(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20240312BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240312BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240312BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20240312BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240312BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
G08B21/02
G06T7/20 300Z
G06T7/00 300F
(21)【出願番号】P 2021566729
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2019051455
(87)【国際公開番号】W WO2021131025
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 大輝
(72)【発明者】
【氏名】若草 龍司
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132803(JP,A)
【文献】特開2006-092396(JP,A)
【文献】特開2015-176198(JP,A)
【文献】特開2007-060528(JP,A)
【文献】特開2018-201176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T7/00-7/90
G06V10/00-20/90
30/418
40/16
40/20
G08B19/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが生成した画像を取得する取得手段と、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出する抽出手段と、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれか
のグループに属しているか判断する判断手段と、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、前記単独行動人物の位置情報を含む報知情報を出力する出力手段と、
を有
し、
前記グループ情報には、前記グループに属する人物各々の個人連絡先が登録されており、
前記出力手段は、
前記単独行動人物が属する前記グループのいずれかの人物の前記個人連絡先に、前記単独行動人物がはぐれたか否かを問い合わせる質問を送信し、
はぐれたか否かの回答を受信し、
前記回答がはぐれたことを示す場合、前記報知情報を出力する処理装置。
【請求項2】
互いの距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上を満たす2人の人物各々の外観の特徴量を、同一の前記グループに紐づけて前記グループ情報に登録するグループ情報生成手段をさらに有する請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、対象人物との距離が前記第1の閾値未満である状態が基準時間以上継続している人物が存在せず、かつ、前記対象人物からの距離が第2の閾値未満のエリアに前記対象人物が属する前記グループの他の人物が存在しない場合、前記対象人物は単独行動をしていると判断し、
前記第1の閾値は前記第2の閾値より小さい請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記報知情報は、前記単独行動人物を示す情報と単独行動していた位置を示す情報を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記出力手段が出力した前記報知情報を蓄積する記憶部をさらに有する請求項1から4のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記グループ情報には、緊急時連絡先が登録されており、
前記出力手段が出力した前記報知情報を、前記単独行動人物が属するグループに紐づく前記緊急時連絡先に送信する送信手段をさらに有する請求項1から5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記出力手段は、前記単独行動人物の挙動が報知条件を満たす場合、前記報知情報を出力する請求項1から
6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
カメラが生成した画像を取得し、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出し、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれか
のグループに属しているか判断し、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、前記単独行動人物の位置情報を含む報知情報を出力
し、
前記グループ情報には、前記グループに属する人物各々の個人連絡先が登録されており、
前記コンピュータは、前記報知情報を出力する処理において、
前記単独行動人物が属する前記グループのいずれかの人物の前記個人連絡先に、前記単独行動人物がはぐれたか否かを問い合わせる質問を送信し、
はぐれたか否かの回答を受信し、
前記回答がはぐれたことを示す場合、前記報知情報を出力する処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
カメラが生成した画像を取得する取得手段、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出する抽出手段、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれか
のグループに属しているか判断する判断手段、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、前記単独行動人物の位置情報を含む報知情報を出力する出力手段、
