(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/68 20200101AFI20240312BHJP
【FI】
D06F33/68
(21)【出願番号】P 2020101388
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】木村 恭介
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】三森 正哉
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-079363(JP,A)
【文献】特開2000-237500(JP,A)
【文献】特開2009-178481(JP,A)
【文献】特開2004-008430(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109853187(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00~60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を投入可能とされた洗濯槽と、
前記洗濯槽に対して温風を供給可能な温風供給部と、を有し、
前記洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯する洗濯運転と、
前記洗濯運転に伴って水分を含んだ洗濯物を乾燥させる乾燥運転と、を行えるものであり、
前記洗濯運転が、運転条件の異なる複数の洗濯運転モードから選ばれたモードにより、前記洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯するものであり、
前記乾燥運転が、前記温風供給部により前記洗濯槽に対して温風を供給することにより、運転条件の異なる複数の乾燥運転モードから選ばれたモードで洗濯物を乾燥するものであり、
前記洗濯運転モードとして選ばれたものに応じて、前記乾燥運転モードから特定のモードが自動選択され、
前記洗濯運転モードのうち、特定の洗濯運転モードが選ばれることを条件の一つ、あるいは全てとして、当該特定の洗濯運転モードに応じて自動選択される特定の乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制され、
目標とする洗濯物の乾燥度の異なる前記乾燥運転モードとして、高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、
前記乾燥運転モードとして前記低乾燥運転モードが自動選択されることを条件の一つ、あるいは全てとして、他の乾燥運転モードへの変更が規制されること、を特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記乾燥運転モードとして前記低乾燥運転モードが自動選択された場合において、前記乾燥運転が開始されるまでの期間であることを条件として、前記低乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が許容されること、を特徴とする請求項
1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記低乾燥運転モードにおいて、洗濯物の目標乾燥率を80%以上、95%以下の範囲として前記乾燥運転が行われること、を特徴とする請求項1
又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記低乾燥運転モードにおいて、前記洗濯槽の目標槽内温度を60℃以上、70℃以下の範囲として前記乾燥運転が行われること、を特徴とする請求項1~
3のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項5】
前記低乾燥運転モードにおいて、前記洗濯槽の内部に間欠的に温風が供給されるように前記温風供給部を作動させること、を特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項6】
前記乾燥運転の時間及び前記
洗濯槽内の温度により、前記乾燥運転の終了タイミングが規定されること、を特徴とする請求項1~
5のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項7】
前記洗濯槽の槽内湿度に基づいて、前記乾燥運転の終了タイミングが規定されること、を特徴とする請求項1~
6のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項8】
前記洗濯槽に投入された洗濯物の重量に応じて、前記乾燥運転の運転条件が自動設定されること、を特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項9】
前記洗濯槽に供給される洗濯用水の水温に応じて、前記乾燥運転の運転条件が自動設定されること、を特徴とする請求項1~
8のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項10】
室温に応じて前記乾燥運転の運転条件が設定されること、を特徴とする請求項1~
9のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項11】
前記乾燥運転の終了後、前記乾燥運転の運転により前記洗濯槽に導入される温風の目標温度よりも所定温度Δtだけ低温の温風を、前記洗濯槽に向けて所定時間毎に間欠的に導入すること、を特徴とする請求項1~
10のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項12】
外気温に応じて、前記所定温度Δtが決定されること、を特徴とする請求項
11に記載の洗濯機。
【請求項13】
使用者に対する報知を行う報知部を有し、
前記乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、
前記乾燥運転モードとして、前記低乾燥運転モードが選択されることを条件として、前記低乾燥運転モードが選択されていることを前記報知部が報知すること、を特徴とする請求項1~
12のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項14】
洗濯物を投入可能とされた洗濯槽と、
前記洗濯槽に対して温風を供給可能な温風供給部と、を有し、
前記洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯する洗濯運転と、
前記洗濯運転に伴って水分を含んだ洗濯物を乾燥させる乾燥運転と、を行えるものであり、
前記洗濯運転が、運転条件の異なる複数の洗濯運転モードから選ばれたモードにより、前記洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯するものであり、
前記乾燥運転が、前記温風供給部により前記洗濯槽に対して温風を供給することにより、運転条件の異なる複数の乾燥運転モードから選ばれたモードで洗濯物を乾燥するものであり、
前記洗濯運転モードとして選ばれたものに応じて、前記乾燥運転モードから特定のモードが自動選択され、
前記洗濯運転モードのうち、特定の洗濯運転モードが選ばれることを条件の一つ、あるいは全てとして、当該特定の洗濯運転モードに応じて自動選択される特定の乾燥運転モード以外に変更されないよう、他の乾燥運転モードへの変更が規制されること、を特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されている衣類乾燥機のように、洗濯物の乾燥機能を備えた洗濯機が提供されている。特許文献1の衣類乾燥機は、衣類を完全に乾燥させる通常乾燥モードと、これよりも乾燥率の低い控えめ乾燥モードとを選択可能なものとされている。特許文献1の衣類乾燥機において、控えめ乾燥モードは、乾燥運転後に衣類を干すことを前提にして、完全に乾燥しきらない乾燥運転を行うものであり、乾燥率が低い状態において乾燥運転を終了する運転モードである。特許文献1の衣類乾燥機は、乾燥時間を短くして消費電力を低減することを目的として、控えめ乾燥モードによる乾燥を行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の衣類乾燥機においては、乾燥運転の運転モードとして念入り乾燥モードと控えめ乾燥モードのいずれかをユーザが任意に選択するものとされている。しかしながら、このような構成とした場合、洗濯運転においてどのような運転がなされるかを考慮する等して、ユーザが適切な乾燥運転の運転モードを選択しなければならないと言う問題がある。また、特許文献1のような構成とした場合には、ユーザの操作ミスや、ユーザが洗濯運転に適した乾燥運転方法についての知識を有していない等の理由により、最適な乾燥モードが選択されない可能性があるという懸念もある。
