(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】身体機能訓練装置、身体機能訓練方法、プログラム、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20240312BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20240312BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240312BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20240312BHJP
【FI】
A61H1/02 A
A63B69/00 A
A61B5/11 230
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2019228835
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-12-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508090376
【氏名又は名称】リーフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】森 政男
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/199196(WO,A1)
【文献】特開2015-228957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
A63B 69/00
A61B 5/11
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動き情報取得部、動き情報変換部
、画像情報生成部
、及び、制御部を含み、
前記動き情報取得部は、ユーザの身体の全体又は一部の動き情報を取得し、
前記動き情報変換部は、取得された前記動き情報を訓練用動き情報に変換し、
前記画像情報生成部は、仮想空間上に前記訓練用動き情報を反映させた訓練用仮想空間画像情報を生成し、
前記動き情報変換部は、現在位置計測部、及び、訓練用位置情報生成部を含み、
前記現在位置計測部は、取得された前記動き情報から、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を計測し、
前記訓練用位置情報生成部は、前記位置情報から現在速度を算出し、前記現在速度に設定速度を加減して訓練用位置情報を生成し、
前記設定速度は、前記現在速度を加速又は減速させるための速度であり、
前記動き情報変換部において、前記訓練用動き情報が、前記訓練用位置情報を含み、
前記画像情報生成部は、仮想空間上に前記訓練用位置情報を反映させた前記訓練用仮想空間画像情報を生成
し、
前記制御部は、ガイド情報生成部を含み、
前記ガイド情報生成部は、ユーザの動きをガイドするガイド情報を生成し、
前記画像情報生成部は、仮想空間上に前記ガイド情報を反映させて前記訓練用仮想空間画像情報を生成する、
身体機能訓練装置。
【請求項2】
前記制御部は、訓練の目的に応じ、前記設定速度の調整及び前記設定速度の加減を制御する、
請求項1記載の身体機能訓練装置。
【請求項3】
前記制御部は
、音声情報生成部を含み
、
前記音声情報生成部は、前記ガイド情報を反映させて訓練用音声情報を生成する、
請求項1または2記載の身体機能訓練装置。
【請求項4】
前記制御部は、スコア判定部を含み、
前記スコア判定部は、前記訓練用仮想空間画像情報において、前記ガイド情報に対するユーザの前記動き情報を判定してスコア判定情報を生成する、
請求項3記載の身体機能訓練装置。
【請求項5】
前記制御部は、訓練環境切替部を含み、
前記訓練環境切替部は、前記スコア判定情報に基づき、前記訓練用仮想空間画像情報における訓練環境の切替、及び、前記訓練用音声情報の切替の少なくとも一方の切替を実施する、
請求項4記載の身体機能訓練装置。
【請求項6】
さらに、記憶部を含み、
前記記憶部は、前記スコア判定情報を記憶する、
請求項4又は5記載の身体機能訓練装置。
【請求項7】
さらに、通信部を含み、
前記通信部により、外部の装置と通信可能である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置。
【請求項8】
さらに、位置センサ部、及び、表示部を含み、
前記位置センサ部は、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を検知して前記動き情報に変換し、
前記表示部は、前記画像情報生成部で生成された前記訓練用仮想空間画像情報に基づき訓練用仮想空間画像を表示する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置。
【請求項9】
前記表示部は、ヘッドセットであり、
前記ヘッドセットは、表示装置、及び、前記位置センサ部を含む、
請求項8記載の身体機能訓練装置。
【請求項10】
前記ユーザの身体の全体又は一部の動きは、前記ユーザの上肢の動きである、
請求項1から9のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置。
【請求項11】
動き情報取得工程、動き情報変換工程
、画像情報生成工程
、及び、制御工程を含み、
前記動き情報取得工程は、ユーザの身体の全体又は一部の動き情報を取得し、
