(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】タトゥー装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20240312BHJP
A61M 5/178 20060101ALI20240312BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61M5/14
A61M5/178
A61M37/00
(21)【出願番号】P 2021523735
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(86)【国際出願番号】 GB2019053119
(87)【国際公開番号】W WO2020089658
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520095924
【氏名又は名称】アクティブ・ニードル・テクノロジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ACTIVE NEEDLE TECHNOLOGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】クワーク,イアン ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】サディク,ムハンマド ロハーン
(72)【発明者】
【氏名】ミカ,アンドレア ジャコモ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-533623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0354810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0192730(US,A1)
【文献】特開平09-239031(JP,A)
【文献】国際公開第2018/170176(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61M 5/178
A61M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
使用時に鋭利な端部を有する針に接続された発振器であって、使用時に前記鋭利な端部が皮膚を貫通するために、前記針の軸に沿って実質的に長手方向に1~1000Hzの第1周波数で振動を誘起するように配置され、かつ構成された第1の発振器と、
使用時に前記針に接続された第2の発振器と、
を備え、
前記第2の発振器は、皮膚層を貫通するために必要な挿入力を低下させるために、5~200kHzの周波数で前記第1の発振器よりも高い周波数で振動を誘起するように配置され、かつ構成されているタトゥー装置。
【請求項2】
前記第1の発振器は、使用時に、5~250Hzの周波数で動作する、請求項1に記載のタトゥー装置。
【請求項3】
前記第1の発振器は、使用時に、10~150Hzの周波数で動作する、請求項2に記載のタトゥー装置。
【請求項4】
前記第1の発振器によって生成される振動の大きさは、0.1~10mmの間である、請求項1~3のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項5】
前記第1の発振器によって生成される振動の大きさは、1~6mmの間である、請求項4に記載のタトゥー装置。
【請求項6】
前記第1の発振器は、(i)コイルまたは1対のコイル、(ii)回転発振器、(iii)空気圧発振器、若しくは(iv)流体駆動発振器のいずれかを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項7】
前記第2の発振器は、使用時に、10~100kHzまたは5~100kHzの周波数で動作する、請求項1~6のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項8】
前記第2の発振器が、使用時に、20~75kHzまたは25~75kHzの周波数で動作する、請求項7に記載のタトゥー装置。
【請求項9】
前記第2の発振器は、前記針と連通する電磁コイルを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項10】
前記第2の発振器は、圧電発振器を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項11】
前記圧電発振器は、(i)使用中に針に結合された単結晶、(ii)使用中に針に結合された2つ以上の結晶、(iii)1つ以上のセラミック発振器、または(iv)チタン酸ジルコン酸鉛(“PZT”)を含む1つ以上の発振器のいずれかを含む、請求項10に記載のタトゥー装置。
【請求項12】
(i)前記第2の発振器の振動を増幅するように構成されたホーン、および/または(ii)前記第2の発振器と針との間に配置されたチャンバ内に配置された浮動塊をさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項13】
前記第1の発振器および/または前記第2の発振器のいずれかが、操作者によって制御される周波数で発振するように配置され、かつ構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項14】
前記第2の発振器が前記ハウジング内で摺動または往復運動することを可能にするように配置され、かつ構成された往復装置をさらに備える、請求項1~13のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項15】
前記往復装置が、1または複数のガイドレールと、1または複数の直線スライド、若しくは1または複数の直動ベアリングとを備える、請求項14に記載のタトゥー装置。
【請求項16】
鋭利な端部を有する針をさらに備える、請求項1~15のいずれか1項に記載のタトゥー装置。
【請求項17】
前記針は、前記針の長手方向軸の周りで実質的に対称である、請求項16に記載のタトゥー装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載されているタトゥー装置と関連して使用するための実質的に対称なタトゥー針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年11月2日に出願された英国特許出願第1817950号に基づく優先権及び効果を主張する。この出願の全内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、タトゥー装置、ヒトまたは動物にタトゥーを彫る方法、およびタトゥー針に関する。様々な実施形態は、振動針、特に、タトゥー彫り装置で使用するための振動タトゥー針アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトおよび動物に美容タトゥーを施すためのタトゥー彫り装置はよく知られている。種々の異なるタイプのタトゥー装置が知られている。
【0004】
第1のタイプのタトゥー装置は、アーマチュアバーを上下に移動させるように配置された一対の電磁コイルを含む。針グループはアーマチュアバーに接続されている。振動針グループは、被験者の皮膚にインクを押し込むように配置される。
【0005】
第2のタイプのタトゥー装置は、モータハウジングの中心軸からオフセットされた突出したニップルを有するカムに接続されたDC電気モータを含む回転式タトゥー装置を備える。針アセンブリの一端は、端部ループによってニップルに取り付けられている。針アセンブリは、カムの回転動作によって針アセンブリの中心長手方向(縦方向)軸に沿って前後に移動され、それによって所望のタトゥー彫り動作を提供する。
【0006】
第3のより一般的でないタイプのタトゥー装置は、空気圧的に駆動されるタトゥー装置を含む。空気圧動力のタトゥー装置は、圧縮空気を利用して、回転するカムを駆動する。カムはオフセットニップルを提供し、針アセンブリはそれに取り付けられている。
