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特許7452677フォーカス判定装置、虹彩認証装置、フォーカス判定方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】フォーカス判定装置、虹彩認証装置、フォーカス判定方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/18 20220101AFI20240312BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240312BHJP
   G06V 40/19 20220101ALI20240312BHJP
   G06V 10/36 20220101ALI20240312BHJP
   G06V 10/98 20220101ALI20240312BHJP
【FI】
G06V40/18
G06T7/00 510D
G06V40/19
G06T7/00 Q
G06T7/00 660A
G06V10/36
G06V10/98
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022550067
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034887
(87)【国際公開番号】W WO2022059064
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】赤司 竜一
(72)【発明者】
【氏名】戸泉 貴裕
【審査官】武田 広太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-508107(JP,A)
【文献】特開2003-263629(JP,A)
【文献】特開2005-071009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/18
G06T 7/00
G06V 40/19
G06V 10/36
G06V 10/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得する取得手段と、
前記虹彩画像から、照明の反射領域を検出する検出手段と、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定する推定手段と、
前記推定された前記照明の形状に基づいて、画像処理フィルタの形状を決定するフィルタ生成手段と、
前記虹彩画像に対して、前記決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定するフォーカス判定手段と、
を備えるフォーカス判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフォーカス判定装置を用いて、複数の虹彩画像からフォーカスの合った虹彩画像を選択する画像選択手段と、
前記フォーカスの合った虹彩画像から虹彩領域を検出する虹彩検出手段と、
前記検出された虹彩領域から特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記抽出された特徴量を用いて、虹彩認証を行う虹彩認証手段と、
を備える虹彩認証装置。
【請求項3】
前記画像選択手段は、前記複数の虹彩画像のうちの一部の虹彩画像を判定対象画像として選択し、前記判定対象画像について前記フォーカス判定装置を用いてフォーカス判定を行い、判定結果に基づいて次の判定対象画像を決定し、前記次の判定対象画像に対する判定結果に基づいて、前記フォーカスの合った虹彩画像を選択する請求項2に記載の虹彩認証装置。
【請求項4】
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得し、
前記虹彩画像から、照明の反射領域を検出し、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定し、
前記推定された前記照明の形状に基づいて、画像処理フィルタの形状を決定し、
前記虹彩画像に対して、前記決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定するフォーカス判定方法。
【請求項5】
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得し、
前記虹彩画像から、照明の反射領域を検出し、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定し、
前記推定された前記照明の形状に基づいて、画像処理フィルタの形状を決定し、
前記虹彩画像に対して、前記決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、虹彩画像の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
生体認証の1つとして虹彩認証が知られている。一般的に、虹彩認証では、利用者の虹彩パターンをデータベースに登録しておき、認証時に利用者から取得した虹彩パターンと、データベースに登録済の虹彩パターンとを照合して認証を行う。
【0003】
虹彩の登録や認証には虹彩の細かな模様を用いるため、虹彩にフォーカスの合った画像から虹彩情報を抽出する必要がある。虹彩にフォーカスが合っていない画像から虹彩情報を抽出することを避けるため、虹彩の登録や認証処理を施す前に、撮影画像のフォーカスが虹彩に合っているか否かを判定することが望ましい。また、計算量の観点からも、虹彩にフォーカスの合っていない画像に対する虹彩情報の抽出処理を省くことができるため、事前にフォーカス判定を行うことが望ましい。特許文献1は、虹彩領域のエッジ強度を用いて、虹彩画像のフォーカスが合っているか否かを判定する手法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-090483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の手法では、撮影した画像の虹彩領域のエッジを利用してフォーカス判定を行っているが、そもそも撮影した画像がある程度フォーカスの合った画像でないと、正しく虹彩領域のエッジを検出することができず、フォーカス判定を行うことができない。
【0006】
この開示の1つの目的は、複数の虹彩画像に対して、精度よくフォーカス判定を行うことが可能なフォーカス判定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示の一つの観点では、フォーカス判定装置は、
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得する取得手段と、
前記虹彩画像から、照明の反射領域を検出する検出手段と、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定する推定手段と、
