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特許7452506投影処理装置、投影装置、投影システム、プログラム及び投影方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】投影処理装置、投影装置、投影システム、プログラム及び投影方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240312BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240312BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240312BHJP
【FI】
G06Q50/12
G16Y10/45
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y20/40
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021154005
(22)【出願日】2021-09-22
(65)【公開番号】P2023045526
(43)【公開日】2023-04-03
【審査請求日】2022-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】保田 直彦
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-100316(JP,A)
【文献】特開2020-112866(JP,A)
【文献】特開2012-108282(JP,A)
【文献】特開2018-180760(JP,A)
【文献】特開平09-147021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 10/45
G16Y 20/10
G16Y 20/20
G16Y 20/40
G16Y 40/10
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
従業員による入力、又は、注文システムからの通信によりサービスの提供可能数を取得する取得部と
前記提供可能数に対応する数の報知画像を含む画像を投影画像として設定する画像設定部と
前記画像設定部により設定された前記投影画像を投影する投影部と、
を備え
前記画像設定部は、前記提供可能数に応じて複数の前記報知画像の表示形態を段階的に変化させる処理を実行する、
ことを特徴とする投影システム
【請求項2】
前記画像設定部は、前記提供可能数に応じて複数の前記報知画像の色を段階的に変化させる処理を実行する請求項1に記載の投影システム
【請求項3】
前記画像設定部は、
前記サービスの種類ごとに前記報知画像の表示内容を変更する請求項1に記載の投影システム
【請求項4】
前記画像設定部は、
表示形態が異なっている複数の前記報知画像を含む画像を前記投影画像として設定する請求項1から3の何れかに記載の投影システム
【請求項5】
撮影部と、判定部とをさらに備え、
前記撮影部は、投影された前記報知画像及び人を含む撮像画像を取得し、
前記判定部は、前記撮像画像に基づいて複数の前記報知画像のそれぞれと前記人との位置関係を判定し、
前記画像設定部は、前記提供可能数と前記判定部による判定結果とに基づいて前記投影画像設定する請求項1からの何れかに記載の投影システム
【請求項6】
前記判定部は、複数の前記報知画像のいずれも前記人と重なっていると判定された場合には、
前記画像設定部は、前記報知画像を1個追加して前記投影画像として設定する請求項5に記載の投影システム。
【請求項7】
撮影部と、判定部とをさらに備え、
前記撮影部は、前記サービスの種類ごとに設定される選択画像を含む撮像画像を取得し、
前記判定部は、前記撮像画像から前記選択画像を通過する人を検出すると、当該選択画像に対応する前記サービスの注文があったと判定する請求項に記載の投影システム
【請求項8】
前記画像設定部は、
注文があったと判定した前記サービスに対応する報知画像を含む画像を前記投影画像として設定する請求項に記載の投影システム
【請求項9】
コンピュータに、
従業員による入力、又は、注文システムからの通信によりサービスの提供可能数を取得する取得機能、
前記提供可能数に対応する数の報知画像を含む画像を投影画像として設定する画像設定機能、
前記投影画像を投影するための投影処理を実行する投影処理機能、
を実行させ
前記画像設定機能において、前記提供可能数に応じて複数の前記報知画像の表示形態を段階的に変化させる処理を実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータにより投影装置を制御する投影方法であって、
従業員による入力、又は、注文システムからの通信によりサービスの提供可能数を取得する取得ステップと、
前記提供可能数に対応する数の報知画像を含む画像を投影画像として設定する画像設定ステップと、
前記投影画像を投影するための投影処理を実行する投影ステップと、
を含み、
前記画像設定ステップにおいて、前記提供可能数に応じて複数の前記報知画像の表示形態を段階的に変化させる処理を実行する、
投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影処理装置、投影装置、投影システム、プログラム及び投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンだけでなく壁や空き領域等に画像を投影する投影装置に関する技術が知られている。この種の技術が記載されるものとして特許文献1がある。特許文献1は、携帯型のプロジェクタに関するものであり、レストラン等の小さな壁や、テーブルの小さな空き領域への投影を用途の1つとすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006―11346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レストラン等の店舗で投影装置を利用することにより、サービスの内容を顧客に分かり易く伝達できる。しかしながら、メニューの残数が少ない状態で店舗に行列ができたとしても、一部の顧客はサービスを受けることができず無駄足となってしまう。店舗が顧客に提供できるサービスの提供可能数を顧客側で把握することは難しく、提供可能数に応じた顧客へのサービスの案内を行うという点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、サービスを受ける顧客の効率的な案内を実現できる投影処理装置、投影装置、投影システム、プログラム及び投影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の投影システムは、従業員による入力、又は、注文システムからサービスの提供可能数を取得する取得部と、前記提供可能数に対応する数の報知画像を含む画像を投影画像として設定する画像設定部と、前記画像設定部により設定された前記投影画像を投影する投影部と、を備え、前記画像設定部は、前記提供可能数に応じて複数の前記報知画像の表示形態を段階的に変化させる処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の投影処理装置、投影装置、投影システム、プログラム及び投影方法によれば、サービスを受ける顧客の効率的な案内を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る投影システムを示す模式図である。
図2】本実施形態の投影装置によって店舗のカウンターのサービス受領側の床に投影される報知画像の一例を示す模式図である。
図3】本実施形態の投影装置によって店舗のカウンターのサービス受領側の床に投影される報知画像の一例を示す模式図である。
図4】本実施形態の投影システムのハードウェアの構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態の投影処理装置の機能的構成のうち、投影処理を行うための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図6】本実施形態の投影処理装置が実行する投影処理の流れの前半を説明するフローチャートである。
図7】本実施形態の投影処理装置が実行する投影処理の流れの後半を説明するフローチャートである。
図8】本実施形態の投影処理装置が実行する投影処理の流れの後半を説明するフローチャートである。
図9】本実施形態の投影装置によって店舗のカウンターのサービス受領側の床に投影される報知画像の一例を示す模式図である。
図10】本実施形態の投影装置によって店舗のカウンターのサービス受領側の床に投影される報知画像の一例を示す模式図である。
