(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240312BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240312BHJP
H04N 25/76 20230101ALI20240312BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240312BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240312BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01L27/146 F
H04N25/70
H04N25/76
H01L21/88 J
(21)【出願番号】P 2019170593
(22)【出願日】2019-09-19
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2018215381
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩史
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-232647(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186197(WO,A1)
【文献】特開2012-216585(JP,A)
【文献】特開2012-015400(JP,A)
【文献】特開2014-022561(JP,A)
【文献】特開2016-171455(JP,A)
【文献】特開2011-071958(JP,A)
【文献】特開2004-172228(JP,A)
【文献】特開2015-135938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
H04N 25/76
H01L 21/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換を行う複数のセンサ画素を含む画素領域を有する第1基板と、
1または複数の前記センサ画素ごとに1つずつ設けられ、前記センサ画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する複数の読み出し回路を有する第2基板と、
前記センサ画素および前記読み出し回路を制御する制御回路を有する第3基板と
を備え、
前記第1基板、前記第2基板および前記第3基板は、この順に積層され、
前記第1基板および前記第2基板からなる積層体は、層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に設けられた複数の第1接合電極とを有し、
前記センサ画素および前記読み出し回路は、前記第1接合電極同士の接合によって互いに電気的に接続され
、
前記積層体は、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に、前記読み出し回路ごとに1つずつ設けられた複数の第2貫通配線を有し、
各前記第2貫通配線は、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方において基準電位となる領域に電気的に接続されている
撮像装置。
【請求項2】
前記積層体は、前記画素領域の周辺の領域に、複数の第1貫通配線を有し、
前記制御回路は、複数の前記第1貫通配線を介して前記センサ画素および前記読み出し回路を制御する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記積層体は、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に、複数の前記第1接合電極の各々に電気的に接続された複数の第3貫通配線を有し、
各前記第2貫通配線は、複数の前記第3貫通配線において互いに隣接する2つの前記第3貫通配線の間隙に配置されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、各前記第2貫通配線に電気的に接続された配線電極を有し、
前記配線電極は、各前記第1接合電極を囲むように格子状に形成されている
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記配線電極は、複数の前記センサ画素の第1配列方向に延在する複数の第1接合配線と、複数の前記センサ画素の第2配列方向に延在する複数の第2接合配線とが互いに交差するように同一面内に形成された格子形状となっている
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記配線電極は、複数の前記センサ画素の配列方向と交差する第1方向に延在する複数の第1接合配線と、複数の前記センサ画素の配列方向に交差するとともに前記第1方向とも交差する第2方向に延在する複数の第2接合配線とが互いに交差するように同一面内に形成された格子形状となっている
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、複数の前記第2貫通配線の各々に電気的に接続された複数の第2接合電極を有し、
複数の前記第2接合電極は、複数の前記第1接合電極において互いに隣接する2つの前記第1接合電極の間隙に配置されている
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
各前記読み出し回路は、オペアンプを含む負帰還回路を有する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1基板の基準電位が前記第2基板の基準電位よりも低くなっている
請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記積層体は、前記画素領域の周辺の領域に、複数の第4貫通配線を有し、
前記第3基板は、負昇圧回路を有し、
前記負昇圧回路は、複数の前記第4貫通配線を介して前記第1基板の基準電位を制御することにより、前記第1基板の基準電位を、前記第2基板の基準電位よりも低くする
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、複数の前記第2貫通配線の各々に電気的に接続されると共に、複数の前記第1接合電極において、互いに隣接する2つの前記第1接合電極の間隙に配置される複数の配線電極を有し、
複数の前記第1接合電極および複数の前記配線電極は、2種以上の形状を有する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
複数の前記第1接合電極および複数の前記配線電極の少なくとも一部は、互いに異なる2種類の形状を有する
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
複数の前記配線電極は、少なくとも一部が複数の前記第1接合電極よりも短く、
前記第1基板側および前記第2基板側の対向する各前記配線電極は、間に前記層間絶縁膜を有する
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項14】
複数の前記配線電極は、前記第1基板側と前記第2基板側とで、長さおよび幅の少なくとも一方が互いに異なっており、
前記第1基板側および前記第2基板側の対向する各前記配線電極は、間に前記層間絶縁膜を有する
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第1基板側の複数の前記配線電極および前記第2基板側の複数の前記配線電極は、一方が前記第1基板と前記第2基板との接合面に露出し、他方が該層間絶縁膜内に形成されている
請求項14に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2次元構造の撮像装置の1画素あたりの面積の微細化は、微細プロセスの導入と実装密度の向上によって実現されてきた。近年、撮像装置の更なる小型化を実現するため、3次元構造の撮像装置が開発されている。3次元構造の撮像装置では、例えば、特許文献1~3に記載されているように、積層した2つの半導体基板に対して、フォトダイオードや、フォトダイオードで得られた電荷を読み出す回路(読み出し回路)、フォトダイオードからの電荷の読み出しを制御する回路(制御回路)などが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-22561号公報
【文献】特開2010-219339号公報
【文献】特開2017-117828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、3次元構造の撮像装置では、ダイナミックレンジの更なる向上や、ノイズの更なる低減が望まれている。従って、ダイナミックレンジの更なる向上や、ノイズの更なる低減を可能とする撮像装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の側面に係る撮像装置は、第1基板、第2基板および第3基板をこの順に積層して構成されている。第1基板は、光電変換を行う複数のセンサ画素を含む画素領域を有している。第2基板は、1または複数のセンサ画素ごとに1つずつ設けられ、センサ画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する複数の読み出し回路を有している。第3基板は、センサ画素および読み出し回路を制御する制御回路を有している。第1基板および第2基板からなる積層体は、層間絶縁膜と、層間絶縁膜内であって、かつ画素領域と対向する領域に設けられた複数の第1接合電極とを有し、センサ画素および読み出し回路は、第1接合電極同士の接合によって互いに電気的に接続され、積層体は、層間絶縁膜内であって、かつ画素領域と対向する領域に、読み出し回路ごとに1つずつ設けられた複数の第2貫通配線を有し、各第2貫通配線は、第1基板および第2基板の少なくとも一方において基準電位となる領域に電気的に接続されている。
【0006】
本開示の第1の側面に係る撮像装置では、複数のセンサ画素が第1基板に形成され、複数の読み出し回路が第2基板に形成され、制御回路が第3基板に形成される。これにより、各センサ画素を十分な大きさとすることができるので、ダイナミックレンジの広い再生画像が得られる。また、読み出し回路のサイズを十分に広く取ることができるので、例えばRTS(Random Telegraph Signal)ノイズなどの暗時ノイズを増加させることがない
。また、本開示の一実施の形態に係る撮像装置では、センサ画素および読み出し回路が画素領域と対向する領域に設けられた接合電極同士の接合によって互いに電気的に接続される。これにより、センサ画素および読み出し回路の電気的な接続を共通の基板の1つの画素内で行う場合と比べて、単位画素サイズを縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の展開斜視構成例を表す図である。
【
図2】
図1のロジック回路の機能ブロックの一例を表す図である。
【
図3】
図1のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
【
図4】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成例を表す図である。
【
図5】
図1の撮像装置の水平方向の断面構成例を表す図である。
【
図6A】
図4における貫通配線近傍の断面構成例を表す図である。
【
図6B】
図4における貫通配線近傍の断面構成例を表す図である。
【
図6C】
図4における貫通配線近傍の断面構成例を表す図である。
【
図7A】
図4における貫通配線近傍の断面構成例を表す図である。
【
図7B】
図4における貫通配線近傍の断面構成例を表す図である。
【
図7C】
図4における貫通配線近傍の断面構成例を表す図である。
【
図8】
図1の撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図9】
図1のセンサ画素および読み出し回路の一変形例を表す図である。
【
図10】
図1の撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図11】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図12】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図13】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図14】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図15】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図16】
図1のセンサ画素および読み出し回路の一変形例を表す図である。
【
図17】
図1の読み出し回路の一変形例を表す図である。
【
図18】
図1のセンサ画素および読み出し回路の一変形例を表す図である。
【
図19】
図1の撮像装置の展開斜視構成の一変形例を表す図である。
【
図20】
図1の第1基板内のトランジスタの断面構成の一例を表す図である。
【
図21】
図1の第2基板内のトランジスタの断面構成の一例を表す図である。
【
図22】
図1のセンサ画素の、読み出し回路による共有の一変形例を表す図である。
【
図23】
図1のセンサ画素の、読み出し回路による共有の一変形例を表す図である。
【
図24】
図1の撮像装置の展開斜視構成の一変形例を表す図である。
【
図25】
図19の撮像装置の展開斜視構成の一変形例を表す図である。
【
図26】
図1の撮像装置の回路構成の一変形例を表す図である。
【
図27】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図28】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一例を表す図である。
【
図29】
図27の断面構成を有する撮像装置のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
【
図30A】
図27の配線構造の製造方法の一例を表す垂直方向の断面模式図である。
【
図31】
