(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法、および監視プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G05B23/02 301Q
(21)【出願番号】P 2021160588
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 貴久
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028834(JP,A)
【文献】特許第5081998(JP,B1)
【文献】特開2016-012240(JP,A)
【文献】特開2018-063545(JP,A)
【文献】国際公開第2020/261875(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/146315(WO,A1)
【文献】特開2019-175274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得する対応取得部と、
前記複数の設備のうちの各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出する算出部と、
前記複数の設備を、前記状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする順位付部と、
前記複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う表示処理部と
、
前記複数の設備のうち、予め定められた時間長の期間の間に状態値が予め定められた変化幅または変化率以上変化した少なくとも1つの設備を選択する選択部と
を備え
、
前記表示処理部は、選択された前記少なくとも1つの設備についての前記情報画面を表示する処理を行なう
監視装置。
【請求項2】
前記予め定められた時間長と、前記予め定められた変化幅または変化率とのうちの少なくとも1つの指定を入力する選択条件入力部を更に備える請求項
1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、
前記情報画面に表示された各設備に対応付けて、当該設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの前記少なくとも1つの計測値の変化を示すトレンドグラフの表示を指示するためのグラフ表示ボタンを表示する処理を行い、
前記グラフ表示ボタンが押されたことに応じて、前記トレンドグラフを表示する処理を行う
請求項1または2に記載の監視装置。
【請求項4】
複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得する対応取得部と、
前記複数の設備のうちの各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出する算出部と、
前記複数の設備を、前記状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする順位付部と、
前記複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う表示処理部と
を備え、
前記表示処理部は、
前記情報画面に表示された各設備に対応付けて、当該設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの前記少なくとも1つの計測値の変化を示すトレンドグラフの表示を指示するためのグラフ表示ボタンを表示する処理を行い、
前記グラフ表示ボタンが押されたことに応じて、前記トレンドグラフを表示する処理を行う
監視装置。
【請求項5】
前記複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する前記少なくとも1つのセンサの対応付けを記憶する対応記憶部を更に備える請求項1
から4のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項6】
各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値から、当該設備の前記状態値を算出するモデルを学習により生成する処理を行う学習処理部を更に備え、
前記算出部は、各設備について、前記モデルを用いて前記少なくとも1つの計測値から前記状態値を算出する
請求項1
から5のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項7】
前記学習処理部は、少なくとも1つの設備について、前記少なくと
も1つの計測値を用いた統計的学習によって前記モデルを学習により生成する処理を行う請求項
6に記載の監視装置。
【請求項8】
前記表示処理部は、前記順位付けされた各設備に対応付けて、前記モデルの生成を指示するための学習ボタンを表示する処理を行い、
前記学習処理部は、前記学習ボタンが押されたことに応じて、前記モデルを学習により生成する処理を行う請求項
6または
7に記載の監視装置。
【請求項9】
前記複数の設備のうちの少なくとも1つの設備について、前記少なくとも1つのセンサの前記少なくとも1つの計測値の変動幅が閾値以下である予め定められた長さ以上の期間を前記モデルの学習に用いる学習期間の候補として選択する学習期間選択部を更に備える請求項
5から
7のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項10】
前記表示処理部は、前記複数の設備の順位の遷移を示すチャートを表示する処理を行なう請求項1から
9のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項11】
前記表示処理部は、前記複数の設備のうち、状態値の変化幅または変化率が閾値以上である設備の順位の推移を、前記チャート中で強調表示する処理を行なう請求項
10に記載の監視装置。
【請求項12】
監視装置が、複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得することと、
前記監視装置が、前記複数の設備のうちの各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出することと、
前記監視装置が、前記複数の設備を、前記状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けすることと、
前記監視装置が、前記複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行うことと
、
前記監視装置が、前記複数の設備のうち、予め定められた時間長の期間の間に状態値が予め定められた変化幅または変化率以上変化した少なくとも1つの設備を選択することと
を含
み、
前記情報画面を表示する処理において、選択された前記少なくとも1つの設備についての前記情報画面を表示する処理を行なう
監視方法。
