(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】支持具付き棒状体
(51)【国際特許分類】
A45B 7/00 20060101AFI20240312BHJP
A45B 3/00 20060101ALI20240312BHJP
A45B 9/00 20060101ALI20240312BHJP
A45B 9/04 20060101ALI20240312BHJP
A45B 19/08 20060101ALI20240312BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A45B7/00 Z
A45B3/00 C
A45B9/00 B
A45B9/04 B
A45B19/08
A61H3/00 A
(21)【出願番号】P 2023571334
(86)(22)【出願日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 JP2023041085
【審査請求日】2023-11-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518323307
【氏名又は名称】近藤 啓太郎
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 啓太郎
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0095397(US,A1)
【文献】登録実用新案第3243329(JP,U)
【文献】特開2010-124920(JP,A)
【文献】特開2019-195391(JP,A)
【文献】特開2017-113262(JP,A)
【文献】登録実用新案第3059956(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 7/00
A45B 3/00
A45B 9/00 - 9/06
A45B 9/00
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直上方側の上面及び鉛直下方側の下面を有し、鉛直方向に沿って見た形状が三角形又は四角形であるテーブル、並びに、
前記下面の角の各々に設けられた複数の脚部
を備える支持具と、
傘、杖、ステッキ又はストックであり、前記上面に接合された棒状体であって、
直立した初期姿勢から90°屈曲した第1の屈曲姿勢に変更可能に構成された棒状体と、
使用者の操作に応じて移動することにより、前記棒状体を前記初期姿勢から前記第1の屈曲姿勢に変更可能な状態にするストッパ、を有する姿勢維持機構と
を具備
し、
前記ストッパは、前記棒状体が前記初期姿勢又は前記第1の屈曲姿勢である状態を維持する、
支持具付き棒状体。
【請求項2】
前記棒状体は、
前記第1の屈曲姿勢から90°さらに屈曲した第2の屈曲姿勢に変更可能に構成され、
前記ストッパは、
使用者の操作に応じて移動することにより、前記棒状体を前記第1の屈曲姿勢から前記第2の屈曲姿勢に変更可能な状態にし、
前記棒状体が前記初期姿勢、前記第1の屈曲姿勢又は前記第2の屈曲姿勢である状態を維持する、
請求項1に記載の支持具付き棒状体。
【請求項3】
前記テーブル及び前記複数の脚部は、弾性変形可能に構成される、
請求項1又は2に記載の支持具付き棒状体。
【請求項4】
前記テーブル及び前記複数の脚部は、弾性材料からなる、
請求項3に記載の支持具付き棒状体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持具付き棒状体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、老人や足腰の弱い歩行者、あるいは、身体に障害を持つ歩行者は、ステッキ等の歩行補助具を持って歩行する場合が多い。近年では、このような歩行補助具として、ステッキの下端部に、複数の脚部を有する支持具が設けられた支持具付き棒状体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような支持具付き棒状体は、支持具により歩行者の歩行安定性が向上するが、歩行者が当該棒状体を使用しない場合に、棒状体の部分が邪魔になる場合がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、棒状体が邪魔にならない支持具付き棒状体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、鉛直上方側の上面及び鉛直下方側の下面を有し、鉛直方向に沿って見た形状が三角形又は四角形であるテーブル、並びに、前記下面の角の各々に設けられた複数の脚部を備える支持具と、傘、杖、ステッキ又はストックであり、前記上面に接合された棒状体であって、直立した初期姿勢から90°屈曲した第1の屈曲姿勢に変更可能に構成された棒状体と、使用者の操作に応じて移動することにより、前記棒状体を前記初期姿勢から前記第1の屈曲姿勢に変更可能な状態にするストッパ、を有する姿勢維持機構とを具備し、前記ストッパは、前記棒状体が前記初期姿勢又は前記第1の屈曲姿勢である状態を維持する、支持具付き棒状体が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、棒状体が邪魔にならない支持具付き棒状体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る支持具付き棒状体の構成例を示す正面図である。
【
図4】第1実施形態の支持具の構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態の支持具付き棒状体の姿勢変更を説明するための説明図である。
【
図6】第2実施形態に係る支持具付き棒状体の構成例を示す正面図である。
【
図7】第2実施形態の支持具付き棒状体の支持具の構成例を示す図である。
【
図8】第3実施形態に係る支持具付き棒状体の構成例を示す正面図である。
【
図11】第3実施形態の支持具付き棒状体の姿勢変更を説明する説明図である。
【
図12】第4実施形態に係る支持具付き棒状体の構成例を示す正面図である。
【
図13】第4実施形態の支持具付き棒状体の支持具の構成例を示す図である。
【
図14】第5実施形態に係る支持具付き棒状体の構成例を示す正面図である。
【
図17】第5実施形態の支持具付き棒状体の姿勢変更を説明する説明図である。
【
図18】第6実施形態に係る支持具付き棒状体の構成例を示す正面図である。
【
図21】第6実施形態の支持具付き棒状体の支持具の構成例を示す図である。
【
図22】第6実施形態の支持具付き棒状体の姿勢変更を説明する説明図である。
【
図23】変形例に係る関節部の構成例を示す図である。
【
図24】変形例に係る関節部の構成例を示す図である。
【
図25】変形例に係る関節部の構成例を示す図である。
【