図27の撮像装置の接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表す図である。
【
図32】比較例1としての撮像装置の接合面およびその近傍の配線構造の垂直方向の断面構成を表す図である。
【
図33】比較例2としての撮像装置の接合面およびその近傍の配線構造の垂直方向の断面構成を表す図である。
【
図34】
図27の撮像装置における合わせずれを説明する断面模式図である。
【
図35】
図30の撮像装置における合わせずれを説明する断面模式図である。
【
図36】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図37】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図38】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図39】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図40】
図1の撮像装置の垂直方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図41】
図27の断面構成を有する撮像装置のセンサ画素および読み出し回路の一変形例を表す図である。
【
図42】
図27の断面構成を有する撮像装置のセンサ画素および読み出し回路の一変形例を表す図である。
【
図43】
図27の配線構造を他の位置に適用した際のセンサ画素および読み出し回路の一例を表す図である。
【
図44】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図45】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図46】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図47】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図48】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図49】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図50】
図27の断面構成を有する撮像装置の水平方向の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図51】上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を備えた撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
【
図52】
図51の撮像システムにおける撮像手順の一例を表す図である。
【
図53】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図54】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図55】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図56】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(撮像装置)…
図1~
図7
2.変形例(撮像装置)…
図8~
図50
3.適用例
上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を
撮像システムに適用した例…
図51、
図52
4.応用例
応用例1…上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を
移動体に応用した例…
図53、
図54
応用例2…上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を
手術システムに応用した例…
図55、
図56
【0011】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る撮像装置1の概略構成の一例を表したものである。撮像装置1は、3つの基板(第1基板10、第2基板20、第3基板30)を備えている。撮像装置1は、3つの基板(第1基板10、第2基板20、第3基板30)を貼り合わせて構成された3次元構造の撮像装置である。第1基板10、第2基板20および第3基板30は、この順に積層されている。
【0012】
第1基板10は、半導体基板11に、光電変換を行う複数のセンサ画素12を有している。複数のセンサ画素12は、第1基板10における画素領域13内に行列状に設けられている。第1基板10は、例えば、行方向に延在する複数の駆動配線14を有している。複数の駆動配線14は、垂直駆動回路32a(後述)に電気的に接続されている。
【0013】
第2基板20は、半導体基板21に、センサ画素12から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読み出し回路22を1または複数のセンサ画素12ごとに1つずつ有している。複数の読み出し回路22は、第2基板20における読み出し回路領域23内に行列状に設けられている。第2基板20は、例えば、行方向に延在する複数の駆動配線と、列方向に延在する複数の垂直信号線VSL(後述)とを有している。第2基板20に設けられた複数の駆動配線は、後述の垂直駆動回路32aに電気的に接続されている。複数の垂直信号線VSLは、後述のカラム信号処理回路32bに電気的に接続されている。
【0014】
第3基板30は、半導体基板31に、ロジック回路32と、昇圧回路33とを有している。ロジック回路32は、各センサ画素12および各読み出し回路22を制御するとともに、各読み出し回路22から得られた画素信号を処理する。ロジック回路32は、例えば、
図2に示したように、垂直駆動回路32a、カラム信号処理回路32b、水平駆動回路32cおよびシステム制御回路32dを有している。ロジック回路32は、センサ画素12ごとに得られた出力電圧Voutを外部に出力する。
【0015】
垂直駆動回路32aは、例えば、複数のセンサ画素12を行単位で順に選択する。垂直駆動回路32aは、例えば、複数の駆動配線14に電気的に接続されており、複数の駆動配線14に対して順次、選択信号を出力することにより、複数のセンサ画素12を行単位で順に選択する。
【0016】
カラム信号処理回路32bは、例えば、垂直駆動回路32aによって選択された行の各センサ画素12から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路32bは、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各センサ画素12の受光量に応じた画素データを保持する。カラム信号処理回路32bは、例えば、後述の複数の垂直信号線VSLに電気的に接続されており、複数の垂直信号線VSLを介して、垂直駆動回路32aによって選択された行の各センサ画素12から画素信号を取得する。カラム信号処理回路32bは、例えば、垂直信号線VSLごとにADC(analog-to-digital)を有し、
複数の垂直信号線VSLを介して取得したアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換する。
【0017】
水平駆動回路32cは、例えば、カラム信号処理回路32bに保持されている画素データを順次、出力電圧Voutとして外部に出力する。システム制御回路32dは、例えば、ロジック回路32内の各ブロック(垂直駆動回路32a、カラム信号処理回路32bおよび水平駆動回路32c)の駆動を制御する。昇圧回路33は、例えば、所定の大きさの電源電位VDDを生成する。
【0018】
図3は、センサ画素12および読み出し回路22の一例を表したものである。以下では、
図3に示したように、4つのセンサ画素12が1つの読み出し回路22を共有している場合について説明する。ここで、「共有」とは、複数のセンサ画素12の出力が共通の読み出し回路22に入力されることを指している。
【0019】
各センサ画素12は、互いに共通の構成要素を有している。
図3には、各センサ画素12の構成要素を互いに区別するために、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号(1,2,3,4)が付与されている。以下では、各センサ画素12の構成要素を互いに区別する必要のある場合には、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号を付与するが、各センサ画素12の構成要素を互いに区別する必要のない場合には、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾の識別番号を省略するものとする。
【0020】
各センサ画素12は、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDと電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンFDとを有している。例えば、読み出し回路22を共有する複数のセンサ画素12に対して、1つのフローティングディフュージョンFDが設けられている。なお、1つのセンサ画素12に対して、1つのフローティングディフュージョンFDが設けられていてもよい。この場合、読み出し回路22を共有する複数のセンサ画素12において、各フローティングディフュージョンFDを互いに電気的に接続する配線が設けられている。
【0021】
フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDのカソードが転送トランジスタTRのソースに電気的に接続されており、フォトダイオードPDのアノードが、半導体基板11において基準電位VSSとなる領域(後述のpウェル領域41)に電気的に接続されている。転送トランジスタTRのドレインがフローティングディフュージョンFDに電気的に接続され、転送トランジスタTRのゲートは駆動配線14および後述の貫通配線42を介してロジック回路32に電気的に接続されている。転送トランジスタTRは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0022】
フローティングディフュージョンFDは、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持する浮遊拡散領域である。フローティングディフュージョンFDには、読み出し回路22の入力端が接続されている。具体的には、フローティングディフュージョンFDには、後述のリセットトランジスタRSTが接続されるとともに、後述の増幅トランジスタAMPおよび後述の選択トランジスタSELを介して垂直信号線VSLが接続されている。フローティングディフュージョンFDには、容量Cfdが発生する。容量Cfdは、例えば、
図3に示したように、各センサ画素12とFD接合電極17とを接続する配線と、第1基板10において基準電位VSSとなる領域(例えばpウェル領域41)との間に発生する。
【0023】
読み出し回路22は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。なお、選択トランジスタSELは、必要に応じて省略してもよい。リセットトランジスタRSTのソース(読み出し回路22の入力端)がフローティングディフュージョンFDに電気的に接続されており、リセットトランジスタRSTのドレインが、後述の貫通配線43を介して電源電位VDDが印加される配線と、増幅トランジスタAMPのドレインとに電気的に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲートは貫通配線42を介してロジック回路32に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソースが選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソース(読み出し回路22の出力端)が垂直信号線VSLおよび貫通配線42を介してロジック回路32に電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが貫通配線42を介してロジック回路32に電気的に接続されている。
【0024】
転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を電源電位VDDにリセットする。選択トランジスタSELは、読み出し回路22からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、フォトダイオードPDで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、垂直信号線VSLを介してロジック回路32に出力する。リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELは、例えば、CMOSトランジスタである。
【0025】
なお、選択トランジスタSELが、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。この場合、リセットトランジスタRSTのドレインが、電源電位VDDが印加される配線と、選択トランジスタSELのドレインとに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソースが増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが貫通配線42を介してロジック回路32に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソース(読み出し回路22の出力端)が垂直信号線VSLおよび貫通配線42を介してロジック回路32に電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。
【0026】
図4は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一例を表したものである。
図4には、撮像装置1において、画素領域13(センサ画素12)と対向する箇所の断面構成と、画素領域13の周辺の領域の断面構成とが例示されている。撮像装置1は、第1基板10、第2基板20および第3基板30をこの順に積層して構成されており、さらに、第1基板10の裏面側(光入射面側)に、カラーフィルタ層40および受光レンズ50を備えている。カラーフィルタ層40および受光レンズ50は、それぞれ、例えば、センサ画素12ごとに1つずつ設けられている。つまり、撮像装置1は、裏面照射型の撮像装置である。