【請求項13】
監視装置が、複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得することと、
前記監視装置が、前記複数の設備のうちの各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出することと、
前記監視装置が、前記複数の設備を、前記状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けすることと、
前記監視装置が、前記複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行うことと
を含み、
前記情報画面を標示する処理において、
前記情報画面に表示された各設備に対応付けて、当該設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの前記少なくとも1つの計測値の変化を示すトレンドグラフの表示を指示するためのグラフ表示ボタンを表示する処理を行い、
前記グラフ表示ボタンが押されたことに応じて、前記トレンドグラフを表示する処理を行う
監視方法。
【請求項14】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得する対応取得部と、
前記複数の設備のうちの各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出する算出部と、
前記複数の設備を、前記状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする順位付部と、
前記複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う表示処理部と
、
前記複数の設備のうち、予め定められた時間長の期間の間に状態値が予め定められた変化幅または変化率以上変化した少なくとも1つの設備を選択する選択部と
を備える監視装置として機能させ
、
前記表示処理部は、選択された前記少なくとも1つの設備についての前記情報画面を表示する処理を行なう
監視プログラム。
【請求項15】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得する対応取得部と、
前記複数の設備のうちの各設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出する算出部と、
前記複数の設備を、前記状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする順位付部と、
前記複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う表示処理部と
を備える監視装置として機能させ、
前記表示処理部は、
前記情報画面に表示された各設備に対応付けて、当該設備に対応付けられた前記少なくとも1つのセンサの前記少なくとも1つの計測値の変化を示すトレンドグラフの表示を指示するためのグラフ表示ボタンを表示する処理を行い、
前記グラフ表示ボタンが押されたことに応じて、前記トレンドグラフを表示する処理を行う
監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、監視方法、および監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラント等の様々な設備にセンサを設けて、センサの計測値を監視画面に表示することによりプラント等の稼働状況等を監視可能とする監視システムが用いられている。近年、IIoT(Industrial Internet of Things)の発展に伴い、多数のセンサによる設備監視が普及しつつある。これに伴い、監視システムは、多数のセンサからの計測値の推移を示す多数のグラフを監視画面に表示している(例えば非特許文献1および2参照)。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]小田原 清喜、「GRANDSIGHTとSushi Sensorの統合ソリューション」、横河技報Vol.61 No.1、2018年、第21頁~第24頁
[非特許文献2]北島 昭郎、杉崎 隆之、「センスメイキングを実現するIIoTソリューション"Sushi Sensor"」、横河技報Vol.62 No,2、2019年、第61頁~第68頁
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、監視装置を提供する。監視装置は、複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得する対応取得部を備えてよい。監視装置は、複数の設備のうちの各設備に対応付けられた少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出する算出部を備えてよい。監視装置は、複数の設備を、状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする順位付部を備えてよい。監視装置は、複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う表示処理部を備えてよい。
【0004】
監視装置は、複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサの対応付けを記憶する対応記憶部を備えてよい。
【0005】
監視装置は、各設備に対応付けられた少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値から、当該設備の状態値を算出するモデルを学習により生成する処理を行う学習処理部を備えてよい。算出部は、各設備について、モデルを用いて少なくとも1つの計測値から状態値を算出してよい。
【0006】
学習処理部は、少なくとも1つの設備について、少なくとの1つの計測値を用いた統計的学習によってモデルを学習により生成する処理を行なってよい。
【0007】
表示処理部は、順位付けされた各設備に対応付けて、モデルの生成を指示するための学習ボタンを表示する処理を行ってよい。学習処理部は、学習ボタンが押されたことに応じて、モデルを学習により生成する処理を行ってよい。
【0008】
監視装置は、複数の設備のうちの少なくとも1つの設備について、少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値の変動幅が閾値以下である予め定められた長さ以上の期間をモデルの学習に用いる学習期間の候補として選択する学習期間選択部を備えてよい。
【0009】
表示処理部は、複数の設備の順位の遷移を示すチャートを表示する処理を行なってよい。表示処理部は、複数の設備のうち、状態値の変化幅または変化率が閾値以上である設備の順位の推移を、チャート中で強調表示する処理を行なってよい。
【0010】