【0007】
現在のタトゥー彫り方法は、インクが真皮に入ることを可能にする長手方向に振動する針を使用して皮膚を穿刺することを含む。インクは真皮に入り、そこにインクが保持されて、所望のパターンまたはマークが形成される。使用者は、タトゥー装置に供給される電力を変化させることによって、針の長手方向の振動が生じる速度を制御することができる。タトゥー装置は、典型的には、ライニング動作のために120~150Hzの範囲の周波数で動作し、シェーディング動作のために80Hzの周波数で動作する。
【0008】
米国特許出願第2018/0000419号(Rassman)は、針が頭皮の皮膚を貫通するときに皮膚の特性の変化を動的に感知するための1または複数のセンサを有するタトゥー彫り装置を開示している。タトゥー装置は、タトゥーアーティストが反復的なストレス障害にさらされることを減少させることができる。特に、針の動きは、動作のデューティサイクルを最小にするスポットの完了時に停止することができ、それによって、ハンドアーム振動症候群(HAVS)の原因として最も一般的に引用されている50~150Hzの振動に操作者がさらされる時間を減少させることができる。配置の弱め合う機械的干渉または音響的干渉に応じて、振動にさらされることをさらに減らすことができる。このような構成によれば、圧電結晶や小型モータのような振動素子を設けて、主な機械的振動に対して弱め合う干渉を生じさせる振動を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のタトゥー彫りの方法は、針が皮膚に衝撃を与えるときに、被験者に痛みを引き起こす可能性がある。皮膚への針の初期衝撃および進行動作の両方は、被験者に様々なレベルの痛みを引き起こす可能性があり、続いて、タトゥーを彫るときに望ましくない出血および痂皮形成を引き起こす可能性がある。針の頻繁な貫入はまた、免疫応答を誘発し得、結果として、被験者中のマイナーな病気に似た感触をもたらすことができる。この応答は、数時間または数日間持続し得る。
【0010】
タトゥー彫りでありながら、被験者に痛みおよび/または皮膚の外傷を実質的により抑えて引き起こす改善されたタトゥー装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、ハウジングと、使用時に鋭利な端部を有する針に接続された発信器であって、使用時に前記鋭利な端部が皮膚を貫通するために、前記針の軸に沿って実質的に長手方向に1~1000Hzの第1周波数で振動を誘起するように配置され、かつ構成された第1の発信器と、使用時に前記針に接続された第2の発信器と、を備え、前記第2の発振器は、皮膚層を貫通するために必要な挿入力を低下させるために、5~200kHzの周波数で前記第1の発振器よりも高い周波数で振動を誘起するように配置され、かつ構成されているタトゥー装置が提供される。
【0012】
様々な実施形態によれば、ハウジングおよびハウジングに取り付けられたタトゥー針アセンブリを含むタトゥー装置が提供される。皮膚への針の出入りを制御する、例えば、1~1000Hzまたは1~500Hzのベース周波数での従来の長手方向のタトゥー彫り動作に加えて、針アセンブリは、第2の比較的高い周波数でさらに振動される。
【0013】
様々な好ましい実施形態によれば、タトゥー装置は、針アセンブリにも結合され、さらに、1~200kHzまたは5~200kHzの範囲内であり得る第2のより高い周波数で針アセンブリを同時に振動させる第2の発振器を備える。ベース周波数の長手方向の振動に加えて針振動を提供する第2のより高い周波数の振動は、有利には、針の挿入力と皮膚が結果的に受ける力とのを減らす。その結果、本発明の様々な実施形態によるタトゥー彫り装置は、タトゥーを彫られる被験者が経験する痛みの感覚をかなり減少させることになる。
【0014】
したがって、本発明によるタトゥー装置は、当該技術分野において有意な進歩を示すことが理解される。
【0015】
米国特許出願公開第2018/0000419号(Rassman)に開示された構成は、本発明に関連していない。米国特許出願公開第2018/0000419号(Rassman)に開示されている構成に従うと、針を周波数50~150Hzで振動させる。主な機械的振動に対して弱め合う干渉を発生させるために振動を提供するために、圧電結晶または小型モータのような第2の振動素子が設けられ得る。従って、第2の振動素子はまた、主な駆動周波数、つまり周波数50~150Hz、と同じ周波数で振動するが、第2の振動素子は主な駆動周波数に対して逆位相で振動するように配置されることが理解される。その結果、2つの振動源は弱め合う干渉を生じ、針が効果的に振動しなくなり、それによって、装置が使用されていないときに、タトゥーアーティストが振動を受けないようにする。実質的な時間にわたって長時間、震動にさらされることは、潜在的に有害であり、従って、米国特許出願公開第2018/0000419号(Rassman)に開示されている配置は、震動にさらされることを低減することに有用であることが理解される。
【0016】
したがって、米国特許出願公開第2018/0000419号(Rassman)は、第1の(主駆動)発振器よりも高い周波数で振動を誘発するように配置され、構成された第2の発振器を提供することを開示していないことが理解される。特に、米国特許出願公開第2018/0000419号(Rassman)は、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を低下させるために、5~200kHzの範囲の周波数で第2の発振器を提供し、動作させることを開示していない。
【0017】
本発明の実施形態によれば、針アセンブリは、単一の先端または先端のアレイを含み得る第1の鋭利な端部を有する長手方向の針本体を備えることができる。異なる針アレイが用いられると、異なる効果を生み出され得ることが、タトゥー彫りにおいて知られている。例えば、線、陰影、および着色は、異なるパターンおよび針先端の量によって達成することができ、全て同じ針ステムから分岐し得る。
【0018】
タトゥー装置は、鋭利な端部からある距離で針または針アセンブリに接続するように構成され得る。
【0019】
タトゥー装置は、使用時に針または針アセンブリにエネルギーを効率的に伝達するように針または針アセンブリに結合され、針または針アセンブリ及びその鋭利な端部を振動させる第1の発振器および第2の発振器を含む。
【0020】
第1の発振器および第2の発振器は、タトゥー装置のハウジング内に含まれていてもよい。あるいは、発振器の一方または両方を、ハウジングの外側の針または針アセンブリに取り付けてもよい。一実施形態によれば、発振器の一方または両方は、針または針アセンブリと一体であってもよい。
【0021】
第2の発振器は、好ましくはトランスデューサを含み、圧電デバイスを含み得る。
【0022】
針または針アセンブリは、タトゥー装置に着脱自在に接続することができ、それによって、衛生上の理由のための針の交換を可能にする、またはタトゥー処置中に針のタイプを変更することができる。針または針アセンブリとタトゥー装置との間の接続は、雄型接続部材と、互いに嵌合するように構成され得る対応する雌型接続部材とを備えることができる。
【0023】
一実施形態によれば、雄型接続部材は、針または針アセンブリ上に設けられてもよく、雌型接続部材は、タトゥー装置の残りの部分に設けられてもよい。別の実施形態によれば、雌型接続部材は、針または針アセンブリ上に設けられてもよく、雄型接続部材は、タトゥー装置の残りの部分に設けられてもよい。
【0024】
接続構成は、ねじ機構を備えていてもよい。ねじ機構は、針または針アセンブリとトランスデューサとの間に大きな接触点を提供することができ、それにより、針または針アセンブリとトランスデューサとの間に安全かつ安定した接続があることを確実にすることに役立ち得る。より大きな接触点は、トランスデューサから針または針アセンブリへの振動のより確実な伝達を提供することもできる。その結果、エネルギー損失が少なく、エネルギー伝達に関してより効率的に接続を行うことができる。
