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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20240312BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240312BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240312BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240312BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240312BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240312BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240312BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20240312BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G02B5/20
G09F9/00 304B
G09F9/30 349B
G09F9/30 349C
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
G09F9/33
H01L33/00 L
H01L33/50
H10K50/86 865
H10K59/10
H10K59/38
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022138481
(22)【出願日】2022-08-31
【審査請求日】2023-11-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】今吉 孝二
(72)【発明者】
【氏名】後藤 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】川田 京慧
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/220734(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/163811(WO,A1)
【文献】特開2021-071645(JP,A)
【文献】国際公開第2020/044426(WO,A1)
【文献】特開2015-064391(JP,A)
【文献】特開2017-195135(JP,A)
【文献】特開2016-164855(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0135811(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
H10K 50/00-102/20
H01L 33/00
H01L 33/50
G09F 9/00-9/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有している透明基板と、
前記第1主面上に設けられ、複数の第1貫通孔を有しているブラックマトリクスと、
前記ブラックマトリクス上に設けられ、前記複数の第1貫通孔の位置に複数の第2貫通孔をそれぞれ有している樹脂層と、
前記複数の第2貫通孔の各々の側壁と前記樹脂層の上面とを少なくとも部分的に被覆した反射層と
を含み、
前記反射層のうち前記上面を被覆した部分は、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上であるブラックマトリクス基板。
【請求項2】
前記反射層のうち前記側壁を被覆した部分は、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上である請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項3】
前記反射層は、前記ブラックマトリクスを部分的に更に被覆した請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項4】
前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部の中にそれぞれ設けられた複数の波長変換層を更に含んだ請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項5】
前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部の位置にそれぞれ配置された複数の着色層を含んだカラーフィルタを更に含んだ請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項6】
前記反射層は、金属又は合金からなる層を含んだ請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のブラックマトリクス基板と、
前記第1主面と向き合うように設置された調光装置と、
前記ブラックマトリクス基板と前記調光装置との間に介在して、それらを貼り合わせた接着層と
を備えた表示装置。
【請求項8】
前記ブラックマトリクス基板と前記調光装置と前記接着層との積層体の外部に位置した放熱体と、
前記反射層から前記放熱体へ熱を導く伝熱体と
を更に備えた請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記放熱体は、前記調光装置及び前記接着層を間に挟んで前記ブラックマトリクス基板と向き合うように設けられた裏面放熱体を含んだ請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記裏面放熱体は、前記調光装置上に設けられた裏面放熱層である請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記調光装置には1以上の貫通孔が設けられ、前記伝熱体は、少なくとも部分的に前記1以上の貫通孔内に位置した請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記調光装置は複数の発光素子を含んだ請求項7に記載の表示装置。
【請求項13】
前記調光装置は複数の発光ダイオードを含んだ請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置では、画素又はサブ画素を互いから区画する隔壁を設けることがある(特許文献1及び2を参照)。隔壁は、例えば、光を効率的に利用すること、又は、混色を防止することを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-189920号公報
【文献】特開2015-064391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、放熱性に優れた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によると、第1主面及び第2主面を有している透明基板と、前記第1主面上に設けられ、複数の第1貫通孔を有しているブラックマトリクスと、前記ブラックマトリクス上に設けられ、前記複数の第1貫通孔の位置に複数の第2貫通孔をそれぞれ有している樹脂層と、前記複数の第2貫通孔の各々の側壁と前記樹脂層の上面とを少なくとも部分的に被覆した反射層とを含み、前記反射層のうち前記上面を被覆した部分は、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上であるブラックマトリクス基板が提供される。
