(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】発光器具の吊下げ具及び発光器具の吊下げ構造
(51)【国際特許分類】
F21S 8/06 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
F21S8/06 200
(21)【出願番号】P 2024003680
(22)【出願日】2024-01-15
【審査請求日】2024-01-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501041894
【氏名又は名称】チームラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】川井 滋
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113237009(CN,A)
【文献】国際公開第2021/070731(WO,A1)
【文献】特開2020-12309(JP,A)
【文献】米国特許第4791993(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井(10)に発光器具(20)を吊り下げるための吊下げ具(30)であって、
前記天井に固定された複数の吊柱(31)と、
前記複数の吊柱の下部に設けられた、前記発光器具を支持するための支持部(32)を有し、
前記複数の吊柱の全てが、スプリンクラーのヘッド(SP)の設置基準で定められた当該ヘッドを中心とした水平方向の開放範囲外となるように構成されており、
前記支持部が、前記設置基準で定められた当該ヘッドからの垂直方向の開放範囲外となるように前記吊柱の下部に設けられている
吊下げ具。
【請求項2】
前記吊柱は、前記発光器具に接続された一又は複数ケーブルを挿通させることのできる貫通孔(31a)を有する筒状に形成されている
請求項1に記載の吊下げ具。
【請求項3】
前記吊柱の前記貫通孔にはさらに吊ボルト(31b)が挿通されており、
前記吊柱は前記吊ボルトを利用して前記天井に固定されている
請求項2に記載の吊下げ具。
【請求項4】
前記支持部は、
前記吊柱に固定された枠体(32a)と、
前記枠体に対して互いに隙間を空けて固定された複数の横架材(32b)を含み、
前記横架材によって前記発光器具が支持される
請求項1又は請求項2に記載の吊下げ具。
【請求項5】
天井(10)に発光器具(20)を吊り下げるための吊下げ構造(100)であって、
天井面(11)と、
前記天井面の裏側に設けられた支持構造体(12)と、
前記天井面の表側に設けられたスプリンクラーのヘッド(SP)と、
前記スプリンクラーのヘッドの下方に発光器具を吊り下げるための吊下げ具(30)を備え、
前記吊下具は、
前記支持構造体に固定された複数の吊柱(31)と、
前記複数の吊柱の下部に設けられた、前記発光器具を支持するための支持部(32)を有し、
前記複数の吊柱の全てが、前記スプリンクラーのヘッド(SP)の設置基準で定められた当該ヘッドを中心とした水平方向の開放範囲外となるように構成されており、
前記支持部が、前記設置基準で定められた当該ヘッドからの垂直方向の開放範囲外となるように前記吊柱の下部に設けられている
吊下げ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に発光器具を吊り下げるための吊下げ具などに関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、以前より、LEDなどの発光素子を上下に複数個繋げて発光器具を開発し、この発光器具を天井から多数吊り下げた芸術作品を提供している(非特許文献1)。この芸術作品は、光の点の集合によって立体物が創作されるものであり、また作品の中に観客が立ち入ることができることができるため、没入感の高い作品であるとして好評を博している。