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特許7452933埋め込み機能部を有する多層構造体を製造するための方法および関連する多層構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】埋め込み機能部を有する多層構造体を製造するための方法および関連する多層構造体
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240312BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H05K1/02 B
B29C45/14
H01L23/30 R
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021510153
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 FI2019050600
(87)【国際公開番号】W WO2020043938
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】16/113,388
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519361106
【氏名又は名称】タクトテック オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】アシッカラ、ヤンネ
(72)【発明者】
【氏名】シムラ、トミ
(72)【発明者】
【氏名】ケラネン、アンッティ
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/174943(WO,A1)
【文献】特開2004-104037(JP,A)
【文献】特開2005-198965(JP,A)
【文献】特開2008-210885(JP,A)
【文献】特開平03-147388(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094800(US,A1)
【文献】国際公開第2006/038496(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
B29C 45/14
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造体を製造するための方法(300)であって、
基板フィルムを得ること(304)と、
前記基板フィルムの少なくとも第1の側に、少なくとも1つの導電性インク層を含む1つ以上の第1の特徴部を提供すること(308、310、312)と、
電気絶縁性および/または導電性の材料を少なくとも部分的に含む、少なくとも1つの層を、前記基板フィルムの少なくとも前記第1の側の上に配置すること(316)と、
空間(206)が前記多層構造体内に解放されるように、前記基板フィルムの少なくとも一部分を除去すること(318)であって、前記基板フィルムに提供された脱離強化特徴部が、前記少なくとも部分の前記除去を容易にし、これにより、あるとすれば隣接する残りのフィルム材料と、前記配置された層と、前記第1の特徴部とが保存され、かつ無傷のままであるように構成されている、除去すること(318)と、
外部条件測定センサを含む少なくとも1つの第2の特徴部を、使用のために解放された前記空間内に提供すること(320)であって、これにより前記少なくとも1つの外部条件測定センサが、少なくとも前記導電性インク層と電気的に接続するようにする、提供すること(320)と、を含み、
前記脱離強化特徴部が、前記基板フィルムの前記第1の側の上へと提供される接着性低減特徴部を含み、前記接着性低減特徴部が、気泡、気化性材料、解離性材料、化学的解離性材料、溶融性材料、熱的除去可能材料、化学的除去可能材料、接着剤ドロップ若しくは要素、固体要素、および/または鋳造補助材料を含む、方法。
【請求項2】
前記脱離強化特徴部が、最初は、前記空間の少なくとも部分を占有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配置することが、前記少なくとも1つの層の少なくとも1つの材料の少なくとも部分を、前記基板フィルムの前記第1の側の上へと、成形することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記配置することが、前記少なくとも1つの層の、既製である少なくとも一部分を前記
基板フィルムの前記第1の側の上へと積層することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記脱離強化特徴部が、前記少なくとも1つの層を前記基板フィルムの前記第1の側の上へと配置する前に、前記基板フィルムの前記第1の側の表面と接触して、前記基板フィルムの前記第1の側の上へと提供される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記接着性低減特徴部が、前記配置された少なくとも1つの層の前記材料、および/または前記接着性低減特徴部と前記配置された少なくとも1つの層との間に提供された前記1つ以上の第1の特徴部のうちの少なくとも1つの特徴部の前記材料への接着性を低減するように構成されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記除去することの間または後に、前記接着性低減特徴部の材料が除去される、請求項5又は請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接着性低減特徴部が、コーティングまたは印刷エレクトロニクス技術によって、前記基板フィルム上に提供される、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の第1の特徴部のうちの少なくとも1つが、印刷エレクトロニクス技術によって印刷される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の第1の特徴部が、少なくとも2つの積み重ねられた特徴部を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記除去することが、前記基板フィルムの前記少なくとも部分を剥離または別様に引き抜くことを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記脱離強化特徴部を、異なる物質または構造の状態に変換することと、前記配置された少なくとも1つの層、またはその上に提供され、かつ前記空間に隣接する層もしくは特徴部を、後処理に供することと、からなる群から選択される、少なくとも1つの行為を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記空間が、前記提供された少なくとも1つの第2の特徴部によって、完全にまたは部分的に充填される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2の特徴部のうちの少なくとも1つの特徴部が、少なくとも部分的に既製の要素としてそれを取り付けることによって、および/またはそれを前記空間内に少なくとも部分的に直接作製することによって、提供される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記脱離強化特徴部が、前記基板フィルム内の事前切断または穿孔部分、前記基板フィルム内の薄層化部分、前記基板フィルム内の薄層作製部分、前記基板フィルム内の局所的薄層キャスティングされたまたは成形された部分、および前記基板フィルム内の脆弱化部分からなる群から選択される、少なくとも1つの要素を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第2の特徴部のうちの少なくとも1つの特徴部が、前記多層構造体内に提供された前記第1の特徴部または他の特徴部のうちの1つ以上と整列される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