監視装置は、複数の設備のうち、予め定められた時間長の期間の間に状態値が予め定められた変化幅または変化率以上変化した少なくとも1つの設備を選択する選択部を備えてよい。表示処理部は、選択された少なくとも1つの設備についての情報画面を表示する処理を行なってよい。
【0011】
監視装置は、予め定められた時間長と、予め定められた変化幅または変化率とのうちの少なくとも1つの指定を入力する選択条件入力部を備えてよい。
【0012】
表示処理部は、情報画面に表示された各設備に対応付けて、当該設備に対応付けられた少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値の変化を示すトレンドグラフの表示を指示するためのグラフ表示ボタンを表示する処理を行ってよい。表示処理部は、グラフ表示ボタンが押されたことに応じて、トレンドグラフを表示する処理を行ってよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、監視方法を提供する。監視方法は、監視装置が、複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得することを含んでよい。監視方法は、監視装置が、複数の設備のうちの各設備に対応付けられた少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出することを含んでよい。監視方法は、監視装置が、複数の設備を、状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けすることを含んでよい。監視方法は、監視装置が、複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行うことを含んでよい。
【0014】
本発明の第3の態様においては、コンピュータにより実行される監視プログラムを提供する。監視プログラムは、コンピュータを、複数の設備のそれぞれについて、当該設備の状態を監視する少なくとも1つのセンサとの対応付けを取得する対応取得部として機能させてよい。監視プログラムは、コンピュータを、複数の設備のうちの各設備に対応付けられた少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備の状態値を算出する算出部として機能させてよい。監視プログラムは、コンピュータを、複数の設備を、状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする順位付部として機能させてよい。監視プログラムは、コンピュータを、複数の設備の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う表示処理部として機能させてよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る監視システム10の構成を設備100a~cと共に示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る監視装置140の構成を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る監視装置140の動作フローを示す。
【
図4】本発明の実施形態に係る記録部205に記録される履歴データの一例を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る監視装置140が出力するランキング画面500の一例を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係る監視装置140が出力する、選択条件指定画面の一例を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る監視装置140が出力する、トレンドグラフの一例を示す。
【
図8】本発明の実施形態に係る監視装置140が出力する、学習指定画面の一例を示す。
【
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態に係る監視システム10の構成を設備100a~cと共に示す。1または複数の設備100a~c(以下、「設備100」とも示す。)は、プラント等に設けられる。このようなプラントは、例えば、化学または金属等の工業プラント、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等であってよい。また、設備100は、ビル、様々な工場または交通機関等に設けられてもよい。このような設備100は、1または複数のプロセス装置、1または複数の発電装置、およびその他の1または複数の装置を有してよい。
【0019】
各設備100は、1または複数のフィールド機器を有してよい。フィールド機器は、例えば圧力計、流量計、温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、プラント等の状況や設備等の対象物を撮影するカメラ若しくはビデオ等の撮像機器、プラントや設備等の異音等を収集し、または警報音等を発するマイク若しくはスピーカ等の音響機器、設備100が有する装置の位置情報を出力する位置検出機器、またはその他の機器であってよい。
【0020】
1または複数の設備100には、これらの状態を監視するセンサ機器、撮像機器、または音響機器等として機能する複数のセンサ110a~i(以下、「センサ110」とも示す。)が設けられる。各設備100に対して、少なくとも1つのセンサ110が設けられてよい。各センサ110は、設備100に内蔵されたセンサ機器であってよく、設備100に後付けされ、または設備100の近傍に設置されてもよい。各センサ110は、各々が設備100に関する計測値(加速度、速度、温度、圧力、流量、または振動等)を計測してよい。2以上のセンサ110が、設備100に関する2種類以上の計測値を計測するためのセンサ装置に内蔵されてもよい。本図の例においては、センサ110a~cは、設備100aの状態を監視するために設けられ、センサ110d~fは、設備100bの状態を監視するために設けられ、センサ110g~iは、設備100cの状態を監視するために設けられる。
【0021】
監視システム10は、1または複数のゲートウェイ装置120a~bと、監視装置140と、端末150とを備える。1または複数のゲートウェイ装置120a~b(以下、「ゲートウェイ装置120」とも示す。)は、複数のセンサ110と通信可能に接続され、各センサ110から計測値を受け取る。本実施形態においては、各ゲートウェイ装置120は、一例としてLoRa等のLPWA(Low Power Wide Area)を用いて、無線により少なくとも1つのセンサ110と通信する。これに代えて、各ゲートウェイ装置120は、有線により少なくとも1つのセンサ110と通信してもよく、HART(登録商標)、BRAIN、ファウンデーションフィールドバス(登録商標)、ISA100.11a等で規定された通信プロトコルを用いて少なくとも1つのセンサ110と通信してもよい。各ゲートウェイ装置120は、2以上のセンサ110に接続され、これら2以上のセンサ110の計測値を収集してよい。本図の例においては、ゲートウェイ装置120aは、センサ110a~fに接続され、ゲートウェイ装置120bは、センサ110g~iに接続される。
