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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】マイクロ磁気光学光ファイバスイッチ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/09 20060101AFI20240312BHJP
   G02B 6/27 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G02F1/09 503
G02B6/27
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021576536
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 CN2020104979
(87)【国際公開番号】W WO2021023050
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】201910725636.5
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】金暁峰
(72)【発明者】
【氏名】陳輝竜
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-154148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0003651(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109814284(CN,A)
【文献】特開2003-177277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00- 1/125
G02F 1/21- 7/00
G02B 6/26- 6/27
G02B 6/30- 6/34
G02B 6/42- 6/43
G02B 6/35
G02B 26/00-26/08
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロトリプル光ファイバコリメータ、マイクロ電流コイル、及びマイクロ空間光処理光学コアからなり、コイルの電流方向を制御することにより、1×2光ファイバスイッチ構造と2×1光ファイバスイッチ構造を実現するマイクロ磁気光学光ファイバスイッチであって、
前記マイクロトリプル光ファイバコリメータは、一列に均一に配置された3穴キャピラリ、3本のシングルモード光ファイバ、及びコリメートマイクロレンズをマイクロ光学プロセスにより接着組立してなり、3本のシングルモード光ファイバは3穴キャピラリ内にそれぞれ配置されてかつ間隔が均一であり、コリメートマイクロレンズは3本のシングルモード光ファイバの入力光をそれぞれ空間内の3つの方向にコリメートし、マイクロ光学調整と接着組立により、マイクロトリプル光ファイバコリメータ構造内での3本のシングルモード光ファイバのコリメート空間光の角度の均一性を実現しており、
前記マイクロ電流コイルは、電流の作用により空間飽和磁場を発生させ、この磁場の空間配向はコイル軸心と平行であり、
前記マイクロ空間光処理光学コアは、第1偏光分光プリズムと、波長板と、磁気光学結晶と、第2偏光分光プリズムとをこの順に接着した構成であり、第1偏光分光プリズムは、第1全反射面と、偏光分光面と、第2全反射面と第3全反射面とを上からこの順に含み、第2偏光分光プリズムは、第1全反射面と、偏光分光面と第2全反射面とを上からこの順に含み、波長板は、磁気光学結晶と組み合わせて光ビームの偏光状態を変化するように構成され、
前記波長板は、入力される水平偏光光に発生させる45°の偏光回転と、入力される垂直偏光光に発生させる135°の偏光回転とを実現し、
前記磁気光学結晶は、内部磁場保磁力を有するファラデー旋光結晶であり、内部磁場保磁力の方向は、マイクロ電流コイルが発生する空間飽和磁場の方向と互いに平行であり、磁気光学結晶の内部磁場保磁力によって、入力される直線偏光光に45°または-45°の偏光状態回転が発生し、この内部磁場保磁力の方向は光伝送方向と平行であり、
マイクロ電流コイルが発生させた空間飽和磁場の下で、この磁場方向と保磁力方向とが逆である場合、磁気光学結晶の内部磁場保磁力が反転し、保持力の反転によって、発生するファラデー旋光方向も反転し、すなわち直線偏光光のファラデー回転角が45°から-45°になるか、または-45°から45°になり、
前記3穴キャピラリ内の3本のシングルモード光ファイバは、上から、第2シングルモード光ファイバ、第3シングルモード光ファイバ、第1シングルモード光ファイバの順に配列され、
前記コリメートマイクロレンズは、前記第2シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、前記第1偏光分光プリズムの前記第2全反射面に到達させ、前記第1シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、前記第1偏光分光プリズムの前記第1全反射面に到達させ、前記第3シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面に到達させ、
前記マイクロ磁気光学光ファイバスイッチは、コイル電流方向を変えることにより、空間飽和磁場の方向の切換を実現し、さらに、磁気光学結晶の旋光方向の順方向と逆方向を制御することにより、異なる光ファイバポートでの光ビーム導通チャネルの切換を実現し、
前記第1偏光分光プリズムの前記第3全反射面は、前記第1偏光分光プリズムの前記第2全反射面で反射された光を、前記第2偏光分光プリズムの前記第2全反射面に向かって全反射するように配置され、
前記波長板と前記磁気光学結晶は、前記第1偏光分光プリズムおよび前記第2偏光分光プリズムよりも、上下方向のサイズが小さく、前記第1偏光分光プリズムの前記第3全反射面と、前記第2偏光分光プリズムの前記第2全反射面とは、前記波長板と前記磁気光学結晶を挟まずに対向し、反射した光を相互に到達させることができるように構成され、
前記第2偏光分光プリズムの前記偏光分光面は、前記第2偏光分光プリズムの前記第2全反射面から到達した光を偏光分光し、一方の偏光を反射し、前記波長板と前記磁気光学結晶を通過させて、前記第1偏光分光プリズムの前記第2全反射面に到達させ、他方の偏光を透過し、前記第2偏光分光プリズムの前記第1全反射面に到達させるように構成され、
前記第2偏光分光プリズムの前記第1全反射面は、前記第2偏光分光プリズムの前記偏光分光面から到達した光を全反射して、前記波長板と前記磁気光学結晶を通過させて、前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面に到達させるように構成され、
前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面は、前記第2偏光分光プリズムの前記第1全反射面から到達した光のうち所定の一方の偏光を反射し、他方の偏光を透過するよう構成され、
前記第2シングルモード光ファイバから前記第1偏光分光プリズムの前記第2全反射面に入射した光は全反射され、前記第1偏光分光プリズムの前記第3全反射面に到達してさらに全反射され、前記波長板と前記磁気光学結晶とを通過することなく、前記第2偏光分光プリズムに入射し、前記第2偏光分光プリズムの前記第2全反射面で反射された後、前記第2偏光分光プリズムの前記偏光分光面または第1全反射面によって直交する偏光がそれぞれ反射されて折り返され、前記磁気光学結晶と前記波長板とを順に通過し、前記マイクロ電流コイルが発生させた空間飽和磁場の方向に応じて偏光方向が回転し、前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面により直交する偏光がそれぞれ反射および透過されることにより一つのビームに合成され、前記第1全反射面に到達して前記第1シングルモード光ファイバへ、または、前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面から前記第3シングルモード光ファイバへ、前記空間飽和磁場の方向に応じて選択的に入射し、
