(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】通信方法、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/02 20090101AFI20240312BHJP
H04W 36/18 20090101ALI20240312BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W36/02
H04W36/18
H04W36/08
(21)【出願番号】P 2022507687
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2019099676
(87)【国際公開番号】W WO2021022527
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リアン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/137468(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0249259(US,A1)
【文献】特開2012-239153(JP,A)
【文献】Ericsson,Data forwarding at reduced handover interruption[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1907309,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1907309.zip>,2019年05月17日
【文献】Ericsson,Enhancements to Make-Before-Break for dual active protocol stacks[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1907310,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1907310.zip>,2019年05月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2ネットワーク装置と、第1ネットワーク装置と第1の接続をする端末装置との間に第2の接続が確立されたことに応じて、
前記第1ネットワーク装置において、前記第2ネットワーク装置によって前記端末装置に送信されるサービスデータユニット(SDU)の第1のSDUセットを決定することと、
前記第1のSDUセットの各SDUに割り当てられたシーケンス番号(SN)及び前記SNに関連付けられるハイパーフレーム番号(HFN)に関する第1情報を決定することと、
前記第1のSDUセット及び前記第1情報を前記第2ネットワーク装置に送信することと、
前記第1の接続が解放され、かつ、前記第1の接続及び前記第2の接続がラジオリンク制御(RLC)非確認応答モード(UM)である場合に、前記第2ネットワーク装置に、i)前記第1ネットワーク装置が送信していない個別のSNを有するSDUと、ii)前記第1ネットワーク装置が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも一つを含む第4のSDUセットを送信することと
を含
み、
前記第1のSDUセットの各SDUの前記SNは連続であり、
前記第1情報を決定することは、
前記第1のSDUセット内の1番目のSDUに割り当てられた第1SNを決定することと、
前記第1のSDUセット内の後続のSDUの数を決定することと、
前記第1SNに関連付けられる第1HFNを決定することと、を含み、
前記第1情報を送信することは、
前記第1SNと、前記後続のSDUの数と、前記第1HFNとを送信することを含む、
通信方法。
【請求項2】
前記第1SNと、前記後続のSDUの数と、前記第1HFNとを送信することは、
前記後続のSDUのうちの1つのSDUに割り当てられたSNに関連付けられる第2HFNを決定することと、
前記第1HFNが前記第2HFNと異なる場合に、前記第1SNと、前記後続のSDUの数と、前記1番目のSDUの第1HFNと、前記1つのSDUの第2HFNとを送信することと、
をさらに含む、請求項
1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記第1の接続が解放され、かつ、前記第1の接続がラジオリンク制御(RLC)確認応答モード(AM)である場合に、
前記第2ネットワーク装置に、SNが割り当てられていない次のSDUのために前記第2ネットワーク装置によって割り当てられるSNと、前記SNに関連付けられるハイパーフレーム番号(HFN)とを示す第2情報を送信することと、
前記第2ネットワーク装置に、i)前記第1ネットワーク装置によって既に送信されたが、前記端末装置によって確認応答がされていない個別のSNを有するSDUと、ii)前記第1ネットワーク装置が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも1つを含む第3のSDUセットを送信することと、
をさらに含む、請求項1に記載の通信方法。
【請求項4】
前記第2ネットワーク装置に、SNが割り当てられていない次のSDUのために前記第2ネットワーク装置によって割り当てられるSNと、前記SNに関連付けられるハイパーフレーム番号(HFN)とを示す第2情報を送信すること
をさらに含む、請求項
3に記載の通信方法。
【請求項5】
前記第2ネットワーク装置から、前記第1の接続を解放するための指示を受信することと、
前記指示に基づいて前記第1の接続を解放することと、
をさらに含む、請求項1に記載の通信方法。
【請求項6】
第1ネットワーク装置であって、
第2ネットワーク装置と、前記第1ネットワーク装置と第1の接続をする端末装置との間に第2の接続が確立されたことに応じて、
前記第2ネットワーク装置によって前記端末装置に送信される第1のサービスデータユニット(SDU)セットを決定するように構成された第1決定手段と、
前記第1のSDUセットの各SDUに割り当てられたシーケンス番号(SN)及び前記SNに関連付けられたハイパーフレーム番号(HFN)に関する第1情報を決定するように構成された第2決定手段と、
前記第1のSDUセット及び前記第1情報を前記第2ネットワーク装置に送信するように構成された送信手段と
を含み、
前記送信手段は、前記第1の接続が解放され、かつ、前記第1の接続及び前記第2の接続がラジオリンク制御(RLC)非確認応答モード(UM)である場合に、前記第2ネットワーク装置に、i)前記第1ネットワーク装置が送信していない個別のSNを有するSDUと、ii)前記第1ネットワーク装置が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも一つを含む第4のSDUセットを送信
し、
前記第1のSDUセットの各SDUの前記SNは連続であり、
前記第2決定手段は、
前記第1のSDUセット内の1番目のSDUに割り当てられた第1SNを決定し、
前記第1のSDUセット内の後続のSDUの数を決定し、
前記第1SNに関連付けられる第1HFNを決定し、
前記送信手段は、
前記第1SNと、前記後続のSDUの数と、前記第1HFNとを送信する、
第1ネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して電気通信の分野に関し、特に、同時接続に基づくハンドオーバにおけるデータ伝送のための方法、装置、及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドオーバにおけるデータの中断を減少させるために、同時接続に基づくハンドオーバは、第3世代パートナーシッププログラム(3GPP(登録商標))リリース16ロングタームエボリューション(LTE)及び新しい無線(NR)モビリティの拡張において検討されている。同時接続に基づくハンドオーバの主な考え方は、ハンドオーバにおいて端末装置とソースネットワーク装置及びターゲットネットワーク装置との同時接続を維持することである。このような状況において、サービスデータユニット(SDU)へのシーケンス番号(SN)割り当てをどのように実行するか、及びハンドオーバにおいてSDUの伝送をどのように実行するかについて、懸念が増大する一方である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概して、本開示の実施形態は、同時接続に基づくハンドオーバにおけるデータ伝送のための方法、装置、及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、通信方法が提供される。この方法は、第2ネットワーク装置と、第1ネットワーク装置と第1の接続をする端末装置との間に第2の接続が確立されたことに応じて、第1ネットワーク装置において、第2ネットワーク装置によって端末装置に送信される第1のSDUセットを決定することと、第1のSDUセットの各SDUに割り当てられるSN及びSNに関連付けられるハイパーフレーム番号(HFN)に関する第1情報を決定することと、第1のSDUセット及び第1情報を第2ネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0005】