図11】本実施形態の投影装置によって店舗のカウンターのサービス受領側の床に投影される報知画像の一例を示す模式図である。
図12】本実施形態の投影処理装置が実行する完売を示す報知画像を表示する処理の流れを説明するフローチャートである。
図13】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図14】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図15】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図16】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図17】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図18】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図19】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理の流れを説明するフローチャートである。
図20】本実施形態の投影処理装置が実行する報知画像と人の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図21】本実施形態の投影処理装置が実行する報知画像と人の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図22】本実施形態の投影処理装置が実行する報知画像と人の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図23】本実施形態の投影処理装置が実行する報知画像と人の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図24】本実施形態の投影処理装置が実行する報知画像と人の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図25】本実施形態の投影処理装置が実行する報知画像と人の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
図26】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理の流れを説明するフローチャートの前半である。
図27】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理の流れを説明するフローチャートの後半である。
図28】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づいてメニューを決定する処理を説明する模式図である。
図29】本実施形態の投影処理装置が実行する撮像画像に基づく投影処理の流れを説明するフローチャートである。
図30】本実施形態の投影処理装置が実行する列の最後尾にメニューを表示する処理を説明する模式図である。
図31】本実施形態の投影装置によって店舗のカウンターのサービス受領側の床に投影される報知画像の一例を示す模式図である。
図32】別の実施形態の投影装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<投影システム>
まず、本実施形態の投影システム1の概要について説明する。なお、本明細書におけるシステムは、複数の装置や複数の手段等により構成される全体的な装置だけではなく単独の装置で構成されるものも含まれるものとする。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る投影システム1を示す模式図である。図1には、ビルディング内のあるフロアに設けられたカフェテリアの一部の様子が示されている。以下の説明では、カフェテリアに設けられたレストランA(以下、店舗4と呼ぶ)による食事の提供を例として説明する。店舗4では、カウンター5内にいるサービス提供者7が、ユーザ8からの注文に応じた食事を提供する。しかし、店舗4が提供するものは食事に限定されない。例えば、店舗4が提供するサービスは、飲み物、食品等の商品の販売、映画やコンサート等のチケットの販売、ユーザ8に対する散髪やマッサージ等であってもよい。
【0011】
本実施形態の投影システム1は、店舗4におけるサービス提供者7から食事を受け取る場所(カウンター5)の天井付近に設置される投影装置2と、店舗4におけるサービス提供者7から食事を受け取るカウンター5の周囲を撮像する撮像装置3と、投影装置2や撮像装置3とWi―Fi(登録商標)等の無線通信又は有線通信でデータの通信を行う情報処理装置10と、を備える。
【0012】
図1の例では、投影装置2、撮像装置3及び情報処理装置10が別体となっているが、この構成に限定されるわけではない。例えば、投影装置2が撮像装置3を内蔵する構成であってもよいし、投影装置2が情報処理装置10を内蔵する構成であってもよい。また、投影装置2、撮像装置3及び情報処理装置10が1つの筐体に収容される構成でもよい。なお、図1では説明の便宜上、投影装置2と撮像装置3を別体としているが、以降の説明では投影装置2に撮像装置3が内蔵されて動作を行うものとする。
【0013】
情報処理装置10は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のコンピュータである。しかし、これに限らず、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータでも良い。情報処理装置10は、店舗4での提供可能な食事の数量(以下、提供可能数と呼ぶ)と、店舗4におけるサービス提供者7から食事を受け取るカウンター5の外側(ユーザ8が立っている側。以降、サービス受領側と呼ぶ。)に表示する画像を取得する。これらの取得方法としては、例えば店舗4の従業員による提供可能数を情報処理装置10に含まれる図示しないキーボードでの入力や、情報処理装置10に内蔵されるメモリ(HDD、フラッシュメモリ等)に予め記憶されている画像を利用する。
【0014】
投影装置2は、取得した提供可能数が示す数分の画像を店舗4のカウンター5におけるサービス受領側の床6にサービスが提供可能であることを報知するための画像として投影する。撮像装置3は、投影装置2の制御に基づいて店舗4のカウンター5におけるサービス受領側の周囲の画像を撮像する。
【0015】
図2及び図3は、本実施形態の投影装置2によって店舗4のサービス受領側に投影される報知画像50の一例を示す模式図である。図2及び図3には、投影装置2によって店舗4のカウンター5におけるサービス受領側の床6に報知画像50が表示される例が平面視で示されている。なお、図2及び図3においてユーザ8の図示は省略している。
【0016】
図2の例では、投影装置2が1つのメニューに対応する提供可能数を情報処理装置10から取得した場合である。この場合、投影装置2は、サービスの提供可能を示す角丸長方形の報知画像50を投影する。報知画像50の数は、例えば店舗4が提供するA定食の提供可能数と一致しており(即ち提供可能数と一致する)、また角丸長方形の報知画像50は、店舗4が提供するA定食に対応している。従ってユーザ8は、店舗4がA定食を5セット提供可能であることがわかる。また、報知画像50の1種類の画像のみが投影されていることから、店舗4が提供できるメニューの数が1種類であることがわかる。ここでメニューとは、店舗4が提供する献立のうち、ある1つの料理(定食、カレーライス、ラーメン等)を示す。
【0017】
図3の例では、投影装置2が2つのメニューに対応する提供可能数を情報処理装置10から取得した場合である。この場合、投影装置2によって2種類の報知画像50、51が投影される。角丸長方形の報知画像50は、図2の例と同様にA定食に対応する。二等辺三角形の報知画像51は、報知画像50の形状とは異なるため、角丸長方形の報知画像50が示すA定食とは異なるメニューであることがわかる。本実施例では、二等辺三角形の報知画像51は、例えば店舗4が提供するA定食とは異なるメニューであるカレーライスに対応する。即ち、報知画像51の数がカレーライスの提供可能数に一致する。従って、店舗4は、A定食を5セット提供可能であるとともに、カレーライスを5セット提供可能であることがわかる。
【0018】
<投影処理装置の構成>
次に、上記投影システム1を実現する情報処理装置10の構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10のハードウェアの構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、通信部17と、バス18と、入出力インターフェース19と、を備える。