さらなるフィルムまたはフィルム層を、前記少なくとも1つの層上に配置することを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
多層構造体(100、200)であって、
第1の側(102A)および第2の側(102B)を有する基板フィルム(102)と、
少なくとも1つの導電性インク層を含む、前記基板フィルムの少なくとも前記第1の側の上に提供された1つ以上の第1の特徴部(103、103B、103C、105)と、
前記基板フィルムの少なくとも前記第1の側の上に配置された、少なくとも1つの層(104)と、
前記基板フィルムの少なくとも一部分に対して提供されて、前記少なくとも一部分の除去を容易にする、脱離強化特徴部(106、106B)であって、これにより、あるとすれば隣接するフィルム材料と、前記配置された層と、前記第1の特徴部とが、前記除去の間無傷のままであり、一方で、空間(206)が前記多層構造体内で解放されて、前記空間を、少なくとも前記導電性インク層との電気的接続を有する、外部条件測定センサを含む1つ以上の第2の特徴部(122)で少なくとも部分的に充填することを可能にする、脱離強化特徴部(106、106B)と、を備え、
前記脱離強化特徴部が、前記基板フィルムの前記第1の側の上へと提供される接着性低減特徴部を含み、前記接着性低減特徴部が、気泡、気化性材料、解離性材料、化学的解離性材料、溶融性材料、熱的除去可能材料、化学的除去可能材料、接着剤ドロップ若しくは要素、固体要素、および/または鋳造補助材料を含む、多層構造体(100、200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本発明は、エレクトロニクス、関連するデバイス、構造体、および製造方法に関する。具体的には、本発明は、複数の機能特徴部を包含する多層構造体の製造に関するが、排他的ではない。
【背景技術】
【0002】
さまざまな異なる積み重ねられたアセンブリおよび構造体が、エレクトロニクスおよび電子製品の状況で存在する。
【0003】
エレクトロニクスおよび関連製品の統合の背後にある動機は、関連する使用の状況と同じぐらい多様であり得る。コンポーネントのサイズ節約、重量節約、コスト節約、または単なる効率的な統合が、結果として得られる解決策が最終的に多層性を呈する場合に、比較的頻繁に求められる。次いで、関連付けられた使用のシナリオは、製品パッケージまたは食品ケーシング、デバイスハウジングの視覚的設計、ウェアラブルエレクトロニクス、パーソナル電子デバイス、ディスプレイ、検出器またはセンサ、車両内装および車両エレクトロニクス、アンテナ、ラベルなどに関連する場合がある。
【0004】
電子部品、IC(集積回路)、および導体などのエレクトロニクスは、一般に、複数の異なる技法によって基板要素上に提供されてもよい。例えば、さまざまな表面実装デバイス(SMD)などの既製のエレクトロニクスは、最終的に多層構造体の内側または外側の界面層を形成する基板表面上に取り付けられてもよい。加えて、「印刷エレクトロニクス」という用語に該当する技術を適用して、関連する基板に直接かつ付加的にエレクトロニクスを実際に製造してもよい。「印刷」という用語は、この状況では、実質的に付加的な印刷プロセスを通して、スクリーン印刷、フレキソグラフィー、リソグラフィー、およびインクジェット印刷を含むがこれらに限定されない、印刷された物からエレクトロニクス/電気素子を製造することができるさまざまな印刷技法を指す。使用される基板は、可撓性であり、かつ有機性の印刷物であってもよいが、必ずしもそうではなくてもよい。
【0005】
射出成形構造エレクトロニクス(IMSE)の概念は、実際には、電子機能性および場合によっては他の機能性を封入する多層構造体の形態で機能デバイスおよびそのための部品を構築することを含む。
【0006】
IMSEプロセスでは、まず、所望の機能の異なる特徴部が、少なくとも1つの基板フィルムに適用されてもよい。次いで、1つ以上のフィルムが、射出成形キャビティ内に挿入されてもよく、熱溶融状態の材料が、フィルム上またはフィルム間に注入され、したがって、結果として得られる多層構造体の一体的部品になる。
【0007】
IMSEの1つの興味深い特性は、エレクトロニクスが、常にではないが、しばしば、標的の製品、部品、またはデザイン全般の全体的な3Dモデルに従って3D(非平坦)形態に製造されることでもある。基板上および関連最終製品内の電子的要素または他の要素の所望のレイアウトを達成するために、エレクトロニクスは、依然として、当初はエレクトロニクスアセンブリの2次元(2D)方法を使用してフィルムなどの平面状の基板上に提供される場合があり、そうして、既にエレクトロニクスを収容する基板が、任意選択的に、続いて、所望の3次元、すなわち3Dの形状に形成され、かつ例えば、エレクトロニクスなどの下層要素を覆いかつ埋め込む好適なプラスチック材料によってオーバーモールディングされてもよく、したがって、要素を環境から保護し、かつ潜在的には隠す。
【0008】
多層構造体にさまざまなエレクトロニクスが装填される場合、それは、必ずしも、完全に孤立して、すなわち自律的に、機能するとは限らない。代わりに、さまざまな電源、データ、および/または制御接続がそこに提供される必要がある場合があり、それには、典型的には、例えば電気コネクタおよび関連配線の提供が必要とされる。
【0009】
場合によっては、電子部品、光学部品、または光電子部品などの1つ以上の機能要素が多層構造体に含まれるようにする場合、それらの統合を、例えば、成形または積層による層の実際の積み重ねの間に行うのは困難になる。これは例えば、所望の層形状、寸法、要素の位置付けおよび整列に関しての標的構成は、一般的にかつ相互的に現代の方法を使用して達成することが厄介であるためである。しかも、構造体内に提供される機能要素のいくつかは、積み重ね、または例えば具体的には成形プロセス、または例えば3D形成プロセスの間にそれらに供される圧力または温度などのいくつかの現象に対する感受性が高いことが分かっており、それにより、それらの構造体への早期挿入は、層を接続、製作、または形成している間の付随する破損のリスクが高いことに起因して、不可能ではないにしても、困難である。
【0010】
いくつかの場面では、層を挟みながら、既に、構築されるべき多層構造体内の所望の標的位置にあるすべての機能特徴部を統合しようとする手段は、一般に、時間がかかり、複雑で、かつ緩慢であり、潜在的に低収率の製造プロセスとなり、したがって、多層構造体内に機能特徴部を提供するための優れた代替技法がかなりの関心を高めている。
【0011】
さらに、いくつかのシナリオでは、異なる使用の観点から、層の構築または統合時に、既に、多層構造体の内部要素および機能部を封じ込める必要性が、いくつかのより一般的に適用可能な構造体を最終的に見出す可能性を制限することが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、統合多層構造体およびその中に埋め込まれたエレクトロニクスなどの機能要素または特徴部のコンテクストにおいて、既存の解決策に関連する上記の欠点のうちの1つ以上を少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
目的は、本発明による統合多層構造体を製造するための方法および関連多層構造体のさまざまな実施形態によって達成される。
【0014】
本発明の1つの実施形態によれば、統合多層構造体を製造するための方法は、
選択された材料の、かつ第1の側および第2の側を有する、基板フィルムを得ることであって、基板フィルムは、任意選択的に可撓性であり、かつ/またはプラスチックおよび/もしくは複合材料を含む、得ることと、
基板フィルムの少なくとも第1の側に、装飾的、情報提供的、他の光学的、保護的、電気的および/または電子的特徴部(導体および/または電子部品などの)を任意選択的に含む、1つ以上の第1の機能特徴部を提供することと、