【0027】
第1基板10は、半導体基板11上に絶縁膜19を積層して構成されている。第1基板10は、層間絶縁膜として絶縁膜19を有している。絶縁膜19は、半導体基板11と、第2基板20との間に設けられている。第1基板10は、絶縁膜19内に、複数の駆動配線14を有している。複数の駆動配線14は、行列状に配置された複数のセンサ画素12において行ごとに1つずつ設けられている。半導体基板11は、シリコン基板で構成されている。半導体基板11は、例えば、表面の一部およびその近傍に、pウェル領域41を有しており、それ以外の領域(pウェル領域41よりも深い領域)に、pウェル領域41とは異なる導電型のフォトダイオードPDを有している。pウェル領域41は、p型の半導体領域で構成されている。フォトダイオードPDは、pウェル領域41とは異なる導電型(具体的にはn型)の半導体領域で構成されている。半導体基板11は、pウェル領域41内に、pウェル領域41とは異なる導電型(具体的にはn型)の半導体領域として、フローティングディフュージョンFDを有している。
【0028】
第1基板10は、フォトダイオードPD、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDをセンサ画素12ごとに有している。第1基板10は、半導体基板11の表面側(光入射面側とは反対側、第2基板20側)の部分に、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDが設けられた構成となっている。第1基板10は、各センサ画素12を分離する素子分離部を有している。素子分離部は、半導体基板11の法線方向(半導体基板11の表面に対して垂直な方向)に延在して形成されている。素子分離部は、互いに隣接する2つのセンサ画素12の間に設けられている。素子分離部は、互いに隣接するセンサ画素12同士を電気的に分離する。素子分離部は、例えば、酸化シリコンによって構成されている。第1基板10は、例えば、さらに、半導体基板11の裏面に接する固定電荷膜を有している。固定電荷膜は、半導体基板11の受光面側の界面準位に起因する暗電流の発生を抑制するため、負に帯電している。固定電荷膜は、例えば、負の固定電荷を有する絶縁膜によって形成されている。そのような絶縁膜の材料としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化ジルコン、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化タンタルが挙げられる。固定電荷膜が誘起する電界により、半導体基板11の受光面側の界面にホール蓄積層が形成される。このホール蓄積層によって、界面からの電子の発生が抑制される。カラーフィルタ層40は、半導体基板11の裏面側に設けられている。カラーフィルタ層40は、例えば、固定電荷膜に接して設けられており、固定電荷膜を介してセンサ画素12と対向する位置に設けられている。受光レンズ50は、例えば、カラーフィルタ層40に接して設けられており、カラーフィルタ層40および固定電荷膜を介してセンサ画素12と対向する位置に設けられている。
【0029】
第1基板10は、絶縁膜19内に、複数のFD貫通配線15および複数のVSS貫通配線16を有している。複数のFD貫通配線15および複数のVSS貫通配線は、絶縁膜19を貫通している。FD貫通配線15は、本開示の「第3貫通配線」の一具体例に相当する。VSS貫通配線16は、本開示の「第2貫通配線」の一具体例に相当する。各VSS貫通配線16は、複数のFD貫通配線15において互いに隣接する2つのFD貫通配線15の間隙に配置されている。第1基板10は、さらに、絶縁膜19内に、複数のFD接合電極17および1つのVSS接合電極18を有している。複数のFD接合電極17および1つのVSS接合電極18は、ともに、絶縁膜19の表面に露出している。FD接合電極17は、本開示の「第1接合電極」の一具体例に相当する。VSS接合電極18は、本開示の「配線電極」の一具体例に相当する。複数のFD貫通配線15および複数のVSS貫通配線16は、画素領域13と対向する領域に設けられている。各VSS接合電極18は、各FD接合電極17と同一面内に形成されている。VSS接合電極18は、複数のFD接合電極17において互いに隣接する2つのFD接合電極17の間隙に配置されている。
【0030】
読み出し回路22を共有する複数のセンサ画素12に対して、1つのフローティングディフュージョンFDが設けられている場合には、複数のFD貫通配線15は、読み出し回路22を共有する複数のセンサ画素12ごとに1つずつ設けられている。1つのセンサ画素12に対して、1つのフローティングディフュージョンFDが設けられている場合には、複数のFD貫通配線15は、センサ画素12ごとに1つずつ設けられている。
【0031】
各FD貫通配線15は、フローティングディフュージョンFDと、FD接合電極17とに接続されている。読み出し回路22を共有する複数のセンサ画素12に対して、1つのフローティングディフュージョンFDが設けられている場合には、複数のVSS貫通配線16は、読み出し回路22を共有する複数のセンサ画素12ごとに1つずつ設けられている。1つのセンサ画素12に対して、1つのフローティングディフュージョンFDが設けられている場合には、複数のVSS貫通配線16は、センサ画素12ごとに1つずつ設けられている。各VSS貫通配線16は、pウェル領域41と、VSS接合電極18とに接続されている。いずれにおいても、複数のVSS貫通配線16は、読み出し回路22ごとに1つずつ設けられている。
【0032】
第2基板20は、半導体基板21上に絶縁層28を積層して構成されている。第2基板20は、層間絶縁膜として絶縁層28を有している。絶縁層28は、半導体基板21と、第1基板10との間に設けられている。半導体基板21は、シリコン基板で構成されている。第2基板20は、4つのセンサ画素12ごとに、1つの読み出し回路22を有している。第2基板20は、半導体基板21の表面側(第3基板30側)の部分に読み出し回路22が設けられた構成となっている。第2基板20は、半導体基板11の表面側に半導体基板21の表面を向けて第1基板10に貼り合わされている。
【0033】
第2基板20は、絶縁層28内に、複数のFD貫通配線26および複数のVSS貫通配線27を有している。複数のFD貫通配線26および複数のVSS貫通配線27は、絶縁層28を貫通している。FD貫通配線26は、本開示の「第3貫通配線」の一具体例に相当する。VSS貫通配線27は、本開示の「第2貫通配線」の一具体例に相当する。各VSS貫通配線27は、複数のFD貫通配線26において互いに隣接する2つのFD貫通配線26の間隙に配置されている。第2基板20は、さらに、絶縁層28内に、複数のFD接合電極24および1つのVSS接合電極25を有している。複数のFD接合電極24および1つのVSS接合電極25は、ともに、絶縁層28の表面に露出している。FD接合電極24は、本開示の「第1接合電極」の一具体例に相当する。VSS接合電極25は、本開示の「配線電極」の一具体例に相当する。複数のFD接合電極24は、第1基板10のFD接合電極17ごとに1つずつ設けられている。FD接合電極24は、FD接合電極17と電気的に接続されている。FD接合電極24およびFD接合電極17は、例えば、銅で形成されており、互いに接合されている。VSS接合電極25は、第1基板10のVSS接合電極18と電気的に接続されている。VSS接合電極25およびVSS接合電極18は、例えば、銅で形成されており、互いに接合されている。各VSS接合電極25は、例えば、各FD接合電極24と同一面内に形成されている。VSS接合電極25は、複数のFD接合電極24において互いに隣接する2つのFD接合電極24の間隙に配置されている。センサ画素12および読み出し回路22は、FD接合電極17,24同士の接合によって互いに電気的に接続されている。
【0034】
各FD接合電極17,24は、例えば、
図5に示したように、フローティングディフュージョンFDと対向する位置に配置されている。
図5には、FD接合電極17およびVSS接合電極18における断面構成例、または、FD接合電極24およびVSS接合電極25における断面構成例が示されている。フローティングディフュージョンFDが4つのセンサ画素12によって共有されている場合、フローティングディフュージョンFDは、4つのセンサ画素12からなる領域の中心部分に設けられている。従って、フローティングディフュージョンFDが4つのセンサ画素12によって共有されている場合、各FD接合電極17,24は、4つのセンサ画素12からなる領域の中心部分と対向する位置に配置されている。各FD接合電極17,24は、例えば、方形状となっている。
【0035】
VSS接合電極18,25は、例えば、
図5に示したように、各FD接合電極17,24を積層面内方向において囲むように格子状に形成されている。VSS接合電極18,25は、撮像装置1の積層方向から見たときに4つのセンサ画素12と対向する箇所ごとに開口を有している。VSS接合電極18は、例えば、第1配列方向(例えば行方向)に延在する複数の接合配線と、第2配列方向(例えば列方向)に延在する複数の接合配線とが互いに交差(直交)するように同一面内に形成された格子形状となっている。同様に、VSS接合電極25は、例えば、第1配列方向(例えば行方向)に延在する複数の接合配線と、第2配列方向(例えば列方向)に延在する複数の接合配線とが互いに交差(直交)するように同一面内に形成された格子形状となっている。ここで、第1配列方向は、複数のフローティングディフュージョンFD(もしくは複数のセンサ画素12)の一方の配列方向(例えば行方向)である。また、第2配列方向は、複数のフローティングディフュージョンFD(もしくは複数のセンサ画素12)の他方の配列方向(例えば列方向)である。
【0036】
複数のFD接合電極24および複数のFD貫通配線26は、画素領域13と対向する領域に設けられている。複数のFD貫通配線26は、FD貫通配線15ごとに1つずつ設けられている。各FD貫通配線26は、FD接合電極24と、読み出し回路22(具体的には増幅トランジスタAMPのゲート)とに接続されている。複数のVSS接合電極25および複数のVSS貫通配線27は、画素領域13と対向する領域に設けられている。複数のVSS貫通配線27は、VSS貫通配線16ごとに1つずつ設けられている。各VSS貫通配線27は、VSS接合電極25と、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域(読み出し回路22の基準電位領域)とに接続されている。
【0037】
第1基板10および第2基板20からなる積層体は、画素領域13の周辺の領域に、第1基板10および第2基板20を貫通する複数の貫通配線42を有している。貫通配線42は、本開示の「第1貫通配線」の一具体例に相当する。複数の貫通配線42は、第1基板10の駆動配線14ごとに1つずつ設けられている。各貫通配線42は、駆動配線14と、ロジック回路32の垂直駆動回路32aとに接続されている。従って、ロジック回路32は、複数の貫通配線42を介してセンサ画素12および読み出し回路22を制御する。各貫通配線42は、例えば、TSV(Through Silicon Via)で構成されている。なお、各貫通配線42の代わりに、絶縁膜19を貫通する貫通配線(以下、「貫通配線a」と称する。)と、絶縁層28を貫通する貫通配線(以下、「貫通配線b」と称する。)と、貫通配線aに接続された接合電極(以下、「接合電極c」と称する。)と、貫通配線bに接続された接合電極(以下、「接合電極d」と称する。)とが設けられていてもよい。このとき、接合電極c,dは、例えば、銅で形成されており、接合電極cおよび接合電極dが、互いに接合されている。
【0038】
第1基板10および第2基板20からなる積層体は、さらに、画素領域13の周囲において、第1基板10および第2基板20を貫通する貫通配線43および貫通配線44を有している。貫通配線43,44は、例えば、TSVで構成されている。貫通配線43は、第3基板30の昇圧回路33に接続されており、電源電位VDDとなっている。電源電位VDDは、例えば、2.5V~2.8Vの範囲内の値となっている。貫通配線44は、第3基板30において基準電位VSSが印加される領域(第3基板30の基準電位領域)に電気的に接続されており、基準電位VSSとなっている。基準電位VSSは、例えば、ゼロボルトとなっている。
【0039】
第3基板30は、例えば、半導体基板31上に絶縁層36を積層して構成されている。第3基板30は、層間絶縁膜として絶縁層36を有している。絶縁層36は、半導体基板31と、第2基板20との間に設けられている。半導体基板31は、シリコン基板で構成されている。第3基板30は、半導体基板31の表面側(第2基板20側)の部分に、ロジック回路32が設けられた構成となっている。第3基板30は、半導体基板21の裏面側に半導体基板31の表面を向けて第2基板20に貼り合わされている。
【0040】
図6Aは、ロジック回路32から出力される出力電圧Voutを撮像装置1から取り出すための配線構造の一例を表したものである。
図6Bは、昇圧回路33に参照電位を供給するための配線構造の一例を表したものである。
図6Cは、第3基板30に基準電位VSSを供給するための配線構造の一例を表したものである。第1基板10および第2基板20からなる積層体は、画素領域13の周囲において、第1基板10および第2基板20を貫通する開口部45a,46a,47aを有している。開口部45aの底面には、接続パッド45bが設けられており、接続パッド45bがロジック回路32の出力端に接続されている。例えば、接続パッド45bにボンディングワイヤが接続される。開口部46aの底面には、接続パッド46bが設けられており、接続パッド46bが昇圧回路33に接続されている。例えば、接続パッド46bにボンディングワイヤが接続される。開口部47aの底面には、接続パッド47bが設けられており、接続パッド47bが第3基板30において基準電位VSSを印加するための領域に接続されている。例えば、接続パッド47bにボンディングワイヤが接続される。
【0041】
なお、
図7Aに示したように、開口部45a内に貫通配線45cが設けられていてもよい。この場合、例えば、貫通配線45cのうち第1基板10の表面に接続パッド45dが設けられ、接続パッド45dにボンディングワイヤが接続されていてもよい。また、
