(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】融着接続装置の管理システム、及び、融着接続装置の管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240312BHJP
G02B 6/255 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G06F8/65
G02B6/255
(21)【出願番号】P 2022186553
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2021113330の分割
【原出願日】2017-10-16
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2016203800
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110309
【氏名又は名称】住友電工オプティフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】大木 一芳
(72)【発明者】
【氏名】宮森 誠
【審査官】山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-309516(JP,A)
【文献】特開2003-287643(JP,A)
【文献】特開2012-248030(JP,A)
【文献】特開2006-189974(JP,A)
【文献】特開2004-164115(JP,A)
【文献】特開2010-195111(JP,A)
【文献】特開2016-103703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/77
G02B 6/255
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理する管理システムであって、
前記複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記識別子に割り当てられている前記融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記動作ソフトウェアが更新対象であると判定された前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信する送信部と、
を備え、
前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置が使用される地域の
気温及び気圧を含む地域関連情報に応じて個別に設定される情報を含む、融着接続装置の管理システム。
【請求項2】
前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置が使用される地域の時刻、湿度、及び位置の内の少なくとも一の地域関連情報に更に応じて個別に設定される情報を含む、
請求項1に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項3】
前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置の位置情報に応じて個別に設定される情報を含む、
請求項1
または請求項2に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項4】
前記融着接続装置の位置情報は、前記融着接続装置が取得する位置情報、及び、前記管理システムの制御装置の位置情報の少なくとも一方が用いられる、
請求項
3に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項5】
前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置が使用される地域の湿度を更に含む地域関連情報に応じて個別に設定される情報を含む、
請求項
1から請求項4の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記受信部は、前記更新対象であると判定された融着接続装置の動作ソフトウェアのバージョン情報又は機体情報の少なくとも何れか一方の個別情報を無線信号により当該融着接続装置より取得し、
前記取得部は、前記受信部で取得した前記個別情報を所定のデータベースに照合して、当該融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得する、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項7】
前記所定のデータベースは、前記融着接続装置それぞれの前記識別子と、前記融着接続装置それぞれの動作ソフトウェアの現在のバージョン情報及び機体情報の少なくとも一方の情報とが紐付けられた情報である、
請求項6に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項8】
前記管理システムは、情報端末を備え、
前記判定部が前記情報端末に設けられている、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項9】
前記管理システムは、更新対象となる前記融着接続装置のリストを記憶するサーバを備え、
前記判定部は、更新対象となる前記融着接続装置のリストを前記サーバから取得し、前記受信部によって受信された前記識別子と前記リストとを照合し、前記識別子に割り当てられている前記融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定する、
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項10】