好ましくは、実質的に電気絶縁性および/または導電性の材料、任意選択的にプラスチック材料を少なくとも部分的に含む、少なくとも1つの層を、基板フィルムの少なくとも第1の側の上に配置することと、
基板フィルム内に貫通孔を任意選択的に含む空間が構造体内に解放されるように、基板フィルムの少なくとも一部分を、任意選択的に、選択的にかつ局所的に、除去することであって、基板フィルムに対して提供された脱離強化特徴部が、少なくとも一部分の除去を容易にするように構成され、それにより隣接する残りのフィルム材料(あるとすれば)と、配置された層と、第1の機能特徴部とが保存され、好ましくは実質的に無傷のままである、除去することと、
少なくとも1つの第2の機能特徴部を、使用のために解放された空間内に提供することっであって、それにより少なくとも1つの第2の機能特徴部が、1つ以上の第1の機能特徴部のうちの少なくとも1つと、少なくとも機能的に、好ましくは光学的、電気的、および/または電磁的に、接続するように、提供することと、を含む。
【0015】
1つの他の実施形態によれば、統合多層構造体は、
第1の側および第2の側を有する基板フィルムであって、任意選択的に可撓性であり、かつ/またはプラスチック材料を含む、基板フィルムと、
装飾的、情報提供的、他の光学的、電気的、および/または電子的特徴部(導体および/または電子部品など)を任意選択的に含む、基板フィルムの少なくとも第1の側の上に提供された1つ以上の第1の機能特徴部と、
基板フィルムの少なくとも第1の側の上に配置され、任意選択的に成形された、プラスチック材料を任意選択的に含むかまたはプラスチック材料からなる、少なくとも1つの層と、
少なくとも一部分の除去を容易にするために基板フィルムの少なくとも一部分に対して提供された脱離強化特徴部であって、それにより隣接するフィルム材料(あるとすれば)と、配置された層と、第1の機能特徴部とが、除去の間、実質的に無傷のままであり、一方で、フィルム内に貫通孔を任意選択的に画定する空間が構造体内に解放されて、好ましくは1つ以上の第1の機能特徴部との機能的接続を有する1つ以上の第2の機能特徴部で、その空間を少なくとも部分的に充填することを可能にする、脱離強化特徴部と、を備える。
【0016】
さらなる実施形態によれば、統合多層構造体は、
第1の側および第2の側を有する基板フィルムであって、任意選択的に可撓性であり、かつ/またはプラスチックおよび/もしくは有機材料を含む、基板フィルムと、
装飾的、情報提供的、他の光学的、電気的、および/または電子的特徴部(導体および/または電子部品など)を任意選択的に含む、基板フィルムの少なくとも第1の側の上に提供された1つ以上の第1の機能特徴部と、
任意選択的にプラスチック材料の、基板フィルムの第1の側の上に配置され、任意選択的に成形された、少なくとも1つの層であって、好ましくは基板フィルムの少なくとも一部分を局所的に除去することによって得られる、フィルム内の貫通孔を含む孔または空洞などの空間が、構造体内に画定される、少なくとも1つの層と、
第1の機能特徴部のうちの1つ以上と少なくとも機能的に、好ましくは電気的または電磁的に、接続するように、空間の中へと提供された少なくとも1つの第2の機能特徴部と、を備える。
【0017】
またさらなる実施形態によれば、統合多層構造体は、
任意選択的に成形プラスチック材料の、少なくとも1つの材料層と
基板フィルムによって少なくとも1つの材料層に提供された1つ以上の第1の機能特徴部であって、装飾的、情報提供的、他の光学的、電気的、および/または電子的特徴部(導体および/または電子部品など)を任意選択的に含み、孔を任意選択的に画定する1つ以上の第1の機能特徴部と、
好ましくは、孔の中へと少なくとも部分的に提供され、それにより第1の機能特徴部のうちの1つ以上と少なくとも機能的に、好ましくは電気的または電磁的に接続する、少なくとも1つの第2の機能特徴部と、を備える。
【0018】
多層構造体の実施形態に関して本明細書に提供されるさまざまな考慮事項は、当業者によって理解されるように、変更すべきところは変更して、製造方法の実施形態に柔軟に適用されてもよく、逆も同様である。その上、さまざまな実施形態および関連特徴部は、本明細書に一般的に開示される特徴部の好ましい組み合わせを考え出すために、当業者によって柔軟に組み合わされてもよい。
【0019】
本発明の有用性は、実施形態に応じて、複数の問題から生じる。
【0020】
一般に、フィルムおよびいくつかの特徴部だけでなくその上に提供される成形された層またはキャスティングされた層を既に包含する多層構造体の構築に続いて、関連付けられた要素を多層構造体内に取り付けるかまたは直接作製することによって、光学素子、触覚素子、エレクトロニクスなどを含むがこれらに限定されない、1つ以上の新しい機能特徴部を追加することが、基板フィルムの提案される選択的層間剥離または完全除去によって、可能になる。代替的または追加的に、本発明のさまざまな実施形態は、同様に、構造体内部要素への電気的、機械的、または光学的接続などの外部接続の好都合な確立を可能にする。追加された特徴部を収容するための空間は、例えば、構造体内の異なる適用可能な脱離強化手段を使用することだけでなく、基板フィルムを構造体から少なくとも選択的に除去することによっても、解放されてもよく、すなわち確立および/または見えるようにされてもよい。追加された特徴部は、構造体内に既に存在する1つ以上の他の特徴部と、少なくとも機能的に接続してもよい。したがって、新しい機能部は、先に少なくとも部分的に構築された多層構造体内に、動的かつ柔軟に追加されてもよく、また埋め込まれてもよい。
【0021】
また、構造体全体またはその中に提供された特定の特徴部の温度管理、具体的には熱管理は、適用可能な熱伝導材料特徴部(固体要素、気体物質など)を構造体に供給して、例えば、解放された空間を介してその内部要素と接触させてもよいので、本発明のさまざまな実施形態によって強化される場合がある。高出力LED(関連付けられる出力が、例えば、約1ワットまたは数ワット、さらには数十ワットの大きさである可能である)などの特定の特徴部は、通常、それらの動作中の高い発熱に起因して、例えば基板フィルムの上に提供されるプラスチックまたは何らかの他の材料内に、単純に内部成形することはできない。本発明のさまざまな実施形態によって、そのようなLEDまたは他の高出力/発熱素子も、それらの熱伝導を、例えば別個のハウジングおよび/または強化された熱伝達を使用して、依然として十分に管理することができるように、多層構造体内に提供され得る。
【0022】
追加された機能特徴部として1つ以上のコネクタを提供することを考慮した実用的実施例として、いくつかの実施形態では、多層構造体の内部の埋め込み特徴部と、外部デバイス、システムまたは構造体との間の、電気的な(例えば電力および/または通信)接続を提供するための電気的もしくは他のコネクタ構造体、または単にコネクタは、例えばIMSE原理に従って一般的に製造される、機能的な、例えば回路設計およびさまざまなエレクトロニクス包含多層構造体内に、確実に、かつ良好な見映えも有して、統合、固定、および埋め込みされ得る。潜在的に問題のある基板フィルムの後での穿孔、またはコネクタ自体によるか、もしくは例えば特定の孔あけツールによるかのいずれかでフィルム材料を通して進めることを必要とする他の方法の適用は、したがって、好ましい場合には、避けられる場合がある。
【0023】
さらなる実用的実施例として、隣接する要素または層への基板フィルムの良好な接着は、インサート成形において、そして特に例えばIMSEの分野において、一般的に非常に好ましい。しかしながら、本発明の実施形態によって、追加的な機能特徴部をIMSEに接続または追加するために、フィルムの(選択領域上での)選択的なまたは完全な層間剥離を利用してもよく、これは、例えば、ワンショット成形を使用してでは簡単には、またはまったく行うことができなかった。基板フィルムが少なくとも選択された領域上で除去される一方で、層間分離が達成され、それにより、例えば、導電体または他の特徴部は成形プラスチックの側面に取り付けられたままである場合、追加特徴部が、既に確立された多層構造体に、柔軟かつ好都合に、後組み立てすることができる。追加特徴部は、例えば、LEDなどの発光部品、圧力センサ、容量センサ、タッチ検出センサなどの触覚特徴部などとすることができる。