第2の態様では、通信方法が提供される。この方法は、第2ネットワーク装置と、第1ネットワーク装置と第1の接続をする端末装置との間に第2の接続が確立されたことに応じて、第2ネットワーク装置において、第1ネットワーク装置から、第1のSDUセットと、第1のSDUセットの各SDUに割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第1情報とを受信することと、第1情報に基づいて、端末装置に第1のSDUセットを送信することと、を含む。
【0006】
第3の態様では、通信方法が提供される。この方法は、第2ネットワーク装置と、第1ネットワーク装置と第1の接続をする端末装置との間に第2の接続が確立されたことに応じて、端末装置において、第2ネットワーク装置から、第1のPDUセットを受信することと、第1ネットワーク装置から第2のPDUセットを受信することと、第1のPDUセット及び第2のPDUセット内の各PDUのSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第1情報を決定することと、第1情報に基づいて、第1のPDUセット及び第2のPDUセットの順序を決定することと、を含む。
【0007】
第4の態様では、第1ネットワーク装置が提供される。第1ネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行される場合、ネットワーク装置に対して本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0008】
第5の態様では、第2ネットワーク装置が提供される。第2ネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行される場合、通信装置に対して本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0009】
第6の態様では、端末装置が提供される。端末装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行される場合、通信装置に対して本開示の第3の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0010】
第7の態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行される場合、当該少なくとも1つのプロセッサに対して、本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
第8の態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行される場合、当該少なくとも1つのプロセッサに対して、本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる。
【0012】
第9の態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行される場合、当該少なくとも1つのプロセッサに対して、本開示の第3の態様に記載の方法を実行させる。
【0013】
本開示の他の特徴は、以下の説明によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の上記及びその他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明によって、より明らかになるであろう。図面において、
【
図1】本開示のいくつかの実施形態が実現され得る例示的な通信ネットワークを示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、同時接続に基づくハンドオーバにおけるデータ伝送のためのプロセスを示す模式図である。
【
図3】本開示の一実施形態による制御PDUのいくつかの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態によるLTEダウンリンク(DL)データPDUのいくつかの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態によるNR DLデータPDUのいくつかの例示的なフォーマットを示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、同時接続のアクティベーションにおいてソースネットワーク装置である第1ネットワーク装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、第1ネットワーク装置の解放において第1ネットワーク装置で実現される例示的な通信方法を示す図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、同時接続のアクティベーションにおいてターゲットネットワーク装置である第2ネットワーク装置で実現される例示的な通信方法を示す図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、第2ネットワーク装置の解放において第1ネットワーク装置で実現される例示的な通信方法を示す図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、同時接続のアクティベーションにおいて端末装置で実現される例示的な通信方法を示す図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、第1ネットワーク装置の解放において端末装置で実現される例示的な通信方法を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態を実装するのに適した装置の概略ブロック図である。 図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理について説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのに役に立つものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定又は示唆ではないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施され得る。
【0016】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0017】
本明細書で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザ機器(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、アイオーティー(IoT)装置、アイオーイー(IoE)装置、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されない。ここで、V2Xの「X」は歩行者、車両又はインフラ/ネットワーク、あるいはデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、あるいは無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネットアプライアンス(Internet appliance)などを表す。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、又は無線装置と言い換えることができる。また、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを提供又はホストすることのできる装置を意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信点(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0018】
一実施形態では、端末装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置に接続することができる。第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の一方は、マスターノードであり、他方は、セカンダリ―ノードとし得る。第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態では、第1ネットワーク装置は第1RAT装置とし、また、第2ネットワーク装置は第2RAT装置とし得る。一実施形態では、第1RAT装置はeNBであり、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信することができる。一実施形態では、第1情報は、第1ネットワーク装置から端末装置に送信され、また、第2情報は、第2ネットワーク装置から直接又は第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信され得る。一実施形態では、第2ネットワーク装置によって構成される端末装置の構成に関する情報は、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信することができる。第2ネットワーク装置によって構成される端末装置の再構成に関する情報は、第2ネットワーク装置から直接又は第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信することができる。
