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特許7452785ボトム延長具、及びボトム延長具を備えた電動ベッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ボトム延長具、及びボトム延長具を備えた電動ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/04 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A47C19/04 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020101948
(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021194189
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390007870
【氏名又は名称】シーホネンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】竹田 寛士
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-009393(JP,A)
【文献】特開平07-016132(JP,A)
【文献】特開平03-146009(JP,A)
【文献】特開2005-204992(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0054960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/13,17/20,19/04,19/12,20/00
A61G 7/075
A47D 7/00-7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ベッドにおいて、マットレスが載るボトムのベッド長手方向の面の長さを変えるボトム延長具であって、
ヘッドボード側のボトム延長具は備えずに、フットボード側のボトム延長具のみを備え、
当該フットボード側のボトム延長具は、
前記ボトムの脚ボトムに対する取付位置を変更することにより、前記脚ボトムのフットボード側端部からの突出長さを変更可能であり、
前記ボトムが水平である状態で、フットボード側の先端部から下方へ突出し、前記電動ベッドのフレーム本体の上面に接触する支持脚を設けてなることを特徴とする、
ボトム延長具。
【請求項2】
前記支持脚の先端部に、ベッド幅方向の水平軸まわりに回転可能なローラをさらに備える、
請求項1に記載のボトム延長具。
【請求項3】
前記突出長さを変更可能な範囲は、200mm以上300mm以下である、
請求項1又は2に記載のボトム延長具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載のボトム延長具を備えた電動ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド長手方向のマットレスが載る面の長さを変えるボトム延長具に関する。
【背景技術】
【0002】
使用者の身長に適合するようにマットレスの長さを変更できるベッドがある(例えば、特許文献1の発明の実施の形態、及び非特許文献1の29頁参照)。マットレスの長さを変更する際には、マットレスが載るボトムのベッド長手方向の長さを変更した上で、延長マットレス(例えば、特許文献1の図1-2の延長マットレス8、非特許文献1の46-47頁の「延長マットレス(ロングタイプ用)」参照)、又は所要の長さのマットレス(例えば、非特許文献1の46-47頁の「適合マットレス(レギュラータイプ)」及び「適合マットレス(ショートタイプ)」参照)を用いる。
【0003】
特許文献1のベッドは、フレーム本体2のベッド長手方向のヘッドボードHb側、フットボードFb側に、使用状況に応じて、選択的に装着可能とした延長ユニット3を備える。延長ユニット3は、フレーム本体2に連結具4を介し連結する連結基部枠体5に突設した、ヘッドボードHb又はフットボードFbを支持するボード支持枠体6と延長ボトム7とを備える。ベッド長手方向のマットレスが載る面の長さを変えるボトム延長具である延長ボトム7は、連結基部枠体5に固定されている(特許文献1の図1-6参照)。
【0004】