【0025】
あるいは、接続構成は、バヨネット機構を備えていてもよい。接続構成はスナップフィット機構を備えていてもよい。バヨネット機構およびスナップフィット接続機構の両方は、針または針アセンブリとタトゥー装置の残りの部分との間の大きく、確実な接触点を提供し得る。バヨネットまたはスナップフィット接続は、トランスデューサに針または針アセンブリを固定するために、またはより一般的にはトランスデューサを収容することができるヘッドピースに針または針アセンブリを固定するために、圧縮またはグリップ機構の提供によらない。
【0026】
針または針アセンブリは、接続部材を使用してタトゥー装置の残りの部分に接続することができる。接続部材は、針または針アセンブリとタトゥー装置の残りの部分との間に接続されていてもよい。接続部材は、針または針アセンブリとタトゥー装置の残りの部分との間に追加の中間構成要素を備えてもよい。追加の中間構成要素は、振動振幅を増大させるために浮動自由塊を含んでいてもよい。針または針アセンブリは、ねじ機構を使用して連結部材に連結されてもよい。針または針アセンブリは、バヨネット機構を使用して接続部材に接続されてもよい。針または針アセンブリは、スナップフィット機構を使用して接続部材に接続されてもよい。針または針アセンブリは、クリップ機構を使用して接続部材に接続されてもよい。トランスデューサは、前述の接続手段のいずれかを用いて接続部材に接続されてもよい。針または針アセンブリおよびトランスデューサは、同じまたは異なる接続手段を使用して接続部材に接続されてもよい。
【0027】
接続部材は、クリップを備えていてもよい。クリップは、第1および第2のグリップ端を備えていてもよい。第1のグリップ端部は、針または針アセンブリに取り付けるように構成され得る。第2のグリップ端は、タトゥー装置の残りの部分に取り付けるように構成されてもよい。第1および第2のグリップ端部は、第1および第2のアームを備えていてもよい。第1および第2のアームは湾曲していてもよい。クリップは、プラスチック製であってもよい。
【0028】
中間接続部材を設けることにより、接続を行うために、針または針アセンブリまたはトランスデューサのいずれかを再設計する必要なしで、針または針アセンブリとトランスデューサとを一緒に接続することができる。したがって、従来の針または針アセンブリは、本発明のタトゥー装置に接続され得る。タトゥー装置は、特別に設計された針または針アセンブリが使用される必要がないように、接続部材を使用して従来の針または針アセンブリを振動させるように構成され得る。
【0029】
本発明によるタトゥー装置は、針または針アセンブリに動作可能に結合された第1および第2の発振器を含む。
【0030】
第1の発振器は、好ましくは、1~1000Hz、好ましくは5~250Hz、より好ましくは10~150Hzのような、比較的低い周波数で振動を発生するように構成される。実施形態は、1kHz以下の周波数で振動または揺れを発生させることができるように意図されている。第1の発振器は、(i)電磁コイル、一対のコイル若しくは複数のコイルを通過する電流を利用し、振動を提供する電磁コイルと、(ii)電動モータのスピンドルへの偏心アタッチメントを利用する回転発振器と、(iii)圧縮空気を利用してモータを回転させ、針棒を上下にクランクするように順に配置された空気圧発振器と、を備え得る。第1の発振器はまた、発振器を駆動するために流体を利用する発振器を備えてもよい。
【0031】
第1の発振器によって生成される振動の大きさは、0.1~10mm、好ましくは1~6mmの間であってもよい。
【0032】
第1の発振器は、好ましくは、針または針アセンブリの軸に沿って実質的に長手方向に振動を誘発するために、針または針アセンブリに動作可能に接続される。第1の発振器は、好ましくは、針または針アセンブリの鋭利な端部が真皮を貫通して、タトゥーインクが実質的に導入される穿刺を生じさせるのに十分である周波数および大きさの振動を発生させる。
【0033】
タトゥー装置は、好ましくは、第2の発振器をさらに含む。第2の発振器は、好ましくは、第1の発振器よりも高い第2周波数で振動を発生するように構成される。第2の発振器は、5kHzから200kHz、好ましくは10kHzから100kHzの間、より好ましくは25kHzから75kHzの間、より好ましくは約40kHzの振動または揺れを生成するように構成され得る。
【0034】
第2の発振器によって生成される振動または揺れの大きさは、第1の発振器によって生成される振動または揺れの大きさよりも小さいことが好ましい。第2の発振器によって生成される振動は、好ましくは0.1から500μm、より好ましくは1から100μmの間である。
【0035】
驚くべきことに、この高周波運動は、痛み(痛覚)および他のトリガを減少させることにより、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を低下させる効果を有することが見出された。加えて、痛みは、挿入後に誘発されるだけでなく、移動する針または針アセンブリによって引き起こされる摩擦によって針または針アセンブリのストロークにおける除去の前にも引き起こされ得る。針または針アセンブリの高周波運動は、これらの摩擦力を大きく減少させ、さらに痛みおよび皮膚外傷のトリガを減少させる。
【0036】
第2の発振器は、針または針アセンブリに結合された電磁コイルを備えていてもよい。電磁コイルは、電磁コイルが針または針アセンブリを針または針アセンブリの長手方向軸の周りに取り囲むように配置することができる。電磁コイルは、針または針アセンブリの任意の部分に取り付けることによって、電磁コイルが針または針アセンブリを振動させるように配置することができる。この構成では、第2の発振器は、針または針アセンブリに間接的に接続される。第2の発振器は、好ましくは、針または針アセンブリに適切に接続されたパルサリー材料を含むことができる。パルサリー材料は、振動応答が刺激から与えられるように、セラミック、結晶または他の材料のような圧電材料を含むことができる。刺激は、交流のような電流によって提供されてもよい。刺激に対する電気は、トランスデューサを介して提供されてもよい。複数のパルサリー材料を針または針アセンブリに接続することができ、針配列全体に対称性および均一な重量分布を提供するように配置することができる。
【0037】
第2の発振器は、タトゥー装置のアーマチュアバーに取り付けられるように構成され得る。第2の発振器は、接続構成を介してアーマチュアバーに接続されてもよい。
【0038】
第2の発振器は第2の端部を備えることができ、この第2の端部は、タトゥー装置の変更されたアーマチュアバーに取り付けられるように構成されている。アーマチュアバーは、ねじ機構を用いて第2の発振器に接続するように変更されてもよい。アーマチュアバーは、バヨネット機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。アーマチュアバーは、スナップフィット機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。アーマチュアバーは、クリップ機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。第2の発振器は、前記接続手段のいずれを用いて接続部材に接続されていてもよい。
【0039】
アーマチュアバーは、第2の発振器が接続されるソケットを提供するように変更されてもよい。ソケットは、対応するねじ付きの第2の発振器カラーを受容するようにねじが切られてもよい。ソケットは、対応する第2の発振器ボルトが挿入されることを可能にするように滑らかであってもよい。アーマチュアバーは、第2の発振器ボルトが挿入され得る孔を有していてもよい。ソケットは、部分的にねじ切りされていてもよい。第2の発振器ボルトは、ナットと係合するためにその近位端にねじ山が切られていてもよい。第2の発振器ボルトは、部分的にねじ切りされていてもよい。ナットは、第2の発振器および針の配置をタトゥー装置に取り付けるために、アーマチュアバーに対して締め付けられてもよい。
