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特許7452902力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20240312BHJP
【FI】
A61B34/35
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022552667
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 CN2022102249
(87)【国際公開番号】W WO2023016120
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】202110912557.2
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111010059.5
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522346774
【氏名又は名称】深▲セン▼愛博合創医療机器人有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Institute of Advanced Biomedical Robot Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ ▲海▼云
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0297864(US,A1)
【文献】国際公開第2018/176458(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0236217(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30 - A61B 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターベンション手術支援ロボットのスレーブ側に取り付けられ、ガイドワイヤカテーテルのクランプと駆動を実現するための力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置であって、内枠と、転がり機構と、第1の力検出モジュールと、を含み、前記転がり機構は、前記内枠に取り付けられ、対向して設置された2つのクランプ群と、駆動アセンブリと、を含み、前記駆動アセンブリは、前記2つのクランプ群を第1の方向に近づけたり離したりして前記ガイドワイヤカテーテルをクランプまたはアンクランプするように駆動し、前記第1の力検出モジュールは、前記内枠の底部に取り付けられ、前記2つのクランプ群が前記ガイドワイヤカテーテルをクランプした場合、前記第1の力検出モジュールは、前記第1の方向に垂直な前記ガイドワイヤカテーテルの前進方向での送込抵抗を検出するために使用され、且つ、
前記ガイドワイヤカテーテルに対する前記2つのクランプ群のクランプ力を検出するための第2の力検出モジュールをさらに含み、
前記駆動アセンブリは、2つの第1のボトムブラケットと、前記2つの第1のボトムブラケットを第1の方向に移動するように駆動する駆動装置と、を含み、前記2つのクランプ群は、前記2つの第1のボトムブラケットに取り付けられ、
前記第2の力検出モジュールは、前記2つの第1のボトムブラケットの一方に取り付けられた第2の力測定センサと、前記駆動装置および前記第2の力測定センサを第1の方向で接続する接続板と、を含み、前記2つのクランプ群が前記ガイドワイヤカテーテルのアンクランプ状態にある場合、前記接続板は前記第2の力測定センサに所定の圧力を発生させ、前記2つのクランプ群が前記ガイドワイヤカテーテルをクランプした場合、前記第1のボトムブラケットは、前記第2の力測定センサの変位を駆動して所定の圧力を変化させ、前記ガイドワイヤカテーテルに対する前記2つのクランプ群のクランプ力を測定することを特徴とする、力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項2】
第1の力検出装置と協働して前記送込抵抗を検出する補助モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項3】
前記補助モジュールは、スライドレールと、前記スライドレールにスライド可能に設置されたスライドブロックと、を含み、前記スライドブロックは、前記内枠の底部に固定され、前記スライドレールの設置方向は、前記ガイドワイヤカテーテルの進行方向と平行であることを特徴とする、請求項2に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項4】