として機能させ
、
前記グループ情報には、前記グループに属する人物各々の個人連絡先が登録されており、
前記出力手段は、
前記単独行動人物が属する前記グループのいずれかの人物の前記個人連絡先に、前記単独行動人物がはぐれたか否かを問い合わせる質問を送信し、
はぐれたか否かの回答を受信し、
前記回答がはぐれたことを示す場合、前記報知情報を出力するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、動画像から検出された人物の相互の位置関係から、相対距離が閾値を下回る状態が閾値より長い時間続く人物の組を同一行動をしているグループに属すると判定し、そうでない人物は単独行動をしていると判定する技術を開示している。特許文献2は、画像から検出した動体が単独で行動しているか否かを検出する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-92396号
【文献】特開2015-176198号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の状況下で、例えば治安がよくない国や地域を訪問する際には、グループ行動が推奨される場合がある。しかし、何らかのトラブル等によりグループから離れ、意図せず単独行動になってしまう人物や、意図的にグループから離れて単独行動を行う人物等が現れる可能性がある。このようにグループから離れて単独行動になった人物を検出する技術が望まれている。特許文献1及び2の技術は、単に単独行動をしている人物を検出するものであり、グループから離れて単独行動になった人物を検出するものではない。
【0005】
本発明は、グループから離れて単独行動になった人物を検出する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
カメラが生成した画像を取得する取得手段と、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出する抽出手段と、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属しているか判断する判断手段と、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、前記単独行動人物の位置情報を含む報知情報を出力する出力手段と、
を有する処理装置が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
カメラが生成した画像を取得し、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出し、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属しているか判断し、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、前記単独行動人物の位置情報を含む報知情報を出力する処理方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
カメラが生成した画像を取得する取得手段、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出する抽出手段、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属しているか判断する判断手段、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、前記単独行動人物の位置情報を含む報知情報を出力する出力手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、グループから離れて単独行動になった人物を検出する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述した目的、および、その他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、および、それに付随する以下の図面によって、さらに明らかになる。
【0011】
【
図1】本実施形態の処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例である。
【
図3】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図4】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図5】本実施形態の処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例である。
【
図7】本実施形態の処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図9】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図10】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例である。
【
図11】本実施形態の処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の処理装置の概要を説明する。処理装置は、カメラが生成した画像を取得すると、画像の中から単独行動をしている人物(単独行動人物)を抽出する。画像から単独行動人物が抽出されると、処理装置は、グループ行動をする人物の外観の特徴量をグループ別に登録したグループ情報に基づき、当該単独行動人物がいずれかのグループに属しているか判断する。そして、当該単独行動人物がいずれかのグループに属していると判断した場合、処理装置は報知情報を出力する。
【0013】
このような処理装置によれば、グループから離れて単独行動になった人物を検出することが可能となる。
【0014】
次に、処理装置の構成を詳細に説明する。まず、処理装置のハードウエア構成の一例を説明する。
【0015】
処理装置の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0016】