前記第1シングルモード光ファイバから前記第1偏光分光プリズムの前記第1全反射面に入射した光は、前記第1偏光分光プリズムの前記第1全反射面で反射された後、前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面または第2全反射面によって直交する偏光がそれぞれ反射され、前記マイクロ電流コイルから制御された空間飽和磁場が印加された前記波長板と前記磁気光学結晶とを順に通過し、前記第2偏光分光プリズムに入射し、一方の偏光は前記第2偏光分光プリズムの前記第1全反射面で反射され、前記第2偏光分光プリズムの前記偏光分光面において前記一方の偏光が透過され、他方の偏光が反射されることにより、一つのビームに合成され、さらに、前記第2偏光分光プリズムの前記第2全反射面で反射されて折り返され、前記波長板と前記磁気光学結晶とを通過することなく、再び第1偏光分光プリズムに入射して前記第1偏光分光プリズムの前記第3全反射面で反射され、前記第2全反射面でさらに反射されて前記第2シングルモード光ファイバに入射し、
前記第3シングルモード光ファイバから前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面に入射した光は、前記第1偏光分光プリズムの前記偏光分光面または前記第2全反射面によって直交する偏光がそれぞれ反射され、前記マイクロ電流コイルから制御された空間飽和磁場が印加された前記波長板と前記磁気光学結晶とを順に通過し、前記第2偏光分光プリズムに入射し、一方の偏光は前記第2偏光分光プリズムの前記第1全反射面で反射され、前記第2偏光分光プリズムの前記偏光分光面において前記一方の偏光が透過され、他方の偏光が反射されることにより、一つのビームに合成され、さらに、前記第2偏光分光プリズムの前記第2全反射面で反射されて折り返され、前記波長板と前記磁気光学結晶とを通過することなく、再び前記第1偏光分光プリズムに入射して前記第1偏光分光プリズムの前記第3全反射面で反射され、前記第2全反射面でさらに反射されて第2シングルモード光ファイバに入射する
ことを特徴とするマイクロ磁気光学光ファイバスイッチ。
【請求項2】
1×2光ファイバスイッチ構造である前記マイクロ磁気光学光ファイバスイッチの具体的な光路は:電流によってコイルが発生する磁場を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を時計回りに45°回転にすると、コリメートマイクロレンズは、第2シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、第1偏光分光プリズムの第2全反射面、第1偏光分光プリズムの第3全反射面、第2偏光分光プリズムの第2全反射面を順に経てから、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割され、正常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面で90度反射された後、磁気光学結晶に到達し、磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計回りに45°回転し、正常光ビームの偏光方向が水平x軸方向になり、異常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面での透過、第2偏光分光プリズムの第1全反射面での反射を経てから磁気光学結晶に到達し、異常光ビームは磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計周りに45°回転し、異常光線の偏光状態が垂直y軸方向になり、波長板を通過した正常光ビームは、第1偏光分光プリズムの第2の全反射面で反射された後、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に対して異常光ビームとなり、波長板を通過した異常光ビームは第1偏光分光プリズムに到達し、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に対して正常光ビームとなり、第1偏光分光プリズムの偏光分光面は2つの光ビームを1つのビームに合成し、合成光ビームは、第1偏光分光プリズムの第1の全反射面を出てから、マイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第1シングルモード光ファイバによって受けられて出力され、
電流によってコイルが発生する磁場を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を反時計回りに45°回転にすると、コリメートマイクロレンズは、第2シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、第1偏光分光プリズムの第2全反射面、第1偏光分光プリズムの第3全反射面、第2偏光分光プリズムの第2全反射面を順に経てから、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割され、正常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面で90度反射された後、磁気光学結晶に到達し、磁気光学結晶によって偏光方向が-45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計回りに45°回転し、正常光ビームの偏光状態が変化せず、その偏光方向は垂直y軸方向に沿ったままであり、異常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面での透過、第2偏光分光プリズムの第1全反射面での反射を経てから磁気光学結晶に到達し、異常光ビームは磁気光学結晶によって偏光方向が-45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計周りに45°回転し、異常光線の偏光状態も変化せず、その偏光方向は水平x軸方向に沿ったままであり、波長板を通過した正常光ビームは第1偏光分光プリズムの第2全反射面で反射された後、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、波長板によって出力された異常光ビームとがこの偏光分光面で偏光合波され、偏光分光面は二つの光ビームを一つのビームに偏波合波し、合成光ビームはマイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第3シングルモード光ファイバによって受けられて出力され、
コイルの電流方向を制御することで、磁気光学結晶のファラデー旋光の順方向または逆方向を切り換え、さらにマイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第2シングルモード光ファイバ入力から第1シングルモード光ファイバ出力、または第2シングルモード光ファイバ入力から第3シングルモード光ファイバ出力までの切換を選択的に実現することにより、1×2光ファイバスイッチの構造を実現するように、
実現されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチ。
【請求項3】