【0019】
プロセッサ11は、情報処理装置10の動作に必要な演算及び制御等の処理を行うコンピュータの中枢部分であり、各種演算及び処理等を行う。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、SoC(System on a Chip)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等である。或いは、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ11は、これらにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものあっても良い。
【0020】
プロセッサ11は、ROM12又はRAM13等に記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア等のプログラムに基づいて、情報処理装置10の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサ11は、プログラムに基づく後述の処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサ11の回路内に組み込まれていても良い。
【0021】
プロセッサ11、ROM12及びRAM13は、バス18を介して相互に接続されている。このバス18にはまた、入出力インターフェース19も接続されている。入出力インターフェース19には、入力部14、出力部15、記憶部16及び通信部17等が接続される。
【0022】
入力部14及び出力部15は、有線又は無線により電気的に入出力インターフェース19に接続されるユーザインターフェースである。入力部14は、例えばキーボードやマウス、各種のボタン、マイク等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。出力部15は、例えば画像を表示するディスプレイや音声を拡声するスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
【0023】
記憶部16は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、画像補正処理に関する各種のデータテーブルや画像のデータ等を記憶する。
【0024】
通信部17は、インターネットを含むネットワークを介して投影装置2や撮像装置3や他の装置(図示せず)との間で通信を行うための装置である。
【0025】
本実施形態の投影装置2及び撮像装置3は、情報処理装置10によって無線通信又は有線通信を用いて遠隔制御される。投影装置2と情報処理装置10の通信は、例えば、インターネットや、LAN(Local Area Network)や、携帯電話網の何れか又はこれらを組み合わせたネットワーク等を介して行われる。なお、通信部17は、ネットワークを介しない近距離通信を行うための装置でもよい。
【0026】
次に、情報処理装置10の機能的構成について説明する。図5は、本実施形態の情報処理装置10の機能的構成のうち、投影処理を行うための機能的構成を示す機能ブロック図である。情報処理装置10の各種の制御を行う処理部30は、演算処理を実行するプロセッサ11によって実現される。処理部30はプロセッサ11ということもできる。
【0027】
本実施形態の処理部30は、通信制御部(通信制御機能)31と、提供可能数取得部(取得機能)32と、画像設定部(画像設定機能)33と、撮像画像取得部(撮像画像取得機能)34と、画像判定部(画像判定機能)35と、投影処理部(投影処理機能)36と、を有する。
【0028】
通信制御部31は、通信部17を介して外部の機器と通信するための処理を実行する。例えば、通信制御部31は、通信部17を介して投影装置2や撮像装置3と各種の情報を送受信するための処理を実行する。
【0029】
提供可能数取得部32は、店舗4が現在ユーザ8に提供できるサービス(図3の例ではA定食、カレーライス)、提供可能数を取得する処理を実行する。提供可能数取得部32は、例えば、通信部17を介して店舗4の図示しない注文システムからサービスの内容ごとの提供可能数を取得する。また、提供可能数取得部32は、入力部14を介して店舗4の従業員に入力された提供可能数を取得する。このように、提供可能数は、種々の方法で取得することができる。
【0030】
画像設定部33は、投影する報知画像50、51の表示内容を設定するための処理を実行する。画像設定部33によって設定された報知画像50、51が投影装置2によって投影される。なお、画像設定部33による表示内容の設定処理については後述する。
【0031】
撮像画像取得部34は、撮像装置3によって撮像された撮像画像を取得する。撮像画像は、撮像装置3によって所定のフレームレートで撮像された画像が連続する動画を構成するものであってもよい。本実施形態では、撮像装置3は、店舗4のカウンター5のサービス受領側の床6に投影された報知画像50、51を含むように撮像範囲が設定されているので、撮像画像には報知画像50、51が含まれることになる。
【0032】
画像判定部35は、撮像画像取得部34によって撮像された撮像画像に対して店舗4のカウンター5のサービス受領側の状況を解析するための処理を実行する。画像判定部35は、画像処理により撮像画像に人が含まれるか否か等を判定する。
【0033】
投影処理部36は、投影装置2によって画像を投影する処理を実行する。投影処理部36は、画像設定部33によって設定された報知画像50等を投影する。上記実施形態では、報知画像50は、投影処理部36によって店舗4のカウンター5の受領側の床6に投影される。なお、報知画像50の投影位置も適宜変更可能である。例えば、投影位置は、床6以外の壁等の建築物の一部であってもよいし、スクリーン等を用意してもよい。
【0034】
<投影処理>
次に、図6図8を参照し、投影処理の一例を説明する。図6図8は、本実施形態の情報処理装置10が実行する投影処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【0035】
処理部30の画像設定部33は、「m=1,N(m)={0}」とする配列の定義を行う(ステップS10)。Nは一次元配列であり、この配列Nは要素番号が1から始まる配列であるとする。本フローチャートでは、mはメニューの数を示す。図3の場合、メニューはA定食、カレーライスとなるので、メニューの数としては2になる。このステップS10では、配列N(1)の値として0が代入されることになる。次に、処理部30は、後述のフローチャートにおいて、投影装置2から投影される画像の形状が複数種類ある場合(図3の角丸長方形の報知画像50、二等辺三角形の報知画像51)、既に設定された値を保存(バッファ)するために用いる変数としてLを定義し、そのLの値として0を代入する(ステップS11)。
【0036】
次に、画像設定部33は、RAM13等のメモリに記憶される報知画像50、51の表示内容をクリアする(ステップS12)。この表示内容は、例えば、報知画像50、51の形状及び色等である。
【0037】
ステップS12の後、提供可能数取得部32は、メニュー及びそのメニューの提供可能数を取得する(ステップS13)。提供可能数取得部32は、例えば、「A定食、5食分」といったメニューとそのメニューの提供可能数を示す情報を取得する。
【0038】
提供可能数取得部32は、m番目のメニューの提供可能数を配列N(m)に代入する(ステップS14)。具体的には、ステップS10においてmが1に設定されており、提供可能数取得部32が「A定食、5食分」を取得しているため、ステップS14では、1番目のメニューであるA定食の提供可能数5を配列N(1)に代入する。
【0039】
次に、提供可能数取得部32は、m番目のメニューと異なるメニュー及びこのメニューに対応する提供可能数を取得したか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、1番目のメニューとしてA定食を取得しているので、1番目のメニューであるA定食と異なるメニューと、そのメニューに対応する提供可能数を取得したか否かを判定する。
【0040】
提供可能数取得部32がm番目のメニューと異なるメニュー及び提供可能数を取得した場合(ステップS15;Yes)、提供可能数取得部32は「m=m+1」とするインクリメント処理を実行する(ステップS17)。具体的にはm=1だったのでm=2となる。次に、画像設定部33は、配列N(m)を再定義する(ステップS18)。具体的に配列N(2)の再定義とは、配列Nの大きさが1増えることになる。つまり、配列Nの要素の数が1から2に増えたことを意味する。なお、この配列N(2)の再定義では、N(1)の値が5に設定されている場合、N(1)の値が5である状態が保持される。