図1は、処理装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図1に示すように、処理装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び/又は論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。処理装置が物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0017】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサー、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0018】
図2に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理装置10は、取得部11と、抽出部12と、判断部13と、出力部14と、記憶部15とを有する。なお、処理装置10は記憶部15を有さなくてもよい。この場合、処理装置10と通信可能に構成された外部装置が記憶部15を備える。
【0019】
取得部11は、カメラが生成した画像を取得する。カメラは、動画像を撮影してもよいし、所定のタイミング(例:1秒ごと、5秒ごと等)で静止画像を撮影してもよい。カメラは、所定のエリアを撮影する。所定のエリアは、例えばグループ行動が推奨されるエリアであり、具体的には治安が悪いエリア、地形が悪く事故が起きやすいエリア、道が複雑で迷子になりやすいエリア等が例示されるが、これらに限定されない。
【0020】
カメラは、所定のエリアに設置(固定)されてもよい。その他、カメラは陸上を移動する移動体に搭載され、所定のエリアを移動しながら撮影してもよい。その他、カメラは飛行する移動体に搭載され、所定のエリアの上空を移動しながら撮影してもよい。
【0021】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等を含んでもよい。また、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること等を含んでもよい。また、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」を含んでもよい。
【0022】
抽出部12は、画像の中から、単独行動をしている人物(単独行動人物)を抽出する。例えば、抽出部12は、互いの距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上である2人の人物を、一緒にグループ行動をしている人物と判断してもよい。そして、抽出部12は、画像から抽出した人物の中の、一緒にグループ行動をしている人物がその画像内に存在しない人物を、単独行動人物として抽出してもよい。その他、抽出部12は、画像から抽出した人物の中の、一緒にグループ行動をしている人物がその画像内に存在しない状態が所定時間以上継続した人物を、単独行動人物として抽出してもよい。画像内から人物を抽出する手段や、画像の中の2点間の実際の距離を推定する手段は広く知られているので、ここでの説明は省略する。また、ここで例示した単独行動人物を抽出する処理はあくまで一例であり、抽出部12はその他の技術を利用して単独行動人物の抽出を実現してもよい。
【0023】
判断部13は、グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、抽出部12により抽出された単独行動人物がいずれかのグループに属しているか判断する。グループ情報は、グループ行動をする人物の外観の特徴量をグループ別に登録した情報であってもよい。
【0024】
図8にグループ情報の一例を模式的に示す。図示する例では、複数のグループを互いに識別するグループ識別情報と、各グループに属するメンバー(人物)各々の情報とが互いに紐づけられている。各メンバーの情報は、顔画像、顔の特徴量等である。顔画像に変えて、身体全体(顔部分も含む)の画像を採用してもよい。そして、顔の特徴量に変えて、身体全体の特徴量(顔、体格、服装等の特徴量)を採用してもよい。なお、グループ情報は、図示する情報の中の一部を含まなくてもよいし、その他の情報を含んでもよい。記憶部15が、このようなグループ情報を記憶する。
【0025】
判断部13は、グループ情報に含まれる複数の人物各々の外観の特徴量の中に、画像から抽出された単独行動人物の外観の特徴量と一致(類似度が閾値以上)するものが存在する場合、単独行動人物はグループに属する人物と判断する。一方、グループ情報に含まれる複数の人物各々の外観の特徴量の中に、画像から抽出された単独行動人物の外観の特徴量と一致(類似度が閾値以上)するものが存在しない場合、単独行動人物はグループに属する人物でないと判断する。
【0026】
出力部14は、単独行動人物がいずれかのグループに属していると判断された場合、報知情報を出力する。出力された報知情報は、例えば記憶部15に蓄積される。
図4に、報知情報の一例を模式的に示す。図示する報知情報は、単独行動人物を示す情報(画像(取得部11が取得した画像)、グループ識別情報等)と、単独行動していた場所(画像を撮影した場所)を示す情報と、単独行動をしていた日時(画像を撮影した日時)とを含む。なお、報知情報は、図示する情報の中の一部を含まなくてもよいし、その他の情報を含んでもよい。
【0027】
次に、
図5のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0028】
取得部11が画像を取得すると(S10)、抽出部12は、その画像の中から人物を抽出する(S11)。そして、抽出部12は、抽出した人物の中の1人を対象人物として指定する(S12)。
【0029】
次いで、抽出部12は、対象人物との距離が第1の閾値未満の人が画像内に存在するか判断する(S13)。存在しない場合(S13のNo)、抽出部12は、その対象人物は単独行動をしていると判断し、その対象人物を単独行動人物として抽出する(S16)。
【0030】
一方、対象人物との距離が第1の閾値未満の人が画像内に存在する場合(S13のYes)、抽出部12は、その人物と対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上か判断する(S14)。