特にこの多数の発光器具が吊り下げられた室内空間の天井面、床面、壁面をそれぞれ鏡張りとすることで、発光器具の放つ光があたかも無限に広がっているかのような印象を観客に与えることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】teamLab, “The Infinite Crystal Universe”, [online], 2018年, [2024年1月5日検索], インターネット <URL: https://www.teamlab.art/jp/w/infinite_crystaluniverse/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一定の床面積を持つ室内にはスプリンクラーを設置する義務がある。前述した本願出願人の作品も、比較的広い床面積の室内に展示することが想定されていることから、その室内の天井には少なくとも1箇所以上にスプリンクラーのヘッド(散水装置)を設置する必要がある。また、このスプリンクラーヘッドの設置基準は、施設の種類や規模、用途、建物の高さ、部屋の階層など、また国や地域によっても異なるが、ヘッドからの散水の妨げになることを防ぐために、基本的にはヘッドを中心に水平方向に所定半径以内、かつ、ヘッドから垂直方向に所定高さ以内には、他の物を設置することが禁止されている。例えば、ヘッドから水平方向に半径30cm以内、かつ、ヘッドから垂直方向に45cm以内の円柱状の範囲には、照明器具やパーティションなどの物を置くことができない。なお、本願明細書では、このようなスプリンクラーヘッドの周囲に物を置くことができない範囲を「開放範囲」と称している。
【0005】
スプリンクラーヘッドの設置基準を遵守しなければならないため、前述した作品を展示するにあたり、スプリンクラーヘッドの周囲の天井には発光器具を吊り下げることができなかった。このため、本願出願人には、スプリンクラーヘッドの周囲やその下方には発光器具を設置せず、例えば観客の通り道とすることで対応していた。しかしながら、作品の展示の際に課される制約を少なくして作品の表現の幅を広げたり、作品への没入感をより高めたりするために、スプリンクラーヘッドの下方にも発光器具を吊り下げたいという要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、スプリンクラーヘッドの設置基準を遵守しつつ、ヘッドの下方にも発光器具を設置できるようにして、発光器具の設置の自由度を高めることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、上記課題を解決する手段について鋭意検討し、スプリンクラーヘッドの周囲の開放範囲を避けることのできる構造の吊下げ具を開発した。この吊下げ具をスプリンクラーヘッドの周囲に設置した上で、この吊下げ具に発光器具を吊り下げることで、スプリンクラーヘッドの設置基準を遵守しつつ、ヘッドの下方にも発光器具を設置できるようになった。そして、本発明者は、このような知見に基づけば上記の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成を有する。
【0008】
本発明の第1の側面は、天井10に発光器具20を吊り下げるための吊下げ具30に関する。なお、吊下げ具30によって吊り下げられる発光器具20は、前述した複数個の発光素子(LED等)を上下に繋げたものに限らず、ペンダントライトやスポットライトなどの一般的な照明器具であってもよい。本発明に係る吊下げ具30は、複数の吊柱31と支持部32を有する。各吊柱31は、天井10に固定される。また、支持部32は、複数の吊柱31の下部に設けられており、発光器具20はこの支持部32によって支持される。ここで、本発明に係る吊下げ具30は、複数の吊柱31の全てを、スプリンクラーのヘッドSPの設置基準で定められた当該ヘッドを中心とした水平方向の開放範囲(半径H)の外とすることができるように構成されている。また、本発明に係る吊下げ具30は、支持部32が、設置基準で定められた当該ヘッドSPからの垂直方向の開放範囲(高さV)の外となるように吊柱31の下部に設けられている。このため、スプリンクラーヘッドSPの周囲にこの吊下げ具30を設置することにより、この吊下げ具30によってヘッドSPの周囲の開放範囲を確保することができる。特に、スプリンクラーヘッドSPの直下であっても、ヘッドSPから所定高さVだけ離れていれば発光器具20を吊り下げることができる。このように、本発明の吊下げ具30を利用することで、スプリンクラーヘッドSPの直下であっても、ヘッドSPの設置基準を遵守しながら、発光器具20を設置することが可能になる。
【0009】