前記受信部は、無線アクセスポイントとしての機能を有する前記複数の融着接続装置との間で無線LANによって無線通信可能な無線子機としての機能を有する、
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の融着接続装置の管理システム。
【請求項11】
それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理システムにより管理する管理方法であって、
前記管理システムの受信部が前記複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信するステップと、
前記受信するステップで受信した前記識別子に割り当てられている前記融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを前記管理システムの判定部により判定するステップと、
前記判定するステップで前記動作ソフトウェアが更新対象であると判定された前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を前記管理システムの取得部により取得するステップと、
前記管理システムの送信部が、前記取得するステップで取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信するステップと、
を備え、
前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置が使用される地域の
気温及び気圧を含む地域関連情報に応じて個別に設定される情報を含む、融着接続装置の管理方法。
【請求項12】
それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理する管理プログラムであって、
前記複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信するステップと、
前記識別子に割り当てられている前記融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定するステップと、
前記動作ソフトウェアが更新対象であると判定された前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置が使用される地域の
気温及び気圧を含む地域関連情報に応じて個別に設定される情報を含む、管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融着接続装置の管理システム、及び、融着接続装置の管理方法に関する。
【0002】
本出願は、2016年10月17日出願の日本出願第2016-203800号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、光ファイバ同士を接続する融着接続装置を開示する。このような融着接続装置は、動作ソフトウェアによって所定の融着接続作業を行うように構成されており、必要に応じて、動作ソフトウェアの更新を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
融着接続装置と融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を行うための管理装置とをUSB等によりケーブル接続して各融着接続装置のソフトウェアの更新処理を行う場合、各融着接続装置の更新処理を行う度に手作業でケーブル接続する必要がある。また、一の管理者が多数の融着接続装置を使用若しくは管理する場合があり、その場合、多数の融着接続装置のソフトウェアの更新処理を一括して行わなければならず、それぞれの融着接続装置を順にケーブル接続する等、非常に手間がかかる作業となる。しかも、上記の方法では、動作ソフトウェアの更新処理を行うべき融着接続装置であるか否かについて事前に判別することが難しく、実際にケーブル接続して確認する必要がある。
【0006】
その上、各融着接続装置は、地域(高温地域、低温地域、高湿地域、低気圧地域、又は海上等)及び用途(宅内用通信網整備、屋外用通信網整備、幹線用通信網整備、又は光通信設備・装置内の光ファイバ接続等)により、使用される環境が細かく異なるため、各融着接続装置の使用される環境に応じた動作ソフトウェアの更新情報を選択した上で、当該更新情報を融着接続装置に送信する必要がある。このように融着接続装置の動作ソフトウェアの更新処理は非常に手間のかかる作業になっていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の融着接続装置の管理システムは、それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理する管理システムである。この管理システムは、複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信する受信部と、受信部によって受信された識別子に割り当てられている融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定する判定部と、判定部によって動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得する取得部と、取得部で取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信する送信部と、を備えている。
【0008】
