ユーザが指定したパワーコンディショナ10(11~13)に対して電源をオフした負荷を接続したと仮定したときの蓄電池使用可能時間、つまり蓄電池使用可能時間の予測値を表示部63に表示する機能を有している。これらの機能について説明する。
【0095】
各パワーコンディショナ11~13の制御部11a~13aは、第1実施形態にて説明したように、発電電力、蓄電池残量、蓄電池使用可能時間、負荷検出結果、等を含む情報を送信する。コントローラ60の制御部61は、各パワーコンディショナ11~13から取得した情報を記憶部65に順次記憶する。
【0096】
制御部61は、負荷検出情報に基づいて、各パワーコンディショナ11~13について、消費電力が変化したか否かを判定する。
制御部61は、各パワーコンディショナ11~13について、消費電力が減少したか否かを判定する。制御部61は、消費電力が減少した場合、取得した消費電力と、1つ前に取得して記憶部65に記憶した消費電力と、に基づいて、減少した消費電力を算出する。以下、減少電力量という。そして、制御部61は、算出した消費電力を保存する、つまり減少電力量を記憶部65に記憶する。
【0097】
制御部61は、各パワーコンディショナ11~13から取得した情報に基づいて、各種の情報を表示部63に表示する。たとえば、制御部61は、各パワーコンディショナ11~13から取得した蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。
【0098】
制御部61は、ユーザが専用ボタンを操作したか否かを判定する。そして、ユーザが専用ボタンを操作した場合、制御部61は、その操作に基づいて、蓄電池使用可能時間の予測時間を表示部63に表示する。制御部61は、操作部64に含まれる所定の操作ボタンに対する所定の操作によって専用ボタンが操作されたと判定する。所定の操作は、たとえば
図2に示す操作ボタン643を所定時間(たとえば3秒)以上押し続けていた、つまり操作ボタン643を長押しする操作である。
【0099】
専用ボタンが操作されると、制御部61は、負荷の電源がオフされたパワーコンディショナ(第1パワーコンディショナ)以外のパワーコンディショナ(第2パワーコンディショナ)について蓄電池使用可能時間の予測時間を表示部63に表示する。このとき、制御部61は、所定の順番で、負荷の電源がオフされたパワーコンディショナ以外のパワーコンディショナのうちの1台を選択し、その選択したパワーコンディショナの蓄電池使用可能時間の予測時間を表示する。所定の順番は、たとえば、パワーコンディショナ10(11~13)の蓄電池使用可能時間の順番(たとえば多い順)である。
【0100】
詳述すると、制御部61は、選択したパワーコンディショナの予測電力量を算出する。予測電力量は、選択したパワーコンディショナから取得した消費電力値に、負荷の電源がオフされたパワーコンディショナの減少電力量の絶対値を加算した結果の値として得られる。次に、制御部61は、算出した予測電力量と、選択したパワーコンディショナの蓄電池の蓄電量とに基づいて、選択したパワーコンディショナの蓄電池使用可能時間の予測時間を算出する。そして、制御部61は、算出した蓄電池使用可能時間の予測時間を表示部63に表示する。
【0101】
なお、表示部63に表示する予測時間を切替えるようにしてもよい。たとえば、専用ボタンが操作される毎に、優先度に従って選択したパワーコンディショナについて上記したように予測時間を算出し、その予測時間を表示部63に表示してもよい。優先度は、たとえば、コントローラ60の制御部61によって予め設定され、記憶部65に記憶される。また、タイマー等によって所定時間毎に、優先度にしたがって選択するパワーコンディショナを変更し、選択したパワーコンディショナの予測時間を表示部63に表示するようにしてもよい。また、所定の順番として、優先度以外に、たとえばパワーコンディショナ10(11~13)の識別番号を用いてもよい。
【0102】
図11A、
図11Bは、蓄電池使用可能時間を表示した後、優先度の高いパワーコンディショナのみの予測時間を表示する処理を示す。
制御部61は、ステップS201~S215を実行し、蓄電池使用可能時間を表示した後、予測時間を表示する。
【0103】
先ず、ステップS201において、制御部61は、終了条件を満たしているか否かを判定する。終了条件は、蓄電池使用可能時間を表示しない条件、たとえば、コントローラ60の操作部64が操作部64の操作によって他の情報を表示するようになった場合を含む。制御部61は、終了条件を満たしていない場合(判定:NO)、ステップS202に移行し、終了条件を満たしている場合(判定:YES)、処理を終了する。つまり、制御部61は、終了条件を満たすまで、ステップS201~S215の処理を繰り返し実行する。
【0104】
ステップS202において、制御部61は、専用ボタンが押下されたか否かを判定する。専用ボタンが押下されていないと判定した場合(判定:NO)、制御部61は、ステップS203に移行する。一方、専用ボタンが押下されたと判定した場合(判定:YES)、制御部61はステップS212に移行する。
【0105】
ステップS203において、制御部61は、指定時間だけSLEEPした後、ステップS204に移行する。