【0040】
第2の発振器は、タトゥー装置の変更されたカムに取り付けられるように構成されたコネクタを備えていてもよい。カムは、モータに取り付けられてもよい。カムは、ニップルのようなオフセット突出接続手段を提供することができる。カムは、ねじ機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。カムは、バヨネット機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。カムは、スナップフィット機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。カムは、クリップ機構を使用して第2の発振器に接続するように変更されてもよい。第2の発振器は、前記接続手段のいずれを用いてカムに接続されていてもよい。
【0041】
カムは、第2の発振器が接続されるソケットを提供するように変更されてもよい。ソケットは、対応するねじ付きの第2の発振器カラーを受容するようにねじが切られてもよい。ソケットは、対応する第2の発振器ボルトが挿入されることを可能にするように滑らかであってもよい。カムは、第2の発振器ボルトが挿入され得る穴を有していてもよい。ソケットは、部分的にねじ切りされていてもよい。第2の発振器ボルトは、ナットと係合するためにその近位端にねじ山が切られていてもよい。第2の発振器ボルトは、部分的にねじ切りされていてもよい。ナットは、第2の発振器および針の配置をタトゥー装置に取り付けるために、カムに対して締め付けられてもよい。
【0042】
第2の発振器に供給される電圧の振幅および/または周波数は、ユーザによって手動で制御され得る。ユーザは、制御パネルを使用して電圧および/または周波数を制御することができる。これは、ユーザが、異なるタイプの針に対して最適化されるように、電圧および/または周波数を調整することを可能にし得る。このように、ユーザは、使用されている針または針アセンブリが、その最適な周波数でタトゥー彫りのために振動していることを確実にし得る。
【0043】
第2の発振器に供給される電圧の振幅および/または周波数は、所望の発振周波数を維持するようにプログラムされ得る電子制御プログラムによって制御され得る。プログラムは、針または針アセンブリからフィードバックを受信し、データを解釈して、振幅および/または周波数を変化させ、続いて必要なレベルの針振動を維持することができる。
【0044】
針または針アセンブリは、針ハウジング内に収容されてもよい。針ハウジングは、使用時にタトゥー装置の位置および動きを制御するためのグリップ可能な部分を備えていてもよい。グリップ可能なセクションは、人間の手に適合するように人間工学的に設計され得る。グリップ可能な部分は、グリップ可能な部分と人間の手との間の摩擦を増大させる表面を提供し得る。グリップ可能な部分は、タトゥー装置のグリップを補助するためのリブの配列を含み得る。
【0045】
タトゥー装置は、好ましくは、第2の発振器がタトゥー装置のハウジング内で摺動または往復運動することを可能にするように配置され、構成された往復装置をさらに含む。往復装置は、好ましくは、1または複数のガイドレール、1または複数の直線スライド、または1または複数の直動ベアリングを備える。有利には、往復装置は、第2の発信器が、ハンドピースを含み得るハウジングに対して移動、スライドまたは往復運動することを可能にする。
【0046】
本発明の一態様によれば、ハウジングと、針と、第1の発信器と、第2の発信器とを備え、第1および第2の発信器は、その中に振動を誘起するように針に接続され、第1および第2の発信器は異なる周波数で動作する。
【0047】
第1の発振器は、好ましくは1~1000Hz、好ましくは1~500Hz、さらに好ましくは5~250Hz、より好ましくは10~150Hzの周波数で動作する。
【0048】
第1の発振器は、好ましくは、コイルまたは一対のコイルから選択され、回転発振器及び空気圧発振器である。
【0049】
様々な実施形態によれば、第2の発振器は、1kHz~200kHz、好ましくは5kHz~200kHz、さらに好ましくは10kHz~100kHz、より好ましくは25kHz~75kHz、例えば約40kHzの周波数で動作する。
【0050】
タトゥー装置は、好ましくは、被験者の痛みの知覚を減少させるように配置され、適合される。
【0051】
第2の発振器は、好ましくは、針と連通する磁気コイルを含む。
【0052】
第2の発振器は、圧電発振器を含むことができる。
【0053】
圧電発振器は、針に接続された単結晶の形態であってもよい。
【0054】
圧電発振器は、針に接続された2以上の結晶の形態であってもよい。
【0055】
圧電発振器はまた、1または複数のセラミック発振器を含むことができる。例えば、1または複数のセラミック発振器は、チタン酸ジルコン酸鉛(“PZT”)を含むことができる。
【0056】
タトゥー装置は、(i)第2の発信器の振動を増幅するように構成されたホーン、および/または(ii)第2の発信器と針または針アセンブリとの間に配置されたチャンバ内に配置された浮動塊をさらに含むことができる。
【0057】
一実施形態によれば、1または両方の発振器は、操作者によって制御される周波数で発振するように構成され得る。
【0058】
様々な実施形態によれば、上述したように、タトゥー装置に使用されるように構成された針が提供される。
【0059】
本発明の別の態様によれば、装置の通常の作動周波数よりも高い第2周波数で、タトゥー装置の針を振動させるための圧電発振器の使用が提供される。
【0060】
本発明の別の態様によれば、ヒトまたは動物にタトゥーを付する方法が提供され、その方法は、
(i)鋭利な端部を有する針を提供する工程;
(ii)1~1000Hzの周波数および5kHz~200kHzの第2周波数で同時に針を振動させる工程;
(iii)針の鋭利な端部をヒトまたは動物の皮膚に接触させて、その中に穿刺させる工程;および
(iV)穿刺にインクを塗布する工程
を含む。
【0061】
ヒトまたは動物にタトゥーを付する方法は、非治療法のいずれかを含むことが好ましい。好ましい実施態様によると、ヒトまたは動物にタトゥーを付する方法は、好ましくは、非外科的方法を含む。ヒトまたは動物にタトゥーを付する方法は、審美的な方法を含むことが好ましい。
【0062】
タトゥーは好ましくは美容であり、識別のマークを含んでいてもよい。
【0063】
他の実施形態によれば、この方法は、外科的再構成の方法として利用することができる。本発明の様々な実施形態は、治療または外科的方法に関連することが意図される。
【0064】
本発明の別の態様によれば、外科的再構成の方法が提供され、その方法は、
(i)鋭利な端部を有する針を提供する工程;
(ii)1Hzから1000Hzの周波数および1kHzから200kHzの第2周波数で同時に針を振動させる工程;及び、
(iii)針の鋭利な端部をヒトまたは動物の皮膚に接触させて、その中に穿刺させる工程;
を含む。
【0065】
任意ではあるが、この方法は、(iV)インクまたは他の化学物質または生物学的物質を穿刺に適用する工程をさらに含むことができる。例えば、患者の皮膚または真皮の表面レベルで薬物、生化学物質または治療物質を適用することが望ましい場合がある。
【0066】
一実施形態によれば、この方法は、白斑の矯正のために使用され得る。白斑は、薄い白色パッチが皮膚上に発生する長期間の状態である。それは、メラニン、皮膚中の顔料の欠如によって引き起こされる。メラニンは、メラニン細胞と呼ばれる皮膚細胞によって産生され、皮膚の色を与える役割を担う。薄い白色パッチは、特に、顔または手のような身体の可視領域上に存在する場合、患者に苦痛を引き起こす可能性があることが理解されるであろう。従って、皮膚の色調の欠陥が永久的または半永続的に補正され得る方法が考えられている。
【0067】
本発明の別の態様によれば、白斑、メラニン不足、または皮膚の色調の欠点を治療する方法が提供され、その方法は、