【0024】
なおさらに、正確な位置決めまたは、例えば、他の要素との整列を必要とする特徴部は、本発明から利益を享受する場合がある。例えば、LEDまたは他の光源は、多層構造体内に提供される他の機能的な特徴部、または具体的にはレンズ、反射体、プリズム、またはライトガイドなどの光学的な特徴部と整列される必要がある場合があるが、それは、層の成形/積層などの、使用される製造技法によって設定される分解能および関連する制約によって、相互に整列される特徴部の位置決めおよび整列に対して引き起こされる不正確さに起因して、従来は困難であると考えられていた。ここで、最終的な位置決めまたは整列は、不正確さを引き起こす製造段階の後に行われてもよい。
【0025】
さらに、いくつかの実施形態では、軟質(変形可能)材料、例えば、弾性材料と、本質的に剛性材料または固い材料の有利な組み合わせが考えられてもよい。したがって、組み合わされた圧力センサ-容量ボタンなどの機能部が作成されてもよい。例えば、導電性軟質材料または概して軟質の機能特徴部は、例えば、より硬質かつ/またはより固い材料をフィルム上に作製するために使用される第1のショットおよびフィルムの除去に続く第2の成形ショットを使用して、構造体内に射出成形するかまたは別様に提供することができる。いくつかの実施形態では、軟質材料は、構造体に、除去された部分を介してまたは、除去された部分内に、例えば接着剤によって取り付けられてもよい。言い換えれば、従前は事実上実現不可能であった構造および機能の組み合わせ配設が得られる場合がある。
【0026】
上記および他の使用シナリオでは、1つ以上の脱離強化特徴部を少なくとも局所的に有する基板フィルムを導入し、それによってフィルム、またはいくつかの実施形態では複数のフィルムを、当初はフィルム上に提供された1つ以上の特徴部、例えばグラフィックプリント、導電性または別様の機能性インクから分離することができ、それによって特徴部は、例えばフィルム上に提供された射出成形樹脂または他の層に付着したままであり、一方でフィルムは少なくとも選択的に除去されることが、一般的に有益であると考えられる。フィルムの少なくとも局所的な除去に起因して利用可能になった空間内で、機能特徴部などの露出された内部要素は、後処理に供されてもよく、また空間には、好ましくは既存の機能部と少なくとも動作可能に接続する追加的な機能部が充填されてもよい。他の選択肢の中でも、脱離強化特徴部は、例えば、フィルム表面上に提供された保護層または特徴部を含んでもよい。保護層または類似の特徴部は、成形材料、または例えばグラフィックおよび機能性インクなどの他の隣接材料に対して比較的乏しい(または少なくともより乏しい)接着性を有するように選ばれてもよく、それにより、樹脂または他の層の提供の後に、好ましくは基板の整合部分と一緒に、剥がす、または別様に引き抜くことができる。
【0027】
本明細書で示唆される製造方法の異なる実施形態は、依然として、理解して使用に取り入れるのにある程度わかりやすくであり、有益と見なされることは、多層構造体内に所望の機能部を追加するためだけに全く新しいまたは異なる製造技術を採用することを必要としないことである。(基板フィルムが依然として実質的に平坦である間に)例えば、導体またはさらなるエレクトロニクスなどの特徴部のフィルム上への提供の後に、フィルム(複数可)を所望の3D形状に形成することは、潜在的に時間がかかり、誤差が生じやすい、エレクトロニクスの基板上の3Dアセンブリの必要性をさらに低減または排除する場合がある。本発明の実施形態によって、3D形成または多層構造体を確立する他の段階から生じる力または他の関連事項(例えば、成形またはキャスティングによって誘発される熱または圧力)に対する感受性が高い機能要素、例えば、さまざまなエレクトロニクス、光学素子、または、例えば、(ピエゾ)触覚素子は、後で構造体内に巧妙に提供されてもよい。
【0028】
得られた多層構造体は、車両または具体的には車両(車載)エレクトロニクス、車両照明を含む照明デバイス、車両および他の場所におけるユーザインターフェース、ダッシュボードエレクトロニクス、車内エンターテイメントデバイスおよびシステム、車両内装または外装パネル、インテリジェント衣服(例えば、シャツ、ジャケット、もしくはズボン、または例えば圧縮衣服)、他のウェアラブルエレクトロニクス品(例えば、リストップデバイス、ヘッドウェア、またはフットウェア)、個人通信デバイス(例えば、スマートフォン、ファブレット、またはタブレット)、および他のエレクトロニクスなどの、異なるホスト要素内の所望のデバイスまたはモジュールを確立するために使用されてもよい。得られた構造体の統合レベルは、高い場合があり、またその厚さなどの所望の寸法は小さくてもよい。
【0029】
使用されるフィルム(複数可)および一般的には材料層は、その上に、グラフィックス、ならびに他の視覚的および/または触覚的に検出可能な特徴部を含んでもよく、そのうえ、フィルム/層は、エレクトロニクスをホストおよび保護することに加えて、美的(装飾的)および/または情報提供的機能を有してもよい。フィルム(複数可)/層(複数可)は、少なくとも所々で、半透明または不透明であってもよい。それらは、所望の色を呈してもよく、または構造体の対応する部分に所望の色を呈する部分を備えてもよい。したがって、得られた多層構造体は、テキスト、写真、記号、パターンなどのグラフィックスを任意選択的に画定する1つ以上の有色/着色層を組み込んでもよい。これらの層は、例えば、特定の色(複数可)の専用フィルムによって実装されてもよく、または既存のフィルム(複数可)、成形層(複数可)、および/もしくは他の表面上の(例えば、印刷による)コーティングとして提供されてもよい。多層構造体の外装フィルム(複数可)は、関連するホスト製品またはホスト構造体の外側表面および/または内側表面の少なくとも一部分を確立するように構成されてもよい。
【0030】
グラフィックパターンまたは着色などのさまざまな可視的または視覚的特徴部が、構造体の外装表面の下に提供されてもよく、それにより特徴部は、隔絶されたままであり、したがって、環境的な脅威に対してどちら側にフィルムが提供されたかに応じて、少なくともホスト基板フィルム、任意選択的に成形層の厚さによって、環境的な影響から保護される。したがって、例えば、塗装、印刷、または取り付けられた表面特徴部を容易に損傷させる可能性のある、異なる衝撃、擦過、化学物質などが、特徴部に影響する、または到達することがない。基板または他のフィルムによって画定されるものなどの材料層は、成形材料などの下層にある特徴部を露出させるのに必要な孔またはノッチなどの特性を有する所望の形状に、容易に製造または加工されてもよく、任意選択的に切断されてもよい。
【0031】
「いくつかの」という表現は、本明細書では、1つ(1)から始まる任意の正の整数を指し得る。
【0032】
「複数の」という表現は、それぞれ、2つ(2)から始まる任意の正の整数を指し得る。
【0033】
「第1の」および「第2の」という用語は、本明細書では、1つの要素を他の要素から区別するために使用され、別途明示的に記載されていない場合、それらを特に優先付けまたは順序付けしない。
【0034】
多層構造体、関連する製造方法、またはそれらに含まれる特徴部の「異なる」または「さまざまな」実施形態が本明細書で言及される場合、実施形態は、互いに相補的であると見なされ、したがって、当該解決策が、解決策のまったく同じ特徴部を実装するために、互いに明らかに排他的な代替的解決策であることが別途明示的に記載されていない、またはそうではないことが別途当業者には明らかな場合、共通の実施形態において実現されてもよい。
【0035】
本発明の異なる実施形態は、添付の従属請求項に開示される。
【0036】
次に、本発明を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明による多層構造体の2つの実施形態を図示し、組み合わされた潜在的プロセス全体の2つの異なる段階も表す。