【0019】
単数形「一」、「一つの」、及び「当該」は、文脈に明示的に示されない限り、複数形も含む。「含む」という用語及びその変形は、「含むが、これらに限定されない」を意味する非限定的な用語として理解すべきである。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解すべきである。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と理解すべきである。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの別の実施形態」と理解すべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を意味することができる。その他の定義は、明示的及び暗黙的に以下に含まれることがある。
【0020】
いくつかの例において、値、プロセス、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと呼ばれる。このような説明は、多くの使用される機能的に同等なものから選択可能であることを意図しており、また、このような選択は、他の選択より良い、より小さい、又はより高い必要がなく、又は他の選択より好ましい必要がないことを理解すべきである。
【0021】
同時接続に基づくハンドオーバの解決手段に関するいくつかの意見は、ダウンリンクへのSN割り当てがソースネットワーク装置で行われ、ソースネットワーク装置から切り離されるときの端末装置でのプロセスが明示的に定義され、2つのアクティブなプロトコルスタックのそれぞれに対して別々のセキュリティキーが使用されるなどである。
【0022】
いくつかの従来の解決手段では、ソースネットワーク装置が解放されるときに、ソースネットワーク装置がターゲットネットワーク装置にSN状態情報を送信することが提案されている。いくつかの他の従来の解決手段では、ラジオリンク制御(RLC)非確認応答モード(UM)のSNは、同時接続に基づくハンドオーバにおいて連続であることが提案されている。しかしながら、どのようにして同時接続のアクティベーションにおいてソースネットワーク装置からターゲットネットワーク装置にSN状態情報を転送するか、また、RLC確認応答モード(AM)及びRLC UMに対してソースネットワーク装置が解放されるときに、どのようにしてSN連続を保証するかについては、依然として不明である。
【0023】
これに鑑みて、本開示の実施形態は、上記の問題及び他の潜在的な問題のうちの1つ以上を解決するために、同時接続に基づくハンドオーバにおけるデータ伝送の解決手段を提供する。本解決手段によれば、同時接続に基づくハンドオーバにおけるデータ伝送を実現し、強化することができる。以下、添付図面を参照して、本開示の原理及び実施態様について詳細に説明する。
【0024】
図1は、本開示の実施形態が実現され得る例示的な通信ネットワーク100を示す模式図である。
図1に示すように、通信ネットワーク100は、第1ネットワーク装置110と、第1ネットワーク装置110からサービスを受ける端末装置120とを含むことができる。通信ネットワーク100はさらに、第2ネットワーク装置130を含むことができ、また、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置130に切り替えることができる。
図1における装置の数は、説明を目的とするものであり、本開示に対するいかなる限定も暗示しないことを理解すべきである。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含むことができる。
【0025】
図1に示すように、第1ネットワーク装置110は、無線通信チャネル等のチャネルを介して、端末装置120と通信することができる。同様に、第2ネットワーク装置130も、無線通信チャネルなどのチャネルを介して、端末装置120と通信することができる。第1及び第2ネットワーク装置110、130は、互いに通信することができる。
【0026】
例えば、初期段階では、端末装置120は、第1ネットワーク装置110からのサービスが提供され、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間で第1の接続が維持される。端末装置120が第2ネットワーク装置130に向かって、
図1に示す移動方向に移動している間、同時接続に基づくハンドオーバがトリガされ得る。ハンドオーバがトリガされると、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との第1の接続を維持しつつ、第2ネットワーク装置130との第2の接続を確立することができる。
【0027】
同時接続に基づくハンドオーバにおいて、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との第1の接続と、第2ネットワーク装置130との第2の接続を同時に維持することができる。このとき、端末装置120と第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置130との間には、2つのアクティブなプロトコルスタックが維持される。
【0028】
以下、いくつかの実施形態について、ソースネットワーク装置の一例として第1ネットワーク装置110を参照し、また、ターゲットネットワーク装置の一例として第2ネットワーク装置130を参照して説明する。例えば、第1ネットワーク装置110を「ソースネットワーク装置110」と呼ぶこともでき、また、第2ネットワーク装置130を「ターゲットネットワーク装置130」と呼ぶこともできる。これは単に説明のためのものであり、本開示の範囲に対するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。
【0029】
通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプ通信(MTC)などを含むが、これらに限定されなく、任意の適切な規格に準拠することができる。さらに、通信は、既知の又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行できる。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0030】
図2は、本開示の一実施形態による、同時接続に基づくハンドオーバにおけるデータ伝送のためのプロセス200を示す模式図である。説明のために、
図1を参照してプロセス200について記載する。
図1に示すように、プロセス200は、端末装置120と、第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置130に関係する。
【0031】
図2に示すように、端末装置120は、測定レポートを第1ネットワーク装置110に送信する(201)。この測定レポートは、第2ネットワーク装置130が端末装置120にサービスを提供するのにより適していることを示す。この時点で、測定レポートは、任意の適切な方法で実施することができ、本願はそれを限定しない。測定レポートを受信すると、第1ネットワーク装置120は、ハンドオーバ要求を第2ネットワーク装置130に送信する(202)。ハンドオーバ要求を受信したことに応じて、第2ネットワーク装置130は、ハンドオーバに対する確認応答を送信する(203)。
【0032】
ハンドオーバに対する確認応答を受信すると、第1ネットワーク装置110は、ハンドオーバ命令を端末装置120に送信する(204)。ハンドオーバ命令の受信に応じて、端末装置120は、第2ネットワーク装置130との接続(すなわち、第2の接続)を確立するために、第2ネットワーク装置130とのランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャを実行し(205)、そして、RACHプロシージャが完了すると、ハンドオーバ完了メッセージを第2ネットワーク装置130に送信する(206)。これにより、端末装置120と第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置130との同時接続が確立される。
【0033】
この場合、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110へ第2の接続の確立を通知するために、ハンドオーバ成功メッセージを第1ネットワーク装置110に送信する(207)。第1の接続を維持しながら第2の接続を確立すると、第1ネットワーク装置110は、コアネットワーク(
図2では図示せず)から受信したSDUセットから、第2ネットワーク装置130によって端末装置120に送信される第1のSDUセットを決定する(208)。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、SDUセットから、自身が端末装置120に送信する第2のSDUセット(