【0006】
ここで、「算術平均高さS」は、JIS B0681-2:2018において定義されている表面性状パラメータである。また、「クルトシスSku」は、JIS B0681-2:2018において定義されている表面性状パラメータである。なお、JIS B0681-2:2018は、ISO25178-2に対応している。
【0007】
本発明の他の側面によると、前記反射層のうち前記側壁を被覆した部分は、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上である上記側面に係るブラックマトリクス基板が提供される。
【0008】
本発明の更に他の側面によると、前記反射層は、前記ブラックマトリクスを部分的に更に被覆した上記側面の何れかに係るブラックマトリクス基板が提供される。
【0009】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の第2貫通孔の少なくとも一部の中にそれぞれ設けられた複数の波長変換層を更に含んだ上記側面の何れかに係るブラックマトリクス基板が提供される。
【0010】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の第1貫通孔の少なくとも一部の位置にそれぞれ配置された複数の着色層を含んだカラーフィルタを更に含んだ上記側面の何れかに係るブラックマトリクス基板が提供される。
【0011】
本発明の更に他の側面によると、前記反射層は、金属又は合金からなる層を含んだ上記側面の何れかに係るブラックマトリクス基板が提供される。
【0012】
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係るブラックマトリクス基板と、前記第1主面と向き合うように設置された調光装置と、前記ブラックマトリクス基板と前記調光装置との間に介在して、それらを貼り合わせた接着層とを備えた表示装置が提供される。
【0013】
本発明の更に他の側面によると、
前記ブラックマトリクス基板と前記調光装置と前記接着層との積層体の外部に位置した放熱体と、前記反射層から前記放熱体へ熱を導く伝熱体とを更に備えた上記側面に係る表示装置が提供される。
【0014】
本発明の更に他の側面によると、前記放熱体は、前記調光装置及び前記接着層を間に挟んで前記ブラックマトリクス基板と向き合うように設けられた裏面放熱体を含んだ上記側面に係る表示装置が提供される。
【0015】
本発明の更に他の側面によると、前記裏面放熱体は、前記調光装置上に設けられた裏面放熱層である上記側面に係る表示装置が提供される。
【0016】
本発明の更に他の側面によると、前記調光装置には1以上の貫通孔が設けられ、前記伝熱体は、少なくとも部分的に前記1以上の貫通孔内に位置した上記側面の何れかに係る表示装置が提供される。
【0017】
本発明の更に他の側面によると、前記調光装置は複数の発光素子を含んだ上記側面の何れかに係る表示装置が提供される。
【0018】
本発明の更に他の側面によると、前記調光装置は複数の発光ダイオードを含んだ上記側面の何れかに係る表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、放熱性に優れた表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す表示装置の等価回路図である。
図3図3は、図1に示す表示装置のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図1に示す表示装置のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
【0022】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の構成部材の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0023】
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。
【0024】
<1>第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の一部を示す平面図である。図2は、図1に示す表示装置の等価回路図である。図3は、図1に示す表示装置のIII-III線に沿った断面図である。図4は、図1に示す表示装置のIV-IV線に沿った断面図である。なお、図1において、破線で囲まれた領域は、後述するように、ブラックマトリクス32が有している第1貫通孔の透明基板31側の開口を表している。
【0025】
図1乃至図4に示す表示装置1Aは、アクティブマトリクス駆動方式によるカラー表示が可能であり、各サブ画素が発光ダイオード(LED)を含んだマイクロLEDディスプレイである。
【0026】
なお、各図において、X方向及びY方向は、表示装置1Aの表示面に対して平行であり且つ互いに交差する方向である。一例によれば、X方向及びY方向は、互いに対して垂直である。また、Z方向は、X方向及びY方向に対して垂直な方向である。即ち、Z方向は、表示装置1Aの厚さ方向である。
【0027】
表示装置1Aは、図2に示すように、映像信号線VSLと、電源線PSLと、走査信号線SSLと、画素PXと、映像信号線ドライバVDRと、走査信号線ドライバSDRとを含んでいる。
【0028】
映像信号線VSL及び電源線PSLは、Y方向へ各々が伸びており、X方向へ交互に配列している。走査信号線SSLは、X方向へ各々が伸びており、Y方向へ配列している。
【0029】
画素PXは、X方向及びY方向へ配列している。各画素PXは、第1サブ画素PXRと、第2サブ画素PXGと、第3サブ画素PXBとを含んでいる。第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、映像信号線VSLと走査信号線SSLとの交差部に対応して配列している。
【0030】
第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、異なる色の光を射出する。ここでは、一例として、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光を射出することとする。
【0031】
各画素PXにおいて、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、X方向へこの順に配列している。各画素PXにおける、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBの配列順序は変更可能である。
【0032】
また、ここでは、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、ストライプ配列を形成している。第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBは、デルタ配列及びモザイク配列などの他の配列を形成していてもよい。
【0033】
第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBの各々は、発光素子Dと、駆動制御素子DRと、スイッチSWと、キャパシタCとを含んでいる。
