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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】糊容器
(51)【国際特許分類】
   B43M 11/00 20060101AFI20240312BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B43M11/00 A
B65D83/00 J
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023067512
(22)【出願日】2023-04-18
(62)【分割の表示】P 2022192622の分割
【原出願日】2022-12-01
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000236584
【氏名又は名称】不易糊工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003465
【氏名又は名称】弁理士法人OHSHIMA&ASSOCIATES
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山口 学
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-145554(JP,A)
【文献】特開平11-100077(JP,A)
【文献】実開昭58-177354(JP,U)
【文献】実開昭55-159192(JP,U)
【文献】実開昭53-054160(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0218485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43M 11/00
B65D 35/00-55/16
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状糊を収容した容器本体の先端側に、内キャップが螺合される螺合部が設けられ、螺合部の先端に糊出口が形成され、内キャップの先端開口から突出するように塗布具が設けられ、内キャップ内に、塗布具を保持する保持体が設けられ、倒立状態の容器本体に圧力を加えると、容器本体から流れ出た糊が塗布具に滲み出す糊容器であって、
外キャップを下にして容器本体を倒立して置いたときに容器本体の糊出口から糊漏れを防ぐため、弾性を有する平板状のスリットバルブが内キャップ内に嵌め込まれ、スリットバルブは、先端側に向かって膨らんだドーム状に形成された保持体の環状の基端部に対向して配置され、
スリットバルブの外径は、螺合部の先端面の外径よりも大とされ、かつ保持体の基端部の外径よりも大とされ、内キャップを下にして容器本体を倒立して置いた状態でみたときの螺合部の基端から先端までの垂直方向の長さは、内キャップを下にして容器本体を倒立して置いた状態でみたときの内キャップの基端からスリットバルブまでの垂直方向の長さよりも大とされ、内キャップが容器本体に装着されているとき、螺合部の先端面がスリットバルブに圧接することを特徴とする糊容器。
【請求項2】
スリットバルブは、容器本体の内圧の増加に応じて開放されるスリットを有し、スリットは、ゴムシートに切れ目を入れることにより形成され、容器本体が倒立状態で置かれているとき、糊の自重による内圧がかかっても、スリットは弾性力によりぴったりと閉じた状態を維持することを特徴とする請求項1記載の糊容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糊漏れがなく、糊をすぐ塗布することができる糊容器に関する。
【背景技術】
【0002】
キャップを下にして容器本体を逆さにした状態で載置する糊容器において、容器本体に収容された液状糊が漏出しないように、容器本体の糊出口を塞ぐバルブが設けられる。例えば、特許文献1に記載の糊容器では、十字形のスリットを入れた麦わら帽子状のゴム製の弁本体を用い、弁本体のつば部と弁支持体とを接着し、スポンジシート支持体の内側に弁支持体を取り付け、スポンジシート支持体にスポンジシートを重ねたものを内キャップにより容器本体に取り付けられる。容器本体が倒立して置かれていても、糊は自重で弁本体のスリットから下に漏れ出すことはない。
【0003】
特許文献2に記載の糊容器では、塗布用パッドを保持する内キャップにバルブ機構を有する支持体が設けられ、常時はバネの作用により弁体が弁座に押し付けられて糊液の塗布口への流れを閉塞すると共に弁体突起部が塗布口の塗布用パッドを押し、塗布用パッドを塗布口の外側方向に膨らませる一方、塗布時には塗布圧により塗布用パッド及び弁体突起部の容器本体側への摺動を介して弁体が弁座から離れる方向に押されて弁を開放し、糊液が塗布口に流れるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭55-159192号公報