【0031】
対象人物との距離が第1の閾値未満である人物の中のいずれかとの関係において、上記継続時間が基準時間以上の関係を満たす場合(S14のYes)、抽出部12は、その対象人物は単独行動でないと判断する(S15)。その後、S19に進む。
【0032】
一方、対象人物との距離が第1の閾値未満である人物の中のすべてとの関係において、上記継続時間が基準時間以上の関係を満たさない場合(S14のNo)、抽出部12は、その対象人物は単独行動をしていると判断し、その対象人物を単独行動人物として抽出する(S16)。
【0033】
S16の後、判断部13は、
図3に示すようなグループ情報に基づき、単独行動人物として抽出された対象人物がいずれかのグループに属しているか判断する(S17)。そして、グループに属すると判断された場合(S17のYes)、出力部14は、報知情報を出力する(S18)。その後、S19に進む。出力された報知情報は、例えば記憶部15に蓄積される(
図4参照)。
【0034】
一方、グループに属さないと判断された場合(S17のNo)、S19に進む。
【0035】
S19では、抽出部12は、S11で抽出した人物の中に対象人物として指定しない人物が存在するか判断する。存在する場合(S19のYes)、S12に戻り同様の処理を行う。一方、存在しない場合(S19のNo)、処理を終了する入力がなければ(S20のNo)、S10に戻って同様の処理を行う。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の処理装置10は、画像の中から単独行動をしている人物(単独行動人物)を抽出すると、予め保持している「グループ行動をする人物の外観の特徴量をグループ別に登録したグループ情報」に基づき、抽出した単独行動人物がいずれかのグループに属しているか判断する。そして、当該単独行動人物がいずれかのグループに属していると判断した場合、報知情報を出力する。このような処理装置10によれば、グループから離れて単独行動になった人物を検出することが可能となる。
【0037】
また、処理装置10は、グループから離れて単独行動になった人物を検出すると、その単独行動人物に関する報知情報を
図4のように蓄積することができる。このため、単独行動人物のいずれかが何らかのトラブルに巻き込まれた場合、蓄積した報知情報に基づき、その人物の足取りを探ることができる。
【0038】
<第2の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、取得部11が取得した画像の解析結果に基づき、自動的にグループ情報を生成し、記憶部15に記憶させる機能を有する。
図7に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態の処理装置10は、グループ情報生成部16を有する点で、第1の実施形態の処理装置10と異なる。
【0039】
グループ情報生成部16は、互いの距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上を満たす2人の人物各々の外観の特徴量を、同一のグループ(グループ識別情報)に紐づけてグループ情報に登録する。
【0040】
図8に、本実施形態のグループ情報生成部16が生成するグループ情報の一例を模式的に示す。本実施形態の場合、取得部11が取得した画像から取得できる情報のみが、各メンバーの情報としてグループ情報に登録される。図示する例では、各メンバーの情報として、顔画像及び顔の特徴量等が登録されている。顔画像に変えて、身体全体(顔部分も含む)の画像を採用してもよい。そして、顔の特徴量に変えて、身体全体の特徴量(顔、体格、服装等の特徴量)を採用してもよい。なお、グループ情報は、図示する情報の中の一部を含まなくてもよいし、その他の情報を含んでもよい。記憶部15が、このようなグループ情報を記憶する。
【0041】
次に、
図9のフローチャートを用いて、本実施形態の処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0042】
取得部11が画像を取得すると(S30)、抽出部12は、その画像の中から人物を抽出する(S31)。そして、抽出部12は、抽出した人物の中の1人を対象人物として指定する(S32)。
【0043】
次いで、抽出部12は、対象人物との距離が第1の閾値未満の人が画像内に存在するか判断する(S33)。存在しない場合(S33のNo)、抽出部12は、その対象人物は単独行動をしていると判断し、その対象人物を単独行動人物として抽出する(S37)。
【0044】
一方、対象人物との距離が第1の閾値未満の人が画像内に存在する場合(S33のYes)、抽出部12は、その人物と対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上か判断する(S34)。
【0045】
対象人物との距離が第1の閾値未満である人物の中のいずれかとの関係において、上記継続時間が基準時間以上の関係を満たす場合(S34のYes)、抽出部12は、その対象人物は単独行動でないと判断する(S35)。
【0046】
その後、グループ情報生成部16は、グループ情報の更新処理を行う(S36)。具体的には、グループ情報生成部16は、「対象人物の外観の特徴量」と、「対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上である人物の外観の特徴量」とのペアが、同一のグループ識別情報に紐づけてグループ情報に登録されているか確認する。
【0047】
そして、登録されてない場合、グループ情報生成部16は、「対象人物の外観の特徴量」と、「対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上である人物の外観の特徴量」とのペアを、同一のグループ識別情報に紐づけてグループ情報に登録する。一方、登録されている場合、グループ情報生成部16は、グループ情報の更新を行わない。処理装置10は、S36の後、S40に進む。
【0048】
一方、対象人物との距離が第1の閾値未満である人物の中のすべてとの関係において、上記継続時間が基準時間以上の関係を満たさない場合(S34のNo)、抽出部12は、その対象人物は単独行動をしていると判断し、その対象人物を単独行動人物として抽出する(S37)。