【0034】
発光素子Dは、発光ダイオードである。発光ダイオードは、例えば、無機物からなる発光ダイオードである。無機物からなる発光ダイオードは、例えば、これらと同様の層構造を有している積層体を、複数の部分へと個片化することにより得られる。発光素子Dは、有機物からなる発光ダイオードであるエレクトロルミネッセンス素子であってもよい。発光素子Dの陰極は、接地電極へ接続されている。ここでは、一例として、発光素子Dは、無機物からなり、青色光を射出する青色発光ダイオードであるとする。
【0035】
駆動制御素子DR及びスイッチSWは、電界効果トランジスタである。ここでは、駆動制御素子DRはpチャネル薄膜トランジスタであり、スイッチSWはnチャネル薄膜トランジスタである。駆動制御素子DRは、ゲートがスイッチSWのドレインへ接続され、ソースが電源線PSLへ接続され、ドレインが発光素子Dの陽極へ接続されている。スイッチSWは、ゲートが走査信号線SSLへ接続され、ソースが映像信号線VSLへ接続されている。
【0036】
キャパシタCは、例えば、薄膜キャパシタである。キャパシタCは、一方の電極が駆動制御素子DRのゲートへ接続されており、他方の電極が電源線PSLへ接続されている。
【0037】
第1サブ画素PXRは、図3及び図4に示す第1波長変換層36R及び第1着色層33Rを更に含んでいる。
【0038】
第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの発光素子Dと向き合うように設置されている。第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの発光素子Dが射出した光を特定の色の第1光へと変換する。第1波長変換層36Rは、例えば、第1サブ画素PXRの発光素子Dが射出した青色光を赤色光へと変換する。
【0039】
第1着色層33Rは、第1波長変換層36Rを間に挟んで第1サブ画素PXRの発光素子Dと向き合うように設置されている。第1着色層33Rは、第1波長変換層36Rによる波長変換後の光を透過させるとともに、第1波長変換層36Rによって波長変換されなかった光を吸収する。第1着色層33Rは、例えば、第1波長変換層36Rによる波長変換後の赤色光を透過させるとともに、第1波長変換層36Rによって波長変換されなかった青色光等を吸収する赤色着色層である。
【0040】
第2サブ画素PXGは、図3に示す第2波長変換層36G及び第2着色層33Gを更に含んでいる。
【0041】
第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの発光素子Dと向き合うように設置されている。第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの発光素子Dが射出した光を、第1光とは色が異なる第2光へと変換する。第2波長変換層36Gは、例えば、第2サブ画素PXGの発光素子Dが射出した青色光を緑色光へと変換する。
【0042】
第2着色層33Gは、第2波長変換層36Gを間に挟んで第2サブ画素PXGの発光素子Dと向き合うように設置されている。第2着色層33Gは、第2波長変換層36Gによる波長変換後の光を透過させるとともに、第2波長変換層36Gによって波長変換されなかった光を吸収する。第2着色層33Gは、例えば、第2波長変換層36Gによる波長変換後の緑色光を透過させるとともに、第2波長変換層36Gによって波長変換されなかった青色光等を吸収する緑色着色層である。
【0043】
第3サブ画素PXBは、図3に示す下地層33B及び充填層36Bを更に含んでいる。
【0044】
充填層36Bは、第3サブ画素PXBの発光素子Dと向き合うように設置されている。充填層36Bは、例えば、無色透明な層である。充填層36Bは省略することができる。
【0045】
下地層33Bは、充填層36Bを間に挟んで第3サブ画素PXBの発光素子Dと向き合うように設置されている。下地層33Bは、第3サブ画素PXBの発光素子Dが射出した光を第3光として透過させる。下地層33Bは、例えば、第3サブ画素PXBの発光素子Dが射出した青色光を透過させる無色の光透過層又は青色着色層である。
【0046】
映像信号線ドライバVDR及び走査信号線ドライバSDRは、図2に示すように、表示パネルにCOG(chip on glass)実装されている。映像信号線ドライバVDR及び走査信号線ドライバSDRは、COG実装の代わりに、TCP(tape carrier package)実装されてもよい。
【0047】
映像信号線ドライバVDRには、映像信号線VSLと電源線PSLとが接続されている。映像信号線ドライバVDRは、映像信号線VSLに、映像信号として電圧信号を出力する。
【0048】
走査信号線ドライバSDRには、走査信号線SSLが接続されている。走査信号線ドライバSDRは、走査信号線SSLに走査信号として電圧信号を出力する。電源線PSLは、映像信号線ドライバVDRに接続する代わりに、走査信号線ドライバSDRに接続してもよい。
【0049】
表示装置1Aについて、更に詳しく説明する。
表示装置1Aは、図3及び図4に示すように、調光装置2Aと、ブラックマトリクス基板3と、接着層4とを含んでいる。
【0050】
調光装置は、ブラックマトリクス基板へ向けて光を射出するとともに、この光の強さ及びこの光を射出する時間の少なくとも一方を、画素毎に又はサブ画素毎に調節可能な装置である。図3及び図4に示す調光装置2Aは、基板21と、半導体層22と、導体層23A、23B、23C及び23Dと、絶縁層24A、24B及び24Cと、発光素子25と、隔壁層26と、充填層27と、導体層28とを含んでいる。
【0051】
基板21は、例えば、ガラス基板などの絶縁基板を含んでいる。基板21は、絶縁基板のブラックマトリクス基板3と向き合った主面に設けられたアンダーコート層を更に含んでいてもよい。アンダーコート層は、例えば、絶縁基板上に順次積層されたシリコン窒化物層とシリコン酸化物層との積層体である。基板21は、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。基板21は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。
【0052】
半導体層22は、基板21のブラックマトリクス基板3と向き合った主面上で配列している。半導体層22は、例えば、ポリシリコン層である。半導体層22は、駆動制御素子DR又はスイッチSWを構成している薄膜トランジスタの半導体層である。各半導体層22は、ソース及びドレインと、それらの間に介在したチャネル領域とを含んでいる。
【0053】
導体層23Aは、基板21の上記主面上に設けられた導体パターンである。導体層23Aは、映像信号線VSL、電源線PSL、ソース電極SE、ドレイン電極DE、及びキャパシタCの下部電極(図示せず)を構成している。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、それぞれ、半導体層22のソース及びドレインへ接続されている。導体層23Aは、金属又は合金からなる。導体層23Aは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0054】
絶縁層24Aは、導体層23Aと基板21の上記主面とを被覆している。絶縁層24Aは、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)を用いて形成することができる。駆動制御素子DR又はスイッチSWを構成している各薄膜トランジスタのゲート絶縁膜は、絶縁層24Aの一部である。また、各キャパシタCの誘電体層は、絶縁層24Aの他の一部である。