2×1光ファイバスイッチ構造である前記マイクロ磁気光学光ファイバスイッチの具体的な光路は:電流によってコイルが発生する磁場を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を反時計回りに45°回転にすると、コリメートマイクロレンズは、第1シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、第1偏光分光プリズムの第1全反射面で反射された後、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割され、正常光ビームは、第1偏光分光プリズムの偏光分光面で反射された後、波長板に到達し、波長板によって偏光方向が反時計回りに45°回転した後、磁気光学結晶によって偏光方向が-45°回転し、正常光ビームの偏光状態は水平x軸方向になり、そして、第2偏光分光プリズムの第1全反射面で反射された後、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、異常光ビームは、第1偏光分光プリズムの偏光分光面での透過、第1偏光分光プリズムの第2全反射面での反射を順に経てから波長板に到達し、異常光ビームは波長板によって偏光方向が反時計回りに45°回転した後、さらに磁気光学結晶によって偏光方向が-45°回転し、異常光ビームの偏光状態は垂直y軸方向になって、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、第2偏光分光プリズムの偏光分光面は、2つの光ビームを1つのビームに合成し、合成光ビームは順に、第2偏光分光プリズムの第2全反射面での反射、第1偏光分光プリズムの第3全反射面の反射、第1偏光分光プリズムの第2全反射面での反射を経てから、マイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第2シングルモード光ファイバに受けられて出力され、
電流によってコイルが発生する磁場を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を時計回りに45°回転にすると、コリメートマイクロレンズは、第3シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に入射させ、完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割され、正常光ビームは、第1偏光分光プリズムの偏光分光面での反射、第1偏光分光プリズムの第2全反射面での反射を順に経てから波長板に到達し、波長板によって偏光方向が反時計回りに45°回転した後、さらに磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転し、正常光ビームの偏光状態は変化せず、その偏光方向は垂直y軸方向に沿ったままであり、そして、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、異常光ビームは、第1偏光分光プリズムの偏光分光面を透過した後、波長板に到達し、さらに、波長板によって偏光方向が反時計回りに45°回転した後、さらに磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転し、異常光ビームの偏光状態は変化せず、その偏光方向は水平x軸方向に沿ったままであり、そして、第2偏光分光プリズムの第1全反射面で反射された後、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、第2偏光分光プリズムの偏光分光面は、2つの光を1つのビームに合成し、合成光ビームは順に、第2偏光分光プリズムの第2全反射面での反射、第1偏光分光プリズムの第3全反射面の反射、第1偏光分光プリズムの第2全反射面での反射を経てから、マイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第2シングルモード光ファイバに受けられて出力され、
コイルの電流方向を制御することで、磁気光学結晶のファラデー旋光の順方向または逆方向を切り換え、さらにマイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第3シングルモード光ファイバ入力または第1シングルモード光ファイバ入力から第2シングルモード光ファイバ出力までの切換を選択的に実現することにより、2×1光ファイバスイッチの構造を実現するように、
実現されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチ。
【請求項4】
電流によってコイルが発生する磁場方向を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を反時計回りに45°回転させると、波長板において2つの光伝送方向に生じる+45°と-45°偏光回転と相殺または重畳することにより、マイクロトリプル光ファイバコリメータにおいて第1シングルモード光ファイバ入力から第2シングルモード光ファイバ出力まで、第2シングルモード光ファイバ入力から第3シングルモード光ファイバ入力までの周回光路導通方式を実現することができ、
電流によってコイルが発生する磁場方向を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を時計回りに45°回転させると、波長板において2つの光伝送方向に生じる+45°と-45°偏光回転と重畳または相殺することにより、マイクロトリプル光ファイバコリメータにおいて第3シングルモード光ファイバ入力から第2シングルモード光ファイバ出力まで、第2シングルモード光ファイバ入力から第1シングルモード光ファイバ入力までの周回光路導通方式を実現することができ、
コイルの電流方向を制御することによって、上記の2つの周回光路スイッチ切換の機能を実現することができ、一部の応用にこのような周回光路光ファイバスイッチ切換のサポートを提供することができる
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学及び光ファイバ通信の技術分野に属し、具体的には、マイクロ磁気光学光
ファイバスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバスイッチは、光学システムにおいて、1つまたは複数の入力光ファイバポート
と1つまたは複数の出力ポートとの間を切り換えるために使用される光デバイスである。
光ファイバスイッチは、情報によってロードされた伝送光チャネルを接続および切断する
ために光ファイバ通信システムで使用され、ネットワーク保護、リンククロスコネクトお
よび挿入分岐多重化などの機能を提供する。また、光ファイバスイッチによって、レーザ
のように光源にパルス光信号を発生させるために使用することができ、または光ファイバ
スイッチを用いてロード情報を変調するか、または光ファイバ経路を切断することによっ
て、その関連機能を達成するために使用することができる。
【0003】
一種の簡単なタイプの光ファイバスイッチは、1つの入力ポートと2つの出力ポートとの
間で光スイッチングを提供できる1×2光ファイバスイッチ、または2つの入力ポートと
1つの出力ポートとの間で光スイッチングを提供できる2×1光ファイバスイッチである
。光学屈折と反射を利用する1×2または2×1光ファイバスイッチは、信頼性が非常に
高く、挿入損失が小さく、製造が容易である。1×2または2×1光ファイバスイッチは
既に無線通信業界で、例えば保護スイッチング、ラベルスイッチングなどに広く使用され
ている。1×2光ファイバスイッチは、例えば1×4および1×8光ファイバスイッチの
ような大きなサイズのスイッチを構成するためにも使用されている。いくつかの場合にお
いて、1×4および1×8光ファイバスイッチを構成するためにいくつかの1×2光ファ
イバスイッチを適用することで、製造の複雑度を減少させるか、エネルギー消費量を減少
させるか、または占用される物理的空間を減少させることができる。
【0004】
これらの光ファイバスイッチを実現するには多くの技術があり、例えばメカニカル光スイ
ッチ、MEMSスイッチ、熱光学スイッチ、液晶光スイッチ、磁気光学スイッチ、音響光
学スイッチと半導体電気光学スイッチなどがあり、それぞれのスイッチング技術にはそれ
ぞれの特徴がある。例えば、メカニカル光ファイバスイッチは現在最も広く応用されてい
る光ファイバポートスイッチングデバイスであり、非常に小さい挿入損失とクロストーク