本開示の融着接続装置の管理方法は、それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理システムにより管理する管理方法である。この管理方法は、管理システムの受信部が複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信するステップと、受信するステップで受信した識別子に割り当てられている融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを管理システムの判定部により判定するステップと、判定するステップで動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を管理システムの取得部により取得するステップと、管理システムの送信部が、取得するステップで取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信するステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る融着接続装置の管理システム、及び、融着接続装置の管理方法によれば、複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2は、
図1に示される融着接続装置における光ファイバの融着接続部(内部構造)を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システムの概要を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す融着接続装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、
図3に示すサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、各融着接続装置のSSIDと、各SSIDに対応する動作ソフトウェアの最新バージョン情報やファームウェアの更新可否の情報等を含むデータベースの例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示すデータベースに含まれる機器設定番号に応じたファイバ接続条件及び補強条件を含む補助データベースの例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示すデータベースに含まれる接続可能地域グループ番号に応じた各国での使用の可否情報を含む補助データベースの例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図3に示す管理システムによる動作ソフトウェアの更新処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システムは、それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理する管理システムである。この管理システムは、複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信する受信部と、受信部によって受信された識別子に割り当てられている融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定する判定部と、判定部によって動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得する取得部と、取得部で取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信する送信部と、を備えている。
【0012】
本発明の一態様に係る融着接続装置の管理方法は、それぞれ固有の識別子が割り当てられた複数の融着接続装置の動作ソフトウェアの更新を管理システムにより管理する管理方法である。この管理方法は、管理システムの受信部が複数の融着接続装置それぞれから各融着接続装置に割り当てられた識別子を無線信号により受信するステップと、受信するステップで受信した識別子に割り当てられている融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを管理システムの判定部により判定するステップと、判定するステップで動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を管理システムの取得部により取得するステップと、管理システムの送信部が、取得するステップで取得した個別の融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置に送信するステップと、を備えている。
【0013】
この融着接続装置の管理システム及び管理方法は、動作ソフトウェアの更新を行う際に、複数の融着接続装置それぞれに固有に割り当てられた識別子に基づいて、各融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定する。そして、この管理システム及び管理方法は、動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得し、当該更新情報を当該融着接続装置に対して無線信号によって送信する。よって、この管理システム及び管理方法によれば、多数の融着接続装置それぞれに対して手作業でケーブル接続する必要がなく、且つ、融着接続装置の使用される環境に応じた更新情報を自動的に選択できるため、動作ソフトウェアの更新を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システム及び管理方法では、受信部は、更新対象であると判定された融着接続装置の動作ソフトウェアのバージョン情報及び機体情報の少なくとも何れか一方の個別情報を無線信号により当該融着接続装置より取得し、取得部は、受信部で取得した個別情報を所定のデータベースに照合して、当該融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得してもよい。この場合、動作ソフトウェアのバージョン情報及び機体情報の少なくとも何れか一方の個別情報に応じた更新情報を取得するため、融着接続装置それぞれにより適した更新情報を用いて、動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0015】