前記第1の力検出モジュールは、前記内枠の底部に取り付けられた第1の力測定センサと、固定台と、前記第1の力測定センサと前記固定台との間に位置する弾性部材と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記ガイドワイヤカテーテルの進行方向に延び、両端がそれぞれ前記第1の力測定センサと前記固定台との間に当てられた圧縮バネであることを特徴とする、請求項4に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項6】
前記第1の力測定センサ、圧縮バネは、前記固定台の内部に位置することを特徴とする、請求項4に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項7】
前記駆動アセンブリは、2つの前記第1のボトムブラケットに同時に接続された第1の連動ホイールをさらに含み、2つの前記第1のボトムブラケットは対向して設置され、前記第1の連動ホイールは、2つの前記第1のボトムブラケットの間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項8】
2つの前記第1のボトムブラケットの内側にはいずれも係止歯が設けられ、前記第1の連動ホイールの外面には係止歯が設けられ、前記第1の連動ホイールは、係止歯によって2つの前記クランプ群の前記第1のボトムブラケットに同時に係合されることを特徴とする、請求項7に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項9】
前記第2の力測定センサが取り付けられた前記第1のボトムブラケットにはストッパーが設けられ、前記ストッパーの前記駆動装置と反対側には組立溝が設けられ、前記第2の力測定センサは、前記組立溝内に設けられ、かつ前記組立溝から突出し、前記接続板の前記第1のボトムブラケットに近い側には、開口が設けられ、前記開口は、前記ストッパーおよび前記第2の力測定センサに嵌設されることを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項10】
前記第2の力測定センサは、圧力測定センサであることを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項11】
前記内枠には、2組のベアリングが設けられ、前記駆動アセンブリの前記2つの第1のボトムブラケットは、前記2組のベアリングにそれぞれ取り付けられ、各前記第1のボトムブラケットは、対応する組のベアリングで前記第1の方向に摺動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項12】
前記駆動装置は、電磁駆動装置であることを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【請求項13】
フレームをさらに含み、前記フレームは、前記転がり機構を外部から隔離するように、前記内枠および前記転がり機構の外側に嵌設されることを特徴とする、請求項1に記載の力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年08月10日に出願された、「力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置」と題する中国特許出願第202110912557.2号、および2021年08月31日に出願された、「力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置」と題する中国特許出願第202111010059.5の優先権を主張し、これら2つの中国特許出願の内容の全ては参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医療機器ロボットの分野の装置に関し、特に力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
インターベンション治療は、現代のハイテク技術を利用した低侵襲治療として、医療用画像機器の誘導の下で、特殊なカテーテルやガイドワイヤなどの精密機械を体内に導入し、体内の病的状態を診断して局所的に治療するものである。
【0004】
インターベンション治療は、デジタル技術を駆使して医師の視野を広げ、カテーテルやガイドワイヤを利用して医師の両手を伸ばす治療法であり、その切開部(穿刺点)は米粒ほどの大きさで、ヒトの組織を切らずに、腫瘍、血管腫、各種の出血など、これまで治療できなかった病気や外科的治療が必要な病気、または内科治療効果が不十分な病気を多く治療することが可能である。インターベンション治療は、非侵襲的で、創傷が小さく、回復が速く、効果が高いという特徴がある。今後の医療の発展動向である。
【0005】
血管インターベンション手術では、医師が長時間のX線照射を浴びなければならないため、遠隔操作を行うマスター・スレーブ型の血管インターベンション手術支援ロボットが開発された。マスター・スレーブ型の血管インターベンション手術支援ロボットは、強い放射線環境下でも動作でき、医師は放射線環境外のマスター側からスレーブ側を制御すればよい。
【0006】