【0005】
そこで本発明は、最適な運転モードによる乾燥運転を、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に行える洗濯機の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の洗濯機は、洗濯物を投入可能とされた洗濯槽と、前記洗濯槽に対して温風を供給可能な温風供給部と、を有し、前記洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯する洗濯運転と、前記洗濯運転に伴って水分を含んだ洗濯物を乾燥させる乾燥運転と、を行えるものであり、前記洗濯運転が、運転条件の異なる複数の洗濯運転モードから選ばれたモードにより、前記洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯するものである。また、本発明の洗濯機は、前記乾燥運転が、前記温風供給部により前記洗濯槽に対して温風を供給することにより、運転条件の異なる複数の乾燥運転モードから選ばれたモードで洗濯物を乾燥するものである。本発明の洗濯機は、前記洗濯運転モードとして選ばれたものに応じて、前記乾燥運転モードから特定のモードが自動選択され、前記洗濯運転モードのうち、特定の洗濯運転モードが選ばれることを条件の一つ、あるいは全てとして、当該特定の洗濯運転モードに応じて自動選択される特定の乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制されること、を特徴とするものである。
【0007】
本発明の洗濯機は、洗濯運転の運転モードに応じて、複数の乾燥運転モードから特定のモードが自動選択される。そのため、本発明の洗濯機によれば、洗濯運転の運転モードに適した乾燥運転を、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に行える。また、本発明の洗濯機は、洗濯運転モードのうち、特定の洗濯運転モードが選ばれることを条件の一つ、あるいは全てとして、特定の洗濯運転モードに応じて自動選択される特定の乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制される。これにより、特定の洗濯運転モードが選ばれたときに、ユーザの操作によって特定の乾燥運転モード以外の乾燥モードに変更されてしまうのを抑制できる。
【0008】
(2)上述した洗濯機は、前記乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、前記乾燥運転モードとして前記低乾燥運転モードが自動選択されることを条件の一つ、あるいは全てとして、他の乾燥運転モードへの変更が規制されるものであると良い。
【0009】
かかる構成によれば、乾燥度の低い低乾燥運転モードで乾燥させるべき洗濯物が、乾燥運転において過剰に乾燥されてしまうのを抑制できる。
【0010】
(3)上述した洗濯機は、前記乾燥運転モードとして前記低乾燥運転モードが自動選択された場合において、前記乾燥運転が開始されるまでの期間であることを条件として、前記低乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が許容されるものであると良い。
【0011】
かかる構成によれば、乾燥運転モードとして低乾燥運転モードが自動選択された場合であっても、ユーザの意図を反映して他の乾燥モードに切り替えることが可能となる。そのため、上述した構成によれば、洗濯運転の運転モードに適した乾燥運転を、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に行えるようにしつつ、乾燥運転の選択においてユーザの意図を柔軟に反映可能な洗濯機を提供できる。
【0012】
ここで、洗濯機によって洗濯物を洗濯して乾燥する場合、洗濯物の素材を考慮して洗濯運転モードや乾燥運転モードとして最適なものを選ぶことが望ましい。例えば、洗濯物の素材が、綿系の場合にはシワになってほしくない、また素材がウール系の場合には生地の縮みや傷みを抑制したい、という観点から、念入りに乾燥する乾燥運転モードを選択するのは好ましくなく、控えめに乾燥する乾燥運転モードを選択することが好ましい。一方、洗濯物の素材が、例えばポリエステル系等である場合には、念入りに乾燥させる乾燥運転モードを選択したとしても、洗濯物がシワになりにくい。また、ポリエステル系等の素材からなる洗濯物である場合には、吸湿性が低いという観点から、綿系の素材やウール系の素材の場合と比べて、控えめに乾燥する乾燥運転モードを選択することによるメリットが小さい。このような事情を鑑みれば、洗濯物の素材に応じて乾燥運転モードとして最適なものを選択できるようにすることが望ましい。
【0013】
上述した洗濯機は、洗濯物の素材を把握する素材把握部を有し、前記素材把握部によって把握された素材に応じて、前記乾燥運転モードが自動選択されるものであると良い。
【0014】
かかる構成によれば、洗濯物の素材に応じて乾燥運転モードとして最適なものを、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に選択可能な洗濯機を提供できる。
【0015】
上述した洗濯機は、洗濯物の素材を把握する素材把握部を有し、前記素材把握部によって把握された素材が特定のものであることを条件の一つ、あるいは全てとして、他の乾燥運転モードへの変更が規制されるものであると良い。
【0016】
かかる構成によれば、素材把握部によって把握された素材が特定の乾燥運転モードを選択するべきである場合に、安易に他の乾燥運転モードに変更されてしまうのを抑制できる。
【0017】
上述した洗濯機は、前記乾燥運転が開始されるまでの期間であることを条件として、前記乾燥運転モードの変更が許容されるものであると良い。
【0018】
かかる構成によれば、ユーザの意図を反映して、乾燥運転モードとして自動選択された運転モードから他の乾燥モードに切り替えることが可能となる。そのため、上述した構成によれば、ユーザの意図により乾燥運転の運転モードの変更を柔軟に受け付け可能な洗濯機を提供できる。
【0019】
(4)上述した洗濯機は、前記乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、前記低乾燥運転モードにおいて、洗濯物の目標乾燥率を80%以上、95%以下の範囲として前記乾燥運転が行われるものであると良い。
【0020】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯機から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、洗濯物にシワが生じにくい最適な状態になるように洗濯物を仕上げることが可能な洗濯機を提供できる。
【0021】
(5)上述した洗濯機は、前記乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、前記低乾燥運転モードにおいて、前記洗濯槽の目標槽内温度を60℃以上、70℃以下の範囲として前記乾燥運転が行われるものであると良い。
【0022】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯機から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、洗濯物にシワが生じにくくすることを想定し、最適な温度条件で低乾燥運転モードによる乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0023】
(6)上述した洗濯機は、前記乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、前記低乾燥運転モードにおいて、前記洗濯槽の内部に間欠的に温風が供給されるように前記温風供給部を作動させるものであると良い。