図7Bに示したように、開口部46a内に貫通配線46cが設けられていてもよい。この場合、例えば、貫通配線46cのうち第1基板10の表面に接続パッド46dが設けられ、接続パッド46dにボンディングワイヤが接続されていてもよい。また、
図7Cに示したように、開口部47a内に貫通配線47cが設けられていてもよい。この場合、例えば、貫通配線47cのうち第1基板10の表面に接続パッド47dが設けられ、接続パッド47dにボンディングワイヤが接続されていてもよい。
【0042】
[効果]
次に、本実施の形態に係る撮像装置1の効果について説明する。
【0043】
従来、2次元構造の撮像装置の1画素あたりの面積の微細化は、微細プロセスの導入と実装密度の向上によって実現されてきた。近年、撮像装置の更なる小型化および画素の高密度化を実現するため、3次元構造の撮像装置が開発されている。3次元構造の撮像装置では、例えば、積層した2つの半導体基板に対して、フォトダイオードや、フォトダイオードで得られた電荷を読み出す回路(読み出し回路)、フォトダイオードからの電荷の読み出しを制御する回路(制御回路)などが形成される。
【0044】
本実施の形態では、複数のセンサ画素12が第1基板10に形成され、複数の読み出し回路22が第2基板20に形成され、ロジック回路32が第3基板30に形成される。これにより、各センサ画素12を十分な大きさとすることができるので、ダイナミックレンジの広い再生画像が得られる。また、読み出し回路22のサイズを十分に広く取ることができるので、例えばRTSノイズなどの暗時ノイズを増加させることがない。また、ロジック回路32のサイズを十分に広く取ることができるので、例えば出力データレートを十分に早くすることができ、高いフレームレートの動画像を得ることができる。また、本実施の形態では、センサ画素12および読み出し回路22が画素領域13と対向する領域に設けられたFD接合電極17,24同士の接合によって互いに電気的に接続される。これにより、センサ画素12および読み出し回路22の電気的な接続を共通の基板の1つの画素内で行う場合と比べて、単位画素サイズを縮小することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、第1基板10および第2基板20からなる積層体には、画素領域13の周辺の領域に、複数の貫通配線42が形成されている。そして、センサ画素12および読み出し回路22が、ロジック回路32によって、複数の貫通配線42を介して制御される。これにより、各貫通配線42が画素領域13と対向する領域内に配置された場合と比べて、各貫通配線42が、フローティングディフュージョンFDと電気的に接続されたFD貫通配線15,26から離れて配置される。その結果、各貫通配線42と各FD貫通配線15,26との間での信号干渉を低減することができる。従って、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、絶縁膜19内であって、かつ画素領域13と対向する領域に、複数のVSS貫通配線16が読み出し回路22ごとに1つずつ設けられており、絶縁層28内であって、かつ画素領域13と対向する領域に、複数のVSS貫通配線27が読み出し回路22ごとに1つずつ設けられている。さらに、本実施の形態では、各VSS貫通配線16は、第1基板10において基準電位VSSとなる領域(pウェル領域41)に電気的に接続されており、各VSS貫通配線27は、第2基板20において基準電位VSSとなる領域に電気的に接続されている。これにより、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、絶縁膜19内であって、かつ画素領域13と対向する領域に、複数のFD接合電極17の各々に電気的に接続された複数のFD貫通配線15が設けられており、絶縁層28内であって、かつ画素領域13と対向する領域に、複数のFD接合電極24の各々に電気的に接続された複数のFD貫通配線26設けられている。さらに、本実施の形態では、各VSS貫通配線16は、複数のFD貫通配線15において互いに隣接する2つのFD貫通配線15の間隙に配置されており、各VSS貫通配線27は、複数のFD貫通配線26において互いに隣接する2つのFD貫通配線26の間隙に配置されている。これにより、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、絶縁膜19内には、各VSS貫通配線16に電気的に接続されたVSS接合電極18(配線電極)が設けられており、VSS接合電極18は、各FD接合電極17を囲むように格子状に形成されている。さらに、本実施の形態では、絶縁層28内には、各VSS貫通配線27に電気的に接続されたVSS接合電極25(配線電極)が設けられており、VSS接合電極25は、各FD接合電極24を囲むように格子状に形成されている。これにより、VSS接合電極18を、互いに隣接するFD接合電極17の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS接合電極25を、互いに隣接するFD接合電極24の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【0049】
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態に係る撮像装置1の変形例について説明する。なお、以下の変形例において、上記実施の形態と共通の構成に対しては、同一の符号が付与されている。
【0050】
[変形例A]
図8は、FD接合電極17およびVSS接合電極18における断面構成の一変形例、または、FD接合電極24およびVSS接合電極25における断面構成の一変形例を表したものである。上記実施の形態に係る撮像装置1において、例えば、
図8に示したように、各VSS接合電極18が、複数の接合電極18aと、複数の接合電極18aを互いに電気的に接続する配線18bとによって構成されていてもよい。さらに、上記実施の形態に係る撮像装置1において、例えば、
図8に示したように、各VSS接合電極25が、複数の接合電極25aと、複数の接合電極25aを互いに電気的に接続する配線25bとによって構成されていてもよい。
【0051】
このとき、複数の接合電極18aは、VSS貫通配線16ごとに1つずつ設けられており、複数の接合電極25aは、VSS貫通配線27ごとに1つずつ設けられている。つまり、第1基板10は、絶縁膜19内に、複数のVSS貫通配線16の各々に電気的に接続された複数の接合電極18aを有しており、第2基板20は、絶縁層28内に、複数のVSS貫通配線27の各々に電気的に接続された複数の接合電極25aを有している。接合電極18aおよび接合電極25aは、本開示の「第2接合電極」の一具体例に相当する。さらに、複数の接合電極18aは、複数のFD接合電極17において互いに隣接する2つのFD接合電極17の間隙に配置されており、複数の接合電極25aは、複数のFD接合電極24において互いに隣接する2つのFD接合電極24の間隙に配置されている。
【0052】
このようにした場合であっても、VSS接合電極18を、互いに隣接するFD接合電極17の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS接合電極25を、互いに隣接するFD接合電極24の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【0053】
[変形例B]
図9は、センサ画素12および読み出し回路22の一変形例を表したものである。
図10は、FD接合電極17およびVSS接合電極18における断面構成の一変形例、または、FD接合電極24およびVSS接合電極25における断面構成の一変形例を表したものである。
【0054】
上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1において、1つの読み出し回路22が、例えば、
図9に示したように、8つのセンサ画素12(2×4のセンサ画素12)を共有していてもよい。このとき、VSS接合電極18,25は、例えば、
図10に示したように、各FD接合電極17,24を積層面内方向において囲むように格子状に形成されている。VSS接合電極18は、例えば、第1方向に延在する複数の接合配線と、第2方向に延在する複数の接合配線とが互いに交差(直交)するように同一面内に形成された格子形状となっている。同様に、VSS接合電極25は、例えば、第1方向に延在する複数の接合配線と、第2方向に延在する複数の接合配線とが互いに交差(直交)するように同一面内に形成された格子形状となっている。ここで、第1方向は、複数のフローティングディフュージョンFD(もしくは複数のセンサ画素12)の配列方向(例えば行方向、列方向)と交差する方向である。また、第2方向は、複数のフローティングディフュージョンFD(もしくは複数のセンサ画素12)の配列方向(例えば行方向、列方向)と交差する方向であって、かつ第1方向とも交差(直交)する方向である。このようにすることで、
図5に示したレイアウトと比べて、互いに隣接する2つのFD接合電極17の間隔や、互いに隣接する2つのFD接合電極24の間隔を広げることができるので、FD接合電極17とVSS接合電極18との距離や、FD接合電極24とVSS接合電極25との距離も広げることができる。その結果、より微細な単位画素サイズであっても、VSS接合電極18を、互いに隣接する2つのFD接合電極17の間に配置することができ、VSS接合電極25を、互いに隣接する2つのFD接合電極24の間に配置することができる。従って、より微細な単位画素サイズであっても、VSS接合電極18を、互いに隣接するFD接合電極17の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS接合電極25を、互いに隣接するFD接合電極24の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【0055】
[変形例C]
図11は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものである。上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、第1基板10に設けられた絶縁膜19のうち、FD接合電極17およびVSS接合電極18と同一の層に設けられた絶縁層71が、第1基板10に設けられた絶縁膜19のうち、絶縁層71以外の箇所の誘電率よりも低い誘電率の絶縁材料によって形成されていてもよい。また、上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、第2基板20に設けられた絶縁層28のうち、FD接合電極24およびVSS接合電極25と同一の層に設けられた絶縁層72が、第2基板20に設けられた絶縁層28のうち、絶縁層72以外の箇所の誘電率よりも低い誘電率の絶縁材料によって形成されていてもよい。このようにした場合には、容量Cfdを低減させることができるので、変換効率の低下を抑えることができる。
【0056】
さらに、上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、例えば、
図12に示したように、第1基板10に設けられた絶縁膜19のうち、FD接合電極17およびVSS接合電極18に連結された接続配線47(例えばビア)と同一の層に設けられた絶縁層73が、第1基板10に設けられた絶縁膜19のうち、絶縁層71,73以外の箇所の誘電率よりも低い誘電率の絶縁材料によって形成されていてもよい。また、上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、第2基板20に設けられた絶縁層28のうち、FD接合電極24およびVSS接合電極25に連結された接続配線48(例えばビア)と同一の層に設けられた絶縁層74が、第2基板20に設けられた絶縁層28のうち、絶縁層72、74以外の箇所の誘電率よりも低い誘電率の絶縁材料によって形成されていてもよい。このようにした場合には、容量Cfdをさらに低減させることができるので、変換効率の低下を抑えることができる。
【0057】
[変形例D]
図13は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものである。上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、例えば、
図13に示したように、VSS接合電極25に連結される接続配線48が省略され、VSS接合電極25と、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域とを接続する配線が画素領域13と対向する領域内に設けられていなくてもよい。このとき、各VSS貫通配線16は、pウェル領域41に電気的に接続されており、各VSS貫通配線27は、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域に電気的に接続されている。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0058】
[変形例E]
図14は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものである。上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、例えば、
図14に示したように、VSS接合電極18,25が省略され、第1基板10のpウェル領域41と、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域とを接続する配線が画素領域13と対向する領域内に設けられていなくてもよい。このとき、各VSS貫通配線16は、pウェル領域41に電気的に接続されており、各VSS貫通配線27は、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域に電気的に接続されている。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0059】
[変形例F]
図15は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものである。上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、例えば、