手術支援ロボットによってガイドワイヤ(やカテーテル)の出入りや回転を行うには、対応する伝動機構で駆動する必要があるが、既存の手術支援ロボットの伝動機構は、力検出機能がないため、ガイドワイヤやカテーテルが人体内を移動する際の抵抗を医師がマスター側で感じることができず、臨場感が弱いため、無理に操作して患者に危害を与える恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに基づき、従来の技術の欠点を解消するために、力検出機能付きの新しいインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置であって、それは、インターベンション手術支援ロボットのスレーブ側に取り付けられ、ガイドワイヤカテーテルのクランプと駆動を実現するために使用され、かつ、内枠と、転がり機構と、第1の力検出モジュールと、を含み、前記転がり機構は、内枠に取り付けられ、対向して設置された2つのクランプ群と、駆動アセンブリと、を含み、駆動アセンブリは、2つのクランプ群を第1の方向に近づけたり離したりしてガイドワイヤカテーテルをクランプまたはアンクランプするように駆動し、第1の力検出モジュールは、内枠の底部に取り付けられ、前記2つのクランプ群がガイドワイヤカテーテルをクランプした場合、第1の力検出モジュールは、第1の方向に垂直なガイドワイヤカテーテルの前進方向での送込抵抗を検出するために使用される。
【0009】
さらに、第1の力検出装置と協働して送込抵抗を検出する補助モジュールをさらに含む。
【0010】
さらに、前記補助モジュールは、スライドレールと、スライドレールにスライド可能に設置されたスライドブロックと、を含み、前記スライドブロックは、内枠の底部に固定され、前記スライドレールの設置方向は、ガイドワイヤカテーテルの進行方向と平行である。
【0011】
さらに、ガイドワイヤカテーテルに対する2つのクランプ群のクランプ力を検出するための第2の力検出モジュールをさらに含む。
【0012】
さらに、前記第1の力検出モジュールは、前記内枠の底部に取り付けられた第1の力測定センサと、固定台と、第1の力測定センサと固定台との間に位置する弾性部材と、を含む。
【0013】
さらに、前記弾性部材は、ガイドワイヤカテーテルの進行方向に延び、両端がそれぞれ第1の力測定センサと固定台との間に当てられた圧縮バネである。
【0014】
さらに、前記第1の力測定センサ、圧縮バネは、固定台の内部に位置する。
【0015】
さらに、前記駆動アセンブリは、2つの第1のボトムブラケットと、2つの第1のボトムブラケットを第1の方向に移動するように駆動する駆動装置と、を含み、前記2つのクランプ群は、それぞれ前記2つの第1のボトムブラケットに取り付けられる。
【0016】
さらに、前記駆動アセンブリは、2つの第1のボトムブラケットに同時に接続された第1の連動ホイールをさらに含み、2つの前記第1のボトムブラケットは対向して設置され、前記第1の連動ホイールは、2つの前記第1のボトムブラケットの間に配置される。
【0017】
さらに、2つの前記第1のボトムブラケットの内側にはいずれも係止歯が設けられ、前記第1の連動ホイールの外面には係止歯が設けられ、前記第1の連動ホイールは、係止歯によって2つの前記クランプ群の第1のボトムブラケットに同時に係合される。
【0018】
さらに、前記第2の力検出モジュールは、前記2つの第1のボトムブラケットの一方に取り付けられた第2の力測定センサと、駆動装置および第2の力測定センサを第1の方向で接続する接続板と、を含み、前記2つのクランプ群がガイドワイヤカテーテルのアンクランプ状態にある場合、前記接続板は前記第2の力測定センサに所定の圧力を発生させ、前記2つのクランプ群がガイドワイヤカテーテルをクランプした場合、前記第1のボトムブラケットは、第2の力測定センサの変位を駆動して所定の圧力を変化させ、ガイドワイヤカテーテルに対する2つのクランプ群のクランプ力を測定する。
【0019】
さらに、第2の力測定センサが取り付けられた第1のボトムブラケットにはストッパーが設けられ、前記ストッパーの駆動装置と反対側には組立溝が設けられ、前記第2の力測定センサは、組立溝内に設けられ、かつ組立溝から突出し、前記接続板の前記第1のボトムブラケットに近い側には、開口が設けられ、前記開口は、ストッパーおよび第2の力測定センサに嵌設される。
【0020】
さらに、前記第2の力測定センサは、圧力センサである。
【0021】
さらに、前記内枠には、2組のベアリングが設けられ、前記駆動アセンブリの2つの第1のボトムブラケットは、2組のベアリングにそれぞれ取り付けられ、各前記第1のボトムブラケットは、対応する組のベアリングで第1の方向に摺動可能である。
【0022】
さらに、前記駆動装置は、電磁駆動装置である。
【0023】
さらに、前記駆動装置はフレームを含み、前記フレームは、転がり機構を外部から隔離するように、前記内枠および前記転がり機構の外側に嵌設される。
【0024】