(i)鋭利な端部を有する針を提供する工程、
(ii)1kHzから1000Hzの周波数および1kHzから200kHzの第2周波数で同時に針を振動させる工程、
(iii)針の鋭利な端部をヒトまたは動物の皮膚に接触させて、その中に穿刺させる工程、および
(iv)インクまたは他の化学物質または生物学的物質を穿刺に適用する工程
を含む。
【0068】
この方法は、治療的または非治療的な方法を含むことができる。
【0069】
別の態様によれば、上記のようなタトゥー装置と関連して使用するための実質的に対称なタトゥー針が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明の様々な実施形態を、例示的な目的のために与えられた他の構成と共に、単に例として、および添付の図面を参照して説明する。
【
図1】
図1は、針アセンブリを振動させるように配置された一対の電磁コイルを含む公知のタトゥー装置を示す。
【
図2】
図2は、針アセンブリのループ端が取り付けられた突出したニップルを有するカムを回転させるようにDC電気モータが配置された、回転駆動機構を有する別の公知のタトゥー装置を示す。
【
図3】
図3は、針アセンブリを振動させるように、カムが空気圧で駆動される空気圧駆動機構を有する別の公知のタトゥー装置を示す。
【
図4】
図4は、一対の電磁コイルによって第1の駆動周波数で針アセンブリが振動され、加えて、皮膚の層を貫通するのに必要な挿入力を減少させるために、針アセンブリが第2のより高い周波数でトランスデューサによって追加的に同時に振動され、それによりタトゥー彫りされる被験体が感じる痛みの感覚を減少させる、本発明の好ましい実施形態を示す。
【
図5】
図5は、針アセンブリが回転駆動機構に接続され、針アセンブリが、皮膚の層を貫通するために必要とされる挿入力を減少させるために、第2のより高い周波数でトランスデューサによって追加的に同時に振動され、それによって被験者によって感じられる痛みの感覚を減少させる、本発明の別の好ましい実施形態を示す。
【
図6】
図6は、針アセンブリがシェーディングのために使用され、第2の周波数で針アセンブリを振動させるためのトランスデューサに接続される線形針先アレイを含み、トランスデューサが電磁コイル駆動機構に接続されるように配置される、好ましい実施形態による針アセンブリの側面図を示す。
【
図7】
図7は、好ましい実施形態による針アセンブリの側面図であり、針アセンブリは一端に直線状の針先アレイを有し、針アセンブリの他端は回転カムに配置された突出したニップルに針アセンブリを取り付けるためのループアタッチメントを有し、針アセンブリを第2のより高い周波数で追加的に振動させるために、針アセンブリの一部の周りに電磁コイルが設けられている。
【
図8】
図8は、好ましい実施形態による針アセンブリの側面図で、針アセンブリの一端が直線状の針先アレイを有し、針アセンブリの他端が回転カムに配置された突出したニップルに針アセンブリを取り付けるためのループアタッチメントを有し、圧電板などの脈動性材料が針アセンブリに取り付けられている。
【
図9】
図9は、単一の尖った針端とトランスデューサ取り付け手段を備えた好ましい実施形態による針アセンブリの側面図である。
【
図10】
図10は、単一の尖った針端、トランスデューサ取り付け手段、および切断されたトランスデューサユニットを備えた好ましい実施形態による針アセンブリの側面図である。
【
図11】
図11は、直線状の針先アレイと、回転駆動機構に取り付けるためのループアタッチメントを備えた好ましい実施形態による針アセンブリの側面図であり、針または針アセンブリを第2のより高い周波数で振動させるために、脈動材および/またはトランスデューサユニットも取り付けられている。
【
図12】
図12は、直線状の針先アレイとループアタッチメントを備えた好ましい実施形態による針アセンブリの側面図であり、電磁コイルおよび/またはトランスデューサユニットが、針アセンブリを第2のより高周波数で振動させるために設けられている。
【
図13a】
図13aは、円形の針先パターンに対応するために円筒形の針棒から針先が伸びているタトゥーの針先を示す透視図である。
【
図13b】
図13bは、円形の針先パターンに対応するために円筒形の針棒から針先が伸びているタトゥーの針先を示す透視図である。
【
図13c】
図13cは、円形の針先パターンに対応するために円筒形の針棒から針先が伸びているタトゥーの針先を示す透視図である。
【
図13d】
図13dは、円形の針先パターンに対応するために円筒形の針棒から針先が伸びているタトゥーの針先を示す透視図である。
【
図13e】
図13eは、直線的な針先パターンに対応するために平らになっている針棒から針先が伸びているタトゥーの針先を示す透視図である。
【
図13f】
図13eは、直線的な針先パターンに対応するために平らになっている針棒から針先が伸びているタトゥーの針先を示す透視図である。
【
図15】
図15は、タトゥー装置がハンドピースを備え、ハンドピース内のトランスデューサが内部ガイドレールに沿って往復運動する、本発明の一実施形態を示す。
【
図16】
図16は、タトゥー装置がハンドピースを備え、ハンドピース内のトランスデューサが、ハンドピース内に設けられた直線スライドに沿って往復運動する、本発明の一実施形態を示す。
【
図17】
図17は、タトゥー装置がハンドピースを備え、ハンドピース内のトランスデューサが、ハンドピース内に設けられた直動ベアリング上で往復運動する、本発明の一実施形態を示す。
【
図18】
図18は、トランスデューサの重量による求心力を打ち消すために設けられた偏心塊を含むカムが提供される、本発明の一実施形態を示す。
【
図19】
図19は、様々な実施形態に係る異なるタイプの針ホルダを示す。
【
図20】
図20は、様々な実施形態にしたがって、針ホルダがハンドピースにどのように取り付けられ得るかを示す。
【
図21】
図21は、針穿孔深さを調節することができる、異なる実施形態を示す。
【
図22】
図22は、来の非対称シェーダ針と、その非対称針を長手方向に振動させたときに得られるモード形状の対応画像で、望ましくない横方向の動きがある程度認められる。
【
図23】
図23は、本発明の一実施形態による対称型のシェーダ針と、この対称型の針を望ましくない横方向の動きが観察されない縦方向に振動させたときに得られるモード形状の対応画像を示す。
【
図24】
図24は、自由塊がトランスデューサによって運動して針に衝突し、トランスデューサが直接針に接触することなく、針が動く又は振動する実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
種々の異なるタイプのタトゥー装置が知られている。特に、既知のタトゥー装置は、アーマチュアに関連する1対の電磁コイル、又はカムを回転するDC電気モータによって振動させられる針アセンブリを備える。
【0072】
図1は、既知の電磁コイルタトゥー装置を示す。既知の電磁コイルタトゥー装置は、フロントコイル2及び、バック又はリアコイル3を備えた駆動機構を動力アーマチュア5と連動して支持するフレームベース6を有するタトゥー装置本体21を備える。針アセンブリは、管万力蝶ねじ4を介して駆動機構に接続されている。針アセンブリを囲むユーザグリップ1が設けられている。タトゥー装置は、さらに、フロントスプリング7と、バックスプリング8と、コンタクトスクリュー9とを備えている。
【0073】
図2は、公知の回転タトゥー装置を示す。公知の回転タトゥー装置は、モータハウジングを支持するフレームベース6を備えている。モータハウジングは、突出ニップル108を有するカム107に接続されたDC電動モータ104を収容する。突出ニップル108は、モータハウジングの中心軸からオフセットされている。一端に鋭利な端部を有し、他端に端部ループ52を有する針アセンブリが、端部ループ52を介してニップル108に接続されるか、さもなければ取り付けられる。針アセンブリは、ユーザグリップ1を支持する管万力蝶ねじ4を通過する。針アセンブリは、カム107の回転運動によって針アセンブリの長手方向中心軸に沿って前後に振動し、それにより、所望のタトゥー彫り動作を提供する。