【0022】
各ゲートウェイ装置120は、ネットワーク130に接続され、複数のセンサ110のうち各ゲートウェイ装置120に割り当てられたセンサ110の計測値を、インターネットまたはWAN等の広域ネットワークであるネットワーク130を介して監視装置140へと送信する。本図の例において、各ゲートウェイ装置120は、携帯電話回線等の無線ネットワークを介してネットワーク130に接続される。これに代えて、各ゲートウェイ装置120は、イーサネット(登録商標)等の有線ネットワークを介してネットワーク130に接続されてもよい。
【0023】
監視装置140は、ネットワーク130を介して1または複数のゲートウェイ装置120に接続され、複数のセンサ110からの計測値を用いて1または複数の設備100を監視する。監視装置140は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータにより実現されてよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムにより実現されてもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。監視装置140は、設備の監視用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。
【0024】
本図の例において、監視装置140は、クラウドコンピューティングシステムであり、プラント等の設備を監視する1または複数の顧客のそれぞれに対して、クラウドコンピュータ上のサービスにより設備の監視環境を提供する。これに代えて、監視装置140は、特定のプラント等の施設の構内に設けられ、ローカルエリアネットワークを介して各センサ110または各ゲートウェイ装置120に接続されてオンプレミスで設備監視環境を提供してもよい。また、少なくとも1つのセンサ110に接続されるゲートウェイ装置120が、監視装置140としても機能してもよい。
【0025】
端末150は、ネットワーク130を介して監視装置140に接続され、監視装置140が出力する設備監視用の画面を表示する。また、端末150は、1または複数の設備100を備えるプラント等の監視員からの指示を入力して、監視装置140へと送信する。端末150は、プラント等の施設の構内に配置されてよく、プラント等の施設から離れた場所に配置されてもよい。なお、監視装置140に備えられた表示器等に設備監視用の画面を表示してもよく、この表示器等を用いて監視員からの指示を入力してもよい。
【0026】
図2は、本実施形態に係る監視装置140の構成を示す。監視装置140は、計測値取得部200と、記録部205と、対応取得部207と、対応記憶部209と、算出部210と、選択部215と、順位付部220と、表示処理部225とを備える。計測値取得部200は、ネットワーク130を介して1または複数のゲートウェイ装置120に接続され、複数のセンサ110の計測値を取得する。計測値取得部200は、各センサ110の最新の計測値を、例えば予め定められた周期(1秒毎、1分毎、1時間毎等)で継続的に取得し続ける。計測値取得部200は、取得した各計測値を記録部205へと格納する。記録部205は、計測値取得部200に接続される。記録部205は、一例としてハードディスク装置等の外部記憶装置であり、計測値取得部200が取得した計測値を、各計測値の計測時刻、ゲートウェイ装置120での取得時刻、または監視装置140での取得時刻等のような、計測値に関連する時刻または日時等のタイミング情報に対応付けて、順次格納していく。ここで、計測値取得部200は、対応記憶部209に記憶されている設備100とセンサ110との対応付けを参照して、設備100毎に、設備100に対応付けられた少なくとも1つのセンサ110の計測値を記録部205に格納する。これにより、記録部205は、複数のセンサ110の計測値の履歴データを格納する。
【0027】
対応取得部207は、複数の設備100のそれぞれについて、その設備100の状態を監視する少なくとも1つのセンサ110との対応付けを取得する。対応記憶部209は、対応取得部207に接続される。対応記憶部209は、対応取得部207が取得した対応付けを記憶する。
【0028】
算出部210は、記録部205に接続される。算出部210は、各設備100の状態を監視する、少なくとも1つのセンサ110の少なくとも1つの計測値に基づいて、各設備100の状態値を算出する。本実施形態において、算出部210は、複数の設備100のそれぞれについて、各設備100に対応付けられた少なくとも1つのセンサ110の計測値からその設備100の状態値を算出するモデルを有し、各設備100について、モデルを用いて少なくとも1つの計測値から状態値を算出する。このモデルは、各設備100についての1または複数のセンサ110の計測値に基づいて、その設備100の状態値として、その設備100の健全性若しくは正常度、または異常度等の、設備100を診断した結果を示す診断値を算出してよい。算出部210は、ある時刻に収集された計測値に基づいて算出したある設備100の状態値を、その設備100についてその時刻に収集された計測値に対応付けて記録部205に格納してよい。なお、計測値を取得した時刻が計測値に対応付けられている場合には、算出部210は、計測値に基づいて算出した状態値を、その計測値が取得された時刻に対応付けて記録部205に格納してもよい。
【0029】
選択部215は、算出部210に接続される。選択部215は、複数の設備100のうち、予め定められた時間長の期間の間に算出部210から出力される状態値が予め定められた変化幅または変化率以上変化した少なくとも1つの設備100を選択する。この時間長は、状態値の変化を判定するための判定期間の長さであり、この変化幅または変化率は、状態値を選択するか否かを判定するための判定閾値である。例えば、選択部215は、5日間の間に状態値が0.3以上下落した設備100を選択するように設定されてよい。選択部215は、複数の設備100のそれぞれの状態値について、最新の状態値と、予め定められた時間長分だけ過去の状態値(例えば5日前の状態値)との間に、予め定められた変化幅または変化率以上の変化があるか否かを判定し、このような変化があったと判定した状態値を有する設備100を報告対象として選択する。本実施形態においては、選択部215は、状態値に予め定められた変化幅以上の変化があったどうかに基づいて設備100の選択を行う。これに代えて、選択部215は、状態値に予め定められた変化率以上の変化があったどうかに基づいて設備100の選択を行ってもよい。なお、選択部215は、判定期間内における状態値の最大値と最小値との間に、予め定められた変化幅または変化率以上の変化があるか否かを判定してもよい。
【0030】
