(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】情報提供支援システム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240312BHJP
G10L 19/018 20130101ALI20240312BHJP
H04B 11/00 20060101ALI20240312BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H04L67/00
G10L19/018
H04B11/00
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2019233814
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】300077836
【氏名又は名称】株式会社アジルコア
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】弁理士法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼ 勝巳
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-183327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G10L 19/018
H04B 11/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非可聴音の音声コードを提供する音声コード提供手段と、
前記音声コードを入手して登録する音声コード登録手段と、
登録された音声コードに所定の情報を紐付ける紐付け手段と、
該所定の情報が紐付けられた音声コードを音声ファイル化する音声ファイル作成手段と、
該音声ファイルを再生する再生手段と、
再生された音声ファイルを受音・復号して、必要な情報を抽出するアプリケーションと、
該アプリケーションで抽出された情報に基いて、所定の情報にアクセスするためのアクセス情報を発生するアクセス情報発生手段と、
該アクセス情報を受信して所定の情報にアクセスするための携帯端末と、
を備え
た情報提供支援システム
であって、
前記アクセス情報に、リクエスト毎に一意な数値が含まれることを特徴とする情報提供支援システム。
【請求項2】
前記音声コードを、制限時間内だけ利用可能とする利用制限手段が更に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の情報提供支援システム。
【請求項3】
非可聴音の音声コードを提供する音声コード提供手段と、
前記音声コードを入手して登録する音声コード登録手段と、
登録された音声コードに所定の情報を紐付ける紐付け手段と、
該所定の情報が紐付けられた音声コードを音声ファイル化する音声ファイル作成手段と、
該音声ファイルを再生する再生手段と、
再生された音声ファイルを受音・復号して、必要な情報を抽出するアプリケーションと、
該アプリケーションで抽出された情報に基いて、所定の情報にアクセスするためのアクセス情報を発生するアクセス情報発生手段と、
該アクセス情報を受信して所定の情報にアクセスするための携帯端末と、
を備えた情報提供支援システムであって、
前記携帯端末によるアクセスをアクセス記録情報として記録するアクセス記録手段が、更に設けられ
、
前記アクセス記録情報に、クエリに一意な数値が含まれることを特徴とす
る情報提供支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供支援システムに係り、特に、音声や放送の届く範囲に居る利用者に情報を提供することが可能な情報提供支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声や放送の届く範囲に居る利用者に情報を提供するシステムとして、特許文献1には、音声コードのメッセージがURLである場合に、受信した客が携帯電話のインターネット接続機能を利用してホームページにアクセスすることで、更なる情報を得るようにすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4295781号公報(段落0059、0074)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、音声コードを利用して利用客をホームページにガイドする具体的な方法については記載されていなかった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、非可聴音の音声コードを利用して、所定の情報にアクセスすることが可能な情報提供支援システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、非可聴音の音声コードを提供する音声コード提供手段と、前記音声コードを入手して登録する音声コード登録手段と、登録された音声コードに所定の情報を紐付ける紐付け手段と、該所定の情報が紐付けられた音声コードを音声ファイル化する音声ファイル作成手段と、該音声ファイルを再生する再生手段と、再生された音声ファイルを受音・復号して、必要な情報を抽出するアプリケーションと、該アプリケーションで抽出された情報に基いて、所定の情報にアクセスするためのアクセス情報を発生するアクセス情報発生手段と、該アクセス情報を受信して所定の情報にアクセスするための携帯端末と、を備えた情報提供支援システムであって、前記アクセス情報に、リクエスト毎に一意な数値が含まれることを特徴とする情報提供支援システムにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