【0074】
より一般的ではないタトゥー装置は、空気圧動力のタトゥー装置を含む。
【0075】
図3は、圧縮空気を使用して突出ニップル108を有するカム107を駆動する既知の空気圧式タトゥー装置を示す。カム107はオフセットニップル108を支持し、針アセンブリのループ端52は突出ニップル108に取り付けられている。カム107が回転すると、針アセンブリは、針アセンブリの中心軸に沿って前後に直線方向に駆動される。ユーザグリップ1は、針アセンブリを包囲する。
【0076】
本発明の種々の実施形態について説明する。
【0077】
図4は、振動する針アセンブリが電磁コイルタトゥー装置の本体21に接続されている本発明の好ましい実施形態を示す。
【0078】
電磁コイルタトゥー装置は、フロントコイル2とバック又はリアコイル3とからなる駆動機構を動力アーマチュア5と連動して支持するフレームベース6を有するタトゥー装置本体21を備えている。針アセンブリは、管万力蝶ねじ4を介して駆動機構に接続されている。ユーザグリップ1は、針アセンブリを囲むユーザグリップ1が設けられている。タトゥー装置は、さらに、フロントスプリング7と、バックスプリング8と、コンタクトスクリュー9とを備えている。
【0079】
この特定の実施形態によれば、タトゥー装置は、好ましくは1~1000Hzまたは1~500Hzの第1周波数で低周波針移動を発生させるために電磁コイルシステムを使用する。様々な実施形態によれば、第1周波数は1kHz以下であり得る。
【0080】
針アセンブリは、好ましくは、トランスデューサハウジング22に収容されたトランスデューサを介してタトゥー装置本体21に接続された針ハウジング20に収容される。トランスデューサ接続ワイヤ23が図示されており、これは好ましくはユーザ制御発生器ユニット(図示せず)に接続されている。トランスデューサ22は、好ましくは1~200kHzまたは5~200kHzの周波数で針または針アセンブリに高周波振動を与えるように構成される。振動の周波数は、制御自在な発生器ユニットを調整することによって、ユーザによって制御され得る。
【0081】
電磁コイルシステムは、好ましくは、長手方向の針振動の周波数を変化させるために、好ましくは使用者によって制御自在な別個の電源によって給電される。針振動は、ユーザによって作動されるフットペダルによって活性化されてもよい。
【0082】
針アセンブリは、好ましくは、針アセンブリの端部を介してトランスデューサ22に接続され、針アセンブリは、好ましくは、六角形状のカラー36を含み、そこから延びる突出したねじ付き円筒37を有する。ねじ付きシリンダ37は、トランスデューサハウジング22に設けられた対応する雌ネジ付きソケットに挿入され得るように配置されてもよい。
【0083】
アーマチュアバー5は、好ましくは、トランスデューサ接続バー46の直径よりも大きい直径を有する遠位端に設けられた孔を有する。トランスデューサ接続バーの一端は、アーマチュアバー5内の孔を貫通するねじ部47を有していてもよい。これにより、ナット50がねじ付けされ得る突出したトランスデューサバー端部を提供する。トランスデューサハウジング22の方向へナット50をトランスデューサバー部分47にねじ込むことによって、アーマチュアバー5は、好ましくはトランスデューサハウジング22に接続され、従って、ニードルアセンブリに接続される。アセンブリが組み立てられると、電磁コイル駆動機構によってアーマチュアバーが移動されるときに、針は、その後、タトゥー彫りのために必要な長手方向に実質的に移動する。
【0084】
図5は、回転駆動システムが針アセンブリを振動させるために使用される本発明の別の実施形態を示す。この実施形態によれば、針アセンブリは、トランスデューサハウジング22を介して回転駆動システムに取り付けられる。針アセンブリの一端は、トランスデューサハウジング38内の対応する雌ねじ付きソケットに挿入される突出したねじ付きシリンダ37を有する六角形のプロファイルカラー36を含む。トランスデューサの他端は、カム107の表面に設けられた突出ニップル108に取り付けられるループ状の針端部24を備える。カム107は、好ましくは、DC電気モータ104によって回転される。
【0085】
図6は、一実施形態による針アセンブリを示す。針アセンブリは、好ましくは、第1の端部29と、中間の細長い円筒状の本体部分26と、第2の端部セクションとを備える。
【0086】
針本体の一部が矩形板28の平坦面と重なるように第1の端部29に平板状の矩形板28が取り付けられ、符号30で示される箇所で取り付けられる針本体の表面は矩形板28の平坦面に対して接線方向にある。針本体は矩形板28の長さの約1/3だけ矩形板28と重なることが好ましい。しかしながら、針本体と矩形板28との固定する任意の重複は十分である。
【0087】
平板状の矩形板28は、針本体の第1の端部29が接続される針本体接合端と、中央本体領域と、針アレイ端部33とを備えていることが好ましい。針アレイ端部33は、鋭利物として知られる小径針の配列を有することが好ましい。
【0088】
各鋭利物は、好ましくは、針アレイ33がインク供給源に浸されると、形成されたギャップがインクを保持できるように分離され、針アレイ33がタトゥー目的の皮膚に入り、インクを真皮に導入すると、毛管作用を提供するように分離される。
【0089】
図7は、一端に直線状の針先アレイ33と、他端に回転駆動機構に接続するように構成された第2の端ループアタッチメント52とを備える針アセンブリが提供される実施形態を示す。この実施形態では、針本体26は、電磁コイル54によって囲まれて示されている。電磁コイル54は、好ましくは、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を低下させるために、針が第2のより高い周波数で振動するように、針アセンブリに接続され得る可変電気刺激に反応するように配置される。
【0090】
図8は、針アセンブリが、一端に矩形の針先アレイ33と、回転駆動機構に接続するように構成された第2の端ループアタッチメント52とを含む別の実施形態を示す。この実施形態では、針のタトゥー彫り端部は、圧電板、セラミックまたは他のデバイスのようなパルサリー材料55が取り付けられ得る中央平坦領域を提供する。パルサリー材料55は、針が第2のより高い周波数で振動するように、針アセンブリに接続され得る可変電気刺激に反応するように配置され得る。
【0091】
図6を参照すると、細長い針本体部分の第2の端部は、針本体の長手方向軸とカラー36とが同軸になるように六角形状のカラー36の平坦な表面に接続されてもよい。六角形カラー36は、好ましくは、カラー36の外側に向いた面の中心点から生じる突出したねじ付きシリンダ37(
図9参照)を提供する。ねじ付きシリンダ37は、好ましくは、トランスデューサハウジング22内の対応する雌ネジ付きソケットに挿入され得るように配置される。
【0092】
トランスデューサハウジング22は、予め組み立てられた電気トランスデューサ(図示せず)を含む略円筒形の中空部品を備えていてもよい。トランスデューサハウジング22の略円筒形の輪郭は、好ましくは、第1の針端部29から第2の端部までの中心長手方向軸に沿って延在する。トランスデューサハウジング22は、好ましくは、トランスデューサハウジング22の長手方向軸線に対して90°に配向された平坦面によって各端部で閉じられる。トランスデューサハウジング22の長手方向軸線に対して平坦な面から突出する第1の端部において、ねじ付きソケットを提供する環状カラー42が設けられ、ねじ付きソケットは、好ましくは、ねじ付きシリンダ37に接続または対応するように配置される。
【0093】
トランスデューサハウジング22の他方の平坦面は、好ましくは、トランスデューサハウジング22の第2の端平面からトランスデューサハウジング22の中心長手方向軸に沿って離れて延びる別の環状カラー44を含み、第2の環状カラー44およびトランスデューサハウジング22も同軸になる。第2の環状カラー44は、好ましくは、内部にねじ切りされたソケットを含む。内部ねじ付きソケットは、好ましくは、円筒形バー46と係合する。円筒形バー46は、その第1の端部(図示せず)にねじ部を有する細長い円筒状部材と、(