【0041】
画像設定部33は、配列N(m)を再定義の後、処理をステップS13に戻す。ステップS18を経由したステップS13では、1番目のメニューとは異なるメニュー及びその提供可能数が取得される。具体的には、提供可能数取得部32は「カレーライス、5食分」を取得する。そしてステップS14において、配列N(m)に提供可能数が代入される。具体的には、配列N(2)にカレーライスの提供可能数である5を代入する。
【0042】
提供可能数取得部32がm番目のメニューと異なるメニュー及び提供可能数を取得しなかった場合(ステップS15;No)、具体的に本実施例では2種類のメニューの情報しか受け取っていいない為、2回目のステップS15はNoと判定される。続いて画像設定部33は、配列N(m)の大きさが1か否かを判定する(ステップS16)。具体的に本実施例では配列N(2)は要素の数が2であるため、大きさは2となり、ステップS16はNoと判定される。
【0043】
配列N(m)の大きさが1であった場合(ステップS16;Yes)、画像設定部33は、処理を図7のステップS20に移行させる。配列N(m)の大きさが1ではなかった場合(ステップS16;No)、画像設定部33は、処理を図8のステップS30に移行させる。
【0044】
図7を参照してステップS16で配列N(m)の大きさが1であった場合の処理の流れについて説明する。画像設定部33は、配列N(1)に対応する報知画像50の表示内容を設定する(ステップS20)。具体的に画像設定部33は、例えば、A定食に対応する報知画像50として図2に示す報知画像50の形状(角丸長方形)及び色を設定する。本実施例における報知画像50の色の設定とは、例えば、形状を表す枠線の色と当該枠内の内側(枠線の内部)の色、との少なくとも一方を設定する。これらの色は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
次に、投影処理部36は、提供可能数に基づいて報知画像50を投影する投影位置を設定する(ステップS21)。具体的に投影処理部36は、例えば、提供可能数が5の場合、5つの報知画像50の投影位置をそれぞれ設定する。隣り合う報知画像50間の距離は予め定められた値とする。また、当該距離は、店舗4の従業員による情報処理装置10の入力部14を操作して入力された値でもよい。隣り合う報知画像50間の距離は、全て同じであってもよく、少なくとも1箇所が異なっていてもよい。また、投影処理部36は、撮像装置3で撮像されたサービス受領側における周囲の画像を取得し、解析することにより、サービス受領側の床6に置かれた物体(机、イス等)を検出する。そして投影処理部36は、報知画像50が投影される前に、当該物体上に報知画像50のいずれかが重なって投影されるか否かを判定し、判定結果が報知画像50のいずれかが重なって投影されると判定した場合、重なって投影されてしまう報知画像50の位置を重ならない位置に設定して投影することができる。この位置の変更に応じて、隣り合う報知画像50の投影位置を変更してもよい。また、隣り合う報知画像50だけでなく、他の報知画像50の投影位置を変更してもよい。
【0046】
投影処理部36は、ステップS21で設定した投影位置に報知画像50を投影するための処理を実行する(ステップS22)。
【0047】
図8を参照してステップS16で配列N(m)の大きさが1ではなかった場合の処理の流れについて説明する。画像設定部33は、L=mの処理を実行する(ステップS30)。つまり先の例では、m=2であったのでLに2を設定する処理が実行される。また、画像設定部33は、mに1を設定する(ステップS31)。
【0048】
次に、画像設定部33は、配列N(m)に報知画像の表示内容を設定する(ステップS32)。ステップS32では、例えば、RAM13等のメモリの所定領域に報知画像50が記憶されている場合、記憶される報知画像50とは異なる表示内容が設定される。1回目のステップS32では、メモリ内の報知画像50がクリアされた状態であるため、予め設定される表示内容や任意の表示内容が設定されることになるが、2回目以降では異なる表示内容が設定されることになる。即ち、画像設定部33は、図3に示すように、報知画像50と異なる形状、色又はその組み合わせである報知画像51を配列N(m)に設定する。
【0049】
画像設定部33は、ステップS32の処理の後、「m=m+1」とするインクリメント処理を実行する(ステップS33)。そして、画像設定部33は、取得された全てのメニュー(本実施例ではA定食、カレーライス)に対して報知画像50の表示内容が設定されたか否かを判定するため、m>Lを判定する(ステップS34)。
【0050】
m>Lが成立した場合、メニューごとに異なる報知画像50、51が設定されたことになる(ステップS34;Yes)。従って、この場合はステップS35の投影位置を設定する処理に移行する。ステップS35では、m種類のメニューの提供可能を表す画像である報知画像50、51のそれぞれに対して、提供可能数に応じた報知画像50、51の投影位置が設定される。具体的に図3の例では、A定食に対応する報知画像50の提供可能数が5であるため、5つの報知画像50の投影位置がそれぞれ設定されるとともに、カレーライスに対応する報知画像51の提供可能数が5であるため、5つの報知画像51の投影位置がそれぞれ設定される。そして、報知画像50、51は、対応する投影位置に投影される(ステップS36)。
【0051】
m>Lが成立しなかった場合、メニューに対応する報知画像50、51の何れかの表示内容が設定されていないことになる(ステップS34;No)。具体的に図3の例では、ステップS32の1回目の処理で、A定食を表す報知画像50に対応する表示内容が設定され、続くステップS33ではmがインクリメントされて2になり、ステップS34の条件を満たさないため、処理をステップ32に戻す。次に、2回目のステップS32でカレーライスを表す報知画像51の表示内容が設定され、ステップS33でmが3になるためステップS34の条件を満たし、ステップS35に進む。
【0052】
図6図8を参照してフローチャートの一例について説明した。この例では、一次元配列を定義することにより、処理を行っていたがこれに限定されるわけではない。例えば、配列Nを二次元配列として定義し、N(1)(1)はメニューの名称(A定食、カレー等)を設定し、N(1)(2)は、N(1)(1)に対応する提供可能数(5食分)を設定してもよい。この二次元配列の例では、N(3)(2)={(“A定食”,5)(“カレーライス”,6)、(“うどん”,7)}等のように3行2列の行が増えた配列となる。このように、上述のフローチャートは、あくまで一例であり、その内容は適宜変更することができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10は、サービスの提供可能数を取得し、提供可能数に関する情報を報知する報知画像50等を投影するための投影処理を実行する処理部30を備える。これにより、サービスの提供可能数を視覚的に表示できるので、提供できない状態にもかかわらず列に並んでしまうといった事態を防止できる。また、提供可能数を示すことで、サービスを受けようとする気持ちを惹起することもでき、売上げ向上にも資することができる。
【0054】
また、本実施形態の処理部30は、サービスの種類ごとに報知画像50、51の表示内容を変更する。これにより、表示内容によってサービスを識別して列に並ぶことができ、サービスの提供を受ける顧客の利便性を高めることができる。
【0055】
以下、上記実施形態とは異なるモードの投影処理を説明する。なお、上記実施形態と共通又は同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0056】
次に、図9図11を参照し、報知画像50の表示内容を提供可能数に応じて変更する場合について説明する。図9図11は、それぞれ、本実施形態の投影装置2によって店舗のカウンター5のサービス受領側の床6に投影される報知画像の一例を示す模式図である。図9図11は、何れも、A定食の提供可能数が8個の場合の例である。
【0057】
図9に示す例では、画像設定部33は、提供可能数に応じて報知画像50の色を段階的に変化させる処理を実行する。この例では、提供可能数が残り3個となる段階で報知画像50に加え、色が変更された報知画像50a、50bが投影装置2によって投影される。画像設定部33は、例えば、1~5個の報知画像50を緑色に設定し、6番目と7番目の報知画像50aを黄色に設定する。そして、最後の8番目の報知画像50bを赤色に設定する。ここでの色の変更は、報知画像50を形成する枠線の内側(内部)の色を変更することを示している。
【0058】