前記動き情報変換工程は、取得された前記動き情報を訓練用動き情報に変換し、
前記画像情報生成工程は、仮想空間上に前記訓練用動き情報を反映させた訓練用仮想空間画像情報を生成し、
前記動き情報変換工程は、現在位置計測工程、及び、訓練用位置情報生成工程を含み、
前記現在位置計測工程は、取得された前記動き情報から、ユーザの身体の全体又は
一部の位置情報を計測し、
前記訓練用位置情報生成工程は、前記位置情報から現在速度を算出し、前記現在速度に設定速度を加減して訓練用位置情報を生成し、
前記設定速度は、前記現在速度を加速又は減速させるための速度であり、
前記動き情報変換工程において、前記訓練用動き情報が、前記訓練用位置情報を含み、
前記画像情報生成工程は、仮想空間上に前記訓練用位置情報を反映させた前記訓練用仮想空間画像情報を生成
し、
前記制御工程は、ガイド情報生成工程を含み、
前記ガイド情報生成工程は、ユーザの動きをガイドするガイド情報を生成し、
前記画像情報生成工程は、仮想空間上に前記ガイド情報を反映させて前記訓練用仮想空間画像情報を生成する、
前記各工程がコンピュータにより実行される身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項12】
前記制御工程は、訓練の目的に応じ、前記設定速度の調整及び前記設定速度の加減を制御する、
請求項11記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項13】
前記制御工程は
、音声情報生成工程を含み
、
前記音声情報生成工程は、前記ガイド情報を反映させて訓練用音声情報を生成する、
請求項12記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項14】
前記制御工程は、スコア判定工程を含み、
前記スコア判定工程は、前記訓練用仮想空間画像情報において、前記ガイド情報に対するユーザの前記動き情報を判定してスコア判定情報を生成する、
請求項13記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項15】
前記制御工程は、訓練環境切替工程を含み、
前記訓練環境切替工程は、前記スコア判定情報に基づき、前記訓練用仮想空間画像情報における訓練環境の切替、及び、前記訓練用音声情報の切替の少なくとも一方の切替を実施する、
請求項14記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項16】
さらに、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記スコア判定情報を記憶する、
請求項14又は15記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項17】
さらに、通信工程を含み、
前記通信工程により、外部の装置と通信可能である、
請求項11から16のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項18】
さらに、位置センサ工程、及び、表示工程を含み、
前記位置センサ工程は、位置センサ部を用いて、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を検知して前記動き情報に変換し、
前記表示工程は、前記画像情報生成工程で生成された前記訓練用仮想空間画像情報に基づき訓練用仮想空間画像を表示する、
請求項11から17のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項19】
前記表示工程において、ヘッドセットを用い、
前記ヘッドセットは、表示装置、及び、前記位置センサ部を含む、
請求項18記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項20】
前記ユーザの身体の全体又は一部の動きは、前記ユーザの上肢の動きである、
請求項11から19のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置の処理方法。
【請求項21】
請求項11から20のいずれか一項に記載の身体機能訓練装置の処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項21記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体機能訓練装置、身体機能訓練方法、プログラム、及び、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中による片麻痺患者等に用いられるリハビリテーションシステムとして、指示に従う患者の動きを撮像し、取得された画像を用いて当該患者の運動機能を評価するものが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リハビリテーション等の身体機能訓練においては、ユーザのモチベーションの維持が重要となる。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザのモチベーションを維持可能な身体機能訓練装置、及び、身体機能訓練方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の身体機能訓練装置は、
動き情報取得部、動き情報変換部、及び、画像情報生成部を含み、
前記動き情報取得部は、ユーザの身体の全体又は一部の動き情報を取得し、