ステップS204において、制御部61は、カウント値nを初期化(=1)し、ステップS205に移行する。カウント値nは、コントローラ60に接続された総てのパワーコンディショナについて処理するためのものである。カウント値nは、パワーコンディショナ11~13について、表示のための識別のための情報(「1」~「3」)に相当する。
【0106】
ステップS205において、制御部61は、カウント値nと接続数Nとを大小比較する。接続数Nは、コントローラ60に接続されているパワーコンディショナの台数である。接続数Nは、制御部61が通信部62を介して受信する信号の応答数、識別情報の数、等によって設定される。
図1に示す本実施形態の電力供給システムでは、接続数Nは「3」に設定される。制御部61は、カウント値nが接続数N以下の場合(判定:YES)、ステップS206に移行する。一方、制御部61は、カウント値nが接続数Nよりも大きい場合(判定:NO)、ステップS211に移行する。
【0107】
ステップS206において、制御部61は、パワーコンディショナ(PCS)nの消費電力が減少、または、増加したか否かを判定する。ここで、n=1(ステップS204)であるため、PCSnは、1台目のパワーコンディショナ、つまりパワーコンディショナ11を示す。消費電力の増減は、パワーコンディショナ11が検出した消費電力により設定した負荷検出情報により判定できる。制御部61は、消費電力が増減したと判定した場合(判定:YES)、ステップS207に移行する。一方、制御部61は、消費電力が増減していないと判定した場合(判定:NO)、ステップS211に移行する。
【0108】
ステップS207において、制御部61は、PCSnの消費電力が減少したか否かを判定する。消費電力が減少した場合(判定:YES)、制御部61はステップS208に移行する。一方、消費電力が減少していない場合(判定:NO)、制御部61はステップS209に移行する。
【0109】
ステップS208において、制御部61は、減少した消費電力(減少電力量)を保持する、つまり記憶部65に記憶する。その後、制御部61はステップS209に移行する。
ステップS209において、制御部61は、PCSnの蓄電池使用可能時間を表示中でないか否かを判定する。制御部61は、表示中でない場合(判定:YES)、ステップS210に移行する。一方、制御部61は、表示中である場合(判定NO)、ステップS211に移行する。たとえば、2台目(PCS2)のパワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間を表示中である場合、1台目(PCS1)のパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間の表示中ではないため、判定:YESとなり、制御部61はステップS210に移行する。
【0110】
ステップS210において、制御部61は、1台目(PCS1)のパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間を表示する。そして、ステップS211に移行する。
ステップS211において、制御部61は、カウント値nをカウントアップ(+1)する。そして、制御部61は、ステップS205に移行する。
【0111】
制御部61は、2台目(PCS2)のパワーコンディショナ12について、上記と同様に、ステップS205~S211の処理を実行する。この場合、パワーコンディショナ12について消費電力の増減はないため、制御部61は、ステップS206における判定結果(判定:NO)によってステップS211へと移行する。また、制御部61は、3台目(PCS3)のパワーコンディショナ13について、上記と同様に、ステップS205~S211の処理を実行する。この場合、パワーコンディショナ13について消費電力の増減はないため、制御部61は、ステップS206における判定結果(判定:NO)によってステップS211へと移行する。
【0112】
ステップS202において、専用ボタンが押下されたと判定した場合(判定:YES)、制御部61は
図11BのステップS212に移行する。
ステップS212において、制御部61は、減少した消費電力が保存されているか否かを判定する。減少した消費電力が保存されている場合(判定:YES)、制御部61はステップS213に移行する。一方、減少した消費電力が保存されていない場合(判定:NO)、制御部61は
図11AのステップS201に移行する。
【0113】
ステップS213において、制御部61は、優先度が最も高いPCSを選択する。そして、制御部61は、ステップS214に移行する。
ステップS214において、制御部61は、減少した消費電力を元にして、蓄電池使用可能時間の予測時間を算出した後、ステップS215に移行する。詳述すると、制御部61は、減少した消費電力を記憶部65から読み出し、その消費電力と、選択したパワーコンディショナから取得した消費電力とを加算して、選択したパワーコンディショナについて負荷を接続したときの消費電力の予測値を算出する。そして、制御部61は、算出した予測値と、選択したパワーコンディショナの蓄電池の蓄電量とに基づいて、選択したパワーコンディショナにおける蓄電池使用可能時間の予測時間を算出する。そして、制御部61は、ステップS215に移行する。