【文献】登録実用新案第3026174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前者の糊容器の弁本体では、容器本体の先端側とは反対方向に盛り上がった凸部が形成され、凸部の中央にスリットが形成されている。使用時に容器本体を握ったときのスリットにかかる圧力は、スリットが変形しにくい方向にかかり、スリットが開きにくい。そのため、容器本体を握るときの力加減がむつかしく、糊の塗布量を調整するのが容易にできない。また、凸部の周縁はスリットよりも低い位置にあり、ここに糊が溜まる。溜まった糊はスリットから流出することがなく、糊を最後まで使うことができない。
【0006】
後者の糊容器では、バルブ機構により内キャップ開口部への不必要な糊溜まりが生じないようになっている。しかし、容器本体の倒立時、溜まっている糊が少ないと、パッドが乾燥しやすくなる。そのため、長期間置いていた場合、パッドに糊が浸透するまで時間がかかり、すぐに糊を塗布することができない。また、支持体の一部は容器本体の糊出口内に収容されているが、支持体と容器本体との間には隙間があり、ここに糊が溜まると、排出されない。そのため、糊を最後まで使うことができない。
【0007】
そこで、本発明は、上記のバルブとは異なった構造のスリットバルブを用いることにより、倒立時の糊漏れを起こさない糊容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の糊容器は、液状糊を収容した容器本体の先端側に、内キャップが螺合される螺合部が設けられ、螺合部の先端に糊出口が形成され、内キャップの先端開口から突出するように塗布具が設けられ、内キャップ内に、塗布具を保持する保持体が設けられ、倒立状態の容器本体に圧力を加えると、容器本体から流れ出た糊が塗布具に滲み出す糊容器であって、外キャップを下にして容器本体を倒立して置いたときに容器本体の糊出口から糊漏れを防ぐため、弾性を有する平板状のスリットバルブが内キャップ内に嵌め込まれ、スリットバルブは、先端側に向かって膨らんだドーム状に形成された保持体の環状の基端部に対向して配置され、スリットバルブの外径は、螺合部の先端面の外径よりも少し大とされ、かつ保持体の基端部の外径よりも大とされ、螺合部の高さは、内キャップの基端からスリットバルブまでの長さよりも少しだけ大とされ、内キャップが容器本体に装着されているとき、螺合部の先端面がスリットバルブに圧接する。
【0009】
内キャップが容器本体に装着されると、容器本体の先端面がスリットバルブに圧接して、スリットバルブを保持体の基端部に密着させることができ、スリットバルブがパッキンとしての機能を果たす。
【0010】
スリットバルブは、容器本体の内圧の増加に応じて開放されるスリットを有し、スリットは、ゴムシートに切れ目を入れることにより形成され、容器本体が倒立状態で置かれているとき、糊の自重による内圧がかかっても、スリットは弾性力によりぴったりと閉じた状態を維持するので、糊出口から糊は漏れ出さない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、弾性を有する平板状のスリットバルブを用いることにより、糊容器を倒立状態で置いたときには、糊出口から糊の漏出を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る糊容器の断面図
図2】糊容器の分解断面図
図3】スリットバルブの平面図
図4】他の形態のスリットバルブの平面図
図5】他の形態のスリットバルブの平面図
図6】他の形態のスリットバルブの平面図
図7】他の形態のスリットバルブの平面図
図8】他の形態のスリットバルブの平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る糊容器を図1、2に示す。糊容器は、液状糊を収容した容器本体1と、塗布具2を有する内キャップ3と、容器本体1に嵌め込まれる外キャップ4とから構成される。容器本体1の先端側に内キャップ3が装着され、内キャップ3を覆うように外キャップ4が容器本体1の先端側に嵌められる。そして、本糊容器では、容器本体1の先端を下に向けて、外キャップ4を机等に置く倒立タイプの糊容器として使用可能である。
【0014】
容器本体1は、有底の円筒状に形成され、先端に糊出口5が開口されている。容器本体1の先端側に、容器本体1よりも少し小径の嵌合部6と、嵌合部6よりも小径の螺合部7とが設けられる。嵌合部6の外面に環状のリブ8が形成され、螺合部7の外面にねじ山9が形成される。そして、螺合部7は、先端に向かって徐々に縮径するテーパー状に形成される。
【0015】
内キャップ3は、塗布具2と塗布具2を保持する保持体10とを有し、先端側に向かって徐々に縮径するテーパー状の筒体とされる。内キャップ3の先端開口11から突出するように塗布具2が設けられ、内キャップ3内に、保持体10が設けられる。内キャップ3の内面にねじ溝12が形成され、内キャップ3は糊出口5を覆うように螺合部7に螺合される。外キャップ4は、内キャップ3よりも大径に形成され、内面に周溝13が形成され、周溝13にリブ8が嵌まることにより、外キャップ4は嵌合部6に嵌め込まれる。外キャップ4と内キャップ3との間に、気密空間14が形成される。
【0016】
プラスチック製の保持体10は、先端側に向かって膨らんだドーム状に形成され、保持体10の基端部15は環状に形成される。保持体10の先端に中央開口16が設けられ、基端部15から中央開口16に向かって複数の開口17が形成され、これらの開口16,17を糊が通り抜ける。塗布具2は、円形の連続気泡のスポンジシートからなり、保持体10に重ね合わされることにより、ドーム状になる。なお、塗布具2は、スポンジに限らず多孔質の弾性材であればよい。