本発明に係る吊下げ具30において、吊柱31は、それぞれ、発光器具20に接続された一又は複数ケーブル23を挿通させることのできる貫通孔31aを有する筒状に形成されていることが好ましい。このように、吊下げ具30の吊柱31を筒状とすることで、発光器具20から延びるケーブル23を覆い隠することができるとともに、そのケーブル23を天井裏まで導くことができる。
【0010】
本発明に係る吊下げ具30において、吊柱31の貫通孔31aにはさらに吊ボルト31bが挿通されており、吊柱31はこの吊ボルト31bを利用して天井10に固定されていることが好ましい。このように吊ボルト31bを利用することで、吊下げ具30を天井10に安定して固定することができる。
【0011】
本発明に係る吊下げ具30において、支持部32は、枠体32aと複数の横架材32bを含むことが好ましい。枠体32aは、吊柱31に固定されている。また、横架材32bは、枠体32aに対して互いに隙間を空けて固定されている。そして、発光器具20は、支持部32の横架材32bに支持されているとよい。このように、複数の横架材32bを隙間を空けて枠体32aに固定することで、万が一、室内に火災が発生してスプリンクラーヘッドSPからの散水が必要となった場合でも、水が横架材32bの間の隙間を通過することから、この吊下げ具30が散水の妨げになることはない。
【0012】
本発明の第2の側面は、天井10に発光器具20を吊り下げた吊下げ構造100に関する。本発明に係る吊下げ構造100は、天井面11と、この天井面11の裏側に設けられた支持構造体13と、天井面11の表側に設けられたスプリンクラーのヘッドSPと、このスプリンクラーのヘッドSPの下方に発光器具20を吊り下げるための吊下げ具30を備える。吊下げ具30は、支持構造体13に固定された複数の吊柱31と、複数の吊柱31の下部に設けられた発光器具20を支持するための支持部32を有する。そして、複数の吊柱31の全てが、スプリンクラーのヘッドSPの設置基準で定められた当該ヘッドSPを中心とした水平方向の開放範囲(半径H)外となるように構成されており、かつ、支持部32が、この設置基準で定められた当該ヘッドSPからの垂直方向の開放範囲(高さV)外となるように吊柱31の下部に設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スプリンクラーヘッドの設置基準を遵守しつつ、ヘッドの下方にも発光器具を設置できるようになるため、発光器具の設置の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、発光器具の吊下げ構造を側面方向から示した模式図である。
【
図2】
図2は、主に吊下げ具の構成を示した斜視図である。
【
図3】
図3は、主に吊下げ具の吊柱の内部構成を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光器具20の吊下げ構造100を示している。
図1に示した実施形態では、床面、天井面、及び壁面がいずれも鏡張りであり、窓のない展示室内に多数の発光器具20を設置することを想定している。発光器具20として、LEDなどの発光素子21が連結具22によって上下方向に複数個連なったものが採用されており、この発光器具20は、展示室内の天井10に多数吊り下げられている。また、これらの発光器具20に対して電力や制御信号を供給するケーブル23は、天井10の裏側に配置されている。なお、発光器具20は、天井10から床面まで達する長さのものもあれば、天井10から観客の頭上付近までにしか達しない長さのものもある。発光器具20の長さを調整することで、展示室内に観客の通り道を形成することができる。このような発光器具20については、前述した非特許文献1にも開示されているように既に公知である。
【0017】
図1に示されるように、展示室の天井10の表側(室内側)には、スプリンクラーヘッドSPが設置されている。スプリンクラーヘッドSPの設置基準は様々であるが、
図1に示した実施形態の展示室のように、窓のない展示室に観客を呼び込む場合であって、かつ多数の発光器具20が設置されている場合には、火災対策及び観客の安全のために天井10にスプリンクラーを設置することが必須である。また、スプリンクラーヘッドSPの周囲には、散水の障害とならないように、別の物を置くことが設置基準によって禁止されている「開放範囲」がある。