【0049】
S37の後、判断部13は、
図3に示すようなグループ情報に基づき、単独行動人物として抽出された対象人物がいずれかのグループに属しているか判断する(S38)。そして、グループに属すると判断された場合(S38のYes)、出力部14は、報知情報を出力する(S39)。その後、S40に進む。出力された報知情報は、例えば記憶部15に蓄積される(
図4参照)。
【0050】
一方、グループに属さないと判断された場合(S38のNo)、S40に進む。
【0051】
S40では、抽出部12は、S31で抽出した人物の中に対象人物として指定しない人物が存在するか判断する。存在する場合(S40のYes)、S42に戻り同様の処理を行う。一方、存在しない場合(S40のNo)、処理を終了する入力がなければ(S41のNo)、S30に戻って同様の処理を行う。
【0052】
処理装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0053】
以上、本実施形態の処理装置10によれば、第1の実施形態の処理装置10と同様な作用効果が実現される。
【0054】
また、本実施形態の処理装置10によれば、ユーザによる作業(事前登録等)なしで、自動的にグループ情報を生成することができる。このため、グループから離れて単独行動になった人物として検出できる対象が広がり、グループから離れて単独行動になった人物の検出率が高くなることが期待される。
【0055】
<第3の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、グループ情報を生成し、記憶部15に記憶させる機能を有する。
図7に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態の処理装置10は、グループ情報生成部16を有する点で、第1の実施形態の処理装置10と異なる。
【0056】
グループ情報生成部16は、グループ情報を生成し、記憶部15に記憶させる。本実施形態のグループ情報生成部16は、ユーザ入力に基づき、各グループのグループ情報を生成する。例えば、処理装置10のサービスを受ける人物の端末装置(スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等)に、当該サービス専用のアプリケーションがインストールされてもよい。そして、ユーザは、当該アプリケーションを介して、グループの作成や、作成したグループに属するメンバーの各種情報(氏名、連絡先、画像(顔画像等)等)の登録や、緊急連絡先の登録等を行ってもよい。その他、処理装置10のサービスに関するウェブページから当該登録が行われてもよい。
【0057】
図3に本実施形態のグループ情報生成部16が生成するグループ情報の一例を模式的に示す。図示する例では、複数のグループを互いに識別するグループ識別情報と、各グループの緊急連絡先と、各グループに属するメンバー各々の情報とが互いに紐づけられている。各メンバーの情報は、氏名、連絡先、顔画像、顔の特徴量等である。顔画像に変えて、身体全体(顔部分も含む)の画像を採用してもよい。そして、顔の特徴量に変えて、身体全体の特徴量(顔、体格、服装等の特徴量)を採用してもよい。なお、グループ情報は、図示する情報の中の一部を含まなくてもよいし、その他の情報を含んでもよい。記憶部15が、このようなグループ情報を記憶する。
【0058】
図4に、本実施形態の出力部14が出力する報知情報の一例を模式的に示す。図示するように、本実施形態の報知情報は、単独行動人物の氏名等を含むことができる。
【0059】
処理装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0060】
以上、本実施形態の処理装置10によれば、第1及び第2の実施形態の処理装置10と同様な作用効果が実現される。
【0061】
また、本実施形態の処理装置10によれば、ユーザは比較的簡単な作業でグループを作成し、一緒にグループ行動する人物をグループ情報に登録することができる。グループ情報の登録が面倒であると、処理装置10のサービスを利用するユーザが少なくなる。当然、サービスを利用していない場合(グループ情報に登録されていない場合)、グループから離れて単独行動になった人物として検出されることはない。このため、処理装置10のサービスを利用するユーザが少ないと、グループから離れて単独行動になった人物の検出率が低くなってしまう。
【0062】
グループ情報を比較的簡単な作業で登録できる本実施形態の処理装置10によれば、利用者が増加し、結果として、グループから離れて単独行動になった人物の検出率が高くなることが期待される。
【0063】
<第4の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、出力部14が出力した報知情報を外部装置に送信する機能を有する。
図6に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態の処理装置10は、送信部17を有する点で、第1乃至第3の実施形態の処理装置10と異なる。なお、処理装置10は、グループ情報生成部16をさらに有してもよい。
【0064】
送信部17は、出力部14が出力した報知情報を外部装置に送信する。例えば、送信部17は、単独行動人物が属するグループに紐づく緊急連絡先に、報知情報を送信してもよい。この場合、
図3に示すように、本実施形態のグループ情報には、各グループに紐づけて緊急連絡先が登録されている。
【0065】
例えば、緊急連絡先として電子メールアドレスが登録されてもよい。そして、送信部17は、緊急連絡先として登録されている電子メールアドレスを宛先として、報知情報を含む電子メールを送信してもよい。
【0066】
その他、処理装置10のサービスを受ける人物の端末装置(スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等)に、当該サービス専用のアプリケーションがインストールされてもよい。そして、緊急連絡先として、そのサービスにおけるユーザ識別情報が登録されてもよい。そして、送信部17は、緊急連絡先として登録されているユーザ識別情報で特定されるユーザの端末装置に、報知情報を送信してもよい。例えば、プッシュ通知を利用してもよいし、アプリケーションの所定のメニューから報知情報を閲覧可能にしてもよい。