図15に示したように、VSS接合電極18,25と、VSS接合電極18,25に連結される接続配線47,48が省略され、第1基板10のpウェル領域41と、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域とを接続する配線が画素領域13と対向する領域内に設けられていなくてもよい。このとき、各VSS貫通配線16は、pウェル領域41に電気的に接続されており、各VSS貫通配線27は、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域に電気的に接続されている。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0060】
[変形例G]
図16は、センサ画素12および読み出し回路22の一変形例を表すものである。上記変形例D,E,Fにおいて、第1基板10のpウェル領域41と、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域とを接続する配線として、貫通配線44が用いられてもよい。このようにした場合には、第1基板10のpウェル領域41の電位と、第2基板20において基準電位VSSが印加される領域の電位とを互いに等しい値(基準電位VSS)にすることができる。
【0061】
[変形例H]
図17は、読み出し回路22の一変形例を表すものである。上記実施およびその変形例に係る撮像装置1において、読み出し回路22は、例えば、
図17に示したように、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELの代わりに、オペアンプOPおよび帰還容量Cfを含む負帰還回路を有していてもよい。帰還容量Cfは、オペアンプOPの一方の入力端と、オペアンプOPの出力端とに接続されている。リセットトランジスタRSTは、電源電位VDDが印加される配線と、オペアンプOPの一方の入力端および帰還容量Cfの一端とに接続されている。オペアンプOPの他方の入力端には、電源電位VDDが印加される配線が接続されている。オペアンプOPには、電源電圧として、例えば、電源電位VDDおよび基準電位VSSが印加される。
【0062】
本変形例では、読み出し回路22に、オペアンプOPおよび帰還容量Cfを含む負帰還回路が設けられている。これにより、電荷検出容量が帰還容量Cfとなるので、フローティングディフュージョンFDの容量Cfdが大きい場合であっても、高い変換効率が得られる。
【0063】
図18は、センサ画素12および読み出し回路22の一変形例を表すものである。上記変形例D~変形例Gに係る撮像装置1において、
図17に記載の読み出し回路22が設けられている場合、第1基板10の基準電位VSS1が第2基板20の基準電位VSS2よりも低くなっていてもよい。基準電位VSS1は、基準電位VSS2よりも低い電位であり、例えば、-0.5V~-1Vの範囲内の値となっている。基準電位VSS2は、例えば、上述の基準電位VSSと等しい電位であり、例えば、ゼロボルトである。なお、第2基板において基準電位VSS2が印加される領域は、上記実施の形態およびその変形例に係る第2基板において基準電位VSSが印加される領域と等しい。
【0064】
このとき、撮像装置1において、第1基板10および第2基板20からなる積層体は、例えば、
図19に示したように、画素領域13の周辺の領域に、貫通配線45を有していてもよい。貫通配線45は、本開示の「第4貫通配線」の一具体例に相当する。貫通配線45は、基準電位VSS1が印加される配線であり、例えば、TSVで構成されている。貫通配線45は、後述の負昇圧回路34と、第1基板10のpウェル領域41とに電気的に接続されている。
【0065】
さらに、撮像装置1において、第2基板20および第3基板30からなる積層体は、例えば、
図19に示したように、画素領域13の周辺の領域に、貫通配線46を有していてもよい。貫通配線46は、基準電位VSS2が印加される配線であり、例えば、TSVで構成されている。貫通配線46は、第3基板30において基準電位VSS2が印加される領域と、第2基板20において基準電位VSS2が印加される領域とに電気的に接続されている。
【0066】
さらに、撮像装置1において、第3基板30は、所定の大きさの基準電位VSS1を生成する負昇圧回路34を有している。負昇圧回路34は、貫通配線45を介して、第1基板10の基準電位を制御することにより、第1基板10の基準電位を、第2基板20の基準電位よりも低くする。
【0067】
本変形例では、第1基板10の基準電位VSS1が第2基板20の基準電位VSS2よりも低くなっている。これにより、第1基板10および第2基板の基準電位が互いに等しくなっている場合と比べて、フローティングディフュージョンFDのダイナミックレンジを拡大することができる。その結果、電荷の転送不良や、映像表示の際の黒沈みが生じるのを抑制することができる。
【0068】
[変形例I]
図20は、第1基板10内のトランジスタの断面構成の一例を表したものである。
図21は、第2基板20内のトランジスタの断面構成の一例を表したものである。上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1において、第1基板10内のトランジスタと、第2基板20内のトランジスタとの設計条件が互いに異なっていてもよい。
【0069】
第1基板10内のトランジスタは、例えば、
図20に示したように、半導体基板11上に形成されたゲート絶縁膜51と、ゲート絶縁膜51に接して形成されたゲート電極52と、ゲート電極52の側面に接して形成されたサイドウォール層53と、半導体基板11の表面に形成されたソース領域およびドレイン領域とを有している。第1基板10内のトランジスタに周囲には、例えば、
図20に示したように、ゲート絶縁膜51、ゲート電極52およびサイドウォール層53を覆うように形成されたシリコン酸化膜54と、シリコン酸化膜54に接して形成されたシリコン窒化膜55と、シリコン窒化膜55に接して形成された絶縁層56と、ゲート電極52に電気的に接続された貫通配線58と、フローティングディフュージョンFDに電気的に接続された貫通配線57とが形成されている。シリコン酸化膜54は、半導体基板11の表面部分の保護や、イオン注入時の半導体基板11の表面部分のシリコン酸化膜の膜厚の均一化のために設けられる。シリコン窒化膜55は、絶縁層56に対して、貫通配線57,58を形成するための貫通孔を形成する際の、エッチングストッパとしての役割を有している。
【0070】
第2基板20内のトランジスタは、例えば、
図21に示したように、半導体基板21上に形成されたゲート絶縁膜61と、ゲート絶縁膜61に接して形成されたゲート電極62と、ゲート電極62の側面に接して形成されたサイドウォール層63と、半導体基板21の表面に形成されたソース領域およびドレイン領域(不純物拡散領域69)とを有している。第2基板20内のトランジスタに周囲には、例えば、
図21に示したように、ゲート絶縁膜61、ゲート電極62およびサイドウォール層63を覆うように形成されたシリコン酸化膜64と、シリコン酸化膜64に接して形成されたシリコン窒化膜65と、シリコン窒化膜65に接して形成された絶縁層56と、ゲート電極62に電気的に接続された貫通配線68と、不純物拡散領域69に電気的に接続された貫通配線67とが形成されている。シリコン酸化膜64は、半導体基板11の表面部分の保護や、イオン注入時の半導体基板11の表面部分のシリコン酸化膜の膜厚の均一化のために設けられる。シリコン窒化膜65は、絶縁層66に対して、貫通配線67,68を形成するための貫通孔を形成する際の、エッチングストッパとしての役割を有している。
【0071】
本変形例において、ゲート絶縁膜51は、ゲート絶縁膜61よりも厚く形成されていてもよい。また、本変形例において、サイドウォール層53は、サイドウォール層63よりも幅広に形成されていてもよい。また、本変形例において、半導体基板11に形成されたソース領域およびドレイン領域の不純物濃度は、半導体基板21に形成された不純物拡散領域69の不純物濃度よりも低くなっていてもよい。また、本変形例において、シリコン酸化膜54は、シリコン酸化膜64よりも厚く形成されるとともに、シリコン窒化膜55は、シリコン窒化膜65よりも薄く形成されていてもよい。
【0072】
このように、本変形例では、第1基板10内のトランジスタと、第2基板20内のトランジスタとの設計条件が互いに異なっている。これにより、第1基板10内のトランジスタには、第1基板10内のトランジスタに適した設計条件を適用し、第2基板20内のトランジスタには、第2基板20内のトランジスタに適した設計条件を適用することができる。その結果、ノイズの低減や、高効率化などを実現することができる。
【0073】
[変形例J]
図22、
図23は、センサ画素12の、読み出し回路22による共有の一変形例を表したものである。上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1において、1つの読み出し回路22によって共有されるセンサ画素12の数は、例えば、
図22に示したように2つとなっていてもよい。また、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1において、例えば、
図23に示したように、1つの読み出し回路22ごとに1つのセンサ画素12が設けられていてもよい。
【0074】
[変形例K]
図24、
図25は、本開示の一実施の形態に係る撮像装置2の構成を表したものである。撮像装置2は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1において、第2基板20および第3基板30の代わりに第2基板80に設けるとともに、第2基板20および第3基板30に設けた回路(具体的には、複数の読み出し回路22、ロジック回路32、昇圧回路33、負昇圧回路34)を第2基板80に設けたものである。このようにした場合であっても、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1と同様、各センサ画素12を十分な大きさとすることができるので、ダイナミックレンジの広い再生画像が得られる。また、読み出し回路22のサイズを十分に広く取ることができるので、例えばRTSノイズなどの暗時ノイズを増加させることがない。
【0075】
[変形例L]
図26は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1の回路構成の一例を表したものである。本変形例に係る撮像装置1は、列並列ADC搭載のCMOSイメージセンサである。
【0076】
図26に示すように、本変形例に係る固体撮像装置1は、光電変換素子を含む複数のセンサ画素12が行列状(マトリックス状)に2次元配置されてなる画素領域13に加えて、垂直駆動回路32a、カラム信号処理回路32b、参照電圧供給部38、水平駆動回路32c、水平出力線37およびシステム制御回路32dを有する構成となっている。
【0077】
このシステム構成において、システム制御回路32dは、マスタークロックMCKに基づいて、垂直駆動回路32a、カラム信号処理回路32b、参照電圧供給部38および水平駆動回路32cなどの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成し、垂直駆動回路32a、カラム信号処理回路32b、参照電圧供給部38および水平駆動回路32cなどに対して与える。
【0078】
また、垂直駆動回路32aは、画素領域13の各センサ画素12とともに、第1基板10に形成されており、さらに、読み出し回路22の形成されている第2基板20にも形成される。カラム信号処理回路32b、参照電圧供給部38、水平駆動回路32c、水平出力線37およびシステム制御回路32dは、第3基板30に形成される。
【0079】
センサ画素12としては、ここでは図示を省略するが、例えば、フォトダイオードPDの他に、フォトダイオードPDで光電変換して得られる電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する転送トランジスタTRとを有する構成のものを用いることができる。また、読み出し回路22としては、ここでは図示を省略するが、例えば、フローティングディフュージョンFDの電位を制御するリセットトランジスタRSTと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号を出力する増幅トランジスタAMPと、画素選択を行うための選択トランジスタSELとを有する3トランジスタ構成のものを用いることができる。
【0080】
画素領域13には、センサ画素12が2次元配置されるとともに、このm行n列の画素配置に対して行毎に駆動配線14が配線され、列毎に垂直信号線VSLが配線されている。複数の駆動配線14の各一端は、垂直駆動回路32aの各行に対応した各出力端に接続されている。垂直駆動回路32aは、シフトレジスタなどによって構成され、複数の駆動配線14を介して画素領域13の行アドレスや行走査の制御を行う。
【0081】
カラム信号処理回路32bは、例えば、画素領域13の画素列毎、即ち垂直信号線VSL毎に設けられたADC(アナログ-デジタル変換回路)35-1~35-mを有し、画素領域13の各センサ画素12から列毎に出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0082】
参照電圧供給部38は、時間が経過するにつれてレベルが傾斜状に変化する、いわゆるランプ(RAMP)波形の参照電圧Vrefを生成する手段として、例えばDAC(デジタル-アナログ変換回路)38Aを有している。なお、ランプ波形の参照電圧Vrefを生成する手段としては、DAC38Aに限られるものではない。
【0083】
DAC38Aは、システム制御回路32dから与えられる制御信号CS1による制御の下に、当該システム制御回路32dから与えられるクロックCKに基づいてランプ波形の参照電圧Vrefを生成してカラム信号処理回路32bのADC35-1~35-mに対して供給する。
【0084】
なお、ADC35-1~35-mの各々は、センサ画素12全ての情報を読み出すプログレッシブ走査方式での通常フレームレートモードと、通常フレームレートモード時に比べて、センサ画素12の露光時間を1/Nに設定してフレームレートをN倍、例えば2倍に上げる高速フレームレートモードとの各動作モードに対応したAD変換動作を選択的に行い得る構成となっている。この動作モードの切り替えは、システム制御回路32dから与えられる制御信号CS2,CS3による制御によって実行される。また、システム制御回路32dに対しては、外部のシステムコントローラ(図示せず)から、通常フレームレートモードと高速フレームレートモードの各動作モードとを切り替えるための指示情報が与えられる。