図1では、この開放範囲を一点鎖線で示している。
図1に示されるように、開放範囲は、水平方向にみると、スプリンクラーヘッドSPを中心として半径Hにまで及ぶ。つまり、開放範囲の直径は2Hである。また、開放範囲は、垂直方向に見ると、スプリンクラーヘッドSPの直下に高さVにまで及ぶ。このような半径H、高さVの円柱状の範囲が、スプリンクラーヘッドSPの周囲に物を置くことが禁止されている開放範囲となる。開放範囲の半径Hと高さVの基準は、国や地域によっても異なるが、例えば半径Hは20~50cm、高さV30~70とすることが一般的である。より具体的には、半径Hは30cmで、高さVは45cmである。このようにスプリンクラーヘッドSPの水平方向と垂直方向の一定範囲には別の物を置くことが禁止されていることから、従来はスプリンクラーヘッドSPの下方に発光器具20などを設置することができなかった。
【0018】
本発明は、主にスプリンクラーヘッドSPの下方にも発光器具20を設置できるようにするための吊下げ具30に関する。
図1では、この吊下げ具30の概要を示している。
図1に示されるように、吊下げ具30は、前述したスプリンクラーヘッドSP周囲の開放範囲を避けつつ、その開放範囲の下方に発光器具20を吊下げることができるように構成されている。具体的には、吊下げ具30は、天井10に固定された複数の吊柱31と、これらの吊柱31の下部に設けられた支持部32を有する。これらの吊柱31と支持部32は、スプリンクラーヘッドSPの周囲の開放範囲を取り囲むように設けられており、いずれもこの開放範囲には入っていない。このため、このような構造の吊下げ具30をスプリンクラーヘッドSPの周囲に配置しても、設置基準には反しない。より具体的には、吊柱31の間の間隔は開放範囲の直径2H以上であり、かつ支持部32の位置はヘッドSPから高さV以上で離れている。そして、この吊下げ具30の支持部32には、一又は複数の発光器具20を吊り下げることができるようになっている。従って、開放範囲の下方にも発光器具20を設置することが可能となる。また、
図1に示した例のように、観客の目線からは、スプリンクラーヘッドSPと吊下げ具30は発光器具20の背面側に隠れているため、観客にとってこのこれらのヘッドSPと吊下げ具30は目立たないものとなる。
【0019】
図2では、天井10と吊下げ具30のさらに具体的な構成を示している。なお、
図2では、発光器具20の構成については簡略化している。
図2に示されるように、天井10には、板状の天井面11が設けられており、この天井面11によって展示室の室内と天井裏とが区切られてている。天井面11には、所定の間隔で孔12が形成されており、この孔12には主に発光器具20と吊下げ具30の吊柱31が差し込まれる。また、天井面11の裏側(天井裏)には、天井面11を支持するとともに発光器具20と吊下げ具30を固定するための支持構造体13が設けられている。
図2に示した例では、支持構造体13は、複数の断面L字型のアングル部材14を略等間隔で平行に並べることによって構成されている。各アングル部材14の底面(水平面)には、天井面11が固定されており、各アングル部材14の立面(垂直面)には、発光器具20や吊下げ具30の吊柱31を固定できるようになっている。アングル部材14に対して天井面11や発光器具20、吊柱31を固定する方法は特に制限されず、公知の固定金具を利用すればよい。
【0020】
図2に示した例では、吊下げ具30は、4本の吊柱31を持つ。各吊柱31は、天井面11を貫通して、天井裏に設けられた支持構造体13(アングル部材14)に固定される。なお、吊柱31の数は4本以上であることが好ましいが、2本又は3本とすることも可能である。
【0021】
吊下げ具30において、各吊柱31の下端には、前述したように発光器具20を吊り下げ可能な支持部32が設けられている。
図2に示した例において、支持部32は枠体32aを含む。この枠体32aは、隣り合う吊柱31の間に架け渡された板状部材によって、全ての吊柱31を取り囲むように構成されており、枠体32aの内部は開口部となっている。また、支持部32は、枠体32aの内部の開口部に設けられた複数の横架材32bをさらに含む。各横架材32bは、枠体32aを構成する板状部材に対して架け渡すようにして固定されている。具体的には、