図10に示す例では、画像設定部33は、複数の報知画像50のうち最後尾の位置になる報知画像50bのみ色の変更を行う。具体的に画像設定部33は、例えば、1~7番目までの報知画像50を緑色に設定し、8番目の報知画像50bのみ赤色に設定する。
【0059】
図11に示す例では、画像設定部33は、提供可能数の報知画像50の後方にサービスの提供状態(テキストや画像等)が含まれる報知画像70の表示内容を設定する。画像設定部33は、例えば、提供可能数分である1~8番目までの報知画像50を緑色に設定する。そして、投影処理部36は、この報知画像50とは別に、完売を示す文字情報を含む報知画像70の投影位置を、8番目の報知画像50の後方であって所定の間隔をあけた位置になるように設定する。上記の提供状態は、例えば完売、SOLD OUT、品切れ等である。
【0060】
以上説明したように報知画像50の表示内容は、図9図11のそれぞれに示すような所定のルールに基づいて設定される。図9及び図10に示す提供可能数に応じた表示内容の変更は、例えば、図7のステップS20の処理や、図8のステップS32の処理で実行される。
【0061】
図11に示す完売を示す文字情報を含む報知画像70の投影処理は、例えば、図7のステップS20とステップS21の間や図8のステップS34とステップS35の間で実行される。
【0062】
図12は、本実施形態の情報処理装置10が実行する完売を示す報知画像70を表示する処理の流れを説明するフローチャートである。図12のフローチャートは、例えばステップS20とステップS21の間又はステップS34とステップS35の間に挿入されるサブルーチンである。
【0063】
図12に示すように、画像設定部33は、完売を示す報知画像70の表示を行うモードであるか否かを確認する(ステップS121)。完売を示す報知画像70の表示を行うモードが設定されていなかった場合、画像設定部33はこのサブルーチンを終了する(ステップS121;No)。ここでのモードの設定は、店舗4の従業員による情報処理装置10の入力部14を操作して設定されてもよく、投影処理装置によって予め設定された表示モードでもよい。
【0064】
完売を示す報知画像70の表示を行うことが設定されていた場合、投影処理部36は処理をステップS122に移行する(ステップS121;Yes)。次に、投影処理部36は完売を示す報知画像70の投影位置を設定する(ステップS122)。この投影位置は、例えば、提供可能数の最後尾の位置に相当する報知画像50の後ろに設定される。ステップS122の処理の後、投影処理部36は、ステップS122で設定された投影位置に完売を示す報知画像70を投影し、このサブルーチンを終了する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、提供可能数に応じて報知画像50、50a、50bの表示内容を変更する。これにより、顧客に対して提供可能数の現状をより一層分かり易く報知できる。
【0066】
上述の通り、本実施形態の投影システム1は、撮像装置3を備えている。本実施形態の情報処理装置10は、撮像装置3が撮像した撮像画像に基づいて報知画像50の表示内容を変更することもできる。図13図18を参照して撮像装置3が撮像した撮像画像に基づく投影処理について説明する。図13図18は、本実施形態の情報処理装置10が実行する撮像画像に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。
【0067】
図13には、A定食の提供可能数が5の状態においてユーザ8が1人もいない様子が示されている。撮像画像取得部34は、撮像装置3から図13の状態を示す撮像画像を取得する。そして、画像判定部35が、撮像画像に基づいてユーザ8(人)の有無を判定する。図13の段階では、画像判定部35は、画像処理によりユーザ8がいないと判定する。上述の通り、提供可能数は5であるがユーザ8が検出されていないため、A定食が提供可能であることを示す報知画像50が1個のみ投影位置に投影される。
【0068】
図14には、ユーザ8が一番目の報知画像50を目印として店舗4のカウンター5のサービス受領側の床6に立っている様子が示されている。撮像画像取得部34は、撮像装置3から図14の状態を示す撮像画像を取得する。画像判定部35は、報知画像50とユーザ8の位置関係に基づいてユーザ8の有無を判定する。画像判定部35は、例えば、報知画像50とユーザ8が重なっていることを画像処理により解析すると、ユーザ8がいると判定する。なお、投影装置2は直上ではなく斜めから照射することでユーザ8ではなく床6に報知画像5を投影することができる。図14では、1番目の報知画像50の位置にユーザ8がいることが検出されたので、当該報知画像50の後ろに報知画像50を1個追加して投影している。
【0069】
図15には、2人が報知画像50を目印として店舗4のカウンター5のサービス受領側の床6に立っている様子が示されている。図14と同様の処理により2人目のユーザ8が検出された後、3番目の報知画像50が2番目の報知画像50の後方に投影される。
【0070】
図16には、3人が報知画像50を目印として店舗4のカウンター5のサービス受領側の床6に立っている様子が示されている。上述の通り、提供可能数が5であるのに対して3人が並んでいるため、残りの提供可能数は2となる。画像設定部33は、図9を参照して説明した色を変更した報知画像50aを4番目の報知画像50として3番目の報知画像50の後方に投影する。
【0071】
図17には、4人が報知画像50、50aを目印として店舗4のカウンター5のサービス受領側の床6に立っている様子が示されている。提供可能数が5であるのに対して4人が並んでいるため、残りの提供可能数は1となる。そこで、画像設定部33は、色を変更した報知画像50bを5番目の報知画像50として4番目の報知画像50aの後方に投影する。
【0072】
図18には、5人が報知画像50、50a、50bを目印として店舗4のカウンター5のサービス受領側の床6に立っている様子が示されている。提供可能数5に対して5人のユーザ8が並んでいることになり、完売状態となる。投影処理部36は、図11で説明した完売を示す報知画像70を報知画像50bの後方に投影する。
【0073】
図19を参照して撮像画像に基づく投影処理の流れについて説明する。図19は、本実施形態の情報処理装置10が実行する撮像画像に基づく投影処理の流れを説明するフローチャートである。図19のフローチャートは、図7のフローチャートの処理を変更したものであり、図6のステップS16で配列N(m)の大きさが1であったと判定された場合の処理である。
【0074】
図19に示すように、画像設定部33は、配列N(1)に対応する報知画像50、50a、50bの表示内容を設定する(ステップS211)。ステップS211では、図9図11に示す所定のルール等に基づいて報知画像50、50a、50bの表示内容が設定される。
【0075】
ステップS211の処理の後、投影処理部36は、提供可能数に基づいて報知画像50を投影する投影位置を設定する(ステップS212)。次に、投影処理部36は、変数pを定義し、pに1を代入する処理を実行する(ステップS213)。なお、この変数pの定義は、図6のステップS6等、他のタイミングで行ってもよい。
【0076】
投影処理部36は、ステップS213の後、ステップS211で設定した投影位置のうち、p番目の投影位置に報知画像50を投影するための処理を実行する(ステップS214)。具体的に1回目のステップS214では、1番目の投影位置に報知画像50を投影する。
【0077】
次に、画像判定部35は、撮像画像取得部34が撮像装置3から取得した撮像画像に基づいてp番目の投影位置にユーザ8がいるか否かを判定する(ステップS215)。この判定では、投影されている報知画像50のうち最後尾の位置に投影されている報知画像50、50a、50b上にユーザ8がいるか否かが判定される。p番目の投影位置にユーザ8がいる場合は処理がステップS216に移行し(ステップS215;Yes)、p番目の投影位置にユーザ8がいない場合は判定処理を継続する(ステップS215;No)。具体的に1回目のステップS215では、1番目の投影位置にある報知画像50上にユーザ8がいるか否かを判定する。
【0078】
ステップS215でユーザ8がいると判定されると、画像判定部35は、「p=p+1」とするインクリメント処理を実行する(ステップS216)。そして、画像判定部35は、「p<N(1)の値」が成立するか否かを判定する(ステップS217)。「p<N(1)の値」が成立する場合は、提供可能数にまだ余裕があることになるので、画像判定部35は処理をステップS214に移行し、以降の処理を繰り返す(ステップS217;Yes)。「p<N(1)の値」が成立しない場合は、処理をステップS218に移行する。具体的に1回目のステップS217では、p=2であり、N(1)はA定食の提供可能数である5のため、ステップS217はNoと判定され、処理をステップS213に戻す。