前記推定された前記照明の形状に基づいて、画像処理フィルタの形状を決定するフィルタ生成手段と、
前記虹彩画像に対して、前記決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定するフォーカス判定手段と、
を備える。
【0008】
この開示の他の観点では、フォーカス判定方法は、
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得し、
前記虹彩画像から、照明の反射領域を検出し、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定し、
前記推定された前記照明の形状に基づいて、画像処理フィルタの形状を決定し、
前記虹彩画像に対して、前記決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定する。
【0009】
この開示のさらに他の観点では、プログラムは、
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得し、
前記虹彩画像から、照明の反射領域を検出し、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定し、
前記推定された前記照明の形状に基づいて、画像処理フィルタの形状を決定し、
前記虹彩画像に対して、前記決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定する処理をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】虹彩画像の撮影装置の例を示す。
図2】第1実施形態に係るフォーカス判定装置の例を示す。
図3】第1実施形態に係るフォーカス判定装置のハードウェア構成を示す。
図4】第1実施形態に係るフォーカス判定装置の機能構成を示す。
図5】照明の例、及び、虹彩画像における照明の反射領域の例を示す。
図6】画像処理フィルタの例を示す。
図7】第1実施形態のフォーカス判定処理のフローチャートである。
図8】第9実施形態に係るフォーカス判定装置の機能構成を示す。
図9】第9実施形態のフォーカス判定処理のフローチャートである。
図10】第10実施形態に係る虹彩認証装置の機能構成を示す。
図11】第11実施形態に係る虹彩認証装置の機能構成を示す。
図12】第11及び第12実施形態における虹彩画像の選択例を示す。
図13】第13実施形態に係る虹彩認証装置の機能構成を示す。
図14】第14実施形態に係るフォーカス判定装置の機能構成を示す。
図15】第14実施形態のフォーカス判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、この開示の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[撮影装置]
図1は、虹彩画像の撮影装置の例を示す。図1(A)は利用者X及び撮影装置1を側方から見た図であり、図1(B)は利用者X及び撮影装置1を上方から見た図である。撮影装置1は、カメラ2と照明3を備え、利用者Xの虹彩画像を撮影する。照明3は、カメラ2の近傍に配置されている。なお、図1(A)では、照明3はカメラ2の手前側に配置されている。図1の例では、照明3は線状光源を用いているが、照明3の形状は線状には限定されない。また、照明3は、カメラ2と一体でもよく、カメラ2と独立して設置されてもよい。
【0012】
虹彩画像の撮影時、利用者Xはカメラ2の前方に立つ。照明3により利用者Xの顔が照明された状態で、カメラ2が利用者の顔付近を撮影する。なお、カメラ2の撮影範囲は、利用者Xの顔全体でもよく、利用者Xの眼の付近のみでもよい。カメラ2による撮影画像のうち、利用者Xの眼の領域の画像が虹彩画像として使用される。よって、カメラ2の撮影範囲が利用者Xの眼の領域より広い場合、撮影画像の眼の領域が切り出され、虹彩画像として使用される。
【0013】
[フォーカス判定装置]
図2は、フォーカス判定装置の例を示す。フォーカス判定装置100は、カメラ2に接続され、カメラ2から虹彩画像を取得する。フォーカス判定装置100は、取得した虹彩画像のフォーカスが合っているか否かの判定(以下、「フォーカス判定」と呼ぶ。)を行う。なお、フォーカスが合っている状態を「合焦状態」とも呼び、フォーカスが合っていない状態を「非合焦状態」とも呼ぶ。
【0014】
(ハードウェア構成)
図3は、フォーカス判定装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図示のように、フォーカス判定装置100は、インタフェース(IF)11と、プロセッサ12と、メモリ13と、記録媒体14と、データベース(DB)15とを備える。
【0015】
IF11は、外部装置との間でデータの入出力を行う。具体的に、利用者Xの虹彩画像はIF11を介してフォーカス判定装置100に入力される。また、フォーカス判定装置100による判定結果は、IF11を通じて外部に出力される。
【0016】
プロセッサ12は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータであり、予め用意されたプログラムを実行することにより、フォーカス判定装置100の全体を制御する。なお、プロセッサ12は、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。具体的に、プロセッサ12は、後述するフォーカス判定処理を実行する。
【0017】
メモリ13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。メモリ13は、プロセッサ12による各種の処理の実行中に作業メモリとしても使用される。
【0018】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどの不揮発性で非一時的な記録媒体であり、フォーカス判定装置100に対して着脱可能に構成される。記録媒体14は、プロセッサ12が実行する各種のプログラムを記録している。フォーカス判定装置100がフォーカス判定処理を実行する際には、記録媒体14に記録されているプログラムがメモリ13にロードされ、プロセッサ12により実行される。
【0019】
データベース15は、IF11を通じて入力された虹彩画像、フォーカス判定装置100によるフォーカス判定結果などを一時的に記憶する。なお、これらのデータの記憶容量がメモリ13で足りる場合には、データベース15を省略してもよい。また、フォーカス判定装置100は、管理者などが指示や入力を行うためのキーボード、マウスなどの入力部、及び、液晶ディスプレイなどの表示部を備えていてもよい。
【0020】
[機能構成]
図4は、フォーカス判定装置100の機能構成を示すブロック図である。フォーカス判定装置100は、機能的には、虹彩画像取得部101と、フィルタ処理部102と、フィルタ出力統合部103と、フォーカス判定部104とを備える。
【0021】
虹彩画像取得部101は、図1に示すカメラ2などから虹彩画像を取得する。なお、虹彩画像取得部101は、カメラ2から直接虹彩画像を取得する代わりに、撮影した虹彩画像を記憶したデータベースや記録媒体から虹彩画像を取得してもよい。
【0022】
フィルタ処理部102は、フォーカス判定のためのフィルタ処理を実行する。具体的に、フィルタ処理部102は、図1に例示する照明3の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを虹彩画像に適用してフィルタ処理を行う。虹彩を撮影する場合には、図1の撮影装置1に示すように、照明3により利用者の虹彩を照明する。照明光としては、可視光又は近赤外光が使用される。撮影された虹彩画像には、照明3の反射が映り込む。そこで、本実施形態では、虹彩画像に映り込んだ照明3の反射を利用して虹彩画像のフォーカス判定を行う。具体的には、照明3の形状に基づいて決定された形状を有する画像処理フィルタを予め用意しておく。予め用意された画像処理フィルタは、複数の虹彩画像に対して使用される汎用の画像処理フィルタである。フィルタ処理部102は、虹彩画像に対してこの画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の虹彩画像をフィルタ出力統合部103へ出力する。
【0023】
以下、画像処理フィルタについて詳しく説明する。一例としては、画像処理フィルタの形状は、照明3の形状に基づいて予め決定される。図5(A)は、照明3の一例を示す。この例では、照明3は縦長の矩形形状を有する線状光源である。図5(B)は、虹彩画像に映りこんだ照明の反射領域の例を示す。図5(B)の虹彩画像において、符号51は虹彩を示し、符号52は瞳孔を示す。瞳孔52の内側に照明3が映り込んだ反射領域53が表れている。反射領域53は、照明光が眼球面で反射することにより形成されている。
【0024】
図6(A)は、図5(A)、(B)の場合の画像処理フィルタの例を示す。図6(A)に示す画像処理フィルタF1は、図5(A)に示す照明3の形状に対応して、中央の縦長の領域C1の係数が他の領域よりも大きく設定されている。照明3の形状に基づいて画像処理フィルタの形状を決定する場合には、実際に使用する照明3の形状に基づいて画像処理フィルタの形状が予め決定される。こうして予め決定された画像処理フィルタは、複数の利用者Xの虹彩画像のフォーカス判定に使用される。なお、「フィルタの形状」とは、フィルタのサイズ、及び、フィルタの各セグメントの係数値を含む概念とする。例えば、図6(A)の画像処理フィルタF1の形状は、8×8画素のフィルタサイズと、フィルタF1を構成する各セグメントの係数値とを含む。
【0025】
虹彩画像に図6(A)のような画像処理フィルタを適用すると、フィルタ処理後の虹彩画像においては、図5(B)に例示するような照明の反射領域53の画素値が大きくなる。フォーカス判定装置100は、照明の反射領域53を利用してフォーカス判定を行う。フォーカスが合っている状態では、フィルタ処理後の虹彩画像において、照明の反射領域53とその周りの領域の画素値の差が大きくなる。このため、フォーカスが合っているほど、フィルタ処理後の虹彩画像では、照明の反射領域53の画素値が高くなる。よって、フィルタ処理後の虹彩画像において、照明の反射領域53に対応する画素値の大きい領域があれば、その虹彩画像はフォーカスが合っていると判定することができる。
【0026】
また、図5(B)に示す画像処理フィルタF2のように、画像処理フィルタのサイズ自体を、照明3の形状に基づく形状としてもよい。画像処理フィルタF2では、照明3の形状に応じて、符号C2で示す中央の縦長の領域の係数が大きく設定されている。画像処理フィルタのサイズを小さくすることにより、フィルタ処理部102における演算量の削減が期待できる。
【0027】
図4に戻り、フィルタ処理部102によるフィルタ処理後の虹彩画像はフィルタ出力統合部103へ入力される。フィルタ出力統合部103は、画像処理フィルタを用いたフィルタ処理後の虹彩画像(以下、「フィルタ処理後画像」とも呼ぶ。)を入力として、フィルタ処理後画像の画素値を用いた統合処理を行い、統合した結果の値をフィルタ出力統合値Pとして出力する。具体的に、フィルタ出力統合部103は、フィルタ処理後画像の全画素値の平均値をフィルタ出力統合値Pとして出力する。もしくは、フィルタ出力統合部103は、フィルタ処理後画像を複数の局所領域に分割し、局所領域ごとに画素値の平均値を算出し、フィルタ出力統合値Pとして出力してもよい。フィルタ出力統合値Pは、虹彩画像のフォーカスの合い具合、即ち、合焦の程度を示す値となる。フィルタ出力統合部103は、フィルタ出力統合値Pをフォーカス判定部104へ出力する。
【0028】
フォーカス判定部104は、フィルタ出力統合値Pを予め決定された閾値Qと比較し、その虹彩画像のフォーカス判定を行う。具体的には、フォーカス判定部104は、フィルタ出力統合値Pが閾値Q以上である場合、その虹彩画像はフォーカスが合っていると判定する。一方、フォーカス判定部104は、フィルタ出力統合値Pが閾値Q未満である場合、その虹彩画像はフォーカスが合っていないと判定する。なお、フィルタ出力統合部103が局所領域ごとにフィルタ出力統合値を出力する場合、フォーカス判定部104は、閾値Q以上のフィルタ出力統合値を有する局所領域の数が所定数以上である場合に、その虹彩画像はフォーカスが合っていると判定し、閾値Q以上のフィルタ出力統合値を有する局所領域の数が所定数未満である場合に、その虹彩画像はフォーカスが合っていないと判定すればよい。
【0029】
上記の構成において、虹彩画像取得部101は取得手段の一例であり、フィルタ処理部102はフィルタ処理手段の一例であり、フィルタ出力統合部103及びフォーカス判定部104はフォーカス判定手段の一例である。
【0030】
(フォーカス判定処理)
図7は、第1実施形態のフォーカス判定装置100によるフォーカス判定処理のフローチャートである。この処理は、図3に示すプロセッサ12が、予め用意されたプログラムを実行し、図4に示す各要素として動作することにより実現される。
【0031】
まず、虹彩画像取得部101は、カメラ2などから入力された虹彩画像を取得し、フィルタ処理部102へ出力する(ステップS11)。次に、フィルタ処理部102は、予め用意された画像処理フィルタを虹彩画像に適用してフィルタ処理を実行し、フィルタ処理後画像をフィルタ出力統合部103へ出力する(ステップS12)。フィルタ出力統合部103は、フィルタ処理後画像の画素値を用いた統合処理を行い、フィルタ出力統合値Pをフォーカス判定部104へ出力する(ステップS13)。フォーカス判定部104は、フィルタ出力統合値Pを所定の閾値Qと比較してフォーカス判定を行い(ステップS14)、判定結果を出力する(ステップS15)。そして、フォーカス判定処理は終了する。
【0032】
以上のように、第1実施形態によれば、虹彩画像を撮影する際に使用する照明の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを用いてフィルタ処理を行い、フォーカス判定を行うので、実際に使用する照明の形状を基準として使用することにより、精度よくフォーカス判定を行うことが可能となる。
【0033】
<第2実施形態>
第1実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明3の形状に基づいて決定されている。これに対し、第2実施形態では、画像処理フィルタの形状は、虹彩画像の眼の領域における照明の反射領域の形状に基づいて予め決定される。これにより、照明の反射領域に対応する形状の画像処理フィルタが得られるので、精度よくフォーカス判定を行うことができる。なお、この点以外は、第2実施形態は第1実施形態と同様である。
【0034】
<第3実施形態>
第3実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明3の水平方向と垂直方向のアスペクト比(縦横比)と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの比とが一致するように決定される。これにより、照明と同一の縦横比を有する形状の画像処理フィルタが得られるので、精度よくフォーカス判定を行うことができる。なお、この点以外は、第3実施形態は第1実施形態と同様である。
【0035】
<第4実施形態>
第4実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明の反射領域53の水平方向と垂直方向のアスペクト比(縦横比)と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの比とが一致するように決定される。なお、照明の反射領域の形状に基づいて画像処理フィルタの形状を決定する場合には、実験的に照明光を照射して撮影した眼の領域の画像を用いて照明の反射領域の形状を検出し、その形状に基づいて画像処理フィルタの形状を決定すればよい。これにより、照明の反射領域と同一の縦横比を有する形状の画像処理フィルタが得られるので、精度よくフォーカス判定を行うことができる。なお、この点以外は、第2実施形態は第1実施形態と同様である。
【0036】
<第5実施形態>
第5実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明3の水平方向の空間周波数成分と垂直方向の空間周波数成分の大きさの比と、前記画像処理フィルタの横方向の空間周波数成分と縦方向周波数成分の比とが一致するように決定される。これにより、照明と同一の縦横比を有する形状の画像処理フィルタが得られるので、精度よくフォーカス判定を行うことができる。なお、この点以外は、第5実施形態は第1実施形態と同様である。
【0037】
<第6実施形態>
第6実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明の反射領域53の水平方向の空間周波数成分と垂直方向の空間周波数成分の大きさの比と、前記画像処理フィルタの横方向の空間周波数成分と縦方向周波数成分の比とが一致するように決定される。これにより、照明の反射領域と同一の縦横比を有する形状の画像処理フィルタが得られるので、精度よくフォーカス判定を行うことができる。なお、この点以外は、第6実施形態は第1実施形態と同様である。
【0038】
<第7実施形態>
上記の第5~第6実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明3の形状又は照明の反射領域53の水平方向の空間周波数成分と垂直方向の空間周波数成分の大きさの比と、前記画像処理フィルタの横方向の空間周波数成分と縦方向周波数成分の比とが一致するように決定されている。しかし、画像処理フィルタの縦方向と横方向の空間周波数成分の比は、照明3の形状又は照明の反射領域53の形状のアスペクト比と厳密に一致しなくてもよい。この点から、第7実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明3の形状の水平方向と垂直方向の長さの大小と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの大小とが一致するように決定される。これにより、照明と縦横の大小関係が一致する形状の画像処理フィルタが得られるので、汎用性の高い画像処理フィルタを用いてフォーカス判定を行うことができる。この点以外は、第7実施形態は第1実施形態と同様である。
【0039】
<第8実施形態>
第7実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明3の形状の水平方向と垂直方向の長さの大小と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの大小とが一致するように決定されている。その代わりに、第8実施形態では、画像処理フィルタの形状は、照明の反射領域53の形状の水平方向と垂直方向の長さの大小と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの大小とが一致するように決定すればよい。これにより、照明の反射領域と縦横の大小関係が一致する形状の画像処理フィルタが得られるので、汎用性の高い画像処理フィルタを用いてフォーカス判定を行うことができる。この点以外は、第8実施形態は第1実施形態と同様である。
【0040】
<第9実施形態>
第1~第8実施形態では、照明の形状又は照明の反射領域の形状に基づいて予め用意された画像処理フィルタを用いてフィルタ処理を行っている。即ち、第1~第8実施形態では、入力される複数の虹彩画像について、予め用意された汎用の画像処理フィルタを適用している。これに対し、第9実施形態では、入力された虹彩画像における照明の反射領域を検出して照明の形状を推定し、推定した形状に基づいてフィルタの形状を決定する。
【0041】
(ハードウェア構成)
第9実施形態のフォーカス判定装置のハードウェア構成は、図3に示す第1実施形態のフォーカス判定装置100と同様である。
【0042】
(機能構成)
図8は、第9実施形態に係るフォーカス判定装置100Xの機能構成を示すブロック図である。フォーカス判定装置100Xは、第1実施形態と同様の虹彩画像取得部101、フィルタ処理部102、フィルタ出力統合部103及びフォーカス判定部104に加えて、照明反射検出部105と、照明形状推定部106と、フィルタ生成部107とを備える。
【0043】
照明反射検出部105は、虹彩画像取得部101が取得した虹彩画像から、図5(B)の反射領域53に例示するような照明の反射領域を検出する。照明反射検出部105は、例えば、虹彩画像の画素のうち所定値以上の輝度値(明るさ)を有する画素の領域を反射領域として検出する。そして、照明反射検出部105は、検出した反射領域の縦方向及び横方向の大きさを照明形状推定部106へ出力する。
【0044】
照明形状推定部106は、照明反射検出部105が検出した反射領域の縦方向及び横方向の大きさに基づいて照明の形状を推定し、照明の形状を規定する条件をフィルタ生成部107へ出力する。照明の形状を規定する条件(以下、「照明形状条件」とも呼ぶ。)は、例えば、照明の縦横の長さの比(即ち、アスペクト比)でもよく、照明の縦横の長さの大小関係であってもよい。このほかに、照明の形状を規定する条件は、円形、正方形など、照明の形状を規定する条件であってもよい。
【0045】
フィルタ生成部107は、照明形状推定部106から入力された照明形状条件に基づいて、フィルタ処理部102で使用する画像処理フィルタの形状を決定する。即ち、フィルタ生成部107は、入力された照明形状条件が規定する形状を抽出するための画像処理フィルタの形状を決定し、画像処理フィルタを生成する。なお、前述のように、フィルタの形状は、フィルタのサイズとフィルタの各セグメントの係数値とを含む。
【0046】
ここで、フィルタ生成部107は、第1~第8実施形態のいずれかと同様な方法で画像処理フィルタの形状を決定する。即ち、フィルタ生成部107は、照明形状条件が規定する照明の水平方向と垂直方向のアスペクト比と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの比とが一致するように画像処理フィルタの形状を決定してもよい。もしくは、フィルタ生成部107は、照明形状条件が規定する照明の水平方向の空間周波数成分と垂直方向の空間周波数成分の大きさの比と、画像処理フィルタの横方向の空間周波数成分と縦方向周波数成分の比とが一致するように画像処理フィルタの形状を決定してもよい。また、フィルタ生成部107は、照明形状条件が規定する照明の形状の水平方向と垂直方向の長さの大小と、画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの大小とが一致するように画像処理フィルタの形状を決定してもよい。フィルタ生成部107は、生成した画像処理フィルタをフィルタ処理部102に出力する。
【0047】
フィルタ処理部102、フィルタ出力統合部103及びフォーカス判定部104の動作は、第1実施形態と同様である。なお、フィルタ処理部102は、虹彩画像取得部101から入力された虹彩画像に対して、フィルタ生成部107が生成した画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行う。
【0048】
こうして、第9実施形態では、複数の虹彩画像に対して使用される汎用の画像処理フィルタではなく、フォーカス判定の対象となる虹彩画像中の照明の反射領域に基づいて個別に生成された画像処理フィルタを用いてフィルタ処理が行われ、フォーカス判定が行われる。よって、個々の虹彩画像に対して、より高精度にフォーカス判定を行うことが可能となる。
【0049】
上記の構成において、照明反射検出部105は検出手段の一例であり、照明形状推定部106は推定手段の一例であり、フィルタ生成部107はフィルタ生成手段の一例である。
【0050】
(フォーカス判定処理)
図9は、第9実施形態のフォーカス判定装置100Xによるフォーカス判定処理のフローチャートである。この処理は、図3に示すプロセッサ12が、予め用意されたプログラムを実行し、図8に示す各要素として動作することにより実現される。
【0051】
まず、虹彩画像取得部101は、カメラ2などから入力された虹彩画像を取得し、フィルタ処理部102及び照明反射検出部105へ出力する(ステップS21)。照明反射検出部105は、入力された虹彩画像から、眼球面における照明の反射領域を検出し、検出した照明の反射領域の縦方向及び横方向の長さを照明形状推定部106へ出力する(ステップS22)。照明形状推定部106は、入力された反射領域の縦方向及び横方向の長さに基づいて照明の形状を推定し、照明の形状を規定する照明形状条件をフィルタ生成部107へ出力する(ステップS23)。フィルタ生成部107は、入力された照明形状条件に基づいて画像処理フィルタの形状を決定し、画像処理フィルタを生成してフィルタ処理部102へ出力する(ステップS24)。
【0052】
フィルタ処理部102は、虹彩画像取得部101から入力された虹彩画像に、フィルタ生成部107が生成した画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行う(ステップS25)。その後の処理は、基本的に第1実施形態と同様である。即ち、フィルタ出力統合部103は、フィルタ処理後画像の画素値を用いた統合処理を行い、フィルタ出力統合値Pをフォーカス判定部104へ出力する(ステップS26)。次に、フォーカス判定部104は、フィルタ出力統合値Pを所定の閾値Qと比較してフォーカス判定を行い(ステップS27)、判定結果を出力する(ステップS28)。そして、フォーカス判定処理は終了する。
【0053】
以上のように、第9実施形態では、ある虹彩画像のフォーカス判定に使用する画像処理フィルタを、その虹彩画像から検出した照明の形状に基づいて生成する。よって、個々の虹彩画像に含まれる照明の反射形状に近い形状の画像処理フィルタを用いて、フォーカス判定を高精度で行うことができる。
【0054】
<第10実施形態>
第10実施形態は、第1~第9実施形態のいずれかのフォーカス判定装置を備える虹彩認証装置に関する。虹彩認証においては、虹彩の細かな模様をとらえるため、虹彩にフォーカスが合っている虹彩画像を使用することが重要である。一般的に、虹彩にフォーカスの合った画像を撮影するため、虹彩画像の撮影時に、フォーカス位置を変えて複数の画像を撮影する方法が用いられている。しかし、撮影された複数の虹彩画像を用いて虹彩認証を行う場合、認証処理を適用する画像枚数が増加することで、認証処理に時間がかかるという課題がある。本実施形態は、第1~第9実施形態のいずれかのフォーカス判定装置を利用して、効率よく虹彩認証を行う。
【0055】
(ハードウェア構成)
第10実施形態に係る虹彩認証装置のハードウェア構成は、基本的に図3に示す第1実施形態のフォーカス判定装置100の構成と同様である。但し、DB15には、虹彩認証の対象となる虹彩画像及びその虹彩の特徴量(以下、「虹彩特徴量」と呼ぶ。)が予め登録されているものとする。
【0056】
(機能構成)
図10は、第10実施形態に係る虹彩認証装置200の機能構成を示すブロック図である。虹彩認証装置200は、第1~第8実施形態のいずれかに係るフォーカス判定装置100又は第9実施形態に係るフォーカス判定装置100Xと、フォーカス画像選択部201と、虹彩検出部202と、虹彩特徴抽出部203と、虹彩認証部204と、虹彩DB205とを備える。
【0057】
フォーカス判定装置100又は100Xには、同一人物についてのフォーカス状態の異なる複数の虹彩画像が入力される。フォーカス判定装置100又は100Xは、入力された虹彩画像のフォーカス判定を行い、入力された複数の虹彩画像についての判定結果をフォーカス画像選択部201へ出力する。
【0058】
フォーカス画像選択部201は、判定結果に基づいて、複数の虹彩画像からフォーカスが合っていると判定された虹彩画像(以下、「合焦虹彩画像」とも呼ぶ。)を虹彩検出部202へ出力する。虹彩検出部202は、合焦虹彩画像から虹彩領域を検出し、虹彩特徴抽出部203へ出力する。虹彩特徴抽出部203は、虹彩検出部202で検出された虹彩領域から虹彩特徴量を抽出し、虹彩認証部204へ出力する。なお、虹彩特徴抽出部203は、ドーグマン(Daugman)アルゴリズムその他の任意のアルゴリズムを用いて虹彩特徴量を抽出する。
【0059】
虹彩DB205には、虹彩情報を登録済の人物について、虹彩画像及び虹彩特徴量が記憶されている。虹彩認証部204は、虹彩特徴抽出部203から入力された虹彩特徴量を、虹彩DB205に登録済の人物の虹彩特徴量と照合し、虹彩認証を行う。例えば、虹彩認証部204は、虹彩特徴抽出部203と虹彩DB205に登録済のある人物の虹彩特徴量との照合スコアが所定スコア以上である場合に、その虹彩画像の人物が登録済の人物であると判定する。
【0060】
なお、フォーカス判定装置100又は100Xは、フィルタ処理を行うことにより照明の反射領域を検出しているが、通常、照明の反射領域は画素値が白飛びしており、特徴量の認証には不適当である。よって、虹彩認証部204は、照明の反射領域を認証に使用しないこととするか、もしくは認証における重み付けを下げて照明の反射領域がスコアに反映されにくくすることが好ましい。そして、虹彩認証部204は、認証結果を出力する。
【0061】
上記の構成において、フォーカス画像選択部201は画像選択手段の一例であり、虹彩検出部202は虹彩検出手段の一例であり、虹彩特徴抽出部203は特徴量抽出手段の一例であり、虹彩認証部204は虹彩認証手段の一例である。
【0062】
以上のように、第10実施形態の虹彩認証装置200によれば、同一人物についての複数の虹彩画像から、フォーカス判定処理により、フォーカスの合った虹彩画像を抽出して虹彩認証処理を行うことができる。これにより、フォーカスの合っていない虹彩画像については、虹彩検出処理、虹彩特徴抽出処理及び虹彩認証処理を省くことができ、虹彩認証処理における計算量の削減及び処理時間の短縮が可能となる。さらに、フォーカスの合っていない画像を事前に除去することで、認証に不適当な、ピントのぼけた虹彩画像が虹彩認証処理に用いられることが防止でき、誤認証の発生を低減することが可能となる。
【0063】
<第11実施形態>
第11実施形態も、第1~第9実施形態のいずれかのフォーカス判定装置を備える虹彩認証装置に関する。通常、虹彩画像の撮影時には、図1に例示するように、利用者が撮影装置の前で停止する。これに対し、セキュリティーゲートなどにカメラを設け、歩いてくる利用者の虹彩画像を撮影し、虹彩認証を行う手法が提案されている。この手法は、ウォークスルー虹彩認証などと呼ばれる。ウォークスルー虹彩認証の場合、利用者は移動するため、照明の反射領域の形状は時系列で変化する。この場合、時系列に撮影した全ての虹彩画像について第1~第9実施形態のフォーカス判定処理を適用すると、処理量が膨大となってしまう。そこで、第11実施形態では、多数の虹彩画像から合焦状態にある虹彩画像を効率的に抽出し、虹彩認証を行う。
【0064】
(ハードウェア構成)
第11実施形態に係る虹彩認証装置のハードウェア構成は、基本的に図3に示す第1実施形態のフォーカス判定装置100の構成と同様である。但し、DB15には、登録済みの人物について、虹彩画像及び虹彩特徴量が予め記憶されているものとする。
【0065】
(機能構成)
図11は、第11実施形態に係る虹彩認証装置200Xの機能構成を示すブロック図である。虹彩認証装置200Xは、第3実施形態に係る虹彩認証装置200の構成に加えて、虹彩画像選択部210を備える。
【0066】
虹彩画像選択部210には、ウォークスルー虹彩認証システムなどにより、同一人物について撮影された多数の虹彩画像が入力される。虹彩画像選択部210は、入力された多数の虹彩画像のうちの一部の虹彩画像を判定対象画像として選択し、フォーカス判定装置100又は100Xに出力する。フォーカス判定装置100又は100Xは、入力された判定対象画像についてフォーカス判定を行い、判定結果をフォーカス画像選択部201へ出力する。フォーカス画像選択部201は、判定対象画像に対する判定結果に基づいて、フォーカスの合っている虹彩画像を選択し、虹彩検出部202へ出力する。もしくは、フォーカス画像選択部201は、フィルタ出力統合値Pが所定の閾値Qを超えた判定対象画像が所定数以上ある場合、それらの虹彩画像に対して再度フォーカス判定処理を適用し、フォーカス状態が良い所定数の虹彩画像に絞り込んで、虹彩検出部202へ出力してもよい。なお、虹彩検出部202、虹彩特徴抽出部203及び虹彩認証部204の処理は第3実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0067】
次に、虹彩画像選択部210による虹彩画像の選択方法について詳しく説明する。図12(A)は、第11実施形態の虹彩画像選択部210による画像の選択方法の例を示す。図12(A)は、時系列に撮影された複数の虹彩画像P1~P16を模式的に示す。虹彩画像選択部210は、複数の虹彩画像P1~P16から、任意の複数の画像を選択する。例えば、虹彩画像選択部210は、図12(A)における3枚の虹彩画像P6、P11及びP15を選択してフォーカス判定装置100又は100Xへ出力する。フォーカス判定装置100又は100Xは、虹彩画像P6、P11及びP15のフォーカス判定を行い、判定結果をフォーカス画像選択部201へ出力する。
【0068】
いま、虹彩画像P6、P11及びP15について、基準となる閾値Qに対するフォーカスのずれ具合がそれぞれ40%、10%、50%であったとする。利用者の移動速度が一定であると仮定すると、虹彩画像P7~P10、P12~P14のフォーカスのずれ具合は図12(A)に括弧で示す値と推定することができる。よって、フォーカス画像選択部201は、虹彩画像P10を合焦虹彩画像として選択し、虹彩検出部202へ出力する。なお、フォーカス画像選択部201は、虹彩画像P10を合焦虹彩画像と決定する代わりに、虹彩画像P7~P10をフォーカス判定装置100又は100Xに入力して再度フォーカス判定を行わせ、その判定結果から合焦虹彩画像を決定してもよい。
【0069】
なお、上記のようにして決定した合焦虹彩画像が、照明光による白飛び部分がある程度大きい画像だった場合、その虹彩画像は、フォーカスが合っているとはいえ認証には適さない画像となる。そこで、虹彩画像選択部210は、上記の方法で決定された合焦虹彩画像において、照明の反射領域の大きさ、又は、反射領域のうち虹彩にかかっている部分の大きさが所定値以上であるかどうか判定し、所定値以上の大きさである場合は、その画像の前後の画像のうち、多少フォーカスが合っていなくても認証には使える程度のフォーカスであり、かつ、照明の反射領域の大きさが小さい画像を、認証に用いる画像として選択し直してもよい。
【0070】
また、上記の方法は、移動している利用者の虹彩画像を撮影し終わった後で、複数の虹彩画像からフォーカスの状態が良く、認証に適した虹彩画像を選択する方法であるが、その代わりに、利用者が所定距離移動する毎に、その間に撮影された複数の虹彩画像についてフォーカス判定を行うという作業を繰り返す方法もある。この場合、利用者がある距離にいるときに撮影した複数の虹彩画像に対しフィルタ処理やフォーカス判定処理を行い、フォーカスが合っており認証に適した虹彩画像が得られた場合には、処理を終了する。一方、フォーカスが合っている虹彩画像が得られなかった場合、又は、フォーカスは合っているが、照明の反射領域の白飛びなどが原因で認証には適さない虹彩画像しか得られなかった場合には、利用者が次の所定距離を移動する間に複数の虹彩画像を撮影し、その中からフォーカスが合っており認証に適した虹彩画像を選択する、という作業を繰り返す。
【0071】
以上のように、第11実施形態の虹彩認証装置200Xによれば、ウォークスルー虹彩認証システムなどにより多数の虹彩画像が撮影された場合でも、それらの一部のみについてフォーカス判定を行ってフォーカスの合った虹彩画像を選択することで、効率的に虹彩認証を実施することができる。
【0072】
<第12実施形態>
第12実施形態は、第11実施形態と同様に、ウォークスルー虹彩認証システムなどにより多数の虹彩画像が撮影された場合に適用される。但し、第12実施形態は、虹彩画像選択部210による虹彩画像の選択方法が、第9実施形態と異なる。図12(B)は、第10実施形態の虹彩画像選択部210による画像の選択方法の例を示す。図12(B)は、時系列に撮影された複数の虹彩画像P1~P16を模式的に示す。虹彩画像選択部210は、複数の虹彩画像P1~P16から、任意の複数の画像を選択する。例えば、虹彩画像選択部210は、図12(B)における2枚の虹彩画像P6及びP15を選択してフォーカス判定装置100又は100Xへ出力する。フォーカス判定装置100又は100Xは、虹彩画像P6及びP15のフォーカス判定を行い、判定結果をフォーカス画像選択部201へ出力する。
【0073】
いま、虹彩画像P6及びP15について、基準となる閾値Qに対するフォーカスのずれ具合がそれぞれ20%、40%であったとする。利用者の移動速度が一定であると仮定すると、ずれ具合が20%である虹彩画像P6から所定距離離れた虹彩画像P2、P3、P9、P10辺りのいずれかの虹彩画像が合焦状態にあると推測することができる。よって、フォーカス画像選択部201は、虹彩画像P2、P3、P9、P10をフォーカス判定装置100又は100Xに入力して再度フォーカス判定を行わせ、その判定結果から合焦虹彩画像を決定する。
【0074】
以上のように、第12実施形態の虹彩認証装置200Xによれば、ウォークスルー虹彩認証システムなどにより多数の虹彩画像が撮影された場合でも、それらの一部のみについてフォーカス判定を行ってフォーカスの合った虹彩画像を選択することで、効率的に虹彩認証を実施することができる。
【0075】
<第13実施形態>
第13実施形態も、第1~第9実施形態のいずれかのフォーカス判定装置を備える虹彩認証装置に関する。虹彩画像を撮影する際には、通常、利用者の虹彩に光を照射する。しかし、虹彩を撮影される利用者が眼鏡等の眼を覆うデバイスを装着している場合、眼鏡のレンズやフレームでの反射が撮影画像に映り込む。眼鏡のレンズやフレームでの反射が映り込んだ虹彩画像を使用すると、フォーカス判定の際、実際には虹彩にフォーカスが合っていないにもかかわらず、眼鏡のレンズやフレームでの反射のエッジによって虹彩にフォーカスが合っていると誤判定されることがある。そこで、第11実施形態では、眼鏡などの眼を覆うデバイス(以下、「アイウェア」と呼ぶ。)を装着している状態で撮影された虹彩画像(以下、「アイウェア装着画像」と呼ぶ。)についてはフォーカス判定装置100又は100Xによるフォーカス判定を行い、アイウェアを装着していない状態で撮影された虹彩画像(以下、「アイウェア非装着画像」と呼ぶ。)についてはフォーカス判定を行わないこととする。なお、アイウェアには、メガネの他、サングラス、ゴーグルなどが含まれる。
【0076】
(ハードウェア構成)
第13実施形態に係る虹彩認証装置のハードウェア構成は、基本的に図3に示す第1実施形態のフォーカス判定装置100の構成と同様である。但し、DB15には、登録済みの人物について、虹彩画像及びその虹彩特徴量が予め記憶されているものとする。
【0077】
(機能構成)
図13は、第13実施形態に係る虹彩認証装置200Yの機能構成を示すブロック図である。虹彩認証装置200Yは、第3実施形態に係る虹彩認証装置200の構成に加えて、アイウェア装着画像検出部215を備える。
【0078】
アイウェア装着画像検出部215には、複数の虹彩画像が入力される。アイウェア装着画像検出部215は、入力された虹彩画像から、アイウェア装着画像を検出する。なお、アイウェア装着画像検出部215は、虹彩画像の色などに基づいてアイウェア装着画像を検出してもよい。また、虹彩画像がアイウェア全体を含んでいる場合には、画像処理によりアイウェア自体を検出してもよい。アイウェア装着画像検出部215は、アイウェア装着画像をフォーカス判定装置100又は100Xへ出力し、アイウェア非装着画像を虹彩検出部202へ出力する。フォーカス判定装置100又は100Xは、アイウェア装着画像についてフォーカス判定を行い、フォーカス画像選択部201はアイウェア装着画像のうち、合焦状態にある虹彩画像を選択して虹彩検出部202へ出力する。こうして、アイウェア装着画像のうち合焦状態にある虹彩画像、及び、アイウェア非装着画像が虹彩検出部202へ入力される。なお、虹彩検出部202、虹彩特徴抽出部203及び虹彩認証部204の処理は第3実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0079】
第13実施形態によれば、全ての利用者の虹彩画像に対してフォーカス判定を行うのではなく、アイウェアを装着した利用者の虹彩画像のみについてフォーカス判定を行うので、効率的にフォーカス判定及び虹彩認証を実行することができる。
【0080】
<第14実施形態>
次に、この開示の第14実施形態について説明する。図14は、第14実施形態に係るフォーカス判定装置の機能構成を示すブロック図である。フォーカス判定装置70は、取得手段71と、フィルタ処理手段72と、フォーカス判定手段73とを備える。取得手段71は、利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得する。フィルタ処理手段72は、虹彩画像に対して、利用者に照射する照明の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行う。フォーカス判定手段73は、フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定する。
【0081】
図15は、第14実施形態のフォーカス判定処理のフローチャートである。取得手段71は、利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得する(ステップS71)。フィルタ処理手段72は、虹彩画像に対して、利用者に照射する照明の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行う(ステップS72)。フォーカス判定手段73は、フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定する(ステップS73)。
【0082】
第14実施形態によれば、虹彩の撮影時に使用する照明の形状を利用して、虹彩画像のフォーカス状態を判定するので、既知の形状に基づいて精度よくフォーカス状態を判定することが可能となる。
【0083】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0084】
(付記1)
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得する取得手段と、
前記虹彩画像に対して、利用者に照射する照明の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定するフォーカス判定手段と、
を備えるフォーカス判定装置。
【0085】
(付記2)
前記画像処理フィルタの形状は、前記照明の形状に基づいて予め決定されている付記1に記載のフォーカス判定装置。
【0086】
(付記3)
前記画像処理フィルタの形状は、前記照明の水平方向と垂直方向のアスペクト比と、前記画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの比とが一致するように決定されている付記2に記載のフォーカス判定装置。
【0087】
(付記4)
前記画像処理フィルタの形状は、前記照明の水平方向の空間周波数成分と垂直方向の空間周波数成分の大きさの比と、前記画像処理フィルタの横方向の空間周波数成分と縦方向周波数成分の比とが一致するように決定されている付記2に記載のフォーカス判定装置。
【0088】
(付記5)
前記画像処理フィルタの形状は、前記照明の水平方向と垂直方向の長さの大小と、前記画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの大小とが一致するように決定されている付記2に記載のフォーカス判定装置。
【0089】
(付記6)
前記画像処理フィルタの形状は、前記虹彩画像における照明の反射領域の形状に基づいて予め決定されている付記1に記載のフォーカス判定装置。
【0090】
(付記7)
前記画像処理フィルタの形状は、前記反射領域の形状の水平方向と垂直方向のアスペクト比と、前記画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの比とが一致するように決定されている付記6に記載のフォーカス判定装置。
【0091】
(付記8)
前記画像処理フィルタの形状は、前記反射領域の形状の水平方向の空間周波数成分と垂直方向の空間周波数成分の大きさの比と、前記画像処理フィルタの横方向の空間周波数成分と縦方向周波数成分の比とが一致するように決定されている付記6に記載のフォーカス判定装置。
【0092】
(付記9)
前記画像処理フィルタの形状は、前記反射領域の形状の水平方向と垂直方向の長さの大小と、前記画像処理フィルタの空間周波数成分の横方向の大きさと縦方向の大きさの大小とが一致するように決定されている付記6に記載のフォーカス判定装置。
【0093】
(付記10)
前記虹彩画像から、前記照明の反射領域を検出する検出手段と、
前記反射領域の形状に基づいて、前記照明の形状を推定する推定手段と、
推定された照明の形状に基づいて、前記画像処理フィルタの形状を決定するフィルタ生成手段と、
を備える付記1に記載のフォーカス判定装置。
【0094】
(付記11)
付記1乃至10のいずれか一項に記載のフォーカス判定装置を用いて、複数の虹彩画像からフォーカスの合った虹彩画像を選択する画像選択手段と、
前記フォーカスの合った虹彩画像から虹彩領域を検出する虹彩検出手段と、
検出された虹彩領域から特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
抽出された特徴量を用いて、虹彩認証を行う虹彩認証手段と、
を備える虹彩認証装置。
【0095】
(付記12)
前記画像選択手段は、前記複数の虹彩画像のうちの一部の虹彩画像を判定対象画像として選択し、前記判定対象画像について前記フォーカス判定装置を用いてフォーカス判定を行い、判定結果に基づいて前記フォーカスの合った虹彩画像を選択する付記11に記載の虹彩認証装置。
【0096】
(付記13)
前記画像選択手段は、前記複数の虹彩画像のうちの一部の虹彩画像を判定対象画像として選択し、前記判定対象画像について前記フォーカス判定装置を用いてフォーカス判定を行い、判定結果に基づいて次の判定対象画像を決定し、前記次の判定対象画像に対する判定結果に基づいて、前記フォーカスの合った虹彩画像を選択する付記11に記載の虹彩認証装置。
【0097】
(付記14)
前記複数の虹彩画像から、アイウェアを装着した状態で撮影された虹彩画像を検出するアイウェア装着画像検出手段と、
付記1乃至10のいずれか一項に記載のフォーカス判定装置を用いて、アイウェアを装着した状態で撮影された複数の虹彩画像から、フォーカスの合った虹彩画像を選択する画像選択手段と、
アイウェアを装着していない状態で撮影された虹彩画像、及び、前記画像選択手段により選択された前記フォーカスの合った虹彩画像から虹彩領域を検出する虹彩検出手段と、
検出された虹彩領域から特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
抽出された特徴量を用いて、虹彩認証を行う虹彩認証手段と、
を備える虹彩認証装置。
【0098】
(付記15)
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得し、
前記虹彩画像に対して、利用者に照射する照明の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定するフォーカス判定方法。
【0099】
(付記16)
利用者の虹彩を撮影した虹彩画像を取得し、
前記虹彩画像に対して、利用者に照射する照明の形状に基づいて決定された形状の画像処理フィルタを適用してフィルタ処理を行い、
前記フィルタ処理後の虹彩画像に基づいて、前記虹彩画像がフォーカスの合った画像であるか否かを判定する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0100】
以上、実施形態及び実施例を参照してこの開示を説明したが、この開示は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。この開示の構成や詳細には、この開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 撮影装置
2 カメラ
3 照明
12 プロセッサ
100、100X フォーカス判定装置
101 虹彩画像取得部
102 フィルタ処理部
103 フィルタ出力統合部
104 フォーカス判定部
105 照明反射検出部
106 照明形状推定部
107 フィルタ生成部
200、200X、200Y 虹彩認証装置
201 フォーカス画像選択部
202 虹彩検出部
203 虹彩特徴抽出部
204 虹彩認証部
205 虹彩DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15