【0114】
ステップS215において、制御部61は、ステップS214において算出した予測時間を
図2の表示部63に表示する。そして、制御部61は、
図11AのステップS201に移行する。
【0115】
(作用)
次に、第2実施形態の電力供給システムの作用を説明する。
図5~
図7は、
図1に示すパワーコンディショナ11~13の蓄電池使用可能時間の一例を示す。ユーザは、
図2に示すコントローラ60の操作部64の操作ボタン643を操作する。制御部61は、その操作にしたがって、各パワーコンディショナ11~13から取得した識別情報と蓄電池使用可能時間とを表示部63に表示する。
【0116】
図5に示すように、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間は「270」分である。また、
図6に示すように、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間は「85」分である。また、
図7に示すように、パワーコンディショナ13の蓄電池使用可能時間は「100」分である。
【0117】
各パワーコンディショナ11~13の蓄電池使用可能時間は、ユーザにとって差が少ないほうが好ましい場合がある。たとえば、負荷は夜間の照明等が該当する。複数の負荷のうち一つでも使用できなくなると生活に支障がでるため、ユーザにとっては差が無い方が好ましい。
図5~
図7に示す例では、パワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間が最も短く、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が最も長い。このため、ユーザは、パワーコンディショナ12に接続されている負荷、たとえば
図1に示す負荷221を、パワーコンディショナ11に接続しなおすことを行う。
【0118】
このとき、コントローラ60の制御部61は、負荷221の電源をオフ(プラグを抜く)ことをトリガとして、パワーコンディショナ12において減少した消費電力を保持した後、蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。制御部61は、たとえば、
図13に示すように、パワーコンディショナ12の識別情報「2」と蓄電池使用可能時間「155」とを表示部63に表示する。
【0119】
この状態において、ユーザは専用ボタンを操作する。コントローラ60の制御部61は、専用ボタンの操作に基づいて、たとえば優先度の高いパワーコンディショナの蓄電池使用可能時間の予測時間を表示する。
図5~
図7に示す例では、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が最も長い。したがって、コントローラ60の制御部61は、パワーコンディショナ11を選択する。制御部61は、選択したパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間の予測時間を算出する。そして、制御部61は、
図12に示すように、パワーコンディショナ11の識別情報「1」と算出した予測時間「200」とを表示部63に表示する。これにより、ユーザは、パワーコンディショナ11に負荷221を接続した場合の蓄電池使用可能時間(予測時間)を確認することができる。
【0120】
図14は、パワーコンディショナ13の蓄電池使用可能時間を示す。このパワーコンディショナ13の蓄電池使用可能時間は「100」である。
図15~
図17に示すように、パワーコンディショナ12,13の蓄電池使用可能時間と、パワーコンディショナ11の予測時間との差を少なくできる。
【0121】
なお、専用ボタンの押下によって、所望のパワーコンディショナについて予測時間を表示させることもできる。たとえば、
図15~
図17は、専用ボタンの操作によって蓄電池使用可能時間と予測時間とを表示する例を示す。
【0122】
上記と同様に、
図1に示すパワーコンディショナ12に接続された負荷221の電源をオフする。これをトリガとして、コントローラ60の制御部61は、
図16に示すように、パワーコンディショナ12の識別情報「2」と蓄電池使用可能時間「155」とを表示部63に表示する。
【0123】
この状態において、ユーザは専用ボタンを操作する。コントローラ60の制御部61は、専用ボタンの操作に基づいて、たとえば優先度に従ってパワーコンディショナ11を選択する。そして、制御部61は、選択したパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間の予測時間を算出する。そして、制御部61は、
図15に示すように、パワーコンディショナ11の識別情報「1」と算出した予測時間「200」とを表示部63に表示する。
【0124】
次に、ユーザが再び専用ボタンを操作すると、コントローラ60の制御部61は、優先度に従ってパワーコンディショナ13を選択する。そして、制御部61は、選択したパワーコンディショナ13の蓄電池使用可能時間の予測時間を算出する。そして、制御部61は、