前記動き情報変換部は、取得された前記動き情報を訓練用動き情報に変換し、
前記画像情報生成部は、仮想空間上に前記訓練用動き情報を反映させた訓練用仮想空間画像情報を生成する、装置である。
【0007】
本発明の身体機能訓練方法は、
動き情報取得工程、動き情報変換工程、及び、画像情報生成工程を含み、
前記動き情報取得工程は、ユーザの身体の全体又は一部の動き情報を取得し、
前記動き情報変換工程は、取得された前記動き情報を訓練用動き情報に変換し、
前記画像情報生成工程は、仮想空間上に前記訓練用動き情報を反映させた訓練用仮想空間画像情報を生成する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、身体機能訓練において、ユーザのモチベーションを維持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1の身体機能訓練装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の身体機能訓練装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の身体機能訓練装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態2の身体機能訓練装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の身体機能訓練装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の身体機能訓練装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態3の身体機能訓練装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態3の身体機能訓練装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態3の身体機能訓練装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態4の身体機能訓練装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態4の身体機能訓練装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態4の身体機能訓練装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態1の身体機能訓練装置の構成のその他の例を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施形態1の身体機能訓練装置のハードウエア構成のその他の例を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、実施形態1の身体機能訓練装置における処理のその他の例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態1において、表示部がヘッドセットである態様の一例を示す模式図である。
【
図17】
図17は、実施形態1において、位置センサ部を用いて、ユーザの上肢の動き情報を取得する態様の一例を示す模式図である。
【
図18】
図18(A)及び(B)は、X-Y平面又はX-Y-Z空間においてユーザが手先を移動すべき先を示した訓練用仮想空間画像を例示する模式図である。
【
図19】
図19は、実施形態1におけるユーザの上肢の機能訓練の態様の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の身体機能訓練装置において、例えば、前記動き情報変換部は、現在位置計測部、及び、訓練用位置情報生成部を含み、前記現在位置計測部は、取得された前記動き情報から、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を計測し、前記訓練用位置情報生成部は、前記位置情報から現在速度を算出し、前記現在速度に設定速度を加減して訓練用位置情報を生成し、前記動き情報変換部において、前記訓練用動き情報が、前記訓練用位置情報を含み、前記画像情報生成部は、仮想空間上に前記訓練用位置情報を反映させた前記訓練用仮想空間情報を生成する、という態様であってもよい。
【0011】
本発明の身体機能訓練装置は、例えば、さらに、制御部を含み、前記制御部は、訓練の目的に応じ、前記設定速度の調整及び前記設定速度の加減を制御する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明の身体機能訓練装置において、例えば、前記制御部は、ガイド情報生成部、及び、音声情報生成部を含み、前記ガイド情報生成部は、ユーザの動きをガイドするガイド情報を生成し、前記画像情報生成部は、仮想空間上に前記ガイド情報を反映させて前記訓練用仮想空間画像情報を生成し、前記音声情報生成部は、前記ガイド情報を反映させて訓練用音声情報を生成する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明の身体機能訓練装置において、例えば、前記制御部は、スコア判定部を含み、前記スコア判定部は、前記訓練用仮想空間画像情報において、前記ガイド情報に対するユーザの前記動き情報を判定してスコア判定情報を生成する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