【0055】
導体層23Bは、絶縁層24A上に設けられた導体パターンである。駆動制御素子DR又はスイッチSWを構成している各薄膜トランジスタのゲート電極GEは、導体層23Bの一部である。各ゲート電極GEは、絶縁層24Aを間に挟んで半導体層22のチャネル領域と向き合っている。また、各キャパシタCの上部電極(図示せず)は、導体層23Bの他の一部である。各上部電極は、絶縁層24Aを間に挟んで、この上部電極を含んだキャパシタCの下部電極と向き合っている。導体層23Bは、金属又は合金からなる。導体層23Bは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0056】
絶縁層24Bは、導体層23Bと絶縁層24Aとを被覆している。絶縁層24Bは、層間絶縁膜である。絶縁層24Bは、例えば、シリコン酸化物などの無機絶縁体からなる。無機絶縁体からなる絶縁層は、例えば、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法により成膜することができる。
【0057】
導体層23Cは、図4に示すように、絶縁層24B上に設けられた導体パターンである。導体層23Cは、走査信号線SSLを構成している。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、絶縁層24A上に設ける代わりに、絶縁層24B上に設けてもよい。即ち、導体層23Cで、走査信号線SSLとソース電極SE及びドレイン電極DEとを構成してもよい。
【0058】
絶縁層24Cは、導体層23Cと絶縁層24Bとを被覆している。絶縁層24Cは、パッシベーション膜である。絶縁層24Cは、例えば、シリコン窒化物などの無機絶縁体からなる。
【0059】
導体層23Dは、絶縁層24C上に設けられた導体パターンである。導体層23Dは、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBに対応してX方向及びY方向へ配列した電極パッドを構成している。絶縁層24A、24B及び24Cからなる積層体には、駆動制御素子DRのドレインへ接続されたドレイン電極DEの位置に貫通孔が設けられている。各電極パッドは、この貫通孔を介してドレイン電極DEへ接続されている。導体層23Dは、例えば、金属又は合金からなる。導体層23Dは、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0060】
各電極パッドのZ方向に対して垂直な平面への正射影の輪郭は、この電極パッド上に設置された発光素子25の先の平面への正射影から離間するとともに、この正射影を取り囲んでいる。即ち、電極パッドは、発光素子25と比較して、Z方向に対して垂直な方向の寸法がより大きい。それ故、電極パッドは、基板21へ向けて進行する光を反射する反射層としての役割も果たす。電極パッドには、この反射層としての役割を担わせなくてもよい。この場合、この役割を果たす反射層は、電極パッドとは別に設けてもよく、設けなくてもよい。
【0061】
図3及び図4に示す発光素子25は、図2に示す発光素子Dである。発光素子25は、電極パッド上に配置されている。
【0062】
発光素子25は、ここでは、無機物からなる発光ダイオードである。なお、発光素子25として発光ダイオードを含んだ基板は、「LED基板」と呼ぶこともある。
【0063】
発光素子25は、複数の層、例えば、第1層251、第2層252及び第3層253を含んだ多層構造を有している。ここでは、発光素子25が含んでいる層の積層方向はZ方向である。この積層方向は、Z方向に対して垂直であってもよい。
【0064】
各発光素子25は、陽極及び陰極を含んでいる。発光素子25は、一方の面に陽極と陰極とを有している。発光素子25の陽極は、図示しないボンディングワイヤを介して電極パッドへ接続されている。発光素子25が一方の面に陽極を有し、他方の面に陰極を有している場合、発光素子25の電極パッドへの接合と陽極の電極パッドへの接続とを、導電ペーストなどの導電材料を接合材として用いたダイボンディングによって行ってもよい。発光素子25が一方の面に陽極と陰極とを有している場合、導体層28を省略するとともに、発光素子25の陰極と接続するための電極パッドを絶縁層24C上に更に設け、これら電極パッドと接続された配線を絶縁層間に更に設け、発光素子25の電極パッド及び導体層28への接合と、陽極及び陰極の電極パッドへの接続とを、フリップチップボンディングによって行ってもよい。
【0065】
発光素子25のX方向及びY方向における寸法は、好ましくは1乃至100μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至80μmの範囲内にあり、更に好ましくは10乃至60μmの範囲内にある。発光素子25のZ方向における寸法は、好ましくは1乃至20μmの範囲内にあり、より好ましくは1乃至15μmの範囲内にあり、更に好ましくは1乃至10μmの範囲内にある。
【0066】
隔壁層26は、絶縁層24C上に設けられている。隔壁層26は、電極パッドの位置に貫通孔を有している。発光素子25は、それぞれ、これら貫通孔内に位置している。隔壁層26は、例えば、樹脂からなる。そのような隔壁層26は、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィによって形成することができる。隔壁層26は、貫通孔を有する樹脂層と、それら貫通孔の側壁と任意に樹脂層の上面とを被覆した反射層とを含んでいてもよい。反射層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。反射層が含む層は、例えば、金属、合金又は透明誘電体である。隔壁層26は省略することができる。
【0067】
充填層27は、発光素子25と隔壁層26との間の隙間を埋め込んでいる。充填層27は、発光素子25が射出した光を透過させる光透過層である。また、充填層27は、発光素子25及びこれと電極との接合部等を保護する保護層としての役割も果たす。充填層27は、例えば、樹脂からなる。充填層27の屈折率は、隔壁層26の表面を構成している材料の屈折率とは異なることが好ましい。
【0068】
導体層28は、隔壁層26及び充填層27上に設けられている。発光素子25の陰極は、導体層28へ接続されている。導体層28は、導電性透明酸化物からなる場合、発光素子25の陰極全体を覆うように設けることができる。導体層28は、金属又は合金からなる場合、発光素子25の陰極を部分的に覆うように設けることが好ましい。
【0069】
ブラックマトリクス基板3は、調光装置2Aと向き合っている。具体的には、ブラックマトリクス基板3は、発光素子25等を間に挟んで基板21と向き合っている。
【0070】
ブラックマトリクス基板3は、透明基板31と、ブラックマトリクス32と、樹脂層34と、反射層35と、第1着色層33R及び第2着色層33Gを含んだカラーフィルタと、下地層33Bと、第1波長変換層36Rと、第2波長変換層36Gと、充填層36Bとを含んでいる。
【0071】
透明基板31は、可視光透過性を有している。透明基板31は、例えば、無色の基板である。透明基板31は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。透明基板31は、例えば、ガラス、透明樹脂又はそれらの組み合わせからなる。透明基板31は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。透明基板31は、調光装置2Aと向き合った第1主面と、その裏面である第2主面とを有している。