【0067】
その他、送信部17は、有線及び/又は無線での通信で、警察、警備会社、旅行会社等の装置に、報知情報を送信してもよい。予め、送信先のアドレスが記憶部15に記憶されており、送信部17は、そのアドレスを宛先として報知情報を送信する。
【0068】
処理装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0069】
以上、本実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第3の実施形態の処理装置10と同様な作用効果が実現される。
【0070】
また、処理装置10は、グループから離れて単独行動になった人物を検出すると、その単独行動人物に関する報知情報を外部装置に送信することができる。
【0071】
例えば、処理装置10は、単独行動人物が属するグループの緊急連絡先に、報知情報を送信することができる。このため、グループの緊急連絡先として登録されている人物は、グループのメンバーが単独行動をしているという事実を迅速に把握することができる。そして、報知情報に含まれる位置情報や日時情報を頼りにその人物を探したり、警察、警備会社、旅行会社等に助けを求めたりする等の適切な対応を迅速にとることができる。
【0072】
また、処理装置10は、警察、警備会社、旅行会社等の装置に、報知情報を送信することができる。このため、警察、警備会社、旅行会社等は、グループ行動が推奨される人物が単独行動をしているという事実を迅速に把握することができる。そして、報知情報に含まれる位置情報や日時情報を頼りにその人物を探して保護する等の適切な対応を迅速にとることができる。
【0073】
<第5の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、単独行動人物を抽出する処理の詳細が第1乃至第4の実施形態と異なる。本実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例は、第1乃至第4の実施形態の処理装置10と同様である。
【0074】
抽出部12は、対象人物との距離が第1の閾値未満である状態が基準時間以上継続している人物が存在せず、かつ、対象人物からの距離が第2の閾値未満のエリアに対象人物が属するグループの他の人物が存在しない場合、対象人物は単独行動をしていると判断する。第1の閾値は第2の閾値より小さい。
【0075】
なお、抽出部12は、対象人物との距離が第1の閾値未満である状態が基準時間以上継続している人物が存在せず、かつ、対象人物からの距離が第2の閾値未満のエリアに対象人物が属するグループの他の人物が存在しない状態が所定時間以上継続した場合、対象人物は単独行動をしていると判断してもよい。第1の閾値は第2の閾値より小さい。
【0076】
次に、
図11のフローチャートを用いて、本実施形態の処理装置10の処理の流れの一例を説明する。当該処理の流れでは、グループ情報生成部16が第4の実施形態で説明した手段でグループ情報を生成するが、本実施形態において、グループ情報の生成手段はこれに限定されない。
【0077】
取得部11が画像を取得すると(S50)、抽出部12は、その画像の中から人物を抽出する(S51)。そして、抽出部12は、抽出した人物の中の1人を対象人物として指定する(S52)。
【0078】
次いで、抽出部12は、対象人物との距離が第1の閾値未満の人が画像内に存在するか判断する(S53)。存在しない場合(S53のNo)、抽出部12は、対象人物からの距離が第2の閾値未満のエリアに対象人物が属するグループの他のメンバーが存在するか判断する(S57)。他のメンバーが存在しない場合(S57のNo)、抽出部12は、その対象人物は単独行動をしていると判断し、その対象人物を単独行動人物として抽出する(S59)。
【0079】
一方、他のメンバーが存在する場合(S57のYes)、抽出部12は、その対象人物は単独行動でないと判断する(S58)。そして、その後S62に進む。
【0080】
また、対象人物との距離が第1の閾値未満の人が画像内に存在する場合(S53のYes)、抽出部12は、その人物と対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上か判断する(S54)。
【0081】
対象人物との距離が第1の閾値未満である人物の中のいずれかとの関係において、上記継続時間が基準時間以上の関係を満たす場合(S54のYes)、抽出部12は、その対象人物は単独行動でないと判断する(S55)。
【0082】
その後、グループ情報生成部16は、グループ情報の更新処理を行う(S56)。具体的には、グループ情報生成部16は、「対象人物の外観の特徴量」と、「対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上である人物の外観の特徴量」とのペアが、同一のグループ識別情報に紐づけてグループ情報に登録されているか確認する。
【0083】
そして、登録されてない場合、グループ情報生成部16は、「対象人物の外観の特徴量」と、「対象人物との距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上である人物の外観の特徴量」とのペアを、同一のグループ識別情報に紐づけてグループ情報に登録する。一方、登録されている場合、グループ情報生成部16は、グループ情報の更新を行わない。処理装置10は、S56の後、S62に進む。
【0084】
一方、対象人物との距離が第1の閾値未満である人物の中のすべてとの関係において、上記継続時間が基準時間以上の関係を満たさない場合(S54のNo)、処理装置10はS57に進む。S57、S58及びS59の処理の流れは上述の通りであるので、ここでの説明は省略する。
【0085】
S59の後、判断部13は、
図3に示すようなグループ情報に基づき、単独行動人物として抽出された対象人物がいずれかのグループに属しているか判断する(S60)。そして、グループに属すると判断された場合(S60のYes)、出力部14は、報知情報を出力する(S61)。その後、S62に進む。出力された報知情報は、例えば記憶部15に蓄積される(