図17に示すように、パワーコンディショナ13の識別情報「3」と算出した予測時間「30」とを表示部63に表示する。
【0125】
このように、制御部61は、負荷221の電源をオフしたパワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。そして、制御部61は、電源をオフした負荷221を接続したときのパワーコンディショナ11,13の蓄電池使用可能時間の予測時間を表示部63に表示する。これらの表示により、ユーザは、負荷221をパワーコンディショナ11に接続すればよいことを確認することができる。
【0126】
(効果)
以上記述したように、本実施の形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
【0127】
(2-1)ユーザは専用ボタンを操作する。コントローラ60の制御部61は、専用ボタンの操作に基づいて、たとえば優先度の高いパワーコンディショナの蓄電池使用可能時間の予測時間を表示する。
図5~
図7に示す例では、パワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間が最も長い。したがって、コントローラ60の制御部61は、パワーコンディショナ11を選択する。制御部61は、選択したパワーコンディショナ11の蓄電池使用可能時間の予測時間を算出する。そして、制御部61は、
図12に示すように、パワーコンディショナ11の識別情報「1」と算出した予測時間「200」とを表示部63に表示する。これにより、ユーザは、パワーコンディショナ11に負荷221を接続した場合の蓄電池使用可能時間(予測時間)を確認することができる。
【0128】
(2-2)コントローラ60の制御部61は、負荷221の電源をオフしたパワーコンディショナ12の蓄電池使用可能時間を表示部63に表示する。次に制御部61は、電源をオフした負荷221を接続したときのパワーコンディショナ11,13の蓄電池使用可能時間の予測時間を表示部63に表示する。これらの表示により、ユーザは、負荷221をパワーコンディショナ11に接続すればよいことを確認することができる。
【0129】
(変更例)
尚、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
上記実施形態は例えば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0130】
・上記実施形態に対し、電力供給システム、パワーコンディショナの構成を適宜変更してもよい。
図18は、変更例の電力供給システムを示す。
図19は、変更例のパワーコンディショナ10を示す。
図18に示すように、特定接続部111,112,113は、第1スイッチ111b,112b,113bと第2スイッチ111c,112c,113cとを備えている。
図19に示すように、変更例のパワーコンディショナ10は、上記実施形態の構成に対して、バイパスリレー38が省略されている。
【0131】
図18に示すように、特定接続部111の第1スイッチ111bと第2スイッチ111cは、別々に閉状態(オン状態)と開状態(オフ状態)とが切り換えることが可能である。したがって、負荷211~214について、パワーコンディショナ11および商用電力系統100に対して、双方に接続した状態、いずれか一方に接続した状態、いずれにも接続しない状態のいずれかを設定することができる。特定接続部112,113の第1スイッチ112b,113bと第2スイッチ112c,113cについても、特定接続部111と同様の状態とすることができる。
【0132】
・
図3に示すパワーコンディショナ11において、リレーを介して蓄電池11bを直流電圧バス37に接続してもよい。
図1に示すパワーコンディショナ12,13についても同様に、リレーを介して蓄電池12b,13bを直流電圧バスに接続してもよい。
【0133】
・複数のパワーコンディショナの状態を表示する表示部としてもよい。
・ネットワーク(有線または無線)や近接無線通信によってコントローラ60の制御部61と通信される端末装置にパワーコンディショナの状態を表示するようにしてもよい。
【0134】
・上記実施形態では、3つの太陽光パネル21~23と3つのパワーコンディショナ11~13を備えた電力供給システムとした。これに限定されず、太陽光パネルの数と、パワーコンディショナの数とをそれぞれ任意の数としてもよい。たおえば、1つの太陽光パネルと1つのパワーコンディショナとを備えた電力供給システムとしてもよい。
【符号の説明】
【0135】
10,11~13 パワーコンディショナ(PCS)
11a~13a 制御部
11b~13b 蓄電池
20,21~23 太陽光パネル
31 PVコンバータ
32 インバータ
33 フィルタ
34 系統連系リレー
35 自立運転リレー
36 DC-DCコンバータ
37 直流電圧バス
38 バイパスリレー
41~43 センサ
51 記憶部
52 通信部
60 コントローラ
61 制御部
62 通信部
63 表示部
64 操作部
641~649 操作ボタン
65 記憶部
100 商用電力系統
201~203 一般負荷(負荷)
211~214、221,222、231,232 負荷
T1 系統連系端子
T2 自立運転用出力端子