【0024】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯機から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、低乾燥運転モードにおいて最適な状態で洗濯槽の内部に温風を供給可能な洗濯機を提供できる。
【0025】
上述した洗濯機は、前記洗濯槽が、洗濯用水が導入される水槽と、前記水槽と連通し、前記水槽内において回転可能に設けられる回転槽と、を含むものであり、前記乾燥運転中に、前記回転槽の回転制御が行われるものであると良い。
【0026】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯機から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、低乾燥運転モードにおいて適度に洗濯物の姿勢を変えつつ乾燥させることが可能な洗濯機を提供できる。
【0027】
上述した洗濯機は、前記回転制御が、前記回転槽の回転方向、回転速度、回転時間、回転方向の反転タイミング、回転停止タイミングのうち、少なくともいずれかについての制御であるものであると良い。
【0028】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯機から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、低乾燥運転モードにおいて最適な条件で回転槽を回転させることが可能な洗濯機を提供できる。
【0029】
上述した洗濯機は、前記回転制御が、前記水槽内の温度に応じて行われるものであると良い。
【0030】
かかる構成によれば、水槽内の温度を考慮して最適な条件で回転槽を回転させることが可能な洗濯機を提供できる。
【0031】
上述した洗濯機は、前記回転制御が、前記水槽内の湿度に応じて行われるものであると良い。
【0032】
かかる構成によれば、水槽内の湿度を考慮して最適な条件で回転槽を回転させることが可能な洗濯機を提供できる。
【0033】
(7)上述した洗濯機は、前記乾燥運転の時間及び前記水槽内の温度により、前記乾燥運転の終了タイミングが規定されるものであると良い。
【0034】
かかる構成によれば、乾燥運転の時間及び水槽内の温度を指標として最適な条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0035】
(8)上述した洗濯機は、前記洗濯槽の槽内湿度に基づいて、前記乾燥運転の終了タイミングが規定されるものであると良い。
【0036】
かかる構成によれば、洗濯槽の槽内湿度を指標として最適な条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0037】
上述した洗濯機は、前記洗濯槽の槽内湿度の変化に応じて、前記乾燥運転の終了タイミングが規定されるものであると良い。
【0038】
かかる構成によれば、洗濯槽の槽内湿度の変化の挙動を捉え、これを指標として最適な条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0039】
(9)上述した洗濯機は、前記洗濯槽に投入された洗濯物の重量に応じて、前記乾燥運転の運転条件が自動設定されるものであると良い。
【0040】
かかる構成によれば、洗濯槽に投入された洗濯物の重量を指標として最適な条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0041】
上述した洗濯機は、前記洗濯槽に投入された洗濯物の重量変化に応じて、前記乾燥運転の終了タイミングが規定されるものであると良い。
【0042】
かかる構成によれば、洗濯槽に投入された洗濯物の重量変化の挙動を捉え、これを指標として最適な条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0043】
(10)上述した洗濯機は、前記洗濯槽に供給される洗濯用水の水温に応じて、前記乾燥運転の運転条件が自動設定されるものであると良い。
【0044】
かかる構成によれば、洗濯槽に供給される洗濯用水の水温を考慮し、最適な運転条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0045】
(11)上述した洗濯機は、室温に応じて前記乾燥運転の運転条件が設定されるものであると良い。
【0046】
かかる構成によれば、室温を考慮し、最適な運転条件で乾燥運転を行える洗濯機を提供できる。
【0047】
(12)上述した洗濯機は、前記乾燥運転の終了後、前記乾燥運転の運転により前記洗濯槽に導入される温風の目標温度よりも所定温度Δtだけ低温の温風を、前記洗濯槽に向けて所定時間毎に間欠的に導入するものであると良い。
【0048】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯槽から洗濯物が取り出されることなく放置された場合であっても、洗濯物の乾燥状態が乾燥運転によって期待される状態から大きく逸脱しないように維持できる。
【0049】
(13)上述した洗濯機は、外気温に応じて、前記所定温度Δtが決定されるものであると良い。
【0050】
かかる構成によれば、乾燥運転の後、洗濯槽から洗濯物が取り出されることなく放置された場合において、外気温を考慮しつつ、最適な温度条件の温風を洗濯槽に導入できる。これにより、洗濯槽から洗濯物が取り出されることなく放置された場合であっても、より一層確実に洗濯物の乾燥状態が乾燥運転によって期待される状態から大きく逸脱しないように維持可能な洗濯機を提供できる。
【0051】
(14)上述した洗濯機は、使用者に対する報知を行う報知部を有し、前記乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる高乾燥運転モードと、低乾燥運転モードとを有し、前記乾燥運転モードとして、前記低乾燥運転モードが選択されることを条件として、前記低乾燥運転モードが選択されていることを前記報知部が報知するものであると良い。
【0052】
かかる構成によれば、報知部によって行われる報知により、低乾燥運転モードが選択されていることをユーザに周知できる。これにより、低乾燥運転モードによる乾燥運転を終えた乾燥度の低い洗濯物が取り出されることなく洗濯槽に残されるのを抑制できる。
【発明の効果】
【0053】
本発明によれば、最適な運転モードによる乾燥運転を、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に行える洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の一実施形態に係る洗濯機を示す斜視図である。
【
図3】
図1の洗濯機が備える水槽、回転槽、及び送風経路の排気側連通部を示した斜視図である。
【
図4】
図3に示した各部材を別の角度から見た状態を示す斜視図である。
【
図5】送風経路の中間部及び吸気側連通部をなす部分、及びこれに付随するフィルタ装置、温風供給部等を示した斜視図である。
【
図6】
図5に示した各部材を別の角度から見た状態を示す斜視図である。
【
図7】
図1の洗濯機が備える温風供給部及び周辺部を示した斜視図である。
【
図8】
図1の洗濯機が備える操作パネル部を示した平面図である。
【
図9】
図1の洗濯機において、制御装置と各部との関係を示すブロック図である。
【
図10】
図1の洗濯機がふんわり乾燥モードによる乾燥運転を行う際の動作を示したフローチャートである。
【
図11】
図10のステップ1-3において行われる動作を示したサブルーチンである。
【
図12】変形例に係る洗濯機において、制御装置と各部との関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の一実施形態に係る洗濯機10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、先ず洗濯機10の構成について説明した後、洗濯機10の動作について説明する。なお、以下の説明において、上下左右等の位置関係についての説明は、特に断りのない限り洗濯機10を通常に設置した状態を基準としたものである。
【0056】
≪洗濯機10の構成について≫
図1に示すように、洗濯機10は、いわゆるドラム型の洗濯機である。
図2や