ここで、前記音声コードを、制限時間内だけ利用可能とする利用制限手段を更に設けることができる。
【0008】
本発明は、又、非可聴音の音声コードを提供する音声コード提供手段と、前記音声コードを入手して登録する音声コード登録手段と、登録された音声コードに所定の情報を紐付ける紐付け手段と、該所定の情報が紐付けられた音声コードを音声ファイル化する音声ファイル作成手段と、該音声ファイルを再生する再生手段と、再生された音声ファイルを受音・復号して、必要な情報を抽出するアプリケーションと、該アプリケーションで抽出された情報に基いて、所定の情報にアクセスするためのアクセス情報を発生するアクセス情報発生手段と、該アクセス情報を受信して所定の情報にアクセスするための携帯端末と、を備えた情報提供支援システムであって、前記携帯端末によるアクセスをアクセス記録情報として記録するアクセス記録手段が、更に設けられ、前記アクセス記録情報に、クエリに一意な数値が含まれることを特徴とする情報提供支援システムにより、同様に前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、非可聴音の音声コードを利用して、利用者が希望する所定の情報に確実にアクセスすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態の全体構成を示すブロック図
【
図3】本発明の第2実施形態の全体構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0014】
URL情報提供支援システムに適用した本発明の第1実施形態は、
図1に示す如く、所定のバイト列Bを非可聴音に符号化した有効期限付きの音声データ(Aコードと称する)の在庫を保存するデータベース(DB)110、Aコードを音声ファイル化する音声ファイル作成手段の機能を有する管理サーバー120、所定の情報にアクセスするためのアクセス情報を発生する機能を有するAサーバー130、及び、アクセス記録Lを保存する記録装置140、を有する管理サイト100と、管理者210が操作するPC220、サービスプロバイダ(SP)運用サイト230、及び、音声ファイルを再生装置260に送る送信装置240を有するSP200と、受音した音声に基いてSP200のURLにアクセスする機能を有するアプリケーション(以下Aアプリと称する)320がインストールされた携帯端末310を有する利用者300と、これらを結ぶインターネットIと、を主に有している。
【0015】
【0016】
まず、管理サイト100は、Aアプリ320を作成して(ステップ1000)、利用者300に送り、マイク付き携帯端末310にインストールさせる(ステップ1010)。
【0017】
次いでサービスプロバイダ200は、インターネットIを用いて管理サイト100の管理サーバー120にアクセスし、アカウントを作成する(ステップ1100)。
【0018】
サービスプロバイダ200は、次いで、作成したアカウントで管理サーバー120にログインして(ステップ1110)、Aコードの発行を受ける(ステップ1120)。
【0019】
次いでサービスプロバイダ200は、発行されたAコードに、利用者300に提供したいURLを割り当てる(ステップ1130)
そして、管理サイト100のAサーバー130で発行されたAコードの音声ファイルF(例えばMP3形式)を管理サイト100よりダウンロードする(ステップ1140)。
【0020】
そして、ダウンロードした音声ファイルFをイベント会場などに設置した再生装置(スピーカー)260で再生する(ステップ1150)。
【0021】
ステップ1010で、予めマイク付きの携帯端末310にAアプリ320をインストールしておいた利用者300は、再生装置260の音声の届く場所でAアプリ320を起動する(ステップ1160)。
【0022】
Aアプリ320は再生されているAコードを携帯端末310のマイクで受音し、Aコードを複合してバイト列Bを抽出する(ステップ1170)。
【0023】
次いで、バイト列B、端末情報、例えばエポック秒からのタイムスタンプTを暗号化して、インターネットIを介して管理サイト100のAサーバー130に送信する(ステップ1180)。
【0024】
Aサーバー130は、Aコードに割り当てられたURLと、リクエスト毎に変化する一意な数値R(例えばUU2D)、URLの詳細情報Dを送信する(ステップ1190)。
【0025】
前記詳細情報Dには、例えばSP200の名称、URL先サイトの説明、URL先のサムネイル画像を含めることができる。
【0026】
利用者300のAアプリ320は、インターネットIを介して、管理サイト100のAサーバー130から送られてくるURL、一意な数値R、及び詳細情報Dを受信する(ステップ1200)。
【0027】
ステップ1190終了後、Aサーバー130は、送信したAコード毎に一意な数値RとAサーバー130内の時刻を利用したタイムスタンプTを記録装置140にアクセス記録Lとして保存する(ステップ1210)。
【0028】
前記アクセス記録Lには、例えばB、T、N、IPアドレス、Aアプリ320のバージョンなどを含めることができる。
【0029】
利用者300は、Aサーバー130から受信してAアプリ320に表示された詳細情報Dを確認して(ステップ1220)、URLへのアクセスを許可するか否か判断する(ステップ1230)。