図4参照)。
【0086】
一方、グループに属さないと判断された場合(S60のNo)、S62に進む。
【0087】
S62では、抽出部12は、S51で抽出した人物の中に対象人物として指定しない人物が存在するか判断する。存在する場合(S62のYes)、S52に戻り同様の処理を行う。一方、存在しない場合(S62のNo)、処理を終了する入力がなければ(S63のNo)、S50に戻って同様の処理を行う。
【0088】
処理装置10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0089】
以上、本実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第4の実施形態の処理装置10と同様な作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、グループ情報を利用して、単独行動人物を抽出することができる。具体的には、対象人物の周辺に同一グループに属する他のメンバーが存在しないか確認し、その結果に応じて単独行動人物か否かを判断することができる。このため、単独行動人物の抽出精度が向上する。
【0090】
また、本実施形態の処理装置10では、同一グループのメンバーであると判断するための互いの距離の閾値(第1の閾値)と、単独行動か否かを判断するためのメンバー間の距離の閾値(第2の閾値)とを異ならせることができる。具体的には、第1の閾値を第2の閾値より小さくする。
【0091】
第1の閾値を大きくし過ぎると、関係ない人同士を同一グループのメンバーと判断し、グループ情報に登録等してしまう恐れがある。このため、精度よく同一グループのメンバーを検出するためには、第1の閾値をある程度小さくする必要がある。一方で、同一グループのメンバーであっても、常に互いの距離が第1の閾値以下という関係を維持することは稀であり、一時的に少しだけ離れて別々に行動する場合もある。このように一時的に他のメンバーから少しだけ離れて行動している人物を、誤って単独行動人物と判断しないようにするためには、第2の閾値をある程度大きくする必要がある。
【0092】
このような実態にも関わらず、第1の閾値と第2の閾値とを同じ値にしてしまうと、同一グループのメンバーを検出する精度や、グループから離れた単独行動人物を検出する精度が低くなってしまう。第1の閾値と第2の閾値とを異ならせ、第1の閾値を第2の閾値より小さくした本実施形態の処理装置10によれば、同一グループのメンバーを精度よく検出し、かつ、グループから離れた単独行動人物を精度よく検出することができる。
【0093】
<第6の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、グループから離れた単独行動人物を検出した場合、報知情報の出力が必要か否か判断し、必要と判断した場合に報知情報を出力する機能を有する。本実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例は、第1乃至第5の実施形態の処理装置10と同様である。
【0094】
図3に示すように、本実施形態のグループ情報には、グループに属する人物各々の個人連絡先が登録される。そして、出力部14は、画像から抽出された単独行動人物がいずれかのグループに属していると判断された場合、単独行動人物が属するグループのいずれかの人物の連絡先にその単独行動人物がはぐれたか否かを問い合わせる質問を送信し、はぐれたか否かの回答を受信する。質問の送信先は、単独行動人物であってもよいし、その他の人物であってもよい。
【0095】
例えば、個人連絡先として電子メールアドレスが登録されてもよい。そして、出力部14は、個人連絡先として登録されている電子メールアドレスを宛先として、上記質問を送信してもよい。また、当該電子メールに回答用のウェブページのURLが含まれてもよい。そして、出力部14は、当該ウェブページから、質問の回答を受け付けてもよい。
【0096】
その他、処理装置10のサービスを受ける人物の端末装置(スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等)に、当該サービス専用のアプリケーションがインストールされてもよい。そして、個人連絡先として、そのサービスにおけるユーザ識別情報が登録されてもよい。そして、出力部14は、個人連絡先として登録されているユーザ識別情報で特定されるユーザの端末装置に、上記質問を送信し、当該アプリケーションのページから質問の回答を受け付けてもよい。
【0097】
そして、出力部14は、受信した回答がはぐれたことを示す場合、報知情報を出力し、受信した回答がはぐれたことを示さない場合、報知情報を出力しない。
【0098】
処理装置10のその他の構成は、第1乃至第5の実施形態と同様である。
【0099】
以上、本実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第5の実施形態の処理装置10と同様な作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、グループから離れた単独行動人物を検出した場合、その単独行動人物が属するグループの人物にその単独行動人物がはぐれたか否かを問い合わせ、はぐれている場合に報知情報を出力することができる。
【0100】
グループに属する人物であったとしても、何らかの理由で、他の人物の同意のもと、他の人物から離れて行動を行う場合が考えられる。このような場合にも報知情報を出力してしまうと、出力される報知情報の信頼度が低くなり得る。本実施形態の処理装置10によれば、真に報知情報を出力する必要がある場合に、報知情報を出力することが可能となるので、出力される報知情報の信頼度が高まる。
【0101】
<第7の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、グループから離れた単独行動人物を検出した場合、報知情報の出力が必要か否か判断し、必要と判断した場合に報知情報を出力する機能を有する。本実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例は、第1乃至第6の実施形態の処理装置10と同様である。
【0102】