図2では図示せず)を決定することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、SDUは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)のSDUとし得る。SDUは、従来技術において既存の又は将来開発される任意の他のプロトコルフォーマットのSDUとし得ることに留意されたい。
【0035】
同時接続を維持する場合、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセットと第2のSDUセットの両方に対してSN割り当てを行う。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセット内の各SDUに割り当てられたSN及びSNに関連付けられるハイパーフレーム番号(HFN)に関する第1情報を決定し(209)、そして、第1情報を第1のSDUセットとともに第2ネットワーク装置130に送信する(210)。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1情報は、ユーザプレーン内(例えばデータパケットのヘッダ内)で送信され得る。例えば、第1情報は、ユーザプレーン用GPRSトンネリングプロトコル(GTP-U)ヘッダのフィールドを用いて送信され得る。いくつかの代替的な実施形態又は追加の実施形態では、第1情報は、コントロールプレーンを用いて、例えば、メッセージを介して送信され得る。例えば、第1情報は、コントロールプレーン用の汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP-C)に準拠したメッセージで送信され得る。なお、第1ネットワーク装置110と第2ネットワーク装置130との間の全ての情報(例えば、本明細書で言及される第1情報及び第2情報)の伝送は、コントロールプレーン又はユーザプレーンにおいて実行されるように、必要に応じて選択することができ、この点において本出願は限定されない。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1情報内のSN情報に関し、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセット内のSDUに割り当てられた個別のSNを決定し、それらを第2ネットワーク装置130に送信することができる。いくつかの実施形態では、SNは離散的とし得る。いくつかの代替的な実施形態では、SNは連続とし得る。SNが連続であるいくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセット内の1番目のSDUに割り当てられた第1SNを決定し、第1のSDUセット内の後続のSDUの数を決定し、そして、第1SN及び後続のSDUの数を第2ネットワーク装置130に送信することができる。この場合、伝送容量が節約される。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1情報内のHFN情報に関し、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセット内のSDUに割り当てられたSNに関連付けられる個別のHFNを決定し、そして、個別のHFNを第2ネットワーク装置130に送信することができる。いくつかの代替的な実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第1SNに関連付けられる第1HFNを決定し、そして、1番目のSDUの第1HFNのみを送信することができる。後続のSDUのうちの1つのSDUに割り当てられたSNに関連付けられる第2HFNが第1HFNと異なる場合、第1ネットワーク装置130は、当該1つのSDUの第2HFNを、1番目のSDUの第1HFNに加えて、送信することもできる。このように、伝送容量は同様に節約される。
【0039】
次いで、第1ネットワーク装置110は、第2のSDUセットを端末装置110に送信する(211)。いくつかの実施形態では、第2のSDUセット内の各SDUについて、第1ネットワーク装置110は、SDUに割り当てられた対応するSNに基づいてSDUをPDUに入れ、PDUを端末装置110に送信することができる。同様に、第2ネットワーク装置130は、第1のSDUセットを端末装置110に送信する(212)。
【0040】
第1及び第2のSDUセットに対応する個別のPDUを受信すると、端末装置120は、PDUから、第1及び第2のPDUセット内のそれぞれのPDUのSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第1情報を決定し(213)、第1のPDUセット及び第2のPDUセットの順序を決定して所望のサービスデータを得る。
【0041】
第1ネットワーク装置120の解放は、適切な機会でトリガされ得る。本願は、トリガ機会を限定しないことに留意されたい。すなわち、第1ネットワーク装置120の解放は、従来技術において既存の、又は将来開発される任意の適切な方法でトリガされ得る。
【0042】
第1ネットワーク装置110と端末装置120との間の第1の接続の解放がトリガされる場合、いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第1の接続を解放する指示を第1ネットワーク装置110に送信する(214)。当該指示を受信すると、第1ネットワーク装置110は、端末装置120との第1の接続を解放することができる。いくつかの代替的な実施形態では、第1ネットワーク装置110は、端末装置120との第1の接続を自発的に解放することができる。
【0043】
第1の接続が解放され、かつ、第1の接続がRLC AMである場合、第1ネットワーク装置110は、SNが割り当てられていない次のSDUのために第2ネットワーク装置130によって割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNを示す第2情報を決定し(215)、そして、i)第1ネットワーク装置110によって既に送信されたが、端末装置120によって確認応答がされていない個別のSNを有するSDUと、ii)第1ネットワーク装置110が既に受信した個別のSNを有しないSDU(例えば、新しいデータ)、のうちの少なくとも1つを含む第3のSDUセットを決定する(216)。次いで、第1ネットワーク装置110は、第2情報及び第3のSDUセットを第2ネットワーク装置130に送信する(217)。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130に、個別のSNを有するSDUに関連付けられるSNに関する更なる情報を、例えば、GTP-Uヘッダの「PDU番号」(PDU number)フィールドで送信することができる。
【0044】
代替的又は追加的に、第1ネットワーク装置110と端末装置120との間の第1の接続の解放がトリガされる場合に、第2ネットワーク装置130は、第1の接続を解放するための指示を端末装置120に送信する(218)。当該指示を受信すると、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との第1の接続を解放することができる。いくつかの代替的な実施形態では、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との第1の接続を自発的に解放することができる。
【0045】
第1の接続が解放され、かつ、第1の接続がRLC AMである場合、端末装置120は、第2ネットワーク装置130に、端末装置120が正常に受信していない第5のPDUセットに関する第3情報(以下、データ状態レポートとも称する)を送信する(219)ことができる。いくつかの実施形態では、端末装置120は、アップリンク(UL)データ伝送よりも高い優先度で第3情報を送信することができる。これにより、第3情報が第2ネットワーク装置130に出来るだけ早く送信されるのを保証することができ、正確なデータ伝送を容易にすることができる。
【0046】
第1ネットワーク装置110から第2情報、更なる情報(もしあれば)、及び第3のSDUセットを受信し、かつ、端末装置120から第3情報を受信すると、第2ネットワーク装置130は、端末装置120に、端末装置120が正常に受信していない第5のSDUセットを送信する(220)ことができる。また、第2ネットワーク装置130は、コアネットワークから新たなSDUを受信し、新たなSDUに対応するSNが割り当てられると、新たなSDUを端末装置120に送信することもできる。
【0047】
第1の接続が解放され、かつ、第1の接続がRLC UMである場合に、第1ネットワーク装置110は、i)第1ネットワーク装置110が送信していない個別のSNを有するSDUと、ii)第1ネットワーク装置110が既に受信した個別のSNを有しないSDUと、を含む第4のSDUセットを決定することができる(216’)。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130に、個別のSNを有するSDUに関連付けられるSNに関する更なる情報を、例えばGTP-Uヘッダの「PDU番号」フィールドで送信することができる。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、SNが割り当てられていない次のSDUのために第2ネットワーク装置130によって割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNを示す第2情報を送信することができる。