【0079】
ステップS218では、投影処理部36が完売を示す報知画像70の表示を行うか否かを判定する(ステップS218)。投影処理部36は、例えば、メニューが提供できない完売状態か否かを確認する。完売状態は、例えば、サービス提供者7によって情報処理装置10に入力される。完売状態ではなかった場合、画像設定部33はこの処理を終了する(ステップS218;No)。
【0080】
完売状態の場合、投影処理部36は処理をステップS219に移行する(ステップS218;Yes)。ステップS219では、投影処理部36は完売を示す報知画像70の投影位置を設定する(ステップS219)。この投影位置は、例えば、ユーザ8が検出された報知画像50の後ろに設定される。次に、投影処理部36は、ステップS219で設定された投影位置に完売を示す報知画像70を投影し、この処理を終了する。
【0081】
以上、この例における図6のステップS16で配列N(m)の大きさが1であったと判定された場合の処理について図19を参照して説明した。なお、図6のステップS16で配列N(m)の大きさが1ではなかった場合は、図8のフローチャートの処理と図19で説明した処理とを組み合わせた処理が実行されることになる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、所定の位置に投影された報知画像50、50a、50b及びユーザ8を含む撮像画像を取得し、撮像画像における報知画像50、50a、50bとユーザ8の位置関係に基づいて報知画像50、50a、50bの表示内容を変更する。
【0083】
次に、図20図25を参照して報知画像50とユーザ8の位置関係の変化に基づく投影処理を行う場合について説明する。図20図25は、本実施形態の情報処理装置10が実行する報知画像50とユーザ8の位置関係の変化に基づく投影処理を段階的に説明する模式図である。なお、この例での提供可能数は5とする。
【0084】
図20の例では、A定食を受け取ったり、席に案内されたりすることにより、1番目に並んでいたユーザ8が列から離れる様子が示されている。画像判定部35は、最も店舗4側に投影されている報知画像50からユーザ8が離れたことを位置関係の変化として検出すると、最も店舗4側に投影されていた報知画像50の投影を停止する処理を行う。これによって図21の例に示すように、2人が並んでいた状態から1人減ったことになるので、1人が報知画像50の上に並んでいる状態となる。具体的に位置関係の変化とは、報知画像50上にユーザがいる状態から、ユーザの移動によって報知画像50上にユーザがいないこと検出することである。
【0085】
図22の例では、画像設定部33が、提供可能数からユーザ8にサービスを提供した後の残余に応じて報知画像50の色を変更する処理を行っている。画像設定部33は、例えば、最も店舗4側に位置する1番目の報知画像50(3つ目のサービス)を緑色に設定し、2番目に位置する報知画像50a(4つ目のサービス)を黄色に設定し、3番目に位置する報知画像50b(5つ目のサービス)を赤色に設定する。図22は、この投影処理が行われている状態で、列に並んでいた3人のうち、1番目に並んでいたユーザ8が列から離れる様子が示されている。
【0086】
画像判定部35は、最も店舗4側に投影されている報知画像50からユーザ8が離れたことを位置関係の変化として検出すると、報知画像50、50a、50bの表示内容の変更とともに最も前方の報知画像50の投影を停止する処理を行う。投影処理部36は、例えば、最も店舗4側に位置する1番目の報知画像50の投影を停止する。そして投影処理部36は、2番目に位置する報知画像50aの投影位置を1番目の投影位置に移動させ、3番目の報知画像50bの投影位置を2番目の投影位置に移動させる。
【0087】
図23の例では、列に並んでいた2人のうち、1番目に並んでいたユーザ8が列から離れる様子が示されている。画像判定部35は、最も店舗4側の報知画像50aからユーザ8が離れたことを位置関係の変化として検出すると、報知画像50a、50bの表示内容を更に変更する。投影処理部36は、例えば、最も店舗4側に位置する1番目の報知画像50aの投影を停止し、2番目の報知画像50bの投影位置を1番目の投影位置に移動させる。
【0088】
図24の例では、最後の1人が報知画像50bから離れる様子が示されている。画像判定部35は、最も店舗4側の報知画像50bからユーザ8が離れたことを位置関係の変化として検出すると、報知画像50bを報知画像70に変更する。図25の例では、完売を示す報知画像70が店舗4のカウンター5の受領側の床6に投影される様子が示されている。これにより、A定食が完売していることがカウンター5の受領側で明確に示されることになる。
【0089】
次に、図20図25を参照して説明した投影処理の流れについて図26及び図27のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
図26に示すフローチャートは、ステップS216の後の処理が異なる以外は図19のフローチャートと同様である。そのため、ステップS216までの処理の説明を省略し、ステップS216の次の処理であるステップS310から説明する。
【0091】
ステップS310では、投影処理部36がp番目の投影位置に報知画像を投影する処理を実行する。具体的には1番目の投影位置に報知画像を投影する。また、画像設定部33は、変数Rを定義し、Rに1を代入する(ステップS311)。ステップS311の後、画像判定部35が、先頭の投影位置にある報知画像上にユーザ8がいるか否かを画像処理により判定する(ステップS312)。画像判定部35は、例えば、先頭の投影位置にユーザ8がいることにより、報知画像50の全体が確認できるか否かを画像処理により解析する。
【0092】
先頭の投影位置にある報知画像上にユーザ8がいなかった場合(ステップS312;No)、投影処理部36は、変数A、Bを定義し、Aに0、Bに2をそれぞれ代入する(ステップS313)。次に、投影処理部36は「A=A+1」とするインクリメント処理を実行し(ステップS314)、先頭の投影位置の報知画像50を非表示にする処理を実行する(ステップS315)。
【0093】
次に、投影処理部36は、B番目の投影位置にある報知画像50を、B-1番目の投影位置に移動させる(ステップS316)。具体的には1回目のステップS316では、2番目の投影位置の報知画像50を、1番目の投影位置に移動させる。次に、投影処理部36は、「B=B+1」とするインクリメント処理を実行する(ステップS317)。そして、投影処理部36は、「A≧p-1」の条件を満しているか否か判定する(ステップS318)。具体的には、1回目のステップS318では、A=1、pは2であるため、上記の条件を満たし、ステップS319に進む。
【0094】
「A≧p-1」を満たしていない場合(ステップS318;No)、処理はステップS314のAをインクリメントする処理に戻る。「A≧p-1」を満たしていた場合(ステップS318;Yes)、投影処理部36は、変数Rを定義するとともにRに0を代入し、「R=R+1」とするインクリメント処理を実行する(ステップS319)。そして、画像設定部33は、「R≧N(1)の値」の条件が満たされているか否かを判定する(ステップS320)。具体的には1回目のステップS320では、R=1、N(1)の値=5(提供可能数)であるため、ここではNoと判定される。「R≧N(1)の値」の条件が満たされている場合(ステップS320;Yes)、一連の処理が終了する。「R≧N(1)の値」の条件が満たされていない場合(ステップS320;No)、処理はステップS335の処理に移行する。
【0095】
先頭の投影位置にユーザ8がいる場合(ステップS312;Yes)、投影処理部36は、p番目の投影位置にある報知画像50上にユーザ8がいるか否かを判定する(ステップS331)。具体的に1回目のステップS331では、2番目の投影位置にある報知画像50上にユーザ8がいるか否かを判定する。p番目の投影位置にユーザ8がいなかった場合(ステップS331;No)、投影処理部36は、ステップS312に処理を戻す。p番目の投影位置にユーザ8がいた場合(ステップS331;Yes)、画像判定部35は、「p≦N(1)の値」の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS332)。具体的に1回目のステップS332では、例えばp=2、N(1)の値=5(提供可能数)であるため、上記の判定はNoとなる。
【0096】
「p≦N(1)の値」の条件を満たしている場合(ステップS332;Yes)、画像判定部35は、ステップS312に処理を戻す。「p≦N(1)の値」の条件を満たしていなかった場合(ステップS332;No)、画像判定部35は「p=p+1」とするインクリメント処理を実行し(ステップS333)、投影処理部36がインクリメントされた値となっているp番目の投影位置に報知画像50を投影する処理を実行する(ステップS334)。このステップS334の処理の後、処理はステップS335の処理に移行する。