図26】変形例に係る関節部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について説明する。なお、図面において各部の寸法及び縮尺は、実際と相違する。また、図面は、理解を容易にするために模式的に示す。さらに、本発明の範囲は、本発明を特に限定する旨の記載がない限り、以下に例示する形態に限られない。
以降の説明では、相互に直交するX軸、Y軸及びZ軸を規定する。X軸、Y軸及びZ軸は、以降の説明で例示される全図において共通であり、相互に直交する3軸方向である。
図1に例示される通り、任意の地点からみてX軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向と反対の方向をX2方向と表記する。X軸方向は、X1方向及びX2方向の両方向を含む方向である。同様に、任意の地点からY軸に沿って相互に反対の方向をY1方向及びY2方向と表記する。Y軸方向は、Y1方向及びY2方向の両方向を含む方向である。また、任意の地点からZ軸に沿って相互に反対の方向をZ1方向及びZ2方向と表記する。Z軸方向は、Z1方向及びZ2方向の両方向を含む方向である。さらに、X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は鉛直方向に沿う軸線である。
【0010】
1.実施形態
<第1実施形態>
[支持具付き棒状体の構成]
図1は、本実施形態に係る支持具付き棒状体1(以下、棒状体1という。)の構成例を示す正面図である。
図2は
図1の棒状体1をX1方向に見た側面図であり、
図3は
図1の棒状体1をX2方向に見た側面図である。なお、
図1では、後述するストッパ32の図示を省略する。
【0011】
棒状体1は、支持具10と、棒状体20と、姿勢維持機構30とを有する。
【0012】
(支持具)
図4は、棒状体1をZ1方向に見た平面図である。支持具10は、テーブル11と、複数の脚部12とを有する。テーブル11は、棒状体1をZ軸方向に沿って見たときの外観形状が三角状であり、Z1方向側(鉛直上方側)の上面11Aと、Z2方向側(鉛直下方側)の下面11Bとを有する。
【0013】
複数の脚部12は、テーブル11の下面11Bに設けられ、下面11BからZ2方向に突出する。複数の脚部12は、
図4に示されるように、テーブル11の角の各々に設けられる。
【0014】
テーブル11と複数の脚部12は、一体的に構成される。テーブル11と複数の脚部12との一体物は、弾性材料からなる。これにより、当該一体物は、弾性変形可能に構成され、棒状体20が傾いた際には、複数の脚部12が地面についたままテーブル11が変形するものとなる。当該弾性材料は特に制限されないが、例えば、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーのうちの少なくとも1つからなる。なお、テーブル11と複数の脚部12との一体物を構成する材料は、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーに限定されず、当該一体物に弾性を発現させる弾性材料であれば特に制限されない。
【0015】
複数の脚部12が弾性変形可能であると、複数の脚部12を接地したときに、複数の脚部12からテーブル11及び棒状体20を介して、棒状体1の使用者へと伝達される振動を低減することができる。このため、棒状体1の使用者の歩行安定性を向上させるとともに、当該使用者への衝撃を緩和することができる。
【0016】
(棒状体)
棒状体20は、ステッキであり、後述するように屈曲可能に構成される。棒状体20は、第1部分21と、第2部分22とを有する。第1部分21は、柱状体21aと関節部21bとを有する。柱状体21aは、Z軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、柱状体21aのX-Y平面に沿う断面形状は円形に限られず、矩形等、他の形状であってもよい。
【0017】
柱状体21aの一端は、テーブル11の上面11Aに接合される。柱状体21aと上面11Aとの接合手段は特に制限されないが、典型的には接着剤を用いた接合手段が採用される。柱状体21aの他端には、関節部21bが設けられる。
【0018】
関節部21bは、X軸方向における寸法が柱状体21aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部21bは、
図2に示されるように、貫通孔21Hを有する。また、関節部21bは、Y2方向に開口する切欠き21Nを有する。
【0019】
第2部分22は、柱状体22aと、関節部22bと、把持部22cと有する。柱状体22aは、棒状体1が
図1~3に示される立設した姿勢(以下、初期姿勢という。)を取る場合にZ軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、棒状体1が初期姿勢であるときの柱状体22aのX-Y平面に沿う断面形状は典型的に円形であるがこれに限られず、矩形等、他の形状であってもよい。
【0020】
関節部22bは、柱状体22aの一端に設けられる。関節部22bは、X軸方向における寸法が柱状体22aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部22bは、棒状体1が初期姿勢を取る場合、
図3に示されるように、Y2方向に開口する切欠き22N
1と、Z2方向に開口する切欠き22N
2とを有する。切欠き22N
1は、棒状体1が初期姿勢を取る場合、
図1に示されるように、関節部21bの切欠き21NとX軸方向に連通する。
【0021】
また、関節部22bは、
図3に示されるように、貫通孔22Hを有する。貫通孔22Hは、関節部21bの貫通孔21HとX軸方向に連通する。回転軸Xは、互いに連通する貫通孔21H,22Hを貫通する。この構成により、第2部分22は、回転軸Xを介して第1部分21に連結され、回転軸Xを中心としてX軸回りに回動可能となる。
【0022】
把持部22cは、柱状体22aの他端に設けられる。把持部22cは、棒状体1の持ち手として機能する。把持部22cは、棒状体1を扱う使用者に握られる部分である。
【0023】
(姿勢維持機構)
姿勢維持機構30は、スイッチ31と、ストッパ32とを有する。スイッチ31は、
図1に示されるように、第1部分21の柱状体21aに設けられ、開口部31Hと、Z軸方向に移動するレバー31Lとを有する。
【0024】
開口部31Hは、Y1方向に見た形状が矩形状の貫通孔である。レバー31Lは、開口部31Hを貫通する。レバー31Lは、棒状体1が初期姿勢、又は後述する屈曲姿勢(
図5D参照)である状態において、使用者に操作される場合を除き、常に初期位置にある。当該初期位置とは、レバー31LのY軸回りの外周面が、開口部31HのZ1方向の内面に当接する位置であり、以降の説明でも同様である。
【0025】
ストッパ32は、レバー31LのZ軸方向に動きに連動して、Y軸方向に移動するように構成される。具体的には、棒状体1の使用者がレバー31LをZ2方向に下げることに伴ってストッパ32がY2方向に移動し、レバー31LがZ1方向に移動することに伴ってストッパ32がY1方向に移動するように構成される。
【0026】