順位付部220は、選択部215に接続される。順位付部220は、選択部215によって選択された少なくとも1つの設備100の状態値を受け取り、少なくとも1つの設備100を、状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けする。例えば、順位付部220は、選択された少なくとも1つの設備100を、状態値の下落幅がより大きなものから順に並べ替える。ここで、設備100についての状態値が設備100の健全性を示す場合、状態値の下落幅がより大きいほど設備100の健全性が急激に悪化していることを示す。したがって、順位付部220は、選択された少なくとも1つの設備100を、状態値の下落幅の降順に並べ替えることで、健全性が急激に悪化している設備100をより優先して提示することを可能とする。なお、選択部215は、状態値の性質または監視員の指示等に応じて、少なくとも1つの設備100を、状態値の上昇幅または上昇率に応じて順位付けしてもよく、変化の大きさ(最新の状態値と過去の状態値との差の絶対値)の幅または比率に応じて順位付けしてもよい。順位付部220は、選択部215によって選択されなかった設備100を、圏外として順位付けしてよい。
【0031】
ここで、順位付部220は、複数の時点のそれぞれについて、選択部215により選択された少なくとも1つの設備100を、その時点における状態値の変化(変化幅または変化率)に応じて順位付けしてよい。これにより、順位付部220は、複数の設備100の順位の遷移を特定することができる。
【0032】
表示処理部225は、順位付部220および記録部205に接続される。表示処理部225は、順位付部220による複数の設備100の順位付けに応じた情報画面を表示する処理を行う。ここで、画面を表示する処理を行うとは、表示装置上に実際に画面を表示することに限られず、端末150等のようなリモートの表示装置に画面を表示するための表示データを生成することも含む。本実施形態においては、表示処理部225は、複数の設備100の順位付けを、監視装置140の外部に配置された端末150の表示装置に表示するための表示データ(例えば、情報画面を構成する画面レイアウト等)を生成して、端末150へと送信する。監視装置140が表示装置を備える場合、表示処理部225は、複数の設備100の順位付けに応じたチャート等の情報画面を、その表示装置に表示させてもよい。また、表示処理部225は、トレンドグラフを表示すべき旨の指示を端末150から入力したことに応じて、この指示によって指定された状態値およびこの状態値に関連する計測値の履歴データを記録部205から読み出して、グラフ化して表示する処理を行う。
【0033】
以上に示した監視装置140によれば、複数の設備100を、状態値の変化幅または変化率に応じて取捨選択し、選択した少なくとも1つの設備100を状態値の変化幅または変化率に応じて順位付けして表示することができる。これにより、監視装置140は、より重要度が高い状態値の変化がある設備100より優先して提示することができる。この結果、監視装置140は、多数の設備100に関する多数の計測値のグラフを表示した場合と比較して、特定の設備100の異常等に対する対処を早めてプラント等の稼働率を高め、異常の発生を減らすことができる。
【0034】
また、監視装置140は、算出部210により、各設備100に対応付けられた1または2以上のセンサ110からの計測値に基づいて、各設備100の状態を示す状態値を算出することができる。したがって、監視装置140は、より重要度が高い状態値の変化を優先して提示することにより、異常が発生している可能性がある設備100をより容易に特定可能とすることができる。
【0035】
監視装置140は、選択条件入力部230を備えてもよい。選択条件入力部230は、判定期間の長さ(予め定められた時間長)と、判定閾値(予め定められた変化幅または変化率とのうちの少なくとも1つ)との指定を端末150から入力する。選択条件入力部230は、指定された時間長、または変化幅等を、選択部215が設備100の選択に用いる時間長または変化幅等として選択部215に設定する。
【0036】
また、監視装置140は、学習指示入力部245および学習処理部250を備えてもよい。学習指示入力部245は、複数の設備100のうちの少なくとも1つの設備100について、算出部210が設備100の状態値の算出に用いるモデルの学習をすべき旨の指示を入力する。学習処理部250は、記録部205、対応記憶部209、および学習指示入力部245に接続される。学習処理部250は、モデルを学習すべき旨の指示が端末150から入力されたことに応じて、学習対象となる設備100に対応付けて記録部205に格納された少なくとも1つの計測値の履歴データに基づいてモデルを学習により生成する処理を行う。そして、学習処理部250は、学習済みのモデルを算出部210に提供する。
【0037】
監視装置140は、学習期間選択部243を備えてもよい。学習期間選択部243は、複数の設備100のうちの少なくとも1つの設備100のそれぞれについて、その設備100に対応付けられた少なくとも1つのセンサ110の少なくとも1つの計測値の時系列データにおける、モデルの学習に用いる学習期間の候補を選択する。学習期間選択部243は、設備100に対応付けられた各センサ110の各計測値の変動幅が閾値(学習期間判定閾値)以下である予め定められた長さ以上の期間をモデルの学習に用いる学習期間の候補として選択する。学習期間選択部243は、選択した学習期間の候補を学習指示入力部245に提供する。
【0038】
なお、学習指示入力部245、学習処理部250、学習期間選択部243は、監視装置140の外部の装置に設けられてもよい。この場合、監視装置140内の算出部210は、学習済みのモデルを受け取り、受け取ったモデルを用いて各設備100の状態値を算出する。
【0039】
図3は、本実施形態に係る監視装置140の動作フローを示す。S300(ステップ300)において、計測値取得部200は、複数のセンサ110の最新の計測値を取得して、記録部205に格納する。
【0040】
S310において、算出部210は、複数の設備100のそれぞれについて、その設備100に対応付けられたモデルを用いて、その設備100の状態値を算出する。本実施形態において、設備100に対応付けられたモデルは、一例として、設備100に割り当てられた各センサ110のある時点(例えば現時点または最新の時点)の1または2以上の計測値を入力とし、これらの計測値から、設備100のある時点(例えば現時点または最新の時点)の診断値を算出するための算出方法を定義する。
【0041】
S320において、選択部215は、複数の設備100のうち、算出部210から出力される状態値に、予め定められた時間長の期間の間に予め定められた変化幅または変化率以上の変化があった少なくとも1つの設備100を選択する。これにより、選択部215は、プラント等の施設に設けられた多数の設備100を羅列的に表示する対象とするのではなく、選択条件を満たす一部の設備100に表示対象を絞り込むことができる。
【0042】
S330において、順位付部220は、選択部215によって選択された少なくとも1つの設備100の状態値を受け取る。順位付部220は、状態値の変化幅または変化率に応じて少なくとも1つの設備100を順位付けする。
【0043】