【0097】
ステップS355では、画像設定部33が完売を示す報知画像70の表示を行うモードであるか否かを確認する(ステップS355)。完売状態ではない場合、処理がステップS312のユーザ8の検出処理に戻る(ステップS355;No)。
【0098】
完売状態の場合、投影処理部36は処理をステップS356に移行する(ステップS355;Yes)。ステップS356では、投影処理部36は完売を示す報知画像70の投影位置を設定する(ステップS356)。この投影位置は、例えば、事前の処理でユーザ8が検出されていなかった場合は1番目の投影位置に設定され、ユーザ8が検出されていた場合は、最後尾のユーザが検出された報知画像50の後ろに設定される。次に、投影処理部36は、ステップS356で設定された投影位置に完売を示す報知画像70を投影する(ステップS357)。ステップS357の後、処理がステップS312のユーザ8の検出処理に戻る。
【0099】
以上、図26及び図27のフローチャートを参照して処理の流れについて説明した。なお、図6のステップS16で配列N(m)の大きさが1ではなかった場合は、図8のフローチャートの処理と図26で説明した処理とを組み合わせた処理が実行されることになる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、報知画像50、50a、50bとユーザ8の位置関係の変化に応じて報知画像50、50a、50bの表示内容を変更する。これにより、ユーザ8の動きに応じて自動的に報知画像50、50a、50bの表示内容が更新されることになり、より現状にそくした提供可能数に関する情報を顧客に提示することができる。
【0101】
次に、図28を参照して撮像画像に基づいてメニューを決定する処理について説明する。図28は、本実施形態の情報処理装置10が実行する撮像画像に基づいてメニューを決定する処理を説明する模式図である。
【0102】
図28に示す例では、報知画像55a~55cは、何れもユーザ8と重ならない位置に投影される。例えば、ユーザ8が列に並ぶ位置に基づいて投影処理部36が投影位置を設定する。或いは、画像判定部35がユーザ8を検出し、検出したユーザ8から離れた位置に投影処理部36が投影位置を設定してもよい。
【0103】
また、報知画像55a~55cの表示内容は、ユーザ8のオーダーを示すものとなっている。この例では、中央領域56a~56cがメニューを示し、中央領域56a~56cを囲う外周領域57a~57cがメニューの量を示している。例えば、報知画像55aは、中央領域56aにうどんを示す色と形状からなるパターンが表示されており、外周領域57aに普通を示す色と形状からなるパターンが表示されている。報知画像55bは、中央領域56bにそばを示すパターンが表示されており、外周領域57bに大盛を示すパターンが表示されている。報知画像55cは、中央領域56cにうどんを示すパターンが表示されており、外周領域57bに普通を示すパターンが表示されている。
【0104】
また、図28の例では、メニューを決定するための選択画像71、72、81~83が投影装置2によって投影される。選択画像71、72、81~83は、例えば、ユーザ8が並ぶ列の後方に投影位置が設定される。
【0105】
選択画像71、72、81~83について説明する。選択画像71、72は、メニューの種類を決定するためのものである。選択画像71、72は、例えば、矩形状の画像と画像の内側に配置されるテキストによって構成される。選択画像71はうどんを示し、選択画像72はそばを示す。選択画像81~83は、メニューの量を決定するためのものである。選択画像81は、例えば、矩形状の画像と画像の内側に配置される量を示すテキストによって構成される。選択画像81は大盛を示し、選択画像82は普通を示し、選択画像83は少なめを示す。
【0106】
次に、図29を参照し、処理の流れについて説明する。図29は、本実施形態の情報処理装置10が実行する撮像画像に基づく投影処理の流れを説明するフローチャートである。
【0107】
撮像画像取得部34は、選択画像71、72、81~83の全てを含む撮像画像を取得する(ステップS411)。
【0108】
次に、画像判定部35は、撮像画像中の選択画像71、72、81~83とユーザ8の位置関係によってユーザ8が選択したメニューを判定する(ステップS412)。図28の破線の矢印は、最後尾に並んでいるユーザ8が列の最後尾に至る軌跡を示す。この軌跡によれば、最後尾に並んでいるユーザ8はうどんを示す選択画像71を通過した後、普通の量を示す選択画像82を通過して列に並んでいる。画像判定部35は、この状態で普通の量のうどんをオーダーしたと判定する。
【0109】
画像判定部35は、メニューが選択されなかったと判定した場合、選択画像71、72、81~83の全てを含む撮像画像を新たに取得するステップS411の処理に戻す(ステップS412;No)。画像判定部35は、メニューが選択されたと判定した場合、処理をステップS413に処理を進める(ステップS412;Yes)。ステップS413では、画像設定部33は、ユーザ8が選択したメニュー(オーダー内容)に基づいて報知画像55a~55cの表示内容を設定し、処理をステップS414に移行する(ステップS413)。本実施形態では、報知画像55a~55cと選択画像71、72、81~83は、メニューの種類及び量のパターンが対応するように設定されている。
【0110】
ステップS414では、投影範囲にユーザ8がいないか否かを判定する(ステップS414)。ステップS414で判定されるユーザ8は、選択画像71、72を通過してメニューを選択したユーザ8である。メニューを選択したユーザ8か否かの判定は、選択画像71、72を通過したユーザ8を追跡することによって判定してもよいし、選択画像71、72を通過したときのユーザ8の画像の特徴点を照合してもよい。投影範囲は、例えば、カウンター5の前に設定される投影予定の領域である。投影範囲は、提供可能数の数に応じて設定される。投影処理部36は、撮像画像を画像解析し、各投影範囲のユーザ8の有無を検出する。
【0111】
投影範囲にユーザ8が検出されない場合は、投影処理部36は投影範囲の判定処理を継続する(ステップS414;No)。投影範囲にユーザ8がいた場合、投影処理部36は、処理をステップS415に移行する(ステップS414;Yes)。ステップS415に処理が移行すると、投影処理部36は、検出したユーザ8の位置に基づいて投影位置を設定する(ステップS415)。投影処理部36は、例えば、所定のプログラムに基づいてユーザ8から離間した位置を投影位置に設定する。次に、投影処理部36は、投影位置に報知画像55a~55cを投影する(ステップS416)。投影処理部36は、例えば、先の例の場合、うどんと普通を意味する報知画像55cを最後尾に並んでいるユーザ8の近くに投影する。ユーザ8が複数人検出された場合は、ユーザ8ごとに投影位置が設定され、投影位置のユーザ8に対応する報知画像55a~55cが選択される。
【0112】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、報知画像55a~55cをユーザ8に重ならない位置に投影する。これにより、ユーザ8に報知画像55a~55cが重ならないので、ユーザ8と重なることによって生じる視認性の悪化を防ぐことができる。
【0113】
また、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、サービスの種類ごとに設定される選択画像71、72、81~83を通過するユーザ8を検出すると、当該選択画像71、72、81~83に対応するサービスの注文があったと判定する。これによって自動的に注文を受け付けたり、注文に応じた投影処理を行ったりすることができ、注文を受け付ける作業をより効率化できる。
【0114】
また、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、注文があったと判定したサービスに対応する報知画像55a~55cの表示内容を設定する。これにより、サービス提供者も報知画像55a~55cを確認することで注文を認識することができ、注文を受け付ける作業をより一層効率化できる。
【0115】
次に、並んでいる列を示す付加的な情報を示す追加情報画像を投影する処理について説明する。図30は、本実施形態の情報処理装置10が実行する列の最後尾にメニューを表示する処理を説明する模式図である。
【0116】