本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システム及び管理方法では、上記の所定のデータベースは、融着接続装置それぞれの識別子と、融着接続装置それぞれの動作ソフトウェアの現在のバージョン情報及び機体情報の少なくとも一方の情報とが紐付けられた情報であってもよい。この場合、識別子に紐付けられた情報に基づいて好適な更新情報を選択することができるため、融着接続装置それぞれにより適した更新情報を用いて、動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0016】
本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システム及び管理方法では、判定部によって少なくとも2つの融着接続装置の動作ソフトウェアが更新対象であると判定された場合、取得部による更新情報の取得、及び、送信部による更新情報の送信の各処理が、当該融着接続装置毎に順次繰り返されてもよい。この場合、無線通信可能な範囲内の複数の融着接続装置の全てについて、融着接続装置それぞれに適した更新情報を用いて、順番に動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0017】
本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システム及び管理方法では、融着接続装置に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、当該融着接続装置が使用される地域の時刻、気温、湿度、気圧、及び位置(例えば、経度、緯度、国名、IPアドレスなど)の内の少なくとも一の地域関連情報と当該融着接続装置が使用される用途との少なくとも1つの条件に応じて個別に設定される情報を含んでもよい。この場合、融着接続装置の使用される環境により適した更新情報を用いて動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0018】
本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システム及び管理方法では、受信部は、無線アクセスポイントとしての機能を有する複数の融着接続装置との間で無線LANによって無線通信可能な無線子機としての機能を有していてもよい。この場合、融着接続装置側を無線アクセスポイントとするため、新たにネットワーク環境を構築しなくても、上述した作用効果を容易に奏することができる。
【0019】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態に係る融着接続装置の管理システム及びその管理方法について、以下に図面を参照して説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
まず、本実施形態に係る管理システムによって動作ソフトウェアが更新処理される融着接続装置10について、
図1及び
図2を参照して、説明する。
図1及び
図2は、融着接続装置の外観を示す斜視図であり、
図1は、風防カバーが閉じている状態の外観を示し、
図2は、風防カバーが開けられて融着接続装置の内部構造が見える状態の外観を示す。融着接続装置10は、光ファイバ同士を融着接続するための装置であり、
図1及び
図2に示すように、箱状の筐体2を備えている。筐体2の上部には、光ファイバ同士を融着するための融着部3と、融着部3で融着された光ファイバの融着接続部に被せられたファイバ補強スリーブを加熱収縮させる加熱器4とが設けられている。融着接続装置10は、筐体2の内部に配置されたカメラ(図示せず)によって撮像された光ファイバ同士の融着接続状況を表示するモニタ5を備えている。さらに、融着接続装置10は、融着部3への風の進入を防止するための風防カバー6を備えている。
【0021】
融着部3は、一対のファイバ位置決め部3bと、一対の放電電極3cと、一対の光ファイバホルダ3aを載置可能なホルダ載置部とを有している。融着対象の光ファイバそれぞれは光ファイバホルダ3aに保持固定され、当該光ファイバホルダはそれぞれホルダ載置部に載置固定される。ファイバ位置決め部3bは、光ファイバホルダ3a同士の間に配置され、光ファイバホルダ3aのそれぞれに保持された光ファイバの先端部を位置決めする。放電電極3cは、ファイバ位置決め部3b同士の間に配置され、アーク放電によって光ファイバの先端同士を融着するための電極である。融着接続装置10では、ファイバ位置決め部3bによるファイバの位置決め処理や、放電電極3cによるアーク放電の各種条件等が、融着接続装置10のメモリ等に格納されている動作ソフトウェアによって制御される。
【0022】
次に、融着接続装置10の動作ソフトウェアのバージョン等の更新処理を行うための管理システム1の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、本発明の一態様に係る融着接続装置の管理システムの概要を示すブロック図である。
図3に示すように、管理システム1は、制御装置20とサーバ30とを備えて構成されている。制御装置20は、各融着接続装置10との間で例えば後述するIEEE802.11に準拠した2.4GHz帯での無線通信を行えるように構成されている。制御装置20は、サーバ30との間では電気通信回線(一部無線を含んでもよい)等により接続されており、各種の情報を送受信できるように構成されている。
【0023】