図3に示すように、洗濯機10は、筐体20、水槽30及び回転槽40を含む洗濯槽35、送風経路50、温風供給部70、給排水部80、フィルタ装置100、制御装置110等を備えている。洗濯機10は、給排水部80により水槽30及び回転槽40の内部に水を供給し、回転槽40を回転させることにより、回転槽40の中に投入された洗濯物の洗濯やすすぎを行う運転(洗濯運転)を行うことができる。また、水槽30及び回転槽40から水を抜いた状態で回転槽40を水槽30の内部で回転させることにより、洗濯物の脱水を行う運転(脱水運転)を行うこともできる。さらに、洗濯機10は、温風供給部70を作動させることにより、水槽30に接続された送風経路50を介して温風を循環させ、回転槽40内の洗濯物を乾燥する運転(乾燥運転)を行うこともできる。以下、洗濯機10の基本的構成について、具体的に説明する。
【0057】
図2や
図3に示すように、筐体20は、洗濯機10を構成する水槽30や、回転槽40、送風経路50、温風供給部70、給排水部80、フィルタ装置100等を収容するものである。筐体20は、正面20a、背面20b、左側面20c、右側面20d、天面20e、及び底面20fを有し、上下方向に長い略直方体状の形状とされている。
【0058】
図1に示すように、筐体20は、正面20aに扉22を有する。扉22は、例えば図示例のように正面視で略円形のものとすることができる。また、扉22は、例えば正面20aから見て側方(図示例では左側)の端部に設けたヒンジによって、開閉可能なように支持されている。また、扉22は、ヒンジとは反対側にロック機構26(
図9参照)を備えている。また、筐体20は、正面20a側であって天面20e側の位置に操作パネル部24を有する。操作パネル部24には、複数のボタンが設けられており、これらのボタン操作によって洗濯物を洗濯するための運転(洗濯運転)や、洗濯物のすすぎを行う運転(すすぎ運転)、洗濯物の脱水を行うための運転(脱水運転)、洗濯物の乾燥を行う運転(乾燥運転)等についての設定操作を行えるものとされている。
【0059】
図2~
図4に示すように、洗濯槽35は、水槽30及びこれに収容される回転槽40を有し、水槽30の内部に回転槽40を収容したものである。水槽30は、円筒形で有底のものであり、ダンパーなどのサスペンション構造によって筐体20内に収容され、支持されている。水槽30は、筐体20の正面20aに設けられた扉22に対応する位置において開口するように配置されている。水槽30は、後に詳述する給排水部80に対して配管接続されている。これにより、水槽30は、外部から供給された水を内部に貯留したり、内部にある水を外部に排出したりすることができる。また、水槽30は、洗濯槽吸気部32及び洗濯槽排気部34を有する。
【0060】
洗濯槽吸気部32は、水槽30において正面20a側の位置に設けられている。本実施形態では、水槽30が、正面20a側にガスケット36を有するものとされており、このガスケット36に洗濯槽吸気部32が設けられている。また、洗濯槽排気部34は、水槽30において背面20b側の位置に設けられている。また、水槽30は、洗濯槽吸気部32及び洗濯槽排気部34を介して、後に詳述する送風経路50に対して接続されている。これにより、水槽30は、送風経路50を流れる空気を正面20a側の洗濯槽吸気部32から導入し、背面20b側の洗濯槽排気部34から排出することができる。なお、洗濯槽吸気部32は、ガスケット36に設けることで、回転槽40に吸気する構成を一例として説明したが、洗濯槽吸気部32を介して回転槽40内に吹き込む構成であってもよい。
【0061】
回転槽40は、水槽30の内部において回転可能なように収容された槽である。回転槽40は、円筒形で有底のものである。回転槽40は、水槽30と同様に、筐体20の正面20aに設けられた扉22に対応する位置において開口するように配置されている。そのため、洗濯機10は、扉22を開くことにより、回転槽40に対して洗濯物を出し入れ可能とされている。回転槽40は、水槽30の後部に配設されたモータ等の駆動機(図示せず)によって回転駆動可能とされている。回転槽40は、内外を連通する開口が周部に複数設けられている。そのため、洗濯機10は、水槽30に水を貯留することにより、回転槽40の内部にも水を導入することができる。また、洗濯機10は、水槽30から水を排水することにより、回転槽40からも水を排出することができる。
【0062】
洗濯槽35には、上述した構成に加え、回転槽駆動部42や水位センサ44を備えている(いずれも
図2、
図3では省略。
図9参照)。回転槽駆動部42は、回転槽40を回転駆動するためのモータを備えている。また、水位センサ44は、洗濯槽35内の水位検出を行うためのセンサである。
【0063】
図2や
図3に示すように、送風経路50は、水槽30の外部において、水槽30の洗濯槽排気部34から洗濯槽吸気部32に至る送風用の経路をなすものである。すなわち、
図3、
図5、及び
図6において破線による矢印で示すように、送風経路50は、水槽30の洗濯槽排気部34を上流側とし、これよりも気流の流れ方向下流側にある水槽30の洗濯槽吸気部32まで気流を到達させるための経路である。送風経路50を介して送風することにより、水槽30の内部に、正面側から背面側に向かう気流を発生させることができる。
図5や
図6に示すように、送風経路50は、水槽30の外側における気流の流れ方向上流側(洗濯槽排気部34側)から下流側(洗濯槽吸気部32側)に向けて、排気側連通部52(連通部)、中間部54、吸気側連通部56の3つの部位に大別することができる。
【0064】
排気側連通部52は、水槽30の洗濯槽排気部34に対して連通する部分である。排気側連通部52は、連通部58及び水受部60を有する。連通部58は、水槽30に対して背面20b側において立ち上がるように形成された通路である。連通部58は、一端側(下端側)において洗濯槽排気部34に接続されている。これにより、連通部58は、洗濯槽排気部34から排出された空気を、下方から上方に向かう方向に流すことができる。また、連通部58の他端側は、水受部60に接続されている。水受部60は、後に詳述する給水部82により供給された水を受け入れると共に、受け入れた水を連通部58に落とし込むことにより、連通部58の内周面を洗浄するためのものである。
【0065】
中間部54は、送風経路50において、水槽30の洗濯槽排気部34を上流側とし、水槽30の洗濯槽吸気部32まで流れる気流の流れ方向中間部に位置している。すなわち、中間部54は、送風経路50において、水槽30の洗濯槽排気部34に繋がる排気側連通部52よりも送風経路50における気流の流れ方向下流側に位置する部分である。中間部54は、水槽30に対して天面20e側に存在している。中間部54は、筐体20の背面20b側から正面20a側に向けて延びるように配置されている。中間部54には、後に詳述するフィルタ装置100が配置される。これにより、送風経路50を通過する空気中に含まれているリント等の異物を除去可能とされている。また、中間部54は、フィルタ装置100に設けられた外気導入部140や内気排出部130を介して、送風経路50に外気を導入したり、送風経路50を流れる空気を排出させたりすることができる。
【0066】
吸気側連通部56は、送風経路50において、水槽30の洗濯槽排気部34を上流側とし、水槽30の洗濯槽吸気部32まで流れる気流の流れ方向下流側に位置している。すなわち、吸気側連通部56は、送風経路50において、中間部54に対して下流側に連なり、水槽30の洗濯槽吸気部32に繋がる部分である。吸気側連通部56は、中間部54と同様に水槽30に対して天面20e側に存在している。吸気側連通部56には、後に詳述する温風供給部70が配置される。これにより、中間部54においてフィルタ装置100により異物が除去された空気を、温風供給部70において加熱することができる。吸気側連通部56は、終端部において洗濯槽吸気部32に接続されている。
【0067】
温風供給部70は、水槽30に設けられた洗濯槽吸気部32に温風を供給するためのものである。
図7に示すように、温風供給部70は、送風装置72、送風加熱装置74、及び送風温度センサ76(
図9参照)等を有する。送風装置72は、送風経路において気流を形成するためのものであり、例えば従来公知の送風ファン等によって構成できる。また、送風加熱装置74は、送風装置72の作動により送風経路50を流れる空気を加熱するものである。送風加熱装置74は、従来公知の電気式のヒータ等によって構成できる。
【0068】
図2や