図30に示す例では、店舗4aはA定食をサービスとして提供し、店舗4aに隣接する店舗4bはB定食をサービスとして提供する。店舗4aのA定食にはユーザ8と重ならない位置に投影される報知画像58が設定され、店舗4bのB定食にはユーザ8と重ならない位置に投影される報知画像59が設定される。
【0117】
店舗4aと店舗4bの両方にユーザ8が並ぶ列が形成されているが、列の最後尾からは店舗4aと店舗4bが死角に位置している。そのため、最後尾に並ぶユーザ8は、自分が並ぶ列がA定食を提供する店舗4aでサービスを受けるための列なのかB定食を提供する店舗4bでサービスを受けるための列なのか判別し難い。そこで、店舗4aに並ぶ最後尾の報知画像58の後方にはメニューの種類を示すメニュー画像73が表示され、店舗4bに並ぶ最後尾の報知画像59の後方にはメニューの種類を示すメニュー画像74が表示される。
【0118】
メニュー画像73、74は、例えば、矩形状の画像と画像の内側に配置される量を示すテキストによって構成される。この例では、A定食の列であることがメニュー画像73によって示され、B定食の列であることがメニュー画像74によって示されることになる。
【0119】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10が備える処理部30は、提供可能数とは異なる情報を示す追加情報画像としてのメニュー画像73、74を投影する。これにより、最後尾から見て店舗4a、4bが死角に位置するような場合であっても、メニュー画像73、74を参照することで店舗4a、4bに対応する列を速やかに識別できる。
【0120】
次に、図31を参照して上記実施形態や変形例の構成とは異なる報知画像60の例について説明する。図31に示す報知画像60は、メインメニューを示すメインメニュー領域61とサイドメニューを示すサイドメニュー領域62を有する。メインメニュー領域61及びサイドメニュー領域62には、テキストと色や形状のパターンが適用される。図31の例では、メインメニュー領域61にはラーメンが表示され、サイドメニュー領域62には餃子が表示される。色、模様、形状に加えてテキストも表示されるので、よりわかりやすくメニューをユーザ8やサービス提供者に報知することができる。
【0121】
このように、提供可能数に関する情報を報知する報知画像は種々の形式をとることができる。例えば、提供可能数を示す数字や文字を報知画像として表示してもよい。
【0122】
上記実施形態では、情報処理装置10が投影装置2から独立した構成であったが、情報処理装置10が、電子機器として投影装置2の内部に配置される構成であってもよい。次に、図31を参照して投影装置10aが単独の構成である別実施形態について説明する。
【0123】
図32は、別の実施形態の投影装置10aのハードウェアの構成を示すブロック図である。図32に示す投影装置10aは、上記実施形態の投影装置2、撮像装置3及び情報処理装置10を一体的に構成したものである。図31に示す別実施形態の投影装置10aは、プロセッサ11と、ROM12と、RAM13と、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、通信部17と、バス18と、入出力インターフェース19と、投影部2aと、撮像部3aと、を備える。これらの構成のうち、投影部2aは上記投影装置2と同様の機能を有し、撮像部3aは上記撮像装置3と同様の機能を有する。この実施形態によっても、プロセッサ11によって図5で説明したものと同様の処理部30が実現される。処理部30の構成も、上記実施形態と同様である。投影装置10aは、外部の情報処理装置等から提供可能数及び報知画像に使用する画像を無線通信経由で取得する。なお、画像については投影装置10aに内蔵されるメモリ(HDD、フラッシュメモリ等)に予め記憶されている画像を利用してもよい。
【0124】
以上説明したように、この別実施形態の投影装置10aは、サービスの提供可能数を取得し、提供可能数に対応する報知画像50を設定し、報知画像50を投影するための投影処理を実行する処理部30と、処理部30による投影処理に基づいて報知画像を投影する投影部2aと、を備える。この構成によっても、上記実施形態の構成と同様の処理及び同様の効果を奏することが可能である。
【0125】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図5の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置10に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図5の例に限定されない。
【0126】
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成しても良いし、ソフトウェア単体で構成しても良いし、それらの組み合わせで構成しても良い。本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路が組み合わせられたものを含む。
【0127】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであっても良い。
【0128】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図4のROM12や、図4の記憶部16に含まれるハードディスク等で構成される。
【0129】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0130】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0131】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
サービスの提供可能数を取得し、
前記提供可能数に関する情報を報知する報知画像を設定し、
前記報知画像を投影するための投影処理を実行する
処理部を備えることを特徴とする投影処理装置。
[付記2]
前記処理部は、
前記サービスの種類ごとに前記報知画像の表示内容を変更する付記1に記載の投影処理装置。
[付記3]
前記処理部は、
前記提供可能数に応じて前記報知画像の表示内容を変更する付記1又は2に記載の投影処理装置。
[付記4]
前記処理部は、
所定の位置に投影された前記報知画像及び人を含む撮像画像を取得し、
前記撮像画像における前記報知画像と前記人との位置関係に基づいて前記報知画像の表示内容を変更する付記1から3の何れかに記載の投影処理装置。
[付記5]
前記処理部は、
前記報知画像と前記人との位置関係の変化に応じて前記報知画像の表示内容を変更する付記4に記載の投影処理装置。
[付記6]
前記処理部は、
前記報知画像を前記人に重ならない位置に投影する付記4又は5に記載の投影処理装置。
[付記7]
前記処理部は、
前記サービスの種類ごとに設定される選択画像を含む前記撮像画像を取得し、
前記撮像画像から前記選択画像を通過する前記人を検出すると、当該選択画像に対応する前記サービスの注文があったと判定する付記4又は5に記載の投影処理装置。
[付記8]
前記処理部は、
注文があったと判定した前記サービスに対応する報知画像の表示内容を設定する付記7に記載の投影処理装置。
[付記9]
前記処理部は、
前記提供可能数とは異なる情報を示す追加情報画像を投影する付記1から8の何れかに記載の投影処理装置。
[付記10]
サービスの提供可能数を取得し、前記提供可能数に関する情報を報知する報知画像を設定し、前記報知画像を投影するための投影処理を実行する処理部と、
前記処理部による前記投影処理に基づいて前記報知画像を投影する投影部と、
を備えることを特徴とする投影装置。
[付記11]
サービスの提供可能数を取得し、前記提供可能数に関する情報を報知する報知画像を設定し、前記報知画像を投影するための投影処理を実行する処理部を備える投影処理装置と、
前記処理部による前記投影処理に基づいて前記報知画像を投影する投影装置と、
を備えることを特徴とする投影システム。
[付記12]
コンピュータに、
サービスの提供可能数を取得する取得機能、
前記提供可能数に関する情報を報知する報知画像を設定する画像設定機能、
前記報知画像を投影するための投影処理を実行する投影処理機能、
を実行させるプログラム。
[付記13]
コンピュータにより投影装置を制御する投影方法であって、
サービスの提供可能数を取得するステップと、
前記提供可能数に関する情報を報知する報知画像を設定するステップと、
前記報知画像を投影するための投影処理を実行するステップと、
を含む投影方法。
【符号の説明】
【0132】
1 投影システム
2 投影装置
2a 投影部
3 撮像装置
10 情報処理装置(投影処理装置)
11 プロセッサ
50 報知画像
図1
図2
図3
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