【0072】
ブラックマトリクス32は、透明基板31の第1主面上に設けられている。ブラックマトリクス32は、可視光を遮る黒色層である。ブラックマトリクス32は、例えば、バインダ樹脂と着色剤とを含んだ混合物からなる。着色剤は、例えば、黒色顔料であるか、又は、減法混色によって黒色を呈する顔料の混合物、例えば、青色顔料、緑色顔料及び赤色顔料を含んだ混合物である。一例によれば、ブラックマトリクス32は、グラファイト、グラフェン、及びカーボンナノチューブの炭素材料を含有した層である。他の例によれば、ブラックマトリクス32は、クロム層と酸化クロム層との積層体である。
【0073】
ブラックマトリクス32は、発光素子25の位置に第1貫通孔を有している。各第1貫通孔の透明基板31側の開口は、発光素子25と比較して、Z方向に垂直な方向の寸法がより大きい。
【0074】
ここでは、第1貫通孔の透明基板31側の開口は、図1に破線で示すように、Y方向へ伸びた形状を有している。ブラックマトリクス32のうち画素PXに対応した各部分は、第1サブ画素PXRの位置に設けられた第1貫通孔と、第2サブ画素PXGの位置に設けられた第1貫通孔と、第3サブ画素PXBの位置に設けられた第1貫通孔とを含んでおり、これら3つの第1貫通孔はX方向へ配列している。これら3つの第1貫通孔から各々がなる複数の第1貫通孔群は、X方向及びY方向へ配列している。X方向へ隣り合った第1貫通孔群間の距離は、同一の貫通孔群が含んでいる第1貫通孔間の距離と比較してより大きい。Y方向へ隣り合った第1貫通孔群間の距離も、同一の貫通孔群が含んでいる第1貫通孔間の距離と比較してより大きい。
【0075】
ブラックマトリクス32の開口率は、好ましくは5乃至66%の範囲内にあり、より好ましくは5乃至40%の範囲内にあり、更に好ましくは5乃至20%の範囲内にある。無機物からなる発光ダイオードは、光射出面が小さい場合であっても明るく発光させることができ、また、長寿命である。それ故、発光素子25が無機物からなる発光ダイオードである場合、ブラックマトリクス32の開口率を小さくしても、明るい表示が可能である。そして、ブラックマトリクス32の開口率を小さくすると、外光の反射を抑制でき、深みがより強い黒色を表示することができ、従って、より高いコントラスト比を実現することができる。
【0076】
ブラックマトリクス32の厚さは、好ましくは0.1乃至30μmの範囲内にあり、より好ましくは1乃至15μmの範囲内にあり、更に好ましくは1乃至5μmの範囲内にある。厚いブラックマトリクス32は、高い遮光性を達成するうえで有利である。但し、ブラックマトリクス32を厚くすると、感光性黒色組成物からなる塗膜へのパターン露光において、塗膜の深部へ光が十分な強さで到達できず、高い形状精度を達成できない可能性がある。
【0077】
樹脂層34は、図3及び図4に示すように、ブラックマトリクス32上に設けられている。一例によれば、樹脂層34は透明である。この場合、樹脂層34は、着色していてもよく、無色であってもよい。樹脂層34は、光散乱性を有していてもよい。透明な樹脂層34は、例えば、膜厚が5μmであると仮定した場合に、その厚さ方向へ入射させた、波長が350乃至480nmの範囲内の光の透過率の最大値が20%以上であることが望ましい。
【0078】
樹脂層34は、第1貫通孔の位置に第2貫通孔をそれぞれ有している。これら第2貫通孔は、上記の第1貫通孔群に対応した第2貫通孔群を構成している。第2貫通孔群の各々は、ここでは、X方向へ配列した3つの第2貫通孔からなる。第2貫通孔群は、互いに交差する第1方向及び第2方向、ここでは、X方向及びY方向へ配列している。
【0079】
X方向へ隣り合った第2貫通孔群間の距離W1は、同一の貫通孔群が含んでいる第2貫通孔間の距離W1と比較してより大きい。Y方向へ隣り合った第2貫通孔群間の距離W1も、同一の貫通孔群が含んでいる第2貫通孔間の距離W1と比較してより大きい。
【0080】
距離W1は、好ましくは5乃至80μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至40μmの範囲内にあり、更に好ましくは5乃至20μmの範囲内にある。
【0081】
距離W1は、好ましくは5乃至250μmの範囲内にあり、より好ましくは50乃至250mの範囲内にあり、更に好ましくは100乃至250μmの範囲内にある。
【0082】
距離W1は、好ましくは5乃至250μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至100μmの範囲内にあり、更に好ましくは5乃至50μmの範囲内にある。
【0083】
距離W1と距離W1との比W1/W1は、好ましくは0.1乃至50の範囲内にあり、より好ましくは2乃至20の範囲内にあり、更に好ましくは5乃至15の範囲内にある。距離W1は、距離W1と等しくてもよく、距離W1よりも小さくてもよい。
【0084】
距離W1と距離W1との比W1/W1は、好ましくは0.1乃至50の範囲内にあり、より好ましくは0.1乃至10の範囲内にあり、更に好ましくは0.1至5の範囲内にある。距離W1は、距離W1と等しくてもよく、距離W1よりも小さくてもよい。
【0085】
第2貫通孔は、ここでは、透明基板31側の開口の第1主面への正射影の輪郭(以下、第2輪郭という)が、それぞれ、第1貫通孔の第1主面への正射影の輪郭(以下、第1輪郭という)を取り囲むように設けられている。第2輪郭は、第1輪郭を取り囲んでいなくてもよい。第2輪郭が第1輪郭を取り囲んだ構造では、第2輪郭が第1輪郭を取り囲んでいない構造と比較して、迷光が表示へ及ぼす影響が小さい。
【0086】
樹脂層34のうち隣り合った第2貫通孔によって挟まれた部分は、順テーパ状の断面形状を有している。この部分は、矩形状の断面形状を有していてもよく、逆テーパ状の断面形状を有していてもよく、他の断面形状を有していてもよい。
【0087】
樹脂層34の厚さは、好ましくは5乃至50μmの範囲内にあり、より好ましくは5乃至40μmの範囲内にあり、更に好ましくは10乃至25μmの範囲内にある。樹脂層34の厚さが小さい場合、第2貫通孔内に形成する層の合計厚さを大きくすることが難しい。樹脂層34を厚くすると、隣り合った第2貫通孔間に挟まれた隔壁部の形状精度が低下する。
【0088】
反射層35は、第2貫通孔の各々の側壁と樹脂層34の上面とを少なくとも部分的に被覆している。ここでは、反射層35は、図3乃至図4に示すように、第2貫通孔の各々の側壁全体と、樹脂層34の上面全体と、ブラックマトリクス32のうち樹脂層34で覆われていない部分とを被覆している。反射層35は、第2貫通孔の側壁の一部を被覆していなくてもよい。例えば、反射層35は、第2貫通孔の少なくとも1つの側壁のうちブラックマトリクス32近傍の部分、及び、第2貫通孔の少なくとも1つの側壁のうち樹脂層34の上面近傍の部分の少なくとも一方を被覆していなくてもよい。また、反射層35は、ブラックマトリクス32のうち樹脂層34で覆われていない部分を被覆していなくてもよい。
【0089】
反射層35のうち第2貫通孔内に位置した部分は、第1着色層33R、第2着色層33G又は下地層33Bの位置で開口している。これら開口の各々の面積S2は、好ましくは、第1貫通孔の開口の面積S1と比較してより大きい。面積S2と面積S1との比S2/S1は、好ましくは1乃至100の範囲内にあり、より好ましくは1乃至30の範囲内にあり、更に好ましくは1乃至2の範囲内にある。