図3に示すように、給排水部80は、給水部82や、排水部84等を有する。給水部82は、外部の給水源に接続される給水路を有し、水槽30に対して水を供給可能とされている。給水部82は、例えば、給水源から供給された水をそのまま水槽30に供給可能なものや、水槽30に至る給水路の中途において、別途設けられた投入部において投入された洗剤や柔軟剤等を水に混合させた混合水の状態で水槽30に供給可能なものとすることができる。排水部84は、給水部82とは別に水槽30に対して接続された排水路を有する。排水部84は、水槽30内にある水を前述した排水路を介して排出可能とされている。
【0069】
給排水部80は、
図2や
図3には図示されていない構成として、給水ヒータ86及び水温センサ88を備えている(
図9参照)。給水ヒータ86は、給水部82を介して供給される水を暖めるためのものである。また、水温センサ88は、給水部82を介して供給される水の温度を検出するためのものである。
【0070】
フィルタ装置100は、上述した送風経路50の中途にある中間部54に配されるものである。フィルタ装置100は、空気中に含まれているリント等の異物を捕集するためのものである。
【0071】
図2や
図3に示すように、制御装置110は、筐体2の内部において天面側の位置に、ケースに収容された状態で設けられている。
図9に示すように、制御装置110は、洗濯機10の各部に対して電気的に接続されている。これにより、各部から制御装置110に情報を入力したり、制御装置110から各部に対して制御信号を出力したりすることができる構成とされている。
【0072】
具体的には、制御装置110は、上述した操作パネル部24や、ロック機構26、回転槽駆動部42、水位センサ44、送風加熱装置74、送風温度センサ76、給水ヒータ86、水温センサ88等、上述した洗濯機10を構成する各部に接続されている。また、制御装置110は、記憶部112、タイマ114、報知部116、給水制御部118、排水制御部120等に接続されている。制御装置110は、マイクロコンピュータで構成されている。
【0073】
記憶部112は、EEPROM、RAM等を含み、情報を記憶するために設けられたものである。記憶部112は、各種の運転コースに含まれる工程を実行するためのコンピュータプログラムを記憶している。また、記憶部112は、コンピュータプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグを記憶する。タイマ114は、洗濯機10の運転に際し、洗濯運転や乾燥運転の運転時間等、時間計測が必要な場面において使用される。報知部116は、洗濯機10の動作状態等を報知するためのものである。報知部116は、例えば表示や音声等によって洗濯機10の動作状態を報知できるものとされている。また、排水制御部120は、排水部84に設けられた弁(図示せず)の動作制御を行うことにより、洗濯槽35における排水を制御するものである。
【0074】
制御装置110は、記憶部112に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、洗濯機10の全体の動作を制御する。すなわち、制御装置110は、操作パネル部24を介してユーザから受け付けた要求や、水位センサ44、水温センサ88等から受信した検知信号に基づき、記憶部112に記憶されているコンピュータプログラムを実行する。これにより、制御装置110は、ロック機構26や、回転槽駆動部42、送風加熱装置74、給水ヒータ86、タイマ114、報知部116、給水制御部118、排水制御部120等に制御信号を出力し、各部の動作制御を行う。これにより、制御装置110は、操作パネル部24を介してユーザから受け付けた要求に応じて、洗濯運転やすすぎ運転、脱水運転、乾燥運転を行うように各部を動作させる。
【0075】
ここで、本実施形態では、操作パネル部24が
図8に示すようなものとされている。これにより、制御装置110に対して、洗濯機10が様々な運転方法により運転するように動作指示を入力可能とされている。
【0076】
具体的には、
図8に示すように、操作パネル部24は、電源ボタン24a、スタートボタン24b、メニュー選択部24c、個別条件設定部24d、予約設定部24e、チャイルドロックボタン24f、お好み洗濯ボタン24gを備えている。
【0077】
電源ボタン24aは、洗濯機10の電源の投入及び遮断をするためのボタンである。スタートボタン24bは、洗濯機10の運転をスタート及び一時停止するためのボタンである。メニュー選択部24cは、水温設定ボタン24h、コース設定ボタン24i、洗濯乾燥ボタン24jを備えている。水温設定ボタン24hは、洗濯に用いる水温を設定するのに用いるボタンである。コース設定ボタン24iは、洗濯方法や乾燥方法、素材等に応じて規定された運転コースを選択するためのボタンである。本実施形態では、標準的な運転を行う標準運転コース、すすぎのみを行うすすぎ運転コース、短時間での洗濯乾燥を行うためのお急ぎコース、毛布を洗濯乾燥するための毛布コース、手洗いの如く洗濯物に与える衝撃を抑制して洗濯乾燥する手洗いコース、60度の温水で洗濯を行う温水60度コース、40度の温水で洗濯を行う温水40度コース、生地の厚い厚物についての乾燥運転を行う厚物乾燥コース、洗濯槽35の洗浄運転を行う槽洗浄コース、スポーツウェアの洗濯乾燥を行うスポーツウェアコースに加え、本実施形態の洗濯機10に特有の部屋干し洗濯乾燥コースが、運転コースとして設定されている。洗濯乾燥ボタン24jは、洗濯のみを行う運転、洗濯及び乾燥の双方を行う運転、乾燥のみを行う運転から運転方法を選択するためのボタンである。
【0078】
個別条件設定部24dは、洗い時間ボタン24k、すすぎ回数ボタン24l、脱水時間ボタン24m、乾燥時間ボタン24nを備えている。洗い時間ボタン24kは、洗濯運転に要する時間を洗濯して設定するためのボタンである。本実施形態では、8分、10分、12分、14分、及び20分以上の各洗濯時間から選んで設定可能とされている。すすぎ回数ボタン24lは、すすぎ運転を行う回数や、すすぎのために用いる水の補充(注水)について選択して設定可能とされている。本実施形態では、すすぎ回数ボタン24lの操作により、すすぎ回数を1回、2回、3回のいずれかに設定したり、注水を行うように設定したりすることができる。脱水時間ボタン24mは、脱水運転に要する時間を設定するためのボタンである。本実施形態では、脱水時間ボタン24mは、4分、8分、10分、12分、及び自動設定のいずれかから脱水時間を選んで設定可能とされている。乾燥時間ボタン24nは、乾燥運転に要する時間や、乾燥運転の実施方法を設定するためのボタンである。本実施形態では、乾燥時間として60分、120分、180分から選んで設定したり、自動的に乾燥時間を設定したりする他、洗濯物を完全に乾燥するよりも少し前の状態(乾燥度の低い状態)まで乾燥を行う「ふんわり」モードでの乾燥運転を行うように設定可能とされている。ふんわりモードによる乾燥は、上述した部屋干し洗濯乾燥コースにおいて選択される乾燥運転モードである。
【0079】
予約設定部24eは、洗濯運転や乾燥運転の予約設定を行うためのものである。予約設定部24eは、つけ置きボタン24o及び予約ボタン24pを備えている。つけ置きボタン24oは、洗濯物を洗濯槽35の内部において水に浸漬しておき、浸漬を開始してから所定時間経過した時点で洗濯運転を開始する運転(つけ置き運転)を行うための設定ボタンである。予約ボタン24pは、例えばボタン押下後所定時間経過したタイミングや、所定の時刻等、予め設定した所定のタイミングで洗濯運転や乾燥運転を開始させるための設定ボタンである。
【0080】
上述したメニュー選択部24c、個別条件設定部24d、及び予約設定部24eは、それぞれ設定情報を表示可能とされている。これらの設定情報の表示は、例えば液晶パネルを用いる等して表示しても良いが、本実施形態ではLEDやセグメント表示器等を用いて表示可能とされている。
【0081】
チャイルドロックボタン24fは、筐体20の正面に設けられた扉22が、子供等によって運転中に誤って開かれないようにロック機構26により扉22をロックする機能(チャイルドロック機能)の設定や解除を行うためのボタンである。お好み洗濯ボタン24gは、メニュー選択部24cにて選択可能とされている規定の運転方法ではなく、個別条件設定部24dの操作によってユーザが任意に運転方法の条件設定を可能とするためのボタンである。
【0082】
≪洗濯機10の動作について≫
続いて、洗濯機10の動作について、特徴的な部分を重点的に取り上げつつ、詳細に説明する。洗濯機10は、上述したように、操作パネル部24を介してユーザによって設定された設定情報に基づき動作を行う。洗濯機10は、洗濯槽35に投入された洗濯物を洗濯する洗濯運転、洗濯物をすすぐためのすすぎ運転、洗濯物の脱水を行う脱水運転、温風供給部70の送風加熱装置74により加熱した温風を洗濯槽35に供給して洗濯物を乾燥する乾燥運転を行うことができる。