S340において、表示処理部225は、順位付部220によって順位付けされた少なくとも1つの設備100に応じた情報画面を表示する処理を行う。表示処理部225は、順位付けされた設備100に応じた情報画面を表示するための表示データを生成し、端末150へと送信する。
【0044】
S350において、表示処理部225、選択条件入力部230、および学習指示入力部245は、端末150からの指示入力の有無をチェックする。表示処理部225、選択条件入力部230、および学習指示入力部245のいずれにも指示入力が無い場合、監視装置140は、処理をS300に進めて、複数のセンサ110の次の時点における計測値についてS300からの処理を繰り返す。
【0045】
表示処理部225、選択条件入力部230、および学習指示入力部245のいずれかに対する指示入力があった場合、指示入力を受けた入力部等は、S360において指示入力に応じた処理を行う。ここで、監視装置140は、選択条件についての指示入力があった場合には、指示入力によって更新された選択条件等を用いて、S310からS350の処理を行ってよい。指示入力に応じた具体的な処理は、
図6から
図8に関連付けて後述する。
【0046】
図4は、本実施形態に係る記録部205に記録される履歴データの一例を示す。記録部205は、予め定められた周期毎等の複数の時刻において複数のセンサ110から取得された複数の計測値と、複数の設備100について算出された複数の状態値とを含む履歴データを格納する。
【0047】
本図に示す履歴データは、時刻を記録する時刻フィールドと、複数の設備100のそれぞれについて計測値および状態値を記録する複数の設備フィールドとを有する。各設備フィールドは、対応する設備100に割り当てられた少なくとも1つのセンサ110からの計測値を記録する少なくとも1つの計測値フィールドと、対応する設備100の状態値を記録する状態値フィールドとを含む。ここで、時刻フィールドに記録される時刻は、計測値または状態値に関連付けられた時刻であってよい。
【0048】
本図において、履歴データは、設備1(例えば設備100a)について、2020年6月1日1:00に取得された、センサ1(例えばセンサ110a)、センサ2(例えばセンサ110b)、およびセンサ3(例えばセンサ110c)の計測値10.1、5.3、および28.1と、これらの計測値を用いて算出された、2020年6月1日1:00の状態値0.95とを記録する。
【0049】
図5は、本実施形態に係る監視装置140が出力するランキング画面500の一例を示す。表示処理部225は、順位付部220による複数の設備100の順位付けに応じた情報画面の一例であるランキング画面500を表示するための表示処理を行う。
【0050】
ランキング画面500は、チャート510と、設定ボタン515とを備える。チャート510は、複数の設備100、または選択部215により選択された少なくとも1つの設備100の順位の遷移を表示する。チャート510は、横軸は時系列順の各時点を示し、縦軸は順位を示す。チャート510は、各設備100について、各時点の順位を折れ線で結ぶことにより順位の遷移を表示する。
【0051】
本実施形態において、状態値は、対応する設備100の健全性を示す指標であり、チャート510は、状態値の下落幅が大きい設備100ほど高い順位で表示する。本図の例においては、「冷却ポンプ」は、状態値の下落幅が6月2~3日に3位であり、6月4日に2位、6月5~6日に3位、6月7日に2位、6月8~10日に1位である。「機械ポンプ」は、状態値の下落幅が6月2~4日に6位、6月5日に5位、6月6~8日に6位、6月9日に5位、6月10日に2位である。これにより、監視装置140は、健全性の下落が大きい設備100をより高い順位として優先して端末150に表示させることができ、健全性の下落がより大きい設備100に対する検査等の処置をより早めることができる。また、監視装置140は、順位の遷移を表示することにより、例えば、日ごとに各設備の状態値が悪化していくことを把握可能とすることができる。
【0052】
なお、表示処理部225は、設備100の状態値の変化幅または変化率の大きさに応じて、その設備100の順位の推移の表示形式を変更してもよい。例えば、表示処理部225は、複数の設備100のうち、状態値の変化幅または変化率が閾値以上である設備100の順位の推移を、チャート510中で強調表示する処理を行なってよい。表示形式を変更するか否かの判断に用いる閾値は、選択部215が選択する設備100を判定するために状態値と比較する判定閾値よりも大きな値であってよい。強調表示は、例えば、順位の推移を示す折れ線を通常の場合と比較し太くすること(例えば、
図5の機械ポンプの折れ線)、折れ線の色を赤色等の目立つ色に変更すること、チャート510の右側に示されているような、各折れ線に対応する設備100の名称等の表示について、枠を太くすること、枠の色を目立つ色に変更すること、文字を大きくすること、文字を太字にすること、下線等の補助線を入れること、またはその他の表示形式を変更すること等であってよい。また、表示処理部225は、複数の設備100のうち監視装置140のユーザが選択した1または2以上の設備100の順位の推移を強調表示する処理を行なってもよい。
【0053】
設定ボタン515は、選択部215が設備100の選択に用いる状態値の判定期間の長さおよび判定閾値の少なくとも1つの指定をするための選択条件指定画面を表示する指示を行うためのボタンである。選択条件指定画面については、
図6を用いて後述する。
【0054】
また、表示処理部225は、ランキング画面500中の順位付けされた各設備100に対応付けて、グラフ表示ボタン520を表示する処理を行ってもよい。グラフ表示ボタン520は、各設備100に対応付けられた少なくとも1つのセンサ110の少なくとも1つの計測値の変化を示すトレンドグラフの表示を指示するためのボタンである。トレンドグラフの表示については、
図7を用いて後述する。
【0055】
表示処理部225は、順位付けされた各設備100に対応付けて、学習ボタン550を表示する処理を行ってもよい。学習ボタン550は、対応する設備100の状態値を算出するモデルの学習による生成を指示するためのボタンである。本実施形態において、学習ボタン550は、各設備100の状態値を算出するモデルの学習に関する指定を行うための学習指定画面を表示する指示を行うためのものである。学習指定画面については、
図8に関連して後述する。
【0056】
なお、表示処理部225は、ランキング画面500を、監視画面に含まれるダッシュボード、ウィンドウ、またはサブウィンドウ等の表示部品の1つとして表示してもよい。これにより、表示処理部225は、一例として設備100の選択に用いる時間長または変化幅等のパラメータが異なる複数のランキング画面500を監視画面に同時に表示させることができる。
【0057】
図6は、本実施形態に係る監視装置140が出力する、選択条件指定画面の一例を示す。表示処理部225は、ランキング画面500中の設定ボタン515が押されたことに応じて、本図の選択条件指定画面を表示する処理を行う。この選択条件指定画面は、選択部215が設備100の選択に用いる、状態値の変化の判定期間の長さ(予め定められた時間長)、および判定閾値(予め定められた変化幅または変化率)の指定を入力するための画面である。
