IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボルトワン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-マスク 図1
  • 特許-マスク 図2
  • 特許-マスク 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A41D13/11 H
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020080596
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021172944
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】506169229
【氏名又は名称】ボルトワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】桧垣 俊行
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-224520(JP,A)
【文献】登録実用新案第3111188(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0018467(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0027268(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に開口する筒状部が左右両側に設けられたマスク本体と、前記筒状部に一部が収容された紐状体とを備えるマスクであって、
前記紐状体は、一端側に環状の挿通部を有し、他端側に固定部を有しており、前記固定部が前記挿通部に挿通されて前記筒状部の内部に固定され
前記固定部は、前記筒状部の一方開口から収容されて一方開口近傍に固定されており、
前記挿通部は、前記筒状部の他方開口から収容されて前記筒状部の内部を上下動可能に配置されているマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関し、より詳しくは、使用者の耳に掛けるための紐状体を有するマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているマスクは、矩形状のマスク本体と、マスク本体の左右両側に設けられた耳掛け用の紐状体とを備える構成が一般的である。紐状体の長さを調整可能なマスクとして、特許文献1には、紐状体の両端部分を接合部材に移動可能に取り付けて、この接合部材をマスク本体の左右両側に設けられた筒状部の内部に固定したマスクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-224520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたマスクは、紐状体の両端部を、紐状体とは別部材である接合部材にそれぞれ挿通する必要があるため、製造作業が煩雑になるおそれがあった。また、紐状体の長さ調整を行うために、紐状体の端部を筒状部の外部に引き出す必要があるため、引き出された部分の後処理が面倒になり、見た目や付け心地を損ねるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、紐状体の長さ調整を容易にしつつ、見た目や付け心地が良好なマスクの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、上下に開口する筒状部が左右両側に設けられたマスク本体と、前記筒状部に一部が収容された紐状体とを備えるマスクであって、前記紐状体は、一端側に環状の挿通部を有し、他端側に固定部を有しており、前記固定部が前記挿通部に挿通されて前記筒状部の内部に固定され、前記固定部は、前記筒状部の一方開口から収容されて一方開口近傍に固定されており、前記挿通部は、前記筒状部の他方開口から収容されて前記筒状部の内部を上下動可能に配置されているマスクにより達成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紐状体の長さ調整を容易にしつつ、見た目や付け心地が良好なマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るマスクの背面図である。
図2図1に示すマスクの製造工程図である。
図3図1に示すマスクの使用方法を説明するための背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るマスクの背面図である。図1に示すマスク1は、マスク本体10と、マスク本体10の左右両側にそれぞれ設けられた紐状体20,30とを備えている。
【0011】
マスク本体10は、ガーゼや不織布などからなる矩形シート状のフィルタを複数積層して構成されており、長手方向に沿った左右両側に筒状部11,12が設けられている。筒状部11,12は、短手方向の上下に開口を有しており、これらの開口を介して紐状体20,30の一部が収容されている。
【0012】
紐状体20,30は、一端側に環状の挿通部21,31が形成されている。本実施形態の挿通部21,31は、紐状体20,30の一端側を結ぶことにより形成しているが、リングやフックなどを紐状体20,30の一端側に取り付けて挿通部21,31を形成してもよい。紐状体20,30の他端側には、筒状部11,12の内部に固定される固定部22,32を有している。紐状体20,30は、後述するように長さ調整機能を有することから、ゴム紐の他に非伸縮性の紐であってもよい。
【0013】
図2は、図1に示すマスクの製造工程図である。まず、図2(a)に示すように、紐状体20,30の固定部22,32を挿通部21,31に挿通してループを形成した後、固定部22,32をマスク本体10に縫着や接着等で固定する。固定部22,32の固定箇所は、マスク本体10の左右方向両側に形成された被覆部13.14の内側近傍で、且つ、上下の縁部の一方近傍であることが好ましい。
【0014】
ついで、図2(b)に示すように、紐状体20,30のループを潜らせるように被覆部13.14を折り返し、被覆部13.14の縁部をマスク本体10に縫着や接着等で固定することにより、筒状部11,12を形成する。これにより、紐状体20,30の固定部22,32は、図1に示すように、筒状部11,12の一方開口から収容されて、一方開口近傍に固定された状態になる。また、挿通部21,31は、筒状部11,12の他方開口から収容された状態になり、筒状部11,12の内部を上下動可能に配置される。
【0015】
本実施形態のマスク1は、図1に示す状態から紐状体20,30の長さ調整を行う場合に、図3に示すように、紐状体20,30の挿通部21,31側を筒状部11,12の内部に押し込むと共に、紐状体20,30の固定部22,32側を筒状部11,12から引き出すことにより、紐状体20,30のループを所望の大きさまで大きくすることができる。マスク1の使用時には、紐状体20,30に張力が作用するため、挿通部21,31において挿通された紐状体20,30との間で生じる摩擦力によって、紐状体20,30のループの所望の大きさが維持される。
【0016】
このように、本実施形態のマスク1は、紐状体20,30の長さ調整を容易且つ確実に行うことができる。更に、紐状体20,30の端部が、長さ調整後も筒状部11,12からはみ出すおそれがないため、見た目が良好であると共に、この端部や長さ調整部分が耳を圧迫したり顔に触れる等のおそれがないため、付け心地を良好に維持することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 マスク
10 マスク本体
11,12 筒状部
20,30 紐状体
21,31 挿通部
22,32 固定部
図1
図2
図3