特性を有しているが、そのスイッチング時間はミリ秒範囲内に制限されており、デバイス
自体の体積が大きい。他のMEMS光スイッチ、熱光学光スイッチ及び液晶光スイッチ技
術などを利用するメカニズムが実現するスイッチの応答速度も比較的に遅く、一般的にも
ミリ秒オーダーである。磁気光学技術と音響光学技術によって、数十マイクロ秒から数百
マイクロ秒間の光ファイバスイッチング速度を実現することができる。一方、半導体電気
光学スイッチの速度はナノ秒オーダーに達することができるが、偏波依存性と導波路結合
損失が大きいなどの欠点がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
磁気光学スイッチは、磁場によって偏光光のファラデー回転を発生させるメカニズムを利
用して光チャンネルのスイッチ切換技術を実現するのであって、磁場方向を制御して更に
は磁気光学結晶の旋光方向の順方向と逆方向を制御することで、一つまたは複数の光ファ
イバポートの導通経路の切換を実現する光ファイバスイッチ技術である。従来の磁気光学
スイッチ技術に比べて、本発明はマイクロ磁気光学光ファイバスイッチを提供し、この磁
気光学光ファイバスイッチは1つのマイクロトリプル光ファイバコリメータ、1つのマイ
クロ電流コイル、及び1つのマイクロ空間光処理光学コアに基づくマイクロ構造の光ファ
イバスイッチであり、電流コイルの電流方向を制御することにより、1×2構造、2×1
構造などのさまざまな構造の光ファイバポート経路切換を実現する。
【0006】
マイクロ磁気光学光ファイバスイッチは、一つのマイクロトリプル光ファイバコリメータ
、一つのマイクロ電流コイル、及び一つのマイクロ空間光処理光学コアからなり、コイル
の電流方向を制御することにより、1×2光ファイバスイッチ構造と2×1光ファイバス
イッチ構造を実現する。
【0007】
前記マイクロトリプル光ファイバコリメータは、一列に均一に配置された3穴キャピラリ
、3本のシングルモード光ファイバ、及びコリメートマイクロレンズをマイクロ光学プロ
セスにより接着組立してなるものである。3本のシングルモード光ファイバは3穴キャピ
ラリ内にそれぞれ配置されてかつ間隔が均一であり、コリメートマイクロレンズは3本の
シングルモード光ファイバの入力光をそれぞれ空間内の3つの方向にコリメートし、マイ
クロ光学調整と接着組立により、マイクロトリプル光ファイバコリメータ構造内での3本
のシングルモード光ファイバのコリメート空間光の角度の均一性を実現する。
【0008】
前記マイクロ電流コイルは、電流の作用により空間飽和磁場を発生させ、この磁場の空間
配向はコイル軸心と平行である。
【0009】
前記マイクロ空間光処理光学コアは、第1偏光分光プリズムと、波長板と、磁気光学結晶
と、第2偏光分光プリズムとがマイクロ光学接着組立によって構成されている。第1偏光
分光プリズムは、第1全反射面と、偏光分光面と、第2全反射面と第3全反射面とをこの
順に含む。第2偏光分光プリズムは、第1全反射面と、偏光分光面と、第2全反射面とを
この順に含む。波長板は、磁気光学結晶と組み合わせて光ビームの偏光状態を変化するた
めに用いられる。
【0010】
前記波長板の光軸配向は、光伝送断面の水平方向に対し22.5°であり、さらには入力
される水平偏光光に発生させる45°の回転と、入力される垂直偏光光に発生させる13
5°の偏光回転とを実現する。または、前記波長板の光軸配向は、光伝送断面の垂直方向
に対し22.5°であり、さらには入力される垂直偏光光に発生させる45°の回転と、
入力される水平偏光光に発生させる135°の偏光回転とを実現する。
【0011】
前記磁気光学結晶は、内部磁場保磁力を有するファラデー旋光結晶であり、内部磁場保磁
力の方向は、マイクロ電流コイルが発生する空間飽和磁場の方向と互いに平行である。磁
気光学結晶の内部磁場保磁力によって、入力される直線偏光光に45°または-45°の
偏光状態回転が発生し、この内部磁場保磁力の方向は光伝送方向と平行である。
【0012】
マイクロ電流コイルが発生させた空間飽和磁場の下で、この磁場方向が保磁力方向と逆で
ある場合、磁気光学結晶の内部磁場保磁力が反転し、保持力の反転によって、発生するフ
ァラデー旋光方向も反転し、すなわち直線偏光光のファラデー回転角が45°から-45
°になるか、または-45°から45°になる。
【0013】
さらに、前記マイクロ磁気光学光ファイバスイッチは、コイル電流方向を変えることによ
り、空間飽和磁場の方向の切換を実現し、さらに、磁気光学結晶の旋光方向の順方向と逆
方向を制御することにより、異なる光ファイバポートでの光ビーム導通チャネルの切換を
実現する。
【0014】
さらに、1×2光ファイバスイッチ構造である前記マイクロ磁気光学光ファイバスイッチ
の具体的な光路は、以下のように実現される:電流によってコイルが発生する磁場を制御
することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を時計回りに45°(すなわち順方向+4
5°)回転にすると、コリメートマイクロレンズは、第2シングルモード光ファイバから
の光を平行光ビームにコリメートして、第1偏光分光プリズムの第2全反射面、第1偏光
分光プリズムの第3全反射面、第2偏光分光プリズムの第2全反射面を順に経てから、第
2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過
すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸
方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割さ
れる。正常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面で90度反射された後、磁気
光学結晶に到達し、磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転した後、さらに波長板
によって偏光方向が時計回りに45°回転し、正常光ビームの偏光方向が水平x軸方向に
なる。異常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面での透過、第2偏光分光プリ
ズムの第1全反射面での反射を経てから磁気光学結晶に到達し、異常光ビームは磁気光学
結晶によって偏光方向が+45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計周り
に45°回転し、異常光線の偏光状態が垂直y軸方向になる。波長板を通過した正常光ビ
ームは、第1偏光分光プリズムの第2の全反射面で反射された後、第1偏光分光プリズム
の偏光分光面に到達し、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に対して異常光ビームとなる
。一方、波長板を通過した異常光ビームは第1偏光分光プリズムに到達し、第1偏光分光
プリズムの偏光分光面に対して正常光ビームとなり、第1偏光分光プリズムの偏光分光面
は2つの光ビームを1つのビームに合成し、合成された光ビームは、第1偏光分光プリズ
ムの第1の全反射面を出てから、マイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第1シング
ルモード光ファイバによって受けられて出力される。
【0015】
電流によってコイルが発生する磁場を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向
を反時計回りに45°(すなわち逆方向-45°)回転にすると、コリメートマイクロレ
ンズは、第2シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、第1
偏光分光プリズムの第2全反射面、第1偏光分光プリズムの第3全反射面、第2偏光分光
プリズムの第2全反射面を順に経てから、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、