【0090】
反射層35は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。反射層35が含む層は、例えば、金属、合金又は透明誘電体である。反射層35は、熱伝導性の観点から、金属又は合金からなる層を含んでいることが好ましい。一例によれば、反射層35は、アルミニウム、アルミニウム合金又はネオジム合金からなる。
【0091】
反射層35は、樹脂層34の上面を被覆した部分の厚さが、100乃至500nmの範囲内にあることが好ましく、100乃至250nmの範囲内にあることがより好ましい。反射層35を厚くすると、面内方向への熱伝導性が向上する。但し、反射層35を厚くすると、製造コストが上昇する。
【0092】
反射層35は、例えば、スパッタリング法及び真空蒸着法などの気相堆積法による成膜と、エッチングマスクの形成と、ウェットエッチングなどのエッチングとをこの順に行うことにより形成することができる。エッチングマスクは、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィにより形成することができる。このエッチングマスクとして利用した透明樹脂層は、上記のエッチング後に除去してもよく、除去しなくてもよい。
【0093】
第1着色層33Rは、図3及び図4に示すように、第1サブ画素PXRの位置で第1貫通孔を埋め込んでいる。上記の通り、ここでは、第1着色層33Rは赤色着色層である。
【0094】
第2着色層33Gは、図3に示すように、第2サブ画素PXGの位置で第1貫通孔を埋め込んでいる。上記の通り、ここでは、第2着色層33Gは緑色着色層である。
【0095】
下地層33Bは、図3に示すように、第3サブ画素PXBの位置で第1貫通孔を埋め込んでいる。上記の通り、ここでは、無色の光透過層又は青色着色層である。
【0096】
第1波長変換層36Rは、第1着色層33R上に設けられており、第2凹部の少なくとも底部を埋め込んでいる。第1波長変換層36Rは、量子ドット蛍光体などの蛍光体と透明樹脂とを含んだ層である。上記の通り、ここでは、第1波長変換層36Rは、第1サブ画素PXRの発光素子Dが射出した青色光を赤色光へと変換する。
【0097】
第2波長変換層36Gは、第2着色層33G上に設けられており、第2凹部の少なくとも底部を埋め込んでいる。第2波長変換層36Gは、量子ドット蛍光体などの蛍光体と透明樹脂とを含んだ層である。上記の通り、ここでは、第2波長変換層36Gは、第2サブ画素PXGの発光素子Dが射出した青色光を赤色光へと変換する。
【0098】
充填層36Bは、下地層33B上に設けられており、第2凹部の少なくとも底部を埋め込んでいる。上記の通り、ここでは、充填層36Bは無色透明な層である。この場合、充填層36Bは、例えば、透明樹脂からなる。
【0099】
接着層4は、調光装置2Aとブラックマトリクス基板3との間に介在しており、それらを互いに対して貼り合わせている。接着層4は、発光素子25が射出した光を透過させる。接着層4は、例えば、無色透明な層である。接着層4は、接着剤又は粘着剤からなる。
【0100】
この表示装置1Aにおいて、反射層35のうち樹脂層34の上面を被覆した部分は、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上である。好ましくは、反射層35のうち樹脂層34に設けられた第2貫通孔の側壁を被覆した部分も、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上である。これら算術平均高さSは、100nm以上であることが好ましく、400nm以下であることも好ましい。また、これらクルトシスSkuは、例えば、6以下である。なお、クルトシスSkuは、高さ分布の鋭さを表している。
【0101】
この表示装置1Aでは、発光素子25が主な発熱源である。発光素子25において生じた熱の一部は、接着層4を介して反射層35へと伝わる。反射層35のうち樹脂層34の上面を被覆した部分が上記の表面性状を有している場合、この部分がより平滑である場合と比較して、接着層4と反射層35との間での熱交換がより効率的に生じ得る。
【0102】
また、反射層35は、接着層4と透明基板31との間に位置した要素の中で、特に優れた熱伝導性を有している。そして、この表示装置1Aでは、反射層35は、樹脂層34の上面だけでなく、樹脂層34に設けられた貫通孔の側壁も被覆し、更には、ブラックマトリクス32も部分的に被覆している。即ち、反射層35は、接着層4と隣接した部分に加え、透明基板31の近傍に位置した部分を含んでいる。そして、反射層35と透明基板31との間に介在しているブラックマトリクス32は、カーボン含有樹脂や酸化クロムなどの黒色材料からなる。これら黒色材料は、熱伝導性が高い材料である。それ故、接着層4から反射層35へ伝わった熱は、透明基板31へ速やかに伝わる。
【0103】
従って、表示装置1Aは、発光素子25において生じた熱の一部を、ブラックマトリクス基板3を介して外気へと速やかに放熱し得る。それ故、この表示装置1Aは、内部に熱が蓄積し難く、放熱性に優れている。
【0104】
表示装置1Aは、このように放熱性に優れているので、以下に説明するように、劣化、輝度低下、及び色ずれを生じ難い。
【0105】
近年、表示装置の用途拡大に向けて、屋外視認性を向上させるべく、出力を高めて高輝度化した表示装置が必要とされている。しかしながら、発光ダイオードを用いた表示装置において高出力化すると、発光ダイオードの発熱により、その近傍に位置した配線及び封止樹脂などの部材が熱劣化するなどの不具合を生じることがある。また、量子ドットなどの蛍光体は、熱劣化並びに高温下での発光時の輝度低下及び色ずれ(可視域において最大強度を示す波長のシフト;以下、波長シフトという)を起こす。特に、発光ダイオードを含み、接着層を介して一対の基板を貼り合わせた構造を有している表示装置では、発熱源である発光ダイオードが大気から隔離されているため、内部に熱が蓄えられ易い。それ故、発光ダイオードが射出する短波長の光(青色光又は紫外光)を、量子ドットなどの蛍光体を用いて、青、緑及び赤色光へと変換して、フルカラー表示を行う高輝度表示装置においては、優れた放熱性が必要である。
【0106】
上記の通り、上述した表示装置1Aは、発光素子25において生じた熱の一部を、ブラックマトリクス基板3を介して表示装置1Aの外部へ速やかに放熱する。それ故、この表示装置1Aは、内部に熱が蓄積し難く、内部が過剰に高い温度になり難い。従って、表示装置1Aは、量子ドットなどの劣化、輝度低下、及び色ずれ(波長シフト)を生じ難い。
【0107】
また、反射層35のうち樹脂層34に設けられた第2貫通孔の側壁を被覆した部分が上記の表面性状を有している場合、この部分は、発光素子25からの光を適度に散乱させ得る。その結果、第1波長変換層36Rや第2波長変換層36Gにおける波長変換効率が高まり、高輝度化又は低消費電力化が可能になる。
【0108】
上述した表面性状を有している反射層35は、例えば、樹脂層34へOプラズマ処理などの表面粗化処理を施し、その後、反射層35の成膜を行うことにより得ることができる。即ち、表面粗化処理を施すことにより、樹脂層34の算術平均高さS及びクルトシスSkuを大きくすることができ、それ故、反射層35の算術平均高さS及びクルトシスSkuも大きくすることができる。例えば、算術平均高さSが30nmである樹脂層へOプラズマ処理を施すことにより、算術平均高さSが40nm以上の反射層35を得ることができる。