明の身体機能訓練装置において、例えば、前記制御部は、訓練環境切替部を含み、前記訓練環境切替部は、前記スコア判定情報に基づき、前記訓練用仮想空間画像情報における訓練環境の切替、及び、前記訓練用音声情報の切替の少なくとも一方の切替を実施する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明の身体機能訓練装置は、例えば、さらに、記憶部を含み、前記記憶部は、前記スコア判定情報を記憶する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明の身体機能訓練装置は、例えば、さらに、通信部を含み、前記通信部により、外部の装置と通信可能である、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の身体機能訓練装置は、例えば、さらに、位置センサ部、及び、表示部を含み、前記位置センサ部は、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を検知して前記動き情報に変換し、前記表示部は、前記画像情報生成部で生成された前記訓練用仮想空間画像情報に基づき訓練用仮想空間画像を表示する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明の身体機能訓練装置において、例えば、前記表示部は、ヘッドセットであり、前記ヘッドセットは、表示装置、及び、前記位置センサ部を含む、という態様であってもよい。
【0019】
本発明の身体機能訓練装置において、例えば、前記ユーザの身体の全体又は一部の動きは、前記ユーザの上肢の動きである、という態様であってもよい。
【0020】
本発明の身体機能訓練方法において、例えば、前記動き情報変換工程は、現在位置計測工程、及び、訓練用位置情報生成工程を含み、前記現在位置計測工程は、取得された前記動き情報から、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を計測し、前記訓練用位置情報生成工程は、前記位置情報から現在速度を算出し、前記現在速度に設定速度を加減して訓練用位置情報を生成し、前記動き情報変換工程において、前記訓練用動き情報が、前記訓練用位置情報を含み、前記画像情報生成工程は、仮想空間上に前記訓練用位置情報を反映させた前記訓練用仮想空間画像情報を生成する、という態様であってもよい。
【0021】
本発明の身体機能訓練方法は、例えば、さらに、制御工程を含み、前記制御工程は、訓練の目的に応じ、前記設定速度の調整及び前記設定速度の加減を制御する、という態様であってもよい。
【0022】
本発明の身体機能訓練方法は、例えば、さらに、ガイド情報生成工程、及び、音声情報生成工程を含み、前記ガイド情報生成工程は、ユーザの動きをガイドするガイド情報を生成し、前記画像情報生成工程は、仮想空間上に前記ガイド情報を反映させて前記訓練用仮想空間画像情報を生成し、前記音声情報生成工程は、前記ガイド情報を反映させて訓練用音声情報を生成する、という態様であってもよい。
【0023】
本発明の身体機能訓練方法において、例えば、前記制御工程は、スコア判定工程を含み、前記スコア判定工程は、前記訓練用仮想空間画像情報において、前記ガイド情報に対するユーザの前記動き情報を判定してスコア判定情報を生成する、という態様であってもよい。
【0024】
本発明の身体機能訓練方法において、例えば、前記制御工程は、訓練環境切替工程を含み、前記訓練環境切替工程は、前記スコア判定情報に基づき、前記訓練用仮想空間画像情報における訓練環境の切替、及び、前記訓練用音声情報の切替の少なくとも一方の切替を実施する、という態様であってもよい。
【0025】
本発明の身体機能訓練方法は、例えば、さらに、記憶工程を含み、前記記憶工程は、前記スコア判定情報を記憶する、という態様であってもよい。
【0026】
本発明の身体機能訓練方法は、例えば、さらに、通信工程を含み、前記通信工程により、外部の装置と通信可能である、という態様であってもよい。
【0027】
本発明の身体機能訓練方法は、例えば、さらに、位置センサ工程、及び、表示工程を含み、前記位置センサ工程は、位置センサ部を用いて、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を検知して前記動き情報に変換し、前記表示工程は、前記画像情報生成工程で生成された前記訓練用仮想空間画像情報に基づき訓練用仮想空間画像を表示する、という態様であってもよい。
【0028】
本発明の身体機能訓練方法は、例えば、前記表示工程において、ヘッドセットを用い、前記ヘッドセットは、表示装置、及び、前記位置センサ部を含む、という態様であってもよい。
【0029】
本発明の身体機能訓練方法において、例えば、前記ユーザの身体の全体又は一部の動きは、前記ユーザの上肢の動きである、という態様であってもよい。
【0030】
本発明のプログラムは、本発明の方法をコンピュータ上で実行可能なプログラムである。
【0031】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0032】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。また、各実施形態では、ユーザのリハビリテーションでの上肢の訓練への利用を中心に説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、リハビリテーションでの下肢及び身体全体の訓練、スポーツ、ダンス等における上肢、下肢及び身体全体の訓練等に、幅広く利用可能である。