要約すると、本発明に係る力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置では、第1の力検出モジュールと第2の力検出モジュールとを設置することにより、前記第1の力検出モジュールおよび第2の力検出モジュールは、ガイドワイヤカテーテルが受けたクランプ力の大きさおよびガイドワイヤカテーテルが患者の体内に侵入する際に受けた抵抗をそれぞれ第1の方向、第2の方向で収集し、これらの情報をシステムコントローラーがマスター側にフィードバックすることで、医師は抵抗情報をタイムリーに把握し、臨場感を高め、手術の安全性を向上させることができ、実用性が高く、強い普及意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置の構造を示す模式図である。
図2図1に示す力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置からフレームを取り外した状態を示す斜視図である。
図3図1に示す力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置からフレームを取り外した状態を示す正面図である。
図4図2に示す力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置からフレームと内枠とを取り外した構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の目的、技術的解決手段および利点をより明確に理解するために、以下は図面および実施例と合わせて、発明をさらに詳細に説明する。ここで記載された具体的な実施例は、発明を解釈するためのものに過ぎず、発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0027】
図1図4に示すように、本発明は、力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置を提供し、それは、インターベンション手術支援ロボットのスレーブ側に取り付けられ、細長い医療機器(ガイドワイヤまたはカテーテル)100がクランプまたはアンクランプされる操作を行うように駆動するものである。
【0028】
前記力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置は、フレーム10と、内枠20と、転がり機構と、を含み、前記転がり機構は、内枠20に取り付けられ、前記フレーム10は、転がり機構を外部から隔離するように、内枠20および転がり機構の外側に嵌設される。前記転がり機構は、対向して設置された2つのクランプ群30と、第1の駆動アセンブリ40と、を含み、第1の駆動アセンブリ40は、2つのクランプ群30を第1の方向に近づけたり離したりするように駆動し、前記第1の駆動アセンブリ40が2つのクランプ群30を第1の方向に近づけるように駆動する時、2つのクランプ群30は、ガイドワイヤカテーテルをクランプする。
【0029】
前記第1の駆動アセンブリ40は、前記内枠20に取り付けられた2つの第1のボトムブラケット43と、2つの第1のボトムブラケット43に同時に接続された第1の連動ホイール42と、2つの第1のボトムブラケット43を第1の方向に移動するように駆動する駆動装置41と、を含む。2つの前記第1のボトムブラケット43は、対向して設置される。前記第1の連動ホイール42は、前記2つの第1のボトムブラケット43の間に配置され、前記2つの第1のボトムブラケット43を第1の方向に沿って互いに同期して近づけたり離したりする。前記2つの第1のボトムブラケット43の内側にはいずれも係止歯が設けられ、前記第1の連動ホイール42の外面には係止歯が設けられ、前記第1の連動ホイール42は、係止歯によって前記第1の駆動アセンブリ40の第1のボトムブラケット43に同時に係合される。第1の連動ホイール42の作用により、前記駆動装置41は、2つの第1のボトムブラケット43を第1の方向に互いに逆移動するように同時に駆動する。2つのクランプ群30を第1の方向に近づけたり離したりするように駆動することで、2つのクランプ群30はクランプ動作またはアンクランプ動作を実行する。本実施例において、前記駆動装置41は電磁駆動装置である。
【0030】
前記内枠20には、2組のベアリング21が設けられ、前記第1の駆動アセンブリ40の2つの第1のボトムブラケット43は、2組のベアリング21にそれぞれ取り付けられ、かつ各前記第1のボトムブラケット43は、対応する組のベアリング21で第1の方向に摺動する。
【0031】