図2】機能要素(複数可)を少なくとも部分的に既に製造された多層構造体に統合する一般的な状況における、本発明による多層構造体、関連する材料除去、およびその後のさらなる機能要素の提供の1つの実施形態を概略側面図または断面図で図示する。
図3】本発明による方法の一実施形態を開示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明による多層構造体の一実施形態100を(断面)側面図で図示する。材料をそこから除去し、そして解放された空間内への少なくとも1つの機能特徴部の少なくとも部分的な提供の後に、実施形態100から得られる場合がある、別の実施形態120もまた示されている。
【0039】
多層構造体100は、最終製品自体、例えば電子デバイスを確立してもよく、または、例えば、集合部品もしくはモジュールとして、ホストデバイス、ホストシステム、もしくはホスト構造体内に、配置されてもよく、もしくは少なくともそれらに接続されてもよい。多層構造体100は、明確化のために図には明示的には示されていないいくつかの他の要素または層を備えてもよい。
【0040】
構造体100は、2つの本質的に反対の側面102A、102Bを有する少なくとも1つの基板フィルム102を含む。
【0041】
さまざま実施形態において、基板フィルム(複数可)102は、一般に、例えば木材、紙、段ボール、皮革もしくは布地、またはこれらの材料のうちのいずれかの、互いの、またはプラスチックもしくはポリマーもしくは金属との組み合わせに関連する、プラスチック、例えば熱可塑性ポリマー、および/または有機もしくはバイオ材料などの1種以上の材料を含んでもよく、またはそれらからなってもよい。基板フィルム102は、一般に、熱可塑性材料を含んでもよく、または本質的に熱可塑性材料からなってもよい。フィルム102は、複合材料を含んでもよい。フィルム102は、そのどちらかの側面にコーティングを備えてもよい。フィルム102は、少なくとも所々で、本質的に可撓性または屈曲性であってもよい。いくつかの実施形態では、フィルム102は、代替的に、実質的に剛性でかつ固くてもよい。フィルム102の厚さは、実施形態に応じて変化してもよく、1ミリメートルの十分のいくつかもしくは百分のいくつかに過ぎなくてもよく、または、例えば、1ミリメートルまたは数ミリメートルの大きさで、かなり厚くてもよい。フィルム102は、厚さおよび/または一般的な構造が一定であってもよく、または変化してもよい。
【0042】
前述に基づいて、基板フィルム102は、例えば、ポリマー、熱可塑性材料、電気絶縁材料、導電性材料、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート(PC)、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ポリイミド、メチルメタクリレートおよびスチレンのコポリマー(MS樹脂)、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、炭素繊維、複合材料、有機材料、バイオ材料、皮革、木材、セルロース、織物、布地、金属、有機天然材料、固体木材、ベニヤ、合板、樹皮、樹木樹皮、樺樹皮、コルク、天然皮革、天然織物または布地材料、天然成長材料、綿、ウール、リネン、シルク、および上記の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の材料を含んでもよい。
【0043】
項目104は、フィルム102上に提供された少なくとも1つの層を指す。層104は、射出成形などの成形、または、例えば、関連する材料の浸漬などのキャスティングによって、フィルム102上に作製されていてもよい。代替的または追加的に、層104は、それを、例えば既製の要素として、フィルム102上に、例えば、機械的接着、化学的接着、電気的接着、電気的接着、熱、圧力、溶剤、および/または接着剤を利用して積層することにより、フィルム102上に配置してもよい。
【0044】
フィルム102上に配置された層104は、一般に、ポリマー、有機、バイオ材料、複合材料だけでなく、これらの任意の組み合わせなどのいくつかの材料を含んでもよい。材料は、熱可塑性および/または熱硬化性材料(複数可)を含んでもよい。含まれる層(複数可)および他の特徴部、したがって構造体100全体の厚さは、実施形態に応じて変化してもよい。それは、例えば、1ミリメートル、数ミリメートルまたは数十ミリメートルの大きさの程度であってもよい。材料は、例えば電気絶縁性であってもよく、または導電性であってもよい。いくつかの実施形態では、層104は、例えば、エラストマー樹脂、熱硬化性材料、熱可塑性材料、PC、PMMA、ABS、PET、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ナイロン(PA、ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、ポリスチレン(GPPS)、TPSiV(熱可塑性シリコーン加硫物)、およびMS樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の材料を含んでもよい。
【0045】
少なくとも局所的に、例えばフィルム102上に提供され、かつ例えば層104とフィルム102との間に存在する、そして/または層104の反対側などの構造体の他の場所に配置された(項目108、110、および最上部105を参照されたい)、さまざまな構成要素または他の要素105も潜在的に、したがって追加的または代替的に含む、いくつかのさらなる層103、103B、103C、または一般的には特徴部が存在してもよい。これらの層および他の特徴部は、さまざまな機能、例えば、保護、美的、装飾的または他の視覚/光学的機能、検知機能、導電機能、絶縁機能、取り付けまたは固定機能、離隔機能などを有してもよい。層103、103B、103C、または要素105などの特徴部は、各々、(図に示された)それら自体の厚さなどの寸法だけでなく、特性付与材料を有してもよい。代替的に、層103、103B、103Cなどの複数の特徴部は、例えば、厚さまたは材料の点で、少なくとも部分的に同一または類似の構成を相互に有することが可能である。
【0046】
上記で言及したように、いくつかの実施形態では、多層構造体100は、さらなる基板フィルム102Bを含んでもよく、または共通基板フィルム102Cを、図にも示したように、多層スタック内のいくつかの層102A、102Bを画定するように曲げることが可能である(層102Bは、基板102Aの延長部から形成されていると見なすことが可能である)。異なるフィルムまたはフィルム層102A、102Bを、層104の同じ側および/または異なる側に提供することが可能である。フィルムまたはフィルム層102Bは、グラフィックス、導電性トレース、電気絶縁特徴部または例えば構成要素などの特徴部を、任意選択的に、図に示されるように層104に面する側に、および/または環境もしくは任意選択的なさらなる層(複数可)110に面する側に、さらにホストすることが可能である。いくつかのフィルムまたはフィルム層102A、102Bは、単一部品によって既に確立されていない場合、例えば層104などの中間層を通して提供された導電性ビアによって、任意選択的に一緒に接続されてもよい。
【0047】
前述の特徴部は、例えば、導電体、印刷導電体、電気絶縁体、導電体、導電性ビア、電気回路設計、接点パッド、回路トレース、電極、グラフィックス、グラフィックインク層、導電性インク層、視覚的インジケータ、電気素子、電子部品、集積回路、光学素子、発光素子、LED、OLED、光検出素子、レンズ、光誘導素子、光回折器、光コリメータ、光ガイド、センサ、圧力センサ、近接センサ、スイッチ、圧電素子、触覚素子、電気機械要素、処理要素、アンテナ、メモリ素子、および通信要素からなる群から選択される、少なくとも1つの要素を含んでもよい(装飾的特徴部は、本明細書では、他の可能な機能に加えての関連付けられた装飾機能に起因して、機能特徴部と見なすことができる)。
【0048】