非特許文献1の電動ベッドは、ヘッドフレーム及びフットフレームの長さ切り替え、並びに背ボトム及び脚ボトムの長さ切り替えを行うことにより、レギュラーサイズ、ショートサイズ、ロングサイズを切り替える(非特許文献1の17頁及び29頁参照)。ベッド長手方向のマットレスが載る面の長さを変えるボトム延長具として、ヘッドボード側のボトム延長具及びフットボード側のボトム延長具を備える。ヘッドボード側のボトム延長具は、背ボトムに対して位置決めされた状態で背ボトムに固定される。フットボード側のボトム延長具は、脚ボトムに対して位置決めされた状態で脚ボトムに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3687853号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】在宅介護用ベッド「ミオレットIII」の取扱説明書、[online]、株式会社プラッツ、2019年6月、p.17、p.29、p.32、p.46-47、p.52、[令和2年4月17日検索]、インターネット<URL:https://www.platz-ltd.co.jp/support/manual/torisetsu/miolet3/miolet3_201906_np0205-d.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のようなボトム延長具は、連結基部枠体5に固定されているので、背上げや膝上げを行う電動ベッドには不適である。
【0008】
非特許文献1のような電動ベッドにおいて、ヘッドボード側のサイドレールを支持するサイドレールホルダーはヘッドフレームに固定されており、フットボード側のサイドレールを支持するサイドレールホルダーはフットフレームに固定されている(例えば、非特許文献1の17頁及び32頁参照)。それにより、サイドレールホルダーにより支持されたサイドレールは、ヘッドフレーム又はフットフレームに対してその位置を変更できない。
【0009】
したがって、非特許文献1のように、ヘッドボード側のボトム延長具及びフットボード側のボトム延長具を備える構成では、それらのボトム延長具によりベッド長手方向のマットレスが載る面の長さを変えた際に、ヘッドボードとサイドレールとの隙間、及びフットボードとサイドレールとの隙間の両方に対して、不適切な隙間の発生による怪我を防止するための配慮が必要になる。例えば、ヘッドボードとサイドレールとの隙間、及びフットボードとサイドレールとの隙間の両方に対して、スペーサーを取り付けることが必要になる場合がある(例えば、非特許文献1の52頁の「ロングタイプ対応スペーサー」参照)。
【0010】
その上、非特許文献1の電動ベッドにおいて、ベッド長手方向のマットレスが載る面の長さを最も長くすべく、背ボトム及び脚ボトムの長さを「ロング」にした場合、ボトムが水平の状態で、マットレスのベッド長手方向の端部に人が腰掛けたり小児が立ったりすると、その際の荷重により背ボトム又は脚ボトムが傾くおそれがある。
【0011】
本発明は、背上げや膝上げを行う電動ベッドに好適に使用することができ、ヘッドボード側のサイドレール等を、ベッドサイズが変わってもそのまま使用でき、膝上げ動作を円滑に行うことができるとともに、ボトムが水平の状態で、荷重により脚ボトム及びマットレスが傾かないボトム延長具を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の要旨は以下の通りである。
【0013】
〔1〕
電動ベッドにおいて、マットレスが載るボトムのベッド長手方向の面の長さを変えるボトム延長具であって、
ヘッドボード側のボトム延長具は備えずに、フットボード側のボトム延長具のみを備え、
当該フットボード側のボトム延長具は、
前記ボトムの脚ボトムに対する取付位置を変更することにより、前記脚ボトムのフットボード側端部からの突出長さを変更可能であり、
前記ボトムが水平である状態で、フットボード側の先端部から下方へ突出し、前記電動ベッドのフレーム本体の上面に接触する支持脚を設けてなることを特徴とする、
ボトム延長具。
【0014】
〔2〕
前記支持脚の先端部に、ベッド幅方向の水平軸まわりに回転可能なローラをさらに備える、
〔1〕に記載のボトム延長具。
【0015】
〔3〕
前記突出長さを変更可能な範囲は、200mm以上300mm以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載のボトム延長具。
【0016】
〔4〕
〔1〕~〔3〕の何れかに記載のボトム延長具を備えた電動ベッド
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るボトム延長具は、ボトムを構成する脚ボトムに対して取付位置を変更することにより、前記脚ボトムのフットボード側端部からの突出長さを変更可能である。それにより、背上げや膝上げを行う電動ベッドに好適に用いることができる。すなわち、ボトム延長具が脚ボトムと一体となるので、膝上げを行った際にもマットレスを支持できる。
【0018】