図4から分かるように)その第2の端部にねじ部47とを備えていてもよい。円筒形バー46は、好ましくは、タトゥー装置のアーマチュアバー5の幅よりも小さい直径を有する。
【0094】
望ましい実施形態によれば、アーマチュアバー5は、トランスデューサ接続バーの第2の端部ねじ部47がアーマチュアバー5の穴を貫通し得るように、円筒形トランスデューサ接続バー46よりも大きな直径を有する遠位端に穴を提供するように修正されることが好ましい。これにより、ナット50がねじ付けされ得る、突出したトランスデューサバーの第2の端部が提供される。ナット50をねじ付きトランスデューサバー部分47にトランスデューサハウジング22の方向へねじ込むことにより、アーマチュアバー5はトランスデューサハウジング22に接続され、結果的に針アセンブリに接続される。アセンブリが組み立てられると、アーマチュアバーの移動がコイルタトゥー装置によって発生されるときに、針は、その後、タトゥー彫りのために必要とされる長手方向に移動する。
【0095】
図11を参照して以下でより詳細に説明するように、別の実施形態によれば、円筒形バーは、トランスデューサハウジング22の第2の端部の平坦面からトランスデューサハウジングの中心長手方向軸に沿って、針棒中心長手方向軸がトランスデューサハウジング22と同軸になるように延在し得る。延長された針棒の第2の端部において、ループ52は、好ましくは、回転駆動機構のカムに設けられたゴムニップル108に対応する内径を有し、ループ52がゴムニップル108に取り付けられて針を針の長手方向の動きが生じたときに適所に保持することができるように設けられてもよい。接続手段は、コイル、回転式または空気圧式のタトゥー装置と組み合わせて使用することができる。
【0096】
ねじ付き針端部は、ねじ込み動作によってトランスデューサハウジング22内の対応するねじ付きソケットに挿入され、トランスデューサハウジング22の長手方向軸を針の長手方向軸とあわせて配置させ、完全に係合するまで時計回りに回転させながら、ねじ付き針端部をねじ付きトランスデューサハウジングソケットに向かって押すことができる。
【0097】
図9は、単一の先端がタトゥー彫り端として使用される別の実施形態を示す。単一の先端がタトゥー彫り端として使用される場合、平板28は省略されてもよい。
【0098】
図9は、単一の尖った第1の針先端と、トランスデューサ接続手段37を含む第2の針端とを含む針アセンブリを示す。
【0099】
図10は、非係合にされたトランスデューサハウジングユニット22を有する
図9の針アセンブリを示す。
【0100】
図11は、矩形の針先アレイ33と、トランスデューサ接続手段を含む第2の針端と、トランスデューサハウジング22と、回転駆動機構に接続するように構成されたトランスデューサ端ループアタッチメント52とを含む針アセンブリを示す。この実施形態では、針のタトゥー彫り端部は、圧電板、セラミックまたはその他のようなパルサリー材料55が取り付けられてもよい中央平坦領域を提供する。パルサリー材料55は、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を低下させるために、針が第2のより高い周波数で振動するように、針アセンブリに接続され得る可変電気刺激に反応するように配置され得る。
【0101】
図12は、矩形の針先アレイ33と、トランスデューサ接続手段を含む第2の針端と、トランスデューサハウジング22と、回転駆動機構に接続するように構成されたトランスデューサ端ループアタッチメント52とを含む針アセンブリを示す。この実施形態では、針本体26は、電磁コイル54によって囲まれて示されている。電磁コイル54は、好ましくは、針が第2のより高い周波数で振動するように針アセンブリに接続され得る可変電気刺激に反応するように配置される。
【0102】
針アレイは、
図13a~
図13kに示されるように、様々な一般的に使用されるパターンを含み得る。パターンは、タトゥー彫りの際に皮膚の異なるインク被覆量を提供するために、針先端の数および針先端の配置において変化する。鋭利物34は針棒から延びており、この針棒は、(
図13a~13dに示されているような)円形の鋭利なパターンを収容するように円筒形であってもよく、または(
図13eおよび
図13f示されているように)直線状の鋭利なパターンを収容するために平らであってもよい。針アレイ33は、はんだまたは他の永久金属接着剤のような金属溶接によって針本体29の第1の端部に恒久的に接続されている。
【0103】
図6~
図12を参照して図示され説明された前述の実施形態の任意の組み合わせは、第1のベース周波数および第2のより高い周波数の両方を有するタトゥー彫り装置を提供する手段として使用され得、タトゥーを彫る動作が実質的に低いレベルの痛みを引き起こし、結果として顧客にとってより良い品質をもたらし得る。
【0104】
パルサリー材料55が第2の発振器として使用される場合、針または針アセンブリに取り付けられた1または複数のパルサリー材料55が存在し得る。針または針アセンブリの対称性を維持することが有利である。したがって、使用時に針または針アセンブリの非直線運動を回避するために、パルサリー材料55を複数の針領域に取り付けることができる。パルサリー材料55は、異なる形状またはサイズで提供されてもよく、トランスデューサ22内に存在してもよく、または針または針アセンブリに直接取り付けられてもよい。針または針アセンブリに作用する振動の振幅を増加または減少させるために、ホーンのような増幅構造を針または針アセンブリと共に使用することができる。
【0105】
図14は、完全なタトゥーシステムの可能な配置のブロック図を示す。タトゥー装置60は、針59に接続されたトランスデューサ56を備える。トランスデューサ56は、タトゥー装置60を介して、および発電ユニット57aを介して電源58に配線される。電気発生器ユニット57aは、供給電圧を変化させることができるように、ユーザによって制御可能である。発電ユニット57aは、針59の周波数および振動振幅を追跡することができる専用の適応自在な誘導電子制御ボックスを備えていてもよい。供給電圧を変化させると、ユーザは、トランスデューサ56によって提供される針振動の周波数を調整することができる。これは、針59が皮膚に入るときの侵入力を低下させる効果を有する。発電ユニット57aのトリガは、フットペダル61によって制御されてもよい。ユーザまたはタトゥーアーティストは、システムをライブにするためにフットペダル61に係合することができる。発電ユニット57aは、トランスデューサ駆動周波数および電気インピーダンスの変化を監視するように配置され、リアルタイムで変化する条件に適合し得る。
【0106】
別の実施形態では、破線で示されるように、トランスデューサ56が発電機ユニット57bに直接配線されてもよく、及び/又は、針59がタトゥー装置に接続されてもよい。
【0107】
図15は、タトゥー装置が、針ホルダ105が取り付けられたハンドピース100を含む実施形態を示す。針ホルダ105は、バヨネット嵌合によってハンドピース100に取り付けられてもよい。DC電気モータ104は、ハンドピース100内に設けられてもよく、偏心カム107を回転させるように配置されてもよい。カム107は、コンロッド106を介してトランスデューサ22に接続されてもよい。この実施形態によれば、トランスデューサ22のハウジングが、ガイドレール101に沿って自由に往復運動できるように、ガイドレール101が設けられている。トランスデューサ22のハウジングは、好ましくは、針または針アセンブリが、DC電気モータ104によって決定された第1周波数で振動または揺れるように、針または針アセンブリに接続される。望ましい実施形態によれば、針または針アセンブリは、DC電気モータ104によって1~1000Hzの範囲の第1周波数で振動することができる。さらに、針または針アセンブリは、例えば5~200kHzのより高い第2周波数で動作することが好ましい第2の発振器(すなわち、トランスデューサ22)によって第2周波数で同時に振動され得る。5~200kHzの第2のより高い周波数で針または針アセンブリを振動させることは、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を有利に低下させ、それによって、タトゥーを施される被験者が経験する痛みの知覚を著しく低下させる。