さまざま実施形態において、導電性特徴部は、導電性インク、導電性ナノ粒子インク、銅、鋼、鉄、スズ、アルミニウム、銀、金、白金、導電性接着剤、炭素繊維、合金、銀合金、亜鉛、真鍮、チタン、はんだ、およびその任意のコンポーネントからなる群から選択される、少なくとも1種の導電性材料を含んでもよい。使用される導電性材料は、可視光などの所望の波長で光学的に不透明、半透明、および/または透明であってもよく、したがって、例えば、可視光などの放射を、マスキングする、またはそこから反射させる、その中に吸収する、もしくは通過させる。
【0049】
特徴部のうちの1つ以上は、例えば、スクリーン印刷、フレキソグラフィー、グラビア、オフセットリソグラフィー、またはインクジェットなどの印刷エレクトロニクス技術を利用して、多層構造体100、またはその基板102などの特定の構成要素に直接作製されていてもよい。代替的または追加的に、例えば、エッチング、または銀もしくはフローコーティングなどの適用可能なコーティング法が利用されていてもよい。さらなる選択肢として、既製の特徴部は、任意選択的に選択された積層法の形態で、例えば接着剤、熱、および/または圧力を使用して、構造体に取り付けられていてもよい。なおさらなる選択肢として、導電性トレース、コンポーネント、熱伝導体、および/または他の要素などの1つ以上の特徴部を、次いで基板102上に、または一般的には構造体100に配置されるテープ(例えば、接着テープ、または具体的には、接着剤転移テープ)などの少なくとも部分的に事前調製された担体上に提供することが可能である。
【0050】
さまざまな実施形態において、含まれる基板フィルム102、102B、102C、さらなる層103、103B、103C、108、110、および/またはさらなる特徴部105のうちの1つ以上は、例えば、可視スペクトル内の、事前定義された波長を考慮して、少なくとも部分的に、光学的に実質的に不透明または少なくとも半透明としてもよい。これらの項目には、グラフィックパターンおよび/またはその上もしくはその中の色などの、視覚的に区別可能な、装飾的/美的および/または情報提供的な特徴部が提供されていてもよい。一般に、IML(モールド内ラベリング)/IMD(モールド内装飾)技法が、こうしたものを製造するために適用可能である。項目は、少なくとも部分的、すなわち少なくとも所々で、例えば、構造体内のエレクトロニクスまたは構造体上の他のエレクトロニクスによって発せられる可視光などの放射に対して光学的に実質的に透明であってもよい。透過率は、例えば、約75%、80%、85%、90%、95%以上であってもよい。
【0051】
項目106は、基板フィルム102の少なくとも1つの脱離強化特徴部を指す。特徴部106は、実質的に表面領域102A全体にわたって延在してもよく、またはその(図示されるような)局所部分を覆うだけでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、基板102の脱離強化特徴部106は、少なくとも1つの接着性低減特徴部を含む。そのような特徴部は、さらなる特徴部および例えば層104を基板フィルムの第1の側の上に配置する前に、好ましくは第1の側102Aの上の基板フィルム102の表面と接触させて、基板フィルム102の第1の側102Aの上に提供された、例えば気泡状または気体状材料(したがって、空隙を実質的に画定しない場合、例えば、空気の、構造体100内に非固体材料の空間を画定する)、気化性材料、化学的もしくは別様の解離性材料、溶融性材料、熱的除去可能材料、化学的除去可能材料、接着剤ドロップもしくは要素、固体要素、および/またはキャスティング補助材料を含んでもよい。
【0053】
好ましくは、フィルム102上に提供された接着性低減特徴部は、層104の材料および/または、接着性低減特徴部と層104との間に提供され、接着性低減特徴部に接触する材料層(例えば、装飾/グラフィックインク、導電性インク、もしくは別様の機能性インク)、または、例えば、コンポーネントを指す場合がある、層/特徴部103、103Bの材料などの中間材料(あるとすれば)などの、構造体100内に残存することが意図される隣接材料へのフィルムの接着性を低減するように構成されている。
【0054】
さまざまな実施形態において、接着性低減特徴部は、層104と、考えられる中間の、直接隣接する特徴部103、103Bとを考慮し、かつそれらに面する、固体材料などの低接着性材料を含んでもよい。
【0055】
さまざまな実施形態において、少なくとも1つの接着性低減特徴部は、その基板フィルム102上への提供後、およびフィルム102の少なくとも部分の除去を通して、実質的にそのままであってもよい(すなわち、関連材料または構造体は、フィルム102上に最初に提供されたままである)。
【0056】
いくつかの他の補足的または代替的な実施形態では、少なくとも1つの脱離強化特徴部106は、フィルム102の少なくとも部分を構造体100から除去する前または除去する際に、接着性低減特性など、その脱離特性を強化するために追加的に活性化されるかまたは別様に処理される材料を含んでもよい。
【0057】
例えば、特徴部は、任意選択的に、一般的に特徴部または多層構造体に特異的に供されてもよい熱暴露または化学暴露によって、異なる物質または構造の状態に変換されてもよい。例えば、固体材料を溶融形態に変換する(例えば、砂糖もしくは塩を考えられたい)か、または材料を気化するために、熱を加えてもよい。したがって、最初に提供されたような特徴部は、変換されたバージョンの前駆体と見なすことが可能である。いくつかの実施形態では、材料は、例えば材料の基材102上への提供の直後に任意選択的に開始し得る内部の化学的または他のプロセスに起因して、任意の特定の外部誘導活性化手順を後でトリガまたは実行する必要なく、所望の変換を受けるように構成されてもよい。
【0058】
さまざまな実施形態において、接着性低減特徴部または一般的には脱離強化特徴部は、フィルム102または隣接層上に、少なくとも1つの選択された印刷エレクトロニクス技術、例えば先に挙げたもののうちの1つなどの任意の好適な技術によって、またはフローコーティングもしくは銀コーティングなどの選択されたコーティング技術の適用を通して、または他の特徴部を構造体100へ配置することに関して上で考察されるように、担体、例えばテープを使用して、提供されてもよい。なお、特徴部は、フィルム102上に取り付けられ、かつ例えば接着剤、熱、圧力、または一般的には、好適な積層技法を使用して、任意選択的に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、ガス、または具体的には空気で満たされた空洞などの特徴部は、例えば、層103、103Bまたは104などの隣接特徴部をフィルム102上に成形などで作製してから、変換されるか、または関連付けられた空間から除去された一片の固体材料を使用して作製されてもよい。
【0059】
さまざまな実施形態において、少なくとも1つの脱離強化特徴部106の材料は、例えば、化学的に、基板フィルム102の材料を脆弱化または薄層化するように構成されてもよい。したがって、その後のフィルム102の少なくとも部分的な除去は、側102Bに加えてまたはその代わりに、その第1の側102Aを介して、追加的または単独的に行われてもよい。
【0060】
さまざまな実施形態において、少なくとも1つの脱離強化特徴部106は、(基板)フィルム内の事前切断部分、フィルム内の薄層化された部分、フィルム内のより薄くキャストまたは成形された部分などのフィルム内のより薄く作製された部分、およびフィルム内の概して脆弱化された部分からなる群から選択される、少なくとも1つの要素106Bを備える。
【0061】
例えば機械的または化学的プロセス(彫刻、エッチング、ドリル加工、のこ引き、切断、研削、穿孔など)によって得られる、これらおよび類似の特徴部は、例えば特徴部によって画定される形状に沿って、その少なくとも部分の機械的除去を容易にする点で、基板フィルム102を局所的に脆弱化するように構成されていてもよい。
【0062】
実施形態120に切り替えると、実施形態120のさまざまな特徴部は、一般に、実施形態100のものに類似していると見なされ、不必要な冗長性を回避するためにここで繰り返されない。
【0063】