完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つ
の光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水
平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割される。正常光ビームは、第2偏光分光プリズ
ムの偏光分光面で90度反射された後、磁気光学結晶に到達し、磁気光学結晶によって偏
光方向が-45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計回りに45°回転し
、正常光ビームの偏光状態が変化せず、その偏光方向は垂直y軸方向に沿ったままである
。異常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面での透過、第2偏光分光プリズム
の第1全反射面での反射を経てから磁気光学結晶に到達し、異常光ビームは磁気光学結晶
によって偏光方向が-45°回転した後、さらに波長板によって偏光方向が時計周りに4
5°回転し、異常光線の偏光状態も変化せず、その偏光方向は水平x軸方向に沿ったまま
である。波長板を通過した正常光ビームは第1偏光分光プリズムの第2全反射面で反射さ
れた後、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、波長板によって出力された異常光
ビームとがこの偏光分光面で偏光合波され、偏光分光面は二つの光ビームを一つのビーム
に偏波合波し、合成光ビームはマイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第3シングル
モード光ファイバによって受けられて出力される。
【0016】
コイルの電流方向を制御することで、磁気光学結晶のファラデー旋光の順方向または逆方
向を切り換え、さらにマイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第2シングルモード光
ファイバ入力から第1シングルモード光ファイバ出力、または第2シングルモード光ファ
イバ入力から第3シングルモード光ファイバ出力までの切換を選択的に実現することによ
り、1×2光ファイバスイッチの構造を実現する。
【0017】
さらに、2×1光ファイバスイッチ構造である前記マイクロ磁気光学光ファイバスイッチ
の具体的な光路は、以下のように実現される:電流によってコイルが発生する磁場を制御
することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を反時計回りに45°(すなわち逆方向-
45°)回転にすると、コリメートマイクロレンズは、第1シングルモード光ファイバか
らの光を平行光ビームにコリメートして、第1偏光分光プリズムの第1全反射面で反射さ
れた後、第1偏光分光プリズムの偏光分光面に到達し、完全偏光状態の光ビームが偏光分
光面を通過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向
が垂直y軸方向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビーム
とに分割される。正常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面で反射された後、
波長板に到達し、波長板によって偏光方向が反時計回りに45°回転した後、磁気光学結
晶によって偏光方向が-45°回転し、正常光ビームの偏光状態は水平x軸方向になり、
そして、第2偏光分光プリズムの第1全反射面で反射された後、第2偏光分光プリズムの
偏光分光面に到達する。異常光ビームは、第2偏光分光プリズムの偏光分光面での透過、
第1偏光分光プリズムの第2全反射面での反射を順に経てから波長板に到達し、異常光ビ
ームは波長板によって偏光方向が反時計回りに45°回転した後、さらに磁気光学結晶に
よって偏光方向が-45°回転し、異常光ビームの偏光状態は垂直y軸方向になって、第
2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達する。第2偏光分光プリズムの偏光分光面は、2
つの光ビームを1つのビームに合成し、合成光ビームは順に、第2偏光分光プリズムの第
2全反射面での反射、第1偏光分光プリズムの第3全反射面の反射、第1偏光分光プリズ
ムの第2全反射面での反射を経てから、マイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第2
シングルモード光ファイバに受けられて出力される。
【0018】
電流によってコイルが発生する磁場を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向
を時計回りに45°(すなわち順方向+45°)回転にすると、コリメートマイクロレン
ズは、第3シングルモード光ファイバからの光を平行光ビームにコリメートして、第1偏
光分光プリズムの偏光分光面に入射させ、完全偏光状態の光ビームが偏光分光面を通過す
ると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光ビーム、すなわち、偏光方向が垂直y軸方
向に沿った正常光ビームと、偏光方向が水平x軸方向に沿った異常光ビームとに分割され
る。正常光ビームは、第1偏光分光プリズムの偏光分光面での反射、第1偏光分光プリズ
ムの第2全反射面での反射を順に経てから波長板に到達し、波長板によって偏光方向が反
時計回りに45°回転した後、さらに磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転し、
正常光ビームの偏光状態は変化せず、その偏光方向は垂直y軸方向に沿ったままであり、
そして、第2偏光分光プリズムの偏光分光面に到達する。異常光ビームは、第1偏光分光
プリズムの偏光分光面を透過した後、波長板に到達し、さらに、波長板によって偏光方向
が反時計回りに45°回転した後、磁気光学結晶によって偏光方向が+45°回転し、異
常光ビームの偏光状態は変化せず、その偏光方向は水平x軸方向に沿ったままであり、そ
して、第2偏光分光プリズムの第1全反射面で反射された後、第2偏光分光プリズムの偏
光分光面に到達する。第2偏光分光プリズムの偏光分光面は、2つの光を1つのビームに
合成し、合成光ビームは順に、第2偏光分光プリズムの第2全反射面での反射、第1偏光
分光プリズムの第3全反射面の反射、第1偏光分光プリズムの第2全反射面での反射を経
てから、マイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第2シングルモード光ファイバに受
けられて出力される。
【0019】
コイルの電流方向を制御することで、磁気光学結晶のファラデー旋光の順方向または逆方
向を切り換え、さらにマイクロトリプル光ファイバコリメータ内の第3シングルモード光
ファイバ入力または第1シングルモード光ファイバ入力から第2シングルモード光ファイ
バ出力までの切換を選択的に実現することにより、2×1光ファイバスイッチの構造を実
現する。
【0020】
さらに、電流によってコイルが発生する磁場方向を制御することで、磁気光学結晶が発生
する偏光方向を反時計回りに45°回転させると、波長板において2つの光伝送方向に生
じる+45°と-45°偏光回転と相殺または重畳することにより、マイクロトリプル光
ファイバコリメータにおいて第1シングルモード光ファイバ入力から第2シングルモード
光ファイバ出力まで、第2シングルモード光ファイバ入力から第3シングルモード光ファ
イバ入力までの周回光路導通方式を実現することができる。
【0021】
電流によってコイルが発生する磁場方向を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光
方向を時計回りに45°回転させると、波長板において2つの光伝送方向に生じる+45