【0083】
洗濯機10は、洗濯運転として、運転条件の異なる複数の洗濯運転モードから選ばれたモードにより、洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯できるものとされている。具体的には、洗濯機10は、洗濯に要する時間や、洗濯に用いる洗濯用水の温度等の洗濯運転条件の組み合わせにより構成される複数の洗濯運転モードによって洗濯運転を行えるものとされている。洗濯機10は、水温設定ボタン24hや洗濯乾燥ボタン24jを用いて個別に設定することも可能であるが、コース設定ボタン24iによって運転コースを選択することにより、選択された運転コースに即した洗濯運転条件が自動設定され、その洗濯運転条件の組み合わせからなる洗濯運転モードによって洗濯運転を行うことができる。
【0084】
また、洗濯機10は、運転条件の異なる複数の乾燥運転モードから選ばれたモードで洗濯物を乾燥することができる。具体的には、洗濯機10は、乾燥時間を選んで洗濯物を乾燥するマニュアル乾燥運転モード、乾燥時間を自動設定して洗濯物を乾燥する自動乾燥運転モード、自動乾燥運転モードよりも目標とする洗濯物の乾燥度を低く設定して乾燥運転を行うふんわり乾燥モード等から乾燥運転モードを選択して実行できるものとされている。すなわち、洗濯機10は、目標とする洗濯物の乾燥度の高い自動乾燥運転モード(高乾燥運転モード)、及び目標とする洗濯物の乾燥度の低いふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)を含む複数の乾燥運転モードを備えたものとされている。低乾燥運転モードであるふんわり乾燥モードでは、洗濯物の目標乾燥率が80%以上、95%以下の範囲で規定される。
【0085】
洗濯機10は、例えば湿度センサを設ける等して、洗濯物の乾燥率を直接的あるいは間接的に適宜のタイミングで導出し、乾燥運転を終了させるものとしても良いが、本実施形態では、洗濯槽35の目標槽内温度、及び乾燥運転の時間に基づき、選択された乾燥運転モードに対応する目標乾燥率に到達するように運転制御を行う。具体的には、洗濯機10は、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)で乾燥運転を行う場合に、洗濯槽35の目標槽内温度を60℃以上、70℃以下の範囲に設定すると共に、乾燥運転の運転時間を60分に設定することにより、乾燥運転後の洗濯物の乾燥率が80%以上、95%以下の範囲になるように乾燥運転を行う。また、洗濯機10は、自動乾燥運転モード(高乾燥運転モード)で乾燥運転を行う場合に、洗濯槽35の目標槽内温度及び乾燥運転時間のいずれか一方又は双方をふんわり乾燥モードの場合よりも大きく設定することにより、乾燥率が95%よりも高くなるように乾燥運転を行う。
【0086】
洗濯機10は、乾燥時間ボタン24nを用いて乾燥条件を設定することも可能であるが、コース設定ボタン24iで選択された運転コースに応じて、選択された運転コースに即した乾燥運転条件が自動設定され、その乾燥運転条件の組み合わせからなる乾燥運転モードによって乾燥運転を行うことができる。本実施形態の洗濯機10は、標準運転コースやお急ぎコース、毛布コース、手洗いコース、温水60度コース、温水40度コース、厚物乾燥コース、スポーツウェアコースが選択された場合に、洗濯物の目標乾燥率が95%よりも高くなるように乾燥運転条件を自動設定し、乾燥運転を行うことができる。また、洗濯機10は、部屋干し洗濯乾燥コースが選択された場合に、洗濯物の目標乾燥率が80%以上、95%以下の範囲となるように乾燥運転条件を自動設定し、乾燥運転を行うことができる。そのため、洗濯機10は、運転コースに応じて選択された洗濯運転モードに応じて、複数の乾燥運転モードからふんわり乾燥モードが自動選択される。
【0087】
また、洗濯機10では、洗濯運転モードのうち、特定の洗濯運転モードが選ばれることを条件として、特定の洗濯運転モードに応じて自動選択される特定の乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制される。本実施形態では、部屋干し洗濯乾燥コースが選択されることにより選ばれる洗濯運転モードで洗濯運転を行う場合に、これに応じて自動選択されるふんわり乾燥モードから、別の乾燥運転モードへの変更が規制される。
【0088】
上述した部屋干し洗濯乾燥コースが選択される等した場合に行われる「ふんわり乾燥モード」による乾燥運転は、本実施形態の洗濯機10において特徴的な動作である。以下、ふんわり乾燥モードによる乾燥運転を行う際の洗濯機10の動作について、
図10及び
図11のフローチャートを参照しつつ、詳細に説明する。
【0089】
(ステップ1-1)
ふんわり乾燥モードによる乾燥運転を行う場合には、先ず、ステップ1-1において、制御装置110は、温風供給部70の送風装置72及び送風加熱装置74をオン状態とする。これにより、送風加熱装置74によって加熱された温風の洗濯槽35への供給が開始される。その後、制御装置110は、制御フローをステップ1-2に進める。
【0090】
(ステップ1-2)
ステップ1-2において、制御装置110は、タイマ114をリセットし、時間の計測を開始させる。その後、制御装置110は、制御フローをステップ1-3に進める。
【0091】
(ステップ1-3)
ステップ1-3において、制御装置110は、洗濯槽35の槽内温度が乾燥運転後の洗濯物の乾燥率を80%以上、95%以下の範囲とするために適した温度になるように、温度制御を行う。本実施形態では、制御装置110は、洗濯槽35の槽内温度が65度になるように温度制御を行う。ステップ1-3における温度制御は、後に詳述するように、
図11に示すサブルーチンに則って行われる。ステップ1-3における温度制御の後、制御装置110は、制御フローをステップ1-4に進める。
【0092】
(ステップ1-4)
ステップ1-4において、制御装置110は、タイマ114を参照し、ステップ1-2で計測を開始してからの経過時間を確認する。ここで、ふんわり乾燥モードによる乾燥運転時間として規定されている時間に達しているかを確認する。本実施形態では、乾燥運転時間が60分に規定されているため、制御装置110は、タイマ114による計測時間が60分に到達しているか否かを確認する。ここで、タイマ114による計測時間が60分未満である場合、制御装置110は、制御フローをステップ1-3に戻す。これにより、ふんわり乾燥モードによる乾燥運転が、予め規定された時間に到達するまで継続される。一方、計測時間が規定時間に到達している場合(本実施形態では60分以上である場合)、制御装置110は、制御フローをステップ1-5に進める。
【0093】
(ステップ1-5)
ステップ1-5において、制御装置110は、温風供給部70を停止させる。これにより、ふんわり乾燥モードによる乾燥運転が完了し、一連の制御フローが終了する。
【0094】
続いて、上述したステップ1-3において行われる洗濯槽35の槽内温度の温度制御方法について、
図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0095】
(ステップ2-1)
ステップ2-1において、制御装置110は、洗濯槽35の槽内温度がふんわり乾燥モードにおける温度として規定されている65度を越えているか否かを確認する。本実施形態では、温風供給部70の送風温度センサ76によって計測される送風温度を洗濯槽35の槽内温度と同等であるとみなし、送風温度センサ76により計測される温度が65度を超えているか否かが確認される。ここで、洗濯槽35の槽内温度が65度を超えている場合、制御装置110は、制御フローをステップ2-2に進める。一方、槽内温度が65度以下である場合、制御装置110は、制御フローをステップ2-4に進める。
【0096】
(ステップ2-2)
ステップ2-2において、制御装置110は、送風加熱装置74がオン状態であるか否かを確認する。制御装置110は、送風加熱装置74がオン状態である場合には制御フローをステップ2-3に、オフ状態である場合には制御フローをステップ2-4に進める。
【0097】
(ステップ2-3)
ステップ2-3において、制御装置110は、送風加熱装置74をオフ状態に切り替える。これにより、洗濯槽35に供給される送風温度を低下させ、洗濯槽35の槽内温度が65度を越えて昇温するのを抑制する。その後、制御装置110は、制御フローをステップ2-4に進める。