ストッパ32は、棒状体1が初期姿勢を取る場合、X軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N1に常に嵌る。これにより、回転軸Xを中心とした第2部分22の回動が規制され、棒状体1の初期姿勢が維持される。また、ストッパ32は、棒状体1が屈曲姿勢を取る場合、X軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N2に常に嵌る。これにより、回転軸Xを中心とした第2部分22の回動が規制され、棒状体1の屈曲姿勢が維持される。
【0027】
[支持具付き棒状体の姿勢変更]
図5は、棒状体1の姿勢変更を説明するための説明図である。以下、棒状体1の姿勢を変更する手順について説明する。
【0028】
棒状体1の使用者は、
図5Aに示されるように、スイッチ31のレバー31LをZ2方向に下げ、ストッパ32をY2方向に移動させる。これにより、
図5Bに示されるように、ストッパ32が、X軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N
1から外れる。
【0029】
次に、使用者は、
図5Cに示されるように、第2部分22をX2方向に見て時計回りに90°回動させ、切欠き21Nと切欠き22N
2とをX軸方向に連通させる。次いで、レバー31Lが初期位置に戻ると、ストッパ32がY1方向に移動する。これにより、
図5Dに示されるように、ストッパ32がX軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N
2に嵌り、棒状体1が屈曲姿勢となる。
【0030】
棒状体1が屈曲姿勢であると、棒状体20の折れ曲がった状態が維持され、棒状体20がコンパクトになる。このため、棒状体1の使用者にとって棒状体20が邪魔にならなくなる。棒状体20がコンパクトになると、例えば、当該使用者が棒状体1を所望の場所に収納する上での利便性が、棒状体20がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0031】
<第2実施形態>
[支持具付き棒状体の構成]
次に、
図6、7を適宜参照して、第2実施形態に係る支持具付き棒状体2(以下、棒状体2という。)について説明する。
図6は棒状体2の構成例を示す正面図であり、
図7は棒状体2をZ1方向に見た平面図である。なお、以降の第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成について同様の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0032】
棒状体2は、支持具102と、棒状体20と、姿勢維持機構30とを有する。
【0033】
(支持具)
支持具102は、テーブル112と、複数の脚部122とを有する。テーブル112は、棒状体2をZ軸方向に沿って見たときの外観形状が四角状であり、Z1方向側(鉛直上方側)の上面112Aと、Z2方向側(鉛直下方側)の下面112Bとを有する。テーブル112の上面112Aには、柱状体21aが接合される。上面112Aと柱状体21aとの接合手段は特に制限されないが、典型的には接着剤を用いた接合手段が採用される。
【0034】
複数の脚部122は、テーブル112の下面112Bに設けられ、下面112BからZ2方向に突出する。複数の脚部122は、
図7に示されるように、テーブル112の角の各々に設けられる。第2実施形態に係る棒状体2は、
図7に示されるように脚部122が4本であるため、地面との接地点が4点となる。これにより、脚部が4本未満である場合と比較して、使用者の歩行安定性が向上する。
【0035】
テーブル112と複数の脚部122は、一体的に構成される。テーブル112と複数の脚部122との一体物は、弾性材料からなる。これにより、当該一体物は、弾性変形可能に構成され、棒状体20が傾いた際には、複数の脚部122が地面についたままテーブル112が変形するものとなる。当該弾性材料は特に制限されないが、例えば、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーのうちの少なくとも1つからなる。なお、テーブル112と複数の脚部122との一体物を構成する材料は、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーに限定されず、当該一体物に弾性を発現させる弾性材料であれば特に制限されない。
【0036】
複数の脚部122が弾性変形可能であると、複数の脚部122を接地したときに、複数の脚部122からテーブル112及び棒状体20を介して、棒状体2の使用者へと伝達される振動を低減することができる。このため、棒状体2の使用者の歩行安定性を向上させるとともに、当該使用者への衝撃を緩和することができる。
【0037】
[支持具付き棒状体の姿勢変更]
棒状体2は、第1実施形態の棒状体1と同様に、初期姿勢から屈曲姿勢に変更可能であり、棒状体20をコンパクトにすることができる。このため、棒状体2の使用者にとって棒状体20が邪魔にならなくなる。棒状体20がコンパクトになると、例えば、当該使用者が棒状体2を所望の場所に収納する上での利便性が、棒状体20がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0038】
<第3実施形態>
[支持具付き棒状体の構成]
次に、
図8~10を適宜参照して、第3実施形態に係る支持具付き棒状体3(以下、棒状体3という。)について説明する。
図8は棒状体3の構成例を示す正面図である。
図9は
図8の棒状体3をX1方向に見た側面図であり、
図10は
図8の棒状体3をX2方向に見た側面図である。なお、
図8では、後述するストッパ322,323の図示を省略する。また、以降の第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成について同様の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0039】
棒状体3は、支持具10と、棒状体202と、姿勢維持機構302とを有する。
【0040】
(棒状体)
棒状体202は、ステッキであり、後述するように2段階に屈曲可能に構成される。棒状体202は、第1部分21と、第2部分222と、第3部分223とを有する。
【0041】
第2部分222は、柱状体222a、関節部222b、及び関節部222cを有する。柱状体222aは、棒状体3が
図8~10に示される立設した姿勢(以下、第2初期姿勢という。)を取る場合にZ軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、棒状体3が第2初期姿勢であるときの柱状体222aのX-Y平面に沿う断面形状は典型的に円形であるがこれに限られず、矩形等、他の形状であってもよい。
【0042】
関節部222bは、柱状体222aの一端に設けられる。関節部222bは、X軸方向における寸法が柱状体222aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部222bは、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、