【0017】
塗布具2を重ね合わせた保持体10は、内キャップ3に嵌め込まれ、保持体10の先端側が内キャップ3の先端開口11から突出する。これに伴って、塗布具2の先端側が先端開口11から突出して、気密空間14に露出する。保持体10の基端部15は内キャップ3の内面に密着し、塗布具2の外周縁が内キャップ3の先端開口11の周壁18と基端部15とに挟み付けられ、塗布具2は先端開口11から抜け出ないように保持される。
【0018】
そして、倒立して置かれた容器本体1の糊出口5から糊漏れを防ぐためにスリットバルブ20が内キャップ3内に設けられる。スリットバルブ20は、図3に示すように、弾性を有する円形の薄平板からなり、中央部を貫通する2本のスリット21が十字状にクロスするように形成されたものである。スリットバルブ20の直径は、保持体10の基端部15の外径よりも大とされ、スリット21の長さは保持体10の基端部15の内径よりも小とされる。スリットバルブ20は、ゴム等のエラストマ製とされるが、品質および性能の点でシリコーンゴムが好ましい。なお、環境面から天然ゴムを使用してもよく、また性能の点で耐久性のあるクロロプレンゴムを使用してもよい。その他にエチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ブチルゴムなど種々の素材を使用することができる。すなわち、スリットバルブ20の素材は液状糊の特性、環境などに合わせて適宜選択することができる。そして、スリットバルブ20のスリット21はゴムシートにカッターで切れ目を入れて形成される。スリットバルブ20が平坦な状態にあるとき、スリット21の切断面を密着している。
【0019】
スリットバルブ20は、内キャップ3に嵌め込まれて、内キャップ3内に保持体10の基端部15に対向して配置される。これにより、スリットバルブ20は塗布具2や保持体10とともに内キャップ3に一体化される。内キャップ3を容器本体1の螺合部7に嵌め合わせして装着すると、内キャップ3の基端が嵌合部6の先端に当接し、容器本体1の先端面22がスリットバルブ20に圧接して、糊出口5がスリットバルブ20により塞がれる。このとき、スリットバルブ20は保持体10の基端部15に密着するとともに内キャップ3の内面に密着する。そして、保持体10とスリットバルブ20との間に、先端側に向かって大きく凹んだ糊溜まり空間23が形成される。
【0020】
ここで、螺合部7の高さ、すなわち嵌合部6の先端から螺合部7の先端までの長さは、嵌合部6の先端に接する内キャップ3の基端からスリットバルブ20までの長さよりも少しだけ大とされる。また、スリットバルブ20の外径は、スリットバルブ20が嵌め込まれる配置位置における内キャップ3の内径よりも少しだけ大とされる。これにより、内キャップ3を容器本体1に装着したとき、スリットバルブ20を容器本体1の先端面22、内キャップ3の内面および保持体10の基端部15に密着させることができ、スリットバルブ20がパッキンとしての機能を果たす。なお、スリットバルブ20の形状にばらつきがあっても、弾性を有するスリットバルブ20であれば、多少のばらつきを吸収でき、密着性を維持でき、糊漏れ防止に対する信頼性を高めることができる。
【0021】
使用前の糊容器には、糊出口5に中栓(図示せず)が嵌められている。そのため、保管時の糊漏れは発生しない。使用に際して、中栓を外し、内キャップ3を容器本体1に装着して、スリットバルブ20で糊出口5を塞ぐ。外キャップ4を容器本体1に嵌めたとき、内キャップ3に外キャップ4が被せられ、塗布具2の先端が外キャップ4に触れた状態となる。
【0022】
糊容器を倒立状態で置いたとき、スリットバルブ20に糊の自重による内圧がかかるが、スリット21の弾性力によってスリット21はぴったりと閉じた状態を維持し、糊出口5から糊は漏れ出さない。ここで、糊容器を続けて使用する場合、外キャップ4をきっちり嵌めずに浮かした状態で嵌めることがある。このような場合であっても、塗布具2からの糊は漏れ出さないので、糊が周りに付着することなく、安心して使用することができる。なお、糊の粘度が低くても、スリットバルブ20が平坦な状態であるので、スリット21の切断面は密着しており、スリット21から糊は漏れ出さない。このような弾性力が生じるように、スリットバルブ20の肉厚およびスリット21の長さが設定されている。例えば、スリットバルブ20の肉厚は0.3mm~1.0mmとされ、好ましくは0.5mmとされる。
【0023】
そして、容器本体1を握って力を加えると、スリット21は、容器本体1の内圧の増加に応じて開放される。容器本体1を掴む力加減を大きくしていくと、容器本体1の内圧が大きくなり、スリット21の弾性力を上回ると、スリット21が徐々に変形していく。スリット21が開放されると、糊がスリット21を通り抜けて、糊溜まり空間23に溜まる。溜まった糊は塗布具2から滲み出し、糊を塗布することができる。このとき、容器本体1を握る力加減に応じて、スリット21の開放量が変化し、スリット21から出る糊の量を調整することが可能となる。すなわち、圧力を増すように力を加えると、スリット21の開放量が徐々に大きくなる。力を弱めると、スリット21の開放量は小さくなる。したがって、容器本体1にかける力加減によって、糊の塗布量を容易に調整することができる。なお、スリット21の幅や形状によって、スリット21の開放量を設定できるので、高粘度の糊では開放量を大きくするなど低粘度の糊から高粘度の糊まで対応可能となる。