また、本発明に係るボトム延長具は、ヘッドボード側のボトム延長具は備えずに、フットボード側のボトム延長具のみを備える。それにより、ボトム延長具によりベッド長手方向のマットレスが載る面の長さを変えた際に、ヘッドボード側のサイドレールや介助バーとヘッドボードとの位置関係が変わらない。したがって、ヘッドボードとサイドレール等との間に不適切な隙間が発生しないようにスペーサーを設ける等の配慮が不要になる。例えば、ヘッドボード側のサイドレールや介助バーを、ベッドサイズが変わってもそのまま使用できる。
【0019】
さらに、本発明に係るボトム延長具は、ボトムが水平である状態で、フットボード側の先端部から下方へ突出し、電動ベッドのフレーム本体の上面に接触する支持脚を有する。それにより、例えば、背上げをする際に使用者がフットボード側へ滑ることを防ぐための膝上げ動作の途中で、脚ボトムのフットボード側端部からフットボード側へ突出するボトム延長具の先端がフレーム本体に衝突することがなく、膝上げ動作の最初から最後までボトム延長具の支持脚がフレーム本体の上面に接触する。したがって、膝上げ角度を大きくしても膝上げ動作を円滑に行うことができる。その上、ボトムが水平の状態で、延長ボトムの上方のマットレスの端部に人が腰掛けたり小児が立ったりした場合に、その際の荷重により脚ボトム及びマットレスが傾かない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る電動ベッドの斜視図である。
図2】ベースユニット、及びフレーム本体を取り出して示す斜視図である。
図3】バッテリーユニットの分解斜視図である。
図4】昇降フレームへのバッテリーユニットの取付方法を示す要部拡大斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係る電動ベッドの正面図であり、ベッドの長さをレギュラーサイズにした場合を示している。
図6】本発明の実施の形態に係る電動ベッドの正面図であり、ベッドの長さをショートサイズにした場合を示している。
図7】本発明の実施の形態に係る電動ベッドの正面図であり、ベッドの長さをロングサイズにした場合を示している。
図8】ボトム延長具の脚ボトムへの取付構造を示す要部拡大斜視図である。
図9】ボトム延長具によりベッドの長さを変更した各状態を示す脚ボトムまわりの要部拡大正面図である。
図10】電動ベッドのベッドサイズをロングサイズにし、背上げをする際に使用者がフットボード側へ滑ることを防ぐために行う膝上げ動作を示す脚ボトムまわりの要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施の形態に係る電動ベッドは、例えば、3モーターベッドであり、高さ調節、並びに、背上げ及び膝上げを行うことができる。
【0022】
本明細書の電動ベッドは平面視で略矩形状であり、本明細書において、前記矩形の長辺に平行な方向を「ベッド長手方向」(図中矢印F参照)、前記矩形の短辺に平行な方向を「ベッド幅方向」(図中矢印G参照)と言う。また、本明細書の電動ベッドにおいて、使用者が仰向けで寝ている状態で使用者の右から見た図を正面図とする。
【0023】
<電動ベッド>
図1の斜視図に示すように、本発明の実施の形態に係る電動ベッド1は、大略的に、床面に載置されるベースユニット2、ベースユニット2に対して昇降可能に連結される昇降フレーム3、昇降フレーム3の上面に取り付けられるボトム4、並びに、フレーム本体のベッド長手方向Fの両端部に取り付けられるヘッドボード5及びフットボード6を主な構成部品として備える。ここで、フレーム本体は、昇降フレーム3及び延長フレームC(図2)である。
【0024】
ボトム4は、背ボトム4A、座ボトム4B、膝ボトム4C、及び脚ボトム4Dを含む。背ボトム4Aは使用者の頭及び背中を支える位置に配置され、座ボトム4Bは使用者の腰を支える位置に配置され、膝ボトム4Cは使用者の膝を支える位置に配置され、脚ボトム4Dは使用者の脚を支える位置に配置される。
【0025】
電動ベッド1の使用者は、ボトム4の上面に図示しないマットレスを敷き、頭をヘッドボード5側に、足をフットボード6側にしてマットレスの上に横たわる。
【0026】
ベースユニット2、及びフレーム本体を取り出して示す図2の斜視図に示すように、昇降フレーム3のフットボード6(図1)側には、延長フレームCを設ける。延長フレームCは、昇降フレーム3に対してベッド長手方向Fに進退する縦杆9A,9A及び連結杆9Bにより構成され、後述するベッドサイズである、レギュラーサイズR、ショートサイズS、及びロングサイズLに対応する位置で昇降フレーム3に固定される。
【0027】
昇降フレーム3の側部には、オプション受け16,16,…を設ける。オプション受け16の支持孔16a,16aに、サイドレールや介助バー等のオプションの係合ピンを嵌入することにより、前記オプションを支持する。
【0028】
昇降フレーム3のヘッドボード5(図1)側の横杆7,8の間には、バッテリーユニットBを備える。以下、バッテリーユニットBのユニット化、及びバッテリーユニットBの取付方法について説明する。
【0029】