【0033】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の身体機能訓練装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、身体機能訓練装置1は、動き情報取得部11、動き情報変換部12、画像情報生成部13、及び、制御部14を含む。本発明の身体機能訓練装置は、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、ノート型、デスクトップ型)、ヘッドセット等であってもよい。なお、本発明において、制御部14は、任意の構成要素であり、必須ではない。
【0034】
図2に、身体機能訓練装置1のハードウエア構成のブロック図を例示する。
図2に示すように、身体機能訓練装置1は、例えば、CPU(中央処理装置)101、メモリ102、バス103、記憶部104、入力装置106、表示部107、通信部108等を有する。身体機能訓練装置1の各部は、例えば、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス103を介して接続されている。
【0035】
CPU101は、身体機能訓練装置1の全体の制御を担う。身体機能訓練装置1において、CPU101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU101が、動き情報取得部11、動き情報変換部12、画像情報生成部13、及び、制御部14として機能する。なお、本発明において、CPUに代えてGPU等の他の演算装置を用いてもよい。
【0036】
バス103は、例えば、外部の装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、サーバ、病院の端末(例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン等、以下同様。)、介護施設の端末、スポーツジムの端末等があげられる。身体機能訓練装置1は、例えば、バス103に接続された通信部108により、通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、前記外部装置と通信することもできる。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、Wifi(Wireless Fidelity)等があげられる。このように、身体機能訓練装置1が、通信部108を介して、病院の端末、介護施設の端末、スポーツジムの端末等の外部装置と通信可能であれば、例えば、ユーザの自宅等の所望の場所で、いつでも身体機能の訓練を行うことができる。
【0037】
メモリ102は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶部104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラム105を、メモリ102が読み込み、CPU101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラム105を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0038】
記憶部104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶部104には、本発明のプログラムを含む動作プログラム105が格納されている。記憶部104は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きをするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶部104は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)であってもよい。
【0039】
身体機能訓練装置1は、例えば、さらに、入力装置106、表示部107を有する。入力装置106は、例えば、キーボード、マウス等である。表示部107は、例えば、
図16に例示する表示装置を含むヘッドセット、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。
【0040】
身体機能訓練装置1において、メモリ102及び記憶部104は、ユーザからのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0041】
身体機能訓練装置1は、例えば、
図13及び
図14に示すように、さらに、位置センサ部15を含んでもよい。位置センサ部15の詳細については、後述する。
【0042】
次に、本実施形態の身体機能訓練装置における処理の一例を、
図1及び
図13のブロック図、並びに、
図3及び
図15のフローチャートに基づき説明する。
【0043】
まず、動き情報取得部11により、ユーザの身体の全体又は一部の動き情報を取得する(S11)。前記ユーザの身体の全体又は一部の動きは、例えば、前記ユーザの上肢の動き、前記ユーザの下肢の動き、前記ユーザの全身の動き等があげられる。前記動き情報の取得は、例えば、
図13に示す位置センサ部15が、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を検知して前記動き情報に変換し(