図10に示されるように、Y2方向に開口する切欠き222N
1と、Z2方向に開口する切欠き222N
2とを有する。切欠き222N
1は、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、
図8に示されるように、関節部21bの切欠き21NとX軸方向に連通する。
【0043】
関節部222bは、
図10に示されるように貫通孔222hを有する。貫通孔222hは、関節部21bの貫通孔21HとX軸方向に連通する。回転軸X
1は、互いに連通する貫通孔222h,21Hを貫通する。この構成により、第2部分222は、回転軸X
1を介して第1部分21に連結され、回転軸X
1を中心としてX軸回りに回動可能となる。
【0044】
関節部222cは、柱状体222aの他端に設けられる。関節部222cは、X軸方向における寸法が柱状体222aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部222cは、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、
図9に示されるようにY2方向に開口する切欠き222nを有する。切欠き222nは、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、
図8に示されるように、関節部223bの切欠き223N
1とX軸方向に連通する。また、関節部222cは、
図9に示されるように、貫通孔222Hを有する。
【0045】
第3部分223は、柱状体223aと、関節部223bと、把持部223cと有する。柱状体223aは、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合にZ軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、棒状体3が第2初期姿勢であるときの柱状体223aのX-Y平面に沿う断面形状は典型的に円形であるがこれに限られず、矩形等他の形状であってもよい。
【0046】
関節部223bは、柱状体223aの一端に設けられる。関節部223bは、X軸方向における寸法が柱状体223aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部223bは、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、
図10に示されるように、Y2方向に開口する切欠き223N
1と、Z2方向に開口する切欠き223N
2とを有する。切欠き223N
1は、棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、
図8に示されるように、関節部222cの切欠き222nとX軸方向に連通する。
【0047】
また、関節部223bは、
図10に示されるように、貫通孔223Hを有する。貫通孔223Hは、関節部222cの貫通孔222HとX軸方向に連通する。回転軸X
2は、互いに連通する貫通孔222H,223Hを貫通する。この構成により、第3部分223は、回転軸X
2を介して第2部分222に連結され、回転軸X
2を中心としてX軸回りに回動可能となる。
【0048】
把持部223cは、柱状体223aの他端に設けられる。把持部223cは、棒状体3の持ち手として機能する。把持部223cは、棒状体3を扱う使用者に握られる部分である。
【0049】
(姿勢維持機構)
姿勢維持機構302は、スイッチ312と、ストッパ322,323とを有する。スイッチ312は、
図8に示されるように、第1部分21の柱状体21aに設けられ、開口部312Hと、Z軸方向に移動するレバー312Lとを有する。
【0050】
開口部312Hは、Y1方向に見た形状が矩形状の貫通孔である。レバー312Lは、開口部312Hを貫通する。レバー312Lは、棒状体3が第2初期姿勢、又は後述する第2屈曲姿勢(
図11E参照)である状態において、使用者に操作される場合を除き、常に第2初期位置にある。当該第2初期位置とは、レバー312LのY軸回りの外周面が、開口部312HのZ1方向の内面に当接する位置であり、以降の説明でも同様である。
【0051】
ストッパ322は、レバー312LのZ軸方向に動きに連動して、Y軸方向に移動するように構成される。具体的には、棒状体3の使用者がレバー312LをZ2方向に下げることに伴ってストッパ322がY2方向に移動し、レバー312Lが第2初期位置に戻る(レバー312がZ1方向に移動する)ことに伴ってストッパ322がY1方向に移動するように構成される。
【0052】
ストッパ323は、レバー312LのZ軸方向に動きに連動して、Y軸方向又はZ軸方向に移動するように構成される。具体的には、棒状体3の使用者がレバー312LをZ2方向に下げることに伴ってストッパ323がY2方向又はZ1方向に移動し、レバー312Lが第2初期位置に戻る(レバー312がZ1方向に移動する)ことに伴ってストッパ322がY1方向又はZ2方向に移動するように構成される。
【0053】
棒状体3が第2初期姿勢を取る場合、ストッパ322はX軸方向に互いに連通する切欠き21N,222N1に常に嵌り、ストッパ323はX軸方向に互いに連通する切欠き222n,223N1に常に嵌る。これにより、回転軸X1を中心とした第2部分222の回動と、回転軸X2を中心とした第3部分223の回動が規制され、棒状体3の第2初期姿勢が維持される。
【0054】
棒状体3が第2屈曲姿勢を取る場合、ストッパ322はX軸方向に互いに連通する切欠き21N,222N2に常に嵌り、ストッパ323はX軸方向に互いに連通する切欠き222n,223N2に常に嵌る。これにより、回転軸X1を中心とした第2部分222の回動と、回転軸X2を中心とした第3部分223の回動が規制され、棒状体3の第2屈曲姿勢が維持される。
【0055】
[支持具付き棒状体の姿勢変更]
図11は、棒状体3の姿勢変更を説明するための説明図である。以下、棒状体3の姿勢を変更する手順について説明する。
【0056】
棒状体3の使用者は、
図11Aに示されるように、スイッチ312のレバー312LをZ2方向に下げ、ストッパ322,323をY2方向に移動させる。これにより、
図11Bに示されるように、ストッパ322がX軸方向に互いに連通する切欠き21N,222N
1から外れ、ストッパ323がX軸方向に互いに連通する切欠き222n,223N
1から外れる。
【0057】
次に、棒状体3の使用者は、
図11Cに示されるように、第2部分222及び第3部分223をX2方向に見て時計回りに90°回動させ、切欠き21Nと切欠き222N
2とをX軸方向に連通させる。次いで、棒状体3の使用者は、
図11Dに示されるように、第3部分223をX2方向に見て時計回りに90°さらに回動させ、切欠き222nと切欠き223N
2とをX軸方向に連通させる。
【0058】