図3の分解斜視図に示すように、取付金具18のバッテリー載置部18Aにバッテリー17を載置し、ボルト19を、バッテリー17の通孔17a、取付金具18の通孔18aに挿通し、ナット20を螺合する。それにより、バッテリー17及び取付金具18が一体となったバッテリーユニットBとなる。
【0030】
図4の要部拡大斜視図に示すように、昇降フレーム3の横杆7,8の間にバッテリーユニットBを落とし込み、取付金具18の水平延出部18B,18B,…を横杆7の上面7A及び横杆8の上面8Aに当接させる。その状態でバッテリーユニットBは、横杆7,8により支持された状態で静止する。次に、水平延出部18Bの通孔18b及び横杆7の通孔7a、並びに水平延出部18Bの通孔18b及び横杆8の通孔8aに樹脂リベット21を挿入し、樹脂リベット21の頭部を押すことにより、図2の斜視図の状態になる。
【0031】
このように、予めユニット化したバッテリーユニットBの取付作業は、工具を用いずに、非常に容易に行うことができる。なお、バッテリーユニットBだけでなく、モーターの駆動制御装置等も取付金具と一体化してユニット化しておけば、昇降フレーム3への取付作業を非常に容易に行うことができる。
【0032】
<ベッドサイズの変更>
図5ないし図7の正面図に示すように、電動ベッド1は、延長フレームC及びボトム延長具Aの取付位置を変えることにより、ベッドサイズを変更できる。
【0033】
すなわち、電動ベッド1のベッドサイズは、図5のレギュラーサイズR、図6のショートサイズS、及び図7のロングサイズLにすることができる。例えば、レギュラーサイズRのベッド長手方向Fの長さは、ショートサイズSのベッド長手方向Fの長さよりも110mm長く、ロングサイズLのベッド長手方向Fの長さは、レギュラーサイズRのベッド長手方向Fの長さよりも140mm長い。
【0034】
延長フレームC及びボトム延長具Aは、ヘッドボード5側には備えず、フットボード6側のみに備える。それにより、ボトム延長具Aによりベッド長手方向Fのマットレスが載る面の長さを変えた際に、ヘッドボード5側のサイドレールや介助バーとヘッドボード5との位置関係が変わらない。したがって、ヘッドボード5とサイドレール等との間に不適切な隙間が発生しないようにスペーサーを設ける等の配慮が不要になる。例えば、ヘッドボード5側のサイドレールや介助バーを、ベッドサイズが変わってもそのまま使用できる。
【0035】
<ボトム延長具>
マットレスが載るボトム4のベッド長手方向Fの面の長さを変えるボトム延長具Aは、脚ボトム4Dへの取付位置を変更可能な取付部、及びマットレス止め13を備える。
【0036】
ボトム延長具Aは、ボトム4を構成する脚ボトム4Dに対して取付位置を変更することにより、脚ボトム4Dのフットボード6側端部からの突出長さを変更可能である。それにより、背上げや膝上げを行う電動ベッド1に好適に用いることができる。すなわち、ボトム延長具Aが脚ボトム4Dと一体となるので、膝上げを行った際にもマットレスを支持できる。
【0037】
また、ボトム延長具Aは、図5ないし図7のようにボトム4が水平である状態で、フットボード側6の先端部から下方へ突出し、フレーム本体の上面Iに接触する支持脚10を備える。支持脚10は、ベッド幅方向Gの前後に離間した脚体10A,10A、脚体10A,10Aの長さ方向の中間位置を繋ぐ連結杆10B、及び、脚体10A,10Aの先端に取り付けられ、ベッド幅方向Gの水平軸まわりに回転可能なローラ10C,10Cを備える。なお、脚体10Aの先端に、ローラ10Cを取り付けずに、樹脂部品を取り付けてもよい。
【0038】
次に、ボトム延長具Aの脚ボトム4Dへの取付構造について、図8の要部拡大斜視図、及び図9の要部拡大正面図を参照して説明する。
【0039】
ボトム延長具Aは、その基体部分からヘッドボード(図1)側へ突出し、下方へ段落ちした、ベッド幅方向Gへ離間する延出片11,11を備える。また、ボトム延長具Aは、ベッド幅方向Gへ離間する、通孔12a,12a、通孔12b,12b、及び通孔12c,12cを備える。通孔12a,12b,12cは、ベッド長手方向Fの位置が異なり、通孔12aは図5のレギュラーサイズR、通孔12bは図6のショートサイズS、通孔12cは図7のロングサイズLに対応する。
【0040】
脚ボトム4Dは、ベッド長手方向Fの縦線材14A,14A,…、及びベッド幅方向Gの横線材14B,14Bからなる網体14を備える。また、脚ボトム4Dは、網体14の下方に、ベッド幅方向Gの前後に離間した縦杆15,15を備える。縦杆15は、そのフットボード6(図1)側の上面に通孔15aを有し、通孔15aの下方に雌ねじ部15b(図9)を有する。
【0041】
例えば、レギュラーサイズRの場合、ボトム延長具Aの延出片11,11の先端を、脚ボトム4Dの網体14の適宜位置の横線材14Bの下に入れ込み、取付ねじ22,22を通孔12a,12a、及び通孔15a,15aに挿入し、雌ねじ部15b,15b(図9)に螺合する。それにより、図9の実線のレギュラーサイズRのように、ボトム延長具Aは、脚ボトム4Dへ強固に取り付けられる。