°と-45°偏光回転と重畳または相殺することにより、マイクロトリプル光ファイバコ
リメータにおいて第3シングルモード光ファイバ入力から第2シングルモード光ファイバ
出力まで、第2シングルモード光ファイバ入力から第1シングルモード光ファイバ入力ま
での周回光路導通方式を実現することができる。
【0022】
コイルの電流方向を制御することによって、上記の2つの周回光路スイッチ切換の機能を
実現することができ、一部の応用にこのような周回光路光ファイバスイッチ切換のサポー
トを提供することができる。
【0023】
さらに、前記3穴キャピラリ内の3本のシングルモード光ファイバは、上から順に、第2
シングルモード光ファイバ、第3シングルモード光ファイバ、第1シングルモード光ファ
イバの順に配列されている。
【0024】
本発明の磁気光学スイッチは、コイル内の電流方向により順方向と逆方向の磁場を発生さ
せ、磁気光学結晶の旋光方向の順方向と逆方向を制御し、さらに光ビームの異なるポート
での切換を実現する。つまり、全体の構造は安定で一体であり、可動部品がないため、磁
気光学スイッチに超高なチャネル切換再現性、超長な寿命保証をもたらす。
【0025】
本発明の磁気光学スイッチにおける偏光分光プリズムは、十分に小さい縦方向距離で、任
意の偏光状態の光ビームを互いに垂直な2つの偏光光ビームに分解することができ、任意
の大きさの横方向離間距離を発生させることができる。逆に、互いに垂直な2つの偏光光
ビームを1つの光ビームに合成することもでき、これにより、トリプル光ファイバコリメ
ータの重なり長さが長いことと、距離が長いほどコリメータスポットが大きくなるという
矛盾を解消し、スポットが小さいトリプル光ファイバコリメータの小さな重なり長さでの
切換機能を実現することができる。
【0026】
実際に実現されたデバイスは、以下のような寸法を採用することができる:偏光分光プリ
ズムは0.6mmの厚さを採用して、マイクロ空間光処理光学コアの寸法は2.6mm以
内に抑えて、コリメートレンズのスポット直径大きさは0.22mmとして、トリプル光
ファイバコリメータの重なり長さは4-7mmに抑え、コリメータの全長は12mmに抑
えてもよく、最終的な光ファイバスイッチデバイスの長さは18mm以内に抑えて、横方
向の寸法は4.8mm以内に抑えてもよい。
【0027】
本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチは、トリプル光ファイバコリメータとマイ
クロ空間光処理光学コアとを使用し、複数のスイッチ動作モードを同時に有するマイクロ
構造磁気光学光ファイバスイッチを実現し、多動作モード、構造が簡単、超小体積、低挿
入損失、低偏波依存性損失、片側配線、超高チャネル切換再現性と超高寿命などの利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの構造模式図である。
図2】本発明における波長板および磁気光学結晶がビーム偏光状態を変えた、すなわち時計回りに45°回転した模式図である。
図3】本発明における波長板および磁気光学結晶がビーム偏光状態を変えた、すなわち反時計回りに45°回転した模式図である。
図4】本発明において光のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの光ファイバ12から光ファイバ11までの光路原理模式図である。
図5】本発明において光のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの光ファイバ12から光ファイバ13までの光路原理模式図である。
図6】本発明において光のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの光ファイバ11から光ファイバ12までの光路原理模式図である。
図7】本発明において光のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの光ファイバ13から光ファイバ12までの光路原理模式図である。
図8】本発明の磁気光学光ファイバスイッチにける周回光路の各ポートからの方向の光路模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明をより具体的に説明するために、以下、図面と具体的な実施形態を組み合わせて本
発明の技術案を詳細に説明する。
【0030】
図1に示すように、本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチは、トリプル光ファイ
バコリメータ21と、第1偏光分光プリズム31と、波長板41と、磁気光学結晶51と
、第2偏光分光プリズム32と、コイル61と、を含み、第1偏光分光プリズム31、波
長板41、磁気光学結晶51、第2偏光分光プリズム32は、マイクロ光学プロセスによ
り接着組立されて磁気光学スイッチ光学コアを構成している。磁気光学スイッチ光学コア
内の第1偏光分光プリズム31は、第1全反射面311、偏光分光面312、第2全反射
面313及び第3全反射面314を含み、第2偏光分光プリズム32は、第1全反射面3
21、偏光分光面322及び第2全反射面323を含む。
【0031】
トリプル光ファイバコリメータ21は、コリメータレンズ、3穴キャピラリ、光ファイバ
11、12および光ファイバ13を含み、光ファイバ11はコリメータレンズによりコリ
メートビーム211に結合され、光ファイバ12はコリメータレンズによりコリメートビ
ーム212に結合され、光ファイバ13はコリメータレンズによりコリメートビーム21
3に結合される。周回光路切換モードにおける共通光ファイバポートによる結合入力と出
力光路とを区別するために、光ファイバ12の出力チャネルに対応するコリメートビーム
を212と、光ファイバ12の入力に対応するコリメートビームを212’と表記する。
【0032】
図1図2及び図3を参照して、本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの波長板
及び磁気光学結晶によって光ビームの偏光状態を変化させる模式図であり、本発明のマイ
クロ磁気光学光ファイバスイッチによって光路切換を実現する偏光状態偏向のメカニズム
部分である。
【0033】
図1において、コイル61に逆方向(その中の一つの方向を順方向として、もう一つの方
向を逆方向として定義する)の電流が流れると、逆方向磁場が発生し、このとき、コイル
61の磁場中にある磁気光学結晶51は図示の方向に対して反時計回りに45°(-45
°)回転する。図2に示すように、光ファイバ11->光ファイバ12の方向と光ファイ
バ12->光ファイバ13の方向とに伝搬する。光ファイバ11から入射した光ビームは
、第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312によって、互いに直交する2つの偏光光
、すなわち正常光と異常光に分解される。正常光の偏光方向はy軸方向に沿って、211
oと表記され、異常光の偏光方向は水平x軸方向に沿って、211eと表記される。21
1oと211eとの2つの光は、波長板41により、偏光方向がそれぞれ左右45°の偏
光光211o’および211e’となるように反時計回りに45°(-45°)回転し、
さらに磁気光学結晶51により-45°回転し、元のy軸方向の211o光がx軸の偏光
方向となり、元のx軸方向の211e光がy軸の偏光方向となり、そして、第2偏光分光
プリズム32の偏光分光面322によって光ファイバ12に合成されて出力される。図2
から分かるように、光ファイバ12->光ファイバ13の方向に伝搬すると、波長板41
による-45°回転と、磁気光学結晶51による-45°回転とが重畳し、偏光光が90
°回転する結果となる。図2に示すように、光ファイバ12->光ファイバ13の方向に
伝搬すると、光ファイバ12から入射した光ビームは、第2偏光分光プリズム32の偏光
分光面322により、水平x軸方向の偏光光212eと垂直y軸方向偏光光212oとに