【0098】
(ステップ2-4)
ステップ2-4において、制御装置110は、洗濯槽35の槽内温度がふんわり乾燥モードにおける温度として規定されている65度を下回っているか否かを確認する。ステップ2-4においても、上述したステップ2-1と同様に、温風供給部70の送風温度センサ76によって計測される送風温度を洗濯槽35の槽内温度と同等であるとみなし、送風温度センサ76により計測される温度が65度を下回っているか否かが確認される。ここで、洗濯槽35の槽内温度が65度を下回っている場合、制御装置110は、制御フローをステップ2-5に進める。一方、槽内温度が65度を下回っていない場合は、槽内温度が65度である。この場合、制御装置110は、一連の制御フローを完了する。
【0099】
(ステップ2-5)
ステップ2-5において、制御装置110は、送風加熱装置74がオフ状態であるか否かを確認する。制御装置110は、送風加熱装置74がオフ状態である場合には制御フローをステップ2-6に、オン状態である場合には一連の制御フローを完了する。
【0100】
(ステップ2-6)
ステップ2-6において、制御装置110は、送風加熱装置74をオン状態に切り替える。これにより、洗濯槽35に供給される送風温度の低下を抑制し、洗濯槽35の槽内温度が65度よりも低温になるのを抑制する。その後、制御装置110は、一連の制御フローを完了する。
【0101】
上述したように、本実施形態の洗濯機10は、洗濯運転の運転モードに応じて、複数の乾燥運転モードから特定のモードが自動選択される。そのため、本実施形態の洗濯機10によれば、洗濯運転の運転モードに適した乾燥運転を、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に行える。また、本実施形態の洗濯機10は、洗濯運転モードのうち、特定の洗濯運転モードが選ばれることを条件として、特定の洗濯運転モードに応じて自動選択される特定の乾燥運転モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制される。本実施形態では、部屋干し洗濯乾燥コースが選択されることにより、部屋干し洗濯乾燥コースに対応する洗濯運転モードが自動的に選ばれることを条件として、自動選択されるふんわり乾燥モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制される。従って、洗濯機10においては、特定の洗濯運転モード(本実施形態では、ふんわり乾燥モード)が選ばれたときに、ユーザの操作によって他の乾燥モードに変更されてしまうのを抑制できる。
【0102】
なお、本実施形態では、部屋干し洗濯乾燥コースに対応する洗濯運転モードが自動的に選ばれると、ふんわり乾燥モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制される例を示したが、ふんわり乾燥モードから他の乾燥運転モードへの変更が規制される条件として、さらに他の条件を要するものであっても良い。
【0103】
上述した洗濯機10は、乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる自動乾燥運転モード(高乾燥運転モード)と、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)とを有し、乾燥運転モードとしてふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択されることを条件として、他の乾燥運転モードへの変更が規制される。そのため、洗濯機10によれば、乾燥度の低いふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)で乾燥させるべき洗濯物が、乾燥運転において過剰に乾燥されてしまうのを抑制できる。
【0104】
なお、本実施形態では、乾燥運転モードとしてふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択されることを、他の乾燥運転モードへの変更が規制されるための全条件とした例を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、洗濯機10は、他の乾燥運転モードへの変更が規制される条件として、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択されること以外の他の条件を要するものであっても良い。
【0105】
具体的には、上述した洗濯機10は、乾燥運転モードとしてふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択されるという条件に加え、乾燥運転が開始された状態になるという条件を、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択されること以外の他の条件として設定したものであっても良い。言い換えれば、上述した洗濯機10は、乾燥運転モードとしてふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択されたとしても、乾燥運転が開始されるまでの期間であれば、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)から他の乾燥運転モードへの変更が許容されるものであっても良い。このような条件設定を行うことにより、乾燥運転モードとしてふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が自動選択された場合であっても、ユーザの意図を反映して他の乾燥モードに切り替えることが可能となる。
【0106】
上述した洗濯機10は、コース設定ボタン24iにより、洗濯物の素材を考慮した運転コースを選択できるものとさている。具体的には、本実施形態の洗濯機10においては、毛布コースや厚物乾燥コース、スポーツウェアコースのように、洗濯物の素材を考慮した運転コースが選択可能とされている。これにより、洗濯機10は、これらの運転コースを選択することにより、素材を考慮して適切な洗濯運転モード及び乾燥運転モードを自動選択して実施することができる。
【0107】
なお、本実施形態では、コース設定ボタン24iをユーザが操作することにより、洗濯物の素材を考慮した運転コースを選択できるようにした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図12に示すように、上述した洗濯機10は、洗濯物の素材を把握する素材把握部150を有し、素材把握部150によって把握された素材に応じて、運転コースや乾燥運転モードを自動選択できるようにすると良い。このような構成によれば、洗濯物の素材に応じて運転コースや乾燥運転モードとして最適なものを、ユーザの操作や知識に頼ることなく適切に選択可能となる。
【0108】
上述したように洗濯物の素材を把握する素材把握部150を設ける場合、洗濯機10は、素材把握部150によって把握された素材が特定のものであることを条件の一つ、あるいは全てとして、他の乾燥運転モードへの変更が規制されるものとすると良い。例えば、洗濯物の素材が、綿系の場合にはシワになってほしくない、また素材がウール系の場合には生地の縮みや傷みを抑制したい、という観点から、念入りに乾燥する乾燥運転モードを選択するのは好ましくなく、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)のように控えめに乾燥する乾燥運転モードを選択することが好ましい。そのため、洗濯機10は、素材把握部150によって把握された素材がふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)に適した者である場合に、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)以外の他の乾燥運転モードへの変更が規制されるものとすると良い。
【0109】
上述したように素材把握部150を設けた構成とする場合についても、洗濯機10は、乾燥運転が開始されるまでの期間であることを条件として、乾燥運転モードの変更が許容されるものであると良い。このような構成によれば、ユーザの意図を反映して、乾燥運転モードとして自動選択された運転モードから他の乾燥モードに切り替えることが可能となる。これにより、洗濯機10について、ユーザの意図により乾燥運転の運転モードの変更を柔軟に受け付け可能なものとすることができる。