しかしながら、実施形態120は、基板102の少なくとも部分、すなわち(図示された)一部分だけ、または基本的に基板102全体が、1つ以上の先で考察される脱離強化特徴部106の助けにより、多層構造体から除去されているという点で、実施形態100とは異なる。少なくとも部分は、フィルム102の第2の側102Bからまたは第2の側102Bを介して実行される剥離または引っ張り動作などの行為によって除去されていてもよいが、前述のように、除去行為は、第1の側102Aを介して、すなわち残りの構造体の内からまたは残りの構造体を介して、追加的または代替的に行われてもよい。
【0064】
除去中に、接着性低減特徴部106、またはその内部材料は、一緒に除去されてもよく、場合によっては部分と依然として接続されていてもよい。これは、例えば、固体、液体、または、例えば、ゲル状の材料に当てはまる場合があるが、一方で空洞タイプの特徴部106内に潜在的に存在する気体、例えば、空気、または一般的に気体状材料は、当該空間から自由に抜け出ている場合がある。
【0065】
したがって、解放され、かつ典型的には、脱離強化特徴部106および/または基板102によって少なくとも部分的に本来は画定されかつ/または占有されていた空間は、内部層103、103Bもしくは他の特徴部105などの構造体の露出内部要素を標的とする、成形などの1つ以上の後処理タスクの実行、または構造体内の1つ以上の好ましくは機能特徴部の追加を含むがこれらに限定されない、異なる目的のために利用可能になった。
【0066】
図では、第2の機能特徴部122が、解放された空間内に提供されていて、有利なことに、先で考察されるように、少なくとも機能的に、好ましくは電気的、電磁的、または光学的に、構造体内に既に提供された第1の機能特徴部のうちの1つ以上と接続する。第2の機能特徴部122は、基本的に、潜在的な第1の機能特徴部として本明細書に先に列挙した任意の要素を含んでもよい。加えて、これは、例えば、高出力LEDなどの高出力または他の発熱素子、ガスセンサもしくは一般的には大気センサまたは他の外部条件(複数可)測定センサ、あるいはその動作もしくは設置が構造体の周囲の位置から、または上記で考慮したような、成形もしくは形成などの特定の製造段階後の提供から任意選択的に利益を受ける任意の他の要素、を含んでもよい。
【0067】
解放された空間は、提供された第2の機能特徴部122および任意のさらなる材料、または「充填材」によって部分的または完全に消費されている可能性がある。次いで、追加層(複数可)124などのさらなる特徴部が、固定、保護、美的、要素もしくはコンポーネントのホスティング、または他の目的のために、構造体120に提供されていてもよい。
【0068】
点線123によって図に示されたように、第2の機能特徴部122は、構造体から突出してもよく、それと同じ高さの表面を確立してもよく、または空間内の奥に配置されて、任意選択的なさらなる特徴部または充填材によって覆われない限り、孔が構造体の周囲に依然として残るようにしてもよい。
【0069】
さまざまな実施形態において、第2の機能特徴部122は、不可欠な既製要素として、好ましくは接着剤もしくは溶媒を利用して、それを取り付けることによって、または任意選択的に射出成形によって、それを孔の中へと少なくとも部分的に直接作製(製造)することによって、提供されてもよい。
【0070】
さまざまな実施形態において、光源、レンズ、または他の光学的もしくは電気的特徴部などの第2の機能特徴部122は、構造体120内のその設置または直接製造の際に、基板フィルムの第1の側の上に提供された第1の機能特徴部(ここでも、例えば光学的もしくは電気的特徴部)または他の特徴部のうちの1つ以上と整列されていてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、第2の機能特徴部122は、例えば一方または両方の端部に、電気コネクタまたはコネクタを有するコネクタケーブルなどのコネクタを備える。コネクタは、例えばモノリシックまたは複合構造の本体部材を含んでもよい。その本体部材などのコネクタは、例えば、選択されたプラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリイミド)またはセラミック材料などの実質的に電気絶縁材料を含んでもよい。しかしながら、電気接続を提供する点において、コネクタは、好ましくは、本体から任意選択的に突出するピンまたは他の特徴部などのいくつかの導電性接触要素を備える。接触要素は、ケーブルの導体を、ホストデバイスもしくは構造体などの外部デバイスもしくは構造体、または例えば別のコネクタなどのさらなる接続要素に電気的(直流的)に結合するために利用されてもよい。なおも、それらは、構造体120内の導電性特徴部に結合してもよい。
【0072】
図2は、少なくとも部分的に既に製造された多層構造体内に機能要素(複数可)を統合する一般的な状況における、本発明による多層構造体、関連する材料除去、およびその後のさらなる機能要素の提供のより具体的な実施形態を概略側面図または断面図を介して図示する。図1の説明で与えられた考慮事項は、例えば使用される材料、寸法、層、およびさらなる態様について、ここでも概して完全に適用可能であり、逆も同様である。
【0073】
実施形態によって、プラスチック層またはインク層などの、その上の隣接材料に対する接着性がそうしないよりもより低い、いくつかの脱離強化特徴部、例えば脱離強化領域106を基板フィルム102上に導入することが可能であり、そうすると、フィルム102を、隣接層(複数可)、または一般的にはグラフィック印刷203Cもしくは機能性印刷203、203Bなどの機能特徴部から分離させることができ、それにより関連付けられたグラフィック203Cおよび機能性203、203Bインクは構造体内に残存する。したがって、フィルム102を、選択された領域(複数可)から除去し、残りのグラフィック203Cおよび機能性インク203、203Bを、例えば、後処理に暴露させることができる。
【0074】
200に示されるように、基板フィルム102の表面の1つ以上の選択領域には、好ましくは例えば選択された印刷エレクトロニクス技術を使用してそれを印刷することによって、例えば保護層の形態で、脱離強化特徴部106が提供されている。特徴部106の材料特性は、特徴部106が、その上にさらに印刷されてもよい、例えば隣接する機能性インク203、203Bに対して乏しい(かつ、例えば基板102に対してよりも乏しい)接着性を有するように選択され、そうすると、220に示されるように、基板フィルム102を、局所的に、すなわち実質的に特徴部106の位置において、層104の射出成形などの提供の後に、剥離、切断、または別様に除去することができる。これにより、多層構造体内に残存する機能性インク層203、203Bを、例えば、さらなる処理のために、露出させる。特徴部106の位置の上に層203Bが存在しない場合、インク層203上に提供されたグラフィックス(インク)層203Cも、対応して露出される可能性がある。
【0075】
240に示されるように、フィルム102の除去後、機能性インク層203、203Bに、実際に外部から到達することができ、機能部(選択された材料、コンポーネントまたは他の要素、例えばLEDもしくは、例えばグラフィックインク203Cを照射するように任意選択的に構成された他の光源などの機能特徴部)122が、特徴部106によって最初は占有されていて解放された空間206と、基板フィルム102の除去された部分とに好都合に追加される。
【0076】
図3は、本発明による方法の一実施形態の流れ図を1800に含む。
【0077】
多層構造体を製造する方法の開始時に、始動段階302が実行されてもよい。始動中、材料、コンポーネントおよびツールの選択、取得、較正などの必要なタスクと、他の構成タスクとが行われてもよい。個々の要素および材料の選択が、一緒に機能し、かつ選択された製造および設置プロセスを乗り切るように特別な注意が必要であり、プロセスは、当然ながら、製造プロセス仕様およびコンポーネントデータシートに基づいて、または例えば、作製されたプロトタイプを調査および試験することによって、事前にチェックされるのが好ましい。したがって、なかでも、成形/IMD(インモールド装飾)、積層、接着、(熱)形成、キャスティング、エレクトロニクス組み立て、剥離、切断、ドリル加工および/または印刷装置などの使用される装置は、この段階で動作状態まで立ち上げられていてもよい。