図15に示すS15)、それを動き情報取得部11が取得することで実施されてもよい。
【0044】
図17に、位置センサ部15を用いて、ユーザの身体の全体又は一部の動きとして、ユーザの上肢20aの動き情報を取得する態様の一例を示す。
図17に示すように、位置センサ部15は、ユーザの上肢20aの位置情報を検知して前記動き情報に変換し、動き情報取得部11がそれを取得する。位置センサ部15は、
図16に例示するように、ヘッドセット(表示部)107に含まれていてもよい。すなわち、本発明の身体機能訓練装置は、例えば、
図16に示すように、位置センサ部15と、ディスプレイ(表示部)107を含むノート型PC等との二部材で構成されていてもよいし、
図17に示すように、表示装置、及び、位置センサ部15を含むヘッドセット(表示部)107のようなオールインワンの装置であってもよい。なお、
図16において、符号20は、ユーザを示す。位置センサ部15としては、例えば、従来公知のセンサを用い得る。
【0045】
図17に例示する上肢20aの機能訓練は、例えば、
図19に示すように、ユーザ20が椅子30に座った状態で、テーブル40上で行ってもよい。図示してないが、
図16に例示するヘッドセット(表示部)107を用いた上肢20aの機能訓練も、例えば、椅子に座った状態で行ってもよい。
【0046】
次に、動き情報変換部12により、取得された前記動き情報を訓練用動き情報に変換する(S12)。動き情報変換部12は、例えば、
図1及び
図2に示すように、現在位置計測部12a、及び、訓練用位置情報生成部12bを含んでもよい。
【0047】
まず、現在位置計測部12aは、取得された前記動き情報から、ユーザの身体の全体又は一部の位置情報を計測する(S12a)。前記位置情報の計測は、例えば、前述の位置センサ部15を用いて実施してもよい。
【0048】
次に、訓練用位置情報生成部12bは、前記位置情報から現在速度を算出し、前記現在速度に設定速度を加減して訓練用位置情報を生成する(S12b)。このとき、例えば、制御部14が、訓練の目的に応じ、前記設定速度の調整及び前記設定速度の加減を制御してもよい。例えば、訓練の目的が、麻痺患者のリハビリテーションであれば、ユーザの麻痺が軽度の場合、前記現在速度に設定速度を加えて、前記現在速度よりも遅い訓練用位置情報を含む前記訓練用動き情報を生成する。これにより、ユーザは、前記現在速度のままとするよりも多くの運動量が求められることとなる。一方、ユーザの麻痺が重度の場合、前記現在速度から設定速度を減じて、前記現在速度よりも速い訓練用位置情報を含む前記訓練用動き情報を生成する。これにより、ユーザは、前記現在速度のままとするよりも速く身体の全体又は一部を動かしている感覚を得られる。このように、例えば、ユーザの麻痺の程度に応じて前記現在速度に設定速度を加減した訓練用位置情報を含む前記訓練用動き情報を生成することで、身体機能訓練におけるユーザのモチベーションを維持できる。前記設定速度の加減には、例えば、従来公知の一般的な技術を用いてよい。具体的には、例えば、次のようにして、前記設定速度を加減する。すなわち、まず、ユーザの身体の全体又は一部(例えば、手先)のスタート位置から目標位置への移動において、スタート位置及び目標位置の位置情報から、前記現在速度を算出する。次に、前記現在速度をもとに、前記加減の値を設定(調整)する。前記設定(調整)は、例えば、予め症例毎の加減の値の設定パターンを保持しておき、その中から選択することで実施してもよい。なお、前記加減後の速度は、後述の訓練用仮想空間画像とともに、表示部107に表示してもよい。前記加減の制御は、自動制御でもよいし、マニュアル制御でもよい。
【0049】
次に、画像情報生成部13により、仮想空間上に前記訓練用動き情報を反映させた訓練用仮想空間画像情報を生成する(S13)。前記仮想空間への前記訓練用動き情報の反映には、例えば、従来公知の一般的な技術を用いてよい。
【0050】
次に、
図3に例示するように、表示部107により、前記訓練用仮想空間画像情報に基づき訓練用仮想空間画像を表示してもよい(S107)。表示部107は、例えば、
図16に示す表示装置を含むヘッドセットであってもよいし、
図17に示すノート型PCのディスプレイであってもよい。なお、本発明において、表示工程S107は、任意の構成要素であり、必須ではない。これらの点は、後述の実施形態2から4において同様である。
【0051】
[実施形態2]
次に、身体機能訓練装置1の制御部14が、さらに、ガイド情報生成部14a、及び、音声情報生成部14bを含む実施形態を説明する。
図4及び
図5に示すように、本実施形態の身体機能訓練装置1は、制御部14が、さらに、ガイド情報生成部14a、及び、音声情報生成部14bを含む。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0052】
次に、本実施形態の身体機能訓練装置における処理の一例を、
図4のブロック図及び
図6のフローチャートに基づき説明する。
【0053】
まず、実施形態1と同様にして、動き情報取得部11により、ユーザの身体の全体又は一部の動き情報を取得し(S11)、動き情報変換部12により、取得された前記動き情報を訓練用動き情報に変換する(S12)。
【0054】
次に、ガイド情報生成部14aにより、ユーザの動きをガイドするガイド情報を生成する(S14a)。前記ガイド情報とは、例えば、ユーザの麻痺側の手先の移動先に関する情報(例えば、X-Y平面(水平面)座標、X-Y-Z空間(立体)座標等)である。