続いて、レバー312Lが第2初期位置に戻ると、ストッパ322がY1方向に移動し、ストッパ323がZ2方向に移動する。これにより、
図11Eに示されるように、ストッパ322がX軸方向に互いに連通する切欠き21N,222N
2に嵌り、ストッパ323がX軸方向に互いに連通する切欠き222n,223N
2に嵌ることで、棒状体3が第2屈曲姿勢となる。
【0059】
棒状体3が第2屈曲姿勢であると、棒状体202が2段階に屈曲した状態が維持され、棒状体202がコンパクトになる。このため、棒状体3の使用者にとって棒状体202が邪魔にならなくなる。棒状体202がコンパクトになると、例えば、当該使用者が棒状体3を所望の場所に収納する上での利便性が、棒状体202がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0060】
<第4実施形態>
[支持具付き棒状体の構成]
次に、
図12、13を適宜参照して、第4実施形態に係る支持具付き棒状体4(以下、棒状体4という。)について説明する。
図12は棒状体4の構成例を示す正面図であり、
図13は棒状体4をZ1方向に見た平面図である。なお、以降の第4実施形態の説明では、第3実施形態と同様の構成について同様の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0061】
棒状体4は、支持具104と、棒状体202と、姿勢維持機構302とを有する。
【0062】
(支持具)
支持具104は、テーブル114と、複数の脚部124とを有する。テーブル114は、棒状体4をZ軸方向に沿って見たときの外観形状が四角状であり、Z1方向側(鉛直上方側)の上面114Aと、Z2方向側(鉛直下方側)の下面114Bとを有する。テーブル114の上面114Aには、柱状体21aが接合される。上面114Aと柱状体21aとの接合手段は特に制限されないが、典型的には接着剤を用いた接合手段が採用される。
【0063】
複数の脚部124は、テーブル114の下面114Bに設けられ、下面114BからZ2方向に突出する。複数の脚部124は、
図13に示されるように、テーブル114の角の各々に設けられる。第4実施形態に係る棒状体4は、同図に示されるように脚部124が4本であるため、地面との接地点が4点となる。これにより、脚部が4本未満である場合と比較して、棒状体4の使用者の歩行安定性が向上する。
【0064】
テーブル114と複数の脚部124は、一体的に構成される。テーブル114と複数の脚部124との一体物は、弾性材料からなる。これにより、当該一体物は、弾性変形可能に構成され、棒状体202が傾いた際には、複数の脚部124が地面についたままテーブル114が変形するものとなる。当該弾性材料は特に制限されないが、例えば、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーのうちの少なくとも1つからなる。なお、テーブル114と複数の脚部124との一体物を構成する材料は、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーに限定されず、当該一体物に弾性を発現させる弾性材料であれば特に制限されない。
【0065】
複数の脚部124が弾性変形可能であると、複数の脚部124を接地したときに、複数の脚部124からテーブル114及び棒状体202を介して、棒状体4の使用者へと伝達される振動を低減することができる。このため、当該使用者の歩行安定性を向上させるとともに、当該使用者への衝撃を緩和することができる。
【0066】
[支持具付き棒状体の姿勢変更]
棒状体4は、第3実施形態の棒状体3と同様に、第2初期姿勢から第2屈曲姿勢に変更可能であり、棒状体202をコンパクトにすることができる。このため、棒状体4の使用者にとって棒状体202が邪魔にならなくなる。棒状体202がコンパクトになると、例えば、当該使用者が棒状体4を所望の場所に収納する上での利便性が、棒状体202がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0067】
<第5実施形態>
[支持具付き棒状体の構成]
次に、
図14~16を適宜参照して、第5実施形態に係る支持具付き棒状体5(以下、棒状体5という。)について説明する。
図14は棒状体5の構成例を示す正面図である。
図15は
図14の棒状体5をX1方向に見た側面図であり、
図16は
図14の棒状体5をX2方向に見た側面図である。なお、以降の第5実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成について同様の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0068】
棒状体3は、支持具10と、棒状体205と、姿勢維持機構305とを有する。
【0069】
(棒状体)
棒状体205は、ステッキであり、後述するように屈曲可能に構成される。棒状体205は、第1部分215と、第2部分22とを有する。
【0070】
第1部分215は、柱状体215aと、関節部21bとを有する。柱状体215aは、Z軸方向に延伸し、円柱状に構成される。柱状体215aの一端には、関節部21bが設けられる。柱状体215aの他端は、テーブル11の上面11Aに接合される。柱状体215aと上面11Aとの接合手段は特に制限されないが、典型的には接着剤を用いた接合手段が採用される。なお、柱状体215aのX-Y平面に沿う断面形状は典型的に円形であるがこれに限られず、矩形等、他の形状であってもよい。
【0071】
柱状体215aは、
図15及び16に示されるように、凹部215Rと、開口部215Hとを有する。凹部215Rは、Z軸方向に延在する孔であり、後述する板状部315Bの一部を収容する。開口部215Hは、貫通孔であり、凹部215Rの内部空間に連通する。
【0072】
(姿勢維持機構)
姿勢維持機構305は、ストッパと、スプリング315Sとを有する。ストッパは、板状部315Bと、レバー315Lと、突起315Pとからなる。板状部315Bは、Z軸方向に延在し、凹部215R内に設けられる。板状部315Bは、棒状体5が
図14~16に示される立設した姿勢(以下、第3初期姿勢という。)、及び後述する第3屈曲姿勢(
図17D参照)を取る場合に、凹部215RのY2方向を向く内面に当接する。
【0073】
レバー315Lは、板状部315BからY2方向に突出する。レバー315Lは、開口部215Hを貫通する。突起315Pは、板状部315Bの一端からY1方向に突出する。レバー315L及び突起315Pは、板状部315Bと一体的に構成される。つまり、第5実施形態に係るストッパは、レバー315Lと突起315Pと板状部315Bとの一体物である。以降の第5実施形態の説明では、当該一体物を“ストッパ”と記述する。
【0074】
スプリング315Sは
図15及び16に示されるように、凹部215Rの内面と板状部315Bとの間に設けられ、当該内面と板状部315Bとに接続される。スプリング315Sは板状部315BをY1方向に付勢する。突起315Pは、棒状体5が第3初期姿勢を取る場合、板状部315Bがスプリング315SによりY1方向に付勢されることにより、X軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N