【0085】
ADC35-1~35-mは全て同じ構成となっており、ここでは、ADC35-mを例に挙げて説明するものとする。ADC35-mは、比較器35A、計数手段である例えばアップ/ダウンカウンタ(図中、U/DCNTと記している)35B、転送スイッチ35Cおよびメモリ装置35Dを有する構成となっている。
【0086】
比較器35Aは、画素領域13のn列目の各センサ画素12から出力される信号に応じた垂直信号線VSLの信号電圧Vxと、参照電圧供給部38から供給されるランプ波形の参照電圧Vrefとを比較し、例えば、参照電圧Vrefが信号電圧Vxよりも大なるときに出力Vcoが"H"レベルになり、参照電圧Vrefが信号電圧Vx以下のときに出力Vcoが"L"レベルになる。
【0087】
アップ/ダウンカウンタ35Bは非同期カウンタであり、システム制御回路32dから与えられる制御信号CS2による制御の下に、システム制御回路32dからクロックCKがDAC38Aと同時に与えられ、当該クロックCKに同期してダウン(DOWN)カウントまたはアップ(UP)カウントを行うことにより、比較器35Aでの比較動作の開始から比較動作の終了までの比較期間を計測する。
【0088】
具体的には、通常フレームレートモードでは、1つのセンサ画素12からの信号の読み出し動作において、1回目の読み出し動作時にダウンカウントを行うことにより1回目の読み出し時の比較時間を計測し、2回目の読み出し動作時にアップカウントを行うことにより2回目の読み出し時の比較時間を計測する。
【0089】
一方、高速フレームレートモードでは、ある行のセンサ画素12についてのカウント結果をそのまま保持しておき、引き続き、次の行のセンサ画素12について、前回のカウント結果から1回目の読み出し動作時にダウンカウントを行うことで1回目の読み出し時の比較時間を計測し、2回目の読み出し動作時にアップカウントを行うことで2回目の読み出し時の比較時間を計測する。
【0090】
転送スイッチ35Cは、システム制御回路32dから与えられる制御信号CS3による制御の下に、通常フレームレートモードでは、ある行のセンサ画素12についてのアップ/ダウンカウンタ35Bのカウント動作が完了した時点でオン(閉)状態となって当該アップ/ダウンカウンタ35Bのカウント結果をメモリ装置35Dに転送する。
【0091】
一方、例えばN=2の高速フレームレートでは、ある行のセンサ画素12についてのアップ/ダウンカウンタ35Bのカウント動作が完了した時点でオフ(開)状態のままであり、引き続き、次の行のセンサ画素12についてのアップ/ダウンカウンタ35Bのカウント動作が完了した時点でオン状態となって当該アップ/ダウンカウンタ35Bの垂直2画素分についてのカウント結果をメモリ装置35Dに転送する。
【0092】
このようにして、画素領域13の各センサ画素12から垂直信号線VSLを経由して列毎に供給されるアナログ信号が、ADC35-1~35-mにおける比較器35Aおよびアップ/ダウンカウンタ35Bの各動作により、Nビットのデジタル信号に変換されてメモリ装置35Dに格納される。
【0093】
水平駆動回路32cは、シフトレジスタなどによって構成され、カラム信号処理回路32bにおけるADC35-1~35-mの列アドレスや列走査の制御を行う。この水平駆動回路32cによる制御の下に、ADC35-1~35-mの各々でAD変換されたNビットのデジタル信号は順に水平出力線37に読み出され、当該水平出力線37を経由して撮像データとして出力される。
【0094】
なお、本開示には直接関連しないため特に図示しないが、水平出力線37を経由して出力される撮像データに対して各種の信号処理を施す回路等を、上記構成要素以外に設けることも可能である。
【0095】
上記構成の本変形例に係る列並列ADC搭載の撮像装置1では、アップ/ダウンカウンタ35Bのカウント結果を、転送スイッチ35Cを介して選択的にメモリ装置35Dに転送することができるため、アップ/ダウンカウンタ35Bのカウント動作と、当該アップ/ダウンカウンタ35Bのカウント結果の水平出力線37への読み出し動作とを独立して制御することが可能である。
【0096】
[変形例M]
図27は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものであり、特に、画素領域13と対向する第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表している。
図28は、
図27に示した第1基板10と第2基板20との接合面におけるFD接合電極17,24およびVSS接合電極18,25の水平方向の断面構成の一例を表したものである。
図29は、
図27に示した第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造を有する撮像装置1のセンサ画素および読み出し回路の一例を表したものである。本変形例では、センサ画素12および読み出し回路22を画素領域13と対向する領域において電気的に接続するFD接合電極17,24およびVSS接合電極18,25が、それぞれ、ビア(上記接続配線47,48)を介さずにFD貫通配線15,26およびVSS貫通配線16,27に直接接続されていると共に、2種以上の形状を有する点が、上記実施および変形例とは異なる。
【0097】
例えば、
図27に示したように、FD接合電極17と、FD接合電極24と、VSS接合電極18,25との幅が互いに異なっていてもよく、例えば、VSS接合電極18,25の幅は、FD接合電極17,24の幅よりも狭くなっていてもよい。例えば、FD接合電極17,24およびVSS接合電極18,25の積層方向の長さが互いに異なっていてもよい。あるいは、例えば、
図27に示したように、第1基板10側のVSS接合電極18と、第2基板20側のVSS接合電極25との間で、光軸方向の長さが互いに異なっていてもよい。このとき、例えば、第1基板10側の各VSS接合電極18は、絶縁膜19内に形成され、第2基板20との接合面には露出していない。即ち、対向するVSS接合電極18と、VSS接合電極25とは絶縁膜19を間にして分断されている。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。
【0098】
上記のような配線構造は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0099】
図30A~
図30Iは、第1基板10側のFD接合電極17およびVSS接合電極18の製造方法の一例を工程順に表したものである。まず、
図30Aに示したように、FD貫通配線15およびVSS貫通配線16までを、例えば、ダマシン技術により形成したのち、
図30Bに示したように、FD貫通配線15およびVSS貫通配線16を含む絶縁膜19A上に、絶縁膜19Bを所定の厚みで成膜する。続いて、
図30Cに示したように、FD貫通配線15およびVSS貫通配線16上の絶縁膜19Bを選択的にエッチングして開口H1を形成したのち、
図30Dに示したように、例えば、銅(Cu)等の金属膜M1を開口H1内に埋め込むと共に絶縁膜19B上に堆積する。次に、
図30Eに示したように、絶縁膜19B上の金属膜M1を、例えばエッチングにより除去する。これにより、FD接合電極17の一部(FD接合電極17A)およびVSS接合電極18が形成される。続いて、
図30Fに示したように、FD接合電極17AおよびVSS接合電極18を含む絶縁膜19B上に、絶縁膜19Cを所定の厚みで成膜する。次に、
図30Gに示したように、FD接合電極17A上の絶縁膜19を選択的にエッチングして開口H2を形成したのち、
図30Hに示したように、例えば、銅(Cu)等の金属膜M2を開口H2内に埋め込むと共に絶縁膜19上に堆積する。最後に、
図30Iに示したように、絶縁膜19上の金属膜M2を、例えばエッチングにより除去する。以上により、積層方向の長さが互いに異なるFD接合電極17およびVSS接合電極18を有する第1基板10が完成する。
【0100】
なお、
図27では、FD接合電極17,24の幅が互いに異なる例を示したが、FD接合電極17,24は、
図31に示したように、同じ幅であってもよい。また、図示していないが、
図27では、VSS接合電極18,25が互いに同じ幅を有する例を示したが、VSS接合電極18,25は、
図27に示したFD接合電極17,24のように、互いに異なる幅としてもよい。
【0101】
図1に示したように、複数のセンサ画素12およびフローティングディフュージョンFDを有する第1基板10と、センサ画素12から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読み出し回路22を有する第2基板20とが積層された撮像装置1では、1信号端子(例えば、FD貫通配線15,26)当たり、行列方向に隣接している少なくとも4つの信号端子の間にシールド配線(例えば、VSS貫通配線16,27)を、それぞれ、配置することが望ましい。シールド配線を設ける場合、第1基板10と第2基板20との接合面には、それぞれ、センサ画素12と読み出し回路22とを電気的に接続するFD接合電極17,24に加えて、シールド配線の接合電極(例えば、VSS接合電極18,25)が配置される。しかしながら、高解像度が求められる撮像装置では、画素数の増加に伴い画素サイズが小さくなるため、信号端子間の距離も短くなり、それらの間にシールド配線の接合電極を配置する余地が小さくなる。
【0102】
特に、第1基板10と第2基板20とを接合する際には、それぞれの接合面における、複数のFD接合電極17,24および複数のVSS接合電極18,25の配線ピッチと接続合わせズレ量とが近くなるため、隣接する信号端子間にシールド配線を配置することが困難になる。例えば、接続合わせズレ量が大きいと、
図32および
図33に示したように、貫通配線15,16,26,27上の接合電極17,18,24,25が単層構造(
図32)になっているか、あるいは、積層構造(
図33)になっているかに関わらず、例えば、第1基板10側のVSS接合電極18と第2基板20側のFD接合電極24との間および第1基板10側のFD接合電極17と第2基板20側のVSS接合電極25との間が導通して第1基板10と第2基板20との間で信号伝達ができなくなり、再生画像上で著しい画像不良が発生する虞がある。
【0103】
これに対して、本変形例では、例えば、第1基板10側のVSS接合電極18の光軸方向の長さを、第2基板20側のVSS接合電極25よりも短くし、VSS接合電極18が第1基板10と第2基板20との接合面に露出しないようにした。これにより、第1基板10と第2基板との接続合わせズレが発生した場合でも、
図34および
図35に示したように、第1基板10側のVSS接合電極18と、第2基板20側のFD接合電極24との間の接触を防ぐことが可能となる。
【0104】
また、本変形例では、VSS貫通配線16,27の端部にVSS接合電極18,25を設けるようにしたので、例えば
図15に示した撮像装置1の配線構造と比較して、第2基板20側のVSS接合電極25との分断距離が短くなる。よって、互いに隣接するFD貫通配線15,26での信号干渉を低減するシールドとして機能を向上させることが可能となる。従って、
図15に示した配線構造を採用した場合と比較して、さらにノイズを低減することができる。
【0105】
[変形例N]
図36は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものであり、特に、画素領域13と対向する第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表している。上記変形例Mでは、第1基板10側のVSS接合電極18の長さを短くした例を示したが、
図36に示したように、第2基板20側のVSS接合電極25の長さを短くするようにしてもよい。このようにした場合であっても、上記変形例Mと同様に、互いに隣接するFD貫通配線15,26での信号干渉を低減するシールドとして機能を向上させることができ、ノイズを低減することができる。
【0106】
[変形例O]
図37は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものであり、特に、画素領域13と対向する第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表している。上記変形例Mでは、VSS貫通配線16,27の端部をVSS接合電極18,25とした例を示したが、
図37に示したように、それぞれ、ビアv78,v85を介した配線層78,85としてもよい。このとき、各配線層78は、各ビアv78および各VSS貫通配線16を介してpウェル領域41に電気的に接続されており、各配線層85は、各ビアv85および各VSS貫通配線27を介して基準電位VSSが印加される領域に電気的に接続されている。よって、このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16および各配線層78を、互いに隣接するFD貫通配線15,26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに各VSS貫通配線27および各配線層85を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。また、配線層78,85を、変形例M等に示したVSS接合電極18よりも幅広に形成することで、よりシールドとしての機能を向上させることができる。従って、例えば
図15に示した配線構造を採用した場合と比較して、さらにノイズを低減することができる。
【0107】
[変形例P]
図38は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものであり、特に、画素領域13と対向する第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表している。上記変形例Oでは、VSS貫通配線16,27の端部を配線層78,85とした例を示したが、
図38に示したように、一方を配線層(例えば、第1基板10側を配線層78)とし、他方をビア(例えば、第2基板20側をビアv85)としてもよい。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0108】
[変形例Q]