【0048】
第4のSDUセットを受信すると、第2ネットワーク装置130は、SNが割り当てられていない次のSDUに割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第2情報を決定してもよい(218’)。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、SN及びHFNを既定値で初期化することができる。例えば、既定値はゼロとし得る。なお、既定値は、ゼロより大きい任意の適切な整数とすることができ、必要に応じて設定することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110から第2情報を受信することができる。これにより、連続的なSNの割り当てを実現できる。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110が送信していない個別のSNを有するSDUに関連付けられるSNに関する更なる情報を、例えばGTP-Uヘッダの「PDU番号」フィールドで受信することができる。
【0050】
いくつかの代替的な実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第2ネットワーク装置120が送信した最後のSDUのSN及びHFNよりも大きくなるように、SN及びHFNを決定することができる。いくつかの代替的な実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第2ネットワーク装置120が送信した第1のSDUセットのSN及びHFNと異なるように、SN及びHFNを決定することができる。いくつかの代替的な実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置によって既に割り当てられたSN及びHFNと異なるように、SN及びHFNを決定することができる。いくつかの代替的な実施形態では、第2ネットワーク装置130は、SN及びHFNを既定値になるように初期化し、そして、第2ネットワーク装置120が送信した第1のSDUセットについてSN及びHFNと異なるように、SN及びHFNを決定することができる。なお、SN及びHFNの決定は、上述した例に限定されるものではなく、必要に応じて、上述した方法の任意の組み合わせによって、又は他の適切な方法によって実施され得る。
【0051】
次いで、第2ネットワーク装置130は、決定された第2情報及び更なる情報(もしあれば)に基づいて、端末装置120に第4のSDUセットを送信することができる(219’)。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第4のSDUセット内の1番目のSDUに割り当てられたSNを決定し、次いで、決定されたSNを端末装置120に送信することができる。このように、ターゲットネットワーク装置130によって割り当てられた第1のPDUのSNを端末装置120に通知することができ、解放される前のソースネットワーク装置110におけるPDUの欠落に起因する並べ替え(reordering)遅延をさらに減少させることができる。
【0052】
いくつかの代替的な実施形態では、第2ネットワーク装置130は、制御PDU内の決定されたSNを送信することができる。例えば、いくつかの実施形態では、制御PDUは、既存のPDU、例えばLTE-WLANアグリゲーション(LWA)エンドマーカーパケット用の制御PDUを使用して実現することができる。いくつかの代替的な実施形態では、制御PDUは、例えば、LTEの場合、PDUタイプ=101として、また、NRの場合、PDUタイプ=010とするなど、新しい制御PDUを定義することによって実現することができる。
図3は、本開示の一実施形態による制御PDUのいくつかの例示的なフォーマット300を示す。制御PDU310~340は、それぞれ7、12、15、及び18ビットのSNのPDCP制御PDUを示す。D/Cフィールドは、現在のPDUがデータPDU又は制御PDUであるかを示す。Rフィールドは、予約済みフィールドを意味する。SNフィールドは、決定されたSNの内容を示す。
【0053】
いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、決定されたSNを第4のSDUセットのそれぞれに対応するデータPDUのヘッダ内で示すことができる。例えば、第2ネットワーク装置130は、決定されたSNをヘッダ内の1ビットで示すことができる。
図4は、本開示の一実施形態によるLTE DL PDCPデータPDUのいくつかの例示的なフォーマット400を示す。データPDU410~440は、それぞれ7、12、15、及び18ビットSNのデータPDUを示す。D/Cフィールドは、現在のPDUがデータPDU又は制御PDUであるかを示す。Rフィールドとは、予約済みフィールドを意味する。SNフィールドは、決定されたSNの内容を示す。表1に、データPDUのSフィールドの説明を示す。
【表1】
【0054】
図5は、本開示の一実施形態によるNR DLデータPDUのいくつかの例示的なフォーマット500を示す。データPDU510~520は、それぞれ12及び18ビットSNのデータPDUを示す。D/Cフィールドは、現在のPDUがデータPDU又は制御PDUであるかを示す。Rフィールドとは、予約済みフィールドを意味する。SNフィールドは、決定されたSNの内容を示す。データPDU内のSフィールドの説明は、上記表1に示している。
【0055】
いくつかの代替的な実施形態では、第2ネットワーク装置130は、決定されたSNを、無線リソース制御(RRC)シグナリングによって端末装置120に送信することができる。LTEのいくつかの実施形態では、第1の接続を解放するために使用されるRRCシグナリングの直後のPDUは、1番目のPDUとし得る。
【0056】
これにより、端末装置120は、第2ネットワーク装置130から、端末装置120に送信されていないSDUを含む第4のSDUセットを受信することができる。いくつかの実施形態では、端末装置120は、決定されたSNが第2ネットワーク装置130によって割り当てられた1番目のPDUを受信したか否かを判定することができる(220’)。いくつかの実施形態では、端末装置120は、決定されたSNと同じSNを有するPDUを受信した場合、1番目のPDUが受信されたと判定することができる。いくつかの実施形態では、端末装置120は、制御PDUと、データPDUのヘッダと、又は、決定されたSNを通知する無線リソース制御(RRC)シグナリングのうちの少なくもと一つから、決定されたSNを得ることができる。いくつかの代替的な実施形態では、端末装置120は、第1の接続を解放するためのRRCシグナリングの直後にPDUが受信された場合に、1番目のPDUが受信されたと決定することができる。
【0057】
図2を参照すると、1番目のPDUが受信されたと判定された場合、端末装置120は、更なる処理のために、バッファリングされた全てのSDUを渡し(deliver)(221’)、かつ、1番目のPDUのための並べ替えウィンドウをリセットすることができる(222’)。これにより、端末装置120は、受信されない可能性のあるパケットを待つことがなくなり、従って、解放される前のソースネットワーク装置110におけるPDUの欠落に起因する並べ替え遅延をさらに減少させることができる。
【0058】
LTEのいくつかの実施形態では、ターゲットネットワーク装置130によって割り当てられたSN(SN*,COUNT*)を有する1番目のPDUを受信すると、端末装置120は、格納されている全てのSDU(もしあれば)を、関連するCOUNT値の昇順で上位レイヤに渡すことができる。ここで、COUNT*はSN*とSN*に関連付けられるHFNによって決定される。例えば、Next_PDCP_RX_SNは、所定のPDCPエンティティについて受信機が予想する次のPDCP SNを意味し、また、Last_Submitted_PDCP_RX_SNは、上位レイヤに渡される最後のPDCP SDUのSNを意味すると仮定する。一方、Next_PDCP_RX_SNはSN*に設定され、Last_Submitted_PDCP_RX_SNはSN*-1に設定される。
【0059】
NRのいくつかの実施形態では、ターゲットネットワーク装置130によって割り当てられたSN(SN*,COUNT*)を有する1番目のPDUを受信すると、端末装置120は、ソースネットワーク装置110のRLCエンティティから受信した全ての格納されたSDUと、ターゲットネットワーク装置130のRLCエンティティから受信したCOUNT<COUNT*を有するSDU(もしあれば)とを、関連するCOUNT値の昇順で上位レイヤに渡すことができる。例えば、RX_DELIVは、上位レイヤに渡されていない、まだ待機している1番目のPDCP SDUを意味すると仮定する。一方、RX_DELIVは、1番目のPDUのCOUNT値として設定される。