融着接続装置10は、機能的には、融着接続装置全体を制御する制御部11、外部と無線通信するための通信部12、及び、制御部11による装置の動作制御のための動作プログラムを更新する更新部13を備えている。融着接続装置10は、上述した各種の融着接続機構10i(放電電極3c等)に加え、物理的には、
図4に示すように、CPU10a、RAM10b、ROM10c、タッチパネル(モニタ5)等のユーザ操作の入力を受け付けるための入力装置10d、データを無線にて送受信する無線通信モジュール10e、半導体メモリ又はハードディスク等の補助記憶装置10f、及び、ディスプレイ(モニタ5)等の出力装置10g等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。融着接続装置10は、RAM10b等のハードウェア上に取り込まれたプログラム等により、CPU10aの制御のもとでこれらハードウェアを動作させると共にRAM10b及び補助記憶装置10f等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで、後述する融着接続装置10の各機能を実現する。融着接続装置10は、GPS10hなどの位置情報を取得する装置を備えていてもよく、GPS10hにより経度や緯度といった融着接続装置10の位置情報を取得することができる構成であってもよい。
【0024】
制御部11は、融着接続装置10の各種の融着接続機構10iの動作を、補助記憶装置10f等に格納されている所定の動作ソフトウェア(動作プログラムとも記す)により制御する。融着接続装置10は、使用される地域(高温地域、低温地域、高湿地域、低気圧地域、又は海上等)及び使用される用途(宅内用通信網整備、屋外用通信網整備、幹線用通信網整備、又は光通信設備・装置内の光ファイバ接続等)により、使用される環境が細かく異なるため、各融着接続装置10の使用される環境に応じた動作ソフトウェアにより、その動作が最適な接続条件や補強条件となるように制御される。
【0025】
通信部12は、制御装置20(受信部21及び送信部24)との間で無線通信を行う部分である。通信部12は、例えば無線LANカードなどを含んで構成され、IEEE802.11に準拠した2.4GHz帯での無線通信を制御装置20との間で行う。
図3では詳細は省略しているが、それぞれの融着接続装置10が通信部12を備えており、各通信部12から各融着接続装置10固有の無線アクセスポイント(無線AP)のSSID(識別子)が無線送信されるようになっている。このようなSSIDの例としては、例えば、1台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_420000001」であり、2台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_420000002」であり、3台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_420000003」であり、4台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_420000004」であり、互いに異なる識別子を有する。通信部12による無線通信は上述した通信規格に限られず、他の通信規格であってもよい。
【0026】
更新部13は、制御部11による融着接続装置10の動作を制御する動作ソフトウェアのバージョン等をアップデートする場合に、動作ソフトウェアを更新処理する。更新部13は、通信部12を介して、制御装置20から受信した動作ソフトウェアの更新情報(詳細は後述する)を取得すると、その更新情報に基づいて現在の動作ソフトウェアを新たなバージョンへと更新処理し、バージョンアップされた動作ソフトウェア又はその更新部分を補助記憶装置10f等に記憶させる。更新部13は、動作ソフトウェアの更新処理が適正に処理された場合、通信部12を介して、その旨の無線信号を制御装置20へ送信する。制御装置20では、更新処理が適正に行われた旨の情報を更新部13から取得すると、サーバ30にて管理している管理データベース(第1データベース32)に、アップデートされた融着接続装置10の識別子と、その動作ソフトウェアの状態(バージョン情報)とを新たなものに書き換える同期処理を行う。
【0027】
このような構成を備える融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新を管理する制御装置20は、例えばスマートフォンなどの携帯型無線通信端末や無線通信機能を備えたパーソナルコンピュータ(PC)などの情報端末から構成される。制御装置20は、機能的には、受信部21、判定部22、取得部23、及び送信部24を備えている。制御装置20は、物理的には、
図5に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、タッチパネル等のユーザ操作の入力を受け付けるための入力装置20d、データを無線にて送受信する無線通信モジュール20e、半導体メモリ又はハードディスク等の補助記憶装置20f、ディスプレイ等の出力装置20g、及び、GPS20h等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。制御装置20は、RAM20b等のハードウェア上に取り込まれたプログラム等により、CPU20aの制御のもとでこれらハードウェアを動作させると共にRAM20b及び補助記憶装置20f等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで、後述する制御装置20の各機能を実現する。また、サーバ30は、
図6に示すように、同様に、CPU30a、RAM30b、ROM30c、入力装置30d、通信モジュール30e、補助記憶装置30f、及び、出力装置30g等のハードウェア構成により構成されており、これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、各機能を実現する。