1に常に嵌る。これにより、回転軸Xを中心とした第2部分22の回動が規制され、棒状体5の第3初期姿勢が維持される。
【0075】
また、突起315Pは、棒状体5が第3屈曲姿勢を取る場合、板状部315Bがスプリング315SによりY1方向に付勢されることにより、X軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N2に常に嵌る。これにより、回転軸Xを中心とした第2部分22の回動が規制され、棒状体5の第3屈曲姿勢が維持される。
【0076】
[支持具付き棒状体の姿勢変更]
図17は、棒状体5の姿勢変更を説明するための説明図である。以下、棒状体5の姿勢を変更する手順について説明する。
【0077】
棒状体5の使用者は
図17Aに示されるように、ストッパのレバー315LをY2方向に引っ張り、突起315PをY2方向に移動させる。これにより、
図17Bに示されるように、突起315Pが、X軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N
1から外れる。
【0078】
次に、棒状体5の使用者は、
図17Cに示されるように、第2部分22をX2方向に見て時計回りに90°回動させ、切欠き21Nと切欠き22N
2とをX軸方向に連通させる。次いで、棒状体5の使用者は、レバー315Lを放し、ストッパをY1方向に移動させる。これにより、
図17Dに示されるように、突起315PがX軸方向に互いに連通する切欠き21N,22N
2に嵌り、棒状体5が第3屈曲姿勢となる。
【0079】
棒状体5が第3屈曲姿勢であると、棒状体205の折れ曲がった状態が維持され、棒状体205がコンパクトになる。このため、使用者にとって棒状体205が邪魔にならなくなる。棒状体205がコンパクトになると、例えば、使用者が棒状体5を所望の場所に収納する上での利便性が、棒状体205がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0080】
<第6実施形態>
[支持具付き棒状体の構成]
図18は、第6実施形態に係る支持具付き棒状体6(以下、棒状体6という。)の構成例を示す正面図である。
図19は
図18の棒状体6をX1方向に見た側面図であり、
図20は
図18の棒状体6をX2方向に見た側面図である。
【0081】
棒状体6は、支持具16と、棒状体26と、姿勢維持機構36とを有する。
【0082】
(支持具)
図21は、棒状体6をZ1方向に見た平面図である。支持具16は、テーブル161と、複数の脚部162とを有する。テーブル161は、棒状体6をZ軸方向に沿って見たときの外観形状が三角状であり、Z1方向側(鉛直上方側)の上面161Aと、Z2方向側(鉛直下方側)の下面161Bとを有する。
【0083】
複数の脚部162は、テーブル161の下面161Bに設けられ、下面161BからZ2方向に突出する。複数の脚部162は、
図21に示されるように、テーブル161の角の各々に設けられる。なお、テーブル161は、棒状体6をZ軸方向に沿って見たときの外観形状が三角状に限定されず、例えば四角状であってもよい。この場合、脚部162は、四角状のテーブル161の角の各々に設けられてもよい。これにより、棒状体6と地面との接地点が4点となるため、脚部が4本未満である場合と比較して、棒状体6の使用者の歩行安定性が向上する。
【0084】
テーブル161と複数の脚部162は、一体的に構成される。テーブル161と複数の脚部162との一体物は、弾性材料からなる。これにより、当該一体物は、弾性変形可能に構成され、棒状体26が傾いた際には、複数の脚部162が地面についたままテーブル161が変形するものとなる。当該弾性材料は特に制限されないが、例えば、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーのうちの少なくとも1つからなる。なお、テーブル161と複数の脚部162との一体物を構成する材料は、ウレタン材料、軟質ゴム及びエラストマーに限定されず、当該一体物に弾性を発現させる弾性材料であれば特に制限されない。
【0085】
複数の脚部162が弾性変形可能であると、複数の脚部162を接地したときに、複数の脚部162からテーブル161及び棒状体26を介して、棒状体6の使用者へと伝達される振動を低減することができる。このため、棒状体6の使用者の歩行安定性を向上させるとともに、当該使用者への衝撃を緩和することができる。
【0086】
(棒状体)
棒状体26は、ステッキであり、後述するように2段階に屈曲可能に構成される。棒状体26は、第1部分261と、第2部分262と、第3部分263とを有する。第1部分261は、柱状体261aと、関節部261bとを有する。柱状体261aは、Z軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、柱状体261aのX-Y平面に沿う断面形状は円形に限られず、矩形等、他の形状であってもよい。
【0087】
柱状体261aの一端は、テーブル161の上面161Aに接合される。柱状体261aと上面161Aとの接合手段は特に制限されないが、典型的には接着剤を用いた接合手段が採用される。柱状体261aの他端には、関節部261bが設けられる。
【0088】
関節部261bは、X軸方向における寸法が柱状体261aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部261bは、
図19に示されるように、貫通孔261Hを有する。また、関節部261bは、Y2方向に開口する切欠き261Nを有する。
【0089】
柱状体261aは、
図19及び20に示されるように、凹部261Rと、開口部261hとを有する。凹部261Rは、Z軸方向に延在する孔であり、後述する板状部361の一部を収容する。開口部261hは貫通孔であり、凹部261Rの内部空間に連通する。
【0090】
第2部分262は、柱状体262aと、関節部262bと、関節部262cとを有する。柱状体262aは、棒状体6が
図18~20に示される立設した姿勢(以下、第4初期姿勢という。)を取る場合にZ軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、棒状体6が第4初期姿勢であるときの柱状体262aのX-Y平面に沿う断面形状は典型的に円形であるがこれに限られず、矩形等、他の形状であってもよい。
【0091】
関節部262bは、柱状体262aの一端に設けられる。関節部262bは、X軸方向における寸法が柱状体262aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部262bは、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合、
図20に示されるように、Y2方向に開口する切欠き262N
1と、Z2方向に開口する切欠き262N
2とを有する。切欠き262N