図39は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものであり、特に、画素領域13と対向する第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表している。VSS貫通配線16,27の端部は、それぞれ、ビアv78,v85としてもよい。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0109】
[変形例R]
図40は、撮像装置1の垂直方向の断面構成の一変形例を表すものであり、特に、画素領域13と対向する第1基板10と第2基板20との接合面およびその近傍の配線構造の一変形例を表している。VSS貫通配線16,27の端部は、一方をVSS接合電極(例えば、第1基板10側をVSS接合電極18)とし、他方をビア(例えば、第2基板20側をビアv85)としてもよい。このようにした場合であっても、各VSS貫通配線16を、互いに隣接するFD貫通配線15の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができ、さらに、各VSS貫通配線27を、互いに隣接するFD貫通配線26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0110】
[変形例S]
図41は、センサ画素12および読み出し回路22の一変形例を表すものである。上記変形例M~Rにおいて、第1基板10のVSS貫通配線16には、例えばVSSやGND等の基準電位が、第2基板20のVSS貫通配線27には、その他の電圧が印加されるようにしてもよい。
【0111】
[変形例T]
図42は、センサ画素12および読み出し回路22の一変形例を表すものである。上記変形例M~Rにおいて、第2基板20のVSS貫通配線27には、例えばVSSやGND等の基準電位が、第1基板10のVSS貫通配線16には、その他の電圧が印加されるようにしてもよい。
【0112】
[変形例U]
図43は、
図27に示した接合面およびその近傍の配線構造を他の位置に適用した際のセンサ画素および読み出し回路の一例を表したものである。上記変形例M~Tでは、画素信号がフローティングディフージョンFD端子上のものである場合について説明したが、
図43に示したように、画素信号が読み出し回路22の出力端子(例えば、Vsig)上のものであってもよい。
【0113】
上記変形例M~Tのように、フローティングディフュージョンFDを2つのシリコン基板間(半導体基板11と半導体基板21との間)で接続する構造の場合、フローティングディフュージョンFDの端子と、その他の端子との間の容量が増加し、画素の変換効率が低下する虞がある。これに対して、本変形例のように、増幅トランジスタAMPの出力端子を、2つのシリコン基板間で接続する構造の場合、フローティングディフュージョンFDの端子の容量は、一般的な撮像装置と同等であるため、変換効率の低下を防ぐことが可能となる。
【0114】
[変形例V]
図44~
図50は、
図27等に示した配線構造を有する撮像装置1のFD接合電極17およびVSS接合電極18における水平方向の断面構成の一変形例ならびにFD接合電極24およびVSS接合電極25における水平方向の断面構成の一変形例を表したものである。なお、
図44~
図50は、
図5と同様に、フローティングディフュージョンFDが4つのセンサ画素12によって共有されている場合を例に示している。
【0115】
例えば、
図44に示したように、行列状に配置された各FD接合電極17,24の間に、それぞれ、複数のVSS接合電極18,25を1つずつ配置するようにしてもよい。例えば、
図45に示したように、
図44に示した構成に加えて、斜め方向に隣接する各FD接合電極17,24の間に、それぞれ、複数のVSS接合電極18,25を1つずつ配置するようにしてもよい。例えば、
図46に示したように、行方向に隣接する各FD接合電極17,24の間に、それぞれ、複数のVSS接合電極18,25を1つずつ配置し、列方向に隣接する各FD接合電極17,24の間に、行方向に連続するVSS接合電極18,25を、それぞれ配置するようにしてもよい。例えば、
図47に示したように、列方向に隣接する各FD接合電極17,24の間に、それぞれ、複数のVSS接合電極18,25を1つずつ配置し、行方向に隣接する各FD接合電極17,24の間に、列方向に連続するVSS接合電極18,25を、それぞれ配置するようにしてもよい。例えば、
図48に示したように、行列状に配置された各FD接合電極17,24に対して、例えば、第1基板10側では、各FD接合電極17,24の間に、それぞれ、複数のVSS接合電極18を1つずつ配置し、第2基板20側では、格子状に連続して形成されたVSS接合電極25を配置するようにしてもよい。例えば、
図49に示したように、行列状に配置された各FD接合電極17,24の間に、それぞれ1つずつ配置される複数のVSS接合電極18,25のうち、VSS接合電極25の長さを、VSS接合電極18よりも大きくしてもよい。例えば、
図50に示したように、行列状に配置された各FD接合電極17,24の間に、それぞれ1つずつ配置される複数のVSS接合電極18,25のうち、VSS接合電極25の長さを、VSS接合電極18よりも小さくしてもよい。
【0116】
上記
図44~
図50に示したいずれの構造においても、各VSS貫通配線16,27および各VSS接合電極18,25を、互いに隣接するFD貫通配線15,26の間での信号干渉を低減するシールドとして機能させることができる。従って、ノイズの低減を実現することができる。
【0117】
<3.適用例>
図51は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1を備えた撮像システム3の概略構成の一例を表したものである。
【0118】
撮像システム3は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム3は、例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1、光学系141、シャッタ装置142、制御回路143、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147、操作部148および電源部149を備えている。撮像システム3において、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147、操作部148および電源部149は、バスライン150を介して相互に接続されている。
【0119】
光学系141は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を撮像装置1に導き、撮像装置1の受光面に結像させる。シャッタ装置142は、光学系141および撮像装置1の間に配置され、制御回路143の制御に従って、撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御する。撮像装置1は、光学系141およびシャッタ装置142を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。撮像装置1に蓄積された信号電荷は、画像データとして、制御回路143から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。制御回路143は、撮像装置1の転送動作、および、シャッタ装置142のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、撮像装置1およびシャッタ装置142を駆動する。
【0120】
DSP回路144は、撮像装置1から出力される画像データを処理する信号処理回路である。フレームメモリ145は、DSP回路144により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部146は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、撮像装置1で撮像された動画又
は静止画を表示する。記憶部147は、撮像装置1で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部148は、ユーザによる操作に従い、撮像システム3が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部149は、撮像装置1、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147および操作部148の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0121】
次に、撮像システム3における撮像手順について説明する。
【0122】
図52は、撮像システム3における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザは、操作部148を操作することにより撮像開始を指示する(ステップS101)。すると、操作部148は、撮像指令を制御回路143に送信する(ステップS102)。制御回路143は、撮像指令を受信すると、シャッタ装置142および撮像装置1の制御を開始する。撮像装置1(具体的にはシステム制御回路32d)は、制御回路143による制御によって、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS103)。シャッタ装置142は、制御回路143による制御によって、撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0123】
撮像装置1は、撮像により得られた画像データをDSP回路144に出力する。ここで、画像データとは、フローティングディフュージョンFDに一時的に保持された電荷に基づいて生成された画素信号の全画素分のデータである。DSP回路144は、撮像装置1から入力された画像データに基づいて所定の信号処理(例えばノイズ低減処理など)を行う(ステップS104)。DSP回路144は、所定の信号処理がなされた画像データをフレームメモリ145に保持させ、フレームメモリ145は、画像データを記憶部147に記憶させる(ステップS105)。このようにして、撮像システム3における撮像が行われる。
【0124】
本適用例では、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1が撮像システム3に適用される。これにより、撮像装置1を小型化、高ダイナミックレンジ化および低ノイズ化することができるので、小型で、ダイナミックレンジの広い、高精細な撮像システム3を提供することができる。
【0125】
<4.応用例>
[応用例1]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0126】
図53は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0127】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図53に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0128】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0129】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0130】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0131】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0132】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0133】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0134】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0135】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0136】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図53の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0137】
図54は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0138】
図54では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0139】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0140】
なお、
図54には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0141】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0142】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0143】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0144】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0145】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、ノイズの少ない高精細な撮影画像を得ることができるので、移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことができる。
【0146】
[応用例2]
図55は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0147】