【0078】
304において、グラフィックス、材料層、光学素子などのエレクトロニクスおよび/または他の特徴部を収容するために、先で考察されるような、例えば、プラスチックまたは他の材料の少なくとも1つの、任意選択的に可撓性の、基板フィルムが得られる。基板フィルムは、最初は、実質的に平坦であってもよく、または例えば湾曲していてもよい。既製要素、例えばプラスチックフィルムのロールまたはシートが、いくつかの実施形態では、基板材料として使用するために取得されてもよい。いくつかの実施形態では、基板フィルム自体は、まず、いくつかの選択された出発材料(複数可)から成形または他の方法によって、製造されてもよく、または少なくとも処理、任意選択的に切断および/もしくはコーティングされてもよい。任意選択的に、基板フィルムは、この段階でさらに処理されてもよい。
【0079】
項目306~314は、明確化のために、特定の順序で別個に開示されているが、当業者は、各特定の使用シナリオに応じて、項目の相互の順序が柔軟に変更されてもよく、例えば、それらが交互にかつ繰り返し実行されてもよく、統合されてもよく、またはより小さなアンサンブルに分割されてもよいことを容易に理解するべきである。なおも、1つ以上の項目が、実施態様から選択的に省略されてもよい。
【0080】
項目306は、1つ以上の、前述の接着性低減特徴部などの脱離強化特徴部および/または基板脆弱特徴部(事前切断部分、薄層化部分など)を1つ以上の基板フィルムに提供することを指す。先で考察されるように、いくつかの実施形態では、特徴部は、例えば、そのままであるか、または例えば加熱もしくは何らかの他の曝露を受けた加工された形態もしくは変換された形態でかのいずれかで、それに隣接して位置する材料または関連要素に対して、そのような当該基板フィルム(複数可)よりも低い接着性を有する固体材料を含んでもよい。追加的または代替的に、特徴部は、例えば空気などの気体物質を含んでもよい。
【0081】
項目308は、例えばいくつかの導体線(例えば回路設計の少なくとも一部を画定するトレース)、電極、および/または接点パッドを、画定する導電層または領域などの機能特徴部の、基板フィルム(複数可)上への、そのいずれかまたは両方の側での、好ましくは、ただし、必須ではないが、印刷エレクトロニクス技術の1つ以上の付加技法による、提供を指す。例えば、スクリーン、インクジェット、フレキソグラフィー、グラビア、またはオフセットリソグラフィー印刷を利用してもよい。また、例えば、その上に視覚的インジケータなどの装飾的または情報提供的グラフィックスを印刷することまたは一般的提供を含む、フィルム(複数可)を洗練させるさらなる行動が、ここで行われてもよい。提供されたさまざまな特徴部は、例えば図2に示されるように、フィルム(複数可)上に重ね合わせられてもよい。
【0082】
310において、例えば、さまざまなSMDを含む既製コンポーネントなどの、いくつかの例えば電子部品タイプの機能特徴部が、フィルム(複数可)上の接触領域に、例えばはんだおよび/または接着剤によって、取り付けられてもよい。代替的または追加的に、例えば、印刷エレクトロニクス技術を適用して、OLEDなどのコンポーネントの少なくとも一部をフィルム(複数可)上に直接、実際に製造してもよい。項目309は、システムオンチップアセンブリなどのサブアセンブリのフィルム(複数可)上への可能な提供を指す。
【0083】
312において、いくつかの、例えば、光学的または他のタイプの機能特徴部が、基板フィルム(複数可)上への、取り付けまたは直接製造によって、提供されてもよい。
【0084】
314において、例えば熱形成または冷間形成を使用する、基板フィルム(複数可)の3D形成が行われてもよい。結果として、当該基板フィルム(複数可)は、所望の3次元(本質的に非平面)形状を呈する。したがって、好適な成形可能材料を含有する基板フィルム(複数可)は、標的環境/デバイスにより良好に適合し、かつ/またはさまざまな特徴部をより良好に収容するように成形される。代替的に、フィルム(複数可)上に機能特徴部を提供する前に、または既に確立された多層スタックがそのような処理を乗り切るように設計されている場合、例えば、成形後に、形成が行われる可能性がある。
【0085】
316において、任意選択的に、例えば、熱可塑性材料を含む、前述で企図されたような少なくとも1つの材料層が、基板フィルム(複数可)上に配置され、これにより例えばその上に既に提供されている1つ以上の(第1の)機能特徴部を覆う。先に述べたように、例えば成形、キャスティング、またはさらなる選択された積層技法が、一般に、ここで適用可能である。
【0086】
実際には、1つ以上の基板フィルムが、例えば、射出成形プロセスにおけるインサートとして使用されてもよい。基板フィルムの片側は、少なくともいくつかの実施形態では、成形プラスチックを有しないままにしてもよい。
【0087】
2つのフィルムが使用される場合、プラスチック層がそれらの間に注入されるように、それらは両方ともそれら自体の成形半型の中に挿入されてもよい。代替的に、第2のフィルムは、第1のフィルムおよびプラスチック層の集合体に、好適な積層技法によって、その後に貼着することが可能である。
【0088】
得られた積み重ね多層構造体の結果として得られる全体的な厚さに関しては、例えば、使用される材料と、製造およびその後の使用を鑑みて必要な強度を提供する関連する最小材料厚さとに依存する。これらの態様は、個別的に考慮される必要がある。例えば、構造体の全体的な厚さは、約1mmまたは数ミリメートルである可能であるが、かなり厚いまたは薄い実施形態も実現可能である。
【0089】
項目318は、少なくとも1つの脱離強化特徴部が提供された少なくとも1つの基板フィルムの少なくとも部分の除去を指し、これは少なくとも1つの特徴部および当該フィルムの少なくとも部分によって最初は占有されていた構造体内の空間が見えるようにする。少なくとも1つの脱離強化特徴部は、任意選択的にフィルムに依然として貼着されて、フィルム(の部分)と一緒に構造体を離れてもよい。いくつかの実施形態では、特徴部は、前述で企図されたように、接着性低減特性および/または除去を強化させるために、気体物質などの異なる物質状態へと、追加的に変換させる必要がある場合があり、または変換(溶融、蒸発など)する場合がある。
【0090】
項目320は、構造体内、すなわち空間(複数可)内に少なくとも1つの脱離強化特徴部および基板フィルム(複数可)によって見えるようになる孔などの、さまざまな材料、コンポーネント、および/またはコネクタなどの、1つ以上の(第2の)機能特徴部の提供を指す。さらに、この段階で、例えば構造体の露出した内部要素に対して、さまざまな後処理タスクが実行されてもよい。追加層は、積層、または、例えば、好適なコーティング(例えば、堆積)手順によって多層構造体に提供されてもよい。層は、保護的、指示的および/または美的価値のあるもの(グラフィックス、色、図形、テキスト、数値データなど)であってもよく、プラスチックの代わりにまたはそれに加えて、例えば、織物、皮革、またはゴム材料を含有してもよい。エレクトロニクスなどの追加要素が、基板の外装表面などの構造体の外側表面(複数可)に取り付けられてもよい。提供されたコネクタまたはコネクタケーブルタイプの特徴部は、外部デバイス、システムまたは構造体の外部コネクタまたはコネクタケーブルなどの所望の外部接続要素に接続されてもよい。
【0091】
322において、方法実行は終了する。
【0092】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲とその均等物とによって決定される。当業者は、開示された実施形態は例示的な目的のみのために構築されたこと、および上記の原理の多くを適用する他の構成を、各潜在的な使用シナリオに最良に適合するように容易に準備することが可能であることを理解するであろう。
図1
図2
図3