【0060】
本開示の実施形態は、主に同時接続に基づくハンドオーバのアクティベーションにおけるデータ伝送に関するものであり、
図2に破線で示すように、ハンドオーバアクティベーションの前の通信は、ここでは限定されない。
図2で例示するプロセスに応じて、本開示の実施形態は、ソースネットワーク装置及びターゲットネットワーク装置、並びに端末装置において実施される通信方法を提供する。
図6から
図11を参照し、以下にこれらの方法について説明する。
【0061】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、同時接続のアクティベーションにおいてソースネットワーク装置である第1ネットワーク装置で実装される例示的な通信方法600を示す。例えば、
図1に示すように、方法600は、第1ネットワーク装置110において実行できる。以下、説明のために、
図1を参照して方法600について説明する。方法600は、図示していない追加のブロックを含むことができ、及び/又は図示しているいくつかのブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されないことを理解すべきである。
【0062】
ブロック610において、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130と、第1ネットワーク装置110と第1の接続をする端末装置120との間に第2の接続が確立されたか否かを判定することができる。ブロック610において第2の接続が確立されたと判定された場合、ブロック620において、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130によって端末装置120に送信される第1のSDUセットを決定することができる。
【0063】
ブロック630において、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセットのそれぞれに割り当てられたSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第1情報を決定することができる。第1のSDUセットの各SNが連続であるいくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセット内の1番目のSDUに割り当てられた第1SNを決定し、第1のSDUセット内の後続のSDUの数を決定し、そして第1SNに関連付けられる第1HFNを決定することができる。
【0064】
ブロック640において、第1ネットワーク装置110は、第1のSDUセット及び第1情報を第2ネットワーク装置130に送信することができる。第1のSDUセットの各SNが連続であるいくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第1SN、後続のSDUの数、及び第1HFNを送信することができる。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、後続のSDUのうちの1つのSDUに割り当てられたSNに関連付けられる第2HFNを決定し、そして、第1HFNが第2HFNと異なる場合、第1SNと、後続のSDUの数と、1番目のSDUの第1HFNと、当該1つのSDUの第2HFNとを送信することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130から、第1の接続を解放するための指示を受信し、そしてその指示に基づいて第1の接続を解放することができる。いくつかの代替的な実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第1の接続の解放を開始することができる。
【0066】
図7は本開示のいくつかの実施形態による、第1ネットワーク装置の解放において第1ネットワーク装置で実現される例示的な通信方法700を示す。例えば、
図1に示すように、方法700は、第1ネットワーク装置110において実行できる。以下、説明のために、
図1を参照して方法700について説明する。方法700は、図示していない追加のブロックを含むことができ、及び/又は図示しているいくつかのブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されないことを理解すべきである。
【0067】
図7に示すように、ブロック710において、第1ネットワーク装置110は、第1の接続が解放された場合、第1及び第2の接続がRLC AM又はUMのいずれであるかを判定することができる。ブロック710において第1及び第2の接続がRLC AMであると判定された場合、ブロック720において、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130に、SNが割り当てられていない次のSDUに対して第2ネットワーク装置130によって割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNを示す第2情報を送信することができる。
【0068】
ブロック730において、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130に:i)第1ネットワーク装置110によって既に送信されたが、端末装置120によって確認応答がされていない個別のSNを有するSDUと、ii)第1ネットワーク装置110が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも1つを含む第3のSDUセットを送信することができる。
【0069】
ブロック710において、第1及び第2の接続がRLC UMであると判定された場合、ブロック740において、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130に、i)第1ネットワーク装置110が送信していない個別のSNを有するSDUと、ii)第1ネットワーク装置110が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも1つを含む第4のSDUセットを送信することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置130に、SNが割り当てられていない次のSDUのために第2ネットワーク装置130によって割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNを示す第2情報を送信することができる。
【0071】
図8は本開示のいくつかの実施形態による、同時接続のアクティベーションにおいてターゲットネットワーク装置である第2ネットワーク装置で実現される例示的な通信方法800を示す。例えば、
図1に示すように、方法800は、第2ネットワーク装置130において実行できる。以下、説明のために、
図1を参照して方法800について説明する。方法800は、図示していない追加のブロックを含むことができ、及び/又は図示しているいくつかのブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されないことを理解すべきである。
【0072】
ブロック810において、第2ネットワーク装置130は、第2ネットワーク装置130と、第1ネットワーク装置110と第1の接続をする端末装置120との間に第2の接続が確立されたか否かを判定することができる。ブロック810において第2の接続が確立されたと判定された場合、ブロック820において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110から、第1のSDUセットと、第1のSDUセットのそれぞれに割り当てられたSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第1情報とを受信することができる。
【0073】
第1のSDUセットのそれぞれのSNが連続であるいくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第1情報から、第1のPDUセット内の1番目のSDUに割り当てられた第1SNと、第1のPDUセット内の後続のSDUの数と、第1のPDUセット内の1番目のSDUに割り当てられた第1SNに関連付けられる第1HFNとを決定し、第1SN及び後続のSDUの数に基づいて当該のSDUセットのそれぞれのSNを決定し、そして、第1HFNに基づいて当該のSDUセットのそれぞれのHFNを決定することができる。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、後続のSDUのうちの1つのSDUの第2HFNをさらに受信することができ、この第2HFNは、第1HFNが当該1つのSDUについて第2HFNと異なる場合に、当該1つのSDUのHFNとして送信される。
【0074】
ブロック830において、第2ネットワーク装置130は、第1情報に基づいて、端末装置120に第1のSDUセットを送信することができる。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110に、第1の接続を解放するための指示を送信することができる。いくつかの代替的な実施形態又は追加の実施形態では、第2ネットワーク装置130は、端末装置120に、第1の接続を解放するための指示を送信することができる。