【0042】
同様に、ショートサイズSの場合、ボトム延長具Aの延出片11,11の先端を、脚ボトム4Dの網体14の適宜位置の横線材14Bの下に入れ込み、取付ねじ22,22を通孔12b,12b、及び通孔15a,15aに挿入し、雌ねじ部15b,15b(図9)に螺合する。それにより、図9の二点鎖線のショートサイズSのように、ボトム延長具Aは、脚ボトム4Dへ強固に取り付けられる。
【0043】
同様に、ロングサイズLの場合、ボトム延長具Aの延出片11,11の先端を、脚ボトム4Dの網体14の適宜位置の横線材14Bの下に入れ込み、取付ねじ22,22を通孔12c,12c、及び通孔15a,15aに挿入し、雌ねじ部15b,15b(図9)に螺合する。それにより、図9の二点鎖線のロングサイズLのように、ボトム延長具Aは、脚ボトム4Dへ強固に取り付けられる。
【0044】
なお、延長フレームCも、レギュラーサイズR、ショートサイズS、及びロングサイズLに対応する位置で昇降フレーム3に取り付ける必要がある。ボトム延長具Aを、レギュラーサイズR、ショートサイズS、及びロングサイズLに変更する際には、その前に、延長フレームCを、レギュラーサイズR、ショートサイズS、及びロングサイズLに変更する。
【0045】
次に、ボトム延長具Aの突出長さについて、図9の要部拡大正面図を参照して説明する。
【0046】
ボトム延長具Aの突出長さを、例えば、脚ボトム4Dのフットボード6側端部Hからマットレス止め13までのベッド長手方向Fの距離とする。ショートサイズS、レギュラーサイズR、ロングサイズLの場合の前記突出長さは、それぞれ、図9のDS,DR,DLである。
【0047】
例えば、DR-DS=110mm、DL-DR=140mmであり、前記突出長さを変更可能な範囲E=DL-DS=250mmである。前記突出長さを変更可能な範囲Eは、200mm以上300mm以下であるのが好ましい実施態様である。また、支持脚10を設けてなるボトム延長具Aは、前記突出長さが大きい場合に対して特に有効である。
【0048】
例えば、図10の要部拡大正面図に示すように、電動ベッド1のベッドサイズをロングサイズLにし、背上げをする際に使用者がフットボード6側へ滑ることを防ぐために行う膝上げ動作を行う場合、ボトム延長具Aの支持脚10はフレーム本体の上面Iに接触した状態を保持する。
【0049】
それにより、前記膝上げ動作の途中で、脚ボトム4Dのフットボード6側端部Hからフットボード6側へ突出するボトム延長具Aの先端がフレーム本体(例えば、延長フレームC)に衝突することがなく、膝上げ動作の最初から最後までボトム延長具Aの支持脚10がフレーム本体の上面Iに接触する。したがって、膝上げ角度を大きくしても膝上げ動作を円滑に行うことができる。特に、支持脚10の先端部にローラ10Cを備えており、ローラ10Cがフレーム本体の上面Iを転動するので、より一層膝上げ動作を円滑に行うことができるとともに、上面Iに段差等があったとしても円滑に乗り越えることができる。
【0050】
その上、図7の正面図のようにボトム4が水平の状態で、延長ボトムAの上方のマットレスの端部に人が腰掛けたり小児が立ったりした場合に、その際の荷重により脚ボトム4D及びマットレスが傾かない。
【0051】
以上の実施の形態の記載はすべて例示であり、これに制限されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく種々の改良及び変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 電動ベッド 2 ベースユニット
3 昇降フレーム 4 ボトム
4A 背ボトム 4B 座ボトム
4C 膝ボトム 4D 脚ボトム
5 ヘッドボード 6 フットボード
7,8 横杆 7A,8A 上面
7a,8a 通孔 9A 縦杆
9B 連結杆 10 支持脚
10A 脚体 10B 連結杆
10C ローラ 11 延出片
12a,12b,12c 通孔 13 マットレス止め
14 網体 14A 縦線材
14B 横線材 15 縦杆
15a 通孔 15b 雌ねじ部
16 オプション受け 16a 支持孔
17 バッテリー 17a 通孔
18 取付金具 18A バッテリー載置部
18B 水平延出部 18a,18b 通孔
19 ボルト 20 ナット
21 樹脂リベット 22 取付ねじ
A ボトム延長具 B バッテリーユニット
C 延長フレーム DL,DR,DS 延長ボトムの突出長さ
E 突出長さを変更可能な範囲 F ベッド長手方向
G ベッド幅方向 H 脚ボトムのフットボード側端部
I フレーム本体の上面 L ロングサイズ
R レギュラーサイズ S ショートサイズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10