図2に示した例では、吊柱31は4本設置されているため、それらを囲う枠体32aは平面視において四角形状をなしている。この枠体32aがなす四角形状に対して、各横架材32bは対角線方向と平行に延在している。つまり、横架材32bは、基本的に、枠体32aがなす四角形状のうち、隣接する辺に相当する板状部材の間に斜めに架け渡されている。なお、
図2に示した例のように、四角形状の四隅に設置された吊柱31のうち、対角に位置する2本の吊柱31の間に横架材32bを架け渡していてもよい。このように各横架材32bは、四角形状の枠体32aに対して、その対角線方向と平行に互いに所定の隙間を空けて配置されている。
【0022】
また、吊下げ具30の横架材32bは、天井面11又は床面に対して略垂直をなす立面(垂直面)を有しており、この立面には発光器具20を固定できるようになっている。この横架材32bに対して発光器具20を固定する方法は特に制限されず、前述したアングル部材14と同様に、公知の固定金具を利用すればよい。
図2では、一例として、一つの発光器具20を吊下げ具30の横架材32bに固定した様子を示しているが、この横架材32bには複数の発光器具20を固定することが可能である。
【0023】
また、吊下げ具30の横架材32bの延在方向と天井裏のアングル部材14の延在方向は、平面視において略平行にすると良い。これにより、吊下げ具30の横架材32bに発光器具20を固定する規則性と、天井裏のアングル部材14に発光器具20を固定する規則性を統一することができるため、吊下げ具30に発光器具20を固定した箇所においても作品全体としての統一感を損なうことがない。
【0024】
図3は、吊下げ具30の吊柱31の内部構造を模式的に示している。吊下げ具30の吊柱31は、上下方向に貫通する貫通孔31aが形成された筒状(四角筒状)となっている。吊柱31の貫通孔31aの内部には、まず吊ボルト31bが挿通されている。吊ボルト31bの下端部分は、吊柱31の下端に設けられたネジ穴等(図示省略)にねじ込まれることで結合されており、吊柱31の上端部分は、吊柱31の上端よりも上方に突出している。
図2に示されるように、吊柱31から突出した吊ボルト31bの上端部分が、固定金具等によって天井裏のアングル部材14に固定される。
【0025】
また、吊柱31の貫通孔31aの内部には、吊下げ具30に吊り下げられている発光器具20に接続されたケーブル23を挿通することができる。
図3に示したように、ケーブル23の端部には、通常、コネクタ24が結合されているが、吊柱31の貫通孔31aは、このコネクタ24を通過させるのに十分な空間を持つ。このため、コネクタ24を吊柱31の貫通孔31aの下端から差し込んで上端から引き出すことで、貫通孔31aの内部にケーブル23を収納することができる。また、
図3に示した例のように、吊柱31の貫通孔31aには、複数のケーブル23を収納することも可能である。また、
図2に示されるように、吊柱31の上端は天井裏に達していることから、この吊柱31の貫通孔31aを介してケーブル23を天井裏まで導くことができる。このため、この吊柱31の貫通孔31aを利用すれば、展示室内の観客に対して、発光器具20に接続されたケーブル23をほとんど視認させずに済む。
【0026】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0027】
10…天井 11…天井面
12…孔 13…支持構造体
14…アングル部材 20…発光器具
21…発光素子 22…連結具
23…ケーブル 24…コネクタ
30…吊下げ具 31…吊柱
31a…貫通孔 31b…吊ボルト
32…支持部 32a…枠体
32b…横架材 100…吊下げ構造
SP…スプリンクラーヘッド
【要約】
【課題】スプリンクラーヘッドの設置基準を遵守しつつ、ヘッドの下方にも発光器具を設置できるようにする。
【解決手段】天井10に発光器具20を吊り下げるための吊下げ具30であって、天井に固定された複数の吊柱31と、複数の吊柱31の下部に設けられた発光器具20を支持するための支持部32を有する。吊下げ具30は、複数の吊柱31の全てがスプリンクラーのヘッドSPの設置基準で定められた当該ヘッドを中心とした水平方向の開放範囲H外となるように構成されており、かつ、支持部32がこの設置基準で定められた当該ヘッドからの垂直方向の開放範囲V外となるように吊柱31の下部に設けられている。
【選択図】
図1