図55では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0148】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0149】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0150】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0151】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0152】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0153】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0154】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0155】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0156】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0157】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0158】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0159】
図56は、
図55に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0160】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0161】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0162】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0163】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0164】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0165】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0166】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0167】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0168】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0169】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0170】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0171】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0172】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0173】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0174】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0175】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0176】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部11402を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な内視鏡11100を提供することができる。
【0177】
以上、実施の形態およびその変形例、適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0178】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
光電変換を行う複数のセンサ画素を含む画素領域を有する第1基板と、
1または複数の前記センサ画素ごとに1つずつ設けられ、前記センサ画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する複数の読み出し回路を有する第2基板と、
前記センサ画素および前記読み出し回路を制御する制御回路を有する第3基板と
を備え、
前記第1基板、前記第2基板および前記第3基板は、この順に積層され、
前記第1基板および前記第2基板からなる積層体は、層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に設けられた複数の第1接合電極とを有し、
前記センサ画素および前記読み出し回路は、前記第1接合電極同士の接合によって互いに電気的に接続されている
撮像装置。
(2)
前記積層体は、前記画素領域の周辺の領域に、複数の第1貫通配線を有し、
前記制御回路は、複数の前記第1貫通配線を介して前記センサ画素および前記読み出し回路を制御する
(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に、前記読み出し回路ごとに1つずつ設けられた複数の第2貫通配線を有し、
各前記第2貫通配線は、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方において基準電位となる領域に電気的に接続されている
(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に、複数の前記第1接合電極の各々に電気的に接続された複数の第3貫通配線を有し、
各前記第2貫通配線は、複数の前記第3貫通配線において互いに隣接する2つの前記第3貫通配線の間隙に配置されている
(3)に記載の撮像装置。
(5)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、各前記第2貫通配線に電気的に接続された配線電極を有し、
前記配線電極は、各前記第1接合電極を囲むように格子状に形成されている
(4)に記載の撮像装置。
(6)
前記配線電極は、複数の前記センサ画素の第1配列方向に延在する複数の第1接合配線と、複数の前記センサ画素の第2配列方向に延在する複数の第2接合配線とが互いに交差するように同一面内に形成された格子形状となっている
(5)に記載の撮像装置。
(7)
前記配線電極は、複数の前記センサ画素の配列方向と交差する第1方向に延在する複数の第1接合配線と、複数の前記センサ画素の配列方向に交差するとともに前記第1方向とも交差する第2方向に延在する複数の第2接合配線とが互いに交差するように同一面内に形成された格子形状となっている
(5)に記載の撮像装置。
(8)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、複数の前記第2貫通配線の各々に電気的に接続された複数の第2接合電極を有し、
複数の前記第2接合電極は、複数の前記第1接合電極において互いに隣接する2つの前記第1接合電極の間隙に配置されている
(4)に記載の撮像装置。
(9)
各前記読み出し回路は、オペアンプを含む負帰還回路を有する
(1)ないし(8)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(10)
前記第1基板の基準電位が前記第2基板の基準電位よりも低くなっている
(9)に記載の撮像装置。
(11)
前記積層体は、前記画素領域の周辺の領域に、複数の第4貫通配線を有し、
前記第3基板は、負昇圧回路を有し、
前記負昇圧回路は、複数の前記第4貫通配線を介して前記第1基板の基準電位を制御することにより、前記第1基板の基準電位を、前記第2基板の基準電位よりも低くする
(10)に記載の撮像装置。
(12)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、複数の前記第2貫通配線の各々に電気的に接続されると共に、複数の前記第1接合電極において、互いに隣接する2つの前記第1接合電極の間隙に配置される複数の配線電極を有し、
複数の前記第1接合電極および複数の前記配線電極は、2種以上の形状を有する
(3)ないし(11)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(13)
複数の前記第1接合電極および複数の前記配線電極の少なくとも一部は、互いに異なる2種類の形状を有する
(12)に記載の撮像装置。
(14)
複数の前記配線電極は、少なくとも一部が複数の前記第1接合電極よりも短く、
前記第1基板側および前記第2基板側の対向する各前記配線電極は、間に前記層間絶縁膜を有する
(12)または(13)に記載の撮像装置。
(15)
複数の前記配線電極は、前記第1基板側と前記第2基板側とで、長さおよび幅の少なくとも一方が互いに異なっており、
前記第1基板側および前記第2基板側の対向する各前記配線電極は、間に前記層間絶縁膜を有する
(12)ないし(14)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(16)
前記第1基板側の複数の前記配線電極および前記第2基板側の複数の前記配線電極は、一方が前記第1基板と前記第2基板との接合面に露出し、他方が該層間絶縁膜内に形成されている
(15)に記載の撮像装置。
(17)
光電変換を行う複数のセンサ画素を含む画素領域を有する第1基板と、
1または複数の前記センサ画素ごとに1つずつ設けられ、前記センサ画素から出力された電荷に基づく画素信号を出力する複数の読み出し回路と、前記センサ画素および前記読み出し回路を制御する制御回路とを有する第2基板と
を備え、
前記第1基板および前記第2基板は、互いに積層され、
前記第1基板および前記第2基板からなる積層体は、層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に設けられた複数の第1接合電極とを有し、
前記センサ画素および前記読み出し回路は、前記第1接合電極同士の接合によって互いに電気的に接続されている
撮像装置。
(18)
前記積層体は、前記画素領域の周辺の領域に、複数の第1貫通配線を有し、
前記制御回路は、複数の前記第1貫通配線を介して前記センサ画素を制御する
(17)に記載の撮像装置。
(19)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に、前記読み出し回路ごとに1つずつ設けられた複数の第2貫通配線を有し、
各前記第2貫通配線は、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方において基準電位となる領域に電気的に接続されている
(17)または(18)に記載の撮像装置。
(20)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内であって、かつ前記画素領域と対向する領域に、複数の前記第1接合電極の各々に電気的に接続された複数の第3貫通配線を有し、
各前記第2貫通配線は、複数の前記第3貫通配線において互いに隣接する2つの前記第3貫通配線の間隙に配置されている
(19)に記載の撮像装置。
(21)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、各前記第2貫通配線に電気的に接続された配線電極を有し、
前記配線電極は、各前記第1接合電極を囲むように格子状に形成されている
(20)に記載の撮像装置。
(22)
前記配線電極は、複数の前記センサ画素の第1配列方向に延在する複数の第1接合配線と、複数の前記センサ画素の第2配列方向に延在する複数の第2接合配線とが互いに交差するように同一面内に形成された格子形状となっている
(21)に記載の撮像装置。
(23)
前記配線電極は、複数の前記センサ画素の配列方向と交差する第1方向に延在する複数の第1接合配線と、複数の前記センサ画素の配列方向に交差するとともに前記第1方向とも交差する第2方向に延在する複数の第2接合配線とが互いに交差するように同一面内に形成された格子形状となっている
(21)に記載の撮像装置。
(24)
前記積層体は、前記層間絶縁膜内に、複数の前記第2貫通配線の各々に電気的に接続された複数の第2接合電極を有し、
複数の前記第2接合電極は、複数の前記第1接合電極において互いに隣接する2つの前記第1接合電極の間隙に配置されている
(20)に記載の撮像装置。
【0179】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置によれば、複数のセンサ画素を第1基板に形成し、複数の読み出し回路を第2基板に形成し、制御回路を第3基板に形成するようにしたので、ダイナミックレンジの更なる向上や、ノイズの更なる低減を実現することができる。
【符号の説明】
【0180】
1,2…撮像装置、3…撮像システム、10…第1基板、11…半導体基板、12…センサ画素、13…画素領域、14…駆動配線、15…FD貫通配線、16…VSS貫通配線、17…FD接合電極、18,18a…VSS接合電極、18b…配線、19…絶縁膜、20…第2基板、21…半導体基板、22…読み出し回路、23…読み出し回路領域、24…FD接合電極、25,25a…VSS接合電極、25b…配線、26…FD貫通配線、27…VSS貫通配線、28…絶縁層、30…第3基板、31…半導体基板、32…ロジック回路、32a…垂直駆動回路、32b…カラム信号処理回路、32c…水平駆動回路、32d…システム制御回路、33…昇圧回路、34…負昇圧回路、36…絶縁層、40…カラーフィルタ層、41…pウェル領域、42…貫通配線、43…貫通配線、44…貫通配線、45,46…貫通配線、45a,46a,47a…開口部、45b,46b,47b…接続パッド、45c,46c,47c…貫通配線、45d,46d,47d…接続パッド、50…受光レンズ、51,61…ゲート絶縁膜、52,62…ゲート電極、53,63…サイドウォール層、54,64…シリコン酸化膜、55,65…シリコン窒化膜、56,66…絶縁層、57,58,67,68…貫通配線、69…不純物拡散領域、71,72,73,74…絶縁層、80…第2基板、AMP…増幅トランジスタ、Cf…帰還容量、Cfd…容量、FD…フローティングディフュージョン、PD,PD1,PD2,PD3,PD4,PD5,PD6,PD7,PD8…フォトダイオード、RST…リセットトランジスタ、SEL…選択トランジスタ、TR,TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6,TR7,TR8…転送トランジスタ、VDD…電源電位、VSS,VSS1,VSS2…基準電位、VSL…垂直信号線。