【0028】
受信部21は、後述する送信部24と共に、例えば無線通信モジュール20eを含んで構成され、融着接続装置10の通信部12との間で無線通信により各種の無線信号の受信を行う。受信部21は、例えば、端末に内蔵される無線LANモジュールなどを含んで構成され、通信部12の無線規格に対応するように、例えばIEEE802.11に準拠した2.4GHz帯での通信を行う。このような受信部21は、上述した複数の融着接続装置10それぞれから各融着接続装置10に個別に割り当てられたSSID(識別子)を無線信号により受信する。また、受信部21は、更新対象であると判定された融着接続装置10の動作ソフトウェアのバージョン情報及び機体情報を含む個別情報を無線信号により当該融着接続装置10より取得する。ここでいう機体情報とは、例えば、融着接続装置10の機体毎にユニークな番号、出荷先の地域や特徴を示すユニークな番号などを意味する。
【0029】
判定部22は、受信部21によって受信されたSSID(識別子)が割り当てられている融着接続装置10それぞれの動作ソフトウェアが更新対象であるか否かを判定する。判定部22は、受信部21が複数の融着接続装置10からSSIDを受信すると、所定の通信網を介してサーバ30の第1データベース32にアクセスし、動作ソフトウェアの更新処理が必要となる対象装置リストを取得し、当該対象装置リストの中に受信したSSIDが含まれているか否か、すなわち動作ソフトウェアの更新処理が必要な融着接続装置10が存在するか否かを判定する。サーバ30の第1データベース32は、多数の融着接続装置10の各SSIDと、それらの現在のバージョン情報やバージョンの更新の要否情報等とを紐付けたデータベースである。判定部22は、動作ソフトウェアの更新処理が必要な融着接続装置10があると判定した場合には、その旨の情報を取得部23に受け渡す。
【0030】
取得部23は、判定部22によって動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置10に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得する。取得部23は、判定部22から、動作ソフトウェアの更新処理が必要な融着接続装置10があると判定した旨の情報を取得すると、受信部21で取得した融着接続装置10の動作ソフトウェアのバージョン情報及び機体情報を含む個別情報をサーバ30に送り、サーバ30の第2データベース33に照合して、当該融着接続装置10に応じた動作ソフトウェアの更新情報(その取得アドレス)を取得する。なお、第2データベース33は、融着接続装置10それぞれの識別子と、融着接続装置10それぞれの動作ソフトウェアの現在のバージョン情報及び機体情報の少なくとも一方の情報とが紐付けられた情報である。
【0031】
また、取得部23は、動作ソフトウェアの更新情報として、その取得アドレスをまず取得した場合には、当該取得アドレスを元にしてサーバ30の第3データベース34にアクセスし、第3データベース34に格納されている各種のアップデートファイル(ソフトウェアファイルや各種機体設定情報)等を取得する。各融着接続装置10は、上述したように、使用される地域や国(高温地域、低温地域、高湿地域、低気圧地域、又は海上等)及び使用される用途(宅内用通信網整備、屋外用通信網整備、幹線用通信網整備、又は光通信設備・装置内の光ファイバ接続等)により、使用される環境が細かく異なるため、その動作ソフトウェア及びその更新情報も、各融着接続装置10固有のものとなっている。このため、融着接続装置10の更新情報は、当該融着接続装置10が使用される地域の時刻、気温、湿度、気圧、又は位置(例えば、経度、緯度、国、又はIPアドレスなど)の内の少なくとも一の地域関連情報と当該融着接続装置が使用される各種用途との少なくとも1つの条件に応じて個別に設定される情報を含んでいてもよい。
【0032】
送信部24は、取得部23で取得した個別の融着接続装置10に応じた動作ソフトウェアの更新情報を当該融着接続装置10に送信する。送信部24が無線接続の確立された融着接続装置10にかかる更新情報を送信すると、当該融着接続装置10では、その更新情報を通信部12により受信し、更新部13により、上述した動作ソフトウェアの更新処理を行う。送信部24は、上述したように、受信部21と共に、例えば、端末に内蔵される無線LANモジュールなどを含んで構成される。
【0033】
このような構成を備えた制御装置20は、判定部22によって少なくとも2つ以上の融着接続装置10の動作ソフトウェアが更新対象であると判定された場合、取得部23による更新情報の取得、及び、送信部24による更新情報の送信の各処理を、当該融着接続装置10毎に順次繰り返し行う、すなわち、接続するSSIDを切り替えながら、融着接続装置10を順にアップデートしていく。
【0034】
サーバ30は、照合部31と、複数のデータベース(第1、第2及び第3データベース32~34)とを備えて構成されている。サーバ30は、制御装置20に所定の通信回線を介して接続され、互いに情報の送受信を行えるように構成されている。サーバ30の照合部31は、更新対象となる融着接続装置10のバージョン情報及び機体情報を含む個別情報を制御装置20から受け取った場合に、第2データベース33を用いてその融着接続装置10の照合を行い、正常な場合には、その融着接続装置10用にカスタマイズされたアップデートファイル一式(ソフトウェア及び各種機体設定情報)の取得アドレスを制御装置20の取得部23に通知する。
図7は、このような照合用の第2データベース33の一例であり、このデータベースでは、各SSIDに対応する動作ソフトウェアの最新バージョン情報及びファームウェアの更新の可否情報(FW Update可否)等が紐付けられている。また、