出力部14は、単独行動人物の挙動が報知条件を満たす場合、報知情報を出力する。報知条件は、「所定の挙動に該当すること」である。所定の挙動は、グループからはぐれてしまった人が行う典型的な挙動であり、例えば、きょろきょろ辺りを見回す等であるが、これらに限定されない。
【0103】
きょろきょろ辺りを見回す挙動は、例えば、単独行動人物の顔の動きに基づき検出することができる。一例として、出力部14は、第1の所定時間(例:1分間)の間、単独行動人物の顔が第2の所定時間(例:3秒間)以上停止することなく、絶えず上下左右に動いている場合、きょろきょろ辺りを見回していると判断してもよい。
【0104】
処理装置10のその他の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。
【0105】
以上、本実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第6の実施形態の処理装置10と同様な作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、グループから離れた単独行動人物を検出した場合、その単独行動人物の挙動に基づきその単独行動人物がはぐれたか否かを判断し、はぐれたと判断した場合に報知情報を出力することができる。
【0106】
グループに属する人物であったとしても、何らかの理由で、他の人物の同意のもと、他の人物から離れて行動を行う場合が考えられる。このような場合にも報知情報を出力してしまうと、出力される報知情報の信頼度が低くなり得る。本実施形態の処理装置10によれば、真に報知情報を出力する必要がある場合に、報知情報を出力することが可能となるので、出力される報知情報の信頼度が高まる。
【0107】
<変形例>
すべての実施形態に適用可能な変形例を説明する。抽出部12は、取得部11が取得した画像の内容及びその画像が生成された時間帯に基づき、その画像が所定のエリア(例えばグループ行動が推奨されるエリア)の画像であるか否かを判断してもよい。そして、抽出部12は、その画像が所定のエリアの画像であると判断した場合に、単独行動人物を抽出する処理を行い、その画像が所定のエリアの画像でないと判断した場合には単独行動人物を抽出する処理を行わなくてもよい。
【0108】
カメラが移動体に搭載されている場合、カメラはグループ行動が推奨されるエリアのみならず、その他のエリアでも撮影を行う場合がある。また、昼間は比較的治安がよく、グループ行動が推奨されるエリアに該当しないが、夜間は治安が悪く、グループ行動が推奨されるエリアに該当するエリアもある。このような事情に関わらず、カメラが生成した画像全てを処理対象にすると、処理装置10の処理負担が大きくなる。当該変形例によれば、処理する必要がある画像のみを処理対象にできるので、処理装置10の処理負担が軽減される。
【0109】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0110】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
1. カメラが生成した画像を取得する取得手段と、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出する抽出手段と、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属しているか判断する判断手段と、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、報知情報を出力する出力手段と、
を有する処理装置。
2. 互いの距離が第1の閾値未満である状態の継続時間が基準時間以上を満たす2人の人物各々の外観の特徴量を、同一の前記グループに紐づけて前記グループ情報に登録するグループ情報生成手段をさらに有する1に記載の処理装置。
3. 前記抽出手段は、対象人物との距離が前記第1の閾値未満である状態が基準時間以上継続している人物が存在せず、かつ、前記対象人物からの距離が第2の閾値未満のエリアに前記対象人物が属する前記グループの他の人物が存在しない場合、前記対象人物は単独行動をしていると判断し、
前記第1の閾値は前記第2の閾値より小さい2に記載の処理装置。
4. 前記報知情報は、前記単独行動人物を示す情報と単独行動していた位置を示す情報を含む1から3のいずれかに記載の処理装置。
5. 前記出力手段が出力した前記報知情報を蓄積する記憶部をさらに有する1から4のいずれかに記載の処理装置。
6. 前記グループ情報には、緊急時連絡先が登録されており、
前記出力手段が出力した前記報知情報を、前記単独行動人物が属するグループに紐づく前記緊急時連絡先に送信する送信手段をさらに有する1から5のいずれかに記載の処理装置。
7. 前記グループ情報には、前記グループに属する人物各々の個人連絡先が登録されており、
前記出力手段は、
前記単独行動人物が属する前記グループのいずれかの人物の前記個人連絡先に、前記単独行動人物がはぐれたか否かを問い合わせる質問を送信し、
はぐれたか否かの回答を受信し、
前記回答がはぐれたことを示す場合、前記報知情報を出力する1から6のいずれかに記載の処理装置。
8. 前記出力手段は、前記単独行動人物の挙動が報知条件を満たす場合、前記報知情報を出力する1から7のいずれかに記載の処理装置。
9. コンピュータが、
カメラが生成した画像を取得し、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出し、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属しているか判断し、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、報知情報を出力する処理方法。
10. コンピュータを、
カメラが生成した画像を取得する取得手段、
前記画像の中から、単独行動をしている人物である単独行動人物を抽出する抽出手段、
グループ行動をする人物の外観の特徴量を登録したグループ情報に基づき、前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属しているか判断する判断手段、
前記単独行動人物がいずれかの前記グループに属していると判断された場合、報知情報を出力する出力手段、
として機能させるプログラム。