【0110】
上述したように、洗濯機10は、乾燥運転モードとして、目標とする洗濯物の乾燥度の異なる自動乾燥運転モード(高乾燥運転モード)と、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)とを有し、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)において、洗濯物の目標乾燥率を80%以上、95%以下の範囲として乾燥運転が行われるものとされている。これにより、洗濯機10は、乾燥運転の後に洗濯機10から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、洗濯物にシワが生じにくい最適な状態になるように洗濯物を仕上げることが可能となる。
【0111】
上述したように、洗濯機10は、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)において、洗濯槽35の目標槽内温度を60℃以上、70℃以下の範囲として乾燥運転が行われるものとされている。これにより、洗濯機10は、乾燥運転の後、洗濯機10から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、洗濯物にシワが生じにくくするのに最適な温度条件でふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)による乾燥運転を行えるようになる。
【0112】
上述した洗濯機10は、乾燥運転中に洗濯槽35に温風を連続的に供給して洗濯物を乾燥させるものであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗濯機10は、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)において、洗濯槽35の内部に間欠的に温風が供給されるように温風供給部70を作動させるものであると良い。これにより、洗濯機10は、乾燥運転の後、洗濯機10から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、洗濯物を最適な状態で換装可能となる。
【0113】
上述した洗濯機10は、乾燥運転中に、回転槽40の回転制御が行われるものであると良い。また、上述した洗濯機10は、回転制御が、回転槽40の回転方向、回転速度、回転時間、回転方向の反転タイミング、回転停止タイミングのうち、少なくともいずれかについての制御であるものであると良い。これにより、洗濯機10は、乾燥運転の後、洗濯機10から取り出した洗濯物を干すことを考慮し、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)において最適な条件で回転槽40を回転させることが可能となる。
【0114】
上述した洗濯機10は、上述したように回転槽40の回転制御を行う場合に、水槽30内の温度に応じて回転制御を行うものであると良い。これにより、洗濯機10は、水槽30内の温度を考慮して最適な条件で回転槽40を回転させることが可能となる。
【0115】
また、上述した洗濯機10は、回転槽40の回転制御を、水槽30内の湿度に応じて行うようにすると良い。これにより、水槽30内の湿度を考慮して最適な条件で回転槽40を回転させることが可能となる。
【0116】
上述した洗濯機10は、乾燥運転の時間及び水槽30の槽内温度により、乾燥運転の終了タイミングを規定するものとされている。このような構成とされているため、洗濯機10は、乾燥運転の時間及び水槽30内の温度を指標として最適な条件で乾燥運転を行うことができる。
【0117】
なお、本実施形態では、洗濯槽35の槽内湿度を計測するための湿度センサ等を設けず、乾燥運転の時間及び水槽30の槽内温度によって最適な湿度で洗濯物の乾燥を終えられるようにした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、上述した洗濯機10は、洗濯槽35の槽内湿度を直接的に計測するための湿度センサを設けたものや、間接的に槽内湿度を把握できるものとし、槽内湿度に基づいて乾燥運転の終了タイミングを規定するようにすると良い。このような構成とすれば、洗濯機10は、洗濯槽35の槽内湿度を指標として最適な条件で乾燥運転を行える。
【0118】
また、上述したように、洗濯槽35の槽内湿度を直接的あるいは間接的に把握可能とした場合、洗濯機10は、洗濯槽35の槽内湿度の変化を捉えられるようにし、槽内湿度の変化に応じて乾燥運転の終了タイミングを規定されるものとすると良い。これにより、洗濯機10は、洗濯槽35の槽内湿度の変化の挙動を捉え、これを指標として最適な条件で乾燥運転を行うことが可能となる。
【0119】
また、上述した洗濯機10は、洗濯槽35に投入された洗濯物の重量に応じて、乾燥運転の運転条件が自動設定されるものであると良い。これにより、洗濯機10は。洗濯槽35に投入された洗濯物の重量を指標として最適な条件で乾燥運転を行うことが可能となる。
【0120】
なお、上述したような構成とする場合、洗濯機10は、洗濯槽35に投入された洗濯物の重量を検出する重量センサを設ける等して直接的に計測可能な構成としたり、例えば回転槽駆動部42を構成するモータの負荷を検出する等して間接的に洗濯物の重量を把握可能としたりすると良い。
【0121】
上述した洗濯機10は、洗濯槽35に投入された洗濯物の重量変化に応じて、乾燥運転の終了タイミングが規定されるものであると良い。これにより、洗濯機10は、洗濯槽35に投入された洗濯物の重量変化の挙動を捉え、これを指標として最適な条件で乾燥運転を行うことが可能となる。
【0122】
上述した洗濯機10は、洗濯槽35に供給される洗濯用水の水温に応じて、乾燥運転の運転条件が自動設定されるものであると良い。これにより、洗濯機10は、洗濯槽35に供給される洗濯用水の水温を考慮し、最適な運転条件で乾燥運転を行えるようになる。
【0123】
また、上述した洗濯機10は、室温に応じて乾燥運転の運転条件が設定されるものであると良い。これにより、洗濯機10は、室温を考慮し、最適な運転条件で乾燥運転を行えるようになる。
【0124】
上述した洗濯機10は、乾燥運転の終了後、例えば運転終了を告げる報知を行う等の動作以外、特に何らかの動作を行うものではないが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、洗濯機10は、乾燥運転の終了後、乾燥運転の運転により洗濯槽35に導入される温風の目標温度よりも所定温度Δtだけ低温の温風を、洗濯槽35に向けて所定時間毎に間欠的に導入するものであると良い。これにより、乾燥運転の後、洗濯槽35から洗濯物が取り出されることなく放置された場合であっても、洗濯物の乾燥状態が乾燥運転によって期待される状態から大きく逸脱しないように維持可能となる。
【0125】
上述したように、乾燥運転の終了後、乾燥運転の運転により洗濯槽35に導入される温風の目標温度よりも所定温度Δtだけ低温の温風を導入する場合、外気温に応じて所定温度Δtを決定すると良い。これにより、乾燥運転の後、洗濯槽35から洗濯物が取り出されることなく放置された場合において、外気温を考慮しつつ、最適な温度条件の温風を洗濯槽35に導入できる。
【0126】
上述した洗濯機10は、乾燥運転モードとして、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が選択されることを条件として、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が選択されていることを報知部が報知するものであると良い。これにより、洗濯機10は、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)が選択されていることをユーザに周知し、ふんわり乾燥モード(低乾燥運転モード)による乾燥運転を終えた乾燥度の低い洗濯物が取り出されることなく洗濯槽35に残されるのを抑制できる。
【0127】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、洗濯機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0129】
10 :洗濯機
30 :水槽
35 :洗濯槽
40 :回転槽
70 :温風供給部
116 :報知部
150 :素材把握部