1は、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合、
図18に示されるように、関節部261bの切欠き261NとX軸方向に連通する。
【0092】
また、関節部262bは、
図20に示されるように、貫通孔262hを有する。貫通孔262hは、関節部261bの貫通孔261HとX軸方向に連通する。回転軸x2は、互いに連通する貫通孔261H,262hを貫通する。この構成により、第2部分262は、回転軸x2を介して第1部分261に連結され、回転軸x2を中心としてX軸回りに回動可能となる。
【0093】
関節部262cは、柱状体262aの他端に設けられる。関節部262cは、X軸方向における寸法が柱状体262aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部262cは、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合、
図19に示されるように、Y2方向に開口する切欠き262Nを有する。また、関節部262cは、同図に示されるように、貫通孔262Hを有する。
【0094】
柱状体262aは、
図19及び20に示されるように、Z軸方向に延在する貫通孔262Rを有する。後述する板状部361は、貫通孔262Rを貫通する。
【0095】
第3部分263は、柱状体263aと、関節部263bと、把持部263cと有する。柱状体263aは、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合にZ軸方向に延伸し、円柱状に構成される。なお、棒状体6が第4初期姿勢であるときの柱状体263aのX-Y平面に沿う断面形状は典型的に円形であるがこれに限られず、矩形等他の形状であってもよい。
【0096】
関節部263bは、柱状体263aの一端に設けられる。関節部263bは、X軸方向における寸法が柱状体263aの直径よりも小さく、環状に構成される。関節部263bは、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合、
図20に示されるように、Y2方向に開口する切欠き263N
1と、Z2方向に開口する切欠き263N
2とを有する。切欠き263N
1は、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合、
図18に示されるように、関節部262cの切欠き262NとX軸方向に連通する。
【0097】
また、関節部263bは、
図20に示されるように、貫通孔263Hを有する。貫通孔263Hは、関節部262cの貫通孔262HとX軸方向に連通する。回転軸x1は、互いに連通する貫通孔262H,263Hを貫通する。この構成により、第3部分263は、回転軸x1を介して第2部分262に連結され、回転軸x1を中心としてX軸回りに回動可能となる。
【0098】
把持部263cは、柱状体263aの他端に設けられる。把持部263cは、棒状体6の持ち手として機能する。把持部263cは、棒状体6を扱う使用者に握られる部分である。
【0099】
(姿勢維持機構)
姿勢維持機構36は、ストッパと、スプリング365,366とを有する。ストッパは、板状部361と、レバー362と、突起363,364とからなる。板状部361は、
図19及び20に示されるように、Z軸方向に延在し、一部が凹部261Rに収容され、貫通孔262Rを貫通する。
【0100】
板状部361を構成する材料は特に制限されない。ただし、板状部361は、第2部分262及び第3部分263の回動に追随して変形可能なように、例えば可とう性を有する材料からなることが好ましい。
【0101】
レバー362は、板状部361からY2方向に突出し、開口部261hを貫通する。突起363は、板状部361のX軸方向中央からY1方向に突出する。突起364は、板状部361の一端から突出する。レバー362及び突起363,364は、板状部361と一体的に構成される。つまり、第6実施形態に係るストッパは、板状部361と、レバー362と、突起363,364との一体物である。以降の第6実施形態の説明では、当該一体物を“ストッパ”と記述する。
【0102】
スプリング365は、
図19及び20に示されるように、凹部261Rの内面と板状部361との間に設けられ、当該内面と板状部361とに接続される。スプリング365は、板状部361をY1方向に付勢する。スプリング366は、同図に示されるように、貫通孔262Rの内面と板状部361との間に設けられ、当該内面と板状部361とに接続される。スプリング366は、棒状体6が第4初期姿勢を取る場合に板状部361をY1方向に付勢し、棒状体6が後述する第4屈曲姿勢(
図22D参照)を取る場合に板状部361をZ2方向に付勢する。
【0103】
棒状体6が第4初期姿勢を取る場合、突起363はX軸方向に互いに連通する切欠き261N,262N1に常に嵌り、突起364はX軸方向に互いに連通する切欠き262N,263N1に常に嵌る。これにより、回転軸x2を中心とした第2部分262の回動と、回転軸x1を中心とした第3部分263の回動が規制され、棒状体6の第4初期姿勢が維持される。
【0104】
棒状体6が第4屈曲姿勢を取る場合、突起363はX軸方向に互いに連通する切欠き261N,262N2に常に嵌り、突起364はX軸方向に互いに連通する切欠き262N,263N2に常に嵌る。これにより、回転軸x2を中心とした第2部分262の回動と、回転軸x1を中心とした第3部分263の回動が規制され、棒状体6の第4屈曲姿勢が維持される。
【0105】
[支持具付き棒状体の姿勢変更]
図22は、棒状体6の姿勢変更を説明するための説明図である。以下、棒状体6の姿勢を変更する手順について説明する。
【0106】
棒状体6の使用者は、
図22Aに示されるように、レバー362をY2方向に引っ張り、ストッパをY2方向に移動させる。これにより、
図22Bに示されるように、突起363がX軸方向に互いに連通する切欠き261N,262N
1から外れ、突起364がX軸方向に互いに連通する切欠き262N,263N
1から外れる。
【0107】
次に、棒状体6の使用者は、
図22Cに示されるように、第2部分262及び第3部分263をX2方向に見て時計回りに90°回動させ、切欠き261Nと切欠き262N
2とをX軸方向に連通させる。次いで、棒状体6の使用者は、第3部分263をX2方向に見て時計回りに90°さらに回動させ、切欠き262Nと切欠き263N
2とをX軸方向に連通させる。
【0108】
続いて、棒状体6の使用者は、レバー362を放し、ストッパをY1方向に移動させ、突起363をX軸方向に互いに連通する切欠き261N,262N2に嵌め、突起364をX軸方向に互いに連通する切欠き262N,263N2に嵌める。これにより、棒状体6が第4屈曲姿勢となる。
【0109】
棒状体6が第4屈曲姿勢であると、棒状体26が2段階に屈曲した状態が維持され、棒状体26がコンパクトになる。このため、棒状体6の使用者にとって棒状体26が邪魔にならなくなる。棒状体26がコンパクトになると、例えば、当該使用者が棒状体6を所望の場所に収納する上での利便性が、棒状体26がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0110】