図8及び
図9には、
図7に示すデータベースにおける「機器設定番号」及び「接続可能地域グループ番号」に応じた詳細な装置仕様についての補助データベースの例を示す。なお、サーバ30は、制御装置20に対して遠隔な場所に設置されることが多いが、近接して設置されていてもよい。
【0035】
次に、本実施形態に係る融着接続装置の管理システム1による動作プログラムの更新処理について、
図10を参照して説明する。
図10は、複数の融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新処理を示すシーケンス図である。
【0036】
図10に示すように、管理システム1により、まず、制御装置20による複数の融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新処理が開始される(ステップS1)。この更新処理の開始は、使用者が行った所定の入力操作を制御装置20(入力装置20d)が受け付けることにより実行される。また、ステップS1によるソフトウェアの自動更新処理が開始される際に、複数の融着接続装置10による無線通信も開始され、各融着接続装置10から個別の無線アクセスポイント(無線AP)のSSID(識別子)が無線送信され、制御装置20の受信部21(無線子機機能)により受信される(ステップS2)。このようなSSIDの例としては、例えば、1台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_420000001」であり、2台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_420000002」であり、X台目の融着接続装置10の無線APのSSIDが「T71C_42XXXXXXX」であり、互いに異なるSSID(識別子)を有するようになっている。
【0037】
続いて、制御装置20は、ステップS1の自動更新処理が開始されると、サーバ30に対して、動作ソフトウェアの更新対象となる融着接続装置10の対象装置リストを要求し(ステップS3)、サーバ30から送信される対象装置リストを取得する(ステップS4)。ステップS3での要求の際、制御装置20は、制御装置20の情報(例えば、制御装置20の個体識別番号、位置情報、IPアドレス等)をサーバ30(第1データベース32)に送り、その使用者の契約内容や使用環境等に基づいた所定の対象装置リストを取得する。この対象装置リストは、各制御装置20の契約内容や使用環境等に基づく融着接続装置10のグループに対応するものであり、当該グループに含まれる融着接続装置10を識別する上述した識別子と、各融着接続装置10の現在の動作ソフトウェアのバージョン等の情報とを紐付けたリストとなっている。
【0038】
続いて、制御装置20は、ステップS2で取得した各融着接続装置のSSID(識別子)と、ステップS4で取得した動作ソフトウェアの更新対象となる装置リストとを照合し(ステップS5)、装置リストの中に、ステップS2で取得したSSIDに該当するものがあるか否か、すなわち動作ソフトウェアの更新対象となる融着接続装置10があるか否かを判定部22により判定する(ステップS6)。制御装置20は、ステップS6での判定により、動作ソフトウェアの更新対象となる装置がある場合には、ステップS7に進み、対象装置の更新処理を開始し、一方、動作ソフトウェアの更新対象となる装置が存在しない場合には、ステップS8に進み、処理を終了する。
【0039】
続いて、ステップS7に進むと、制御装置20は、動作ソフトウェアの更新対象となる1台目の融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新処理を開始するため、1台目の融着接続装置10と制御装置20との間に無線接続を確立する(ステップS9)。無線接続が確立されると、制御装置20は、この無線接続を利用して、1台目の融着接続装置10に対して、当該融着接続装置の機体情報や現在の動作ソフトウェアのバージョン情報等の個別情報を制御装置20へ返信するよう要求する要求信号を無線送信する(ステップS10)。1台目の融着接続装置10は、この要求信号を受信すると、その融着接続装置の機体情報や現在の動作ソフトウェアのバージョン情報等の個別情報を制御装置20へ返信する(ステップS11)。
【0040】
続いて、制御装置20は、1台目の融着接続装置10からその融着接続装置の機体情報や現在の動作ソフトウェアのバージョン情報等の個別情報を取得すると、取得した個別情報をサーバ30に送り、第2のデータベース33(例えば
図7~
図9参照)を読み出して、個別情報の照合を要求する(ステップS12)。この照合により、1台目の融着接続装置10の個別情報が正常であるとサーバ30(第2データベース33)で判断された場合には、個別情報の照合結果、及び、1台目の融着接続装置10用にカスタマイズされたアップデートファイル一式(ソフトウェアファイル及び各種機体設定情報等)の取得アドレスがサーバ30から制御装置20に通知される(ステップS13)。
【0041】
続いて、制御装置20は、アップデートファイル一式の取得アドレスをサーバ30から取得すると、サーバ30に対してそのアップデートファイル一式(更新情報)のダウンロードを要求し、これらのファイル一式をサーバ30から取得する(ステップS14,15)。そして、アップデートファイル一式を取得した制御装置20は、取得したファイル一式を1台目の融着接続装置10に対して無線送信する(ステップS16)。
【0042】