分離され、磁気光学結晶51により-45°方向に回転して偏光光212e’、212o
’となり、そして波長板41により+45°回転し、元のx軸方向の212e光はx軸方
向偏光光のままで、元のy軸方向の212o光はy軸方向偏光光のままであり、最後は第
1偏光分光プリズム31の偏光分光面312によって光ファイバ13に合成されて出力さ
れる。図2から分かるように、光ファイバ12->光ファイバ13の方向に伝搬すると、
磁気光学結晶51の-45°回転と波長板41の+45°回転が相殺され、偏光光が0°
回転する結果となる。
【0034】
図1において、コイル61に順方向の電流が流れると、順方向の磁場が発生し、このとき
、コイル61の磁場中にある磁気光学結晶51は、図示方向に対して時計回りに45°(
+45°)回転する。図3に示すように、光ファイバ12->光ファイバ11方向と光フ
ァイバ13->光ファイバ12方向の伝搬を分析し、光ファイバ12から入射した光は、
第2偏光分光プリズム32の偏光分光面322により、互いに直交する2つの偏光光、す
なわち正常光と異常光に分解される。異常光の偏光方向は水平x軸方向に沿って、212
eと表記され、正常光の偏光方向はy軸方向に沿って、212oと表記される。212e
と212oとの2つの光は、磁気光学結晶51により+45°方向に回転して偏光光21
2e’と212o’となり、そして波長板41により+45°回転し、元のx軸方向の2
12e光はy軸方向偏光光となり、元のy軸方向の212o光はx軸方向偏光光となり、
最後は第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312によって光ファイバ11に合成され
て出力される。図3から分かるように、光ファイバ12->光ファイバ11の方向に伝搬
すると、磁気光学結晶51の+45°回転と波長板41の+45°回転が重畳され、偏光
光が90°回転する結果となる。図3に示すように、光ファイバ13->光ファイバ12
の方向に伝搬すると、光ファイバ13から入射した光ビームは、第1偏光分光プリズム3
1の偏光分光面312によって、水平x軸方向偏光光213eと垂直y軸方向偏光光21
3oとに分離され、213eと213oとの2つの光ビームはは、波長板41により、偏
光方向がそれぞれ左右45°の偏光光213e’および213o’となるように反時計回
りに45°(-45°)回転し、さらに磁気光学結晶51により+45°回転し、元のx
軸方向の213e光はx軸偏光方向のままで、元のy軸方向の213o光はy軸偏光方向
のままであり、そして、第2偏光分光プリズム32の偏光分光面322によって光ファイ
バ12に合成されて出力される。図3から分かるように、光ファイバ13->光ファイバ
12の方向に伝搬すると、波長板41の-45°回転と磁気光学結晶51の+45°回転
が相殺され、偏光光が0°回転する結果となる。
【0035】
図4および図5は、本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの1×2動作モードの
光路を説明する図である。図4は、本発明においてコイル61に順方向電流を流して順方
向磁場を発生させた場合の、光の磁気光学スイッチの光ファイバ12から光ファイバ11
までの光路原理模式図である。図5は、本発明においてコイル61に逆方向電流を流して
逆方向磁場を発生させた場合の、光の磁気光学スイッチの光ファイバ12→光ファイバ1
3までの光路原理模式図である。
【0036】
図4を参照し、トリプル光ファイバコリメータ21は、第2シングルモード光ファイバ1
2からの光を平行光ビーム212にコリメートし、光ビーム212が第1偏光分光プリズ
ム31の第2全反射面313に入射すると、第1偏光分光プリズム31の第3全反射面3
14まで反射され、そして第2偏光分光プリズム32の第2全反射面323まで反射され
る。光ビーム212は、全反射面323で反射された後、第2偏光分光プリズム32の偏
光分光面322に到達し、光ビーム212が偏光分光面322を通過すると、互いに垂直
な偏光状態を有する2つの光、すなわち、水平x軸方向に沿った異常光212e、y軸方
向に沿った正常光212oに分割される。光ビーム212oは、偏光分光面322で反射
された後、磁気光学結晶51に到達する。光ビーム212oは、磁気光学結晶51を通過
すると、偏光方向が+45°回転し212o’と表記され、さらに波長板41を通過する
と偏光方向がさらに+45°回転し、元のy軸方向の212o光がx軸方向の偏光光とな
り、211eと表記される。光ビーム212eは、偏光分光面322を透過した後、第2
偏光分光プリズム32の全反射面321に到達し、全反射面321で反射されて磁気光学
結晶51に到達する。光ビーム212eは、磁気光学結晶51を通過すると、偏光方向が
+45°回転して212e’と表記され、さらに波長板41を通過して偏光方向がまた+
45°回転し、元のx軸方向の212e光がy軸方向の偏光光となり、211oと表記さ
れる。図3の下のxy平面断面図には、光ファイバ12→光ファイバ11の光ビーム21
2oおよび212eから光ビーム211eおよび211oへの偏光状態の変化が示される
。光ビーム211eは、第1偏光分光プリズム31に到達すると、第1偏光分光プリズム
31の全反射面313で反射された後、第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312に
到達し、光ビーム211oも第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312に到達する。
第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312は、2つの光ビームを1つのビームに合成
し、合成光ビームは211となり、合成光ビーム211は第1コリメータ21の第3シン
グルモード光ファイバ11に受けられて出力される。
【0037】
コイルの電流方向を制御することで、磁気光学結晶のファラデー旋光の順方向(+45°
)と逆方向(-45°)を切り換え、さらにトリプル光ファイバコリメータにおける第2
シングルモード光ファイバ12入力から第1シングルモード光ファイバ11出力まで(1
2→11)または第3シングルモード光ファイバ出力まで(12→13)の切換を選択的
に実現することにより、1×2光ファイバスイッチの光路構造を実現する。
【0038】
コイル61に逆方向電流を流して逆方向磁場を発生させた場合、図5を参照し、光の磁気
光学スイッチの光ファイバ12から光ファイバ13までの光路原理模式図である。光ファ
イバ212から、第2偏光分光プリズム32の偏光分光面322によって分光された光ビ
ーム211oは、偏光分光面322で反射されて磁気光学結晶51を通過すると、偏光方
向が-45°回転し212o’と表記され、さらに波長板41を通過すると偏光方向がさ
らに+45°回転し、元のy軸方向の212o光がy軸方向の偏光光のままであり、21
3oと表記される。光ビーム212eは、偏光分光面322を透過した後、第2偏光分光
プリズム32の第1全反射面321に到達し、反射された後、磁気光学結晶51に到達す
る。光ビーム212eは、磁気光学結晶51を通過すると、偏光方向が-45°回転して
212e’と表記され、さらに波長板41を通過して偏光方向がまた+45°回転し、元
のx軸方向の212e光がx軸方向の偏光光のままであり、213eと表記される。図2
の下のxy平面断面図には、光ファイバ12→光ファイバ13の光ビーム212oおよび
212eから光ビーム213oおよび213eへの偏光状態の変化が示される。光ビーム
213oは、第1偏光分光プリズム31に到達すると、第1偏光分光プリズム31の全反
射面313で反射された後、第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312に到達し、光
ビーム213eも第1偏光分光プリズム31の偏光分光面312に到達する。第1偏光分
光プリズム31の偏光分光面312は、2つの光ビームを1つのビームに合成し、合成光