2.変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく種々の変更を加え得る。上述の実施形態の具体的な変形の態様を以下に例示する。
【0111】
<変形例1>
上記実施形態のストッパ32,322,323は、外部に露出する構成であるがこれに限られず、支持具付き棒状体を構成する他の部材により内包されることにより、外部に露出しない構成であってもよい。
【0112】
<変形例2>
図23及び24は、変形例に係る関節部21b,222c,262cの構成例を示す図である。上記実施形態の関節部21b,222c,262cをX軸方向に沿って見た切欠き21N,222n,262Nの形状は矩形状であるがこれに限られない。例えば、関節部21b,222c,262cをX軸方向に沿って見た切欠き21N,222n,262Nの形状は、
図23に示されるようにU字状であってもよく、
図24に示されるように三角状であってもよい。
【0113】
<変形例3>
図25は、変形例に係る関節部22b,222b,223b,262b,263bの構成例を示す図である。上記実施形態の関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
1,222N
1,223N
1,262N
1,263N
1の形状は矩形状であるがこれに限られない。例えば、関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
1,222N
1,223N
1,262N
1,263N
1の形状は、
図25に示されるように、U字状であってもよい。
同様に、上記実施形態の関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
2,222N
2,223N
2,262N
2,263N
2の形状は矩形状であるがこれに限られない。例えば、関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
2,222N
2,223N
2,262N
2,263N
2の形状は、
図25に示されるように、U字状であってもよい。
【0114】
<変形例4>
図26は、変形例に係る関節部22b,222b,223b,262b,263bの構成例を示す図である。上記実施形態の関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
1,222N
1,223N
1,262N
1,263N
1の形状は矩形状であるがこれに限られない。例えば、関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
1,222N
1,223N
1,262N
1,263N
1の形状は、
図26に示されるように、三角状であってもよい。
同様に、上記実施形態の関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
2,222N
2,223N
2,262N
2,263N
2の形状は矩形状であるがこれに限られない。例えば、関節部22b,222b,223b,262b,263bをX軸方向に沿って見た切欠き22N
2,222N
2,223N
2,262N
2,263N
2の形状は、
図26に示されるように、三角状であってもよい。
【0115】
3.補足
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0116】
例えば、上記実施形態で例示された棒状体20,26,202,205は、ステッキであるがこれに限られない。棒状体20,26,202,205は、例えば、雨傘若しくは日傘、ビーチパラソルの中棒、旗竿、のぼりの竿、歩行用若しくはスポーツ用の杖、ステッキ、スティック、松葉杖、ストック、テント若しくは灰皿等の支柱、ポール、錫杖、又はロフストランドクラッチ(腕支え)等であってもよい。
【0117】
さらに、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0118】
4.付記
以上に例示した形態から以下の態様が把握される。
【0119】
本発明のひとつの態様(態様1)に係る支持具付き棒状体は、鉛直上方側の上面及び鉛直下方側の下面を有し、鉛直方向に沿って見た形状が三角形又は四角形であるテーブル、並びに、前記下面の角の各々に設けられた複数の脚部を備える支持具と、傘、杖、ステッキ又はストックであり、前記上面に接合された棒状体であって、屈曲可能に構成された棒状体と、前記棒状体の屈曲した姿勢を維持する姿勢維持機構と、を具備する。
【0120】
態様1によれば、姿勢維持機構により棒状体の屈曲した状態が維持される。これにより、棒状体がコンパクトになり、支持具付き棒状体の使用者にとって棒状体が邪魔にならなくなる。棒状体がコンパクトになると、例えば、当該使用者が支持具付き棒状体を所望の場所に収納する上での利便性が、支持具付き棒状体がコンパクトにならない場合と比較して向上する。
【0121】
態様1の具体例(態様2)によれば、前記棒状体は、2段階に屈曲可能に構成され、前記姿勢維持機構は、前記棒状体の2段階に屈曲した姿勢を維持する。
態様2によれば、姿勢維持機構により棒状体の2段階に屈曲した状態が維持される。これにより、棒状体がよりコンパクトになり、支持具付き棒状体の使用者にとって棒状体がより邪魔にならなくなる。棒状体がよりコンパクトになると、例えば、当該使用者が支持具付き棒状体を所望の場所に収納する上での利便性が、支持具付き棒状体がコンパクトにならない場合、又は棒状体が1段階に屈曲する場合と比較してより向上する。
【0122】
態様1又は2の具体例(態様3)によれば、前記テーブル及び前記複数の脚部は、弾性変形可能に構成される。
複数の脚部が弾性変形可能であると、複数の脚部を接地したときに、複数の脚部からテーブル及び棒状体を介して、支持具付き棒状体の使用者へと伝達される振動を低減することができる。このため、当該使用者の歩行安定性を向上させるとともに、当該使用者への衝撃を緩和することができる。
【0123】
態様3の具体例(態様4)によれば、前記テーブル及び前記複数の脚部は、弾性材料からなる。
【符号の説明】
【0124】
1,2,3,4,5,6…支持具付き棒状体
10,16,102,104…支持具
11,112,114,161…テーブル
12,122,124,162…脚部
20,26,202,205…棒状体
30,36,302,305…姿勢維持機構。
【要約】
支持具付き棒状体は、鉛直上方側の上面及び鉛直下方側の下面を有し、鉛直方向に見た形状が三角形又は四角形であるテーブル、並びに、前記下面の角の各々に設けられた複数の脚部を備える支持具と、傘、杖、ステッキ又はストックであり、前記上面に接合された棒状体であって、屈曲可能に構成された棒状体と、前記棒状体の屈曲した姿勢を維持する姿勢維持機構と、を具備することを特徴とする。