前記力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置は、第2の力検出モジュール60と、第1の力検出モジュール50と、をさらに含み、前記第2の力検出モジュール60は、前記2つの第1のボトムブラケット43の一方に取り付けられた第2の力測定センサと、駆動装置41および第2の力測定センサを第1の方向で接続する接続板61と、を含み、前記2つのクランプ群30がガイドワイヤカテーテルのアンクランプ状態にある場合、前記接続板61は前記第2の力測定センサに所定の圧力を発生させ、前記2つのクランプ群30がガイドワイヤカテーテルをクランプした場合、前記第1のボトムブラケット43は、第2の力測定センサの変位を駆動して所定の圧力を変化させ、ガイドワイヤカテーテルに対する2つのクランプ群30のクランプ力を測定する。前記第1のボトムブラケット43にはストッパー431が設けられ、前記ストッパー431の駆動装置41と反対側には組立溝が設けられ、前記第2の力測定センサは、組立溝内に設けられ、かつ組立溝から突出し、前記接続板61の前記第1のボトムブラケット43に近い側には、開口が設けられ、前記開口は、ストッパー431および第2の力測定センサに嵌設される。本実施例において、第2の力測定センサは圧力測定センサである。
【0032】
前記2つのクランプ群30がガイドワイヤカテーテルをクランプした場合、前記2つの第1のボトムブラケット43は、第2の力測定センサの変位を駆動して所定の圧力を変化させる。システムコントローラーはこの圧力変化の情報を記録して医師が操作するマスター側にフィードバックすることで、医師の臨場感を高める。
【0033】
前記力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置は、補助モジュール70をさらに含み、前記補助モジュール70は、第1の力検出モジュール50と協働して力検出を行うために使用され、スライドレール71とスライドブロック72とを含み、前記第1の力検出モジュール50は、内枠20の底部に固定された第1の力測定センサ52と、弾性部材53と、固定台51と、を含み、前記固定台51は、駆動装置を支持するための支持板(図示せず)に固定され、前記スライドブロック72は、内枠20の底部に固定され、前記スライドレール71は、駆動装置を支持するための支持板(図示せず)に取り付けられ、その設置方向が細長い医療機器100の送込方向と一致し、前記スライドブロック72は、スライドレール71と協働して取り付けられ、第1の方向に垂直な第2の方向(すなわち細長い医療機器100の送込方向)での送込抵抗が変化した場合、スライドブロック72は、スライドレール71で第1の方向に垂直な第2の方向に僅かに摺動可能である。前記弾性部材53は、ガイドワイヤカテーテルの進行方向に延び、両端がそれぞれ第1の力測定センサ52と固定台51との間に当てられた圧縮バネである。前記第1の力測定センサ52および弾性部材53は、いずれも固定台51の内部に設けられ、かつ第1の力測定センサ52は、内枠20の底部に固着され、前記第1の力測定センサ52および弾性部材53は、固定台51の内部で第2の方向と同じ方向に設けられ、前記弾性部材53の両端は、それぞれ第1の力測定センサ52と固定台51との間に当てられる。第2の方向へのガイドワイヤまたはカテーテルの送込時には、ガイドワイヤまたはカテーテルが受けた送込抵抗によって、2つのクランプ群30および内枠20はスライドレール71に沿って僅かに移動し、移動中、それに応じて第1の力測定センサ52の位置も変化し、弾性部材53は第1の力測定センサ52への押圧力を変化させ、さらに第1の力測定センサ52が検出する圧力も変化させ、システムコントローラーは、この圧力変化の情報を記録して医師が操作するマスター側にフィードバックする。
【0034】
要約すると、本発明に係る力検出機能付きのインターベンション手術支援ロボットのスレーブ側のガイドワイヤカテーテル駆動装置では、第1の力検出モジュール50と第2の力検出モジュール60とを設置することにより、前記第1の力検出モジュール50および第2の力検出モジュール60は、ガイドワイヤカテーテルが受けたクランプ力の大きさおよびガイドワイヤカテーテルが患者の体内に侵入する際に受けた抵抗をそれぞれ第1の方向、第2の方向で収集し、これらの情報をシステムコントローラーがマスター側にフィードバックすることで、医師は抵抗情報をタイムリーに把握し、臨場感を高め、手術の安全性を向上させることができ、実用性が高く、強い普及意義を有する。
【0035】
以上の実施例は、本発明の一実施形態のみを説明したものであり、より具体的かつ詳細に説明されているが、本発明の特許範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの変形および改良をなすことが可能であり、それらはいずれも本発明の保護範囲に含まれることを指摘すべきである。したがって、本発明の特許の保護範囲は、添付された特許請求の範囲に準ずるべきである。
【符号の説明】
【0036】
10 フレーム、20 内枠、21 ベアリング、30 クランプ群、40 駆動アセンブリ、41 駆動装置、42 第1の連動ホイール、43 第1のボトムブラケット、50 第1の力検出モジュール、51 固定台、52 第1の力測定センサ、53 弾性部材、60 第2の力検出モジュール、61 接続板、70 補助モジュール、71 スライドレール、72 スライドブロック、100 ガイドワイヤカテーテル、431 ストッパー
図1
図2
図3
図4