【0058】
選択条件指定画面は、「表示期間」欄を用いて、複数の設備100の順位付けの遷移を表示する表示期間を受け付ける。表示処理部225は、表示期間が受け付けられたことに応じて、ランキング画面500に表示する期間を、「表示期間」欄に入力された期間に変更する。
【0059】
選択条件指定画面は、「順位計算期間」欄を用いて、状態値の変化の判定期間の長さを一例として日単位で受け付ける。これに代えて、選択条件指定画面は、秒、分、または時間等の他の単位を用いて判定期間の長さを受け付けてもよい。表示処理部225は、「順位計算期間」欄に入力された期間の長さを、ランキング画面500に表示する各時点の間隔としても用いてよい。
【0060】
また、選択条件指定画面は、「閾値による表示設定」欄を用いて、判定期間中に用いられる判定閾値を受け付ける。「閾値による表示設定」欄における、「(空欄)以上の下落幅の設備を選択」は、空欄に状態値の下落幅の判定閾値の入力を受け付ける。例えば、本図のように、「閾値による表示設定」欄が、「0.2以上の下落幅の設備を選択」と指定された場合には、選択部215は、「判定期間」欄に指定された判定期間(例えば、1日)の間に、状態値が0.2以上下落した設備100を選択する。なお、「閾値による表示設定」欄の「全設備を選択する」は、全ての設備100を表示する旨の指定となる。この項目が選択されると、選択部215は、全ての設備100を選択する。
【0061】
また、選択条件指定画面は、上記の指定を保存して選択部215に設定するための保存ボタン、および上記の指定をキャンセルするためのキャンセルボタンを有してよい。選択条件入力部230は、
図3のS350において選択条件指定画面を介して選択条件の指定を入力すると、S360において、指定された選択条件を選択部215に設定する。これにより、選択部215は、S320の再実行に応じて、選択条件指定画面を介して入力された選択条件を用いて状態値を選択することができる。なお、表示処理部225は、選択条件指定画面として、判定期間の長さまたは判定閾値のいずれか1つのみを指定する画面を表示してもよく、選択条件入力部230は、指定された判定期間の長さまたは判定閾値を選択部215に設定してもよい。
【0062】
図7は、本実施形態に係る監視装置140が出力する、トレンドグラフの一例を示す。表示処理部225は、ランキング画面500中の、ある設備100に対応付けられたグラフ表示ボタン520が押されたことに応じて、その設備100の状態値に関連するトレンドグラフを表示する処理を行う。具体的には、表示処理部225は、トレンドグラフの横軸および縦軸のそれぞれについての軸、軸タイトル、および軸目盛等を表示画面に出力する。また、表示処理部225は、トレンドグラフの表示期間内の各時刻における表示対象の状態値を記録部205から読み出して、トレンドグラフ上にプロットする。
【0063】
トレンドグラフは、対応する状態値の時間変化を示す。本図において、横軸は時間、縦軸は状態値(図中「AI診断値」)を示す。表示処理部225は、状態値の時間変化のグラフ自体に加えて、状態値の変化幅または変化率を視覚的に確認可能な補助線または注釈等の付加情報を端末150に表示させてもよい。本例のトレンドグラフは、選択条件を満たすと判断された判定期間の開始および終了時における、状態値に対応するグラフ上の点を丸で囲むことによって強調する。
【0064】
また、表示処理部225は、対象となる設備100の状態値のトレンドグラフに加えて、その設備100に割り当てられた1または2以上のセンサ110の1または2以上の計測値の変化を示すトレンドグラフを表示する処理を行ってよい。具体的には、表示処理部225は、トレンドグラフの表示期間内の各時刻における表示対象の計測値を記録部205から読み出して、トレンドグラフ上にプロットする。本例のトレンドグラフは、設備100の状態値の推移に加えて、同じ期間における、その設備100に関する温度および加速度の計測値の推移を示す。表示処理部225は、設備100に割り当てられた各センサ110の計測値を別々のトレンドグラフ上にプロットしてよい。2以上のセンサ110がセンサ装置に内蔵されている場合、表示処理部225は、1つのセンサ装置に内蔵された2以上のセンサ110の計測値を同じトレンドグラフ上にプロットしてもよい。
【0065】
以上に示した表示処理部225によれば、選択部215によって選択された設備100のうち、指定された設備100の計測値および状態値のトレンドグラフを表示可能とする。これにより、表示処理部225は、選択部215によって選択された重要な計測値および状態値の変化をより迅速に表示してプラント等の異常を早期に解消可能とすることができる。
【0066】
図8は、本実施形態に係る監視装置140が出力する、学習指定画面の一例を示す。表示処理部225は、ランキング画面500中の、ある設備100に対応付けられた学習ボタン550が押されたことに応じて、その設備100の状態値を算出するモデルの学習に関する指定を行うための学習指定画面を表示する処理を行う。そして、学習処理部250は、学習ボタン550が押されたことに応じて、モデルの学習に関する指定を受けた後に、モデルを学習により生成する処理を行う。
【0067】
本実施形態に係る学習指定画面は、対象となる設備100の状態を監視する1または複数のセンサ110の指定を入力する。本図の例において、学習指定画面は、「センサ選択」と表示された枠内に複数のセンサ110を表示し、複数のセンサ110の中から設備100に対応付ける少なくとも1つのセンサ110をチェックボックスにより指定可能とする。対応取得部207は、監視装置140のユーザによりチェックボックスがチェックされた各センサ110を、対象の設備100に対応付けられるべきセンサ110として取得する。そして、対応取得部207は、対象の設備100とチェックボックスがチェックされた各センサ110との対応付けを対応記憶部209に格納する。なお、
図8の例では、監視装置140のユーザにより機械ポンプにセンサ1~3を対応付ける旨の指定が入力された状態を示している。
【0068】
また、本実施形態に係る学習指定画面は、対象となる設備100の状態値を算出するモデルの学習に用いる学習データの期間の指定を監視装置140のユーザから入力する。本図の例において、学習指定画面は、「学習データ区間」欄を用いて学習データの期間の開始日および終了日の指定を受け付ける。これに代えて、学習指定画面は、学習データの期間を複数入力可能としてもよい。
【0069】
学習期間選択部243は、学習期間の候補を生成して学習指示入力部245に提供することにより、学習指定画面の「学習データ区間」欄の初期値として学習期間の候補を表示させてよい。学習期間選択部243は、対象の設備100に関する各計測値の変動幅が予め定められた閾値以下である予め定められた長さ以上の期間を学習期間の候補として選択してよい。ここで、学習期間選択部243は、対象の設備100に関する全ての計測値の変動幅が予め定められた閾値以下であることを条件としてよく、対象の設備100に関する全ての計測値のうち予め定められた数または割合以上の計測値の変動幅が予め定められた閾値以下であることを条件としてもよい。