【0108】
図16は、タトゥー装置が、針ホルダ105が取り付けられたハンドピース100を含む実施形態を示す。針ホルダ105は、異なる浸透深さを示す複数のバヨネット接続によってハンドピース100に取り付けられてもよい。DC電気モータ104は、ハンドピース100内に設けられてもよく、偏心カム107を回転させてもよい。カム107は、コンロッド106を介してトランスデューサ22に接続されてもよい。この実施形態によれば、トランスデューサ22のハウジングが直線スライド102に沿って自由に往復運動できるように、直線スライド102が提供される。トランスデューサ22のハウジングは、好ましくは、針または針アセンブリがDC電気モータ104によって決定される第1周波数で振動または揺れるように、針または針アセンブリに接続される。好ましい実施形態によれば、針または針アセンブリは、DC電気モータ104によって1~1000Hzの範囲の第1周波数で振動することができる。さらに、針または針アセンブリは、好ましくは、例えば5~200kHzの第2のより高い周波数で動作される第2の発振器(すなわち、トランスデューサ22)によって同時に振動され得る。5~200kHzの第2のより高い周波数で針または針アセンブリを振動させることは、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を有利に低下させ、それによって、タトゥーを施される被験者によって経験される痛みの知覚を著しく低下させる。
【0109】
図17は、タトゥー装置が、針ホルダ105が取り付けられたハンドピース100を含む実施形態を示す。針ホルダ105は、ねじ付きコレットを使用してクランプされる、またはハンドピース100のハウジングに直接ねじ込まれることによって、ハンドピース100に取り付けられ得る。DC電気モータ104は、ハンドピース100内に設けられてもよく、トランスデューサ22の重量に起因する求心力を相殺するために、好ましくは付加的な質量を有する偏心カム107aを回転させることができる。付加的な質量を有するカム107aは、好ましくは、コンロッド106を介してトランスデューサ22に接続される。この実施形態によれば、トランスデューサ22のハウジングは、好ましくは、直動ベアリング103に沿って自由に往復運動できるように設けられる。トランスデューサ22のハウジングは、好ましくは、針または針アセンブリがDC電気モータ104によって決定される第1周波数で振動または揺れるように、針アセンブリに接続される。好ましい実施形態によれば、針または針アセンブリは、DC電気モータ104によって1~1000Hzの範囲の第1周波数で振動することができる。さらに、針または針アセンブリは、好ましくは、例えば5~200kHzの第2のより高い周波数で動作される第2の発振器(すなわち、トランスデューサ22)によって同時に振動され得る。5~200kHzの第2のより高い周波数で針または針アセンブリを振動させることは、皮膚層を貫通するのに必要な挿入力を有利に低下させ、それによって、タトゥーを施される被験者によって経験される痛みの知覚を著しく低下させる。
【0110】
図18は、カム107aが、トランスデューサ22の重量による求心力を打ち消すように配置された偏心塊を含む実施形態をより詳細に示す。
【0111】
様々な実施形態による上述したような往復運動機構は、タトゥー装置がオンであるとき、モータはトランスデューサ22及び針アセンブリを毎秒数回前後に移動させるように機能することが好ましい。塊は約60グラムであってもよい。この塊の急速な動きが、装置を振動させ、タトゥー彫りを基本的で些細な問題にする。様々な記載された往復運動機構は、このような問題を実質的に軽減することができる。また、(白色の指として知られている)レイノー現象を誘導するために、持続期間にわたってこのような振動の可能性がある。往復運動機構は、反対方向へのバランス力を提供し、効果的に振動を相殺し、そうでなければ、持続期間後にユーザに傷害を引き起こす可能性がある。
【0112】
図19は、様々な実施形態による異なるタイプの針ホルダを示す。一実施形態によれば、針ホルダは、湾曲グリップ105aと、ファセットグリップ105bまたは三角グリップ105cとを有することができる。針ホルダが異なる形状のグリップを有することができる他の実施形態も考えられる。
【0113】
図20は、様々な実施形態にしたがって、針ホルダ105をハンドピース100に取り付けるための様々な異なる取り付け機構を示す。一実施形態によれば、針ホルダ105は、ねじ付きコレット108を使用してクランプされてもよく、またはハンドピース100に直接ねじ止めされてもよい。別の実施形態によれば、針ホルダ105は、バヨネット接続109を用いてハンドピース100にクランプされてもよい。さらに別の実施形態によれば、針ホルダ105は、1つまたは複数のグラブねじ110またはドリルチャックを用いてハンドピース100に取り付けられ得る。
【0114】
図21は、針刺入深さを調節することができるさらなる実施形態を示す。一実施形態によれば、ねじ付き針ホルダ111は、目盛マーキングを備えていてもよい。別の実施形態によれば、異なる浸透深さを表す複数のバヨネット接続112を設けることができる。別の実施形態によれば、調節可能なホルダ先端部113は、針ホルダ105に取り付けられてもよい。
【0115】
図22は、従来の非対称シェーダ針のCADモデルと、従来の非対称針を長手方向に振動させ、望ましくない横方向の動きの範囲が観察されるときに得られるモード形状の対応する画像とを示す。明らかなように、従来の針の非対称性は、超音波振動が例えばトランスデューサによって活性化されるときに、針の望ましくない曲げまたは横方向の動きをもたらすことがある。針の望ましくない横方向の動きは、タトゥー装置またはタトゥーガンの性能に影響を及ぼす可能性がある。さらに、望ましくない横方向の動きは、針が長時間連続して使用された場合に、最終的に破損する可能性のある従来の針のライフサイクルを減少させることができる。
【0116】
図23は、本発明の一実施形態による対称シェーダ針のCADモデルと、対称針を長手方向に振動させたときに得られるモード形状の対応する画像とを示し、望ましくない横方向の動きが観察されないことが有利である。有限要素モデル化および分析(FEM/FEA)は、針の純粋な長手方向の動きが得られ、針の横方向の動きによる問題が実質的に減少または完全に軽減されていることを示している。
【0117】
図24は、針ボス121によって密封されたチャンバ内に設けられた自由浮動塊123がトランスデューサ122によって動き出し、針120に衝撃することで針がトランスデューサ122と好ましくは同じ周波数で移動または振動する実施形態を示している。これにより、針120は、トランスデューサ122が針に直接接触することなく移動または振動する。この実施形態によれば、針120は、あるときは針120と接触し、別のときはトランスデューサ122と接触する自由塊123によって振動することが好ましい。自由塊123の動きは、ピストンによって一方の側で打撃されるシリンダ内の球状物体に類似し、このエネルギーをシリンダの他方の端部で針に付与する。自由塊123の効果は、振動振幅を増加させ、トランスデューサのサイズおよび/または電力の低減を得ることを可能にすることである。
【0118】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更を行うことができることは、当業者には理解されるであろう。
【図 】
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