ビームは213となり、合成光ビーム213は第1コリメータ21の第3シングルモード
光ファイバ13に受けられて出力される。
【0039】
図6および図7は、本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチの2×1動作モードの
光路を説明する図である。図6は、本発明においてコイル61に逆方向電流を流して逆方
向磁場を発生させた場合の、光の磁気光学スイッチの光ファイバ11→光ファイバ12ま
での光路原理模式図である。図7は、本発明においてコイル61に順方向電流を流して順
方向磁場を発生させた場合の、光の磁気光学スイッチの光ファイバ13→光ファイバ12
までの光路原理模式図である。
【0040】
図6を参照し、コイル61に逆方向電流を流して逆方向磁場を発生させた場合、トリプル
光ファイバコリメータ21は、第1シングルモード光ファイバ11からの光を平行光ビー
ム211にコリメートし、光ビーム211が第1偏光分光プリズム31の全反射面311
に入射すると、偏光分光面312まで反射され、光ビーム211が偏光分光面312を通
過すると、互いに垂直な偏光状態を有する2つの光、すなわち正常光211oと異常光2
11eに分割される。光ビーム211oの偏光方向はy軸方向に沿って、光ビーム211
eの偏光方向はx軸方向に沿って、光ビーム211oは偏光分光面312で反射された後
、波長板41に到達する。光ビーム211oは、波長板41を通過すると、偏光方向が反
時計回りに45°(-45°)回転し211o´と表記され、さらに磁気光学結晶51を
通過すると、偏光方向がさらに反時計回りに45°(-45°)回転し、元のy方向の2
11o光偏光方向がx軸方向に沿うようになり、212eと表記される。光ビーム211
eは、偏光分光面312を透過した後、全反射面313に到達し、全反射面313で反射
されて波長板41に到達し、波長板41によって偏光方向が-45°回転して、光ビーム
211e’と表記され、さらに磁気光学結晶51を通過すると、偏光方向がさらに-45
°回転し、元のx方向の211e光偏光方向がy軸方向に沿うようになり、212oと表
記される。図2の下のxy平面断面図には、光ファイバ11→光ファイバ12の光ビーム
211oおよび211eから光ビーム212eおよび212oへの偏光状態の変化が示さ
れる。光ビーム212eは、第2偏光分光プリズム32に到達すると、第2偏光分光プリ
ズム32の第1全反射面321で反射された後、偏光分光面322に到達し、光ビーム2
12oも第2偏光分光プリズム32の偏光分光面322に到達する。第2偏光分光プリズ
ム32の偏光分光面322は、2つの光ビームを1つのビームに合成し、合成光ビームは
212となり、第2偏光分光プリズム32の第2全反射面323で反射された後、第1偏
光分光プリズム31の第3全反射面314に到達し、さらに第1偏光分光プリズム31の
第2全反射面313で反射された後、デュアル光ファイバコリメータ21の第2シングル
モード光ファイバ12に受けられて出力される。
【0041】
図7を参照し、コイル61に順方向電流を流して順方向磁場を発生させた場合、トリプル
光ファイバコリメータ21は、第3シングルモード光ファイバ13からの光を平行光ビー
ム213にコリメートし、光ビーム213が第1偏光分光プリズム31の偏光分光面31
2に入射し、光ビーム213が偏光分光面312を通過すると、互いに垂直な偏光状態を
有する2つの光、すなわち正常光213oと異常光213eに分割される。光ビーム21
3oの偏光方向はy軸方向に沿って、光ビーム213eの偏光方向はx軸方向に沿ってお
り、光ビーム213oは偏光分光面312で反射された後、さらに第1偏光分光プリズム
の第2全反射面313で反射された後、波長板41に到達し、光ビーム213oは波長板
によって偏光方向が反時計回りに45°(-45°)回転して、213o´と表記され、
光ビーム213o’はさらに、磁気光学結晶51を通過すると、偏光方向が時計回りに+
45°回転し、元のy方向の213o光偏光方向は、y軸方向に沿ったままであり、21
2oと表記される。光ビーム213eは、偏光分光面312を透過した後、波長板41に
到達し、波長板41によって偏光方向が-45°回転して、光ビーム213e’と表記さ
れ、さらに磁気光学結晶51を通過すると、偏光方向がさらに+45°回転し、元のx方
向の213e光偏光方向はx軸方向に沿ったままの212eとなる。図3の下のxy平面
断面図には、光ファイバ13→光ファイバ12の光ビーム213oおよび213eから光
ビーム212oおよび212eへの偏光状態の変化が示される。212eは、第2偏光分
光プリズム32に到達すると、第2偏光分光プリズム32の第1全反射面321で反射さ
れた後、偏光分光面322に到達し、光ビーム212oも第2偏光分光プリズム32の偏
光分光面322に到達する。第2偏光分光プリズム32の偏光分光面322は、2つの光
ビームを1つのビームに合成し、合成光ビームは212となり、第2偏光分光プリズム3
2の第2全反射面323で反射された後、第1偏光分光プリズム31の第3全反射面31
4に到達し、さらに第1偏光分光プリズム31の第2全反射面313で反射された後、デ
ュアル光ファイバコリメータ21の第2シングルモード光ファイバ12に受けられて出力
される。
【0042】
コイルの電流方向を制御することで、磁気光学結晶のファラデー旋光の順方向45°と逆
方向(-45°)を切り換え、さらに第1光ファイバ11、第3光ファイバ13の入力か
ら第2シングルモード光ファイバ12の出力の切換を選択する2×1光ファイバスイッチ
(光ファイバ11→光ファイバ12または光ファイバ13→光ファイバ12)の光路構造
を実現する。
【0043】
図8を参照し、本発明のマイクロ磁気光学光ファイバスイッチは、2つの周回光路スイッ
チ切換の動作モードを提供し、その動作方式は以下の通りである:電流によってコイルが
発生する磁場方向を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光方向を反時計回りに4
5°(-45°)回転させると、波長板において2つの光伝送方向に生じる+45°偏光
回転と-45°偏光回転とを相殺または重畳することにより、トリプル光ファイバコリメ
ータにおける第1シングルモード光ファイバ11入力から第2シングルモード光ファイバ
12出力まで(光ビーム211→212’)、第2シングルモード光ファイバ12入力か
ら第3シングルモード光ファイバ13入力まで(光ビーム212→213)の周回光路導
通方式を実現することができる。
【0044】
電流によってコイルが発生する磁場方向を制御することで、磁気光学結晶が発生する偏光
方向を時計回りに45°(+45°)回転させると、波長板において2つの光伝送方向に
生じる+45°偏光回転と-45°偏光回転とを重畳または相殺することにより、トリプ
ル光ファイバコリメータにおける第3シングルモード光ファイバ13入力から第2シング
ルモード光ファイバ12出力まで(光ビーム213→212’)、第2シングルモード光
ファイバ12入力から第1シングルモード光ファイバ11入力まで(光ビーム212→2
11)の周回光路導通方式を実現することができる。
【0045】
電流コイルの方向を制御することによって、上記の2つの周回光路スイッチ切換の機能を
実現することができ、一部の応用にこのような周回光路光ファイバスイッチ切換のサポー
トを提供することができる。
【0046】
上述した実施例の説明は、当業者が本発明を理解し、適用することを容易にするためにな
されたものである。当業者であれば、創造的な労働を要することなく、上述した実施例に
様々な修正を加え、ここで説明した一般的な原理を他の実施例に応用することが、容易に
できることは明らかである。したがって、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
なく、当業者が本発明の開示に基づいて本発明に行った改良及び修正は、すべて本発明の
保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8