【0055】
次に、画像情報生成部13により、仮想空間上に前記ガイド情報を反映させて前記訓練用仮想空間画像情報を生成する(S13)。本工程においては、例えば、
図18(A)及び(B)に示すように、X-Y平面又はX-Y-Z空間においてユーザが手先を移動すべき先を数字の「2」等で示した前記訓練用仮想空間画像情報を生成してもよい。
【0056】
次に、音声情報生成部14bにより、前記ガイド情報を反映させて訓練用音声情報を生成する(S14b)。
【0057】
リハビリテーションにおいては、視覚及び聴覚への働きかけが重要である。本実施形態によれば、ガイド情報として、画像上での情報及び音声ガイドを含むことで、さらにユーザのモチベーションを維持可能である。
【0058】
[実施形態3]
次に、身体機能訓練装置1の制御部14が、さらに、スコア判定部14cを含む実施形態を説明する。
図7及び
図8に示すように、本実施形態の身体機能訓練装置1は、制御部14が、さらに、スコア判定部14cを含む。それ以外の構成は、実施形態2と同様である。
【0059】
次に、本実施形態における身体機能訓練装置における処理の一例を、
図7のブロック図及び
図9のフローチャートに基づき説明する。
【0060】
まず、実施形態2と同様にして、動き情報取得部11による動き情報の取得(S11)、動き情報変換部12による訓練用動き情報への変換(S12)、ガイド情報生成部14aによるガイド情報の生成(S14a)、画像情報生成部13による前記訓練用仮想空間画像情報の生成(S13)、及び、音声情報生成部14bによる訓練用音声情報の生成(S14b)を行う。
【0061】
次に、スコア判定部14cにより、前記訓練用仮想空間画像情報において、前記ガイド情報に対するユーザの前記動き情報を判定してスコア判定情報を生成する(S14c)。例えば、ユーザが、所定時間内に画像上のガイドで指示された位置に手先を移動できれば、スコア(点数)をアップする。前記所定時間は、訓練の状況に応じて、適宜変更可能である。前記スコア判定情報は、スコア(点数)に限られず、スコア(点数)に加え若しくは代えて、移動距離、移動時間、軌道線、可動域範囲等があげられる。
【0062】
次に、
図9に例示するように、記憶部104により、前記スコア判定情報を記憶してもよい(S104)。なお、本発明において、記憶工程S104は、任意の構成要素であり、必須ではない。この点は、後述の実施形態4において同様である。記憶部104は、前記スコア判定情報に加え若しくは代えて、ユーザの属性(例えば、ID(identification、身分証明)、氏名、性別、生年月日、既往歴、リハビリテーションの経歴等)、医療関係者(例えば、リハビリテーション医師、作業療法士等)に関する情報等を記憶してもよい。
【0063】
本実施形態によれば、スコア判定情報を生成することで、さらにユーザのモチベーションを維持可能である。
【0064】
[実施形態4]
次に、身体機能訓練装置1の制御部14が、さらに、訓練環境切替部14dを含む実施形態を説明する。
図10及び
図11に示すように、本実施形態の身体機能訓練装置1は、制御部14が、さらに、訓練環境切替部14dを含む。それ以外の構成は、実施形態3と同様である。
【0065】
次に、本実施形態における身体機能訓練装置における処理の一例を、
図10のブロック図及び
図12のフローチャートに基づき説明する。
【0066】
まず、実施形態3と同様にして、動き情報取得部11による動き情報の取得(S11)、動き情報変換部12による訓練用動き情報への変換(S12)、ガイド情報生成部14aによるガイド情報の生成(S14a)、画像情報生成部13による前記訓練用仮想空間画像情報の生成(S13)、音声情報生成部14bによる訓練用音声情報の生成(S14b)、及び、スコア判定部14cによるスコア判定情報の生成(S14c)を行う。
【0067】
次に、訓練環境切替部14dにより、前記スコア判定情報に基づき、前記訓練用仮想空間画像情報における訓練環境の切替、及び、前記訓練用音声情報の切替の少なくとも一方の切替を実施する(S14d)。本工程においては、例えば、ユーザが、所定時間内に画像上のガイドで指示された位置に手先を移動できたときに、画像情報生成部13による色の切替、及び、音声情報生成部14bによる音の切替の少なくとも一方を実施する。
【0068】
本実施形態によれば、訓練環境を切替えることで、さらにユーザのモチベーションを維持可能である。
【0069】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や条件には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、ユーザのモチベーションを維持可能な身体機能訓練装置及び身体機能訓練方法を提供できる。本発明は、リハビリテーション、スポーツ、ダンス等における身体機能の訓練に幅広く利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 身体機能訓練装置
11 動き情報取得部
12 動き情報変換部
12a 現在位置計測部
12b 訓練用位置情報生成部
13 画像情報生成部
14 制御部
14a ガイド情報生成部
14b 音声情報生成部
14c スコア判定部
14d 訓練環境切替部
15 位置センサ部
20 ユーザ
20a 上肢
30 椅子
40 テーブル
101 CPU(中央処理装置)
102 メモリ
103 バス
104 記憶部
105 プログラム
106 入力装置
107 表示部
108 通信部