【0109】
上述した表面性状を有している反射層35は、樹脂層34の材料に粒子を含有させることにより得ることもできる。粒子の粒径及び含有量を適宜設定することにより、所望の表面性状を有している樹脂層34を得ることができ、それ故、上述した表面性状を有している反射層35を得ることも可能である。
【0110】
樹脂層34の材料に粒子を含有させる場合、これら粒子は、金属酸化物などの高熱伝導性材料からなるものであることが好ましい。この場合、樹脂層34の熱伝導性が高まり、放熱性が向上する。
【0111】
樹脂層34の材料に粒子を含有させる場合、この材料に占める粒子の割合は、50体積%以下であることが好ましく、20体積%以下であることがより好ましい。この割合を大きくすると、樹脂層34の形状精度が低下する。
【0112】
上述した光の散乱効果を得るうえでは、反射層35のうち樹脂層34に設けられた第2貫通孔の側壁を被覆している部分は、算術平均高さSが可視域の波長と同程度であることが好ましい。
【0113】
反射層35のうち樹脂層34の上面を被覆している部分及び樹脂層34に設けられた第2貫通孔の側壁を被覆している部分は、算術平均高さSが過度に大きくないことが望ましい。これら部分の算術平均高さSが大きな反射層35を形成するには、算術平均高さSが大きな樹脂層34を形成する必要がある。そのような樹脂層34には、その上へ反射層35を形成するべく、反射材料層の一部をエッチングによって除去した場合に、エッチング残渣を生じ易い。また、樹脂層34の算術平均高さSを過剰に大きくすると、このエッチングの際にマスクとして利用する保護レジストの剥離性が低下する。
【0114】
また、表示装置1Aでは、ブラックマトリクス基板3は、第2貫通孔が設けられた樹脂層34とこれを被覆した反射層35とからなる隔壁層を含んでいる。貫通孔を有している樹脂層とこれを被覆した金属層とを含んだ隔壁層をブラックマトリクス基板に設けた構造は、LED基板とブラックマトリクス基板との貼り合わせ前におけるLED基板のリペアに有利である。これについて、以下に説明する。
【0115】
マイクロLEDディスプレイの輝度を向上させるためには、発光ダイオードを隔てる隔壁の反射率を高くすることが有効である。また、隣接画素間における混色を防止するためには、隔壁の遮光性を高くする必要がある。以上から、高い反射率と遮光性を両立した隔壁が求められている。
【0116】
隔壁を含んだ隔壁層に、貫通孔を有する樹脂層上に反射層を形成した構造を採用すると、製造の容易さ、高い反射率、及び高い遮光性を達成できる。
【0117】
貫通孔を有する樹脂層を形成するには、露光及び現像工程を含む周知のフォトリソグラフィを利用することが望ましい。しかしながら、高低差が大きな凹凸を表面に有しているLED基板には、フォトレジストを均一に成膜することが難しい。また、樹脂層を形成する際に、フォトレジスト塗布及び現像などの溶液が触れる工程でLED基板に不良が生じる虞がある。
【0118】
上記問題点を解決するために、発光ダイオード上に保護膜を形成することもできる。しかしながら、保護膜を形成した後に発光ダイオードに不良が見つかった場合、LED基板のリペアができなくなり、結果として歩留まりを低下させる要因となる。
【0119】
貫通孔を有している樹脂層とこれを被覆した金属層とを含んだ隔壁層をブラックマトリクス基板に設けた場合、高さが大きな隔壁をLED基板に形成する必要がなく、場合によっては、LED基板から隔壁を省略することができる。それ故、歩留まりを低下させることなしに、製造の容易さ、高い反射率、及び高い遮光性を達成できる。
【0120】
<2>第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
図5に示す表示装置1Bは、以下の構成を採用したこと以外は、上述した表示装置1Aと同様である。即ち、表示装置1Bは、調光装置2Aの代わりに、Z方向へ各々が伸びた1以上の貫通孔が設けられていること以外は調光装置2Aと同様の調光装置2Bを含んでいる。また、表示装置1Bは、放熱体5及び伝熱体を更に含んでいる。
【0121】
放熱体5は、調光装置2Aとブラックマトリクス基板3と接着層4との積層体の外部に位置している。ここでは、放熱体5は、調光装置2B及び接着層4を間に挟んでブラックマトリクス基板3と向き合うように設けられた裏面放熱体である。より具体的には、放熱体5は、ここでは、調光装置2B上に設けられた裏面放熱層である。
【0122】
放熱体5は、高熱伝導性材料からなる。高熱伝導性材料は、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀、チタン、モリブデン、タンタル、タングステン、及びニオブなどの金属;これら金属の1以上を含んだ合金;炭化タングステンなどのカーバイド;グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、及びダイヤモンドなどの炭素材料;その他の絶縁性セラミック;又は、それらの1以上を含んだ複合材である。放熱体5は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0123】
放熱体5は、表面が平坦である。表面が平坦な放熱体5は、例えば、調光装置2A上への成膜によって形成することができる。或いは、表面が平坦な放熱体5は、調光装置2Bへ貼り付けることにより、調光装置B上へ設けることができる。表面が平坦な放熱体5は、放熱体5の形成又は放熱体5の調光装置2B上への設置が容易である。
【0124】
放熱体5は、表面が凹凸を有していてもよい。例えば、放熱体5は、表面に複数のフィン又はピンを有していてもよい。そのような放熱体5は、表面積が大きく、放熱性に優れている。
【0125】
放熱体5の見かけ上の面積SRB(凹凸を考慮しない面積)と調光装置2Aの裏面の面積Sとの比SRB/Sは、0.05以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。比SRB/Sを大きくするほど、放熱性が高まる。なお、比SRB/Sの上限値は、例えば1である。比SRB/Sは、1よりも大きくてもよい。
【0126】
放熱体5の最小厚さは、50μm以上であることが好ましく、500μm以上であることがより好ましい。放熱体5の最小厚さを大きくすると、放熱体5の熱容量が大きくなるとともに、放熱体5の熱抵抗が小さくなる。放熱体5の最小厚さに上限値がないが、放熱体5の最小厚さを大きくすると、表示装置1Bが厚くなる。この観点では、放熱体5の最小厚さは、5mm以下であることが好ましい。
【0127】
伝熱体は、上記積層体の内部に設けられている。伝熱体は、反射層35から放熱体5へ熱を導く。
【0128】
伝熱体は、ここでは、主伝熱体29及び補助伝熱体6からなる。また、ここでは、伝熱体は、少なくとも部分的に調光装置2Bの貫通孔内に位置している。
【0129】
具体的には、主伝熱体29は、調光装置2Bに設けられた貫通孔を充填した高熱伝導性材料からなる。主伝熱体29は、調光装置2Bに設けられた貫通孔の側壁を高熱伝導性材料で被覆したものであってもよい。主伝熱体29は、反射層35から放熱体5への伝熱を促進する。
【0130】
補助伝熱体6は、主伝熱体29と反射層35との間に設置されている。補助伝熱体6は、高熱伝導性材料からなる。補助伝熱体6は、反射層35から主伝熱体29への伝熱を促進する。補助伝熱体6は、省略することができる。
【0131】