【0030】
利用者300によってアクセスが許可された場合には、ステップ1240に進み、Aアプリ320がURLに、クエリに一意な数値N(例えばUU2D)を付与して、割り当てられたアプリケーションを起動する(ステップ1240)。
【0031】
サービスプロバイダ200は、URLのアクセス先で受け取った一意な数値NをAサーバー130のアクセス記録Lと突き合わせて確認することができる(ステップ1250)。
【0032】
一方、ステップ1230で利用者300のアクセス許可が得られなかった場合には、ステップ1300に進み、Aアプリ320はURLの呼び出しを中止する(ステップ1300)。これにより、利用者300が意図していないURLへのアクセスを防いで、不特定多数が利用できるQRコード(登録商標)の利用などで発生する、フィッシングなどのマルウェアを防ぐことができる。
【0033】
なお、ステップ1220終了後、ステップ1240に直接進むようにして、ステップ1230、1300は省略することもできる。
【0034】
又、ステップ1240終了後、ステップ1260に直接進むようにして、ステップ1250を省略することもできる。
【0035】
上記のようにして、イベント参加者にのみ必要な情報(本実施形態ではサービスプロバイダ200のURL)を提供することができる。この際、呼び出されるURLにはクエリに一意な数値Nが付加されているので、URLの複製による不正アクセスを防止できる。
【0036】
又、Aコードが利用可能な時間が制限されているので、該Aコードの有効期間に応じて管理サイト100がサービスプロバイダ200に課金することができる。更に、有効期限が切れたのちは、同じAコードを他のサービスプロバイダに提供して使い回しすることができる。
【0037】
なお、前記実施形態においては、再生装置260がイベント会場に設けられていたので、来場者のみの特別なページへの誘導などでアンケートやキャンペーンを実施できる。
【0038】
又、イベントや店舗などの来場記録として利用し、それぞれのポイントシステムなどにより集客やリピート率を高めることができる。
【0039】
なお、前記Aコードは、バックグラウンドミュージックなどに含めることができる。又、テレビやラジオ、インターネット放送などにAコードを含ませることで、ライブな視聴者に対してのサービスを提供することができる。
【0040】
又、Aサーバー130のアクセス記録Lを利用して、来場者の情報を収集することができる。
【0041】
利用者300としては、Aアプリ320を一度携帯端末310にインストールすれば、様々な企業や法人のAコードを利用することができ、企業や法人ごとのアプリをインストールする必要がない。又、QRコード(登録商標)のようにカメラをコードに向ける必要がなく、Aコードが聞き取れる範囲に入ればコードを読み取れるため、一度に多くの人が利用することができる。
【0042】
又、サービスを利用するサービスプロバイダ200は、事前に管理サイト100への申請が必要で、URLへのアクセス前に確認することができるので、マルウェアや公序良俗や社会に反するURLの利用を防止することができる。
【0043】
又、Aアプリ320には個人情報を保持しないため、安全にサービスを利用できる。
【0044】
又、サービスプロバイダ200としては、Aアプリ320を利用することで、新たなアプリケーションを作成する必要が無い。又、Aコードの利用は、音が聞こえる範囲に限られるため、利用者300の場所を特定させることができる。
【0045】
又、URLにアクセスごとにユニークなIDが付与されるため、URLの複製を防ぐことができる。又、QRコード(登録商標)に比べてサイトにアクセスするユーザの入口を増やすことができる。
【0046】
次に、従業員の出退勤管理に適用した本発明の第2実施形態を説明する。
【0047】
この第2実施形態は、
図3に示す如く、第1実施形態のサービスプロバイダ200を会社400に変え、再生装置260を社内放送460に変え、利用者300を社員500に変えたものである。これに合わせてPC420、運用サイト430、送信装置440が用いられている。
【0048】
他の構成は、基本的に第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0049】
【0050】
ステップ2150でAコードの音声ファイルFを社内放送460で再生し、最後のステップ2270でアクセス記録Lを出退勤管理に利用する以外は基本的に第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0051】
本実施形態においては、社内放送460を受信した社員500が運用サイト430にアクセスすることで、社員500の出勤時刻及び退社時刻を記録することができる。
【0052】
なお、前記実施形態においては、本発明の対象が、イベント参加者、放送受信者、社員とされていたが、音声コードを配信する対象はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0053】
100…管理サイト
110…データベース(DB)
120…管理サーバー
130…Aサーバー
140…記録装置
200…サービスプロバイダ
210…管理者
220、420…PC
230…SP運用サイト
240、440…送信装置
260…再生装置
300…利用者
310…携帯端末
320…Aアプリ
400…会社
430…運用サイト
460…社内放送
500…社員
I…インターネット
L…アクセス記録