続いて、アップデートファイル一式を取得した一台目の融着接続装置10は、自身の動作ソフトウェアを更新部13により更新し、所定のメモリに更新ファイルを格納する(ステップS17)。また、この融着接続装置10は、動作ソフトウェアの更新処理が適切に完了した場合には、制御装置20に対して無線信号により更新完了の通知を行う(ステップS18)。更新完了の通知を受領した制御装置20は、1台目の融着接続装置10の更新完了の情報といった個別情報をサーバ30(第1データベース32)に送信し(ステップS19)、サーバ30は、1台目の融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新状態を第1データベース32において新たなものに書き換える同期処理を行う。その後、制御装置20は、1台目の融着接続装置10との間で確立されていた無線接続を切断し(ステップS20)、1台目の融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新処理を完了する(ステップS21)。
【0043】
続いて、1台目の融着接続装置10の動作ソフトウェアの更新処理が完了すると、ステップS22に進み、ステップS6で判定した全ての対象装置の更新が完了したか否かを判定し、全ての対象装置の更新が完了していれば、処理を終了する。一方、制御装置20は、ステップS22での判定の結果、対象となる融着接続装置10の全ての装置の更新が完了していない場合には、ステップS7に戻り、ステップS7からS21の処理を繰り返し、全ての対象装置の動作ソフトウェアの更新処理を完了させる。
【0044】
以上、本実施形態に係る融着接続装置10の管理システム1及び当該システムによる管理方法によれば、動作ソフトウェアの更新を行う際に、複数の融着接続装置10それぞれに固有に割り当てられたSSID(識別子)に基づいて、各融着接続装置10の動作ソフトウェアが更新対象であるか否かが判定される。そして、動作ソフトウェアが更新対象であると判定された融着接続装置10に応じた動作ソフトウェアの更新情報が取得され、当該更新情報が当該融着接続装置10に対して無線信号によって送信される。よって、多数の融着接続装置10それぞれに対して手作業でケーブル接続する必要がなく、且つ、融着接続装置10の使用される環境に応じた更新情報が自動的に選択されるため、動作ソフトウェアの更新を容易に行うことができる。
【0045】
上記の管理システム1及び当該システムによる管理方法によれば、受信部21は、更新対象であると判定された融着接続装置10の動作ソフトウェアのバージョン情報及び機体情報を含む個別情報を無線信号により当該融着接続装置10より取得し、取得部23は、受信部21で取得したこの個別情報を第2データベース33に照合して、当該融着接続装置10に応じた動作ソフトウェアの更新情報を取得している。このように、動作ソフトウェアのバージョン情報及び機体情報を含む個別情報に応じた更新情報を取得するため、融着接続装置10それぞれにより適した更新情報を用いて、動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0046】
上記の管理システム1及び当該システムによる管理方法によれば、第2データベース33は、融着接続装置10それぞれの識別子と、融着接続装置10それぞれの動作ソフトウェアの現在のバージョン情報及び機体情報とが紐付けられた情報とを含んでいる。このため、識別子に紐付けられた情報に基づいて好適な更新情報を選択することができるため、融着接続装置10それぞれにより適した更新情報を用いて、動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0047】
上記の管理システム1及び当該システムによる管理方法によれば、判定部22によって少なくとも2つ以上の融着接続装置10の動作ソフトウェアが更新対象であると判定された場合、取得部23による更新情報の取得、及び、送信部24による更新情報の送信の各処理が、融着接続装置10毎に順次繰り返されるようになっている。このため、無線通信可能な範囲内の複数の融着接続装置10の全てについて、融着接続装置10それぞれに適した更新情報を用いて、順番に動作ソフトウェアの更新を行うことができる。
【0048】
上記の管理システム1及び当該システムによる管理方法によれば、融着接続装置10に応じた動作ソフトウェアの更新情報は、融着接続装置10が使用される地域の時刻、気温、湿度、気圧、及び位置の内の少なくとも一の地域関連情報とその融着接続装置10が使用される用途との少なくとも1つの条件に応じて個別に設定される情報を含んでいる。このため、融着接続装置10の使用される環境により適した更新情報を用いて動作ソフトウェアの更新を行うことができる。融着接続装置10の位置情報としては、融着接続装置10自身の位置情報(例えばGPS10hにより取得)を用いてもよいし、それよりは精度が劣るものの既存装置を用いられる等の利点もあり、近くに備えられる制御装置20の位置情報(例えばGPS20hにより取得)を用いてもよい。
【0049】
上記の管理システム1及び当該システムによる管理方法によれば、受信部21は、無線アクセスポイントとしての機能を有する複数の融着接続装置10との間で無線LANによって無線通信可能な無線子機としての機能を有している。このように、融着接続装置10側を無線アクセスポイントとするため、新たにネットワーク環境を構築しなくても、上述した作用効果を容易に奏することができ、簡易なシステムを実現することが可能となる。
【0050】
以上、本実施形態に係る融着接続装置の更新処理を行う管理システム及び管理方法について説明してきたが、本発明に係る管理システム及び管理方法は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形を適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…管理システム
10…融着接続装置
11…制御部
12…通信部
13…更新部
20…制御装置
21…受信部
22…判定部
23…取得部
24…送信部
30…サーバ
31…照合部
32…第1データベース
33…第2データベース
34…第3データベース