【0070】
また、学習指定画面は、モデルにおける学習によって変化しない設定値等のハイパーパラメータ(ニューラルネットワークにおける層数、各層のニューロン数等のような学習に先立って設定されるパラメータ)を更に入力可能としてもよい。
【0071】
学習指定画面は、学習に関する指定を用いてモデルの学習を開始することを指示するためのボタンを有してよい。本図において「モデル更新」ボタンが押されると、学習指示入力部245は、学習指定画面によって指定された学習データの期間を入力して学習処理部250に提供し、学習処理部250に対して学習の開始を指示する。
【0072】
学習の開始が指示されると、学習処理部250は、「センサ選択」の枠内で指定された、対象の設備100と少なくとも1つのセンサ110との対応付けを対応記憶部209から取得する。学習処理部250は、学習指示入力部245により指定された期間中の各タイミングにおける、対象となる設備100の状態値の算出に用いる少なくとも1つのセンサ110の計測値を記録部205から取得して学習データとする。ここで、対象となる状態値が例えば設備100aの状態値である場合、学習処理部250は、対象となる設備100aの状態を監視するセンサ110a~cの計測値を学習データに含める。本実施形態においては、学習処理部250は、学習データの期間中の各タイミングについて、センサ110a~cの計測値の組を学習データの1サンプルとする。
【0073】
本実施形態において、学習処理部250は、教師なし学習によりモデルを学習により生成する。一例として、学習処理部250は、学習データに含まれる少なくとの1つの計測値を用いた統計的学習によってモデルを学習により生成する処理を行ってよい。統計的学習の一例として、学習処理部250は、学習データを用いて、多次元空間(各サンプルに含まれる計測値の数を次元とする空間)中における、サンプルの確率分布を算出してモデルに与えてよい。ここで、プラント等は、異常の発生は希であり、学習データの期間中ほぼ正常に動作しているので、新しい計測値の組が確率分布から外れているほど、異常の可能性が高いと推定することができる。この確率分布を用いることで、モデルは、新しい計測値の組が入力されると、その新しい計測値の組が確率分布からどの程度外れているかを算出することができる。このようなモデルは、一例として確率分布から外れるほど下落する値を状態値として出力する。
【0074】
上記のモデルは、確率分布からの外れ度合いを、その確率分布の標準偏差によって正規化した状態値を出力してもよい。これにより、順位付部220は、正規化された状態値同士を比較して複数の設備100を並べ替えることで、異常の可能性が高いと推測される設備100をより優先させることができる。
【0075】
以上に代えて、学習処理部250は、教師あり学習によりモデルを学習してもよい。この場合、学習データ中の各サンプルには、正常または異常等のラベルが付加される。例えば、学習指示入力部245は、学習指定画面によって対象の設備100が正常であった正常期間および異常であった異常期間の指定を入力して、学習データ中の各サンプルに、この指定に応じたラベルを付加してよい。
【0076】
モデルは、一例としてニューラルネットワークまたはSVM等であってよい。学習指示入力部245は、学習データ中の各サンプルをモデルに入力した場合のモデルの出力と、ラベルとの誤差を低減させるように、モデルのパラメータを更新していく。例えばニューラルネットワークを用いる場合、学習指示入力部245は、各サンプルを入力したことに応じてニューラルネットワークが出力する出力値とラベルとの誤差を用いて、バックプロパゲーション等の手法により、ニューラルネットワークの各ニューロン間の重みおよび各ニューロンのバイアス等を調整する。
【0077】
ランキング画面500中のある設備100について、学習ボタン550が押されたことに応じて、学習データの期間の指定を入力してモデルを学習により生成することにより、監視装置140は、各設備100の状態値の算出に適した期間の計測値を用いてより高い精度のモデルを生成することができる。また、学習済みのモデルが出力する状態値が適切でない場合には、監視装置140は、学習ボタン550が押されたことに応じて、記録部205に格納された計測値の中から学習データとして使用する計測値の範囲を変更して、再学習によってモデルを更新することができる。また、監視装置140は、学習期間の候補を生成することにより、学習により好適な学習期間の設定を促進して学習後のモデルの精度を向上することができる。
【0078】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0082】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0083】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0084】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0085】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0086】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0087】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0088】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0089】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0090】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0091】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0093】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
10 監視システム、100a~c 設備、110a~i センサ、120a~b ゲートウェイ装置、130 ネットワーク、140 監視装置、150 端末、200 計測値取得部、205 記録部、207 対応取得部、209 対応記憶部、210 算出部、215 選択部、220 順位付部、225 表示処理部、230 選択条件入力部、243 学習期間選択部、245 学習指示入力部、250 学習処理部、500 ランキング画面、510 チャート、515 設定ボタン、520 グラフ表示ボタン、550 学習ボタン、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インターフェイス、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード