(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】検査システム、抽出装置、検査方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/30 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G01B11/30 A
(21)【出願番号】P 2022553379
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2020037437
(87)【国際公開番号】W WO2022070387
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-079953(JP,A)
【文献】特開2020-037809(JP,A)
【文献】国際公開第2020/161852(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
G01B 11/00-11/30
E21D 9/00-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置と、
前記トンネルの内部において、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させる移動手段と、
測定地点毎に前記測定装置が取得した点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出する抽出手段と、
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出する算出手段と、
を備え
、
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出する、
検査システム。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出する、
請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記算出手段は、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出する、
請求項1または2に記載の検査システム。
【請求項4】
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記測定装置が取得した点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出する抽出手段を備え
、
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段が算出した場合に、
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出する、
抽出装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出する、
請求項4に記載の抽出装置。
【請求項6】
前記算出手段は、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出する、
請求項4または5に記載の抽出装置。
【請求項7】
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして前記測定装置に取得させ、
前記トンネルの内部において、移動手段によって、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させ、
測定地点毎に前記測定装置が取得した前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、抽出手段に前記データを抽出させ
、
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段に算出させ、
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
検査方法。
【請求項8】
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出させる、
請求項7に記載の検査方法。
【請求項9】
前記算出手段に、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出させる、
請求項7または8に記載の検査方法。
【請求項10】
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして前記測定装置に取得させ、
前記トンネルの内部において、移動手段によって、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させ、
測定地点毎に前記測定装置が取得した前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、抽出手段に前記データを抽出させ
、
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段に算出させ、
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システム、抽出装置、検査方法、抽出方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、測定対象物の形状を光切断法により計測する三次元形状計測装置が記載されている。特許文献1の三次元形状計測装置は、測定対象物に対してパターン光を照射する投光部と、撮像部と、輝度条件調整部と、制御部と、演算部とを備える。撮像部は、パターン光によって測定対象物の表面に形成されるパターンを含む画像を撮像する。輝度条件調整部は、画像の輝度に影響を与えるパラメータのうち少なくとも1つを変化させる。制御部は、測定対象物とパターン光とを所定方向に相対的に走査させるとともに、パターン光の走査位置がそれぞれ相違する複数の画像を上記のパラメータを変化させながら取得する。演算部は、複数の画像のうちで輝度レベルが所定範囲に収まるものを対象画像として抽出し、該対象画像に対応するパターンの輝度情報を用いて測定対象物の三次元形状を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の三次元形状計測装置は、輝度から測定対象物の三次元形状を得ている。しかしながら、パターン光によって測定対象物の表面に形成されるパターンは、測定対象物の形状によって、不安定な輝度値を示す場合がある。よって、測定精度の向上に関して課題がある。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、測定精度を向上させることができる検査システム、抽出装置、検査方法、抽出方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る検査システムは、トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置と、前記トンネルの内部において、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させる移動手段と、測定地点毎に前記測定装置が取得した点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出する抽出手段と、を備える。
【0007】
また、本開示に係る抽出装置は、トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記測定装置が取得した点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出する抽出手段を備える。
【0008】
さらに、本開示に係る検査方法は、トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして前記測定装置に取得させ、前記トンネルの内部において、移動手段によって、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させ、測定地点毎に前記測定装置が取得した前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、抽出手段に前記データを抽出させる。
【0009】
本開示に係る抽出方法は、トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記点群データを取得し、前記測定地点毎に取得された前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出させる。
【0010】
また、本開示に係るプログラムは、トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして前記測定装置に取得させ、前記トンネルの内部において、移動手段によって、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させ、測定地点毎に前記測定装置が取得した前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、抽出手段に前記データを抽出させる、ことをコンピュータに実行させる。
【0011】
さらに、本開示に係るプログラムは、トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記点群データを取得させ、前記測定地点毎に取得された前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出させる、ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、測定精度を向上させることができる検査システム、抽出装置、検査方法、抽出方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る検査システムを例示した図である。
【
図2】実施形態1に係る検査システムを例示したブロック図である。
【
図3】実施形態1に係る検査システムにおいて、測定装置の測定原理を例示した斜視図である。
【
図4】実施形態1に係る検査システムにおいて、測定装置を例示した斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る検査システムにおいて、トンネルの壁面を測定する測定装置を例示した図である。
【
図6】実施形態1に係る検査システムにおいて、トンネルの壁面を測定する測定装置を例示した図である。
【
図7】実施形態1に係る検査システムにおいて、抽出部を例示したブロック図である。
【
図8】実施形態1に係る検査システムにおいて、抽出部が抽出したデータを含むチャネルを例示した図である。
【
図9】実施形態1に係る検査システムにおいて、抽出部が抽出したデータを含むチャネルを例示した図である。
【
図10】実施形態1に係る別の検査システムを例示したブロック図である。
【
図11】実施形態1に係るさらに別の検査システムにおいて、抽出部及びデータ保存部を例示したブロック図である。
【
図12】実施形態1に係る検査方法を例示したフローチャート図である。
【
図13】実施形態1に係る抽出方法を例示したフローチャート図である。
【
図14】トンネルの壁面の穴及び測定部が照射する複数のビームを例示した図である。
【
図15】実施形態2に係る検査システムを例示したブロック図である。
【
図16】実施形態2に係る検査システムにおいて、算出部が算出した算出面を例示した図である。
【
図17】実施形態2に係る別の検査システムを例示したブロック図である。
【
図18】実施形態2に係るさらに別の検査システムにおいて、算出部、抽出部及びデータ保存部を例示したブロック図である。
【
図19】実施形態2に係る検査方法を例示したフローチャート図である。
【
図20】実施形態2に係る抽出方法を例示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
(実施形態1)
まず、実施形態1に係る検査システムを説明する。本実施形態に係る検査システムは、例えば、トンネルの壁面を検査するシステムである。
【0016】
図1は、実施形態1に係る検査システムを例示した図である。
図2は、実施形態1に係る検査システムを例示したブロック図である。
図1及び
図2に示すように、検査システム1は、測定装置10、移動部20及び抽出部30を備えている。測定装置10、移動部20及び抽出部30は、それぞれ、測定手段、移動手段及び抽出手段としての機能を有している。
【0017】
測定装置10は、トンネルTNの内部TNIの測定地点P1に配置されている。測定装置10は、レーザ光等のビームでトンネルTNの壁面TNWを照射する。測定装置10は、トンネルTNの壁面TNWをスキャンしたビームの反射光を受光することにより、トンネルTNの壁面TNWの座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する。
【0018】
移動部20は、測定装置10をトンネルTNの内部TNIに渡って移動させる。例えば、移動部20は、トンネルTNの中心軸TNCに沿って、測定装置10を移動させる。移動部20は、トンネルTNの内部TNIにおいて、測定装置10を、複数の測定地点P1及びP2に移動させる。
【0019】
抽出部30は、測定装置10が取得した点群データにおいて、データを抽出する。例えば、抽出部30は、測定地点P1及びP2毎に測定装置10が取得した点群データにおいて、測定地点P1及びP2からの距離に基づいて、データを抽出する。以下で、<測定装置>、<移動部>及び<抽出部>の各構成を詳細に説明する。
【0020】
<測定装置>
まず、測定装置10を説明する。
図3は、実施形態1に係る検査システム1において、測定装置10の測定原理を例示した斜視図である。
図3に示すように、測定装置10は、測定対象OBに対してレーザ光等のビームLBをスキャンさせることにより、測定対象OBの形状を点群データとして取得することができる。点群データは、少なくとも座標値及び輝度値を含む。測定装置10は、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)等のセンサである。
【0021】
例えば、ToF(Time of Flight)方式のLiDARの原理は、以下のとおりである。すなわち、LiDARは、レーザ光等のビームLBを発光する発光部11と、ビームLBが測定対象OBで反射した反射光RBを検出する検出部12と、を備えている。LiDARは、ビームLBを所定の画角で測定対象OBに対してスキャンさせながら、測定対象OBで反射した反射光RBを検出する。そして、LiDARは、ビームLBが測定対象OBに到達するまでの時間t1と、反射光RBが検出部12に到達するまでの時間t2を用いて、測定対象OBまでの距離Dを、D=(t2-t1)/2×(光の速さ)から算出する。これにより、LiDARは、スキャンした範囲におけるスキャンデータとして、測定対象OBまでの距離を含んだ座標値及び輝度値を有する点群データを取得することができる。
【0022】
本実施形態を説明するにあたり、測定装置10は、ビームを複数異なる角度に照射し、ビームの照射方向の変更方法を、ビームの発光部11を回転させるものとして、説明する。ただし、このことは、測定装置10の構成、及び、ビームの照射方向の変更方法を本手法に限定するものではない。
図4は、実施形態1に係る検査システム1において、測定装置10を例示した斜視図である。
図4に示すように、測定装置10は、回転中心軸RCを有してもよい。測定装置10は、回転中心軸RCを回転軸としてビームLBの射出方向を回転させてもよい。これにより、測定装置10は、回転中心軸RCの周りに360[deg]の全方向をスキャンすることができる。測定装置10の回転中心軸RCに対して直交する面方向へのビームLBの照射方向を、本明細書では、便宜上、鉛直面方向と呼ぶ。
【0023】
測定装置10は、複数のチャネルを備えてもよい。例えば、測定装置10は、16本のビームLBを照射するチャネルを備えてもよい。そして、測定装置10の各チャンネルは、回転中心軸RCに対して各々異なる方向にビームLBを照射してもよい。よって、測定装置10は、回転中心軸RCに対して異なる複数の角度の照射方向に照射した複数のビームLBを回転中心軸RCの周りに回転させる。例えば、測定装置10は、隣り合うビームLB間を2[deg]間隔の異なる方向にビームLBを照射してもよい。よって、16本のビームLBは、中心軸に対して、30[deg]の角度の範囲内に照射される。各チャンネルは、回転中心軸RCを中心に回転する。
【0024】
このように、測定装置10は、(1)複数チャネルを備え、(2)各チャネルは回転中心軸RCに対して、各々異なる方向にビームLBを照射し、(3)各チャネルは回転中心軸RCを中心に回転する、という特徴を有してもよい。なお、前述したように、測定装置10の構成、及び、ビームLBの照射方向の変更方法は、上述の方法に限らない。例えば、LiDAR等の測定装置10には、MEMS等の技術を用いて、電気的にビームLBの照射方向を変更するものがある。また、1本のビームLBを水平方向だけでなく垂直方向にも方向を変更することで、広い範囲のスキャンを実現しているLiDARも存在する。したがって、測定装置10は、そのようなLiDARも含んでもよい。すなわち、測定装置10は、基準点を有し、基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームLBで、トンネルTNの壁面TNWをスキャンしたビームLBの反射光RBを受光することにより、壁面TNWの点群データを取得してもよい。
【0025】
本実施形態の検査システム1は、トンネルTNの壁面TNWの異常を検査する際に、測定装置10が取得する点群データにおける輝度値を利用することが可能である。例えば、測定装置10は、トンネルTNの壁面TNWの点群データを取得する。具体的には、測定装置10は、トンネルTNの壁面TNWをスキャンしたビームLBの反射光RBを受光することにより、トンネルTNの壁面TNWの座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する。そして、測定装置10は、クラック等の異常を輝度値に基づいて検知する。
【0026】
しかしながら、移動部20が測定装置10を複数の測定地点P1及びP2に移動させる場合に、測定装置10の回転中心軸RCを常にトンネルTNの中心軸TNCに合わせて移動できるとは限らない。例えば、測定装置10から照射されたビームLBにおいて、トンネルTNの壁面TNWへの当たり方(ビームLBの入射角)が変わりうる。ビームLBがトンネルTNの壁面TNWに対して入射する角度が垂直に近いほど(入射角が0[deg]に近いほど)、得られる輝度値は大きい。
【0027】
したがって、トンネルTNの壁面TNWの状態とは別の要因で輝度値が変化することがある。よって、このままでは異常を検知する精度を向上させることが困難である。以下で、測定装置10がトンネルTNの壁面TNWを検査する際の課題を具体的に説明する。
【0028】
図5及び
図6は、実施形態1に係る検査システム1において、トンネルTNの壁面TNWを測定する測定装置10を例示した図である。
図5に示すように、トンネルTNの壁面TNWにビームLBが斜めに入射する場合には、測定装置10へ反射する反射光RBの成分が減少する。よって、測定装置10が測定する輝度値は小さい。
【0029】
一方、
図6に示すように、トンネルTNの壁面TNWにビームLBが垂直に入射する場合には、測定装置10への反射光RBは大きい。よって、測定装置10が測定する輝度値は大きい。
【0030】
このように、ビームLBがトンネルTNの壁面TNWに対して入射する角度が垂直に近いほど(入射角が0[deg]に近いほど)、得られる輝度値は大きい。点群データは、少なくとも三次元空間における座標値(X、Y、Z等)と反射光RBの強さを示す輝度値(Intensity)とを含む。測定装置10の回転中心軸RCがトンネルTNの中心軸TNC方向に平行でない場合には、トンネルTNの壁面TNWをスキャンしたデータ(点群データ)に含まれる輝度値の値が安定しないという課題を有する。本実施形態の検査システム1は、この課題を解決する。
【0031】
<移動部>
次に、移動部20を説明する。移動部20は、測定装置10を複数の測定地点P1及びP2に移動させる。複数の測定地点P1及びP2を総称して測定地点Pと呼ぶ。特定の測定地点Pを示す場合には、測定地点P1またはP2と符号を付す。
【0032】
移動部20は、例えば、走行車両、ドローン等である。移動部20は、自動制御で自動走行する自動走行車両でもよい。また、移動部20は、測定装置10を携行して歩く人でもよい。移動部20は、測定装置10にトンネルTNの壁面TNWをスキャンさせながらトンネルTNの内部TNIを進む。
【0033】
トンネルTNは、中心軸TNCを有している。移動部20は、中心軸TNCに沿うように測定装置10を移動させる。例えば、トンネルTNの中心軸TNCが一方向に延びている場合には、移動部20は、中心軸TNCに平行な方向に測定装置10を移動させる。トンネルTNの中心軸TNCが湾曲している場合には、移動部20は、湾曲した中心軸TNCと同じ曲率で湾曲させた経路に沿って測定装置10を移動させる。
【0034】
移動部20は、測定装置10の回転中心軸RCを、測定装置10の移動方向に合わせる。例えば、移動部20は、測定装置10の回転中心軸RCが測定装置10の移動方向を向くように測定装置10を移動させる。この場合には、測定装置10が取得する点群データは、測定装置10の回転中心軸RCを、測定装置10の移動方向に合わせて、測定装置10を移動させた場合に、各測定地点Pで測定装置10が取得したものである。
【0035】
また、移動部20は、測定装置10の回転中心軸RCを、トンネルTNの中心軸TNCに合わせる。例えば、移動部20は、測定装置10の回転中心軸RCがトンネルTNの中心軸TNCの方向を向くように測定装置10を移動させる。この場合には、測定装置10が取得する点群データは、測定装置10の回転中心軸RCを、トンネルTNの中心軸TNCに合わせて、測定装置10を移動させた場合に、各測定地点Pで測定装置10が取得したものである。
【0036】
<抽出部>
次に、抽出部30を説明する。
図7は、実施形態1に係る検査システム1において、抽出部30を例示したブロック図である。
図7に示すように、抽出部30は、抽出装置31に設けられ、単体として機能してもよい。抽出部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インターフェイス部(I/F)等からなるマイクロコンピュータを含むハードウェアで構成されてもよい。CPUは、抽出処理及び制御処理等を行う。また、CPUは、算出処理及び保存処理を行ってもよい。ROMは、CPUによって実行される抽出プログラム及び制御プログラム等を記憶する。RAMは、点群データ等の各種のデータを記憶する。インターフェイス部(I/F)は、外部と信号の入出力を行う。CPU、ROM、RAM及びインターフェイス部は、データバスなどを介して相互に接続されている。抽出部30が設けられた抽出装置31は、抽出処理だけでなく、測定装置10及び移動部20の制御を含めた検査システム1全体の制御を行ってもよい。
【0037】
抽出部30は、測定装置10と有線又は無線の通信手段により、データ等の情報を送受信可能な状態で接続されている。抽出部30は、移動部20と有線又は無線の通信手段により、制御信号等を送受信可能な状態で接続されてもよい。
【0038】
図8及び
図9は、実施形態1に係る検査システム1において、抽出部30が抽出したデータを含むチャネルを例示した図である。
図8に示すように、測定装置10の回転中心軸RCがトンネルTNの中心軸TNCに平行な場合には、抽出部30は、回転中心軸RCに直交するチャネルCH1の方向に照射したビームLBにより取得されたデータを抽出する。チャネルCH1のビームLBは、トンネルTNの壁面TNWへ入射する角度が最も垂直に近い(入射角が最も小さい)。チャネルCH1のビームLBにより取得したデータは、測定地点P1からの最短距離を示すデータである。
【0039】
一方、
図9に示すように、測定装置10の回転中心軸RCがトンネルTNの中心軸TNCに平行でない場合には、抽出部30は、回転中心軸RCに傾斜したチャネルCH2の方向に照射したビームLBにより取得されたデータを抽出する。チャネルCH2のビームLBは、トンネルTNの壁面TNWへ入射する角度が最も垂直に近い(入射角が最も小さい)。チャネルCH2のビームLBにより取得したデータは、測定地点P2からの最短距離を示すデータである。
【0040】
このように、抽出部30は、測定装置10が取得した点群データにおいて、測定地点Pから壁面TNWまでの距離に基づいて、データを抽出する。具体的には、抽出部30は、測定装置10を、トンネルTNの内部TNIにおいて、複数の測定地点P1及びP2に移動させた場合に、測定地点P1及びP2毎に測定装置10が取得した点群データにおいて、測定地点P1及びP2からの距離に基づいて、データを抽出する。
【0041】
抽出部30は、測定装置10が取得した点群データにおいて、測定地点Pから最短距離を示すデータを抽出してもよい。すなわち、抽出部30は、測定地点PからトンネルTNの壁面TNWまでの距離が最も短いデータを抽出する。抽出部30は、測定装置10の回転中心軸RCに直交した鉛直面上のデータを抽出する。
【0042】
抽出部30は、複数チャネル(複数本)のビームLBを異なる照射方向に照射可能な測定装置10を用い、ある測定地点Pで取得したデータのうち、最もトンネルTNの壁面TNWまでの距離が近いデータをその箇所の輝度値として採用する。これにより、上述した課題を解決する。トンネルTNの壁面TNWに対して、最も距離が近いビームLBは、壁面TNWに垂直に近い角度で入射していると期待できる。よって、輝度値の情報を安定的に取得可能となる。
【0043】
なお、抽出部30は、測定装置10が取得した点群データにおいて、測定地点Pからの距離に基づいて、データを抽出すれば、測定地点Pから最短距離を示すデータ以外のデータを抽出してもよい。例えば、2番目に短い距離を示すデータを抽出してもよいし、平均値を示すデータを抽出してもよい。
【0044】
<データ保存部>
次に、実施形態1の別の例として、データ保存部を備えた検査システムを説明する。
図10は、実施形態1に係る別の検査システムを例示したブロック図である。
図10に示すように、別の検査システム1aは、データ保存部40をさらに備えている。データ保存部40は、データを保存するデータ保存手段としての機能を有している。データ保存部40は、例えば、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。データ保存部40は、クラウド上に設けられてもよい。データ保存部40は、データ保存装置として、単体で機能してもよい。データ保存部40は、抽出部30と有線又は無線の通信手段により、データ等の情報を送受信可能な状態で接続されている。
【0045】
図11は、実施形態1に係るさらに別の検査システムにおいて、抽出部30及びデータ保存部40を例示したブロック図である。
図11に示すように、データ保存部40は、抽出部30を含む抽出装置31aに設けられてもよい。この場合には、抽出部30及びデータ保存部40を含む抽出装置31aは、単体として機能してもよい。
【0046】
データ保存部40は、データを保存する。データ保存部40は、測定装置10が取得したデータを保存してもよいし、抽出部30が抽出したデータを保存してもよい。また、データ保存部40は、抽出したデータを保存する際に、測定地点Pを示す情報とともにデータを保存してもよい。例えば、抽出部30は、測定地点P1及びP2を示す情報とともにデータをデータ保存部40に保存させる。
【0047】
また、データ保存部40は、測定地点Pを示す情報を用いて、各測定地点P1及びP2間で共通の座標系の座標値に変換されたデータを保存してもよい。例えば、抽出部30は、各測定地点P1及びP2間で共通の座標系の座標値に変換されたデータをデータ保存部40に保存させる。測定地点Pを示す情報は、ホイールエンコーダーを移動部20に搭載して取得してもよいし、トンネルTNの壁面TNWに現在位置を示すビーコン等を設置し、ビーコンとの位置関係を基に算出してもよい。
【0048】
<検査方法>
次に、本実施形態の検査方法を説明する。
図12は、実施形態1に係る検査方法を例示したフローチャート図である。
図12のステップS11に示すように、トンネルTNの壁面TNWの点群データを取得する。具体的には、トンネルTNの内部TNIの測定地点Pに測定装置10を配置する。測定装置10は、回転中心軸RCを有し、回転中心軸RCに対して異なる複数の角度の照射方向に照射した複数のビームLBを回転中心軸RCの周りに回転させる。このようにして、トンネルTNの壁面TNWをスキャンしたビームLBの反射光RBを受光することにより、トンネルTNの壁面TNWの座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして測定装置10に取得させる。
【0049】
次に、ステップS12に示すように、複数の測定地点P1及びP2で点群データを取得する。具体的には、トンネルTNの内部TNIにおいて、移動部20によって、測定装置10を、複数の測定地点P1及びP2に移動させる。
【0050】
測定装置10を移動させる際に、移動部20に、測定装置10の回転中心軸RCを、測定装置10の移動方向に合わせさせてもよい。また、移動部20に、測定装置10の回転中心軸RCを、トンネルTNの中心軸TNCに合わせさせてもよい。
【0051】
次に、ステップS13に示すように、測定地点P1及びP2毎に取得された点群データにおいて、測定地点P1及びP2からの距離に基づいてデータを抽出する。具体的には、測定地点P1及びP2からの距離に基づいて、抽出部30にデータを抽出させる。
【0052】
抽出部30にデータを抽出させる際には、抽出部30に測定地点Pから最短距離を示すデータを抽出させてもよい。また、抽出部30に回転中心軸RCに直交した鉛直面上のデータを抽出させてもよい。
【0053】
なお、測定装置10により取得されたデータまたは抽出部30により抽出されたデータを、測定地点Pを示す情報とともにデータ保存部40に保存させてもよい。また、測定地点Pを示す情報を用いて、各測定地点P間で共通の座標系の座標値に変換されたデータをデータ保存部40に保存させてもよい。
【0054】
このようにして、トンネルTNの壁面TNWを示すデータを抽出することにより、トンネルTNの壁面TNWを検査することができる。
【0055】
<抽出方法>
次に、抽出部30または抽出装置31に設けられた抽出部30が行う抽出方法を説明する。
図13は、実施形態1に係る抽出方法を例示したフローチャート図である。
図13のステップS21に示すように、複数の測定地点P1及びP2で取得されたトンネルTNの壁面TNWの点群データを取得する。具体的には、測定装置10を、トンネルTNの内部TNIにおいて、複数の測定地点P1及びP2に移動させた場合に、測定地点P1及びP2毎に点群データを取得する。
【0056】
点群データは、測定装置10の回転中心軸RCを、測定装置10の移動方向に合わせて、測定装置10を移動させた場合に、各測定地点Pで測定装置10が取得したものでもよい。また、点群データは、測定装置10の回転中心軸RCを、トンネルTNの中心軸TNCに合わせて、測定装置10を移動させた場合に、各測定地点Pで測定装置10が取得したものでもよい。
【0057】
次に、
図13のステップS22に示すように、測定地点P1及びP2毎に取得された点群データにおいて、測定地点P1及びP2からの距離に基づいてデータを抽出する。
【0058】
抽出部30にデータを抽出させる際には、抽出部30に測定地点P1及びP2から最短距離を示すデータを抽出させてもよい。また、抽出部30に回転中心軸RCに直交した鉛直面上のデータを抽出させてもよい。
【0059】
なお、測定装置10により取得されたデータまたは抽出部30により抽出されたデータを、測定地点Pを示す情報とともにデータ保存部40に保存させてもよい。また、測定地点Pを示す情報を用いて、各測定地点P間で共通の座標系の座標値に変換されたデータをデータ保存部40に保存させてもよい。このようにして、抽出部30は、データを抽出する。
【0060】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の検査システム1は、測定地点P毎に測定装置10が取得した点群データにおいて、測定地点Pからの距離、すなわち、測定地点Pから壁面TNWまでの距離に基づいて、データを抽出する。よって、トンネルTNの壁面TNWに入射する角度が垂直に近いビームLBによるデータを抽出するので、トンネルTNの壁面TNWを示すデータの測定精度を向上させることができる。
【0061】
抽出部30は、測定地点Pからの最短距離を示すデータを抽出する場合には、壁面TNWに入射する角度をより垂直に近づけることができ、測定精度をさらに向上させることができる。また、抽出部30は、回転中心軸RCに直交した鉛直面上のデータを抽出するので、測定精度をさらに向上させることができる。
【0062】
移動部20は、測定装置10の回転中心軸RCを測定装置10の移動方向に合わせるので、トンネルTNの壁面TNWに入射する角度をより垂直に近づけることができる。また、移動部20は、測定装置10の回転中心軸RCをトンネルTNの中心軸TNCに合わせるので、トンネルTNの壁面TNWに入射する角度をより垂直に近づけることができる。これにより、トンネルTNの壁面TNWを示すデータの測定精度を向上させることができる。
【0063】
データ保存部40は、測定地点Pを示す情報とともにデータを保存するので、抽出処理時間を短縮することができる。また、データの保存量を増大させ、検査システム1の記憶容量を増大させることができる。
【0064】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る検査システムを説明する。トンネルTNの壁面には穴等が生じている場合がある。その場合には、測定地点Pからの距離が本来であれば最短となるチャネルが選択されないことが起こりうる。
【0065】
図14は、トンネルTNの壁面TNWの穴及び測定装置10が照射する複数のビームLBを例示した図である。
図14に示すように、例えば、測定装置10の回転中心軸RCをトンネルTNの中心軸TNCに合わせた場合に、本来であれば、チャネルCH3のビームLBによるデータが測定地点P1からトンネルTNの壁面TNWまでの最短距離を示すデータとして抽出される。しなしながら、壁面TWに穴があるために、チャネルCH4のビームLBによるデータが測定地点Pから最短距離を示すデータとして抽出される。よって、穴がなければ、測定地点Pからの距離が最短となるチャネルCH3は、穴があるために抽出されないことが起こりうる。そこで、本実施形態の検査システムは、トンネルTNの壁面TNWの原形に近似した算出面を算出する。
【0066】
図15は、実施形態2に係る検査システムを例示したブロック図である。
図15に示すように、本実施形態の検査システム2は、算出部50をさらに備えている。算出部50は、算出手段としての機能を有している。算出部50は、算出装置として、単体で機能してもよい。算出部50は、測定装置10と有線又は無線の通信手段により、データ等の情報を送受信可能な状態で接続されている。また、算出部50は、抽出部30と有線又は無線の通信手段により、データ等の情報を送受信可能な状態で接続されている。算出部50は、測定装置10が取得した点群データに含まれるデータの座標値に基づいて、トンネルTNの壁面TNWの原形に近似した算出面を算出する。
【0067】
算出部50は、複数の測定地点Pで測定した複数の点群データを用いて算出面を算出してもよい。例えば、算出部50は、複数の測定地点Pで測定した複数の点群データから最小二乗法等に基づいて算出面を算出してもよい。算出部50は、トンネルTNの設計図面等のモデルデータから算出面を算出してもよい。
【0068】
図16は、実施形態2に係る検査システム2において、算出部50が算出した算出面を例示した図である。
図16に示すように、算出部50は算出面CFを算出する。算出面CFは、トンネルTNの壁面TWの原形TNOに近似している。壁面TWの原形TNOは、トンネルTNの本来の壁面TWであり、穴等の異常の発生を検査する場合において、参照となる面である。
【0069】
本実施形態の抽出部30は、測定地点P1から算出面CFまでの距離に基づいて、データを抽出する。例えば、抽出部30は、測定地点P1から算出面CFまでの最短距離を示すデータを抽出してもよい。これにより、チャネルCH5のビームLBによるデータが、測定地点P1からトンネルTNの壁面TNWの原形TNOまでの最短距離を示すデータとして抽出される。チャネルCH5のデータは、壁面TWに形成された穴の情報を含んでいる。よって、検査システム2は、壁面TWの穴を検査することができる。
【0070】
本実施形態の検査システム2は、データ保存部40を備えてもよい。
図17は、実施形態2に係る別の検査システムを例示したブロック図である。
図17に示すように、別の検査システム2aは、データ保存部40を備えている。本実施形態のデータ保存部40は、前述の検査システム1のデータ保存部40の構成及び動作に加えて、算出面CFを保存することができる。
【0071】
図18は、実施形態2に係るさらに別の検査システムにおいて、算出部、抽出部及びデータ保存部を例示したブロック図である。
図18に示すように、算出部50、データ保存部40は、抽出部30を含む抽出装置31bに設けられてもよい。この場合には、算出部50、抽出部30及びデータ保存部40を含む抽出装置31bは、単体として機能してもよい。
【0072】
次に、本実施形態の検査方法を説明する。
図19は、実施形態2に係る検査方法を例示したフローチャート図である。
図19のステップS31及びステップS32は、実施形態1の検査方法におけるステップS11及びステップS12と同様である。
【0073】
次に、ステップS33に示すように、算出面を算出する。具体的には、測定装置10が取得した点群データに含まれるデータの座標値に基づいて、トンネルTNの壁面TWの原形TNOに近似した算出面CFを算出部50に算出させる。算出部50に、複数の測定地点P1及びP2で取得した複数の点群データを用いて、算出面CFを算出させてもよい。
【0074】
次に、ステップS34に示すように、測定地点P毎に取得された点群データにおいて、測定地点Pから算出面CFまでの距離に基づいてデータを抽出する。具体的には、抽出部30に、測定地点Pから算出面CFまでの距離に基づいて、データを抽出させる。抽出部30に、測定地点Pから算出面CFまでの最短距離を示すデータを抽出させてもよい。測定地点Pから算出面CFまでの最短距離を示すデータは、壁面TWに形成された穴の情報を含む場合もある。このようにして、検査システム2は、トンネルTNの壁面TWを検査することができる。
【0075】
次に、本実施形態の抽出方法を説明する。
図20は、実施形態2に係る抽出方法を例示したフローチャート図である。
図20のステップS41は、実施形態1の抽出方法におけるステップS21と同様である。
【0076】
次に、ステップS42に示すように、算出面CFを算出する。具体的には、測定装置10が取得した点群データに含まれるデータの座標値に基づいて、トンネルTNの壁面TWの原形TNOに近似した算出面CFを算出部50に算出させる。算出部50に、複数の測定地点P1及びP2で取得した複数の点群データを用いて、算出面CFを算出させてもよい。
【0077】
次に、ステップS43に示すように、測定地点P毎に取得された点群データにおいて、測定地点Pから算出面CFまでの距離に基づいてデータを抽出する。このようにして、抽出部30は、トンネルTNの壁面TWを示すデータを抽出する。
【0078】
本実施形態の検査システム2は、トンネルTNの壁面TWの原形TNOに近似する算出面CFを算出する算出部50を備えている。そして、抽出部30は、測定地点P毎に取得された点群データにおいて、測定地点Pから算出面CFまでの距離に基づいてデータを抽出する。よって、トンネルTNの壁面TWに穴が形成された場合でも、トンネルTNの壁面TWの原形TNOに入射する角度をより垂直に近づけることができ、トンネルTNの壁面TNWを測定する測定精度を向上させることができる。よって、トンネルTNの穴等の異常を検査することができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0079】
以上、実施形態1及び2を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態1及び2に限られたものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることが可能である。例えば、実施形態1及び2の各構成を組み合わせた実施形態も、技術的思想の範囲に含まれる。また、実施形態1及び2の検査方法及び抽出方法を、コンピュータに実行させるプログラムも実施形態1及び2の技術的範囲に含まれる。
【0080】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0081】
(付記1)
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置と、
前記トンネルの内部において、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させる移動手段と、
測定地点毎に前記測定装置が取得した点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出する抽出手段と、
を備えた検査システム。
(付記2)
前記測定装置は、前記基準点を通る回転中心軸を有し、前記回転中心軸に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上の前記ビームを前記回転中心軸の周りに回転させ、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記点群データを取得する、
付記1に記載の検査システム。
(付記3)
前記抽出手段は、前記回転中心軸に直交した鉛直面上のデータを抽出する、
付記2に記載の検査システム。
(付記4)
前記移動手段は、前記回転中心軸を、前記測定装置の移動方向に合わせる、
付記2または3に記載の検査システム。
(付記5)
前記移動手段は、前記回転中心軸を、前記トンネルの中心軸に合わせる、
付記2~4のいずれか1項に記載の検査システム。
(付記6)
前記抽出手段は、前記測定地点から最短距離を示すデータを抽出する、
付記1~5のいずれか1項に記載の検査システム。
(付記7)
前記測定地点を示す情報とともに、前記データを保存するデータ保存手段をさらに備えた、
付記1~6のいずれか1項に記載の検査システム。
(付記8)
前記データ保存手段は、前記測定地点を示す情報を用いて、各測定地点間で共通の座標系の座標値に変換された前記データを保存する、
付記7に記載の検査システム。
(付記9)
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出する算出手段をさらに備え、
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出する、
付記1~8のいずれか1項に記載の検査システム。
(付記10)
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出する、
付記9に記載の検査システム。
(付記11)
前記算出手段は、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出する、
付記9または10に記載の検査システム。
(付記12)
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記測定装置が取得した点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出する抽出手段を備えた、
抽出装置。
(付記13)
前記測定装置は、前記基準点を通る回転中心軸を有し、前記回転中心軸に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上の前記ビームを前記回転中心軸の周りに回転させ、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記点群データを取得する、
付記12に記載の抽出装置。
(付記14)
前記抽出手段は、前記回転中心軸に直交した鉛直面上のデータを抽出する、
付記13に記載の抽出装置。
(付記15)
前記点群データは、前記回転中心軸を、前記測定装置の移動方向に合わせて、前記測定装置を移動させた場合に、各測定地点で前記測定装置が取得したものである、
付記13または14に記載の抽出装置。
(付記16)
前記点群データは、前記回転中心軸を、前記トンネルの中心軸に合わせて、前記測定装置を移動させた場合に、各測定地点で前記測定装置が取得したものである、
付記13~15のいずれか1項に記載の抽出装置。
(付記17)
前記抽出手段は、前記測定地点から最短距離を示すデータを抽出する、
付記12~16のいずれか1項に記載の抽出装置。
(付記18)
前記測定地点を示す情報とともに、前記データをデータ保存手段に保存させる、
付記12~17のいずれか1項に記載の抽出装置。
(付記19)
前記測定地点を示す情報を用いて、各測定地点間で共通の座標系の座標値に変換された前記データを前記データ保存手段に保存させる、
付記18に記載の抽出装置。
(付記20)
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段が算出した場合に、
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出する、
付記12~19のいずれか1項に記載の抽出装置。
(付記21)
前記抽出手段は、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出する、
付記20に記載の抽出装置。
(付記22)
前記算出手段は、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出する、
付記20または21に記載の抽出装置。
(付記23)
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして前記測定装置に取得させ、
前記トンネルの内部において、移動手段によって、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させ、
測定地点毎に前記測定装置が取得した前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、抽出手段に前記データを抽出させる、
検査方法。
(付記24)
前記測定装置は、前記基準点を通る回転中心軸を有し、前記回転中心軸に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上の前記ビームを前記回転中心軸の周りに回転させ、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記点群データを取得する、
付記23に記載の検査方法。
(付記25)
前記抽出手段に、前記回転中心軸に直交した鉛直面上のデータを抽出させる、
付記24に記載の検査方法。
(付記26)
前記移動手段に、前記回転中心軸を、前記測定装置の移動方向に合わせさせる、
付記24または25に記載の検査方法。
(付記27)
前記移動手段に、前記回転中心軸を、前記トンネルの中心軸に合わせさせる、
付記24~26のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記28)
前記抽出手段に、前記測定地点から最短距離を示すデータを抽出させる、
付記23~27のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記29)
前記測定地点を示す情報とともに、前記データをデータ保存手段に保存させる、
付記23~28のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記30)
前記測定地点を示す情報を用いて、各測定地点間で共通の座標系の座標値に変換された前記データを前記データ保存手段に保存させる、
付記29に記載の検査方法。
(付記31)
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段に算出させ、
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
付記23~30のいずれか1項に記載の検査方法。
(付記32)
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出させる、
付記31に記載の検査方法。
(付記33)
前記算出手段に、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出させる、
付記31または32に記載の検査方法。
(付記34)
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記点群データを取得し、
前記測定地点毎に取得された前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
抽出方法。
(付記35)
前記測定装置は、前記基準点を通る回転中心軸を有し、前記回転中心軸に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上の前記ビームを前記回転中心軸の周りに回転させ、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記点群データを取得する、
付記34に記載の抽出方法。
(付記36)
前記回転中心軸に直交した鉛直面上のデータを抽出させる、
付記35に記載の抽出方法。
(付記37)
前記点群データは、前記回転中心軸を、前記測定装置の移動方向に合わせて、前記測定装置を移動させた場合に、各測定地点で前記測定装置が取得したものである、
付記35または36に記載の抽出方法。
(付記38)
前記点群データは、前記回転中心軸を、前記トンネルの中心軸に合わせて、前記測定装置を移動させた場合に、各測定地点で前記測定装置が取得したものである、
付記35~37のいずれか1項に記載の抽出方法。
(付記39)
前記測定地点から最短距離を示すデータを抽出させる、
付記34~38のいずれか1項に記載の抽出方法。
(付記40)
前記測定地点を示す情報とともに、前記データをデータ保存手段に保存させる、
付記34~39のいずれか1項に記載の抽出方法。
(付記41)
前記測定地点を示す情報を用いて、各測定地点間で共通の座標系の座標値に変換された前記データを前記データ保存手段に保存させる、
付記40に記載の抽出方法。
(付記42)
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段に算出させ、
前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
付記34~41のいずれか1項に記載の抽出方法。
(付記43)
前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出させる、
付記42に記載の抽出方法。
(付記44)
前記算出手段に、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて前記算出面を算出させる、
付記42または43に記載の抽出方法。
(付記45)
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして前記測定装置に取得させ、
前記トンネルの内部において、移動手段によって、前記測定装置を、複数の前記測定地点に移動させ、
測定地点毎に前記測定装置が取得した前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、抽出手段に前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記46)
前記測定装置は、前記基準点を通る回転中心軸を有し、前記回転中心軸に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上の前記ビームを前記回転中心軸の周りに回転させ、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記点群データを取得する、
付記45に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記47)
前記抽出手段に、前記回転中心軸に直交した鉛直面上のデータを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記46に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記48)
前記移動手段に、前記回転中心軸を、前記測定装置の移動方向に合わせさせる、
ことをコンピュータに実行させる付記46または47に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記49)
前記移動手段に、前記回転中心軸を、前記トンネルの中心軸に合わせさせる、
ことをコンピュータに実行させる付記46~48のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記50)
前記抽出手段に、前記測定地点から最短距離を示すデータを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記45~49のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記51)
前記測定地点を示す情報とともに、前記データをデータ保存手段に保存させる、
ことをコンピュータに実行させる付記45~50のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記52)
前記測定地点を示す情報を用いて、各測定地点間で共通の座標系の座標値に変換された前記データを前記データ保存手段に保存させる、
ことをコンピュータに実行させる付記51に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記53)
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段に算出させ、
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記45~52のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記54)
前記抽出手段に、前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記53に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記55)
前記算出手段に、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて、前記算出面を算出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記53または54に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記56)
トンネルの内部の測定地点に配置された測定装置であって、基準点を有し、前記基準点に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上のビームで、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記壁面の座標値及び輝度値を含む複数のデータを点群データとして取得する前記測定装置を、前記トンネルの内部において、複数の前記測定地点に移動させた場合に、測定地点毎に前記点群データを取得させ、
前記測定地点毎に取得された前記点群データにおいて、前記測定地点からの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記57)
前記測定装置は、前記基準点を通る回転中心軸を有し、前記回転中心軸に対して異なる複数の角度の照射方向に照射した1本以上の前記ビームを前記回転中心軸の周りに回転させ、前記トンネルの壁面をスキャンした前記ビームの反射光を受光することにより、前記点群データを取得する、
付記56に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記58)
前記回転中心軸に直交した鉛直面上のデータを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記57に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記59)
前記点群データは、前記回転中心軸を、前記測定装置の移動方向に合わせて、前記測定装置を移動させた場合に、各測定地点で前記測定装置が取得したものである、
付記57または58に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記60)
前記点群データは、前記回転中心軸を、前記トンネルの中心軸に合わせて、前記測定装置を移動させた場合に、各測定地点で前記測定装置が取得したものである、
付記57~59のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記61)
前記測定地点からの最短距離を示すデータを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記56~60のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記62)
前記測定地点を示す情報とともに、前記データをデータ保存手段に保存させる、
ことをコンピュータに実行させる付記56~61のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記63)
前記測定地点を示す情報を用いて、各測定地点間で共通の座標系の座標値に変換された前記データを前記データ保存手段に保存させる、
ことをコンピュータに実行させる付記62に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記64)
前記測定装置が取得した前記点群データに含まれる前記データの前記座標値に基づいて、前記壁面の原形に近似した算出面を算出手段に算出させ、
前記測定地点から前記算出面までの距離に基づいて、前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記56~63のいずれか1項に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記65)
前記測定地点から前記算出面までの最短距離を示す前記データを抽出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記64に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記66)
前記算出手段に、複数の前記測定地点で取得した複数の前記点群データを用いて前記算出面を算出させる、
ことをコンピュータに実行させる付記64または65に記載のプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0082】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0083】
1、1a、2、2a 検査システム
10 測定装置
11 発光部
12 検出部
20 移動部
30 抽出部
31、31a、31b 抽出装置
40 データ保存部
50 算出部
CF 算出面
CH1、CH2、CH3、CH4、CH5 チャネル
LB ビーム
OB 測定対象
P1、P2 測定地点
RC 回転中心軸
RB 反射光
TN トンネル
TNC 中心軸
TNI 内部
TNO 原形
TNW 壁面