【0075】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、第2ネットワーク装置の解放において第1ネットワーク装置で実現される例示的な通信方法900を示す。例えば、
図1に示すように、方法900は、第2ネットワーク装置130において実行できる。以下、説明のために、
図1を参照して方法900について記載する。方法900は、図示していない追加のブロックを含むことができ、及び/又は図示しているいくつかのブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されないことを理解すべきである。
【0076】
図9に示すように、ブロック910において、第2ネットワーク装置130は、第1の接続が解放された場合、第1及び第2の接続がRLC AM又はUMのいずれであるかを判定することができる。ブロック910において第1及び第2の接続がRLC AMであると判定された場合、ブロック920において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110から、SNが割り当てられていない次のSDUのために第2ネットワーク装置130によって割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNを示す第2情報を受信することができる。
【0077】
ブロック930において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110から、i)第1ネットワーク装置110によって既に送信されたが、端末装置120によって確認応答がされていない個別のSNを有するSDUと、ii)第1ネットワーク装置110が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも1つを含む第3のSDUセットを受信することができる。
【0078】
ブロック940において、第2ネットワーク装置130は、端末装置120から、端末装置120が正常に受信していない第5のSDUセットに関する第3情報を受信することができる。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、アップリンクデータ伝送よりも高い優先度で第3情報を受信することができる。ブロック950において、第2ネットワーク装置130は、第1のSDUセット及び第3のSDUセットと第2及び第3情報に基づいて、第5のSDUセットを端末装置120に送信することができる。
【0079】
ブロック910において第1及び第2の接続がRLC UMであると判定された場合、ブロック960において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置110から、i)第1ネットワーク装置110が送信していない個別のSNを有するSDUと、ii)第1ネットワーク装置110が既に受信した個別のSNを有しないSDU、のうちの少なくとも1つを含む第4のSDUセットを受信することができる。
【0080】
ブロック970において、第2ネットワーク装置130は、SNが割り当てられていない次のSDUに割り当てられるSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第2情報を決定してもよい。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、SN及びHFNを既定値で初期化することと、第1ネットワーク装置110から第2情報を受信することと、第2ネットワーク装置130が送信した最後のSDUのSN及びHFNよりも大きくなるように、SN及びHFNを決定することと、第1のSDUセットのSN及びHFNと異なるように、SN及びHFNを決定することと、又は、第1ネットワーク装置110によって既に割り当てられたSN及びHFNと異なるように、SN及びHFNを決定すること、のうちの少なくとも一つによって、第2情報を決定することができる。
【0081】
ブロック980において、第2ネットワーク装置130は、第2情報に基づいて、端末装置120に第4のSDUセットを送信することができる。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、第4のSDUセットのうちの1番目のSDUに割り当てられたSNを決定し、そして、決定されたSNを端末装置に送信することができる。いくつかの実施形態では、第2ネットワーク装置130は、制御PDU内の決定されたSNを送信すること、決定されたSNを第4のSDUセットのそれぞれに対応するデータPDUのヘッダ内で示すことと、又は、決定されたSNをRRCシグナリングによって端末装置に送信すること、のうちの少なくとも一つによって、決定されたSNを送信することができる。
【0082】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、同時接続のアクティベーションにおいて端末装置で実現される例示的な通信方法1000を示す。例えば、
図1に示すように、方法1000は、端末装置120において実行できる。以下、説明のために、
図1を参照して方法1000について記載する。方法1000は、図示していない追加のブロックを含むことができ、及び/又は図示しているいくつかのブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されないことを理解すべきである。
【0083】
図10に示すように、ブロック1010において、端末装置120は、第2ネットワーク装置130と、第1ネットワーク装置110と第1の接続をする端末装置120との間に第2の接続が確立されたか否かを判定することができる。ブロック1010において第2の接続が確立されたと判定された場合、ブロック1020において、端末装置120は、第2ネットワーク装置130から第1のPDUセットを受信することができる。ブロック1030において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から第2のPDUセットを受信することができる。ブロック1040において、端末装置120は、第1のPDUセット及び第2のPDUセット内の各PDUのSN及びSNに関連付けられるHFNに関する第1情報を決定することができる。ブロック1050において、端末装置120は、第1情報に基づいて、第1のPDUセット及び第2のPDUセットの順序を決定することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、端末装置120は、第2ネットワーク装置130から、第1の接続を解放するための指示を受信し、この指示に基づいて端末装置によって第1の接続を解放することができる。いくつかの代替的な実施形態又は追加の実施形態では、端末装置120は、第1の接続の解放を開始することができる。
【0085】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、第1ネットワーク装置の解放において端末装置において実現される例示的な通信方法1100を示す。例えば、
図1に示すように、方法1100は、端末装置120において実行できる。以下、説明のために、
図1を参照して方法1100について記載する。方法1100は、図示していない追加のブロックを含むことができ、及び/又は図示しているいくつかのブロックを省略することができ、この点において、本開示の範囲は限定されないことを理解すべきである。
【0086】
図11に示すように、ブロック1110において、端末装置120は、第1の接続が解放された場合、第1及び第2の接続がRLC AM又はUMのいずれであるかを判定することができる。ブロック1110において第1及び第2の接続がRLC AMであると判定された場合、ブロック1120において、端末装置120は、第2ネットワーク装置130に、端末装置120が正常に受信していない第5のPDUセットに関する第3情報を送信することができる。いくつかの実施形態では、端末装置120は、ULデータ伝送よりも高い優先度で第3情報を送信することができる。
【0087】
ブロック1130において、端末装置120は、第2ネットワーク装置130から第5のPDUセットを受信することができ、第5のPDUセットは、少なくとも第3情報に基づいて第2ネットワーク装置130が送信し得る。
【0088】
ブロック1110において第1及び第2の接続がRLC UMであると判定された場合、ブロック1140において、端末装置120は、決定されたSNが第2ネットワーク装置130によって割り当てられた1番目のPDUを受信したか否かを判定することができる。いくつかの実施形態では、端末装置120は、制御PDU内の決定されたSNを受信することと、データPDUのヘッダ内の決定されたSNの指示を受信することと、又は、決定されたSNを通知するRRCシグナリングを受信すること、のうちの少なくとも一つによって、決定されたSNを受信することができる。いくつかの実施形態では、端末装置120は、決定されたSNと同じSNを有するPDUを受信したことに応じて、1番目のPDUを受信したと判定することができる。いくつかの代替的な実施形態では、端末装置120は、第1の接続を解放するためのRRCシグナリングの直後にPDUを受信したことに応じて、そのPDUを1番目のPDUとして判定することができる。