【0024】
また、スリットバルブ20が平板状であり、スリット21が下側に向かって傾斜するように変形しているので、容器本体1内の糊はスリット21の表面に沿って糊溜まり空間23に流れ落ち、容器本体1内の糊が排出されて、最後まで糊を使い切ることができる。
【0025】
容器本体1にかける圧力を弛めると、容器本体1の内圧が減少し、内圧がスリット21の弾性力を下回ると、スリット21は弾性力により元に戻るように閉じていく。スリット21が閉じると、糊は漏れ出さなくなる。このとき、図1に示すように、スリット21の変形量に応じて糊溜まり空間23の下部に糊が溜まり、糊容器を倒立状態に置いておくと、糊は塗布具2に触れた状態となり、塗布具2の乾燥を防ぐことができる。なお、糊溜まり空間23に溜まっている糊には圧力がかからないので、糊が塗布具2から滲み出すことはない。そして、外キャップ4を外して使用するとき、糊溜まり空間23には糊が溜まっているので、すぐ糊を塗ることができる。
【0026】
糊容器を使用するとき、容器本体1に圧力をかけるので、容器本体1が窪む。使用後、容器本体1が元の形状に戻ろうとして、吸引力が発生する。このとき、糊溜まり空間23内の空気がスリット21から容器本体1内に流入して、容器本体1が元の形状に戻ると、吸引力がなくなって、スリット21が閉じる。なお、糊溜まり空間23内の空気だけでは容器本体1が元の形状に戻りきらない場合、内キャップ3と外キャップ4との間の気密空間14内の空気が塗布具2を通じて糊溜まり空間23から容器本体1内に流入する。糊は糊溜まり空間23の下部に溜まっているので、塗布具2の基端側に近い部分を通じて空気が流入可能であり、容器本体1は確実に元の形状に戻る。
【0027】
糊容器を正立で置いた場合、すなわち容器本体を下側にして立てた状態のとき、糊溜まり空間23内の糊は、スリットバルブ20上に溜まる。この状態から糊容器を使用する場合、容器本体1を下に向けると、糊溜まり空間23内の糊は塗布具2上に流れ、すぐに糊の塗布を開始することができる。
【0028】
以上のように、弾性を有する平板状のスリットバルブ20を用いることにより、容器本体1に加える力加減によって糊の塗布量の調整を容易に行えるので、使用する人を問わず、この機能を享受できる。また、スリットバルブ20として、規格品を使用可能であるので、安価なスリットバルブ20を供給することができ、コストパフォーマンスを上げれる。特に、糊容器では、糊を補充しながら容器本体を長く使用することがある。この場合、スポンジ等の摩耗などにより糊を塗布しにくくなるので、塗布具2が一体化された内キャップ3を交換する必要が生じる。内キャップ3には、スリットバルブ20もセットされており、安価なスリットバルブ20の使用により、交換用の内キャップ3を適切な価格で提供することができる。
【0029】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。スリットバルブ20のスリット21の他の形態として、図4に示すように、1本のスリット21をマイナス状に形成してもよい。さらに、図5に示すように、3本のスリット21を組み合わせる、図6に示すように、スリット21を星形に形成する、図7に示すように、スリット21をS字状に形成する、図8に示すように、スリット21をU字状に形成する。
【0030】
また、内キャップ3は直管状に形成してもよく、スリットバルブ20の直径は内キャップ3の内径よりも大および保持体10の基端部15の外径よりも大とされる。スリットバルブ20を内キャップ3に押し込んで嵌め込むと、スリットバルブ20は容器本体1の先端面22、内キャップ3の内面および保持体10の基端部15に密着し、糊の漏出をなくすことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 容器本体
2 塗布具
3 内キャップ
4 外キャップ
5 糊出口
10 保持体
11 先端開口
15 基端部
20 スリットバルブ
21 スリット
23 糊溜まり空間
【要約】
【課題】倒立時の糊容器において、糊出口からの糊の漏れ出しを防ぐ。
【解決手段】容器本体1の先端側に、内キャップ3が螺合される螺合部7が設けられ、螺合部7の先端に糊出口5が形成され、内キャップ3内に、先端開口から突出するように塗布具2を保持する保持体10が設けられ、内キャップ3内に弾性を有する平板状のスリットバルブ20が嵌め込まれる。スリットバルブ20の外径は、螺合部7の先端面の外径よりも少し大とされ、かつ保持体10の基端部15の外径よりも大とされ、螺合部7の高さは、内キャップ3の基端からスリットバルブ20までの長さよりも少しだけ大とされる。内キャップ3が容器本体1に装着されているとき、螺合部7の先端面がスリットバルブ20に圧接し、スリットバルブ20が保持体10の基端部15に密着する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8