主伝熱体29及び補助伝熱体6は、上記の通り、高熱伝導性材料からなる。高熱伝導性材料としては、例えば、放熱体5について例示したものを使用することができる。主伝熱体29及び補助伝熱体6の各々は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0132】
この表示装置1Bでは、発光素子25が主な発熱源である。発光素子25において生じた熱の他の一部は、表示装置1Aと同様に、ブラックマトリクス基板3を介して、外気へと放熱される。発光素子25において生じた熱の他の一部は、反射層35及び伝熱体を介して、上記積層体の外部に設置された放熱体5へと導かれる。それ故、この表示装置1Bは、上記積層体の内部に熱が更に蓄積し難く、放熱性に特に優れている。
【0133】
また、表示装置1Bでは、放熱体5を裏面に設けているため、放熱体5が表示を妨げることがない。それ故、放熱体5には、様々な構造を採用することができる。
【0134】
更に、表示装置1Bにおいても、貫通孔を有している樹脂層とこれを被覆した金属層とを含んだ隔壁層をブラックマトリクス基板に設けているので、高さが大きな隔壁をLED基板に形成する必要がなく、場合によっては、LED基板から隔壁を省略することができる。それ故、歩留まりを低下させることなしに、製造の容易さ、高い反射率、及び高い遮光性を達成できる。
【0135】
<3>変形例
上述した表示装置及びブラックマトリクス基板には、以下に例示するように、様々な変形が可能である。
【0136】
例えば、表示装置1Bにおいて、反射層35と放熱体5とを熱的に接続する伝熱体は、調光装置2Bとブラックマトリクス基板3と接着層4との積層体の外部に少なくとも部分的に位置するように設けてもよい。例えば、伝熱体は、上記積層体の端面上に設けてもよい。
【0137】
或いは、表示装置1Aは、放熱体として、透明基板31の第2主面上に設けられ、ブラックマトリクス32に設けられた第1貫通孔の位置で開口している前面放熱層を更に含んでいてもよい。この場合、表示装置1Aは、反射層35と前面放熱層とを熱的に接続する伝熱体を更に含んでいてもよい。伝熱体は、調光装置2Aとブラックマトリクス基板3と接着層4との積層体の内部に設けてもよく、この積層体の外部に少なくとも部分的に位置するように設けてもよい。
【0138】
表示装置を含んだ電子機器では、通常、表示装置は、その前面が電子機器の外部へ露出するとともに、その裏面が筐体の内部空間と隣接するように筐体に設置される。それ故、放熱体として前面放熱層を設けた表示装置1Aは、電子機器に搭載した場合に、放熱体と外気との間での熱交換を生じ易い。
【0139】
表示装置1Bも、上述した前面放熱層を更に含んでいてもよい。この場合、表示装置1Bは、反射層35と前面放熱層とを熱的に接続する伝熱体を更に含んでいてもよい。
【0140】
調光装置2A及び2B等に設ける回路には、図2とは異なる構成を採用することができる。
例えば、映像信号線ドライバVDRは、映像信号線VSLへ映像信号として電流信号を供給するものであってもよい。この場合、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBの各々は、映像信号を書き込む書込期間においては、駆動制御素子DRのゲート-ソース間電圧がこの電流信号に対応した値に設定され、発光期間においては、上記ゲート-ソース間電圧に対応した大きさの駆動電流を発光素子Dへ流すように構成してもよい。また、調光装置2A及び2Bには、アクティブマトリクス駆動方式により画像を表示するための回路を採用する代わりに、パッシブマトリクス駆動方式により画像を表示するための回路を採用してもよい。
【0141】
発光素子25として、青色発光ダイオードを使用する代わりに、紫外発光ダイオードを使用してもよい。この場合、充填層36Bは、第3サブ画素PXBの発光素子25が射出した光を、第1光及び第2光とは色が異なる第3光へと変換する波長変換層である。例えば、第1波長変換層36R、第2波長変換層36G、及び充填層36Bは、発光素子25が射出した紫外光を、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光へと変換する。
【0142】
発光素子25として、単一種類の発光ダイオードを使用する代わりに、複数種類の発光ダイオードを使用してもよい、例えば、第1サブ画素PXR、第2サブ画素PXG、及び第3サブ画素PXBにおいて、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードをそれぞれ使用してもよい。この場合、第1着色層33R及び第2着色層33Gの代わりに、下地層33Bについて上述したのと同様の層を設け、第1波長変換層36R及び第2波長変換層36Gの代わりに、充填層36Bについて上述したのと同様の層を設けてもよい。
【0143】
上記の表示装置はカラー画像の表示が可能であるが、表示装置は、モノクローム画像を表示するものであってもよい。例えば、表示装置1Aにおいて、第1サブ画素PXR及び第2サブ画素PXGを省略し、発光素子25として青色発光ダイオードを使用し、充填層36Bを、青色光を黄色光へ変換する波長変換層とする。充填層36Bが、これに入射した青色光の一部を黄色光へ変換し、残りを透過させる場合、青色と黄色との加法混色による白色の表示が可能である。
【0144】
ブラックマトリクス基板は、ブラックマトリクス32と樹脂層34との間に介在したオーバーコート層を更に含んでいてもよい。オーバーコート層は、透明樹脂と、紫外線吸収剤、イエロー顔料及び透明粒子の1以上とを含むことができる。紫外線吸収剤を含んだオーバーコート層は、樹脂層34へ入射した迷光が紫外光である場合に、これを吸収し得る。
【0145】
有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの、マイクロLEDディスプレイ以外の表示装置であってもよい。但し、表示装置は、発光素子を含んでいることが好ましい。
【符号の説明】
【0146】
1A…表示装置、1B…表示装置、2A…調光装置、2B…調光装置、3…ブラックマトリクス基板、4…接着層、5…放熱体、6…補助伝熱体、21…基板、22…半導体層、23A…導体層、23B…導体層、23C…導体層、23D…導体層、24A…絶縁層、24B…絶縁層、24C…絶縁層、25…発光素子、26…隔壁層、27…充填層、28…導体層、29…主伝熱体、31…透明基板、32…ブラックマトリクス、33B…下地層、33G…第2着色層、33R…第1着色層、34…樹脂層、35…反射層、36B…充填層、36G…第2波長変換層、36R…第1波長変換層、251…第1層、252…第2層、253…第3層、C…キャパシタ、D…発光素子、DR…駆動制御素子、PSL…電源線、PX…画素、PXB…第3サブ画素、PXG…第2サブ画素、PXR…第1サブ画素、SDR…走査信号線ドライバ、SSL…走査信号線、SW…スイッチ、VDR…映像信号線ドライバ、VSL…映像信号線。
【要約】
【課題】放熱性に優れた表示装置を提供する。
【解決手段】ブラックマトリクス基板3は、第1主面及び第2主面を有している透明基板31と、第1主面上に設けられ、複数の第1貫通孔を有しているブラックマトリクス32と、ブラックマトリクス32上に設けられ、第1貫通孔の位置に第2貫通孔をそれぞれ有している樹脂層34と、第2貫通孔の各々の側壁と樹脂層34の上面とを少なくとも部分的に被覆した反射層35とを含み、反射層35のうち樹脂層34の上面を被覆した部分は、算術平均高さSが40乃至650nmの範囲内にあり、クルトシスSkuが3以上である。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5