【0089】
ブロック1140において1番目のPDUが受信されたと判定された場合、ブロック1150において、端末装置120は、更なる処理のために、バッファリングされた全てのSDUを渡すことができる。ブロック1160において、端末装置120は、1番目のPDUについて並べ替えウィンドウをリセットすることができる。
【0090】
図6~
図11に記載の方法の実現は、
図2に関連して説明したプロセスに実質的に対応するため、ここでは、その他の詳細について省略する。本開示の実施形態による方法600~1100により、同時接続に基づくハンドオーバにおける正しいデータ伝送が容易になり、データ伝送効率を向上することができる。
【0091】
図12は、本開示の実施形態を実装するのに適した装置1200の概略ブロック図である。装置1200は、
図1に示す第1ネットワーク装置110、端末装置120、又は第2ネットワーク装置130の別の例示的な実施態様としてみなすことができる。したがって、装置1200は、第1ネットワーク装置110、端末装置120、又は第2ネットワーク装置130において、又はそれらの少なくとも一部として実現することができる。
【0092】
図示するように、装置1200は、プロセッサ1210と、プロセッサ1210に接続されたメモリ1220と、プロセッサ1210に接続された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1240と、TX/RX1240に接続された通信インターフェースとを含む。メモリ1210は、プログラム1230の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1240は、双方向通信用である。TX/RX 1240は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、本明細書に言及されるアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有することができる。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信のためのX2インターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信のためのS1インターフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表すことができる。
【0093】
プログラム1230は、
図1から
図11を参照して本明細書で説明したように、関連するプロセッサ1210によって実行された場合に、装置1200が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定する。本明細書の実施形態は、装置1200のプロセッサ1210によって実行可能なコンピュータソフトウェア、又はハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実現できる。プロセッサ1210は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成することができる。さらに、プロセッサ1210とメモリ1220との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適した処理手段1250を構成することができる。
【0094】
メモリ1220は、ローカルな技術ネットワークに適した任意のタイプとすることができ、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現することができる。装置1200内には1つのメモリ1220のみが示しているが、装置1200内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ1210は、ローカルな技術ネットワークに適した任意のタイプとすることができ、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含むことができる。装置1200は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従う専用の集積回路チップを有することができる。
【0095】
概して、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実現することができる。いくつかの態様は、ハードウェアで実現でき、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置によって実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現され得る。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの図形的な表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、装置、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装できることを理解されたい。
【0096】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に有形的に記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図6から
図11を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実際のプロセッサ又は仮想プロセッサの装置で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態では、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で統合又は分割することができる。プログラムモジュールの機械実行可能命令は、ローカル装置又は分散型装置で実行することができる。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体両方内に配置され得る。
【0097】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラによって実行された場合に、プログラムコードにより、フローチャート及び/又はブロック図に示す機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行することができる。
【0098】
上述のプログラムコードは、機械読み取り可能な媒体上で実装することができ、機械読み取り可能な媒体は、命令実行システム、機器、若しくは装置によって使用され、又は、それらに関連するプログラムを含み若しくは記憶することができる任意の有形媒体とし得る。機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能な信号媒体又は機械読み取り可能な記憶媒体とすることができる。機械読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、若しくは半導体のシステム、機器、若しくは装置、又はこれらの任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。機械読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又はこれらの任意の適切な組合せを含むことができる。
【0099】
また、特定の順序で動作が記載されているが、これは、所望の結果を得るために、示された特定の順序又は連続する順序で動作を実行すること、又は示された全ての動作を実行することが必要であると理解すべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利である。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記説明に含まれているが、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈すべきでなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈すべきである。複数の個別の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において、個別に又は任意の適切なサブコンビネーションで実装され得る。
【0100】
本開示は、構造的な特徴及び/又は方法の処理に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記特定の特徴又は処理に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び処理は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。